AN202493 Migrating from SPI nvSRAM to SPI F-RAM (Japanese).pdf

AN202493
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
著者: Shivendra Singh
関連製品ァミリ: SPI nvSRAM、SPI F-RAM
関連サンプル コード: なし
関連アプリケーション ノート: AN304、AN89659
AN202493 は SPI nvSRAM か ら SPI F-RAM™ へ の 置 き 換 え の ガ イ ド ラ イ ン を 提 供 し ま す 。 そ れ は 等 価 の SPI
F-RAM デバイスを推奨し、パッケージと機能の相違点を記述し、そして置き換えを首尾よく行うためのハードウェアとファーム
ウェアの修正点を説明します。
目次
1
はじめに .................................................................... 1
2
SPI nvSRAM と SPI F-RAM の互換性 ....................... 3
4.1
スリープ モード (SLEEP) コマンド .................... 14
2.1
ピンの互換性 .................................................... 3
4.2
デバイス ID 読み出し (RDID) コマンド .............. 15
2.2
パッケージの互換性 .......................................... 3
4.3
シリアル番号読み出し (RDSN、SNR) コマンド . 15
2.3
コマンド (オペコード) の互換性 ........................... 6
4.4
nvSRAM の特別な機能................................... 16
2.4
ステータス レジスタの互換性 ............................. 8
5
2.5
デバイス仕様の互換性 ...................................... 9
改訂履歴 .......................................................................... 17
3
ファームウェアの互換性 ........................................... 14
まとめ ...................................................................... 16
ハードウェアの互換性 .............................................. 12
ワールドワイド販売と設計サポート .................................... 18
3.1
WPを持つ SPI nvSRAM (CY14xxxxQ1 と
CY14xxxxQ1A) ピン レイアウト .................................... 12
製品 ................................................................................. 18
3.2
VCAP (AutoStore) を持つ SPI nvSRAM
(CY14xxxxQ2 と CY14xxxxQ2A) ピン レイアウト ......... 13
サイプレス開発者コミュニティ ............................................ 18
3.3
1
4
PSoC®ソリューション ........................................................ 18
テクニカルサポート ........................................................... 18
SPI F-RAM ピン レイアウト .............................. 13
はじめに
F-RAM (強誘電体ランダム アクセス メモリ) は強誘電体コンデンサを使ってデータを格納する不揮発性メモリです。F-RAM
に書き込まれたデータは瞬時に不揮発性になります。EEPROM およびフラッシュと違って、F-RAM はバス速度でデータを不
揮発性メモリに書き込みます。
nvSRAM は、メモリ セルごとに不揮発性素子を組み込んだ SRAM メモリです。組み込んだ不揮発性素子はシリコン - 酸化
物 - 窒化物 - 酸化物 - シリコン (SONOS) 量子トラップ技術を利用します。SRAM が回数に制限のない読み出しと書き込み
サイクルを提供し、一方量子トラップセルが高い信頼性の不揮発性データ記憶を実現します。電源切断時には SRAM から不
揮発性要素へのデータ転送 (STORE 動作) が自動的に実行されます。起動時には、不揮発性メモリから SRAM にデータが
復元されます (RECALL 動作)。
サイプレスは、NRND (新しい設計に推奨されない) 状態の数個の SPI nvSRAM デバイスを提供してきており、SPI F-RAM
製品でこれらのデバイスを置き換えるオプションを提供しています。本アプリケーション ノートは SPI nvSRAM から SPI
F-RAM への置き換えに際しての詳細な情報を提供します。それは、パッケージ、機能とタイミングの相違点、および置き換え
を首尾よく行うためのハードウェアとファームウェアに求められる修正点を説明します。表 1 に、SPI nvSRAM に対して推奨
する置き換えの SPI F-RAM 製品を示します。
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文書番号: 002-11744 Rev. **
1
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
SPI F-RAM 設計ガイドラインとファームウェア用例については、AN304 – SPI Guide for F-RAM™および AN89659 –
Interfacing SPI F-RAM with PSoC®アプリケーション ノートをご参照ください。
本アプリケーション ノートでは、CY14xxxQ1x および CY14xxxQ2x の総称的な製品番号を使用し、初版 SPI nvSRAM シリ
コン (リビジョン**) を使って構築された 8 ピン DFN パッケージでの SPI nvSRAM 製品のオプションを表しています。同様に、
CY14xxxxQ1xA および CY14xxxxQ2xA 製品番号は、新版 SPI nvSRAM シリコン (リビジョン A) を使って構築された 8 ピン
SOIC パッケージでの SPI nvSRAM 製品のオプションを表すために使用されます。
表 1. SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換えオプション
nvSRAM 製品
メモリ容量
64Kb
256Kb
512Kb
パッケージ
製品番号
SPI
周波数
8 ピン SOIC
CY14MB064Q2B
40MHz
8 ピン SOIC
CY14MB064Q2A
40MHz
8 ピン SOIC
CY14ME064Q2A
40MHz
8 ピン DFN
CY14B256Q2
40MHz
8 ピン SOIC
CY14B256Q2A
40MHz
8 ピン SOIC
CY14E256Q5A
40MHz
8 ピン SOIC
CY14B512Q2A
40MHz
8 ピン DFN
CY14B101Q2
40MHz
8 ピン SOIC
CY14B101Q2A
40MHz
推奨する F-RAM (置き換えの) 製品
電圧
温度
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+105˚C
4.5V~
–40˚C~
5.5V
+105˚C
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
4.5V~
–40˚C~
5.5V
+105˚C
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.7V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
製品番号
SPI
周波数
FM25CL64B
20MHz
FM25CL64B
16MHz
FM25640B
4MHz
FM25V02A
40MHz
FM25V02A
40MHz
電圧
温度
2.7V~
–40˚C~
3.65V
+85˚C
3.0V~
–40˚C~
3.6V
+125˚C
4.5V~
–40˚C~
5.5V
+125˚C
2.0V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.0V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
推奨する置き換えの製品がない
FM25V05
40MHz
FM25V20A
40MHz
FM25VN10
FM25V10
40MHz
2.0V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.0V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
2.0V~
–40˚C~
3.6V
+85˚C
VCC =
1024Kb
2.7V
~3.6V
16 ピン SOIC
CY14V101Q3
40MHz
VCCQ =
–40˚C~
+85˚C
推奨する置き換えの製品がない
1.65V
~1.95V
推奨する SPI F-RAM 製品は SPI nvSRAM 製品と機能とアクセス プロトコル、動作条件、容量、およびパッケージ タイプは
同様ですが、同一のものではなく、ピンフォーピンの簡便な取替えではありません。そのため、SPI nvSRAM を SPI F-RAM
に置き換える際には、相違点を知る必要があります。本アプリケーション ノートは、両方のデバイスの類似点および相違点に
ついて説明し、置き換え時にお客様を支援します。
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2
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
2
SPI nvSRAM と SPI F-RAM の互換性
本セクションでは、SPI nvSRAM と SPI F-RAM 間のピンとパッケージ、コマンド (オペコード)、機能と仕様、ハードウェアおよび
ファームウェアなどの特質の類似点と相違点について説明します。これらの特質を確認し、ユーザーの設計に必要な変更を行
います。
2.1
ピンの互換性
表 2 に示すように、nvSRAM と F-RAM は、ピン 3 を除いてすべての I/O ピンが一致します。ピン 3 は、SPI F-RAM で書き込
み 保 護 ( ̅̅̅̅̅
WP ) ピ ン で 、 一 方 CY14xxxxQ2x/CY14xxxxQ2xA パ ッ ケ ー ジ の SPI nvSRAM で は V
ピンです。
CAP
CY14xxxxQ1x/CY14xxxxQ1xA パッケージの SPI nvSRAM のピン配置は 8 ピン パッケージの SPI F-RAM のピン配置と
同一です。
表 2. ピンの比較
ピン番号
nvSRAM ピン
(CY14xxxxQ1x/
CY14xxxxQ1xA)
nvSRAM ピン
(CY14xxxxQ2x/
CY14xxxxQ2xA)
F-RAM ピン
(FM25xxxx)
ピンの説明
1
̅̅̅̅
CS
̅̅̅̅
CS
̅̅̅̅
CS
チップ セレクト: LOW にプルダウンされた時に、デバイスを有
効化。このピンを HIGH に駆動すると、デバイスが低消費電
力スタンバイ モードに入る
2
SO
SO
SO
シリアル出力: SPI 経由のデータの出力ピン
書き込み保護: SPI にハードウェア書き込み保護を実装
2.2
AutoStore コンデンサ: 電力喪失時に nvSRAM に電源を供
給 し 、 SRAM か ら 不 揮 発 性 素 子 に デ ー タ を 格 納 す る 。
AutoStore が必要でない場合は、VCAP ピンを NC (未接続)
の状態にしなければならない。これは絶対にグランドに接続し
ないでください
3
̅̅̅̅̅
WP
VCAP
̅̅̅̅̅
WP
4
VSS
VSS
VSS
グランド
5
SI
SI
SI
シリアル入力: すべての SPI 命令とデータの入力ピン
シリアル クロック: SPI クロック周波数 (fSCK) の最大値までの
速度で動作。シリアル入力はクロックの立ち上がりエッジで
ラッチされる。シリアル出力はクロックの立ち下がりエッジで駆
動される
6
SCK
SCK
SCK
7
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD
8
VCC
VCC
VDD
HOLD ピン: シリアル動作を一時停止
電源供給
パッケージの互換性
本セクションでは、置き換える際の SPI nvSRAM と SPI F-RAM パッケージの互換性について説明します。表 3 に、SPI
nvSRAM と SPI F-RAM のパッケージ、パッケージの寸法および応用性を示します。
表 3. パッケージの比較
パッケージ、
仕様番号
長さ (mm)
幅 (mm)
高さ (mm)
ピッチ (mm)
エクスポーズド
パッド (mm)
SPI nvSRAM
SPI
F-RAM
8 ピン SOIC、
51-85066
4.89 ± 0.09
6.02 ± 0.18
1.64 ± 0.09
1.27
該当なし
√
√
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3
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
2.2.1
パッケージ、
仕様番号
長さ (mm)
幅 (mm)
高さ (mm)
ピッチ (mm)
エクスポーズド
パッド (mm)
SPI nvSRAM
SPI
F-RAM
8 ピン DFN、
001-85260
4.5 ± 0.10
6.0 ± 0.10
0.75 ± 0.05
0.95
L = 3.6 ± 0.10
W = 2.6 ± 0.10
該当なし
√
8 ピン DFN、
001-85579
5.0 ± 0.10
6.0 ± 0.10
0.75 ± 0.05
1.27
L = 4.0 ± 0.10
W = 2.3 ± 0.10
該当なし
√
8 ピン DFN、
001-50671
5.0 ± 0.10
6.0 ± 0.10
0.75 ± 0.05
1.27
L = 4.0 ± 0.10
W = 3.0 ± 0.10
√
該当なし
8 ピン SOIC パッケージ
すべての SPI nvSRAM の 8 ピン SOIC パッケージの寸法 (図 1 を参照) は SPI F-RAM の 8 ピン パッケージの寸法と同一
です。そのため、SPI nvSRAM から SPI F-RAM への置き換えは、プリント基板レイアウト上のパッケージのフットプリント変更
を必要としません。
図 1. 8 ピン SOIC (150Mil) パッケージ図、51-85066
すべての寸法の単位はインチ (ミリメートル)
MIN.
MAX.
2.2.2
。
8 ピン DFN パッケージ
SPI nvSRAM の 8 ピン DFN パッケージ (図 2 を参照) と SPI F-RAM の 8 ピン DFN パッケージ (図 3 と図 4 を参照) の寸法
は、すべての容量オプションに対して同一ということではありません。そのため、SPI nvSRAM を SPI F-RAM に置き換える際、
プリント基板レイアウトのパッケージ フットプリントの変更を必要とする場合があります。SPI nvSRAM と推奨する置き換えの
SPI F-RAM 製品間の DFN パッケージ フットプリントの違いについては、表 3 をご参照ください。
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4
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
図 2. SPI nvSRAM 8 ピン DFN (5 × 6 × 0.85mm) パッケージ図、001-50671
エクスポーズド パッド
すべての寸法の単位はミリメートル。
図 3. SPI F-RAM の 8 ピン DFN (5 × 6 × 0.75mm) パッケージ図、001-85579
エクスポーズド パッド
すべての寸法の単位はミリメートル。
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5
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
図 4. F-RAM の 8 ピン DFN (4.0 × 4.5 × 0.8mm) パッケージ図、001-85260
エクスポーズド パッド
すべての寸法の単位はミリメートル。
注: SPI F-RAM のエクスポーズド パッドはダイに接続されないため、開放のままにする必要があります。置き換える際に、
SPI F-RAM DFN パッケージのエクスポーズド パッドはプリント基板上にはんだづけされていないことをご確認ください。はん
だづけすると、SPI F-RAM ダイが過度の熱にさらされ、ビット不良やマージンの損失を引き起こす可能性があります。
2.3
コマンド (オペコード) の互換性
表 4 に、SPI nvSRAM と SPI F-RAM オペコードの比較を示します。
表 4. コマンド (オペコード) の互換性
コマンド
オペコード
(HEX)
コマンド
の説明
SPI
nvSRAM
SPI
F-RAM
WREN
06h
書き込みイネーブル
ラッチのセット
√
√
WRDI
04h
書き込みイネーブル
ラッチのリセット
√
√
RDSR
05h
ステータス レジスタの
読み出し
√
√
WRSR
01h
ステータス レジスタの
書き込み
√
√
READ
03h
メモリ データの読み出し
√
√
WRITE
02h
メモリ データの書き込み
√
√
0Bh
メモリ データの
高速読み出し
コメント
SPI nvSRAM と SPI F-RAM 間の同一機能
すべての 128Kb 以上容量の F-RAM でサポート
FSTRD
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√
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√
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA のリビジョン「A」
シリコンでサポート (SPI アクセス速度が 40MHz
以上)
6
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
コマンド
オペコード
(HEX)
コマンド
の説明
SPI
nvSRAM
SPI
F-RAM
コメント
すべての 128Kb 以上容量の F-RAM でサポート
SLEEP
B9h
スリープ モードへの移行
√
√
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA のリビジョン「A」
シリコンでサポート
SPI nvSRAM と SPI F-RAM の SLEEP コマンド
の違いの詳細については、スリープ モード
(SLEEP) コマンドセクションをご参照ください
すべての 128Kb 以上容量の F-RAM でサポート
RDID
9Fh
デバイス ID の読み出し
√
√
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA のリビジョン「A」
シリコンでサポート
SPI nvSRAM と SPI F-RAM の RDID コマンドの
違いの詳細については、デバイス ID 読み出し
(RDID) コマンドセクションをご参照ください
固 有 の シ リ ア ル 番 号 の 機 能 が あ る F-RAM
(FM25VN10) のみでサポート
RDSN/
SNR
C3h
シリアル番号の読み出し
√
√
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA のリビジョン「A」
シリコンでサポート
SPI nvSRAM と SPI F-RAM の RDSN コマンド
の違いの詳細については、シリアル番号読み出し
(RDSN、SNR) コマンドセクションをご参照ください
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA のリビジョン「A」
シリコンでサポート。SPI F-RAM でサポートされ
ていない
√
X
ソフトウェア STORE
√
X
60h
ソフトウェア RECALL
√
X
ASENB
59h
AutoStore イネーブル
√
X
ASDISB
19H
AutoStore ディスエーブル
√
X
FAST_RDSR
09h
ステータス レジスタの
高速読み出し
√
X
WRSN
C2h
書き込みシリアル番号
STORE
3CH
RECALL
FAST_RDID
FAST_RDSN
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99H
デバイス ID の高速読み
出し
√
C9h
シリアル番号の高速読み
出し
√
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X
X
SPI nvSRAM でシリアル番号書き込み (WRSN)
機能を使用するアプリケーションは SPI F-RAM
に置き換えられない
メイン メモリ アレイに 8 バイトのメモリ空間を予約
することにより、シリアル番号書き込みを実行可
能。しかし、SPInvSRAM の場合と違って、ステー
タス レジスタの SNL ビットをセットしてシリアル番
号を読み出し専用にすることでは、この予約した
空間を「読み出し専用」にすることはできない
これらは SPI nvSRAM 特有のコマンド。これらは
SPI
F-RAM に対して未定義オペコードとなり、実行時
に無視される
SPI F-RAM に置き換える際、これらのコマンドお
よびその使用の注意事項の詳細については、
nvSRAM の特別な機能セクションをご参照くだ
さい
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA のリビジョン「A」シ
リコンでサポート (SPI アクセス速度が 40MHz 以
上)
これらは SPI F-RAM に対して未定義オペコード
となり、実行時に無視される
7
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
2.4
ステータス レジスタの互換性
SPI nvSRAM および SPI F-RAM のステータス レジスタのアクセスは同一です。しかし、いくつかの「ドント ケア」ビットは SPI
nvSRAM では書き込み可能ですが、それらは SPI F-RAM では読み出し専用ビットです。表 5 に、2 つの製品のステータス
レジスタ ビットの定義およびそれらの互換性を示します。
表 5. ステータス レジスタ比較
ステータス レジスタ
Bit0
SPI nvSRAM
RDY#
SPI F-RAM
コメント
ドント ケア
読み出し専用ビットは、デバイスがメモリ アクセスの実行に対して
レディ状態であることを示す。STORE またはソフトウェア RECALL
サイクルの進行中、このビットはデバイスによって「1」に設定される
このビットは SPI F-RAM でドント ケア ビット
Bit1
WEN
WEL
Bit 2
BP0
BP0
Bit3
BP1
BP1
Bit4
ドント ケア
ドント ケア
SPI nvSRAM (リビジョン「A」シリコン) と SPI F-RAM で同一動作。
これらのビットは読み出し専用ビットであり、読み出す時に常に「0」を返す。
Bit5
ドント ケア
ドント ケア
ビ ッ ト は 書 き 込 み 可 能 で SPI nvSRAM の 最 初 の リ ビ ジ ョ ン
(CY14xxxxQx) で揮発性である。電源投入時、ビットは「0」に書き込
まれる
SPI nvSRAM と SPI F-RAM で同一動作
SPI nvSRAM CY14xxxxQxA の リ ビ ジ ョ ン 「 A」 シ リ コ ン で 特 別 な
WRSN コマンドを使用して書き込まれたシリアル番号をロックするた
めに、「1」にセット
Bit6
SNL
ドント ケア
このビットは書き込み可能で、 SPI nvSRAM の最初のリビジョン
(CY14xxxxQx) で揮発性である。電源投入時、このビットは「0」に書き
込まれる
このビットは 256Kb SPI F-RAM で読み出し専用ビットで、読み出す
時に常に「0」を返す。512KB 以上の容量の SPI F-RAM は読み出す
時に「1」を返す
ビット 7
WPEN
WPEN
SPI nvSRAM と SPI F-RAM で同一動作
注: SPI F-RAM でビット 4~6 はドント ケアビットです。SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置き換える際、この 3 ビットのデ
フォルト値を無視することが可能です。
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8
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
2.5
デバイス仕様の互換性
表 6、表 7 および表 8 に、2 つの製品のすべての仕様の相違点を示します。いくつかのパラメーターは SPI nvSRAM から
SPI F-RAM に置き換える前にシステム レベルの分析を保証します。これらは、出力負荷、起動時間および電源電圧 (電源投
入および電源切断) を含みます。図 5 および図 6 に、SPI nvSRAM と SPI F-RAM のパワー サイクル タイミングをそれぞれ
示します。
表 6. DC パラメーター比較
パラメーター
説明
VDD
電源電圧
VIH
VIL
入力 HIGH 電圧
入力 LOW 電圧
SPI F-RAM
コメント
2.0V~3.60V
4.5V~5.5V
SPI F-RAM の動作範囲は SPI nvSRAM より
広 い 。 そ の た め 、 SPI nvSRAM か ら SPI
F-RAM への置き換えは電源電圧の変更を必要
としない
2.0V~
0.7 x VDD~
SPI F-RAM の VIH (Min) は CMOS 論理レベル
に 従 い 、 入 力 電 源 電 圧 (VDD) に 比 例 。 SPI
nvSRAM の VIH (Min) は最小 2.0V の固定レベル
である。そのため、SPI F-RAM に置き換える際
は、VIH (Min) の互換性の評価が必要
VCC + 0.5 V
VDD + 0.3V
SPI nvSRAM
2.7V~3.6V
4.5V~5.5V
–0.5V~0.8V
2.7V~3.65V
–0.3V~0.3 x
VDD
SPI F-RAM の VIH (Max) は VDD + 0.3V である
が、SPI nvSRAM では VCC + 0.5V である。こ
れ は 、 SPI F-RAM 入 力 ピ ン で の オ ー バ ー
シュート電圧を制限し、置き換える時には調整を
必要とする
SPI F-RAM の VIL (Max) は CMOS 論理レベルに
従 い 、 入 力 電 源 電 圧 (VDD) に 比 例 。 SPI
nvSRAM の VIL (Max) は最大 0.8V で固定レベル
である。そのため、SPI F-RAM に置き換える際
は、VIL (Max) の互換性の評価が必要
VIL (Min) は SPI F-RAM では-0.3V であるが、
SPI nvSRAM では-0.5V である。これは、SPI
F-RAM 入力ピンでのアンダーシュート電圧を制
限し、置き換える時には調整が必要
CY14xxxxQ1/
CY14xxxxQ2:
2.0V (Min)
IOUT = –2mA
VOH
出力 HIGH 電圧
2.4V (Min)
IOH = –1mA
CY14xxxxQ1A/
CY14xxxxQ2A:
VDD – 0.8V
(Min)
2.4V (Min)
IOH = –2mA
VCC = 3V (Typ) の場合
IOUT = –2mA
VDD – 0.2V
(Min)
VCC – 0.4V (Min)
IOH = –100µA
一般的なシステム コンフィギュレーションで SPI
nvSRAM から SPI F-RAM に置き換えるとき、
変更は不要
ただし、システム バスの負荷が高い場合には、
VOH が入力の論理レベルの範囲内にあることを
確認する必要がある
VCC = 5V (Typ) の場合
IOUT = –2mA
0.4V (Max)
VOL
出力 LOW 電圧
0.4V (Max)
IOUT = 4.0mA
IOL = +2mA
0.2V (Max)
IOL= +150µA
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一般的なシステム コンフィギュレーションで SPI
nvSRAM から SPI F-RAM に置き換えるとき、
変更は不要
ただし、システム バスの負荷が高い場合には、
VOL が入力の論理レベルの範囲内にあることを
確認する必要がある
9
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
パラメーター
説明
SPI nvSRAM
SPI F-RAM
VVCAP
ストレージ コンデンサ
42µF~180µF
該当なし
コメント
これは AutoStore 動作用の nvSRAM 特有の
ピン。このピン/機能および関連するパラメー
ターは、SPI F-RAM に適用できない
3V (Typ) の場合の VCC
(Max)
VVCAP
デバイスで VCAP ピン上
に駆動された最大電圧
5V (Typ) の場合の VCC
– 0.5V (Max)
該当なし
注: 表 6 に示されない他のすべてのパラメーター (電流パラメーターを除く) は同等です。F-RAM はエネルギー効率が高い
不揮発性メモリ技術であるため、SPI F-RAM のすべての DC 電流仕様は SPI nvSRAM より良いです。
表 7. AC パラメーター比較
SPI nvSRAM
SPI F-RAM
パラメーターの説明
単位
パラメーター
Min
Max
パラメーター
40
fSCK
Min
コメント
Max
クロック周波数、SCK
fSCK
クロック HIGH 時間
tCH
11
tCH
11
ns
クロック LOW 時間
tCL
11
tCL
11
ns
チップ セレクトのセットアップ時間
tCSS
10
tCSU
10
ns
チップ セレクト ホールド時間
tCSH
10
tCH
10
ns
40
MHz
同一
出力ディセーブル時間
tHZCS
20
tOD
12
ns
SPI F-RAM の 出 力 は
SPI nvSRAM の出力よりも
速くディセーブルになる。
SPI F-RAM に置き換える
とき、影響はない
出力データ有効時間
tCO
9
tODV
9
ns
同一
出力ホールド時間
tOH
ns
同一
ns
SPI F-RAM ではこの時間
がより長い。SPI F-RAM
に置き換えるとき、このパ
ラメーターを評価し、それ
に応じて調整する必要が
ある
̅̅̅̅
CS HIGH 時間
tCS
0
20
立ち上がり時間におけるデータ
tOH
tD
0
40
tR
50
ns
tF
50
ns
未指定
データ入力 立ち下がり時間
SPI nvSRAM ではこのパ
ラメーターが指定され
ない。SPI F-RAM に置き
換えるとき、このパラメー
ターを評価し、それに応じ
て調整する必要がある
データ セットアップ時間
tSD
5
tSU
5
ns
同一
データ ホールド時間
tHD
5
tH
5
ns
同一
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD セットアップ時間
tSH
5
tHS
10
ns
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD 時間
tHH
5
tHH
10
ns
SPI F-RAM ではこの時間
がより長い。SPI F-RAM
に置き換えるとき、このパ
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10
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
SPI nvSRAM
SPI F-RAM
パラメーターの説明
単位
パラメーター
Min
Max
パラメーター
Min
コメント
Max
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD LOW から HI-Z まで
tHHZ
15
tHZ
20
ns
̅̅̅̅̅̅̅̅̅
HOLD HIGH からデータ アクティ
ブまで
tHLZ
15
tLZ
20
ns
ラメーターを評価し、それ
に応じて調整する必要が
ある
表 8. 電力パラメーター比較
SPI nvSRAM
SPI F-RAM
パラメーターの説明
パラメーター
電源投入 RECALL 期間
Min
Max
パラメーター
Min
コメント
ms
SPI F-RAM に置き換えると
き、影響はない。システム
は、性能を向上させるため
にファームウェアを最適化
することが可能
tFA
20
STORE サイクル期間
tSTORE
8
ms
SRAM 書き込みサイクルを完
了するのに許容される時間
tDELAY
25
ms
2.65
V
4.4
V
VSWITCH
低電圧トリガ レベル
(3V)
VSWITCH
(5V)
VCC 立ち上がり時間
tVCCRISE
tVR
VDD 電源切断時ランプ レート
未指定
最後のアクセス ( ̅̅̅̅
CSHIGH)
から電源切断 (VDD (Min)) ま
での時間
tWAKE
20
SLEEP 命令が発行されてか
らスリープ モードに入るまで
の時間
tSLEEP
8
̅̅̅̅HIGH になってからスタン
CS
バイ モードに入るまでの時間
tSB
100
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1
未指定
150
VDD 電源投入時ランプ レート
nvSRAM が SLEEP モードか
らウェイクアップする時間
tPU
単位
Max
µs
50
µs/V
これらは nvSRAM 特有の
パ ラ メ ー タ ー で 、 SPI
F-RAM に適用できない
SPI F-RAM に置き換えると
き、影響はない。システム
は、性能を向上させるため
にファームウェアを最適化
することが可能
この仕様は、間接的に SPI
F-RAM tVR 仕様に関連
SPI nvSRAM は VCC ランプ
レートに制限を設けない
SPI F-RAM に置き換える
際 、 SPI F-RAM VDD 電 源
ランプ レートは、指定された
制限の範囲内であることを
確認する必要がある
tVF
100
µs/V
tPD
0
µs/V
SPI F-RAM に置き換えると
き、影響はない
ms
SPI F-RAM に置き換えると
き、影響はない。システム
は、性能を向上させるため
にファームウェアを最適化
することが可能
ms
̅̅̅̅ SLEEP
SPI F-RAM は、CS
コマンドが入力した後に LOW
から HIGH にトグルすると、直
ぐにスリープ モードに入る
µs
SPI F-RAM に置き換えると
き、影響はない
tREC (tRDP)
該当なし
未指定
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0.45
11
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
図 5. SPI nvSRAM パワー サイクル タイミング
図 6. SPI F-RAM パワー サイクル タイミング
3
ハードウェアの互換性
図 7 と図 8 に示すように、SPI nvSRAM は 8 ピン SOIC および 8 ピン DFN パッケージ用に 2 つのピン コンフィギュレー
ションをサポートします。
3.1
̅̅̅̅̅̅̅
WPを持つ SPI nvSRAM (CY14xxxxQ1 と CY14xxxxQ1A) ピン レイアウト
図 7 に示す 2 つの SPI nvSRAM パッケージのピン レイアウトは SPI F-RAM のピン レイアウトと同一です。図 9 に示される
SPI F-RAM のピン レイアウトは SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置き換えるとき、ピンフォーピンでドロップイン代替えでき
ます。
̅̅̅̅̅̅
図 7.WPを持つ SPI nvSRAM (CY14xxxxQ1 と CY14xxxxQ1A)
SPI nvSRAM
(リビジョン A)
CY14xxxxQ1A
8 ピン SOIC
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SPI nvSRAM
(リビジョン
0)
CY14xxxxQ1
8 ピン DFN
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12
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
3.2
VCAP (AutoStore) を持つ SPI nvSRAM (CY14xxxxQ2 と CY14xxxxQ2A) ピン レイアウト
図 8 に示す 2 つの SPI nvSRAM パッケージのピン レイアウトは (VCAP ピンを除いて)、SPI F-RAM のピン レイアウトと同一
です。SPI F-RAM ピン レイアウトは図 9 に示されます。
図 8. AutoStore を持つ SPI nvSRAM (CY14xxxxQ1 および CY14xxxxQ1A)
SPI nvSRAM
(リビジョン 0)
CY14xxxxQ2
8 ピン DFN
SPI nvSRAM
(リビジョン A)
CY14xxxxQ2A
8 ピン SOIC
SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置き換えるとき、(VCAP ピンを除いて) ピンフォーピンでドロップインで代替えできます。SPI
̅̅̅̅̅) ピンです。WP
̅̅̅̅̅ピンは入力ピンであり、
nvSRAM パッケージの VCAP ピンは SPI F-RAM ではハードウェア書き込み保護 (WP
内部でバイアスされないため、プリント基板に接続されない時、開放のままです。同じフットプリントで SPI F-RAM に置き換え
̅̅̅̅̅ ピンが適切にバイアスされることを確認する必要があります。WP
̅̅̅̅̅がロジック HIGH にバイア
るとき、正常な動作のためにWP
̅̅̅̅̅
スされる場合は、ステータス レジスタへの書き込みを有効にします。WP ピンがロジック LOW にバイアスされる場合は、
ステータス レジスタの WPEN ビットも「1」にセットされると、ステータス レジスタへの書き込み を無効にします (書き込み保護) 。
3.3
SPI F-RAM ピン レイアウト
図 9 に示すように、SPI F-RAM は 8 ピン SOIC および 8 ピン DFN の両方のパッケージ用に 1 つのピン配置オプションだけ
を提供します。
図 9. SPI F-RAM ピン レイアウト
SPI F-RAM
8 ピン SOIC
SPI F-RAM
8 ピン DFN
SPI F-RAM の 8 ピン SOIC パッケージのフットプリントは SPI nvSRAM のフットプリントと同一です。そのため、SPI
F-RAM に置き換える際、プリント基板レイアウトのパッケージフットプリントの変更を要しません。
パッケージの互換性節で説明したように、SPI F-RAM の 8 ピン DFN パッケージの寸法は SPI nvSRAM の 8 ピン DFN パッケージ
の寸法と異なることがあります。そのため、SPI nvSRAM 8 ピン DFN から SPI F-RAM 8 ピン DFN に置き換えることは常に
ドロップイン置き換えというわけではなく、パッケージの寸法が異なる場合にはプリント基板レイアウトの変更が必要です。
注: VCAP オプションを持つ SPI nvSRAM の置き換えには、ハードウェア回路図およびレイアウトを変更する必要があります。
̅̅̅̅̅ピンを制御するか、またはWP
̅̅̅̅̅の外部プルアップを接続してピンを
それはコントローラーI/O を接続して SPI F-RAM のWP
HIGH に維持して書き込み保護 (使用されない場合) を無効にするためです。
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13
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
4
ファームウェアの互換性
SPI nvSRAM アクセス用の SPI ホスト コントローラー ファームウェアは、 nvSRAM の特別な機能を除き、SPI F-RAM の場
合と同様に機能します。AutoStore、AutoStore イネーブル、AutoStore ディスエーブル、ソフトウェア STORE やソフトウェア
RECALL などの nvSRAM の特別な機能は SPI F-RAM に適用不可です。nvSRAM では、データはまず SRAM に書き込ま
れ、そのあと、AutoStore またはソフトウェア STORE の処理中に不揮発性セルに転送されます。F-RAM では、データは瞬時
に不揮発性になるため、これらの機能は無関係です。
4.1
スリープ モード (SLEEP) コマンド
小容量の SPI F-RAM (64KB 以下) で、スタンバイ電流は SPI nvSRAM のスリープ モード電流 (SPI のスリープ モード電流
(IZZ)) に等しいか、またはより低いです。そのため、小容量の SPI F-RAM デバイスでスリープ モードは提供されません。
スリープ モードは容量が 128KB 以上の SPI F-RAM で提供され、スリップ モード (SLEEP) コマンドの実行は SPI nvSRAM
の SLEEP コマンドの場合と同様です。しかし、図 10 と図 11 に示すように、スリープ モードへの移行時間およびウェイクアップ
時間は二つのデバイスの間に違いがあります。
図 10. SPI nvSRAM SLEEP コマンド
図 11. SPI F-RAM SLEEP コマンド
注:

SPI nvSRAM では、SLEEP コマンドが入力した後スリープ モードに移行するのに、約 8ms (tSLEEP、Max) かかります。
̅̅̅̅立ち上がりエッジでスリップ モードに移行します。SPI F-RAM では 8ms の t
SPI F-RAM はCS
SLEEP 待機時間が必要で
はありません。これは SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置き換える際の改善点となります。

SPI nvSRAM では̅̅̅̅
CSが LOW にトグルした後スリップ モードからウェイクアップするために約 20ms (tWAKE、Max) かかり
ます。SPI F-RAM は̅̅̅̅
CSが LOW にトグルした後、スリップ モードからウェイクアップするために約 450µs (tREC、Max) か
かります。SPI F-RAM のウェイクアップ性能は SPI nvSRAM より優れ、これは SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置き
換える際の改善点となります。
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14
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
4.2
デバイス ID 読み出し (RDID) コマンド
デバイス ID の読み出し機能は容量が 64Kb 以下の SPI F-RAM で利用不可です。これらのデバイスは、他のすべてのサ
ポートしない SPI コマンドのようにデバイス ID 読み出し (RDID) コマンドを無視します。容量が 128Kb 以上の SPI F-RAM は
SPI nvSRAM と同様にデバイス ID 読み出しコマンドをサポートします。しかし、二つのデバイス間で RDID 出力は異なります。
SPI nvSRAM は 4 バイトの ID を返しますが、SPI F-RAM は 9 バイトの ID を返します。SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置
き換える際、ファームウェアは SPI F-RAM から 9 バイト ID を読み出すために更新される必要があります。詳細については、
図 12 および図 13 をご参照ください。
図 12. SPI nvSRAM でのデバイス ID の読み出し
図 13. SPI F-RAM でのデバイス ID の読み出し
4.3
シリアル番号読み出し (RDSN、SNR) コマンド
シリアル番号の読み出し (SNR) 機能は 1Mb、3V SPI F-RAM (FM25VN10) にのみあります。その他の F-RAM は、他の
すべてのサポートしない SPI コマンドのように、SNR 読み出しコマンドを無視します。nvSRAM のシリアル番号はシリアル
番号書き込み (WRSN) コマンドでユーザーが書き込み可能ですが、SPI F-RAM では、工場出荷時プログラム済みの読み出
し専用番号です。図 14 に示すように、両方のデバイスの間でシリアル番号を読み出す命令は同一です。SPI nvSRAM から
SPI F-RAM に置き換える際、ファームウェアの変更を必要としません。
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15
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
図 14. シリアル番号読み出し (SPI nvSRAM および SPI F-RAM)
4.4
nvSRAM の特別な機能
SPI nvSRAM 用のファームウェアは AutoStore、ソフトウェア STORE、ソフトウェア RECALL、AutoStore イネーブルや
AutoStore ディスエーブルなどの nvSRAM 特有の機能により追加の論理を含むことがあります。SPI F-RAM に置き換える
際、この論理を除去できます。
4.4.1
Au t o S t o r e
AutoStore は、パワーダウン時に SRAM データを SONOS セルに自動的に格納する nvSRAM 独自の機能です。この
STORE 処理は外付けコンデンサ (VCAP) を使用して、デバイスが電源切断時に不揮発性メモリへ安全にデータを保存できる
̅̅̅̅̅ ピンに置き換えられます。SPI
ようにします。SPI F-RAM に置き換える際、VCAP ピンのコンデンサを SPI F-RAM のWP
F-RAM に置き換える際、ファームウェアの更新を必要としません。
4.4.2
ソフトウェア STORE
ソフトウェア STORE は、特別な SPI 命令を通じて STORE 動作をトリガーする nvSRAM 独自の機能です。不揮発性
STORE 動作は、STORE 命令を実行することによって開始されます。この機能は nvSRAM AutoStore が特別な ASDISB
コマンドにより無効化された場合に使用され、システムは要求に応じてソフトウェア STORE コマンドを使用して SRAM データ
を不揮発性メモリに保存します。この nvSRAM の特別な機能を使用するシステムは、SPI F-RAM に置き換えられません。
しかし、大多数のアプリケーションはデータ ロギングのために nvSRAM AutoStore 機能を使用します。
4.4.3
ソ フ ト ウ ェ ア R E C AL L
ソフトウェア RECALL は、RECALL 動作を開始して不揮発性メモリの内容を SRAM に復元できる nvSRAM 独自の機能です。
これは、RECALL 命令を発行することによって実行されます。この機能はソフト エラーが発生する可能性が高いアプリケー
ションで使用され、システムは RECALL 命令を使用して、影響を受けた SRAM コンテンツに正しいデータを上書きします。
SPI F-RAM のソフト エラー率 (SER) の性能は SPI nvSRAM のそれより優れているため、SPI F-RAM に置き換えるとき、
ファームウェアを変更しなくても同様な SER 性能を得ることができます。SPI F-RAM はソフトウェア RECALL コマンドを無視
します。
4.4.4
Au t o S t o r e イ ネ ー ブ ル お よ び Au t o S t o r e デ ィ ス エ ー ブ ル
AutoStore イネーブル (ASENB) と AutoStore ディスエーブル (ASDISB) は SPI nvSRAM の AutoStore 動作を有効化およ
び無効化する SPI コマンドです。SPI F-RAM は AutoStore 機能をサポートしないため、この 2 つのコマンドは SPI F-RAM に
対してドント ケア コマンドになり、無視されます。SPI nvSRAM から SPI F-RAM に置き換える際、この 2 つの機能に対して
はファームウェア変更を必要としません。
5
まとめ
本アプリケーション ノートでは、SPI nvSRAM から SPI F-RAM デバイスへの置き換えオプションについて説明しました。置き
換える際、パッケージ パラメーター、機能、オペコード、および電気的パラメーターなど二つのデバイスの間のいくつかの相違点を
考慮する必要があります。指定された SPI nvSRAM デバイスを使用する大多数のデザインではハードウェアおよびソフトウェアの
少しの変更で SPI F-RAM に置き換えることができます。
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文書番号: 002-11744 Rev. **
16
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
改訂履歴
文書名: AN202493- SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
文書番号: 002-11744
版
ECN
変更者
発行日
**
5211768
HZEN
04/11/2016
www.cypress.com
変更内容
これは英語版 002-02493 Rev. **を翻訳した日本語版 002-11744 Rev. **です。
文書番号: 002-11744 Rev. **
17
SPI nvSRAM から SPI F-RAM™への置き換え
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