概要 ___________________________________ 特長 ___________________________________ MAX2602評価キット( E Vキット)は、900MHz帯域 アプリケーション用のMAX2602 1W RFパワートラン ジスタの評価作業を容易にします。本E Vキットは、 コンスタントエンベロープアプリケーション用の3.6V、 836MHz 、 1W(30dBm)RF パ ワ ー ア ン プ の 中 で MAX2602を動作させます。 ◆ 出力電力(836MHz):1W(30dBm) 本E Vキットは、内部バイアスダイオード付の MAX2602を装備して出荷されています。MAX2602 EVキットに簡単な修正を施すことにより、内部バイアス ダイオードを持たないMAX2601のエミュレーションも 可能です。 部品リスト _____________________________ 名称 数量 C1, C2 2 2pF表面実装コンデンサ 説 明 C3 1 10pF表面実装コンデンサ ◆ 50Ω入出力 ◆ 電源電圧範囲:+2.7V∼+5.5V ◆ 利得(836MHz):11dB 型番 ___________________________________ PART MAX2602EVKIT-SO TEMP. RANGE -40°C to +85°C クイックスタート _______________________ 以下に、MAX2602 E Vキットを1W RFパワーアンプと して設定する手順について説明します。 必要な試験機器 ¥ 836MHzで少なくとも20dBmの出力パワーを持った RF信号発生器 C4 1 12pF表面実装コンデンサ C5–C8, C11, C12 6 1000pF表面実装コンデンサ C9, C11 2 0.1µF表面実装コンデンサ L1 1 100nH表面実装インダクタ L2 1 18.5nH表面実装スプリングインダクタ Coilcraft A05T(注1) ¥ R1 1 430Ω表面実装抵抗 接続及びセットアップ R2 1 24Ω表面実装抵抗 R3 1 0Ω抵抗 IN, OUT 2 エッジマウントSMAコネクタ U1 1 MAX2602ESA(8ピン放熱強化SOP) None 1 MAX2601/MAX2602データシート None 1 プリント基板 注1:Coilcraft社へは、電話(800)322-2645、ファックス (847)639-1469又はホームページ http://www.coilcraft.comにお問合わせください。 BOARD TYPE Surface Mount ¥ 少なくとも30dBm(1W)のRF電力を扱えるアッテ ネータ(試験機器の保護に使用) ¥ 836MHzで使用できるRFスペクトルアナライザ (電力計で代替可) +2.7V∼+5.5Vで1Aを供給できるDC電源 E Vキットの接続は、以下の手順で行ってください。 1) 836MHzで少なくとも20dBmを供給する能力のあ る50Ω RF信号発生器をRF入力SMAコネクタ(“IN”) に接続します。発生器の初期出力は小さな電力(例え ば-10dBm)に設定します。この時点で発生器のRF 出力はオフにしておきます。 2) 出力SMAコネクタ(“OUT”)に、1Wの電力を扱える 固定アッテネータを接続します。このアッテネータ は試験機器への電力を低減し、過負荷から保護しま す。このアッテネータの出力を、836MHzを表示す るように設定されたスペクトルアナライザに接続し ます。アナライザのリファレンスレベルオフセット を調節することにより、アッテネータに対する補償 ができる場合があります。詳細については、スペク トルアナライザのメーカにお問い合わせください。 3) 電源を+3.6V、電流リミット1Aに設定します。出力 をディセーブルします。電流計を通じて電源をE V キットのV C端子に接続します。 ________________________________________________________________ Maxim Integrated Products 1 Evaluates: MAX2601/MAX2602 MAX2602評価キット Evaluates: MAX2601/MAX2602 MAX2602評価キット 4) 同じ電源を別のリードでE VキットのV B 端子に接続 します。 ダクタンスが大きいとRFコモンエミッタアンプの性能 が劣化するためです。この裏側の接続部は放熱の主要 な経路でもあるため、大きなグランドプレーンに接続 する必要があります。 5) トランジスタや試験機器の損傷を防ぐため、全ての 接続が正しいことを確認します。 6) 3.6V電源を投入します。RF発生器がオフの時の 消費電流を記録します。これは約100mAである はずです。 バイアス コンデンサC5、C9及びC11はバイアス回路のデカップ リング用です。トランジスタのバイアス電流は、内部 バイアスダイオードの電流によって設定されます。こ の電流は、次式で設定されます。 7) RF信号発生器を作動させ、発生器出力電力をゆっくり と20dBmまで増加させます。この時点で、消費電流 は約500mA、出力電力は30dBmであるはずです。 IB = 詳細 ___________________________________ 図1は、出荷時のMAX2602 E Vキットの回路図です。 本回路は4つのブロック(電源デカップリング、バイアス ネットワーク及び入力と出力のマッチングネットワーク) で構成されています。本ボード上のアンプはA B級動作用 にバイアスされ、出力電力は1Wとなっており、高効率 を提供します。 コレクタ電流は、バイアス電流に対してスケーリング されています(IC = 15 I B )。R3はジャンパとして使用さ れ て い ま す 。 ト ラ ン ジ ス タ の ベ ー ス は 、 R2 及 び L1 (チョークコイル)を通じてバイアスされています。内部 バイアスダイオードの動作の詳細については、 MAX2601/MAX2602のデータシートを参照してくだ さい。 電源デカップリング回路及びグランド コンデンサC8及びC10は、V Cのデカップリング用です。 コレクタには2つの個別のピンがあります。1つはV C 入力用(チョークL2を通じて接続)で、もう1つはRF 出力用です。 MAX2602の最も重要な接続部はボードの上側では なく、グランドに接続される裏側のエミッタ接続部です。 この接続部では、エミッタのインダクタンスをできる だけ小さく維持します。これは、一般にエミッタイン C11 1000pF R1 430Ω VB C9 0.1µF C5 1000pF L1 100nH 入力マッチングネットワーク トランジスタのRF入力のインピーダンスは50Ωではな いため、50Ω環境で適正に動作させるにはマッチング ネットワークが必要です。このネットワークは、50Ω 伝送ライン(T1)から約2.5cm離れて配置されたコンデンサ C1(グランドに接続)、DCブロッキングコンデンサ(C6) 及びトランジスタのベースでのシャント抵抗(C4)で 構成されています。 C12 1000pF R3 0Ω L2 18.5nH R2 24Ω 3 1 C6 1000pF 4 VC C8 1000pF T1 C4 12pF OUT 8 5 C1 2pF C10 0.1µF C7 1000pF U1 IN VB - 0.75V R1 C3 10pF T2 C2 2pF 2, 6, 7 BACK-SIDE SLUG 図1. MAX2602 EVキットの回路図 2 _______________________________________________________________________________________ MAX2602評価キット C9 0.1µF C5 1000pF L1 100nH C12 1000pF L2 18.5nH R2 24Ω 3 1 C6 1000pF IN 4 5 C1 2pF T1 C4 12pF VC C8 1000pF C10 0.1µF C7 1000pF OUT 8 U1 C3 10pF T2 C2 2pF 2, 6, 7 BACK-SIDE SLUG 図2. バイアスダイオードがない場合のMAX2602 EVキットの回路図 出力マッチングネットワーク RF出力はピン8から取られ、インピーダンスは50Ωで はないため、マッチングネットワークが必要です。 マッチングネットワークはコレクタにおけるシャント コンデンサ(C3)、DCブロッキングコンデンサ(C7)、 50Ω伝送ライン(T2)及びシャントコンデンサ(C2)で 構成されています。 バイアスダイオードなしのMAX2602の評価方法 MAX2602 を バ イ ア ス ダ イ オ ー ド な し ( 機 能 的 に MAX2601と等価)で評価するには、0Ω抵抗(R3)を取り 外し、430Ω抵抗(R1)を0Ω抵抗(短絡)で置き換える必要 があります(図2)。ここで、外部バイアス電圧をEVキット のV B 入力に接続できます。バイアスダイオードは接続 されていないため、E Vキットは外部バイアス電圧なし では動作しません。このモードにおけるMAX2602の 損傷を防ぐため、V B 電源を投入する前に必ずV C電源を 投入してください。ターンオフする時は、V B 電源を 先にオフにしてからV C電源をオフにしてください。 標準的に0V∼0.85Vの範囲の外部バイアス電圧が使用 されます。 レイアウト上の考慮 _____________________ 最良の結果を得るには、MAX2602 E Vキットをレイ アウトの指針にしてください。最も重要な接続は、 MAX2602の裏側のエミッタグランド接点です。E V キットのこの接点は、ボード上の素子の直下にある 大きなメッキされたスルーホール(直径2.5mm)を通じ て接続されています。この接点は低インダクタンス エミッタグランドであると共に、主要な放熱経路でも あるため、大きなグランドプレーンに直接ハンダ付け する必要があります。MAX2602EVキットは、グランド プレーンをヒートシンクとして使用しています。 _______________________________________________________________________________________ 3 Evaluates: MAX2601/MAX2602 C11 1000pF R1 0Ω VB Evaluates: MAX2601/MAX2602 MAX2602評価キット 1.0" 図3. MAX2602 EVキットの部品配置図 1.0" 図4. MAX2602 EVキットのPCボードレイアウト(部品面側) 1.0" 図5. MAX2602 EVキットのPCボードレイアウト (ハンダ面側、グランドプレーン及びヒートシンク) 〒169 -0051東京都新宿区西早稲田3-30-16(ホリゾン1ビル) TEL. (03)3232-6141 FAX. (03)3232-6149 マキシム社では全体がマキシム社製品で実現されている回路以外の回路の使用については責任を持ちません。回路特許ライセンスは明言されていません。 マキシム社は随時予告なしに回路及び仕様を変更する権利を保留します。 4 _____________________Maxim Integrated Products, 120 San Gabriel Drive, Sunnyvale, CA 94086 408-737-7600 © 1997 Maxim Integrated Products is a registered trademark of Maxim Integrated Products.