DS2714

DS2714
クワッド、ルースセル NiMH 充電器
japan.maxim-ic.com
概要
特長
DS2714 は、1~4 個の単 3 または単 4 型 NiMH の「ルース」
セルのスタンドアロン充電に最適です。NiCd セルの充電も
可能です。温度、電圧、および充電時間を監視して、ニッケル
水素(NiMH)バッテリ用の急速充電制御アルゴリズムを正し
く実行します。バッテリ試験も実施し、欠陥のあるセルや
アルカリ 1 次バッテリのような不適切なセルを検知します。
DS2714 は、並列充電トポロジをサポートしており、各セル
について個別に監視と制御を行います。
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
アプリケーション
デスクトップ/スタンドアロン充電器(単 4/単 3)
ディジタルスチルカメラ
音楽プレーヤ
ゲーム
玩具
1~4 個の NiMH セルを充電
アルカリセルの検知と充電防止
過放電セルの予備充電
-ΔV の充電終止感度 2mV (typ)による NiMH の急速
充電
ƒ
安全性と 2 次的充電終止のために電圧、温度、および
時間を監視
ƒ
ƒ
ƒ
ƒ
安定化された充電電流ソースで動作
PNP タイプのパスエレメントを駆動
内蔵の 1 次側 PWM コントローラに対応
20 ピン TSSOP パッケージ
型番
PART
DS2714E+
DS2714E+T&R
MARKING
DS2714
DS2714
PIN-PACKAGE
20 TSSOP
20 TSSOP Tape-and-Reel
+は鉛フリーパッケージを示します。
ピン配置
充電トポロジ
TSSOP
注: この製品の改訂版の中には仕様が公表されたデータシートの仕様と異なり、正誤表として扱われている場合があります。様々な販売チャネルを通
し、製品に複数の改訂版が同時に存在することがあります。デバイスの正誤表に関しては、japan.maxim-ic.com/errataをご覧ください。
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REV: 080206
DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
ABSOLUTE MAXIMUM RATINGS
Voltage Range on Any Pin Relative to VSS
Voltage on DMSEL
Continuous Sink Current CC1-4, LED1-4
Operating Temperature Range
Storage Temperature Range
Soldering Temperature
-0.3V to +6V
VDD + 0.3V
20mA
-40°C to +85°C
-55°C to +125°C
See IPC/JEDECJ-STD-020A
Stresses beyond those listed under “Absolute Maximum Ratings” may cause permanent damage to the device. These are stress ratings only,
and functional operation of the device at these or any other conditions beyond those indicated in the operational sections of the specifications is
not implied. Exposure to the absolute maximum rating conditions for extended periods may affect device reliability.
RECOMMENDED DC OPERATING CONDITIONS
(4.0V ≤ VDD ≤ 5.5V; TA = -20°C to +70°C)
PARAMETER
Supply Voltage
Input Voltage Range
SYMBOL
VDD
CONDITIONS
(Note 1)
LEDx, DMSEL
MIN
TYP
4.0
-0.3
MAX
UNITS
5.5
5.5
V
V
DC ELECTRICAL CHARACTERISTICS
(4.0V ≤ VDD ≤ 5.5V; TA = -20°C to +70°C. Unless otherwise noted.)
PARAMETER
Supply Current, VDD
Output Voltage Low, CC1-4.
LED1-4
Leakage Current,
CC1-4 LED1-4
Threshold Voltage,
-ΔV Termination
Mode Test Current, DMSEL
SYMBOL
IDD
CONDITIONS
Operating mode
ILKG
VDD = 5.0V,
IOL = 20mA (Note 1)
VDD = 5.0V,
Output inactive
V-ΔV
After tTHO
IMTST
Pulse high/low once
<5ms after power-up
VOL1
Input Logic High, DMSEL,
VIH
(Note 1)
Input Logic Low, DMSEL,
VIL
Input Leakage Current,
DMSEL
IIL1
(Note 1)
After power-up mode
select,
DMSEL = VDD or VSS
Threshold Voltage, Cell Test
Accuracy
Threshold Voltage, Cell Test
Range
Threshold Voltage, Cell
Voltage Low
Threshold Voltage, Cell
Voltage Max1
Threshold Voltage, Cell
Voltage Max2
Threshold Voltage, Thermistor
- Min
Threshold Voltage, Thermistor
- Max
Threshold Voltage, Thermistor
- Stop
Threshold Current, TMR Pin
Suspend
VCTST-ACC
RTMR = 80KΩ
VCTST-RANGE
VBAT-MAX2
CC1 = CC2 = hi-Z
(Note 1, 2)
CC1 = CC2 = hi-Z
(Note 1, 2)
CC1, CC2 active
(Note 1, 2)
VTHM-MIN
(Note 1, 2, 6)
VTHM-MAX
(Note 1, 2, 6)
VTHM-STOP
(Note 1, 2, 6)
VBAT-LOW
VBAT-MAX1
MIN
ITMR-SUS
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TYP
MAX
UNITS
500
750
μA
1.0
V
+1
μA
-1
1.0
2.0
3.0
mV
-
5
15
μA
VDD 0.2V
V
0.2
V
-1
+1
μA
-15
15
%
32
400
mV
0.9
1.0
1.1
V
1.55
1.65
1.75
V
1.64
1.75
1.86
V
0.30
VDD x
0.73
VDD x
0.33
VDD x
0.29
0.36
0.1
0.5
V
V
V
μA
PARAMETER
Presence Test Current, VP1-4
Reverse Leakage Current,
VP1, VP2, VP3, VP4
SYMBOL
IPTST
CONDITIONS
DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
MIN
TYP
MAX
UNITS
10
15
μA
VDD = 0V, VPx = 1.5V
ILKGR
2
μA
ELECTRICAL CHARACTERISTICS: TIMING
(4.0V ≤ VDD ≤ 5.5V; TA = -20°C to +70°C. Unless otherwise noted.)
PARAMETER
SYMBOL
CONDITIONS
Internal Timebase Period
tBASE
(Note 5)
TYP
-10
CCx
0.234
DF2
CCx
0.0625
DF3
CCx Note 4
0.0078
Cell Test Interval
tCTST
(Note 3)
Pre-Charge Time-out
tPCHG
VCELL < VBAT-MIN
Fast Charge Termination
Hold-Off Period
Fast Charge Flat Voltage
Time-out
31
tTHO
tFLAT
VCELL not increasing
Charge Timer Accuracy
Charge Timer Range
Note 1:
Note 2:
Note 3:
Note 4:
Note 5:
Note 6:
Note 7:
tCTMR-RANGE
%
s
30.6
34
37.4
minutes
3.6
4
4.4
minutes
14.4
16
17.6
minutes
-5
+5
%
0.5
10
h
Voltages relative to VSS.
Specification applicable during charge cycle with TA = 0°C to +70°C.
One time slot out of every 16 available slots gets a Cell Test.
One time slot out of every 32 available time slots gets a charge pulse.
0.48 seconds is one charge time slot. A complete cycle of 4 time slots (one charge time slot per cell) is 1.92 sec.
VTHM-MIN, VTHM-MAX, and VTHM-STOP are fixed ratios of VDD. Their ranges never overlap.
IMTST current is applied as a source current and as a sink current within 5ms after power-up.
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UNITS
s
+10
DF1
Duty Factor, PreCharge/Top-Off
Duty Factor, Maintenance
Charge
MAX
0.48
Internal Timebase
Accuracy
Duty Factor, Fast Charge
MIN
DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
端子説明
端子
名称
機能
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
CC1
CC2
CC3
CC4
LED1
LED2
VSS
LED3
LED4
DMSEL
CTST
TMR
VDD
VSS
VP1
VP2
VP3
VP4
THM1
THM2
充電制御 1。セル 1 用の充電 PNP トランジスタをオン/オフします。
充電制御 2。セル 2 用の充電 PNP トランジスタをオン/オフします。
充電制御 3。セル 3 用の充電 PNP トランジスタをオン/オフします。
充電制御 4。セル 4 用の充電 PNP トランジスタをオン/オフします。
LED 1。LED 用オープンドレイン出力。セル 1 の状態を表示します。
LED 2。LED 用オープンドレイン出力。セル 2 の状態を表示します。
デバイスのグランド。LEDx ピンの戻り電流経路。両方の VSS ピンをグランドに接続する必要があります。
LED 3。LED 用オープンドレイン出力。セル 3 の状態を表示します。
LED 4。LED 用オープンドレイン出力。セル 4 の状態を表示します。
表示モード選択。LED の点滅速度を選択します。
セル試験抵抗器。セル試験のスレッショルド設定。
タイマ抵抗器。充電タイマ設定。
電源入力。チップの電源入力(4.0V~5.5V)。
デバイスのグランド。内部でピン 7 に接続されています。両方の VSS ピンをグランドに接続する必要があります。
電圧検知 1。セル 1 用正端子検知入力。
電圧検知 2。セル 2 用正端子検知入力。
電圧検知 3。セル 3 用正端子検知入力。
電圧検知 4。セル 4 用正端子検知入力。
サーミスタ 1。セル 1 および 2 用サーミスタ入力。
サーミスタ 2。セル 3 および 4 用サーミスタ入力。
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
図1. ブロック図
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
図 2. 状態図
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
図 3. アプリケーション例:定電流充電器
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
詳細
充電アルゴリズムの概要
充電サイクルの開始は、セルを挿入してある DS2714 に電源を印加、電源投入後にセルの挿入を検知、またはセルを挿入した
状態で一時中断モードを終了、のいずれかの方法により行います。充電サイクルは予備充電認定から始まり、過放電セルの急速
充電や極限温度条件下での充電を防止します。充電中のセルが VBAT-LOW (1V)に達するまで、低速で予備充電が行われます。
次にアルゴリズムは急速充電段階に進み、この段階ではセル試験を行って、アルカリセルや使い古されたり欠陥のある NiMH セル
に誤って充電したりすることを防ぎます。急速充電は、セル温度が 50℃以下(サーミスタセンサ THM 1、2 で計測)、開路セル電圧
が VBAT-LOW (1.0V)~VBAT-MAX1 (1.65V)、閉路セル電圧が VBAT-MAX2 (1.75V)以下の間持続します。急速充電は、-ΔV (負の電圧変化)
またはフラット V 方式で終了します。その後仕上げ充電段階が続いてセルが満充電されます。仕上げ充電タイマが切れた後は、
メンテナンス充電段階が続き、セルが常に満充電状態に保たれます。全充電段階にわたって最大電圧、温度、および充電時間を
監視することで、2 次的な、あるいは安全な充電終了手段としての役割を果たし、過充電を防止します。VBAT-MAX2 (1.75V)を超え
るセル電圧ではフォルト状態になり、50℃より高い温度(表 1 参照)では、デバイスの最終的な充電状態に応じてフォルトまたは
メンテナンスのいずれかとなります。各セルは個別に監視され、各セルの充電段階は個別に制御されます。充電中にセルを取り
外すと、そのセルのスロットに対応するアルゴリズムはプレゼンステスト状態に完全リセットされ、他のセルの充電制御状態に影
響を与えることはありません。
充電構成
DS2714 は、4 スロットのスタンドアロン充電器をサポートしています。これは 4 個のスロットに対して 2 秒ごとに順次充電を行い、
各セルには 1/2 秒が割り当てられます。充電器に対するセルの取外しや挿入によって、他のセルの充電タイミングや充電レート
が乱れることはありません。充電形態が並列に行われるよう、充電パルスは CCx ピンの制御によって各セルに順次供給されます。
各 CCx ピンのデューティサイクルは互いに完全に独立しています。予備充電から急速充電、急速充電から仕上げ、および仕上
げからメンテナンスへの各遷移は、各セルで独立して行われます。図 3 に示す構成は、2A に制限された電流ソースによって 4 個
のセルを充電する場合を示します。各セルの実効平均急速充電電流は、2A x 0.25 x 15/16 = 0.469A です。15/16 という項は、
16 番目の充電時間スロットが負のデルタ電圧とインピーダンス試験に使用されることによります。この期間中は、電流がセルに供
給されません。ホルダの機械設計では、各スロットに複数のセルが挿入されることがないようにする必要があります。さらに、ホル
ダの設計では、セルを逆極性で挿入した場合に電気的に接触しないようにします。
温度および電圧に対する性能要件
Valid NiMH
Charge Range
Below Operating
Voltage Range
Low
Temperature
Range
High
Temperature
Range
Abs. Max
Operating
Range
内部発振器およびクロック発生
内部発振器は、内部のチップ動作用のタイミング信号を発生する主要なクロックソースとなります。予備充電タイマ、ホールドオフ
タイマ、および充電動作用のデューティ比はこのタイムベースに基づいています。インピーダンス試験および急速充電/仕上げ機
能用の独立した 2 個のタイマがあります。
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
充電タイマ
充電タイマは、急速および仕上げ充電段階の充電期間を監視し、各段階の最初にリセットされます。タイムアウト期間は、TMR ピン
から VSS に接続された外付け抵抗によって設定されます。抵抗は、0.5~10 時間の急速充電タイムアウト期間および 0.25~5 時間
の仕上げ充電タイムアウト期間をサポートするように選択することができます。急速充電のタイマが終了すると、タイマカウントが
リセットされ、充電が仕上げ充電段階に進みます。仕上げタイムアウト期間は急速充電タイムアウト期間の半分です。仕上げのタ
イマが終了すると、充電はメンテナンス段階に進みます。設定される充電時間は次式で近似されます。
t = 1.5 * R / 1000
(単位は分)
一時中断
TMR ピンを開放状態にすることによって、充電動作を一時中断できます。すべての CCx 出力はハイインピーダンスになり、充電
タイマが停止します。ステートマシンとすべてのタイマはプレゼンステスト状態にリセットされます。
温度検知
THM1 または THM2 (THMx)と VSS の間に 10kΩ の NTC サーミスタを外付けし、さらに VDD と THMx の間に 10kΩ のバイアス抵
抗を外付けすると、DS2714 は温度を検知することができます。バッテリセルの温度を検知するために、サーミスタをバッテリセル
本体の近くに配置してください。THM1 サーミスタはセル 1 と 2 の間に、また THM2 サーミスタはセル 3 と 4 の間に配置するもの
とします。また、これらのサーミスタは、セルから離して配置することによって外気温を検知することができます。THM1 と THM2
を互いに接続することができ、1 個のサーミスタとバイアス抵抗器を使って温度を検知することができます。サーミスタ最小とサーミ
スタ最大のスレッショルド電圧の間の電圧を供給する 1 個の抵抗分圧器に THMx ピンを接続すると、温度認定機能を無効にする
ことができます。
最低、最高温度の比較
THMx 入力の電圧スレッショルド(VTHM-MIN、VTHM-MAX)は、推奨する 10kΩ のバイアスと 10kΩ のサーミスタを使用すると、0℃ < TA < 45℃
の場合に急速充電が開始するように設定されます。急速充電が進行中で、かつ THMx の電圧が VTHM-STOP (TA > 50℃)に達する
と、急速充電が停止してメンテナンス段階が始まります。予備充電では、THMx の電圧が VTHM-STOP に達するとデバイスがフォルト
状態に遷移します。
表1. THM1、THM2 スレッショルド
TEMPERATURE
THM
THRESHOLD
RATIO
OF VDD
THERMISTOR
RESISTANCE
MIN
MAX
STOP
0.73
0.33
0.29
27.04k
4.925k
4.085k
Semitec
103AT-2
Fenwal
197-103LAG-A01
173-103LAF-301
0℃
45℃
50℃
4℃
42℃
47℃
セル電圧の監視
各セル電圧は、VBAT-LOW、VBAT-MAX1、および VBAT-MAX2 のスレッショルド制限値を使って、最小値と最大値が監視されます。セルを
挿入したとき、またはセルを挿入した状態で電源を投入したとき、充電が開始する前にセル電圧は VBAT-MAX1 以下でなければなり
ません。VBAT-LOW スレッショルドは、急速充電サイクルの前に予備充電サイクルをするべきかどうか、および予備充電から急速充
電にいつ切り替えるかを決定します。急速充電がいったん始まると、セル電圧が 2 秒ごとに VBAT-MAX2 スレッショルドと比較されま
す。この比較は、セルに流れる電流を制御する充電制御ピン(CC1~4)がアクティブ(ロー)の間に行われます。充電制御ピンがア
クティブになりセルが充電されるときのセル電圧は、VON 電圧として参照されます。充電制御ピンが非アクティブのときのセル電圧は、
VOFF 電圧として参照されます。VON が VBAT-MAX2 より大きい場合は、充電が停止してフォルト状態が表示されます。また、VOFF が
VBAT-MAX1 より大きい場合も、充電が停止してフォルト状態に入ります。急速充電が進行中はセル電圧の測定値が保存され、充電
終了とセル試験に対するその後の測定のために比較されます。
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
セルの試験
一次のアルカリおよびリチウムセル、および欠陥のある NiMH または NiCd の二次セルを検知するために 2 種類の試験が行わ
れます。最初の試験は絶対閉路セル電圧(VON)がチェックし、2 番目の試験は開路セル電圧(VOFF)と(VON)の差をチェックします。
各セルの VON は、2 秒ごとに VBAT-MAX2 スレッショルドと比較されます。急速充電中に、各セルの VON - VOFF はセル試験スレッショ
ルド VCTST と比較されます。VON - VOFF > VCTST であれば、セル試験は不合格となります。不適切なセルや欠陥のあるセルが迅速
に検知されるように、セルは個別に試験されます。VCTST は、CTST ピンからグランドまでの抵抗によって設定されます。CTST と
VSS の間に 80kΩ の抵抗を接続すると、100mV の公称感度が設定されます。インピーダンスのスレッショルドは 32mV~400mV
に設定することができます。インピーダンスのスレッショルド設定は次式で近似されます。
VCTST = 8000/R
(値は V)
-ΔV およびフラット V 終止
急速充電中、セル電圧の 2mV の降下に対する連続的な電圧測定値を比較することにより、-ΔV 検知が行われます。急速充電の
開始とともに-ΔV 検知に対するホールドオフ期間が始まり、充電サイクルの最初の数分間に充電が誤って終了することを防ぎます。
ホールドオフ期間が過ぎると、セル電圧測定値が 16 番目の充電時間スロット(CCx のオフ時間中、約 31 秒)ごとに得られます。
新たに得られた電圧測定値が過去の測定値より大きい場合、新たな値が最大値として保持されます。セル電圧が増加しなくなると、
最大値が保持されて以降の値と比較されます。セル電圧が-ΔV スレッショルドの V-ΔV (2mV typ)以下に低下すると、急速充電が
終了します。セル電圧が平坦なまま最大値が 16 分(tFLAT)の間持続すると、急速充電は終了して仕上げ充電が始まります。
仕上げ充電、予備充電、およびメンテナンス充電
仕上げおよび予備充電モードでは、充電器はセル電流を電流ソースによって設定される DC 電流の 1/16、すなわち 16 主クロック
パルスにつき 1 充電パルス、または所定のセルに対して 4 個の利用可能な時間スロットのうちの 1 個に低減します。平均の仕上げ/
予備充電電流と平均の急速充電電流の比は 0.286 です。仕上げの充電タイマが終了すると、充電器はメンテナンス充電に入り、
DC 充電ソース電流の 1/128 (そのセルに利用可能な 32 個につき 1 個の時間スロット)をセルに供給します。これは、平均 DC
急速充電電流の 3%よりわずかに大きい値です。メンテナンス充電は、電源がオフになるまで、セルが取り外されるまで、または
TMR ピンを開放して DS2714 を一時中断モードに入れた後このモードを終了するまで継続されます。
CCx 出力
CC1~CC4 ピンはオープンドレイン出力として動作し、充電ソースを NiMH セルに接続するアクティブローに駆動されます。充電中、
これらの出力の動作はセルの充電状態と挿入されているセル数によって決まります。
急速充電
図 3 に示すアプリケーション回路では、CC1 はスロット 1 のセルへの電流をオン/オフする PNP トランジスタスイッチを制御します。
CC2 はスロット 2 のセルへの電流をオン/オフする PNP トランジスタスイッチを制御し、CC3 と CC4 についても同様です。急速
充電中、電流は交互の時間フレームで発生する充電パルスによって各スロットに順次に印加されます。1 個のスロットのセルが
充電している間は他のスロットのセルは充電を休止しています。各セルは、割り当てられた充電時間スロットの 16 番目ごとに(約
31 秒に 1 回)充電パルスをスキップし、開路と閉路のセル電圧(それぞれ、VOFF と VON)の個別試験を容易にします。各セルの充
電形態は独立しているため、1 個のセルの充電段階を他のセルの充電に影響を及ぼすことなく他のセルよりも先に終了させること
ができます。不適切なセルや欠陥のあるセル(アルカリなど)が適切なセル(NiMH や NiCd)とともに挿入されている場合、不適切
なセルの充電は停止しますが、適切なセルは満充電されます。
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
DS2714 に関するタイミング図の例
注 1:セル 2 のセル試験時間スロット。
注 2:セル 3 のセル試験時間スロット。
このタイミング図で、パルスは各セルに流れる充電電流を表します。セル 1 は予備充電中です(予備充電のタイミングは仕上げ充電と同じです)。これは利用可能な 4 個の時間ス
ロットごとに 1 つの充電パルスを取り出します。
セル 2 は、最初は急速充電中で、図に示す N+7 番目の時間間隔(注 1)で仕上げ充電に遷移します。
セル 3 は急速充電中です。セル試験は注 2 と記した期間中に行われます。このセルは仕上げ充電に入る準備が整っておらず、急速充電を再開します。
セル 4 はメンテナンスモードにあり、利用可能な 32 個の時間スロットごとに 1 つの充電パルスを得ます。
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DS2714: クワッド、ルースセル NIMH 充電器
LEDx 出力、表示モード選択
オープンドレイン出力LEDxは、充電状態を表示するためにローに駆動されます。非アクティブのとき、これらの出力はハイイン
ピーダンスです。LED1はVP1によって監視されるセルの状態を表示し、LED2はVP2によって監視されるセルの状態を表示し、
LED3とLED4についても同様です。各LEDピンはローに駆動されて充電状態を3つの点滅パターンで表示します。表2に各充電状
態に対する各表示モード(DM0、DM1、DM2)でのLED動作をまとめています。
表2. 表示モードと充電動作による表示パターン
Display Mode
Charge Activity
DMSEL pin
No Battery
Pre/Fast/Top-off
Charging
Maintenance
Fault
DM0
Low
Hi-Z
Low
0.80s Low
0.16s Hi-Z
0.48s Low
0.48s Hi-Z
DM1
Float
Hi-Z
Low
Hi-Z
0.16s Low
0.16s Hi-Z
DM2
High
Hi-Z
0.80s Low
0.16s Hi-Z
Low
0.16s Low
0.16s Hi-Z
パッケージ
(このデータシートに掲載されているパッケージ仕様は、最新版が反映されているとは限りません。最新のパッケージ情報は、
japan.maxim-ic.com/DallasPackInfoをご参照下さい。)
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