GSM / UMTS デュアルモード8バンド対応 低挿入損失、低歪み特性アンテナスイッチモジュール

携帯電話向け高周波用アンテナスイッチモジュール
CXM3519ER/ GSM / UMTS デュアルモード8 バンド対応
CXM3521AER 低挿入損失、低歪み特性アンテナスイッチモジュール
ソニーのアンテナスイッチは、独自の J P H E M T プロセスにより低挿入損失、
低歪みを実現してきました。今回はこれに C M O S デコーダを組み合わせることで、
低電圧駆動とさらなる低歪み特性を実現しています。
G a A s I P D - L P F を内蔵し、小型低背パッケージを実現しています。
また、R F ポートへの D C カットコンデンサが不要となり、部品点数の削減にも寄与します。
“C X M 3 5 1 9 E R ”および“C X M 3 5 2 1 A E R ”は、最近の携帯電話のトレンドである軽薄化
をサポートするマルチバンド対応アンテナスイッチモジュールです。
■ 低損失、
低歪み特性:
挿入損失:0.85dB@800MHz,
[email protected]
IMD3 : -108dBm@800MHz,
[email protected]
■ GaAs IPD-LPF の内蔵
■ 小型低背パッケージ:
3.0mm ×3.8mm ×0.8mm
(CXM3519ER)
3.8mm ×4.4mm ×0.8mm
(CXM3521AER)
■ RF ポートへの DC カットコン
デンサ不要
マルチバンド対応
CXM3519ER は、アンテナ端子を6 経路の
GSM バンドと4 経路のUMTS バンドへの切
り替えが可能なSP10T 構成です。SP9T と
しても使用できます。
一方、CXM3521AERは3つのアンテナ端子
を有した3P9T 構成となっており、現在、コ
ンスーマ向けでは世界最大規模のMMIC ス
イッチです(図-1)
。
低挿入損失、低歪み特性
CXM3519ER および CXM3521AER は、ソ
ニー独自のJPHEMT ※1 プロセスにより、低
挿入損失を実現しています。これは送信時
の消費電流の低減並びに受信感度の向上に
大きく貢献します(表-1)
。また、最近は歪
み特性の規格が厳しくなる傾向にあります
が、今回、CMOS デコーダと JPHEMT ス
イッチの最適設計により、歪み特性(IMD
※2)を当社従来品に比べ約5dB 改善 するこ
とができました。
※ 1 JPHEMT : Junction Gate Pseudomorphic High
Electron Mobility Transistor
※ 2 IMD : Inter Modulation Distortion
IPD-LPF
内蔵されているLPF はIPD ※3 技術を採用し
ています。ソニーのIPDは、GaAs 基板上
に厚膜メッキ積層技術を用いてHigh-Q イ
ンダクタ、低損失線路を形成し、低損失、
高減衰特性を達成しました。
また、従来のLTCC ベースのものより小型
低背化を実現しています(LTCC-LPF 比で
半分以下)
(図-2)
。
※ 3 IPD : Integrated Passive Device
小型低背パッケージ
CXM3519ER は小型低背であるVQFN パッ
ケージを採用しました。外付け部品を含め
ると、従来品に比べ面積比率で40%以上の
削減となります。CXM3521AER も同じ
VQFN パッケージを用い、小型化を実現し
ています(図-3)
。
RFポートへのDCカットコンデンサ不要
CXM3519ER およびCXM3521AER は従来
品に比べ、部品点数を大幅に削減すること
ができます。これはソニー独自の回路技術
により、RF ポートのDC カットコンデンサ
が不要となったためです。
これにより、セット基板の実装面積を小さ
くすることができます。また、部品数を低
減することでコストダウンにもつながりま
す(図-4)
。
設計者
池田 昌宏
今回紹介したCXM3519ERとCXM3521AER
は、独自の技術を詰め込んだソニーらしい
IC です。既に市場からも高い評価をいただ
いております。
現在はラインアップも拡充し、さまざまな
用途に対応できる製品を用意しております。
ぜひご検討ください。
図- 1 ブロック図
CXM3519ER
ANT
CXM3521AER
ANT1
LPF
LPF
LPF
GSM Tx1 (Low Band)
GSM Tx1 (Low Band)
GSM Rx1 (Low Band)
GSM Rx1 (Low Band)
GSM Rx2 (Low Band)
GSM Rx2 (Low Band)
UMTS TRx1 (Low Band)
ANT2
UMTS TRx1 (Low Band)
LPF
GSM Tx2 (High Band)
GSM Tx2 (High Band)
GSM Rx3 (High Band)
GSM Rx3 (High Band)
GSM Rx4 (High Band)
GSM Rx4 (High Band)
UMTS TRx2 (High Band)
UMTS TRx2 (High Band)
EXT
UMTS TRx3 (High Band)
UMTS TRx3 (High Band)
表- 1 主要特性(C X M 3 5 1 9 E R )
図- 2 内部構造図
経路
項目
GaAs
IPD-LPF
条件
Ant-Tx1
GaAs SW
Insertion
Loss
CMOS
Decoder
824∼915MHz
Ant-Tx2
1710∼1910MHz
Ant-TRx1
1920∼2170MHz
0.50
Ant-TRx2
824∼1990MHz
0.55
Ant-TRx3
824∼1990MHz
0.55
Ant-TRx4
Ant-Rx1∼4
Isolation
CMOS
Decoder
GaAs
IPD-LPF
GaAs SW
824∼894MHz
0.40
869∼960MHz
0.65
1805∼1990MHz
1.00
824∼915MHz
42
Tx2-Ant
1805∼1990MHz
37
TRx1∼4-Ant
TRx: 835MHz +20dBm
Ant: 45MHz –15dBm
–117
TRx1∼4-Ant
TRx: 1950MHz +20dBm
Ant: 190MHz –15dBm
–108
TRx1∼4-Ant
IMD3
TRx1∼4-Ant
TRx: 835MHz +20dBm
Ant: 790MHz –15dBm
TRx: 1950MHz +20dBm
Ant: 1760MHz –15dBm
図- 3 外形寸法図
CXM3521AER
0.8 ± 0.05
4.4
0.8 ± 0.05
3.8
21
18
17
3.8
13
3.0
22
27
28
14
26
9
1
34
8
11
1
1 pin mark
10
1 pin mark
[単位 : mm]
図- 4 実装面積比較(S P 9 T 構成の場合)
... セット基板上の実装面積
従来品
CXM3512EQ
新製品
CXM3519ER
40%以上の
面積削減
ANTSW
ANTSW
部品点数:3
部品点数:13
単位
0.88
Tx1-Ant
IMD2
CXM3519ER
標準値
0.85
dB
dB
dBm
–108
dBm
–105