David Guo著 「Difference Amplifier Forms Heart of Precision Current (Analog Dialogue、2009 年 9 月)では、AD8276 ユ Source」 ニティ・ゲイン・ディファレンス・アンプと AD8603 マイクロ パワー・オペアンプによる高精度電流源を提供する方法を示して います。図 1 に低コストな低電流源アプリケーション用回路が、 いかに簡単に構成できるかを示します。 V+ 実験結果 図 2 は、出力電流と入力電圧の関係を示しています。X 軸は、 − 3.2V から+ 3.2V まで変化する差動入力電圧です。Y 軸は、出 力電流を示しています。4 本の線は、電流の理想値と− 40℃、 + 25℃、+ 85℃における実際の出力を示しています。 図 3 は、出力電流誤差と入力電圧の関係です。3 本の線は、− 40℃、 + 25℃、+ 85℃における誤差を示しています。 3.0 7 AD8276 IN– IN+ 2 40k𝛀𝛀 U– +85°C +25°C –40°C 3.5 ERROR (%) 低消費電力、ユニティ・ゲインの ディファレンス・アンプ(差電圧 アンプ)で低価格の電流源を実現 2.5 2.0 1.5 1.0 40k𝛀𝛀 5 0.5 6 3 40k𝛀𝛀 U+ 0 UO –3.2 R1 1 40k𝛀𝛀 –1.6 –0.9 –0.1 0.7 1.5 2.3 3.1 図3. 出力電流誤差 対 入力電圧 RLOAD 4 –2.4 INPUT VOLTAGE (V) UI 図1. 低価格、低電流アプリケーション向けの簡単な 電流源 図 4 に 示 す よ う に、 実 際 の 出 力 電 流 は A D8276 の 出 力 短 絡 電流によって制限されます。ここで、短絡電流は− 40 ℃で約 8mA です。 出力電流(IO)は、次式に示すように、差動入力電圧(VIN+ − VIN) を R1 で割った値にほぼ等しくなります。 30 SHORT-CIRCUIT CURRENT (mA) 25 したがって、R1 の両端には差動入力電圧が生じます。 20 15 ISHORT+ 10 5 0 –5 –10 ISHORT– –15 –20 –50 –30 –10 10 実験装置 1. AD5750EVB(AD5750 ド ラ イ バ と AD5662 16 ビ ッ ト nano DAC ®)によって、AD8276 にバイポーラ信号を入力し ます。 2. O I -857 マルチメータによって、入力電圧、出力電圧、抵抗 を測定します。 3. R1 と R L OA D の公称値はそれぞれ 280Ω と 1k Ω、測定値はそ れぞれ 280.65Ω と 997.11Ω です。 4. 出力電流は、電圧測定値を RLOAD で除算して計算します。 IDEAL +85°C +25°C –40°C 15 OUTPUT CURRENT (mA) 30 50 70 90 110 130 TEMPERATURE (°C) 図4. AD8276:出力短絡電流の温度特性 結論 (一般的な電流源回路の)外付けのブースト・トランジスタとバッ フ ァ を 省 略 し、 抵 抗 を 1 本 追 加 す れ ば、 A D8276 に よ っ て、 − 40 ∼+ 85℃の温度範囲の総合誤差が約 1.5% 未満で低価格の 低電流源を作成することができます。 ±15V 電源で駆動した 場合、温度範囲での出力電流は約− 11 ∼+ 8mA になります。 + 5V の単電源でユニポーラ・ソースを作成できます。 著者 5 David Guo [[email protected]] 0 –5 –10 –4 –3 –2 –1 0 1 2 3 INPUT VOLTAGE (V) 図2. 理想と実際の出力電流 対 差動入力電圧 Analog Dialogue 45-05 Back Burner, May (2011) 4 は、北京にあるアナログ・デバイセズの 中国アプリケーション・サポート・チー ム の フ ィ ー ル ド・ ア プ リ ケ ー シ ョ ン・ エンジニアです。北京理工大学で電子 工学と機械工学の修士号を取得した後、 Changfeng Group(長豊集団)でナビ ゲーション・ターミナルのハードウェア 技術者として 2 年間を過ごしました。ア ナログ・デバイセズには 2007 年に入社 しました。 www.analog.com/jp/analogdialogue 1