AN96578 Designing with I2C F-RAM (Japanese).pdf

AN96578
I2C F-RAM™によるデザイン
著者: Harsha Medu
関連製品ファミリ: FM24xxx、CY15BxxxJ
関連サンプル コード: 詳細は、こちらをクリックしてください。
関連アプリケーション ノート: 完全な一覧については、こちらをクリックしてください。
AN96578 は高性能の不揮発性シリアル インターフェース メモリである I2C F-RAM™デバイスで設計するのに有用な設計
ガイドラインおよび例の回路を提供しています。
目次
1
はじめに .................................................................... 1
5.6
読み出し動作 .................................................... 9
2
I2C F-RAM のコンフィギュレーション ........................... 2
5.7
スリープモードへの移行................................... 10
2
2.1
I C バス プロトコル機能の適用性 ....................... 2
5.8
デバイス ID ..................................................... 10
2.2
I2C F-RAM デバイスのオプション ....................... 2
5.9
シリアル番号 ................................................... 10
2
2
3
I C F-RAM システム – 標準コンフィギュレーション ....... 3
6
I C F-RAM のサンプル コード .................................. 10
4
I2C F-RAM の設計基準.............................................. 4
7
まとめ ...................................................................... 10
4.1
電源電圧 (VDD) ................................................. 5
8
関連アプリケーション ノート ...................................... 10
4.2
5
1
総バス容量 (CB)................................................ 6
改訂履歴 .......................................................................... 11
I2C F-RAM 動作 ........................................................ 7
ワールドワイドな販売と設計サポート ................................. 12
5.1
WP ピン ............................................................ 7
製品 ................................................................................. 12
5.2
A0、A1、A2 ピン ................................................ 7
PSoC®ソリューション ........................................................ 12
5.3
スレーブ アドレス ............................................... 7
サイプレス開発者コミュニティ ............................................ 12
5.4
アドレス バイト ................................................... 7
テクニカル サポート .......................................................... 12
5.5
書き込み動作 .................................................... 8
はじめに
強誘電体ランダム アクセス メモリ (F-RAM) は強誘電体技術を使ってデータを格納する不揮発性メモリです。シリアル
F-RAM デバイスはその遅延がない (いわばゼロ遅延) 書き込みのため、他の不揮発性シリアルメモリに勝る利点を提供して
います。F-RAM は数十マイクロ秒で数百バイトを書き込むことができます。それに対して、EEPROM とフラッシュ メモリは、
数十ミリ秒で同じ量のデータを書き込みます。電源を失う前にデータをすぐに書き込む F-RAM の能力はパワーダウン
イベントにマシン ステート情報、パラメーター設定、または他の重要なデータを保存する必要とするシステムに特に有用です。
また、F-RAM は他の不揮発性のソリューションに比べてアクセス可能回数が非常に高いため、不揮発性のセルを破損せず
に F-RAM へ多く書き込む/読み出すことができます。
F-RAM は RAM と不揮発性メモリの利点を合わせて持っているため、真の意味での不揮発性 RAM です。それは SPI、I2C、
およびパラレルなどの異なるインターフェース オプションで利用できます。本アプリケーション ノートは F-RAM の I2C
インターフェースについて説明します。本アプリケーション ノートは異なる I2C F-RAM のコンフィギュレーションについて説明し、
一般的なシステムでの I2C F-RAM インターフェースを示し、システムでの使用方法およびアクセス用のデータ フォーマット
についての設計ガイドラインを記述します。AC、DC、およびタイミング パラメーターなどの他の情報については、具体的な
I2C F-RAM データシートを参照してください。
www.cypress.com
文書番号: 001-98471 Rev. **
1
2
I C F-RAM™によるデザイン
I2C F-RAM のコンフィギュレーション
2
I2C F-RAM は、I2C-バス仕様で定義されているように、最大 3.4Mbps のデータ転送速度とすべての低い周波数でのアクセス
をサポートしています。




スタンダード モード (Sm): ビット レートが最大 100Kbps
ファースト モード (Fm): ビット レートが最大 400Kbps
ファースト モード プラス (Fm+): ビット レートが最大 1Mbps
ハイスピード モード (Hs): ビット レートが最大 3.4Mbps
Sm、Fm、および Fm+のバス モードはすべてのデバイス コンフィギュレーションで提供されています。Hs モードは FM24Vxx
および CY15BxxxJ シリーズのデバイスのみで提供されています。
2.1
I2C バス プロトコル機能の適用性
表 1 は、標準的な I2C のスレーブバス仕様の必須の機能と任意選択の機能をまとめているものです。I2C F-RAM は、標準的
な I2C のスレーブ デバイスのすべての必須機能に対応しています。
表 1. I2C プロトコルの適用性
2
2
特長
I C 仕様規格
I C F-RAM
START 状態
必須
提供
STOP 状態
必須
提供
アクノリッジ
必須
提供
7 ビットスレーブ アドレス
必須
提供
10 ビットスレーブ アドレス
任意
提供なし
クロック ストレッチ
任意
提供なし
一般的な呼び出しアドレス
任意
提供なし
デバイス ID
任意
ソフトウェア リセット
任意
提供
1
提供なし
1. デバイス ID 機能は FM24VXX および CY15BxxxJ デバイスのみで提供されています。
2.2
I2C F-RAM デバイスのオプション
表 2 に示すように、サイプレスは異なるコンフィギュレーションとパッケージで I2C F-RAM に対応しています。
表 2. I2C F-RAM のコンフィギュレーション
2
製品番号
ステータス メモリ容量
動作電圧
(Typ)
パッケージ
I C バス
A1/ A2 に対する デバイス シリアル スリープ Hs モード
WP ピン A0 ピン
ピン
ID
デバイス
番号
モード (3.4MHz)
数
FM24C04B
量産中
4Kb
5.0V
8 ピン SOIC
有
無
有
4
無
無
無
無
FM24CL04B
量産中
4Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
無
有
4
無
無
無
無
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文書番号: 001-98471 Rev. **
2
2
I C F-RAM™によるデザイン
2
製品番号
ステータス メモリ容量
動作電圧
(Typ)
パッケージ
I C バス
A1/ A2 に対する デバイス シリアル スリープ Hs モード
WP ピン A0 ピン
ピン
ID
デバイス
番号
モード (3.4MHz)
数
FM24C16B
量産中
16Kb
5.0V
8 ピン SOIC
有
無
無
1
無
無
無
無
FM24CL16B
量産中
16Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
無
無
1
無
無
無
無
8 DFN
FM24C64B
量産中
64Kb
5.0V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
無
無
無
無
FM24CL64B
量産中
64Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
無
無
無
無
8 DFN
FM24V01
NRND
1
128Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
FM24V01A
量産中
128Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
CY15B128J
量産中
128Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
FM24V02
NRND
1
256Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
FM24V02A
量産中
256Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
CY15B256J
量産中
256Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
FM24W256
量産中
256Kb
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
無
無
無
無
FM24V05
量産中
512KB
3.3V
8 ピン SOIC
有
有
有
8
有
無
有
有
FM24V10
量産中
1Mb
3.3V
8 ピン SOIC
有
無
有
4
有
無
有
有
FM24VN10
量産中
1Mb
3.3V
8 ピン SOIC
有
無
有
4
有
有
有
有
1.
3
新しいデザインへのご利用はお勧めできない
I2C F-RAM システム – 標準コンフィギュレーション
図 1 に標準的な I2C のシングル マスター マルチ スレーブのコンフィギュレーションを示します。I2C マスター デバイスは任意
の I2C マスター プロトコルを生成できるマイクロコントローラまたはプログラム可能なデバイスです。スレーブ デバイスは任意
の標準 I2C のスレーブ デバイスです。図 1 では、スレーブ デバイスは I2C F-RAM デバイス。512K ビット以下のメモリ容量の
I2C F-RAM デバイスは、3 つのスレーブ アドレス指定ビット(A0、A1、および A2) をサポートしているため、1 つの I2C バスで
最大 8 個のデバイスを接続できます。図 2 に標準 I2C F-RAM スレーブ デバイスを示されています。スレーブ選択アドレス
ライン (A2、A1、A0) を設定することでユニークなスレーブ ID が各スレーブ デバイスに割り当てられます。4Kb または
1Mb I2C F-RAM 等の A0 というスレーブ選択アドレスがないパッケージでは、スレーブ選択アドレス ピン A2 と A1 を設定
することで 1 つのバスを共有して最大 4 個のスレーブ デバイスのみ接続できます。16Kb F-RAM デバイスでは、デバイス
選択アドレス ピン (A0、A1、および A2) は備えていないため、バスを介して接続できるのは 1 個のデバイスのみです。
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文書番号: 001-98471 Rev. **
3
2
I C F-RAM™によるデザイン
図 1. シングル マスターのマルチ スレーブ I2C のコンフィギュレーション
スレーブ デバイス
#
4
図 2. I2C F-RAM スレーブ デバイス
I2C F-RAM の設計基準
I2C はクロックを送信するために使用される SCL ラインとデータを送信するために使用される SDA ラインを有する 2 線式の
同期バスです。I2C F-RAM デバイスでは、SCL ラインは入力であり、SDA ラインはオープン ドレイン出力です。オープン
ドレインにより、1 本のデータ ラインとマルチマスターのサポートの双方向通信を実装するために、バスの制御に対する簡単
なアービトレーションが可能になります。SCL ラインは、F-RAM で入力ですが、マスターでオープン ドレイン出力です。従って、
SCL と SDA ラインの両方は、リリースされる際にラインをプルアップするための VDD の外部抵抗を必要とします。
プルアップ抵抗値 (RP)を決定する際に、以下の 2 要素に考慮する必要があります:


電源電圧 (VDD)
総バス容量 (CB)
注: 次の節のプルアップ抵抗値の計算は I2C F-RAM SDA ラインのためのものです。マスターI2C デバイスに基づいて、SCL
ラインのプルアップ抵抗値を決定するために以下に示されている計算を繰り返される必要があります。
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文書番号: 001-98471 Rev. **
4
2
I C F-RAM™によるデザイン
4.1
電源電圧 (VDD)
図 3 は I2C 論理レベルを示します。I2C 仕様では、論理レベル LOW は通常電源電圧の 30%に等しい VIL より低い電圧
レベルと定義されています。論理レベル HIGH は、通常電源電圧の 70%に等しい VIH より高い電圧レベルと定義されて
います。これらの 2 レベルの間の電圧は未定義です。
図 3. I2C バス論理レベル
供給源電圧はプルアップ抵抗 (RP) の最小値を制限します。図 4 に示すように、プルアップ抵抗はデバイス トランジスタの
ON になっている抵抗と合わせて、分圧回路のネットワークを形成します。堅牢なプルアップ抵抗により、ラインが論理 LOW
として検出されるまで LOW (VIL 以下) にプルダウンされることを防ぐことができます。
図 4. I2C バス ライン
トランジスタの ON 抵抗は一般的に指定されていません。その代わりに、最大シンク電流 (IOL) は指示され、よって、
トランジスタでの電圧降下 は出力論理 LOW 電圧レベル (VOL) より低くなければなりません。
VDD – (IOL × RP) ≤ VOL、
すなわち、
RP ≥
VDD - VOL
IOL
3.6V の最大 VDD 電圧で動作する一般的な 3.0V I2C F-RAM 製品については、VOL 仕様は 2mA の IOL で最大 0.4V です。
従って
RP ≥
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3.6 – 0.4
、
2 × 10-3
すなわち、
文書番号: 001-98471 Rev. **
RP ≥ 1.6 kΩ
5
2
I C F-RAM™によるデザイン
4.2
総バス容量 (CB)
バス容量は、すべてのピン、接続部、プリント基板の配線およびワイヤーの合計である総静電容量です。 SDA と SCL ライン
の長い配線またはケーブル接続に重要かもしれません。SDA と SCL ラインが リリースされている際に、外部抵抗 (RP) で
プルアップされます。プルアップ抵抗 (RP) は、 バス容量 (CB)、と組み合わせて、RC 回路を形成し、その結果、SDA と SCL
ラインの立ち上がり時間を制限します。立ち上がり時間は、高速モードの動作において重要であり、抵抗値があまりに高い
ならば、ラインは時間内に論理 HIGH まで上がれないかもしれません。従って、バス容量は立ち上がり時間と次にプルアップ
抵抗を制限します。
RC 回路の場合、
V(t)
)
VDD
図 5 に示すように、I2C の場合、立ち上がり時間(tr) は、SDA または SCL ラインが VIL (0.3 × VDD) から VIH (0.7 × VDD) まで
上がるためにかかる時間とされます。
V(t) = VDD (1 - e-t/RC)
、すなわち、
t = –RC ln(1 –
VIL レベルに充電するためにかかる時間は
t1 = –RPCB ln(1 –
0.3 × VDD
) = 0.356675 × RPCB
VDD
VIH レベルに充電するためにかかる時間は
t2 = –RPCB ln(1 –
0.7 × VDD
) = 1.203973 × RPCB
VDD
従って、立ち上がり時間は
tr = t2 - t1 = (1.203973 × RPCB) – (0.356675 × RPCB) = 0.8473 × RPCB
Fm モードの I2C F-RAM の場合、立ち上がり時間 tr = 120ns です。従って、
120 × 10-9 = 0.8473 × RPCB
2
図 5. I C ラインの立ち上がり時間
低消費電力の設計では、電流消費量を制限するために範囲の上半にあるプルアップ抵抗値 (RP) を使用したほうが良いです。
表 3 は、特定のバス負荷条件と動作電圧に応じた RP (Min、Max) の値の一覧を記載します。網掛け領域は、特定の動作
電圧の条件下でいくつかのバス負荷 (CB) で RP (Min) が RP (Max) の値を超えていることを示します。RP (Min) が RP (Max)
の値を超えてはいけないため、これらの場合 I2C バスに使用される最大の容量負荷 (CB) の制限が発生します。例えば、
3V の製品が最小 VDD 電源 (VDD = 2.7V) で動作するように構成された場合、システムは表 3 に示す SDA ラインの負荷
(pF 単位) を超えてはいけません。I2C マスターのために同様の計算を SCL ライン上で行うことができます。
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文書番号: 001-98471 Rev. **
6
2
I C F-RAM™によるデザイン
表 3. 異なるバス負荷と動作電圧に応じた RP (Min、Max)
VDD = 3.6V、R P(min) = 1.6kΩ
VDD = 3.0V、R P(min) = 1.3 kΩ
RP(Max) k Ω
周波数
tRps
1MHz
120000
3.4MHz
80000
14.16
7.08
4.72
3.54
2.83
2.36
2.02
1.77
1.57
1.42
1.13
0.94
0.81
0.71
0.57
0.47
0.40
0.35
0.31
0.28
0.26
9.44
4.72
3.15
2.36
1.89
1.57
1.35
1.18
1.05
0.94
0.76
0.63
0.54
0.47
0.38
0.31
0.27
0.24
0.21
0.19
0.17
CBpF
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
125
150
175
200
250
300
350
400
450
500
550
5
VDD = 2.7V、R P(min) = 1.15kΩ
RP(Max) k Ω
周波数
tRps
1MHz
120000
3.4MHz
80000
14.16
7.08
4.72
3.54
2.83
2.36
2.02
1.77
1.57
1.42
1.13
0.94
0.81
0.71
0.57
0.47
0.40
0.35
0.31
0.28
0.26
9.44
4.72
3.15
2.36
1.89
1.57
1.35
1.18
1.05
0.94
0.76
0.63
0.54
0.47
0.38
0.31
0.27
0.24
0.21
0.19
0.17
CBpF
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
125
150
175
200
250
300
350
400
450
500
550
VDD = 2.0V、R P(min) = 0.8kΩ
RP(Max) k Ω
周波数
tRps
1MHz
120000
3.4MHz
80000
14.16
7.08
4.72
3.54
2.83
2.36
2.02
1.77
1.57
1.42
1.13
0.94
0.81
0.71
0.57
0.47
0.40
0.35
0.31
0.28
0.26
9.44
4.72
3.15
2.36
1.89
1.57
1.35
1.18
1.05
0.94
0.76
0.63
0.54
0.47
0.38
0.31
0.27
0.24
0.21
0.19
0.17
CBpF
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
125
150
175
200
250
300
350
400
450
500
550
RP(Max) k Ω
周波数
tRps
1MHz
120000
3.4MHz
80000
14.16
7.08
4.72
3.54
2.83
2.36
2.02
1.77
1.57
1.42
1.13
0.94
0.81
0.71
0.57
0.47
0.40
0.35
0.31
0.28
0.26
9.44
4.72
3.15
2.36
1.89
1.57
1.35
1.18
1.05
0.94
0.76
0.63
0.54
0.47
0.38
0.31
0.27
0.24
0.21
0.19
0.17
CBpF
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
125
150
175
200
250
300
350
400
450
500
550
I2C F-RAM 動作
次の節は I2C F-RAM 動作を簡単に説明します。詳細説明についてはそれぞれのデータシートを参照してください。
5.1
WP ピン
WP (書き込み保護) ピンは、VDD に引っ張られているメモリ全体を保護します。これは、GPIO を介してマイクロコントローラー
によって制御されることができます。書き込み保護機能を使わないアプリケーションでは、このピンを開放のままにしても良い
です。内部プルダウンはピンを LOW にします。
5.2
A0、A1、A2 ピン
A0、A1、A2 ピンは I2C F-RAM デバイスのためのデバイス アドレス選択を制限します。これらのピンは内部で LOW に
プルダウンされるため、未接続 (開放) のままにされている場合デフォルト デバイス アドレスは 000 です。A0、A1、A2 の設定
の異なる組み合わせで同じ I2C バスに最大 8 個の F-RAM デバイスが接続できます。ほとんどの I2C F-RAM デバイスには
全 3 つのデバイス アドレス選択ピンがあります。例外は A0 ピンを持っていない 4Kb と 1Mb デバイス、およびアドレス選択
ピンを持っていない 16Kb デバイスです。
5.3
スレーブ アドレス
I2C F-RAM スレーブ アドレスは固定 4 ビットのスレーブ ID 1010b およびユーザーがコンフィギュレーション可能な 3 ビット
デバイス選択ビット (A0、A1、および A2 ピンによって決定) を含む 7 ビット ID です。
5.4
アドレス バイト
表 4 に示すように、メモリ容量に基づいて、I2C F-RAM 読み出し/書き込みは 1 または 2 バイト アドレスを持ちます。
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文書番号: 001-98471 Rev. **
7
2
I C F-RAM™によるデザイン
表 4. I2C F-RAM の異なる容量のためのアドレス バイト
スレーブ アドレス バイト
メモリ
容量
ビット
7
ビット
6
ビット
5
ビット
4
アドレス バイト 2 (MSB)
ビット
3
ビット
2
ビット
1
A1
A8
1
A8
4Kb
スレーブ デバイス アドレス
A2
16Kb
スレーブ デバイス アドレス
A10
1
A9
1
1
ビット
0
ビット
7
ビット
6
ビット
5
ビット
4
ビット
3
ビット
2
アドレス バイト 1 (LSB)
ビット
1
ビット
0
ビット
7
ビット
6
ビット
5
ビット
4
ビット
3
ビット
2
ビット
1
ビット
0
R/W
該当なし
2
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
R/W
該当なし
2
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
64Kb
スレーブ デバイス アドレス
A2
A1
A0
R/W
X
3
X
3
128Kb
スレーブ デバイス アドレス
A2
A1
A0
R/W
X
3
X
3
256Kb
スレーブ デバイス アドレス
A2
A1
A0
R/W
X
3
A14
A13
A12
A11
A10
A9
A8
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
スレーブ デバイス アドレス
A2
A1
A0
R/W
A15
A14
A13
A12
A11
A10
A9
A8
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
スレーブ デバイス アドレス
A2
A1
A16
R/W
A15
A14
A13
A12
A11
A10
A9
A8
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
512KB
1Mb
5.5
1
3
X
A12
A11
A10
A9
A8
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
A13
A12
A11
A10
A9
A8
A7
A6
A5
A4
A3
A2
A1
A0
1.
これはページ選択アドレス ビットです。
2.
4Kb と 16Kb 容量 F-RAM には 1 バイト アドレスがあります。
3.
最上位アドレス バイトの未使用ビットは「ドントケア」ビットで、F-RAM はそれらを無視します。ただし、ファームウェア内で未使用の
アドレス ビット位置を「0」にセットするのは良い方法です。このアプローチにより、将来のさらなる大容量オプションに移行する際に、
ファームウェアを更新するのは容易になります。
書き込み動作
すべての書き込みは、マスターが I2C バスでの通信のためにデバイスを識別するスレーブ アドレスを送信することで始まり
ます。 書き込み動作は「0」にスレーブ アドレス (R/Wビット) の最下位ビットを設定することで示されます。表 4 に記載されて
いるように、F-RAM デバイスの容量に基づいて、スレーブアドレスの後に 2 バイトまたは 1 バイト アドレスが続きます。
4Kb、16Kb、および 1Mb I2C F-RAM デバイスの場合、スレーブ アドレスはメモリ アドレスのいくつかの最上位ビットを含み
ます。アドレスの後に書き込むデータが続きます。各バイトごとに、F-RAM スレーブは 1 つの ACK 信号を生成します。書き
込み動作は STOP 条件で終了されます。
図 6 はシングルバイト書き込みを示し、図 7 はマルチバイト書き込みを示し、図 8 は高速な書き込みを示します。HS モードは
書き込み動作が開始する前に Hs モード コマンド (0x08) を必要とします。
図 6. シングルバイト書き込み動作 (256Kb F-RAM)
図 7. マルチバイト書き込み動作 (256Kb F-RAM)
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文書番号: 001-98471 Rev. **
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I C F-RAM™によるデザイン
図 8. HS モード シングルバイト書き込み動作 (256Kb F-RAM)
5.6
読み出し動作
読み出し動作は、現在のアドレス読み出しと選択的な (ランダム) アドレス読み出しのいずれかに関わります。現在のアドレス
読み出しでは、図 9、図 10、および図 11 に示すように、I2C F-RAM は最後の読み出し/書き込み動作で内部ラッチされた
アドレスを使用します。選択的な (ランダム) アドレス 読み出しでは、図 12 に示すように、データ読み出し対象のアドレスが
指定されます。
図 9. シングルバイトの現在アドレス読み出し動作 (256Kb F-RAM)
図 10. マルチバイト (連続) の現在アドレス読み出し動作 (256Kb F-RAM)
図 11. HS モードでのシングルバイト現在アドレス読み出し動作 (256Kb F-RAM)
図 12. シングルバイトの現在アドレス読み出し動作 (256Kb F-RAM)
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2
I C F-RAM™によるデザイン
5.7
スリープモードへの移行
表 2 に記載するように、「スリープ モード」と呼ばれている低電力モードはいくつかの I2C F-RAM デバイスに実装されてい
ます。図 13 に示すように、F-RAM デバイスはコマンド 0x86 でスリープ モードに移行します。
図 13. スリープ モードへの移行
5.8
デバイス ID
ほとんどの F-RAM 製品は、メーカーID と製品 ID を含む 3 バイトのデバイス ID を定義します。図 14 に示すように、この
デバイス ID は 0xF9 コマンドを使用して読み出すことができます。
図 14. デバイス ID の読み出し
5.9
シリアル番号
FM24VN10 は、各デバイスおよび読み出しに固有のシリアル番号を定義します。このシリアル番号は、図 15 に示すように、
8 バイトの番号で、0xCD コマンドを使用して読み出すことができます。
図 15. シリアル番号の読み出し
6
I2C F-RAM のサンプル コード
I2C F-RAM のサンプル コードについては、アプリケーション ノート「AN74875 - Designing with Serial I2C nvSRAM」を参照
してください。AN74875 はサイプレスの不揮発性 RAM 製品 (nvSRAM と F-RAM) のための PSoC Creator コンポーネント
(nvRAM) を有する 1 つの関連プロジェクトを提供しています。PSoC Creator コンポーネントはメモリの読み出しと書き込みを
するための API を提供します。また、デバイス ID、シリアル番号、およびスリープ モードへの移行を実行する API を持ちます。
7
まとめ
本アプリケーション ノートはサイプレス I2C F-RAM によるアプリケーション設計のガイドラインを説明します。I2C F-RAM は、
他の全ての不揮発性 I2C メモリ製品と同様に、標準的な I2C アクセス プロトコルをサポートしています。これにより、F-RAM と
I2C マスター コントローラーとの互換性があり、システム開発サイクル時間を低減します。
8
関連アプリケーション ノート
2
AN407 - A Design Guide to I C F-RAM Processor Companions
AN94901 - Migrating from FM24V02/FM24V01 to FM24V02A/FM24V01A
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文書番号: 001-98471 Rev. **
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I C F-RAM™によるデザイン
改訂履歴
文書名: AN96578 - I2C F-RAM™によるデザイン
文書番号: 001-98471
版
ECN
変更者
発行日
**
4865407
HZEN
07/30/2015
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変更内容
これは英語版 001-96578 Rev. **を翻訳した日本語版 001-98471 Rev. **です。
文書番号: 001-98471 Rev. **
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I C F-RAM™によるデザイン
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