Rev.3.0_00 S-24CS64A 2 ワイヤ CMOS シリアル E2PROM S-24CS64A は、低消費電流、ワイドレンジ動作の 2 ワイヤ シリアル E2PROM です。容量は 64K ビットで、構成は 8192 語×8 ビットです。ページライト、シーケンシャルリードが 可能です。 ■ 特長 • 低消費電流 • • • • • • • • • スタンバイ時 :5.0 µA Max. (VCC=5.5 V) 読み出し時 :0.8 mA Max. (VCC=5.5 V) 広動作電圧範囲 読み出し :1.8 ~ 5.5 V 書き込み :2.7 ~ 5.5 V ページライト機能 32 バイト/ページ シーケンシャルリード機能 動作周波数 400 kHz (VCC=5 V ± 10 %) 低電源電圧時書き込み禁止機能 書き換え回数 :106 回/語* (+25°C 時) 書き換え可能、 105 回/語* (+85°C 時) *アドレス毎 (語:8 ビット) データ保持 :10 年 (+85°C 時 105 回書き換え後) ライトプロテクト機能 :100% 鉛フリー製品 ■ パッケージ パッケージ名 8-Pin SOP (JEDEC) 8-Pin TSSOP WLP-8C 注意 パッケージ図面 FJ008-A FT008-A HC008-A 図面コード テープ図面 FJ008-D FT008-E HC008-A リール図面 FJ008-D FT008-E HC008-A 本製品はAV機器、OA機器、通信機器等の一般的な電子機器に使用されることを意図したものです。自 動車搭載機器(カーオーディオ、キーレスエントリ、エンジン制御等を含む)、医療機器用途で使用を お考えの際は必ず事前に弊社窓口まで御相談ください。 セイコーインスツル株式会社 1 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ ピン配置図 8-Pin SOP (JEDEC) Top view 表1 端子番号 1 2 3 4 5 6 端子名 A0 A1 A2 GND SDA SCL 図1 7 WP S-24CS64A0I-J8T1G 8 VCC A0 1 8 VCC A1 2 7 WP A2 3 6 SCL GND 4 5 SDA 備考 端子説明 スレーブアドレス入力 スレーブアドレス入力 スレーブアドレス入力 グランド シリアルデータ入出力 シリアルクロック入力 ライトプロテクト入力 VCC接続 : プロテクト有効 GND接続 : プロテクト無効 電源 形状については「外形寸法図」を参照してください。 8-Pin TSSOP Top view A0 A1 A2 GND 1 2 3 4 8 7 6 5 図2 表2 VCC WP SCL SDA 端子番号 1 2 3 4 5 6 端子名 A0 A1 A2 GND SDA SCL 7 WP 8 VCC S-24CS64A0I-T8T1G 備考 2 端子説明 スレーブアドレス入力 スレーブアドレス入力 スレーブアドレス入力 グランド シリアルデータ入出力 シリアルクロック入力 ライトプロテクト入力 VCC接続 : プロテクト有効 GND接続 : プロテクト無効 電源 形状については「外形寸法図」を参照してください。 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A WLP-8C Bottom view 2 1 3 A0 VCC WP 8 4 A1 SCL 7 5 6 A2 GND SDA 表3 端子番号 1 2 端子名 A0 VCC 3 WP 4 5 6 7 8 SCL SDA GND A2 A1 (1.94×1.97×0.6 max.) 図3 備考 端子説明 スレーブアドレス入力 電源 ライトプロテクト入力 VCC接続 : プロテクト有効 GND接続 : プロテクト無効 シリアルクロック入力 シリアルデータ入出力 グランド スレーブアドレス入力 スレーブアドレス入力 形状については「外形寸法図」を参照してください。 S-24CS64A0I-H8T1 セイコーインスツル株式会社 3 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ ブロック図 WP SCL スタート/ストップ 検出回路 SDA VCC GND ボルテージディテクタ シリアルクロック 制御回路 ハイボルテージジェネレータ LOAD COMP デバイスアドレス コンパレータ A2 LOAD R/W A1 データレジスタ A0 INC Xデコーダ アドレス カウンタ E2PROM セレクタ Yデコーダ データ出力 ACK出力 制御回路 DIN DOUT 図4 ■ 絶対最大定格 表4 項 電源電圧 入力電圧 出力電圧 保存温度 注意 4 目 記号 VCC VIN VOUT Tstg 定 格 −0.3 ∼ +7.0 −0.3 ∼ VCC+0.3 −0.3 ∼ VCC −65 ∼ +150 単位 V V V °C 絶対最大定格とは、どのような条件下でも越えてはならない定格値です。万一こ の定格値を越えると、製品の劣化などの物理的な損傷を与える可能性があります。 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ 推奨動作条件 表5 項 目 Min. Typ. Max. 単位 読み出し 1.8 5.5 V 書き込み 2.7 5.5 V VCC=2.5 ∼ 5.5 V 0.7×VCC VCC V VCC=1.8 ∼ 2.5 V 0.8×VCC VCC V VCC=2.5 ∼ 5.5 V 0.0 0.3×VCC V VCC=1.8 ∼ 2.5 V 0.0 0.2×VCC V −40 +85 °C 記号 条 VCC 電源電圧 VIH 高レベル入力電圧 VIL 低レベル入力電圧 Topr 動作温度 件 ■ 端子容量 表6 (Ta=25°C、f=1.0 MHz、VCC=5 V) 項 目 入力容量 入出力容量 記号 条 件 CIN CI / O VIN=0 V (SCL、A0、A1、A2、WP) VI / O=0 V (SDA) Min. Typ. Max. 単位 10 10 pF pF Typ. Max. 単位 回/語* ■ 書き換え回数 表7 項 目 書き換え回数 記 号 NW 動作温度 −40 ~ +85°C Min. 10 5 *アドレス毎 (語:8ビット) セイコーインスツル株式会社 5 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ DC電気的特性 項 目 記号 表8 VCC=4.5 ~ 5.5 V f = 400 kHz 条 件 VCC=2.7 ~ 4.5 V f = 100 kHz VCC=1.8 ~ 2.7 V f = 100 kHz 単位 Min. Typ. Max. Min. Typ. Max. Min. Typ. Max. 読み出し時消費電流 ICC1 0.8 0.5 0.3 mA 書き込み時消費電流 ICC2 4.0 3.0 mA 表9 項 目 条 件 VCC=4.5 ~ 5.5 V Min. Typ. VCC=1.8 ~ 4.5 V Max. Min. Typ. Max. 単位 待機時消費電流 ISB VIN=VCC or GND 5.0 3.0 µA 入力リーク電流 ILI VIN=GND ∼ VCC 0.1 1.0 0.1 1.0 µA 出力リーク電流 ILO VOUT=GND ∼ VCC 0.1 1.0 0.1 1.0 µA 低レベル出力電圧 VOL IOL=3.2 mA 0.4 V IOL=1.5 mA 0.3 0.3 V 1.5 5.5 1.5 4.5 V カレントアドレス 保持電圧 6 記号 VAH セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ AC電気的特性 表10 入力パルス電圧 入力パルス立ち上がり/ 立ち下がり時間 出力判定電圧 出力負荷 VCC 測定条件 0.1 × VCC ∼ 0.9 × VCC SDA 20 ns C=100 pF 0.5 × VCC 100 pF+プルアップ抵抗 1.0 kΩ 図5 項 表11 記号 VCC=4.5 ~ 5.5 V Min. Typ. Max. 0 fSCL 400 tLOW 1.0 tHIGH 0.9 0.1 0.9 tAA 50 tDH tSU.STA 0.6 tHD.STA 0.6 tSU.DAT 100 tHD.DAT 0 tSU.STO 0.6 tR 0.3 tF 0.3 tBUF 1.3 50 tI 目 SCLクロック周波数 SCLクロック“L”時間 SCLクロック“H”時間 SDA出力遅延時間 SDA出力保持時間 スタートコンディションセットアップ時間 スタートコンディションホールド時間 データ入力セットアップ時間 データ入力ホールド時間 ストップコンディションセットアップ時間 SCL・SDA立ち上がり時間 SCL・SDA立ち下がり時間 バス解放時間 ノイズサプレッション時間 tF tHIGH R=1.0 kΩ tLOW 出力負荷回路 VCC=1.8 ~ 4.5 V 単位 Min. Typ. Max. 0 100 kHz 4.7 µs 4.0 µs 0.1 3.5 µs 100 ns 4.7 µs 4.0 µs 200 ns 0 ns 4.7 µs 1.0 µs 0.3 µs 4.7 µs 100 ns tR SCL tSU.STA tHD.DAT tHD.STA tSU.DAT tSU.STO SDA IN tAA tDH tBUF SDA OUT 図6 バスタイミング セイコーインスツル株式会社 7 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 項 表12 記号 VCC=2.7 ~ 5.5 V 単位 Min. Typ. Max. 6.0 10.0 ms tWR 目 書き込み時間 tWR SCL SDA D0 書き込みデータ アクノリッジ 図7 8 ストップ コンディション ライトサイクルタイミング セイコーインスツル株式会社 スタート コンディション 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ 各端子の機能説明 1. アドレス入力端子(A0、A1、A2) A0、A1、A2の各ピンをGNDまたはVCCに接続してスレーブアドレスを設定します。従ってA0、A1、 A2の組み合わせにより、8通りのスレーブアドレスを設定することができます。 設定したスレーブアドレスは、マスターデバイスから送られてくるスレーブアドレスと一致するかを 照合することで、バス上に複数接続されたデバイスの中からひとつを選択することが可能となります。 アドレス入力端子は必ず、GNDまたはVCCに接続固定する必要があります。 2. SDA(シリアルデータ入出力)端子 SDA端子は双方向にシリアルデータ転送を行うためのもので、信号入力端子とNch型トランジスタオ ープンドレイン出力端子から構成されています。通常SDAラインは抵抗でVCC電位にプルアップし、 他のオープンドレインあるいはオープンコレクタ出力のデバイスとワイアードオア接続して使用し ます。 3. SCL(シリアルクロック入力)端子 SCL端子はシリアルクロック入力端子であり、SCLクロック入力信号の立ち上がり・立ち下がりエッ ジで信号処理を行いますので、立ち上がり時間・立ち下がり時間には十分注意を払い、スペックを守 ってください。 4. WP 端子 ライトプロテクト機能を使用する場合には、WP端子をVCC電位にします。ライトプロテクト機能を使 用しない場合は、必ずWP端子をGNDに接続しておきます。 セイコーインスツル株式会社 9 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ 動作説明 1. スタートコンディション SCLラインが“H”レベルの時に、SDAラインが“H”から“L”へ変化することでスタートコンディ ションとなります。 すべての動作は、スタートコンディションではじまります。 2. ストップコンディション SCLラインが“H”レベルの時に、SDAラインが“L”から“H”へ変化することでストップコンディ ションとなります。 読み出しシーケンスの際にストップコンディションを受け取ると、読み出し動作は中断され、デバイ スはスタンバイモードとなります。 書き込みシーケンスの際にストップコンディションを受け取ると、書き込みデータの取り込みを終了 し、E2PROMの書き換え動作が開始します。 tSU.STA tHD.STA tSU.STO SCL SDA スタート コンディション 図8 10 ストップ コンディション スタート・ストップコンディション セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 3. データ転送 SCLラインが“L”である期間にSDAラインを変化させることで、データ転送を行います。 SCLラインが“H”である期間にSDAラインが変化すると、スタートあるいはストップコンディショ ンとして認識されます。 tSU.DAT tHD.DAT SCL SDA 図9 データ転送タイミング 4. アクノリッジ データ転送は、8ビット連続して転送されます。引き続き、9番目のクロックサイクル期間において、 データを受信するシステムバス上のデバイスは、SDAラインを“L”にして、データを受信したとい うアクノリッジ信号を返します。 E2PROMの書き換え動作中は、アクノリッジ信号は返しません。 SCL 2 (E PROM入力) 1 8 9 SDA (マスター出力) アクノ リッジ 出力 SDA 2 (E PROM出力) スタート コンディション tAA 図10 tDH アクノリッジ出力タイミング セイコーインスツル株式会社 11 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 5. デバイスアドレッシング 通信を行うために、システム上のマスターデバイスは、スレーブデバイスに対してスタートコンディ ションを発生させます。引き続き、7ビット長のデバイスアドレスと1ビット長のリード/ライト命令コ ードを、SDAバス上に送出します。 デバイスアドレスの上位4ビットはデバイスコードと呼び、“1010”に固定されています。 続く3ビットをスレーブアドレスと呼び、システムバス上のデバイスを選択するために用いられ、ア ドレス入力端子(A2、A1、A0)であらかじめ設定されたアドレス値と比較されます。比較した結果 が一致している場合には、スレーブアドレスは9番目のクロックサイクル期間において、アクノリッ ジを返します。 スレーブ アドレス デバイスコード 1 0 1 0 A2 A1 A0 R/W MSB LSB 図11 デバイスアドレス 6. 書き込み動作 6.1 バイトライト E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令コ ードの“0”を受け取ると、アクノリッジを発生します。 次に、8ビット長の上位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。続けて、8ビット長 の下位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。さらに、8ビットの書き込みデータ を受け取り、アクノリッジを発生した後、ストップコンディションを受け取ることで、指定したメモ リアドレスのE2PROMの書き換え動作が開始します。 E2PROMの書き換え動作中は、すべての動作は禁止され、アクノリッジ信号は返しません。 S T A R T SDA LINE W R I T E DEVICE ADDRESS 1 M S B 0 1 0 A2 A1 A0 0 上位WORD ADDRESS X X X W12W11W10 W9 W8 L R A S / C B W K 下位WORD ADDRESS DATA W7 W6 W5 W4 W3 W2 W1 W0 D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 A C K A A C KC K S T O P A C K ADR INC (ADDRESS INCREMENT) 図12 12 バイトライト セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 6.2 ページライト S-24CS64Aは、最大32バイトのページ書き込みが可能です。 基本的なデータ転送手順は、バイトライトと同様ですが、8ビットの書き込みデータをページサイズ 分、連続して受け取ることでページライトを行います。 E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード / ライト命令 コード“0”を受け取ると、アクノリッジを発生します。次に、8ビット長の上位ワードアドレスを受 け取り、アクノリッジを発生します。続けて8ビット長の下位ワードアドレスを受け取り、アクノリ ッジを発生します。さらに、8ビットの書き込みデータを受け取り、アクノリッジを発生した後、続 けて次のワードアドレスに相当する8ビットの書き込みデータを受け取り、アクノリッジを発生しま す。以後、連続的に8ビットの書き込みデータの受け取りとアクノリッジの発生を繰り返し、最大ペ ージサイズ分の書き込みデータを受け取ることができます。 最後に、ストップコンディションを受け取ることで、指定したメモリアドレスからはじまる書き込み データを受け取ったページサイズに相当するE2PROMの書き換え動作が開始します。 S T A R T SDA LINE W R I T E DEVICE ADDRESS 1 M S B 0 1 0 A2 A1 A0 0 L R A S / C B W K X X DATA (n) 下位WORD ADDRESS (n) 上位WORD ADDRESS (n) X W12W11W10W9 W8 D7 W7 W6 W5 W4 W3 W2 W1 W0 A C K A C K DATA (n+x) D7 D0 A C K ADR INC 図13 S T O P D0 A C K ADR INC ページライト ワードアドレスの下位5ビットは、8ビットの書き込みデータを受け取る毎に自動的にインクリメント されます。書き込みデータが32バイトを越える場合であってもワードアドレスの上位8ビットは変化 せず、下位5ビットがロールオーバーし、書き込みデータは重ね書きされます。 セイコーインスツル株式会社 13 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 6.3 アクノリッジポーリング アクノリッジポーリングは、E2PROMの書き換え動作の終了を知るために用います。ストップコンデ ィションを受け取り、いったんE2PROMの書き換え動作が開始すると、すべての動作は禁止され、マ スターデバイスの送出する信号に応答することはできません。従って、マスターデバイスはE2PROM (スレーブデバイス)に対してスタートコンディション・デバイスアドレス・リード/ライト命令コー ドを送出し、スレーブデバイスの応答を検出することで、E2PROMの書き換え動作の終了を知ること ができます。すなわち、スレーブデバイスがアクノリッジを返さなければ書き換え動作中であること を示し、アクノリッジを返せば書き換え動作が終了したということを知ることができます。アクノリ ッジポーリングの際にマスターデバイスが送出するリード/ライト命令コードは、リード命令の“1” を用いることを推奨します。 6.4 ライトプロテクト S-24CS64Aはライトプロテクト機能を有しています。WP端子がVCCに接続されている時は、全メモリ 領域への書き込みを禁止します。WP端子がGNDに接続されている時は、ライトプロテクト機能は無 効となり、全メモリ領域の書き込み動作が可能となります。ライトプロテクト機能を使用しない場合 は、必ずWP端子をGNDに接続しておきます。ライトプロテクト機能は、動作電源電圧範囲内におい て有効です。 14 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 7. 読み出し動作 7.1 カレントアドレスリード E2PROMは、書き込み・読み出し動作ともに、最後にアクセスしたメモリアドレスを保持しています。 メモリアドレスは、電源電圧がカレントアドレス保持電圧VAH未満にならない限り保持されます。従 って、マスターデバイスがE2PROMのアドレスポインタの位置を認識しているのであれば、ワードア ドレスを指定することなしに、現在のアドレスポインタのメモリアドレスより、データを読み出すこ とができます。これをカレントアドレスリードと呼びます。 カレントアドレスリード動作に先立ち、E2PROM内部のアドレスカウンタの内容がn番地である場合 で説明します。 E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令コ ードの“1”を受け取ると、アクノリッジを発生します。 続けて、SCLクロックに同期してアドレスn番地の8ビット長のデータがE2PROMより出力されます。 このとき、8ビットめのデータが出力されているSCLクロックの立ち下がりエッジでアドレスカウンタ がインクリメントされ、アドレスカウンタの内容はn+1番地となります。この後に、マスターデバイ スがアクノリッジを出力しないでストップコンディションを送出することで、読み出し動作は終了し ます。 S T A R T SDA LINE DEVICE ADDRESS R E A D 1 0 1 0 A2 A1 A0 1 M S B L R A S / C B W K NO ACK from Master Device S T O P D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 DATA ADR INC 図14 カレントアドレスリード E2PROMのアドレスポインタの認識に関して、以下の点に注意を払う必要があります。 読み出し動作の際には、8ビットめのデータが出力されているSCLクロックの立ち下がり毎にE2PROM のメモリアドレスカウンタは自動的にインクリメントされていきますが、書き込み動作の際には、8 ビットめの書き込みデータを受け取ったSCLクロックの立ち下がり毎にメモリアドレスの上位8ビッ トは固定され、インクリメントされないことに注意してください。 セイコーインスツル株式会社 15 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 7.2 ランダムリード ランダムリードは、任意のメモリアドレスのデータを読み出す場合に用いられる手法です。 まず、メモリアドレスをE2PROMのアドレスカウンタにロードするために、以下の要領でダミーライ トを行います。 E2PROMが、スタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令 コードの“0”を受け取るとアクノリッジを発生します。 まず8ビット長の上位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。そのあと、8ビット長 の下位ワードアドレスを受け取り、アクノリッジを発生します。ここまでの動作で、E2PROMのアド レスカウンタにメモリアドレスがロードされます。 バイト書き込み・ページ書き込み動作の場合は、この後書き込みデータを受け取ることになりますが、 ダミーライトでは、データの受け取りを行いません。 ダミーライトによってE2PROMのメモリアドレスカウンタにメモリアドレスがロードされましたので、 以降のマスターデバイスは新たにスタートコンディションを送出し、カレントリードと同様の動作を させることで、任意のメモリアドレスからはじまるデータの読み出しを行うことができます。 すなわち、E2PROMがスタートコンディションに続き、7ビット長のデバイスアドレスと、リード/ラ イト命令コードの“1”を受け取ると、アクノリッジを発生します。 続けて、SCLクロックに同期して8ビット長のデータが、E2PROMより出力されます。 この後に、マスターデバイスがアクノリッジを出力せずにストップコンディションを送出することで、 読み出し動作は終了します。 S T A R T SDA LINE DEVICE ADDRESS W R I T E 1 0 1 0 A2 A1 A0 0 M S B 上位WORD ADDRESS X X X 下位WORD ADDRESS X W12W11W10W9 W8 L R A S / C B W K S T A R T 1 0 1 0 A2A1 A0 1 W7 W6 W5 W4 W3 W2 W1 W0 A C K DEVICE ADDRESS A C K M S B DUMMY WRITE 図15 16 R E A D ランダムリード セイコーインスツル株式会社 L R A S / C B W K NO ACK from Master Device DATA S T O P 下図へ続く D7 D6 D5 D4 D3 D2 D1 D0 ADR INC 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 7.3 シーケンシャルリード カレントリード ・ ランダムリードどちらにおいても、E2PROMがスタートコンディションに続き、7 ビット長のデバイスアドレスと、リード/ライト命令コードの“1”を受け取るとアクノリッジを発生 します。 続けて、SCLクロックに同期して8ビット長のデータが、E2PROMより出力される際、8ビットめのデ ータが出力されているSCLクロックの立ち下がりエッジで、E2PROMのメモリアドレスカウンタは自 動的にインクリメントされます。 その後、マスターデバイスがアクノリッジを送出すると、次のメモリアドレスのデータを出力します。 マスターデバイスがアクノリッジを送出することで、順次E2PROMのメモリアドレスカウンタはイン クリメントされ、連続してデータを読み続けることができます。これをシーケンシャルリードと呼び ます。 読み出し動作を終了させるためには、マスターデバイスがアクノリッジを出力しないで、ストップ コンディションを送出することで行います。 シーケンシャルリードでは、連続してデータを読み続けることができますが、このときメモリアドレ スカウンタが最終ワードアドレスに到達すると、次いで先頭メモリアドレスにロールオーバーします。 DEVICE ADDRESS SDA LINE NO ACK from Master Device R E A D 1 R A / C W K A C K D7 D0 A C K D7 D0 D7 DATA (n+1) DATA(n) ADR INC 図16 S T O P A C K D0 DATA (n+2) ADR INC D0 D7 DATA (n+x) ADR INC ADR INC シーケンシャルリード セイコーインスツル株式会社 17 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 8. アドレスインクリメント メモリアドレスカウンタが自動的にインクリメントされる詳細なタイミングは、読み出し動作では8 ビットめの読み出しデータが出力されているSCLクロックの立ち下がりエッジです。 書き込み動作では、8ビットめの書き込みデータを取り込む際のSCLクロックの立ち下がりエッジで す。 SCL SDA 8 9 1 R / W=1 ACK出力 8 D7出力 9 D0出力 アドレスインクリメント 図17 SCL SDA 読み出し動作時アドレスインクリメントタイミング 8 R / W=0 9 1 ACK出力 8 D7入力 D0入力 9 ACK出力 アドレスインクリメント 図18 書き込み動作時アドレスインクリメントタイミング ■ 低電源電圧時の書き込み禁止機能 S-24CS64Aは低電源電圧の検出回路を内蔵し、電源電圧の低下時および電源投入時には書き込み命令を キャンセルします。検出電圧は1.85 V Typ. 、解除電圧は1.95 V Typ.で約0.1 Vのヒステリシスを持っていま す(図19参照)。 ストップコンディションを受け取る際に、低電源電圧を検出すると書き込み命令がキャンセルされます。 データ転送中や書き込み動作中に電源電圧が低下した場合は、書き込みを行っていたアドレスのデータ は保証されません。 ヒステリシス 約0.1 V 電源電圧 解除電圧(+VDET) 1.95 V Typ. 検出電圧(−VDET) 1.85 V Typ. 書き込み命令キャンセル 図19 18 低電源電圧時の動作 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ S-24CS64Aの使用方法 1. SDA入出力端子およびSCL入力端子のプルアップについて SDA入出力端子およびSCL入力端子*1は、I2C BUSプロトコルの機能上、必ずプルアップ (1 kΩ ~ 5 kΩ程 度) してください。プルアップ抵抗がない場合、正常な通信を行うことができません。 *1. マイコンのトライステート出力端子にE2PROMのSCL入力端子が接続されている場合は、ハイイ ンピーダンス状態がSCL入力端子に入力されないように、同様のプルアップ抵抗を付けてくださ い。これは、電圧降下時にマイコンがリセットされると、トライステート端子の不定出力 (ハイ インピーダンス) によってE2PROMが誤動作するのを防止するためです。 2. 入力、出力端子等価回路 本ICの入出力端子には、プルアップおよびプルダウンの抵抗素子は内蔵していません。また、SDA端 子はオープンドレイン出力になります。以下に等価回路を示します。 SCL 図 20 SCL 端子 図 21 SDA 端子 SDA セイコーインスツル株式会社 19 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A WP 図 22 WP 端子 A0, A1, A2 図 23 20 A0, A1, A2 端子 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 3. E2PROMアクセス途中からのフェーズ合わせ S-24CS64Aには、リセット (内部回路のリセット) 端子がありませんので、外部から強制的にリセット することができません。したがって、E2PROMへの通信中断が起きた場合は、ソフトウエア的に対処す る必要があります。 たとえば、マイコンに対してリセット信号が入力された場合でも、E2PROMへストップコンディション を入力しない限り、E2PROM内部回路はリセットされません。当然E2PROMは状態を保持していますの で、次の動作に入ることができません。特に電源電圧の降下時にマイコンだけがリセットされた場合が、 これに該当します。この状態で電源電圧が復帰した場合は、E2PROMをリセットしたあと (マイコンと のフェーズを合わせたあと) に、命令を入力してください。このリセット方法を以下に示します。 【E2PROMのリセット方法】 通常はスタートおよびストップ命令で、リセットは実行できますが、E2PROM がデータ“0”読み 出し中、またはアクノリッジ出力中は、SDA ラインに“0”を出力していますので、この状態から マイコンは SDA ラインに命令を出力することはできません。この場合は、E2PROM のアクノリッ ジ出力動作または読み出し動作を終了させてから、あらためてスタート命令を入力します。 この手続きを図 24 に示します。 はじめにスタートコンディションを入力します。続けて SCL を 9 クロック (ダミークロック) 送り ます。その間、マイコンは SDA ラインをハイレベル状態に保ちます。この動作で E2PROM はアク ノリッジ出力動作またはデータ出力を中止しますので、続けてスタートコンディションを入力しま す*1。スタートコンディションが入力されると、E2PROM はリセットされます。その後、念のため、 ストップコンディションを E2PROM に入力してください。通常のオペレーションが可能になりま す。 スタート ダミークロック コンディション 1 2 8 スタート ストップ コンディション コンディション 9 SCL SDA 図 24 E2PROM のリセット方法 *1. 9 クロック (ダミークロック) の終了後、スタートコンディションの入力なしに、そのまま SCL のクロックを出し続けると、ストップコンディションを受け取った時点で書き込み動作に入っ てしまう可能性があります。これを避けるために、9 クロック (ダミークロック) の終了後、ス タートコンディションの入力を行ってください。 備考 ダミークロックによるリセット方法は、電源電圧立ち上げ後、システムの初期化の際に実 行することを推奨します。 セイコーインスツル株式会社 21 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 4. アクノリッジチェック I2C BUSプロトコルには、通信エラーを回避するためのハンドシェイク機能として、アクノリッジチェ ック機能がついており、マイコンとE2PROMとの間でデータ通信途上の通信不良を検出することができ ます。したがって、誤動作防止の手段として有効ですので、マイコン側でアクノリッジチェックを実行 することを推奨します。 5. パワーオンクリア回路内蔵 E2PROMはパワーオンクリア回路によって、電源電圧の立ち上げと同時にE2PROMのイニシャライズ を行います。イニシャライズが正常に行われないと、誤動作をおこす可能性がありますので、パワー オンクリア回路を正常に動作させるために、電源電圧の立ち上げには以下の条件が必要となります。 5.1 電源電圧の立ち上げ方法 図25に示すように、電源電圧は最大0.2 Vから立ち上げ、使用電源電圧への到達時間をtRISEで規定され る時間内で立ち上げてください。 たとえば、使用電源電圧が5.0 Vの場合は、図26よりtRISE = 200 msとなり、電源電圧は200 ms以内に 立ち上げる必要があります。 tRISE (Max.) 電源電圧 (V CC) VINIT (Max.) 0.2 V 0 V*1 tINIT*2 (Max.) *1. 0 V は、E2PROM の VCC 端子と GND 端子の電位差がないことを意味します。 *2. tINIT は、E 2PROM が内部をイニシャライズする時間を意味します。この期間は、 E2PROM は命令を受け付けません。 図 25 22 電源電圧の立ち上げ方 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 5.0 4.0 電源電圧 (VCC) [V] 3.0 2.0 50 100 150 200 電源立ち上がり時間 (tRISE) Max. [ms] 例)使用電源電圧が5.0 Vの場合:5.0 Vまでの到達時間は200 ms以内にしてください。 図 26 電源電圧立ち上げ時間 パワーオンクリア回路により、正常にイニシャライズが終了すると、E2PROMはスタンバイ状態に なります。 パワーオンクリア回路が動作しない場合、次のことが予想されます。 E2PROM内部がイニシャライズできていないため、以前入力した命令が有効になっていたり、 命令を誤認識したりする場合があります。この場合、書き込みを実行してしまう可能性があ ります。 (2) パワーオンクリア回路が動作しない原因としては、E2PROMアクセス途中で電源オフなどに よる電圧の低下が考えられます。電圧の低下によりマイコンがリセットされた場合でも、 E2PROMのパワーオンクリア動作条件が満たされない場合は、E2PROMが誤動作する可能性 があります。E2PROMのパワーオンクリア動作条件は、「5.1 電源電圧の立ち上げ方法」を 参照してください。 (1) パワーオンクリア回路が動作しない場合は、フェーズ合わせ (リセット) を実行すれば、E2PROM 内部回路のリセットが正常に行われます。パワーオンクリア回路が動作した直後と、フェーズ合わ せ (リセット) を実行した直後のE2PROMの内部の状態は同じです。 セイコーインスツル株式会社 23 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 5.2 イニシャライズ時間 電源電圧の立ち上げと同時にE2PROMはイニシャライズを行います。E2PROMは、イニシャライズ実 行期間中は命令を受け付けませんので、E2PROMへの命令送信の開始はこのイニシャライズ期間以降 に行う必要があります。 E2PROMのイニシャライズ実行時間を図27に示します。 100 m 10 m 2 E PROM 1.0 m イニシャライズ時間 (tINIT) Max. 100 µ [s] 10 µ 1.0 µ 1.0 µ 10 µ 100 µ 1.0 m 10 m 100 m 電源電圧の立ち上がり時間 (tRISE) [s] 図 27 24 E2PROM のイニシャライズ時間 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 6. データホールド時間 (tHD. DAT = 0 ns) について E2PROMのSCLおよびSDAを同時に変化させた場合、ノイズの影響により、誤ってスタート/ストップ コンディションを認識されないようにする必要があります。 通信途上で、スタート/ストップコンディションを誤認識すると、E2PROMはスタンバイ状態になりま す。 S-24CS64AではSCLの立ち下がりエッジに対して、SDAは、最小で0.3 µsの遅延を推奨します。 これは、バスラインの負荷によるタイミングのズレがSTOP (or START) コンディションになるのを 避けるためです。 tHD. DAT = 0.3 µs Min. SCL SDA 図 28 E2PROM のデータホールド時間 7. SDA端子とSCL端子ノイズ除去時間について S-24CS64Aには、SDA端子とSCL端子にノイズを除去するためのローパスフィルター回路が内蔵され ています。この除去時間は電源電圧が5.0 Vの場合、160 ns以下のパルス幅のノイズを除去することが できます。 保証値の詳細については、表11のノイズサプレッション時間(tI)を参照してください。 300 ノイズ除去時間 (tI) Max. [ns] 200 100 2 3 4 電源電圧 (VCC) [V] 図 29 5 SDA 端子と SCL 端子ノイズ除去時間 セイコーインスツル株式会社 25 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 8. 書込みデータ入力中のSCL端子に規定のデータ長に満たない(8ビットに満たない)クロック数でストッ プコンディションを入力した場合のE2PROMの動作について。 E2PROMが1バイト書込みのデータを受信している途中で、強制的にストップコンディションを受信し た場合、書込みは行われません。 E2PROM がページライトのためにデータを 1 バイト以上受信した後、ストップコンディションを受信し た場合は、ストップコンディションを受信する前の、正常にデータを 8 ビット分受け取ったバイトに該 当するアドレスには書込みを実行します。 9. ページライトにおいて書込みデータを規定のページサイズ以上入力した場合のE2PROMの動作と書込み データについて。 ページライトにおいて書込みデータを規定のページサイズ以上入力した場合、たとえばS-24CS64Aの 場合、32バイトのページライトが可能ですが、データを33バイト受信したような場合、ページアドレ スを越えての書込みはできませんので、33バイト目のデータ8ビットは、同一ページアドレスの1バイ ト目にオーバーライトされます。 10. 注意事項 ・本 E2PROM に限らず半導体デバイスは絶対最大定格を越えて使用しないでください。特に電源電 圧には十分注意してください。定格外の瞬間的なサージ電圧がラッチアップや、誤動作の原因に なります。詳しい使用条件は、データシート記載の項目を十分にご確認の上、使用してください。 ・E2PROM の端子に水分が付着したまま動作させますと端子間で短絡して誤動作する可能性があり ます。とくにお客様の評価中に低温の恒温槽から E2PROM を取り出したときなどに、E2PROM の 端子に霜がついた場合、このまま動作させますと端子間が水分によって短絡し誤動作する可能性 がありますので、ご注意ください。 また結露しやすい場所での使用の際も同様の理由で、十分に注意が必要です。 26 セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ 使用上の注意 • 本 IC は静電気に対する保護回路が内蔵されていますが、保護回路の性能を越える過大静電気が IC に印加されないようにしてください。 • 弊社 IC を使用して製品を作る場合には、その製品での当 IC の使い方や製品の仕様また、出荷先 の国などによって当 IC を含めた製品が特許に抵触した場合、その責任は負いかねます。 ■ WLPパッケージ使用上の注意 • パッケージの捺印面はデバイスのシリコン面が露出しています。この部分は、通常のプラスチッ クパッケージよりも機械的ストレスに対する強度が低いため、カケ、ワレなどパッケージのお取り 扱いには十分ご注意ください。また、このシリコン面には、デバイスの基板電位が直接でています ので、外部電位に接触することがないようにご注意ください。 • 本パッケージは、デバイス面に半透明の樹脂がオーバーコートされています。 高光源下において、デバイスを露出させてご使用になる場合、デバイスの特性に影響をおよぼすこ とがありますのでご注意ください。 ■ I2Cバスのライセンスについて セイコーインスツル社製 I2Cバス・ICを購入した場合、フィリップス社の持つI2C特許権の下、I2Cバス・シ ステム内でこれらのICを使用するためのライセンスが与えられます。ただしそのバス・システムが、フ ィリップス社の規定するI2C仕様に準拠している場合に限ります。 本ICを使用して製品またシステムを作る場合、その製品やシステムの構成によっては、特許に抵触する 可能性があります。 当社としては、I2C バスを使用した製品やシステムが特許に抵触した場合、その責任は負いかねます。 セイコーインスツル株式会社 27 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ 諸特性 1. DC特性 1.1 リード時消費電流(ICC1) 周囲温度(Ta) 1.2 リード時消費電流(ICC1) 周囲温度(Ta) VCC=3.3 V fSCL=100 kHz DATA=0101 VCC=5.5 V fSCL=100 kHz DATA=0101 300 ICC1 (µA) 200 300 ICC1 (µA) 200 100 100 0 0 –40 0 Ta (°C) 85 –40 1.3 リード時消費電流(ICC1) 周囲温度(Ta) Ta=25°C fSCL=100 kHz DATA=0101 300 ICC1 (µA) 200 300 ICC1 (µA) 200 100 100 0 2 3 4 5 6 VCC (V) 85 0 Ta (°C) –40 1.5 リード時消費電流(ICC1) 電源電圧(VCC) VCC=5.0 V Ta=25°C 500 ICC1 400 (µA) 300 200 100 500 ICC1 400 (µA) 300 200 100 28 7 1.6 リード時消費電流(ICC1) クロック周波数(fSCL) Ta=25°C fSCL=400 kHz DATA=0101 0 85 1.4 リード時消費電流(ICC1) 電源電圧(VCC) VCC=1.8 V fSCL=100 kHz DATA=0101 0 0 Ta (°C) 2 3 4 5 6 VCC (V) 7 100k 400k fSCL (Hz) セイコーインスツル株式会社 1M 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 1.7 プログラム時消費電流(ICC2) 周囲温度(Ta) 1.8 プログラム時消費電流(ICC2) 周囲温度(Ta) VCC=3.3 V VCC=5.5 V 1.5 1.5 ICC2 (mA) 1.0 ICC2 (mA) 1.0 0.5 0.5 0 –40 0 Ta (°C) 0 85 1.9 プログラム時消費電流(ICC2) 周囲温度(Ta) Ta=25°C 1.5 1.5 ICC2 (mA) 1.0 ICC2 (mA) 1.0 0.5 0.5 –40 0 Ta (°C) 0 85 1.11 スタンバイ電流(ISB) 周囲温度(Ta) 2 3 4 5 6 VCC (V) VCC=5.5 V SDA, SCL, WP=0 V 2.0 ILI (µA) ISB (µA) 1 1.12 入力リーク電流(ILI) 周囲温度(Ta) VCC=5.5 V 1.0 0.5 1.0 0 85 0 Ta (°C) 1.10 プログラム時消費電流(ICC2) 電源電圧(VCC) VCC=2.7 V 0 –40 –40 85 0 Ta (°C) 0 –40 セイコーインスツル株式会社 85 0 Ta (°C) 29 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 1.13 入力リーク電流(ILI) 周囲温度(Ta) 1.14 出力リーク電流(ILO) 周囲温度(Ta) VCC=5.5 V VCC=5.5 V SDA=0 V SDA, SCL, WP=5.5 V 1.0 1.0 ILI (µA) ILO (µA) 0.5 0 0.5 0 85 0 Ta (°C) –40 1.15 出力リーク電流(ILO) 周囲温度(Ta) –40 85 0 Ta (°C) 1.16 低レベル出力電圧(VOL) 低レベル出力電流(IOL) VCC=5.5 V SDA=5.5 V Ta=−40°C 0.3 1.0 ILO (µA) VOL (V) 0.5 VCC=1.8 V 0.2 VCC=5.0 V 0.1 0 0 85 0 Ta (°C) –40 VOL (V) VCC=5.0 V 1 2 3 4 5 0.2 VCC= 5.0 V 0.1 6 0 IOL (mA) 30 6 0.3 VCC=1.8 V 0.2 0 5 Ta=85°C VCC=1.8 V 0.1 3 4 1.18 低レベル出力電圧(VOL) 低レベル出力電流(IOL) Ta=25°C VOL (V) 2 IOL (mA) 1.17 低レベル出力電圧(VOL) 低レベル出力電流(IOL) 0.3 1 1 2 3 4 5 6 IOL (mA) セイコーインスツル株式会社 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 1.19 HIGH 入力反転電圧(VIH) 電源電圧(VCC) 1.20 HIGH 入力反転電圧(VIH) 周囲温度(Ta) Ta=25°C SDA, SCL VIH (V) VCC=5.0 V SDA, SCL 3.0 3.0 2.0 VIH 2.0 (V) 1.0 1.0 0 0 1 2 3 4 5 6 7 –40 VCC (V) Ta (°C) 1.21 LOW 入力反転電圧(VIL) 電源電圧(VCC) 1.22 LOW 入力反転電圧(VIL) 周囲温度(Ta) VCC=5.0 V SDA, SCL Ta=25°C SDA, SCL 3.0 3.0 VIL 2.0 (V) VIL 2.0 (V) 1.0 1.0 0 85 0 0 1 2 3 4 5 6 7 –40 0 85 Ta (°C) VCC (V) 1.23 低電源検出電圧(−VDET) 周囲温度(Ta) 1.24 低電源解除電圧(+VDET) 周囲温度(Ta) 2.0 2.0 +VDET (V) −VDET (V) 1.0 0 1.0 –40 0 85 0 –40 Ta (°C) 0 85 Ta (°C) セイコーインスツル株式会社 31 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 2. AC特性 2.1 最大動作周波数(fmax.) 電源電圧(VCC) 2.2 書き込み時間(tWR) 電源電圧(VCC) Ta=25°C Ta=25°C 8 1M fmax. (Hz) 100k tWR (ms) 6 4 10k 2 1 2 0 3 4 5 VCC (V) 2.3 書き込み時間(tWR) 周囲温度(Ta) 9 tWR (ms) 6 9 tWR (ms) 6 3 0 –40 0 Ta (°C) 0 85 2.5 SDA 出力遅延時間(tAA) 周囲温度(Ta) –40 0 Ta (°C) 85 2.6 SDA 出力遅延時間(tAA) 周囲温度(Ta) VCC=4.5 V VCC=2.7 V 1.0 tAA (µs) 1.0 0.5 0.5 32 3 4 5 VCC (V) VCC=2.7 V VCC=4.5 V 6 0 2 2.4 書き込み時間(tWR) 周囲温度(Ta) 3 tAA (µs) 1 –40 0 Ta (°C) 85 0 –40 セイコーインスツル株式会社 0 Ta (°C) 85 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A 2.7 SDA 出力遅延時間(tAA) 周囲温度(Ta) VCC=1.8 V tAA (µs) 1.0 0.5 0 –40 0 Ta(°C) 85 セイコーインスツル株式会社 33 2ワイヤ CMOS シリアルE2PROM Rev.3.0_00 S-24CS64A ■ 品目コードの構成 1. 8-Pin SOP(JEDEC)、8-Pin TSSOPの場合 S-24CS64A 0I - xxxx G パッケージ略号と IC の梱包仕様 J8T1: 8-Pin SOP (JEDEC) 、テープ品 T8T1: 8-Pin TSSOP、テープ品 固定 製品名 S-24CS64A: 64 K ビット 2. WLP-8Cの場合 S-24CS64A 0I - xxxx パッケージ略号と IC の梱包仕様 H8T1: WLP-8C、テープ品 固定 製品名 S-24CS64A: 64 K ビット 34 セイコーインスツル株式会社 5.02±0.2 8 5 1 4 1.27 0.20±0.05 0.4±0.05 No. FJ008-A-P-SD-2.1 TITLE No. SOP8J-D-PKG Dimensions FJ008-A-P-SD-2.1 SCALE UNIT mm Seiko Instruments Inc. 4.0±0.1(10 pitches:40.0±0.2) 2.0±0.05 ø1.55±0.05 0.3±0.05 ø2.0±0.05 8.0±0.1 2.1±0.1 5°max. 6.7±0.1 1 8 4 5 Feed direction No. FJ008-D-C-SD-1.1 TITLE SOP8J-D-Carrier Tape No. FJ008-D-C-SD-1.1 SCALE UNIT mm Seiko Instruments Inc. 60° 2±0.5 13.5±0.5 Enlarged drawing in the central part ø21±0.8 2±0.5 ø13±0.2 No. FJ008-D-R-SD-1.1 TITLE SOP8J-D-Reel No. FJ008-D-R-SD-1.1 SCALE UNIT QTY. mm Seiko Instruments Inc. 2,000 +0.3 3.00 -0.2 8 5 1 4 0.17±0.05 0.2±0.1 0.65 No. FT008-A-P-SD-1.1 TITLE TSSOP8-E-PKG Dimensions FT008-A-P-SD-1.1 No. SCALE UNIT mm Seiko Instruments Inc. 4.0±0.1 2.0±0.05 ø1.55±0.05 0.3±0.05 +0.1 8.0±0.1 ø1.55 -0.05 (4.4) +0.4 6.6 -0.2 1 8 4 5 Feed direction No. FT008-E-C-SD-1.0 TITLE TSSOP8-E-Carrier Tape FT008-E-C-SD-1.0 No. SCALE UNIT mm Seiko Instruments Inc. 13.4±1.0 17.5±1.0 Enlarged drawing in the central part ø21±0.8 2±0.5 ø13±0.5 No. FT008-E-R-SD-1.0 TSSOP8-E-Reel TITLE No. FT008-E-R-SD-1.0 SCALE QTY. UNIT mm Seiko Instruments Inc. 3,000 0.6max. S 0.06 S ø0.3±0.02 B 8-(ø0.3) 3 2 1 Pin No. 4 8 6 7 0.5 5 0.5 0.5 Pin name 1 A0 2 3 4 5 6 7 8 VCC WP SCL SDA GND A2 A1 No. HC008-A-P-SD-1.0 0.5 TITLE WLP-8C-A-PKG Dimensions HC008-A-P-SD-1.0 No. SCALE UNIT mm Seiko Instruments Inc. +0.1 ø1.5 -0 ø1.05±0.05 2.0±0.1 0.18±0.05 4.0±0.1 2.0±0.05 0.64±0.05 4.0±0.1 Count mark (ø0.8,Depth 0.2) (Every 10 pockets) 0.8 0.22 2.36 2.06±0.05 0.6 32 1 4 8 567 No. HC008-A-C-SD-1.0 Feed direction TITLE WLP-8C-A-Carrier Tape No. HC008-A-C-SD-1.0 SCALE UNIT mm Seiko Instruments Inc. 12.5max. 9.0±0.3 Enlarged drawing in the central part ø13±0.2 No. HC008-A-R-SD-1.0 TITLE WLP-8C-A-Reel HC008-A-R-SD-1.0 No. SCALE UNIT QTY. 3,000 mm Seiko Instruments Inc. ● 本資料の内容は、製品の改良に伴い、予告なく変更することがあります。 ● 本資料に記載されている図面等の第三者の工業所有権に起因する諸問題については弊社はその責任を負いかねます。 また、応用回路例は製品の代表的な応用を説明するものであり、量産設計を保証するものではありません。 ● 本資料に掲載されている製品が、外国為替及び外国貿易法に定める規制貨物 (又は役務) に該当する場合は、同法に 基づく日本国政府の輸出許可が必要です。 ● 本資料の内容を弊社に断ることなしに、記載または、複製など他の目的で使用することは堅くお断りします。 ● 本資料に記載されている製品は、弊社の書面による許可なくしては、健康機器、医療機器、防災機器、ガス関連機器、 車両機器、航空機器、及び車載機器等、人体に影響を及ぼす機器または装置の部品として使用することはできません。 ● 弊社は品質、信頼性の向上に努めておりますが、半導体製品はある確率で故障や誤動作する場合があります。故障や 誤動作により、人身事故、火災事故、社会的損害などを生じさせないような冗長設計、延焼対策設計、誤動作防止設 計などの安全設計に十分ご留意ください。