新製品紹介 3.5GHz 帯 WiMAX/TD-LTE 対応フロントエンドモジュール Front-End Module for 3.5GHz Band WiMAX/TD-LTE Front-end module :LSHX-65EHB-DD3 日立金属は,次世代通信方式モ 要とされる高周波増幅器(HPA) ,低 TD-LTE についても使用可能な周波 バイル WiMAX と TD-LTE(Time 雑音増幅器(LNA),送受信切替えス 数帯域がある。この 3.5 GHz 帯は, Division - Long Term Evolution)両方 イッチ(Switch),バンドパスフィルタ GSM,WCDMA,W-LAN(Wireless の 3.5 GHz 帯のシステムに対応したフ (BPF),バラン(BAL)など多くの機 LAN)などの既存の通信システムで ロントエンドモジュール(6.0 × 5.0 能を 1 部品に集積化した。ブロック回 多く使用されている周波数帯域から大 × 1.2 mm)を製品化した(図 1) 。 路図を図 2,高周波特性を表 1 に示 きく離れているため,これらの周波数 スマートフォンに代表される携帯端 す。高周波回路設計技術や LTCC (低 との干渉が無く,次世代通信システム 末機器は大容量・高速通信可能な環 温同時焼成セラミック)積層技術,ベ 用として,世界的にも重要な周波数帯 境が求められている。これらを実現 アチップ搭載技術を活用することで送 域になると推測されている(図 3) 。 するための次世代移動体通信方式に 信時,出力 +23 dBm のときにモバイ は,モバイル WiMAX と TD-LTE の ル WiMAX 用としてゲイン 29.5 dB, TD-LTE 対 応 通 信 機 器 は,USB や 2 つが有力とされている。2 つの通信 EVM * 3.0%,TD-LTE 用としてゲイ Mini-PCI カードなどで使用されること 方式はどちらもTDD(Time Division ン 28.0 dB,EVM 1.5%,高機能高 が多いため製品のダウンサイジングが必 Duplexing:時分割多重)方式である 集積化を実現した。 要であり,開発品は,これら RF フロン ため RF フロントエンド部は共通化が また モ バ イル WiMAX ならび に トエンド部の小型化に貢献可能である。 使用する 3.5 GHz 帯は世界各国で 可能である。 (情報部品カンパニー) 次世代移動体通信用周波数として割 そこで,アンテナと RF-IC 間に必 * EVM:Error Vector Magnitude エラーベクトル振幅 り当てが有り,モバイル WiMAX と 2.5 2.7 Mobile WiMAX 2.3 2.4 3.3 3.8 2.57 2.62 1.90-1.92 TD-LTE 3.4 2.01-2.03 2.3 2.4 GSM900 GSM1800 0.88 0.96 BAL 1 Tx1 − Tx1 + Rx2 − Rx2 + BAL 3 LPF 3 2.17 2 3 4 5 6 図 3 代表的なモバイル通信用割り当て周波数帯域 Fig. 3 Frequency allocation of typical mobile communications ANT 1 表1 モバイル WiMAX と TD-LTE の特性比較 Table 1 Specification of mobile WiMAX and TD-LTE Parameter System ANT 2 LNA2 BPF 2b 5.9 Frequency(GHz) HPA BAL 2 4.9 W-LAN(11g) W-LAN(11a) 1.92 1 LNA1 BPF 3 1.88 WCDMA BPF 1a Switch BPF 1b Rx1 − Rx1 + 1.71 2.4 2.5 5 mm 図 1 フロントエンドモジュール(LSHX-65EHBDD3)の外観 Fig. 1 Appearance of front-end module (LSHX-65EHB-DD3) 3.8 Mobile WiMAX BPF 2a Frequency Gain** EVM** (GHz) (dB) (%) 3.3 - 3.4 29.5 3.5 3.4 - 3.6 29.0 3.0 3.6 - 3.8 26.5 3.5 28.0 1.5 26.5 1.5 3.4 - 3.6 図 2 3.5 GHz 帯モバイル WiMAX、TD-LTE 用フロントエンド モジュールのブロック回路図 Fig. 2 Block diagram of front-end module for 3.5 GHz band WiMAX/ TD-LTE TD-LTE (band42) 3.6 - 3.8 (band43) ** at the Tx output level is +23dBm 日立金属技報 Vol. 28(2012) 57