SII S24CS64A

Rev.3.0_00
S-24CS64A
2 ワイヤ CMOS シリアル E2PROM
S-24CS64A は、低消費電流、ワイドレンジ動作の 2 ワイヤ
シリアル E2PROM です。容量は 64K ビットで、構成は 8192
語×8 ビットです。ページライト、シーケンシャルリードが
可能です。
■ 特長
• 低消費電流
•
•
•
•
•
•
•
•
•
スタンバイ時 :5.0 µA Max. (VCC=5.5 V)
読み出し時
:0.8 mA Max. (VCC=5.5 V)
広動作電圧範囲
読み出し
:1.8 ~ 5.5 V
書き込み
:2.7 ~ 5.5 V
ページライト機能 32 バイト/ページ
シーケンシャルリード機能
動作周波数
400 kHz (VCC=5 V ± 10 %)
低電源電圧時書き込み禁止機能
書き換え回数
:106 回/語* (+25°C 時) 書き換え可能、
105 回/語* (+85°C 時)
*アドレス毎 (語:8 ビット)
データ保持
:10 年 (+85°C 時 105 回書き換え後)
ライトプロテクト機能
:100%
鉛フリー製品
■ パッケージ
パッケージ名
8-Pin SOP (JEDEC)
8-Pin TSSOP
WLP-8C
注意
パッケージ図面
FJ008-A
FT008-A
HC008-A
図面コード
テープ図面
FJ008-D
FT008-E
HC008-A
リール図面
FJ008-D
FT008-E
HC008-A
本製品はAV機器、OA機器、通信機器等の一般的な電子機器に使用されることを意図したものです。自
動車搭載機器(カーオーディオ、キーレスエントリ、エンジン制御等を含む)、医療機器用途で使用を
お考えの際は必ず事前に弊社窓口まで御相談ください。
セイコーインスツル株式会社
1
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ ピン配置図
8-Pin SOP (JEDEC)
Top view
表1
端子番号
1
2
3
4
5
6
端子名
A0
A1
A2
GND
SDA
SCL
図1
7
WP
S-24CS64A0I-J8T1G
8
VCC
A0
1
8
VCC
A1
2
7
WP
A2
3
6
SCL
GND
4
5
SDA
備考
端子説明
スレーブアドレス入力
スレーブアドレス入力
スレーブアドレス入力
グランド
シリアルデータ入出力
シリアルクロック入力
ライトプロテクト入力
VCC接続 : プロテクト有効
GND接続 : プロテクト無効
電源
形状については「外形寸法図」を参照してください。
8-Pin TSSOP
Top view
A0
A1
A2
GND
1
2
3
4
8
7
6
5
図2
表2
VCC
WP
SCL
SDA
端子番号
1
2
3
4
5
6
端子名
A0
A1
A2
GND
SDA
SCL
7
WP
8
VCC
S-24CS64A0I-T8T1G
備考
2
端子説明
スレーブアドレス入力
スレーブアドレス入力
スレーブアドレス入力
グランド
シリアルデータ入出力
シリアルクロック入力
ライトプロテクト入力
VCC接続 : プロテクト有効
GND接続 : プロテクト無効
電源
形状については「外形寸法図」を参照してください。
セイコーインスツル株式会社
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
WLP-8C
Bottom view
2
1
3
A0 VCC WP
8
4
A1
SCL
7
5
6
A2 GND SDA
表3
端子番号
1
2
端子名
A0
VCC
3
WP
4
5
6
7
8
SCL
SDA
GND
A2
A1
(1.94×1.97×0.6 max.)
図3
備考
端子説明
スレーブアドレス入力
電源
ライトプロテクト入力
VCC接続 : プロテクト有効
GND接続 : プロテクト無効
シリアルクロック入力
シリアルデータ入出力
グランド
スレーブアドレス入力
スレーブアドレス入力
形状については「外形寸法図」を参照してください。
S-24CS64A0I-H8T1
セイコーインスツル株式会社
3
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ ブロック図
WP
SCL
スタート/ストップ
検出回路
SDA
VCC
GND
ボルテージディテクタ
シリアルクロック
制御回路
ハイボルテージジェネレータ
LOAD
COMP
デバイスアドレス
コンパレータ
A2
LOAD
R/W
A1
データレジスタ
A0
INC
Xデコーダ
アドレス
カウンタ
E2PROM
セレクタ
Yデコーダ
データ出力
ACK出力
制御回路
DIN
DOUT
図4
■ 絶対最大定格
表4
項
電源電圧
入力電圧
出力電圧
保存温度
注意
4
目
記号
VCC
VIN
VOUT
Tstg
定
格
−0.3 ∼ +7.0
−0.3 ∼ VCC+0.3
−0.3 ∼ VCC
−65 ∼ +150
単位
V
V
V
°C
絶対最大定格とは、どのような条件下でも越えてはならない定格値です。万一こ
の定格値を越えると、製品の劣化などの物理的な損傷を与える可能性があります。
セイコーインスツル株式会社
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ 推奨動作条件
表5
項
目
Min.
Typ.
Max.
単位
読み出し
1.8

5.5
V
書き込み
2.7

5.5
V
VCC=2.5 ∼ 5.5 V
0.7×VCC

VCC
V
VCC=1.8 ∼ 2.5 V
0.8×VCC

VCC
V
VCC=2.5 ∼ 5.5 V
0.0

0.3×VCC
V
VCC=1.8 ∼ 2.5 V
0.0

0.2×VCC
V
−40

+85
°C
記号
条
VCC
電源電圧
VIH
高レベル入力電圧
VIL
低レベル入力電圧

Topr
動作温度
件
■ 端子容量
表6
(Ta=25°C、f=1.0 MHz、VCC=5 V)
項
目
入力容量
入出力容量
記号
条
件
CIN
CI / O
VIN=0 V (SCL、A0、A1、A2、WP)
VI / O=0 V (SDA)
Min.
Typ.
Max.
単位




10
10
pF
pF
Typ.
Max.
単位


回/語*
■ 書き換え回数
表7
項
目
書き換え回数
記
号
NW
動作温度
−40 ~ +85°C
Min.
10
5
*アドレス毎 (語:8ビット)
セイコーインスツル株式会社
5
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
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S-24CS64A
■ DC電気的特性
項 目
記号
表8
VCC=4.5 ~ 5.5 V
f = 400 kHz
条 件
VCC=2.7 ~ 4.5 V
f = 100 kHz
VCC=1.8 ~ 2.7 V
f = 100 kHz
単位
Min. Typ. Max. Min. Typ. Max. Min. Typ. Max.
読み出し時消費電流
ICC1



0.8


0.5


0.3
mA
書き込み時消費電流
ICC2



4.0


3.0



mA
表9
項 目
条 件
VCC=4.5 ~ 5.5 V
Min.
Typ.
VCC=1.8 ~ 4.5 V
Max. Min.
Typ.
Max.
単位
待機時消費電流
ISB
VIN=VCC or GND


5.0


3.0
µA
入力リーク電流
ILI
VIN=GND ∼ VCC

0.1
1.0

0.1
1.0
µA
出力リーク電流
ILO
VOUT=GND ∼ VCC

0.1
1.0

0.1
1.0
µA
低レベル出力電圧
VOL
IOL=3.2 mA


0.4



V
IOL=1.5 mA


0.3


0.3
V
1.5

5.5
1.5

4.5
V
カレントアドレス
保持電圧
6
記号
VAH

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2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
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S-24CS64A
■ AC電気的特性
表10
入力パルス電圧
入力パルス立ち上がり/
立ち下がり時間
出力判定電圧
出力負荷
VCC
測定条件
0.1 × VCC ∼ 0.9 × VCC
SDA
20 ns
C=100 pF
0.5 × VCC
100 pF+プルアップ抵抗 1.0 kΩ
図5
項
表11
記号 VCC=4.5 ~ 5.5 V
Min. Typ. Max.
0
fSCL
 400
tLOW 1.0 

tHIGH 0.9 

0.1  0.9
tAA
50
tDH


tSU.STA 0.6 

tHD.STA 0.6 

tSU.DAT 100 

tHD.DAT 0


tSU.STO 0.6 

tR

 0.3
tF

 0.3
tBUF 1.3 

50
tI


目
SCLクロック周波数
SCLクロック“L”時間
SCLクロック“H”時間
SDA出力遅延時間
SDA出力保持時間
スタートコンディションセットアップ時間
スタートコンディションホールド時間
データ入力セットアップ時間
データ入力ホールド時間
ストップコンディションセットアップ時間
SCL・SDA立ち上がり時間
SCL・SDA立ち下がり時間
バス解放時間
ノイズサプレッション時間
tF
tHIGH
R=1.0 kΩ
tLOW
出力負荷回路
VCC=1.8 ~ 4.5 V 単位
Min. Typ. Max.
0
 100 kHz
4.7 

µs
4.0 

µs
0.1  3.5 µs
100 
ns

4.7 

µs
4.0 

µs
200 
ns

0
ns


4.7 

µs

 1.0 µs

 0.3 µs
4.7 

µs
100
ns


tR
SCL
tSU.STA
tHD.DAT
tHD.STA
tSU.DAT
tSU.STO
SDA IN
tAA
tDH
tBUF
SDA OUT
図6
バスタイミング
セイコーインスツル株式会社
7
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
項
表12
記号 VCC=2.7 ~ 5.5 V 単位
Min. Typ. Max.
6.0 10.0 ms
tWR

目
書き込み時間
tWR
SCL
SDA
D0
書き込みデータ
アクノリッジ
図7
8
ストップ
コンディション
ライトサイクルタイミング
セイコーインスツル株式会社
スタート
コンディション
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ 各端子の機能説明
1. アドレス入力端子(A0、A1、A2)
A0、A1、A2の各ピンをGNDまたはVCCに接続してスレーブアドレスを設定します。従ってA0、A1、
A2の組み合わせにより、8通りのスレーブアドレスを設定することができます。
設定したスレーブアドレスは、マスターデバイスから送られてくるスレーブアドレスと一致するかを
照合することで、バス上に複数接続されたデバイスの中からひとつを選択することが可能となります。
アドレス入力端子は必ず、GNDまたはVCCに接続固定する必要があります。
2. SDA(シリアルデータ入出力)端子
SDA端子は双方向にシリアルデータ転送を行うためのもので、信号入力端子とNch型トランジスタオ
ープンドレイン出力端子から構成されています。通常SDAラインは抵抗でVCC電位にプルアップし、
他のオープンドレインあるいはオープンコレクタ出力のデバイスとワイアードオア接続して使用し
ます。
3. SCL(シリアルクロック入力)端子
SCL端子はシリアルクロック入力端子であり、SCLクロック入力信号の立ち上がり・立ち下がりエッ
ジで信号処理を行いますので、立ち上がり時間・立ち下がり時間には十分注意を払い、スペックを守
ってください。
4. WP 端子
ライトプロテクト機能を使用する場合には、WP端子をVCC電位にします。ライトプロテクト機能を使
用しない場合は、必ずWP端子をGNDに接続しておきます。
セイコーインスツル株式会社
9
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
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S-24CS64A
■ 動作説明
1. スタートコンディション
SCLラインが“H”レベルの時に、SDAラインが“H”から“L”へ変化することでスタートコンディ
ションとなります。
すべての動作は、スタートコンディションではじまります。
2. ストップコンディション
SCLラインが“H”レベルの時に、SDAラインが“L”から“H”へ変化することでストップコンディ
ションとなります。
読み出しシーケンスの際にストップコンディションを受け取ると、読み出し動作は中断され、デバイ
スはスタンバイモードとなります。
書き込みシーケンスの際にストップコンディションを受け取ると、書き込みデータの取り込みを終了
し、E2PROMの書き換え動作が開始します。
tSU.STA
tHD.STA
tSU.STO
SCL
SDA
スタート
コンディション
図8
10
ストップ
コンディション
スタート・ストップコンディション
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2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
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S-24CS64A
3. データ転送
SCLラインが“L”である期間にSDAラインを変化させることで、データ転送を行います。
SCLラインが“H”である期間にSDAラインが変化すると、スタートあるいはストップコンディショ
ンとして認識されます。
tSU.DAT
tHD.DAT
SCL
SDA
図9
データ転送タイミング
4. アクノリッジ
データ転送は、8ビット連続して転送されます。引き続き、9番目のクロックサイクル期間において、
データを受信するシステムバス上のデバイスは、SDAラインを“L”にして、データを受信したとい
うアクノリッジ信号を返します。
E2PROMの書き換え動作中は、アクノリッジ信号は返しません。
SCL
2
(E PROM入力)
1
8
9
SDA
(マスター出力)
アクノ
リッジ
出力
SDA
2
(E PROM出力)
スタート
コンディション
tAA
図10
tDH
アクノリッジ出力タイミング
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11
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
5. デバイスアドレッシング
通信を行うために、システム上のマスターデバイスは、スレーブデバイスに対してスタートコンディ
ションを発生させます。引き続き、7ビット長のデバイスアドレスと1ビット長のリード/ライト命令コ
ードを、SDAバス上に送出します。
デバイスアドレスの上位4ビットはデバイスコードと呼び、“1010”に固定されています。
続く3ビットをスレーブアドレスと呼び、システムバス上のデバイスを選択するために用いられ、ア
ドレス入力端子(A2、A1、A0)であらかじめ設定されたアドレス値と比較されます。比較した結果
が一致している場合には、スレーブアドレスは9番目のクロックサイクル期間において、アクノリッ
ジを返します。
スレーブ
アドレス
デバイスコード
1
0
1
0
A2
A1
A0
R/W
MSB
LSB
図11
デバイスアドレス
6. 書き込み動作
6.1 バイトライト
E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令コ
ードの“0”を受け取ると、アクノリッジを発生します。
次に、8ビット長の上位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。続けて、8ビット長
の下位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。さらに、8ビットの書き込みデータ
を受け取り、アクノリッジを発生した後、ストップコンディションを受け取ることで、指定したメモ
リアドレスのE2PROMの書き換え動作が開始します。
E2PROMの書き換え動作中は、すべての動作は禁止され、アクノリッジ信号は返しません。
S
T
A
R
T
SDA LINE
W
R
I
T
E
DEVICE
ADDRESS
1
M
S
B
0
1
0
A2 A1 A0
0
上位WORD ADDRESS
X
X
X W12W11W10 W9 W8
L R A
S / C
B W K
下位WORD ADDRESS
DATA
W7 W6 W5 W4 W3 W2 W1 W0
D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0
A
C
K
A
A
C
KC
K
S
T
O
P
A
C
K
ADR INC
(ADDRESS INCREMENT)
図12
12
バイトライト
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2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
6.2 ページライト
S-24CS64Aは、最大32バイトのページ書き込みが可能です。
基本的なデータ転送手順は、バイトライトと同様ですが、8ビットの書き込みデータをページサイズ
分、連続して受け取ることでページライトを行います。
E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード / ライト命令
コード“0”を受け取ると、アクノリッジを発生します。次に、8ビット長の上位ワードアドレスを受
け取り、アクノリッジを発生します。続けて8ビット長の下位ワードアドレスを受け取り、アクノリ
ッジを発生します。さらに、8ビットの書き込みデータを受け取り、アクノリッジを発生した後、続
けて次のワードアドレスに相当する8ビットの書き込みデータを受け取り、アクノリッジを発生しま
す。以後、連続的に8ビットの書き込みデータの受け取りとアクノリッジの発生を繰り返し、最大ペ
ージサイズ分の書き込みデータを受け取ることができます。
最後に、ストップコンディションを受け取ることで、指定したメモリアドレスからはじまる書き込み
データを受け取ったページサイズに相当するE2PROMの書き換え動作が開始します。
S
T
A
R
T
SDA
LINE
W
R
I
T
E
DEVICE
ADDRESS
1
M
S
B
0
1
0
A2 A1 A0
0
L R A
S / C
B W K
X
X
DATA (n)
下位WORD ADDRESS (n)
上位WORD ADDRESS (n)
X W12W11W10W9 W8
D7
W7 W6 W5 W4 W3 W2 W1 W0
A
C
K
A
C
K
DATA (n+x)
D7
D0
A
C
K
ADR INC
図13
S
T
O
P
D0
A
C
K
ADR INC
ページライト
ワードアドレスの下位5ビットは、8ビットの書き込みデータを受け取る毎に自動的にインクリメント
されます。書き込みデータが32バイトを越える場合であってもワードアドレスの上位8ビットは変化
せず、下位5ビットがロールオーバーし、書き込みデータは重ね書きされます。
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13
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
6.3 アクノリッジポーリング
アクノリッジポーリングは、E2PROMの書き換え動作の終了を知るために用います。ストップコンデ
ィションを受け取り、いったんE2PROMの書き換え動作が開始すると、すべての動作は禁止され、マ
スターデバイスの送出する信号に応答することはできません。従って、マスターデバイスはE2PROM
(スレーブデバイス)に対してスタートコンディション・デバイスアドレス・リード/ライト命令コー
ドを送出し、スレーブデバイスの応答を検出することで、E2PROMの書き換え動作の終了を知ること
ができます。すなわち、スレーブデバイスがアクノリッジを返さなければ書き換え動作中であること
を示し、アクノリッジを返せば書き換え動作が終了したということを知ることができます。アクノリ
ッジポーリングの際にマスターデバイスが送出するリード/ライト命令コードは、リード命令の“1”
を用いることを推奨します。
6.4 ライトプロテクト
S-24CS64Aはライトプロテクト機能を有しています。WP端子がVCCに接続されている時は、全メモリ
領域への書き込みを禁止します。WP端子がGNDに接続されている時は、ライトプロテクト機能は無
効となり、全メモリ領域の書き込み動作が可能となります。ライトプロテクト機能を使用しない場合
は、必ずWP端子をGNDに接続しておきます。ライトプロテクト機能は、動作電源電圧範囲内におい
て有効です。
14
セイコーインスツル株式会社
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
7. 読み出し動作
7.1 カレントアドレスリード
E2PROMは、書き込み・読み出し動作ともに、最後にアクセスしたメモリアドレスを保持しています。
メモリアドレスは、電源電圧がカレントアドレス保持電圧VAH未満にならない限り保持されます。従
って、マスターデバイスがE2PROMのアドレスポインタの位置を認識しているのであれば、ワードア
ドレスを指定することなしに、現在のアドレスポインタのメモリアドレスより、データを読み出すこ
とができます。これをカレントアドレスリードと呼びます。
カレントアドレスリード動作に先立ち、E2PROM内部のアドレスカウンタの内容がn番地である場合
で説明します。
E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令コ
ードの“1”を受け取ると、アクノリッジを発生します。
続けて、SCLクロックに同期してアドレスn番地の8ビット長のデータがE2PROMより出力されます。
このとき、8ビットめのデータが出力されているSCLクロックの立ち下がりエッジでアドレスカウンタ
がインクリメントされ、アドレスカウンタの内容はn+1番地となります。この後に、マスターデバイ
スがアクノリッジを出力しないでストップコンディションを送出することで、読み出し動作は終了し
ます。
S
T
A
R
T
SDA LINE
DEVICE
ADDRESS
R
E
A
D
1 0 1 0 A2 A1 A0 1
M
S
B
L R A
S / C
B W K
NO ACK from
Master Device
S
T
O
P
D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0
DATA
ADR INC
図14
カレントアドレスリード
E2PROMのアドレスポインタの認識に関して、以下の点に注意を払う必要があります。
読み出し動作の際には、8ビットめのデータが出力されているSCLクロックの立ち下がり毎にE2PROM
のメモリアドレスカウンタは自動的にインクリメントされていきますが、書き込み動作の際には、8
ビットめの書き込みデータを受け取ったSCLクロックの立ち下がり毎にメモリアドレスの上位8ビッ
トは固定され、インクリメントされないことに注意してください。
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15
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
7.2 ランダムリード
ランダムリードは、任意のメモリアドレスのデータを読み出す場合に用いられる手法です。
まず、メモリアドレスをE2PROMのアドレスカウンタにロードするために、以下の要領でダミーライ
トを行います。
E2PROMが、スタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令
コードの“0”を受け取るとアクノリッジを発生します。
まず8ビット長の上位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。そのあと、8ビット長
の下位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。ここまでの動作で、E2PROMのアド
レスカウンタにメモリアドレスがロードされます。
バイト書き込み・ページ書き込み動作の場合は、この後書き込みデータを受け取ることになりますが、
ダミーライトでは、データの受け取りを行いません。
ダミーライトによってE2PROMのメモリアドレスカウンタにメモリアドレスがロードされましたので、
以降のマスターデバイスは新たにスタートコンディションを送出し、カレントリードと同様の動作を
させることで、任意のメモリアドレスからはじまるデータの読み出しを行うことができます。
すなわち、E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ラ
イト命令コードの“1”を受け取ると、アクノリッジを発生します。
続けて、SCLクロックに同期して8ビット長のデータが、E2PROMより出力されます。
この後に、マスターデバイスがアクノリッジを出力せずにストップコンディションを送出することで、
読み出し動作は終了します。
S
T
A
R
T
SDA
LINE
DEVICE
ADDRESS
W
R
I
T
E
1 0 1 0 A2 A1 A0 0
M
S
B
上位WORD ADDRESS
X
X X
下位WORD ADDRESS
X W12W11W10W9 W8
L R A
S / C
B W K
S
T
A
R
T
1 0 1 0 A2A1 A0 1
W7 W6 W5 W4 W3 W2 W1 W0
A
C
K
DEVICE
ADDRESS
A
C
K
M
S
B
DUMMY WRITE
図15
16
R
E
A
D
ランダムリード
セイコーインスツル株式会社
L R A
S / C
B W K
NO ACK from
Master Device
DATA
S
T
O
P
下図へ続く
D7 D6
D5 D4 D3 D2 D1 D0
ADR INC
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
7.3 シーケンシャルリード
カレントリード ・ ランダムリードどちらにおいても、E2PROMがスタートコンディションに続き、7
ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令コードの“1”を受け取るとアクノリッジを発生
します。
続けて、SCLクロックに同期して8ビット長のデータが、E2PROMより出力される際、8ビットめのデ
ータが出力されているSCLクロックの立ち下がりエッジで、E2PROMのメモリアドレスカウンタは自
動的にインクリメントされます。
その後、マスターデバイスがアクノリッジを送出すると、次のメモリアドレスのデータを出力します。
マスターデバイスがアクノリッジを送出することで、順次E2PROMのメモリアドレスカウンタはイン
クリメントされ、連続してデータを読み続けることができます。これをシーケンシャルリードと呼び
ます。
読み出し動作を終了させるためには、マスターデバイスがアクノリッジを出力しないで、ストップ
コンディションを送出することで行います。
シーケンシャルリードでは、連続してデータを読み続けることができますが、このときメモリアドレ
スカウンタが最終ワードアドレスに到達すると、次いで先頭メモリアドレスにロールオーバーします。
DEVICE
ADDRESS
SDA
LINE
NO ACK from
Master Device
R
E
A
D
1
R A
/ C
W K
A
C
K
D7
D0
A
C
K
D7
D0
D7
DATA (n+1)
DATA(n)
ADR INC
図16
S
T
O
P
A
C
K
D0
DATA (n+2)
ADR INC
D0
D7
DATA (n+x)
ADR INC
ADR INC
シーケンシャルリード
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17
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
8. アドレスインクリメント
メモリアドレスカウンタが自動的にインクリメントされる詳細なタイミングは、読み出し動作では8
ビットめの読み出しデータが出力されているSCLクロックの立ち下がりエッジです。
書き込み動作では、8ビットめの書き込みデータを取り込む際のSCLクロックの立ち下がりエッジで
す。
SCL
SDA
8
9
1
R / W=1
ACK出力
8
D7出力
9
D0出力
アドレスインクリメント
図17
SCL
SDA
読み出し動作時アドレスインクリメントタイミング
8
R / W=0
9
1
ACK出力
8
D7入力
D0入力
9
ACK出力
アドレスインクリメント
図18
書き込み動作時アドレスインクリメントタイミング
■ 低電源電圧時の書き込み禁止機能
S-24CS64Aは低電源電圧の検出回路を内蔵し、電源電圧の低下時および電源投入時には書き込み命令を
キャンセルします。検出電圧は1.85 V Typ. 、解除電圧は1.95 V Typ.で約0.1 Vのヒステリシスを持っていま
す(図19参照)。
ストップコンディションを受け取る際に、低電源電圧を検出すると書き込み命令がキャンセルされます。
データ転送中や書き込み動作中に電源電圧が低下した場合は、書き込みを行っていたアドレスのデータ
は保証されません。
ヒステリシス
約0.1 V
電源電圧
解除電圧(+VDET)
1.95 V Typ.
検出電圧(−VDET)
1.85 V Typ.
書き込み命令キャンセル
図19
18
低電源電圧時の動作
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2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ S-24CS64Aの使用方法
1. SDA入出力端子およびSCL入力端子のプルアップについて
SDA入出力端子およびSCL入力端子*1は、I2C BUSプロトコルの機能上、必ずプルアップ (1 kΩ ~ 5 kΩ程
度) してください。プルアップ抵抗がない場合、正常な通信を行うことができません。
*1. マイコンのトライステート出力端子にE2PROMのSCL入力端子が接続されている場合は、ハイイ
ンピーダンス状態がSCL入力端子に入力されないように、同様のプルアップ抵抗を付けてくださ
い。これは、電圧降下時にマイコンがリセットされると、トライステート端子の不定出力 (ハイ
インピーダンス) によってE2PROMが誤動作するのを防止するためです。
2. 入力、出力端子等価回路
本ICの入出力端子には、プルアップおよびプルダウンの抵抗素子は内蔵していません。また、SDA端
子はオープンドレイン出力になります。以下に等価回路を示します。
SCL
図 20
SCL 端子
図 21
SDA 端子
SDA
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19
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
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S-24CS64A
WP
図 22
WP 端子
A0, A1, A2
図 23
20
A0, A1, A2 端子
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2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
3. E2PROMアクセス途中からのフェーズ合わせ
S-24CS64Aには、リセット (内部回路のリセット) 端子がありませんので、外部から強制的にリセット
することができません。したがって、E2PROMへの通信中断が起きた場合は、ソフトウエア的に対処す
る必要があります。
たとえば、マイコンに対してリセット信号が入力された場合でも、E2PROMへストップコンディション
を入力しない限り、E2PROM内部回路はリセットされません。当然E2PROMは状態を保持していますの
で、次の動作に入ることができません。特に電源電圧の降下時にマイコンだけがリセットされた場合が、
これに該当します。この状態で電源電圧が復帰した場合は、E2PROMをリセットしたあと (マイコンと
のフェーズを合わせたあと) に、命令を入力してください。このリセット方法を以下に示します。
【E2PROMのリセット方法】
通常はスタートおよびストップ命令で、リセットは実行できますが、E2PROM がデータ“0”読み
出し中、またはアクノリッジ出力中は、SDA ラインに“0”を出力していますので、この状態から
マイコンは SDA ラインに命令を出力することはできません。この場合は、E2PROM のアクノリッ
ジ出力動作または読み出し動作を終了させてから、あらためてスタート命令を入力します。
この手続きを図 24 に示します。
はじめにスタートコンディションを入力します。続けて SCL を 9 クロック (ダミークロック) 送り
ます。その間、マイコンは SDA ラインをハイレベル状態に保ちます。この動作で E2PROM はアク
ノリッジ出力動作またはデータ出力を中止しますので、続けてスタートコンディションを入力しま
す*1。スタートコンディションが入力されると、E2PROM はリセットされます。その後、念のため、
ストップコンディションを E2PROM に入力してください。通常のオペレーションが可能になりま
す。
スタート
ダミークロック
コンディション
1
2
8
スタート
ストップ
コンディション
コンディション
9
SCL
SDA
図 24
E2PROM のリセット方法
*1. 9 クロック (ダミークロック) の終了後、スタートコンディションの入力なしに、そのまま SCL
のクロックを出し続けると、ストップコンディションを受け取った時点で書き込み動作に入っ
てしまう可能性があります。これを避けるために、9 クロック (ダミークロック) の終了後、ス
タートコンディションの入力を行ってください。
備考
ダミークロックによるリセット方法は、電源電圧立ち上げ後、システムの初期化の際に実
行することを推奨します。
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21
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Rev.3.0_00
S-24CS64A
4. アクノリッジチェック
I2C BUSプロトコルには、通信エラーを回避するためのハンドシェイク機能として、アクノリッジチェ
ック機能がついており、マイコンとE2PROMとの間でデータ通信途上の通信不良を検出することができ
ます。したがって、誤動作防止の手段として有効ですので、マイコン側でアクノリッジチェックを実行
することを推奨します。
5. パワーオンクリア回路内蔵
E2PROMはパワーオンクリア回路によって、電源電圧の立ち上げと同時にE2PROMのイニシャライズ
を行います。イニシャライズが正常に行われないと、誤動作をおこす可能性がありますので、パワー
オンクリア回路を正常に動作させるために、電源電圧の立ち上げには以下の条件が必要となります。
5.1 電源電圧の立ち上げ方法
図25に示すように、電源電圧は最大0.2 Vから立ち上げ、使用電源電圧への到達時間をtRISEで規定され
る時間内で立ち上げてください。
たとえば、使用電源電圧が5.0 Vの場合は、図26よりtRISE = 200 msとなり、電源電圧は200 ms以内に
立ち上げる必要があります。
tRISE (Max.)
電源電圧 (V CC)
VINIT (Max.)
0.2 V
0 V*1
tINIT*2 (Max.)
*1. 0 V は、E2PROM の VCC 端子と GND 端子の電位差がないことを意味します。
*2. tINIT は、E 2PROM が内部をイニシャライズする時間を意味します。この期間は、
E2PROM は命令を受け付けません。
図 25
22
電源電圧の立ち上げ方
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S-24CS64A
5.0
4.0
電源電圧 (VCC)
[V]
3.0
2.0
50 100 150 200
電源立ち上がり時間 (tRISE) Max.
[ms]
例)使用電源電圧が5.0 Vの場合:5.0 Vまでの到達時間は200 ms以内にしてください。
図 26
電源電圧立ち上げ時間
パワーオンクリア回路により、正常にイニシャライズが終了すると、E2PROMはスタンバイ状態に
なります。
パワーオンクリア回路が動作しない場合、次のことが予想されます。
E2PROM内部がイニシャライズできていないため、以前入力した命令が有効になっていたり、
命令を誤認識したりする場合があります。この場合、書き込みを実行してしまう可能性があ
ります。
(2) パワーオンクリア回路が動作しない原因としては、E2PROMアクセス途中で電源オフなどに
よる電圧の低下が考えられます。電圧の低下によりマイコンがリセットされた場合でも、
E2PROMのパワーオンクリア動作条件が満たされない場合は、E2PROMが誤動作する可能性
があります。E2PROMのパワーオンクリア動作条件は、「5.1 電源電圧の立ち上げ方法」を
参照してください。
(1)
パワーオンクリア回路が動作しない場合は、フェーズ合わせ (リセット) を実行すれば、E2PROM
内部回路のリセットが正常に行われます。パワーオンクリア回路が動作した直後と、フェーズ合わ
せ (リセット) を実行した直後のE2PROMの内部の状態は同じです。
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23
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Rev.3.0_00
S-24CS64A
5.2 イニシャライズ時間
電源電圧の立ち上げと同時にE2PROMはイニシャライズを行います。E2PROMは、イニシャライズ実
行期間中は命令を受け付けませんので、E2PROMへの命令送信の開始はこのイニシャライズ期間以降
に行う必要があります。
E2PROMのイニシャライズ実行時間を図27に示します。
100 m
10 m
2
E PROM
1.0 m
イニシャライズ時間
(tINIT) Max.
100 µ
[s]
10 µ
1.0 µ
1.0 µ 10 µ 100 µ 1.0 m 10 m 100 m
電源電圧の立ち上がり時間 (tRISE)
[s]
図 27
24
E2PROM のイニシャライズ時間
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6. データホールド時間 (tHD. DAT = 0 ns) について
E2PROMのSCLおよびSDAを同時に変化させた場合、ノイズの影響により、誤ってスタート/ストップ
コンディションを認識されないようにする必要があります。
通信途上で、スタート/ストップコンディションを誤認識すると、E2PROMはスタンバイ状態になりま
す。
S-24CS64AではSCLの立ち下がりエッジに対して、SDAは、最小で0.3 µsの遅延を推奨します。
これは、バスラインの負荷によるタイミングのズレがSTOP (or START) コンディションになるのを
避けるためです。
tHD. DAT = 0.3 µs Min.
SCL
SDA
図 28
E2PROM のデータホールド時間
7. SDA端子とSCL端子ノイズ除去時間について
S-24CS64Aには、SDA端子とSCL端子にノイズを除去するためのローパスフィルター回路が内蔵され
ています。この除去時間は電源電圧が5.0 Vの場合、160 ns以下のパルス幅のノイズを除去することが
できます。
保証値の詳細については、表11のノイズサプレッション時間(tI)を参照してください。
300
ノイズ除去時間 (tI) Max.
[ns]
200
100
2
3
4
電源電圧 (VCC)
[V]
図 29
5
SDA 端子と SCL 端子ノイズ除去時間
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25
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8. 書込みデータ入力中のSCL端子に規定のデータ長に満たない(8ビットに満たない)クロック数でストッ
プコンディションを入力した場合のE2PROMの動作について。
E2PROMが1バイト書込みのデータを受信している途中で、強制的にストップコンディションを受信し
た場合、書込みは行われません。
E2PROM がページライトのためにデータを 1 バイト以上受信した後、ストップコンディションを受信し
た場合は、ストップコンディションを受信する前の、正常にデータを 8 ビット分受け取ったバイトに該
当するアドレスには書込みを実行します。
9. ページライトにおいて書込みデータを規定のページサイズ以上入力した場合のE2PROMの動作と書込み
データについて。
ページライトにおいて書込みデータを規定のページサイズ以上入力した場合、たとえばS-24CS64Aの
場合、32バイトのページライトが可能ですが、データを33バイト受信したような場合、ページアドレ
スを越えての書込みはできませんので、33バイト目のデータ8ビットは、同一ページアドレスの1バイ
ト目にオーバーライトされます。
10. 注意事項
・本 E2PROM に限らず半導体デバイスは絶対最大定格を越えて使用しないでください。特に電源電
圧には十分注意してください。定格外の瞬間的なサージ電圧がラッチアップや、誤動作の原因に
なります。詳しい使用条件は、データシート記載の項目を十分にご確認の上、使用してください。
・E2PROM の端子に水分が付着したまま動作させますと端子間で短絡して誤動作する可能性があり
ます。とくにお客様の評価中に低温の恒温槽から E2PROM を取り出したときなどに、E2PROM の
端子に霜がついた場合、このまま動作させますと端子間が水分によって短絡し誤動作する可能性
がありますので、ご注意ください。
また結露しやすい場所での使用の際も同様の理由で、十分に注意が必要です。
26
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2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ 使用上の注意
• 本 IC は静電気に対する保護回路が内蔵されていますが、保護回路の性能を越える過大静電気が IC
に印加されないようにしてください。
• 弊社 IC を使用して製品を作る場合には、その製品での当 IC の使い方や製品の仕様また、出荷先
の国などによって当 IC を含めた製品が特許に抵触した場合、その責任は負いかねます。
■ WLPパッケージ使用上の注意
• パッケージの捺印面はデバイスのシリコン面が露出しています。この部分は、通常のプラスチッ
クパッケージよりも機械的ストレスに対する強度が低いため、カケ、ワレなどパッケージのお取り
扱いには十分ご注意ください。また、このシリコン面には、デバイスの基板電位が直接でています
ので、外部電位に接触することがないようにご注意ください。
• 本パッケージは、デバイス面に半透明の樹脂がオーバーコートされています。
高光源下において、デバイスを露出させてご使用になる場合、デバイスの特性に影響をおよぼすこ
とがありますのでご注意ください。
■ I2Cバスのライセンスについて
セイコーインスツル社製 I2Cバス・ICを購入した場合、フィリップス社の持つI2C特許権の下、I2Cバス・シ
ステム内でこれらのICを使用するためのライセンスが与えられます。ただしそのバス・システムが、フ
ィリップス社の規定するI2C仕様に準拠している場合に限ります。
本ICを使用して製品またシステムを作る場合、その製品やシステムの構成によっては、特許に抵触する
可能性があります。
当社としては、I2C バスを使用した製品やシステムが特許に抵触した場合、その責任は負いかねます。
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27
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Rev.3.0_00
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■ 諸特性
1. DC特性
1.1 リード時消費電流(ICC1)  周囲温度(Ta)
1.2 リード時消費電流(ICC1)  周囲温度(Ta)
VCC=3.3 V
fSCL=100 kHz
DATA=0101
VCC=5.5 V
fSCL=100 kHz
DATA=0101
300
ICC1
(µA) 200
300
ICC1
(µA) 200
100
100
0
0
–40
0
Ta (°C)
85
–40
1.3 リード時消費電流(ICC1)  周囲温度(Ta)
Ta=25°C
fSCL=100 kHz
DATA=0101
300
ICC1
(µA) 200
300
ICC1
(µA) 200
100
100
0
2 3 4 5 6
VCC (V)
85
0
Ta (°C)
–40
1.5 リード時消費電流(ICC1)  電源電圧(VCC)
VCC=5.0 V
Ta=25°C
500
ICC1
400
(µA)
300
200
100
500
ICC1
400
(µA)
300
200
100
28
7
1.6 リード時消費電流(ICC1)  クロック周波数(fSCL)
Ta=25°C
fSCL=400 kHz
DATA=0101
0
85
1.4 リード時消費電流(ICC1)  電源電圧(VCC)
VCC=1.8 V
fSCL=100 kHz
DATA=0101
0
0
Ta (°C)
2
3
4
5 6
VCC (V)
7
100k
400k
fSCL (Hz)
セイコーインスツル株式会社
1M
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
1.7 プログラム時消費電流(ICC2)  周囲温度(Ta)
1.8 プログラム時消費電流(ICC2)  周囲温度(Ta)
VCC=3.3 V
VCC=5.5 V
1.5
1.5
ICC2
(mA) 1.0
ICC2
(mA) 1.0
0.5
0.5
0
–40
0
Ta (°C)
0
85
1.9 プログラム時消費電流(ICC2)  周囲温度(Ta)
Ta=25°C
1.5
1.5
ICC2
(mA) 1.0
ICC2
(mA) 1.0
0.5
0.5
–40
0
Ta (°C)
0
85
1.11 スタンバイ電流(ISB)  周囲温度(Ta)
2 3 4 5 6
VCC (V)
VCC=5.5 V
SDA, SCL, WP=0 V
2.0
ILI
(µA)
ISB
(µA)
1
1.12 入力リーク電流(ILI)  周囲温度(Ta)
VCC=5.5 V
1.0
0.5
1.0
0
85
0
Ta (°C)
1.10 プログラム時消費電流(ICC2)  電源電圧(VCC)
VCC=2.7 V
0
–40
–40
85
0
Ta (°C)
0
–40
セイコーインスツル株式会社
85
0
Ta (°C)
29
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
1.13 入力リーク電流(ILI)  周囲温度(Ta)
1.14 出力リーク電流(ILO)  周囲温度(Ta)
VCC=5.5 V
VCC=5.5 V
SDA=0 V
SDA, SCL, WP=5.5 V
1.0
1.0
ILI
(µA)
ILO
(µA)
0.5
0
0.5
0
85
0
Ta (°C)
–40
1.15 出力リーク電流(ILO)  周囲温度(Ta)
–40
85
0
Ta (°C)
1.16 低レベル出力電圧(VOL)  低レベル出力電流(IOL)
VCC=5.5 V
SDA=5.5 V
Ta=−40°C
0.3
1.0
ILO
(µA)
VOL
(V)
0.5
VCC=1.8 V
0.2
VCC=5.0 V
0.1
0
0
85
0
Ta (°C)
–40
VOL
(V)
VCC=5.0 V
1
2
3
4
5
0.2
VCC= 5.0 V
0.1
6
0
IOL (mA)
30
6
0.3 VCC=1.8 V
0.2
0
5
Ta=85°C
VCC=1.8 V
0.1
3 4
1.18 低レベル出力電圧(VOL)  低レベル出力電流(IOL)
Ta=25°C
VOL
(V)
2
IOL (mA)
1.17 低レベル出力電圧(VOL)  低レベル出力電流(IOL)
0.3
1
1
2
3
4 5 6
IOL (mA)
セイコーインスツル株式会社
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
1.19 HIGH 入力反転電圧(VIH)  電源電圧(VCC)
1.20 HIGH 入力反転電圧(VIH)  周囲温度(Ta)
Ta=25°C
SDA, SCL
VIH
(V)
VCC=5.0 V
SDA, SCL
3.0
3.0
2.0
VIH 2.0
(V)
1.0
1.0
0
0
1 2 3 4 5 6 7
–40
VCC (V)
Ta (°C)
1.21 LOW 入力反転電圧(VIL) 電源電圧(VCC)
1.22 LOW 入力反転電圧(VIL)  周囲温度(Ta)
VCC=5.0 V
SDA, SCL
Ta=25°C
SDA, SCL
3.0
3.0
VIL 2.0
(V)
VIL 2.0
(V)
1.0
1.0
0
85
0
0
1 2 3 4 5 6 7
–40
0
85
Ta (°C)
VCC (V)
1.23 低電源検出電圧(−VDET)  周囲温度(Ta)
1.24 低電源解除電圧(+VDET)  周囲温度(Ta)
2.0
2.0
+VDET
(V)
−VDET
(V)
1.0
0
1.0
–40
0
85
0
–40
Ta (°C)
0
85
Ta (°C)
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31
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
2. AC特性
2.1 最大動作周波数(fmax.)  電源電圧(VCC)
2.2 書き込み時間(tWR)  電源電圧(VCC)
Ta=25°C
Ta=25°C
8
1M
fmax.
(Hz)
100k
tWR
(ms)
6
4
10k
2
1
2
0
3
4 5
VCC (V)
2.3 書き込み時間(tWR)  周囲温度(Ta)
9
tWR
(ms)
6
9
tWR
(ms)
6
3
0
–40
0
Ta (°C)
0
85
2.5 SDA 出力遅延時間(tAA)  周囲温度(Ta)
–40
0
Ta (°C)
85
2.6 SDA 出力遅延時間(tAA)  周囲温度(Ta)
VCC=4.5 V
VCC=2.7 V
1.0
tAA
(µs)
1.0
0.5
0.5
32
3 4 5
VCC (V)
VCC=2.7 V
VCC=4.5 V
6
0
2
2.4 書き込み時間(tWR)  周囲温度(Ta)
3
tAA
(µs)
1
–40
0
Ta (°C)
85
0
–40
セイコーインスツル株式会社
0
Ta (°C)
85
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
2.7 SDA 出力遅延時間(tAA)  周囲温度(Ta)
VCC=1.8 V
tAA
(µs)
1.0
0.5
0
–40
0
Ta(°C)
85
セイコーインスツル株式会社
33
2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM
Rev.3.0_00
S-24CS64A
■ 品目コードの構成
1.
8-Pin SOP(JEDEC)、8-Pin TSSOPの場合
S-24CS64A
0I
- xxxx
G
パッケージ略号と IC の梱包仕様
J8T1: 8-Pin SOP (JEDEC) 、テープ品
T8T1: 8-Pin TSSOP、テープ品
固定
製品名
S-24CS64A: 64 K ビット
2.
WLP-8Cの場合
S-24CS64A
0I
- xxxx
パッケージ略号と IC の梱包仕様
H8T1: WLP-8C、テープ品
固定
製品名
S-24CS64A: 64 K ビット
34
セイコーインスツル株式会社
5.02±0.2
8
5
1
4
1.27
0.20±0.05
0.4±0.05
No. FJ008-A-P-SD-2.1
TITLE
No.
SOP8J-D-PKG Dimensions
FJ008-A-P-SD-2.1
SCALE
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
4.0±0.1(10 pitches:40.0±0.2)
2.0±0.05
ø1.55±0.05
0.3±0.05
ø2.0±0.05
8.0±0.1
2.1±0.1
5°max.
6.7±0.1
1
8
4
5
Feed direction
No. FJ008-D-C-SD-1.1
TITLE
SOP8J-D-Carrier Tape
No.
FJ008-D-C-SD-1.1
SCALE
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
60°
2±0.5
13.5±0.5
Enlarged drawing in the central part
ø21±0.8
2±0.5
ø13±0.2
No. FJ008-D-R-SD-1.1
TITLE
SOP8J-D-Reel
No.
FJ008-D-R-SD-1.1
SCALE
UNIT
QTY.
mm
Seiko Instruments Inc.
2,000
+0.3
3.00 -0.2
8
5
1
4
0.17±0.05
0.2±0.1
0.65
No. FT008-A-P-SD-1.1
TITLE
TSSOP8-E-PKG Dimensions
FT008-A-P-SD-1.1
No.
SCALE
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
4.0±0.1
2.0±0.05
ø1.55±0.05
0.3±0.05
+0.1
8.0±0.1
ø1.55 -0.05
(4.4)
+0.4
6.6 -0.2
1
8
4
5
Feed direction
No. FT008-E-C-SD-1.0
TITLE
TSSOP8-E-Carrier Tape
FT008-E-C-SD-1.0
No.
SCALE
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
13.4±1.0
17.5±1.0
Enlarged drawing in the central part
ø21±0.8
2±0.5
ø13±0.5
No. FT008-E-R-SD-1.0
TSSOP8-E-Reel
TITLE
No.
FT008-E-R-SD-1.0
SCALE
QTY.
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
3,000
0.6max.
S
0.06 S
ø0.3±0.02
B
8-(ø0.3)
3
2
1
Pin No.
4
8
6
7
0.5
5
0.5
0.5
Pin name
1
A0
2
3
4
5
6
7
8
VCC
WP
SCL
SDA
GND
A2
A1
No. HC008-A-P-SD-1.0
0.5
TITLE
WLP-8C-A-PKG Dimensions
HC008-A-P-SD-1.0
No.
SCALE
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
+0.1
ø1.5 -0
ø1.05±0.05
2.0±0.1
0.18±0.05
4.0±0.1
2.0±0.05
0.64±0.05
4.0±0.1
Count mark (ø0.8,Depth 0.2)
(Every 10 pockets)
0.8
0.22
2.36
2.06±0.05
0.6
32 1
4
8
567
No. HC008-A-C-SD-1.0
Feed direction
TITLE
WLP-8C-A-Carrier Tape
No.
HC008-A-C-SD-1.0
SCALE
UNIT
mm
Seiko Instruments Inc.
12.5max.
9.0±0.3
Enlarged drawing in the central part
ø13±0.2
No. HC008-A-R-SD-1.0
TITLE
WLP-8C-A-Reel
HC008-A-R-SD-1.0
No.
SCALE
UNIT
QTY.
3,000
mm
Seiko Instruments Inc.
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