ASAHI KASEI [AK2360] AK2360 無線機用秘話LSI 特 長 □ 周波数反転方式による無線機用秘話 LSI □ 高品質な再生音質 S/N=47dB(Typ)、S/(N+D)=50dB(Typ) □ 反転周波数(3.376kHz/3.020kHz)および音声通過帯域を切替え可能 □ 秘話バイパス機能内蔵 □ 2.525MHz(10.1MHz の 4 分周波)のクロック入力に対応 □ 動作電圧:2.6~3.3V □ 動作温度:-30~+85℃ □ パッケージ:8-pin SON CNT ブロック図 AIN AOUT AAF LPF1 BUF DIV DBM SMF LPF2 AGND MS0392-J-00 VSS VDD SLCT CLK + AGND Power down at “CNT=L” + 2005/05 -1- ASAHI KASEI [AK2360] 目 次 ・特 長 …………………………………………………………………… 1 ・ブロック図 …………………………………………………………………… 1 ・概 要 …………………………………………………………………… 3 ・回 路 構 成 …………………………………………………………………… 3 ・ピン/機 能 …………………………………………………………………… 4 ・絶 対 最 大 定 格 …………………………………………………………………… 5 ・推 奨 動 作 条 件 …………………………………………………………………… 5 ・デジタル DC 特 性 ………………………………………………………………… 5 ・クロック入 力 特 性 ………………………………………………………………… 5 ・消 費 電 流 ……………………………………………………………………… 6 ・アナログ特 性 ……………………………………………………………………… 6 ・外 部 接 続 回 路 推 奨 例 …………………………………………………………… 7 ・パッケージ 9 ……………………………………………………………………… ・ 重要な注意事項 ……………………………………………………………………… MS0392-J-00 10 2005/05 -2- ASAHI KASEI [AK2360] 概 要 AK2360 は、half-duplex 通信に適した無線機用秘話 LSI です。秘話方式は、音声信号成分をキャリア周波数 を中心に DBM(Double Balanced Mixer)を用いて反転させる単純周波数反転方式を採用しています。 反転周波数および音声通過帯域は、SLCT 端子からの設定により切り替えが可能です。また秘話機能は CNT 端子によりバイパスでき、それにともない一部の回路ブロックがパワーダウンします。 ブロック図に示す通り DBM の前後に各種フィルタを配することで、S/N=40dB 以上、S/(N+D)=43dB 以上の 特性を実現でき、秘話回路使用時の音質の劣化を低く抑えることができます。 □ ピン配置 (Top view) AGND 1 8 AOUT AIN 2 7 CNT VSS 3 6 SLCT CLK 4 5 VDD 回路構成 ブロック 機 能 AAF 後段の SCF(Switched Capacitor Filter)回路で発生する折り返しのノイズを防止するための アクティブ Low-pass フィルタです。 LPF1 AIN 端子より入力される音声信号の帯域を制限する Low-pass フィルタです。 DBM 周波数反転を行なう二重平衡変調器です。キャリア周波数は SLCT 端子への入力レベル で切替えが可能です。 LPF2 DBM でのミキシングにより発生する上側波成分を除去するための Low-pass フィルタです。 SMF LPF2 で発生する高調波成分とクロック成分を除去するための Smoothing フィルタです。 BUF CLK 端子から入力されるクロック信号のレベルを調整する Buffer 回路。 DIV クロック信号を分周し、SCF 回路のクロックや DBM のキャリア周波数を生成します。 AGND 内部アナログ回路の基準電圧(1/2VDD)を発生するための回路です。 MS0392-J-00 2005/05 -3- ASAHI KASEI [AK2360] ピン/機能 ピン 番号 ピン 名称 ピン タイプ 機 能 1 AGND AO アナロググランド出力端子 アナロググランドを安定化するためのコンデンサを接続します。 2 AIN AI 音声信号入力端子 3 VSS PWR 4 CLK AI 5 VDD PWR 6 SLCT DI 負電源接続端子 0V の電圧を印可してください。 クロック信号入力端子 外部接続回路推奨例をご参照ください。 正電源接続端子 2.6~3.3V の範囲でノイズの少ない電源に接続してください。また VSS 端子間 に 0.1µF 以上のバイパスコンデンサを接続してください。 キャリア周波数切替え端子 秘話回路のキャリア周波数および音声通過帯域を切替えます。 入力レベル High Low キャリア周波数 3.376kHz 3.020kHz 音声通過帯域 290 ~ 3090Hz 260 ~ 2760Hz 注1) 秘話回路バイパス端子 AAF ブロックから LPF2 ブロックまでをバイパスします。バイパス時、これらの ブロックはパワーダウンします。 7 CNT DI 入力レベル High Low 設定状態 秘話回路動作 秘話回路バイパス 注1) 8 注: 注1) 注2) AOUT AO 音声信号出力端子 注2) A: Analog, D: Digital, PWR: Power, I: Input, O: Output 50kΩ以上のプルアップ抵抗を内蔵. 負荷抵抗>10kΩ、負荷容量<50pF MS0392-J-00 2005/05 -4- ASAHI KASEI [AK2360] 絶対最大定格 項 目 記号 Min. Max. 単位 電源電圧 VDD -0.3 4.6 V グランドレベル VSS 0 0 V 入力印可電圧 VIN -0.3 VDD+0.3 V 入力印可電流(電源ピンを除く) IIN -10 +10 mA 保存温度 Tstg -55 130 ℃ 注:電圧は全て VSS ピンに対する値です。 注意:この値を超えた条件で使用した場合、デバイスを破壊することがあります。 また通常の動作は、保証されません。 推奨動作条件 項 目 動作温度 動作電源電圧 アナログ基準電圧 記号 条 件 Min. Ta -30 VDD 2.6 AGND Typ. 3.0 Max. 単位 85 ℃ 3.3 V 1/2VDD V 注:電圧は全て VSS ピンに対する値です。 デジタルDC特性 項 目 記号 条 件 高レベル入力電圧 VIH SLCT, CNT 低レベル入力電圧 VIL 高レベル入力電流 IIH 低レベル入力電流 IIL SLCT, CNT VIH=VDD SLCT, CNT VIL=0V SLCT, CNT プルアップ抵抗 RUP Min. Typ. Max. 0.8VDD 単位 V 0.2VDD V 10 µA -66 µA 50 kΩ SLCT, CNT クロック入力特性 項 目 記号 条 件 クロック周期 TWP CLK 入力振幅 VCLK CLK Min. Typ. Max. 396 0.2 MS0392-J-00 VDD-0.1 単位 備考 ns f=2.525MHz VPP クリップドサイン波 2005/05 -5- ASAHI KASEI [AK2360] 消費電流 項 目 記号 IDD0 消費電流 IDD1 条 件 Min. 秘話回路バイパス時 (CNT= VIL) CLK=2.525MHz,VCLK=0.2Vpp 入力時 秘話回路動作時 (CNT= VIH) CLK=2.525MHz,VCLK=0.2Vpp 入力時 Typ. Max. 0.7 1.1 1.6 2.5 単位 mA アナログ特性 特記なき場合、CLK=2.525MHz, SLCT= VIH , CNT= VIH , f=1kHz@AIN、dBm=600Ω負荷時の 1mW 電力を 0dBm(=0.775Vrms) とします。 項 目 条 件 標準入力レベル @AIN 出力レベル AIN→AOUT AIN= -11.5dBm CNT= VIH 時、(3.376-1.0) kHz CNT= VIL 時、1.0kHz 10kΩ、50pF 負荷 AIN→AOUT AIN= -11.5dBm CNT= VIH および CNT= VIL 時 30kHz LPF 使用 AIN→AOUT AIN= -2.7dBm CNT= VIH および CNT= VIL 時 30kHz LPF 使用 AIN→AOUT AIN= -11.5dBm 測定周波数 (3.376+1.0) kHz AIN→AOUT AIN= 無入力 測定周波数 3.376kHz AIN→AOUT AIN= -11.5dBm 測定周波数 1.0kHz S/N S/(N+D) 高域除去レベル キャリア漏洩レベル 原音漏洩レベル Min. Typ. Max. -11.5 単位 備考 dBm -12.5 -11.5 -10.5 dBm 40 47 dB 43 50 dB -65 -51.5 dBm -75 -51.5 dBm -85 -51.5 dBm 注) AGND レベル(=1/2VDD)相当の出力オフセットを持つ AOUT 端子に 10kΩ、50pF の負荷を接続。 MS0392-J-00 2005/05 -6- ASAHI KASEI [AK2360] 外部接続回路推奨例 1) 電源安定化容量 電源に含まれるリップル、ノイズ等を除去するため、VDD-VSS 端子間に下図の様にコンデンサを接続して ください。コンデンサは両端子間を最短距離に配置すると効果的です。 VDD 5 VDD C1=22uF (Electrolytic cap) C2 C1 C2=0.1uF (Ceramic cap) VSS 3 VSS LSI 2) AGND 安定化容量 AGND 端子には、VSS との間に 1.0µF 以上のコンデンサを接続し AGND 信号の安定化を図るようご推奨い たします。コンデンサはできるだけ端子の近くに配置してください。 1 AGND C C=1.0uF (Electrolytic cap) LSI MS0392-J-00 2005/05 -7- ASAHI KASEI [AK2360] 3) AIN 外付け容量 AIN 端子には、入力信号の DC オフセットと LSI 内部の動作点を調整するためにコンデンサを接続して ください。これにより約 fc=3Hz の High-pass フィルタが構成されます。 2 AIN C=0.1uF LSI 4) CLK 外付け容量 CLK 端子には、クリップドサイン信号の DC オフセットと LSI 内部の動作点を調整するためにコンデンサを 接続してください。 4 CLK C=1000pF LSI MS0392-J-00 2005/05 -8- ASAHI KASEI [AK2360] パッケージ □ マーキング 60 XYZ X:製造時期 西暦年号下1桁 Y:製造時期 月 Z:製造ロット 番号 0.10±0.05 □ 外形寸法図 2.90±0.08 A 2.80±0.05 3.00±0.05 A 0.03 +0.02 -0 0.05 0.65±0.05 0.30±0.05 0.125±0.05 0.80+0.1 - 0.05 0.475TYP M 0.05 0.20±0.08 2.3 2.2 φ1.0 MS0392-J-00 2005/05 -9- ASAHI KASEI [AK2360] 重要な注意事項 ● 本書に記載された製品、および、製品の仕様につきましては、製品改善のために予告なく変更することがあり ます。従いまして、ご使用を検討の際には、本書に掲載した情報が最新のものであることを弊社営業担当、ある いは弊社特約店営業担当にご確認下さい。 ● 本書に掲載された情報・図面の使用に起因した第三者の所有する特許権、工業所有権、その他の権利に対 する侵害につきましては、当社はその責任を負うものではありませんので、ご了承下さい。 ● 本書記載製品が、外国為替および、外国貿易管理法に定める戦略物資(役務を含む)に該当する場合、輸出 する際に同法に基づく輸出許可が必要です。 ● 医療機器、安全装置、航空宇宙用機器、原子力制御用機器など、その装置・機器の故障や動作不良が、直 接または間接を問わず、生命、身体、財産等へ重大な損害を及ぼすことが通常予想されるような極めて高い信 頼性を要求される用途に弊社製品を使用される場合は、必ず事前に弊社代表取締役の書面による同意をお 取り下さい。 ● この同意書を得ずにこうした用途に弊社製品を使用された場合、弊社は、その使用から生ずる損害等の責任 を一切負うものではありませんのでご了承下さい。 ● お客様の転売等によりこの注意事項の存在を知らずに上記用途に弊社製品が使用され、その使用から損害 等が生じた場合は全てお客様にてご負担または補償して頂きますのでご了承下さい。 MS0392-J-00 2005/05 - 10 -