2013 Vol. 2 フ ジ ク ラ 技 報 第 125 号 〈技術トピックス〉 薄型部品内蔵基板 WABE Package Ⓡ 部品内蔵基板は電子機器の小型軽量化,高性 図 2 に示すセンサモジュールでは,最も占有 能化,高信頼化を推進する最も有力な実装技術 面積の大きい ASIC を基板に内蔵したが,従来 として期待されている.その応用分野もモバイ 比 50 %の面積縮小を可能にした.これら小型 ル情報機器にとどまらず自動車や医療・ヘルス モジュール以外にも柔軟性のある FPC の特性 ケアなど多岐にわたって拡大している.当社は を活かし,図 3 に示すように基板の一部を曲 これまでフレキシブルプリント配線板(FPC) げたり折りたたむような使い方も可能である. や高密度部品実装技術を様々な電子機器向けに WABE Package Ⓡ は,IC との接続に必要な微 提供してきており,ポリイミドを絶縁材料とし 細配線形成に WLP プロセスを用い,FPC プロセ て用いた部品内蔵基板 WABE Package Ⓡ はこれ スで配線を形成した基板と組み合わせて,一括 らの要素技術を用いて開発した,薄型で可とう で積層埋め込みをおこなう製法を採用してい 性を有する電子回路基板である. る.IC の WLP 化により KGD(Known Good Die) Ⓡ WABE Package は,ポリイミドフィルムを の内蔵が可能になり,さらに基板との接続信頼 基材とした配線板にバックグラインドにより薄 性も高められた.これからも薄さ,柔軟性とい 肉化した IC チップを内蔵することで,超薄型 った特徴を活かして,モジュール基板や超小型 高密度実装のソリューションを提供する.図 1 電子機器用基板などユニークで最先端の製品の に示す基板は IC チップを 85 μm に薄肉化し,4 ご提案を継続的におこなって行く. 層 構 造 の 基 板厚さを 0 . 22 mm に収めて い る. 表面実装部品 表面実装 IC 内蔵 IC フレキシブル部 基板厚 0.22 mm 図 3 基板の一部に可とう性を 持たせた WABE Package Ⓡ IC1 個を基板内蔵 U3 U2 U1 U1 U5 部品内蔵部 フレキシブル部 部品内蔵部 図 1 WABE Package Ⓡの断面構造 U3 (メディカル事業推進室 中尾) 面積 50 % ダウン U2 U5 U4 U4 従来型 SiP(SMT) (3.5 mm×3.5 mm) WABE SiP(WABE+SMT) (2.5 mm×2.5 mm) 図 2 センサモジュール小型化の例 [お問い合わせ] 新規事業推進センター メディカル事業推進室 TEL:043 - 484 - 3950 FAX:043 - 484 - 3985 E - mail:[email protected] 56