ETC MCX304

MCX304
汎用 4軸モータコントロールIC
MCX304は、1チップで4軸のパルス列入力のサーボモータ、ステッピングモータを制御できるICです。
各軸独立の位置決め制御、速度制御が可能です。
仕 様
■ 制御軸
4軸
■ データバス長
16/8 ビット選択可能
■ドライブ出力パルス( CLK = 16MHz 時 )
出力速度範囲
1 PPS ∼ 4 MPPS
出力速度精度
± 0.1% 以下(設定値に対して)
● S 字用加加速度(加減速度の増減率)954(倍率 =1 の時) ∼ 31.25 × 109(倍率 =500 の時) PPS/SEC 2
● 加 / 減速度
125(倍率 =1 の時)∼ 500 × 106(倍率 =500 の時) PPS/SEC
● 初速度
1(倍率 =1 の時) ∼ 4 × 106(倍率 =500 の時) PPS
● ドライブ速度
1(倍率 =1 の時) ∼ 4 × 106(倍率 =500 の時) PPS
● 出力パルス数
0
∼ 268,435,455(定量ドライブ) ● 速度カーブ
定速/直線加減速/放物線 S 字加減速ドライブ
● 定量ドライブの減速モード
自動減速(非対称台形駆動時も可能)/マニュアル減速
● ドライブ中の出力パルス数、ドライブ速度の変更可能。
● 独立2パルス/1パルス・方向 方式選択可能。
● パルスの論理レベル選択可能。
●
●
■ エンコーダ入力パルス
●
●
■ 外部減速停止/即停止信号
●
STOP0 ∼ 2 各軸3点。各点の有効/無効、論理レベル選択可能。
■ サーボモータ用入力信号
●
ALARM(アラーム) ● INPOS(位置決め完了)
■ 汎用入出力信号
2相パルス/アップダウンパルス入力選択可能。
2相パルス 1,2,4逓倍選択可能。
● 入力信号 各軸 7 点(いずれの信号も他の機能と端子兼用)
●
■ 位置カウンタ
論理位置カウンタ(出力パルス用)カウント範囲 -2,147,483,648 ∼ +2,147,483,647
● 実位置カウンタ (入力パルス用)カウント範囲 -2,147,483,648 ∼ +2,147,483,647
●
■ コンペアレジスタ
● +方向、−方向各1点。論理レベル、即停止/減速停止選択可能。
■ 緊急停止信号入力
●
COMP+ レジスタ 位置比較範囲 -2,147,483,648 ∼ +2,147,483,647
● COMP- レジスタ 位置比較範囲 -2,147,483,648 ∼ +2,147,483,647
● 位置カウンタとの大小をステータス出力及び信号出力。
● ソフトウェアリミットとして動作可能。
●
出力信号 OUT0 ∼ 3 各軸 4 点(いずれの信号も他の機能と端子兼用)
■ オーバランリミット信号入力
全軸で EMGN 1点。Low レベルで全軸のドライブパルスを即停止。
■ 積分型フィルター内蔵
●
各入力信号の入力段に積分フィルターを装備。時定数を8種類の中
から選択可能。
■ 電気的特性
■ 自動原点出し
動作温度範囲
動作電源電圧
● 入出力信号レベル
● 入力クロック
0 ∼ +85℃
+5V ± 5% ( 消費電流 67mA max )
CMOS、TTL 接続可能
16.000 MHz(標準)
■ パッケージ 100 ピンプラスティック QFP pin pitch=0.65
外形サイズ:23.8 × 17.8 × 3.05 mm
●
●ステップ1(高速原点近傍サーチ)→ステップ2(低速原点サーチ)→ステップ 3
(低速エンコーダ Z 相サーチ)→ステップ4(高速オフセット移動)を順次自動実行。
各ステップの有効/無効、検出方向の選択可能。
■ 割り込み要因
●位置カウンタ≧ COMP- 変化時 ●位置カウンタ< COMP- 変化時 ●位置カウンタ< COMP+ 変化時
●位置カウンタ≧ COMP+ 変化時 ●加減速ドライブ中の定速開始時 ●定速終了時 ●ドライブ終了時
●
■ 外部信号によるドライブ操作
●
●
EXPP、EXPM 信号による+/−方向の定量/連続ドライブ可能。
手動パルサーモード(エンコーダー入力)ドライブ可能。
IC 内の機能ブロック図と入出力信号
■ 入出力信号 ( (I):入力 ,(O):出力 ,(B):双方向。 n ○○○○信号は X, Y, Z, U 軸についてそれぞれ持つ。)
(D15 ∼ 8 は nOUT2, 3 と端子兼用)● A3 ∼ 0(I)アドレス ● CSN(I)チップセレクト ● WRN(I)ライトストローブ ● RDN(I)リードストローブ ● RESETN
(I)リセット ● H16L8(I)16/8 ビットバス選択 ● INTN(0)割り込み ● nPP/PLS(0)+方向ドライブパルス / ドライブパルス ● nPM/DIR(0)−方向ドライブパルス / 方向 ● nECA/PPIN
(I)エンコーダA相 / アップパルス ● nECB/PMIN(I)エンコーダB相 / ダウンパルス ● nINPOS(I)サーボモータ位置決め完了 ● nALARM(I)サーボモータアラーム ● nLMTP(I)+方向
(DRIVE:ドライブパルス出力中状態出力
リミット ● nLMTM(I)−方向リミット ● nSTOP2 ∼ 0(I)減速停止/即停止3点(nSTOP2 は nOUT1 と端子兼用) ● nDRIVE/OUT0/DCC(0)
, OUT0:汎用出力 , DCC:偏差カウンタクリア出力の兼用端子)● nEXPP(I)外部+方向ドライブ、手動パルサー A 相 ● nEXPM(I)外部−方向ドライブ、手動パルサー B 相 ● EMGN
(I)緊急停止 ● CLK(I)クロック 16MHz(標準)
● D15 ∼ 0(B)データバス
26
MCX304
4軸独立のモーションコントロール
本 IC は、X , Y , Z, U 各 4 軸について、それぞれ 32 ビットの位置カウンタを持ち、最高速度4 MPPS、定速/直線加減速(台形)/S字加減速カーブでのドライブが可能です。
ドライブ命令は、基本的に、+/−方向の定量ドライブか連続ドライブで行います。
● 定量ドライブ: 指定のパルス数を出力する。
● 連続ドライブ: 停止要因がアクティブになるまでパルスを出力し続ける。
いずれのドライブも、動作パラメータ、モード設定によって、定速/直線加減速台形/S字加減速で行うことができます。
定速 定量ドライブ
速度
PPS
R=8000000 (倍率:10)
A=D = 100
SV = 100
V = 4000
P = 32000
500
0
速度
PPS
40K
直線加減速 定量ドライブ
速度
PPS
40K
R=8000000 (倍率;1)
SV = 500
V = 500
P = 2000
1K
0
4.0sec
0.5
S字加減速 定量ドライブ
R=8000000 (倍率:10)
K
= 700
(A=D= 200)
SV
= 100
V
= 4000
P
= 30000
1K
0
1.0sec
■ S字加減速ドライブ 1.5sec
S字加減速は、加/減速度を直線(一次関数)増加/減少させる方式です。従って、速度カーブは放物線S字になります。下図のように、出力パルス数が少なくても、独自の
方法により三角波形を防止しています。完全S字加減速は加減速区間に直線加減速部分を持たず、すべて2次曲線で減速します。一方、部分S字加減速では加減速区間に直線加
減速部分を含みます。
400KPPS 完全S字加減速
400KPPS 部分S字加減速
R=80000 (倍率:100)
K
= 2000
(A=D = 100)
SV
= 10
V
= 4000
A0
=0
自動減速モード
速度
PPS
400K
200K
P=50000
P=100000
0
P=200000
R=80000 (倍率:100)
K
= 500
A =D = 100
SV = 10
V
= 4000
A0
=0
自動減速モード
速度
PPS
400K
200K
出力パルスP=400000
P=20000
P=200000
0
2.0sec
1.0
P=100000
出力パルスP=400000
2.0sec
1.0
■ 非対称台形の自動減速
加速度と減速度が異なる直線加減速ドライブにおいても、IC 内部で減速開始ポイントが計算され、自動減速します。CPU 側から減速開始ポイント設定する必要がありません。
停止
始動
はやく減速
非対称直線加減速ドライブ(加速度<減速度)
非対称直線加減速ドライブ(加速度>減速度)
はやく加速
速度
PPS
40K
ゆっくり加速
始動
ゆっくり減速
R
A
D
SV
V
A0
停止
=
=
=
=
=
=
800000 (倍率:10)
40
400
50
4000
0
P=5000
P=10000
R
A
D
SV
V
A0
速度
PPS
40K
P=20000
P=30000
搬送物を上下方向に動かす時には、
重力加速度が加わりますので、効率
よく搬送するには、非対称の台形駆
動が必要になります。
P=5000
1.6sec
P=10000
P=20000
=
=
=
=
=
=
800000 (倍率:10)
400
40
50
4000
0
出力パルスP=30000
1.6sec
加速・減速度個別:WR3 / D1 = 1, 三角防止 ON:WR3 / D5 = 1
【注意】加速度>減速度の場合、自動減速できる減速度 / 加速度の比率には限界があります。比率の限界はドライブ速度に依存し、例えばドライブ速度が 100kpps の場合、1/40
までです。
自動原点出し機能
本ICはCPUの介在なしに、高速原点近傍サーチ→
低速原点サーチ→エンコーダ Z 相サーチ→オフセッ
ト移動などの一連の原点出しシーケンスを自動的に
実行する機能を持っています。自動原点出しは、右図
のようにステップ 1 からステップ 4 を順に実行しま
す。各ステップについて、実行/不実行の選択、サー
チ方向をモード設定します。
■ サーチ速度
ステップ 1, 4 はドライブ速度(V)に設定された
高速速度でサーチ動作が行われます。また、ステッ
プ 2, 3 は原点検出速度(HV )に設定された低速速
度でサーチ動作が行われます。
N・HOME( STOP0 )
アクティブ区間
HOME( STOP1 )
アクティブ区間
Z相( STOP2 )
原点近傍検出で減速停止
ステップ 1
高速原点近傍サーチ
ステップ 2
低速原点サーチ
ステップ 3
ステップ 4
原点検出で即停止
Z相検出で即停止
低速Z相サーチ
高速オフセット移動
■イレギュラー動作
サーチ開始前にセンサ・アクティブ区間内にある
場合や、サーチ動作中に進行方向のリミットを検出
したなどのイレギュラーな場合においても、正しい
原点出し動作が行われるよう対応しています。
本ICによる自動原点出しの模式図
原点近傍入力信号: nSTOP0
原点入力信号:
nSTOP1
Z相入力信号:
nSTOP2
が割り当てられています。
入力信号にフィルタ内蔵
各軸のオーバランリミット信号やドライブ停止信号
は、外部からのノイズが非常に乗りやすいため、通常
は、前段にフォトカプラやCR積分フィルタを配置し
ます。
本 IC は、IC 内部において、各入力信号の入力段に積
分型フィルタを装備しています。
いくつかの入力信号
ごとに、フィルタ機能を有効にするか、信号をスルー
で通すかを設定できます。
フィルタの時定数は8段階
の中から選択します。
+5V
+24V
MCX304
LMTP
+LIMIT
フィルタを内蔵
27
FL2 ∼0 入 力信 号 遅延
0
2μSEC
256μSEC
1
2
512μSEC
3
1.024mSEC
2.048mSEC
4
4.096mSEC
5
8.192mSEC
6
16.384mSEC
7
MCX304
■ ライトレジスタ
アドレス
記号
A2 A1 A0
レジスタ名
内
容
軸指定と命令コードの書き込み
0
0
0
WR0
コマンドレジスタ
D15 D14
RESET 0
D13
0
D12
0
D11
U
D10
Z
D9
Y
D8
X
D7
0
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
命令コード
軸指定
● D11∼8 軸指定 0:非選択/1:選択(同時複数軸選択可能) ● D15 1:リセット
0
0
1
XWR1
YWR1
ZWR1
UWR1
①各軸の外部減速停止/即停止信号の論理レベル、有効/無効の設定 ②各軸の割り込みの許可/禁止の設定 ③実位置カウンタ
X軸モードレジスタ1 の動作モード設定
Y軸モードレジスタ1
D15 D14 D13 D12 D11 D10 D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
Z軸モードレジスタ1
D-END C-STA C-END P≧C+ P<C+ P<Cー P≧Cー SMOD EPINV EPCLR SP2-E SP2-L SP1-E SP1-L SP0-E SP0-L
U軸モードレジスタ1
割り込み許可/禁止
ドライブ減速停止/即停止入力信号
● D5∼0 ***-E 0:無効/1:有効。 ***-L 論理レベル 0:Low/1:Hi ● D6:実位置カウンタSTOP2信号でクリア 0:無効/1:有効
● D7:実位置カウンタ増減反転 0:無効/1:有効 ● D8:S字加減速時速度優先 0:無効/1:有効 ● D15∼9 0:割り込み禁止/1:許
可 ● D9:論理/実位置カウンタ≧COMP-変化時 ● D10:論理/実位置カウンタ<COMP-変化時 ● D11:論理/実位置カウン
タ<COMP+変化時 ● D12:論理/実位置カウンタ≧COMP+変化時 ● D13:加減速ドライブの定速域終了時 ● D14:加減速ド
ライブの定速域開始時 ● D15:ドライブ終了時
0
1
0
XWR2
YWR2
ZWR2
UWR2
X軸モードレジスタ2
Y軸モードレジスタ2
Z軸モードレジスタ2
U軸モードレジスタ2
①ソフトリミット有効/無効の設定 ②リミット入力信号のモード設定 ③ドライブパルスのモード設定 ④エンコーダ入力信
号のモード設定 ⑤サーボモータ用信号の論理レベル、有効/無効の設定
D15 D14 D13 D12 D11 D10
D9
D7
D6
D8
D4
D1
D3
D5
D2
D0
INP-E INP- L ALM-E ALM-L PIND1 PI ND0 PINMD DIR-L PLS -L PLSMD CMPSL HLMTー HLMT+ LMTMD SLMTー SLMT+
● D1,0 ソフトリミット 0:無効/1:有効 ● D2 ハードリミット 0:即停止/1:減速停止 ● D4,3 リミット信号論理レベル 0:Low/1:Hi ● D5 COMP+/-レジスタ比較対象 0:論理位置カウンタ/1:実位置カウンタ ● D6 ドライブパルス出力方式 0:独
立2パルス/1:1パルス・方向 ● D7 ドライブパルス論理 0:正論理パルス/1:負論理パルス ● D8 方向信号論理 0:+方向
時Low/1:+方向時Hi ● D9 エンコーダ入力 0:2相パルス/1:アップ/ダウンパルス ● D11,10 エンコーダ入力分周 00:1/1,01:1/2,10:1/4 ● D12 ALARM信号論理レベル 0:Low/1:Hi ● D13 ALARM信号 0:無効/1:有効 ● D14 INPOS信号論
理レベル 0:Low/1:Hi ● D15 INPOS信号 0:無効/1:有効
0
1
1
XWR3
YWR3
ZWR3
UWR3
①マニュアル減速、減速度個別、加減速モード設定 ②外部操作モードの設定 ③汎用出力/ドライブ状態出力切替
X軸モードレジスタ3 ④入力信号フィルタの設定
Y軸モードレジスタ3
D15
D9
D7
D6
D14 D13 D12 D11 D10
D8
D4
D1
D3
D5
D2
D0
Z軸モードレジスタ3
FL2 FL1 FL0
0
FE3 FE2 FE1 FE0
0
VRING AVTRI EXOP1 EXOP0 SACC DSNDE MANLD
U軸モードレジスタ3
フィルタ時定数
入力信号フィルタ有効/無効
● D0 定量ドライブの減速 0:自動減速/1:マニュアル減速 ● D1 減速時の減速度 0:加速度の値を使用/1:減速度の値を使用
● D2 加減速モード 0:直線加減速/1:S字加減速 ● D4,3 外部ドライブ操作 00:無効/01:連続ドライブ/10:定量ドライブ/11:手
動パルサー ● D5 直線加減速時の三角防止 0:無効/1:有効 ● D6 位置カウンタ可変リング機能 0:無効/1:有効 ● D8 EMG,
LMTP/M,STOP0,1信号フィルタ 0:無効/1:有効 ● D9 STOP2信号フィルタ 0:無効/1:有効 ● D10 INPOS,ALARM信号フィルタ
0:無効/1:有効 ● D11 EXPP/M信号フィルタ 0:無効/1:有効 ● D15∼D13 入力フィルタ時定数設定(000:0.002msec/ 001:0.2msec/
010:0.5msec/ 011:1msec/ 100:2msec/ 101:4msec/ 110:8msec/ 111:16msec)
汎用出力信号 nOUT3∼ 0の出力値設定。 0:Low/ 1:Hi
1
0
0
WR4
1
0
1
WR5
アウトプットレジスタ1
D15 D14 D13 D12 D11 D10
D9
D7
D6
D8
D4
D1
D3
D5
D2
D0
UOUT3 UOUT2 UOUT1 UOUT0 ZOUT3 ZOUT2 ZOUT1 ZOUT0 YOUT3 YOUT2 YOUT1 YOUT0 XOUT3 XOUT2 XOUT1 XOUT0
汎用出力信号 nOUT3∼ 0の有効/無効設定。
アウトプットレジスタ2
0:有効/ 1:無効
D15 D14 D13 D12 D11 D10
D9
D7
D6
D8
D4
D1
D3
D5
D2
D0
UOT3E UOT2E UOT1E UOT0E ZOT3E ZOT2E ZOT1E ZOT0E YOT3E YOT2E YOT1E YOT0E XOT3E XOT2E XOT1E XOT0E
1
1
0
WR6 ライトデータレジスタ1
ライトデータの下位16ビットデータ (D15∼D0)
1
1
1
WR7 ライトデータレジスタ2
ライトデータの上位16ビットデータ (D31∼D16)
● 上表は、16ビットデータバスの場合のアドレスです。8ビットデータバスの場合は、A3 ∼ A0 のアドレス信号を使用し、これらの16ビットレジスタを上位バイト
(D15 ∼ 8)、下位バイト(D7 ∼ 0)に分けてアクセスします。
● WR1、WR2、WR3(モードレジスタ 1,2,3)は、各軸とも持っています。これらのレジスタへは、同一アドレスで書き込みを行うことになります。どの軸のモードレジス
タに書き込むかは、直前に書き込んだ命令の軸指定によって決まります。あるいは、軸指定したNOP命令を直前に書き込むことによって、書き込みたい軸を選択します。
● リセット時は、nWR1,nWR2,nWR3,WR4,WR5 レジスタはすべてのビットが0にクリアされます(n=X,Y, Z, U)。その他のレジスタは不定です。
■ 自動原点出しモード設定
自動原点出しモード設定は、自動原点出しモード設定命令(60h)によって行います。下記のように WR6 レジスタの各ビットを設定してから、WR0 レジスタに軸指定とともに
命令コード 60h を書き込むことにより行われます。
アドレス
記号
A2 A1 A0
1
1
0
レジスタ名
WR6 ライトデータレジスタ1
内
容
D15 D14 D13 D12 D11 D10 D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
DCCW2 DCCW1 DCCW0 DCC-L DCC-E LIMIT SAND PCLR ST4-D ST4-E ST3-D ST3-E ST2-D ST2-E ST1-D ST1-E
偏差カウンタクリア出力の設定
ステップ4
ステップ3
ステップ2
ステップ1
● D6, 4, 2, 0 STm-E ステップm実行 0:不実行/1:実行 ● D7, 5, 3, 1 STm-D ステップm検出方向 0:+方向/1:−方向 ● D8 ステップ4実行後, 論理 / 実位置カウンタクリア 0:無効/1:有効 ● D9 ステップ3時にZ相信号と原点信号のAND 0:無効/1:有効
● D10 リミット信号を原点信号として使用 0:無効/1:有効 ● D11 偏差カウンタクリア出力 0:無効/1:有効 ● D12 偏差カウ
ンタクリア出力・論理レベル 0:アクティブHi/1:Low ● D15∼13 偏差カウンタクリア出力アクティブパルス幅(000:0.01msec
/ 001:0.02msec / 010:0.1msec / 011:0.2msec / 100:1msec / 101:2msec / 110:10msec / 111:20msec)
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MCX304
■リードレジスタ
アドレス
A2 A1 A0 記号
0
0
0
RR0
内
レジスタ名
容
各軸のドライブ、エラー状態、および自動原点出し実行の状態を表示
主ステータスレジスタ
D15
ー
D14
0
D13
0
D12 D11 D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
0
U-HOM Z-HOM Y-HOM X-HOM U-ERR Z-ERR Y-ERR X-ERR U-DRV Z-DRV Y-DRV X-DRV
各軸自動原点出し実行
各軸のドライブ
各軸のエラー
● D3∼0 1:ドライブ中 ● D7∼4 1:エラー発生(RR2/D7∼0,RR1/D15∼12のいずれか1) ● D11∼8 1:自動原点出し実行中
0
0
1
XRR1
YRR1
ZRR1
URR1
①位置カウンタとCOMP±レジスタの大小比較の表示 ②ドライブの加減速状態の表示 ③ドライブ終了ステータスの表示
X軸ステータスレジスタ1
Y軸ステータスレジスタ1
Z軸ステータスレジスタ1
U軸ステータスレジスタ1
D15 D14 D13 D12
EMG ALARM LMTー LMT+
D11 D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
− STOP2 STOP1 STOP0 ADSND ACNST AASND DSND CNST ASND CMPー CMP+
ドライブ終了ステータス
● D0 1:位置カウンタ≧COMP+ ● D1 1:位置カウンタ<COMP- ● D2 1:加速中 ● D3 1:定速中 ● D4 1:減速中 ● D5 1:加減速度増加中 ● D6 1:加減速度一定 ● D7 1:加減速度減少中 ● D15∼8 1:ドライブ終了原因
XRR2
YRR2
ZRR2
URR2
0
1
0
0
1
XRR3
1 YRR3
ZRR3
URR3
1
0
0
RR4
X軸ステータスレジスタ2 ①エラー情報の表示 ②自動原点出しの実行ステート表示
Y軸ステータスレジスタ2
D15 D14 D13 D12 D11 D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
Z軸ステータスレジスタ2
ー
ー
ー HMST4 HMST3 HMST2 HMST1 HMST0 HOME
0
EMG ALARM HLMTー HLMT+ SLMTー SLMT+
U軸ステータスレジスタ2
エラー情報
自動原点出し実行ステート
● D0 1:+方向ソフトリミット ● D1 1:−方向ソフトリミット ● D2 1:+方向リミット信号オン ● D3 1:−方向リミット信号オン
● D4 1:サーボモータ用アラーム信号オン ● D5 1:緊急停止信号オン ● D7 1:自動原点出し実行時のエラー
● D12∼8 自動原点出し実行ステート(現在実行中の動作内容)
X軸ステータスレジスタ3 割り込み発生要因の表示
Y軸ステータスレジスタ3
D15 D14 D13 D12 D11 D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
Z軸ステータスレジスタ3
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー
ー D-END C-STA C-END P≧C+ P<C+ P<Cー P≧Cー
U軸ステータスレジスタ3
1:割り込み発生。 D7∼D1の各ビットは、WR1(モードレジスタ1)のD15∼D9ビットに対応する。
D15
Y-ALM
1
0
1 RR5
0:Low 1:Hi
X, Y軸入力信号の状態表示
インプットレジスタ1
D14 D13 D12
Y-INP Y-EX- Y-EX+
D11 D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
ー Y-ST2 Y-ST1 Y-ST0 X-ALM X-INP X-EXー X-EX+ EMG X-ST2 X -ST1 X-ST0
0:Low 1:Hi
Z, U軸入力信号の状態表示
インプットレジスタ2
D15
U-ALM
D14 D13 D12
U-INP U-EX- U-EX+
D0
ー
D11 D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
ー U-ST2 U-ST1 U-ST0 Z-ALM Z-INP Z-EX- Z-EX+
1
1
0
RR6
リードデータレジスタ1
リードデータ下位16ビット(D15∼D0)の表示
1
1
1
RR7
リードデータレジスタ2
リードデータ上位16ビット(D31∼D16)の表示
D3
D2
D1
D0
ー
Y-ST2 Y-ST1 Y-ST0
● 上表は、16ビットデータバスの場合のアドレスです。8ビットデータバスの場合は、A3∼ A0のアドレス信号を使用し、これらの16ビットレジスタを上位バイト(D15 ∼8)、
下位バイト(D7 ∼ 0)に分けてアクセスします。
● RR1、RR2、RR3(ステータスレジスタ 1,2,3)は、各軸とも持っています。これらのレジスタへは、同一アドレスで読み出しを行うことになります。どの軸のレジスタを読み
出すかは、直前に書き込んだ命令の軸指定によって決まります。あるいは、軸指定したNOP命令を直前に書き込むことによって、読み出したい軸を選択します。
■データ書き込み命令
コード
00
01
02
03
04
05
06
07
09
0A
0B
0C
0D
0F
60
61
■データ読み出し命令
命
令
レンジ 設定
加加速度 設定
加速度 設定
減速度 設定
初速度 設定
ドライブ速度設定
出力パルス数設定
マニュアル減速点 設定
論理位置カウンタ 設定
実位置カウンタ 設定
COMP+レジスタ 設定
COMP−レジスタ 設定
パラメータ記号
R
K
A
D
SV
V
P
加速カウンタオフセット設定
DP
LP
EP
CP
CM
AO
データ範囲
データ長
8,000, 000(倍率:1) ∼16, 000(:5 00) 4バイト
1 ∼ 65,535
2
1 ∼ 8,000
2
1 ∼ 8,000
2
1 ∼ 8,000
2
1 ∼ 8,000
2
0 ∼ 268,435,455
4
0 ∼ 268,435,455
4
4
-2,147,483,648∼+2,147,483,647
-2,147,483,648∼+2,147,483,647
4
4
-2,147,483,648∼+2,147,483,647
-2,147,483,648∼+2,147,483,647
4
-32,768 ∼ 32,767
2
NOP(軸切り換え用)
自動原点出しモード 設定
原点検出速度
HM
HV
1∼8,000
コード
10
11
12
13
■ドライブ命令
コード
20
21
22
23
24
25
26
27
2
2
命
令
論理位置カウンタ 読み出し
実位置カウンタ 読み出し
現在ドライブ速度 読み出し
現在加減速度 読み出し
■ その他の命令
命
令
+方向定量ドライブ
−方向定量ドライブ
+方向連続ドライブ
−方向連続ドライブ
ドライブ開始ホールド
ドライブ開始フリー/
終了ステータスクリア
ドライブ減速停止
ドライブ即停止
■パラメータ計算式 CLK= 16MHz の時
倍率 =
8,000,000
R
初速度(PPS)= SV ×
2
加加速度( PPS/SEC )=
8,000, 000
R
倍率
62.5 ×10
K
6
×
ドライブ速度(PPS)= V×
8,000, 000
R
倍率
8,0 00,000
R
倍率
加速度(PPS/SEC)= A×125 ×
減速度(PPS/SEC)= D×125 ×
29
データ範囲
データ長
- 2, 147,483,648 ∼ +2,147,483,647 4バイト
- 2, 147,483,648 ∼ +2,147,483,647
4
1 ∼ 8, 000
2
1 ∼ 8, 000
2
8,000, 000
R
倍率
8, 000,000
R
倍率
コード
命
令
62 自動原点出し実行
63 偏差カウンタクリア出力