NJU6060 データシート

NJU6060
PWM 制御型 3 色 LED 多色化コントローラドライバ
多色化コントローラドライバ
! 概 要
NJU6060 は、3 色 LED(赤(R), 緑(G), 青(B)を 1 パッケ
ージにした LED)の輝度を制御し、多色化が可能な PWM
制御型 3 色 LED 多色化コントローラドライバです。
PWM 調光回路、LED ドライバ、8 ビットシリアルイン
ターフェイス回路等で構成され、接続した 3 色 LED を別々
に制御することが可能です。
CPU から PWM 調光回路を制御することにより 32,768
通りの多色化が可能です。
外付け部品は電流調整抵抗 3 つと発振回路用抵抗 1 つと
少ないため、省スペース化できます。
携帯電話、カーステレオ、各種家電、イルミネーション
等に最適です。
! 外 形
NJU6060V
! 特 徴
#
#
#
#
#
#
#
3 色 LED を別々に輝度制御可能(ILED=10mA x3 出力)
PWM 調光回路内蔵(32 ステップ x3)
8 ビットシリアルインターフェイス回路内蔵
発振回路内蔵
動作電圧
2.4 ~ 5.5V
外形
SSOP-10
CMOS 構造
Ver.2004-04-16
-1-
NJU6060
LED3
LED2
LED1
VSS
OSC
VDD
RSTb
CSb
CLK
DATA
! PIN 配置図 (TOP VIEW)
! 端子説明
No.
-2-
記
号
入出力
1
VDD
電源
2
RSTb
入力
3
CSb
入力
4
CLK
入力
5
DATA
入力
6
OSC
入力
7
VSS
電源
8
LED1
出力
9
LED2
出力
10
LED3
出力
説
明
電源供給端子
リセット信号入力端子
この端子を”L”にすることによりリセット状態となり、”H”に戻す
ことで通常状態に戻ります。
チップセレクト端子
この端子の立ち上がりエッジでシリアルデータを内部に取り込
みます。
シリアルクロック入力端子
シリアルデータ入力端子
発振用端子
外部に抵抗を接続することにより発振回路を構成します。
GND 端子
LED 出力端子
オープンドレイン出力。 インストラクションにより 32 ステップ
の PWM 波形が出力されます。
LED 各色の LED のカソード側を接続して下さい。
Ver.2004-04-16
NJU6060
! ブロック図
ブロック図
VDD
VLED
OSC
OSC
32step
PWM
Driver
32step
PWM
Driver
32step
PWM
Driver
LED1
RSTb
CSb
CLK
DATA
I/F
CPU
VDD
Instruction
Decoder
VSS
LED2
LED3
! 機能説明
(1) ブロック図動作説明
(1-1) PWM 調光制御回路
NJU6060 は、PWM 調光制御回路を 3 チャンネル内蔵しています。内部レジスタに DUTY を設定するこ
とにより 32 段階の明るさを任意に設定できます。レジスタと DUTY の関係は下表の通りです。
REGISTER
0,0,0,0,0
0,0,0,0,1
0,0,0,1,0
0,0,0,1,1
0,0,1,0,0
0,0,1,0,1
0,0,1,1,0
0,0,1,1,1
DUTY
1/32
2/32
3/32
4/32
5/32
6/32
7/32
8/32
REGISTER
0,1,0,0,0
0,1,0,0,1
0,1,0,1,0
0,1,0,1,1
0,1,1,0,0
0,1,1,0,1
0,1,1,1,0
0,1,1,1,1
DUTY
9/32
10/32
11/32
12/32
13/32
14/32
15/32
16/32
REGISTER
1,0,0,0,0
1,0,0,0,1
1,0,0,1,0
1,0,0,1,1
1,0,1,0,0
1,0,1,0,1
1,0,1,1,0
1,0,1,1,1
DUTY
17/32
18/32
19/32
20/32
21/32
22/32
23/32
24/32
REGISTER
1,1,0,0,0
1,1,0,0,1
1,1,0,1,0
1,1,0,1,1
1,1,1,0,0
1,1,1,0,1
1,1,1,1,0
1,1,1,1,1
DUTY
25/32
26/32
27/32
28/32
29/32
30/32
31/32
32/32
(1-2) 発振回路
発振回路は、外付け抵抗を接続することにより、PWM を生成するクロックを発生します。
外付け抵抗の抵抗値を変更することにより PWM 周波数(fPWM)の微調整が可能です。
またインストラクションにより発振回路のオン・オフをさせることが可能です。これにより未使用時の
消費電流を下げることが可能です。なお、発振回路をオフすると、その時点での PWM の状態により点灯
したままになる場合があります。必ず出力 OFF インストラクションを併用して消灯させて下さい。
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-3-
NJU6060
(2) インストラクション
NJU6060 は、3 線式シリアルインターフェイスにより、PWM データの設定や、LED の ON/OFF などが可能
です。
CLK 信号に同期してデータを入力し、CSb 信号の立ち上がりで実行されます。データの入力は、MSB(D7)
から順に行われます。
NJU6060 のインストラクションセットを表 1 に示します。
インストラクション
表 1 インストラクション
インストラクション一覧表
一覧表
コード
D5
D4
D3
D2
D1
D0
D7
D6
0
0
0
D
D
D
D
D
0
0
1
D
D
D
D
D
0
1
0
D
D
D
D
D
PWM 周波数セット
/発振 ON/OFF
/出力 ON/OFF
0
1
1
fPWM
OSC
LED1
LED2
LED3
LED1 位相セット
1
0
0
*
*
*
位相
LED2 位相セット
1
0
1
*
*
*
位相
LED3 位相セット
1
1
0
*
*
*
位相
テストモード
1
1
1
LED1
PWM データセット
LED2
PWM データセット
LED3
PWM データセット
注)
テストデータ
説
明
5 ビットの PWM データを
セットします。
5 ビットの PWM データを
セットします。
5 ビットの PWM データを
セットします。
fPWM 0:(fosc/2)/32
1:(fosc/2)/64
OSC 0:発振 OFF
1:発振 ON
LED1∼3 0:OFF 1:ON
位相
0,0:同位相
0,1:4 ステップ、ずらす
1,0:8 ステップ、ずらす
1,1:16 ステップ、ずらす
使用しないで下さい。
*: Don’t Care
PWM のインストラクションの実行と内蔵 PWM カウンターの動作は非同期ですので、ユーザーの設定が
IC 動作に反映されるまでの実行時間が発生します。
その時間は、
fPWM=fOSC/2/32 を設定しているときには、
おおよそ 128/fOSC となります。また、その期間中には意図しない設定が IC 動作に反映される事がありま
す。実機にてご確認することをおすすめします。
(2-1) インストラクションコード
(a)
LED1∼3 PWM データセット
LED1 PWM データセットインストラクションは、LED を制御する PWM 調光制御回路の DUTY を
設定します。各 LED ポートごとに設定が可能です。
LED1 PWM データセット
D7
D6
D5
D4
0
0
0
D
D3
D
D2
D
D1
D
D0
D
LED2 PWM データセット
D7
D6
D5
D4
0
0
1
D
D3
D
D2
D
D1
D
D0
D
LED3 PWM データセット
D7
D6
D5
D4
0
1
0
D
D3
D
D2
D
D1
D
D0
D
D
-4-
:DUTY
0,0,0,0,0 ∼ 1,1,1,1,1
Ver.2004-04-16
NJU6060
(b)
PWM 周波数セット/発振 ON/OFF/出力 ON/OFF
このインストラクションは、PWM 周波数(fPWM)、発振回路のオン/オフ、PWM 出力のオン/オフ
を設定します。
PWM 周波数セット/発振 ON/OFF/出力 ON/OFF
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
D7
0
1
1
fPWM
OSC
LED
1
LED
2
LED
3
PWM 周波数(fPWM)セット
0:fsys:システムクロック(=fosc/2)の 1/32 の周波数を選択(デフォルト値)
fPWM
1:fsys:システムクロック(=fosc/2)の 1/64 の周波数を選択
発振回路 ON/OFF
OSC
0:発振 OFF(デフォルト値)
1:発振 ON
出力 ON/OFF
LED1∼3
0:出力 OFF(デフォルト値)
1:出力 ON
各 LED ポートごとに設定が可能です。
(c)
LED1∼3 位相セット
位相セットは内部 PWM カウンタを基準にして、各々の出力タイミング位置を何カウントずらすか
を設定します。
LED1 位相セット
D6
D7
1
0
D5
0
D4
*
D3
*
D2
D1
D0
*
位相
*: Don’t Care
LED2 位相セット
D7
D6
1
0
D5
1
D4
*
D3
*
D2
D1
D0
*
位相
*: Don’t Care
LED3 位相セット
D7
D6
1
1
D5
0
D4
*
D3
*
D2
D1
D0
*
位相
*: Don’t Care
Ver.2004-04-16
D1
D0
0
0
1
1
0
1
0
1
位
相
同位相
4 ステップ、ずらす
8 ステップ、ずらす
16 ステップ、ずらす
-5-
NJU6060
例)LED1∼LED3 端子の PWM 出力設定を
• PWM1 位相を D1=0, D0=0
• PWM2 位相を D1=1, D0=0
• PWM3 位相を D1=1, D0=1
• PWM 周波数セット/発振 ON/OFF/出力 ON/OFF を D4=0, D3=1, D2=1, D1=1, D0=1
• PWM データを
(PWM 4, PWM 3, PWM 2, PWM 1, PWM 0)=(1,0,0,0,0)
に設定した場合
内部 PWM
カウンタ
31
0
1
15 16 17 18
2
30 31
0
PWM 周波数(fPWM)=195Hz
LED1 端子
1
1
32
1
8 ステップ
fOSC = 12.48kHz 時
32
17 18
LED3 端子
(d)
※
17 18
LED2 端子
1
17 18
32
8 ステップ
テストモード
IC のテストモードです。通常は使用しないで下さい。
設定する場合は、”11100000” (テストモード解除)を設定して下さい。
D7
1
-6-
D6
1
D5
1
D4
D3
D2
D1
テストデータ
D0
Ver.2004-04-16
NJU6060
(3)
シリアルインターフェイス
NJU6060 は、シリアルインターフェイスにより、LED の点灯のコントロールが出来ます。
CSb
CLK
SIO
*
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
*
注 1)データは CSb の信号に関わらず、CLK の立ち上がりエッジで内部シフトレジスタに取り込まれます。
注 2)シフトレジスタの内容は、CSb の立ち上がりエッジで内部インストラクションデコーダに取り込まれます。
注 3)インストラクション及びデータは必ず 8 ビットを入力してください。もし、8 ビットを越えた場合には、最後
の 8 ビットが有効になります。
(4)
リセット回路
リセット回路は、RSTb 端子に1μs以上の ”L” レベルパルスを入力すると下記の設定を行います。
設定状態
1、fPWM
2、OSC
3、LED1∼3
4、位相
5、PWM データ
Ver.2004-04-16
0:(fosc/2)/32
0:発振 OFF
0:OFF
0,0:同位相
0,0,0,0,0: 1/32
-7-
NJU6060
! 絶対最大定格
項
目
電源電圧
Ta=25℃
Ta=25℃
記号
条
件
定
格
単位
VDD
VDD 端子
-0.3∼+6.0
V
ドライバオフ耐圧
Voffmax
LED1, LED2, LED3 端子
7.0
V
ドライバオン耐圧
Vonmax
LED1, LED2, LED3 端子
CSb, RSTb, CLK,
DATA, OSC 端子
Ta=25℃
5.5
V
-0.3∼VDD+0.3
V
250
mW
入力電圧
VIN1
許容損失
Pdmax
動作温度
Topr
-40∼+85
℃
保存温度
Tstg
-55∼+125
℃
(注 1): 電圧は全て VSS=0V を基準とした値です。
(注 2): 絶対最大定格を超えて LSI を使用した場合、LSI の永久破壊となることがあります。 また、通常動作で
は電気的特性の条件で使用することが望ましく、
この条件を超えると LSI の誤動作の原因になると共に、
LSI の信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。
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Ver.2004-04-16
NJU6060
! 電気的特性
DC特性
DC特性
VDD=2.4V∼5.5V、Ta= -40∼85℃(特に指定の無い限りこの条件に適用)
項
目
記号
電源電圧
条
件
MIN
TYP
MAX
単位
注
2.4
5.5
V
VIH
RSTb, CSb, CLK, DATA
0.8VDD
VDD
V
1
入力”L”レベル電圧
VIL
RSTb, CSb, CLK, DATA
0
0.2VDD
V
1
入力”H”レベル電流
IIH
RSTb, CSb, CLK, DATA, VIN= VDD
5.0
μA
1
入力”L”レベル電流
IIL
RSTb, CSb, CLK, DATA, VIN=0V
μA
1
6.0
μA
1
0.5
V
1
14.72
kHz
VDD
入力”H”レベル電圧
-5.0
出力オフリーク電流
IOFFH
出力”L”レベル電圧
VOL
LED1, LED2, LED3: VO=5.5V, インス
トラクションにより、出力を OFF
LED1, LED2. LED3, IO=10mA
fOSC
VDD=3V,ROSC=910kΩ, Ta=25℃
tRW
RSTb
IDD
VDD=3V, PWM DUTY: 17/32、
出力オープン、ROSC=910kΩ, Ta=25℃
発振周波数
リセット”L”パルス幅
消費電流
(注 1):
10.23
12.48
μs
1.0
6.0
12.0
μA
入力端子の形状
VDD
適用端子: RSTb, CSb, CLK, DATA
Ver.2004-04-16
適用端子: LED1, LED2, LED3
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NJU6060
発振周波数とPWM周波数(フレーム周波数)の関係は下記のようになります。
(1) LED1 ~ LED3 端子の PWM 出力設定を
・ PWM1 位相を D1=0, D0=0
・ PWM2 位相を D1=1, D0=0
・ PWM3 位相を D1=1, D0=1
・ PWM 周波数セット/発振 ON/OFF/出力 ON/OFF を D4=0, D3=1, D2=1, D1=1, D0=1
・ PWM データを
(PWM 4, PWM 3, PWM 2, PWM 1, PWM 0)=(1,0,0,0,0)
に設定した場合
fOSC = 12.48kHz
fsys = fOSC / 2 = 6.24kHz
fPWM= fsys / 32 = 195Hz
PWM 周波数(fPWM)=195Hz
LED1 端子
1
17
18
1
LED2 端子
32
17
18
32
1
LED3 端子
1
2
3
4
5
6
7
8
17
18
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
32
Tsys=1/fsys=2/fOSC
(f sys: 内部システムクロックの周波数)
Tsys
(2) LED1 ~ LED3 端子の PWM 出力設定を
・ PWM 位相を D1=1, D0=0
・ PWM 周波数セット/発振 ON/OFF/出力 ON/OFF を D4=1, D3=1, D2=1, D1=1, D0=1
・ PWM データを
(PWM 4, PWM 3, PWM 2, PWM 1, PWM 0)=(1,0,0,0,0)
に設定した場合
fOSC = 12.48kHz
fsys = fOSC / 2 = 6.24kHz
fPWM= fsys / 64 = 97.5Hz
PWM 周波数(fPWM)=97.5Hz
LED1 端子
1
17
18
1
LED2 端子
32
17
18
1
LED3 端子
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32
32
17
18
32
TTsys
=2/(2/f
)
= sys
2/fsys
= OSC
4/fosc
sys=1/f
(f sys: 内部システムクロックの周波数)
Tsys
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Ver.2004-04-16
NJU6060
AC特性
AC特性
VDD=2.4V∼5.5V、Ta= -40∼85℃(特に指定の無い限りこの条件に適用)
項
目
“L”レベルクロックパルス幅
“H”レベルクロックパルス幅
データセットアップ時間
データホールド時間
CSb セットアップ時間
CSb ホールド時間
CLK ウェイト時間
記号
条
件
MIN
TYP
MAX
単位
tWCLL
CLK
160
ns
tWCLH
CLK
160
ns
tDS
CLK, DATA
150
ns
tDH
CLK, DATA
150
ns
tCS
CSb, CLK
160
ns
tCH
CSb, CLK
640
ns
CSb
640
ns
tWCH
立ち上がり時間
tr
15
ns
立ち下がり時間
tf
15
ns
注
CSb
tWCLL
tWCLH
tCH
CLK
tCS
DATA
tf
tWCH
D0
D7
tDS
tr
tDH
注) 全てのタイミングは VDD の 20%および 80%を基準にして規定されます。
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- 11 -
NJU6060
!
•
応用回路
応用回路例
VLED
VSS
+
VDD
LED3
VDD
LED2
LED1
RLED
RLED
RLED
NJU6060
RSTb
CSb
CPU
VSS
CLK
OSC
DATA
ROSC
R の抵抗値決定方法
RLED =
VLED - VF - VOL
RLED:
VLED:
VF:
VOL:
ILED:
ILED
LED 電流制限抵抗
LED 駆動電圧
LED 順方向電圧(@ILED)
出力 L レベル電圧(@ILED)
LED 順方向電流
(例) ILED = 10mA, VLED = 5.0V, VF = 2.0V(@ILED = 10mA), VOL=0.5V
RLED =
5.0V – 2.0V – 0.5V
10mA
= 250Ω
(注) VF, VOL は使用条件により変化します。 RLED の抵抗値決定にあたっては、実機にて確認の上で最適な値を
決定してください。
インストラクションと PWM 発生回路は非同期タイプですので、インストラクションを高速で変化させると
PWM が追いつかない可能性があります。この場合は、ROSC の抵抗値を小さくし、発振周波数を上げてくだ
さい。なお、実機にて十分な確認を行うことをお勧めします。
<注意事項>
このデータブックの掲載内容の正確さには
万全を期しておりますが、掲載内容について
何らかの法的な保証を行うものではありませ
ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。また、
工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴
うものではなく、第三者の権利を侵害しない
ことを保証するものでもありません。
本製品を、特に高度の信頼性が要求される
機器(車載電装品など)でご使用になる場合は、
必ず事前に当社営業窓口までご相談願います。
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Ver.2004-04-16