ゼネラル・エレクトリック・カンパニー 2003年度アニュアル・リポート in an growing uncertain world g gene≥al elect≥ic 2003 annual ≥epo≥t GEの長期的な財務目標は、景気変動に左右されることなく、売上成長率を米国国内総生産(GDP) の2倍に、年間利益成長率を10%以上に、営業活動によるキャッシュフローの成長率が利益成長率 を上回るものに、そして総資本利益率を20%超にすることです。 2003年におけるGEの業績は次の通りです。 ・ 総収入は1%増加して1,342億ドルとなりま ・ GEは金融サービス以外の企業では7社しか した。電力システムと米国におけるガスタ 持っていない、トリプルAの格付けを維持し ービン出荷量減に伴い予測される影響を除 ました。またGEキャピタルに対する「親会 くと、売上成長率は6%に達し、GDP成長 社により保証された負債」を引き続き減ら 率の約2倍となります。 し、2002年から2003年にかけて総額で90 ・ 会計処理変更前の利益は3%伸びて156億 億ドル以上減少させました。コマーシャル ドル、1株当たり利益は1.55ドルとなりまし ペーパーの発行高を総負債の30%未満に抑 た。電力システム事業を除外すると、利益 えました。 ・ 株主に還元された総利回り(配当の再投資 成長率は17%に達します。 から推定した株価評価額)は31%で、これ ・ 営業活動によるキャッシュフローは28%増 加し、129億ドルを記録しました。これは に対しS&P500の総利回りは29%でした。 棚卸資産、売掛金および買掛金による伸び 年度末にはGEの株価収益率は20倍で取引 が22億ドルに達したことを反映しています。 されました。これはS&P500に比べて若干 平均総資本利益率は高水準を維持し、 低い数字となっています。 ・ GEは引き続き経済界から高い評価をいただ 19.9%に達しました。 ・ GEの取締役会は配当を5%引き上げまし いています。フィナンシャル・タイムズが世 た。これで28年連続の増配となります。年 界中のCEO を対象に年 1 回実施する調査 度末における利回りは 2.5 %で、これは で、「世界で最も尊敬される企業」に6年連 S&P500(スタンダード・アンド・プアーズ 続で選出されました。GEはまた、企業統治 500 種株価指数)の1.4 倍に相当します。 とインテグリティのカテゴリーにおいても第 2003年には主に配当を通じて、80億ドルが 1位となりました。 投資家に還元されました。 目次 1 株主、お客さまおよび従業員各位 連結収入 5つの質問 13 テクニカル・リーダーシップ 17 サービス 23 お客さま重視 1株当たり利益 (会計処理変更前) (単位:億ドル) 1998年以降における、 GEおよびS&Pの累積配当成長率 (単位:ドル) $1,380 $1.56 1,150 1.30 920 1.04 690 0.78 27 グローバル化 31 成長プラットフォーム 34 リーダーシップ・チーム 38 企業統治 460 0.52 40 企業市民活動 230 0.26 41 財務情報 90% 75 60 45 30 99 00 01 02 03 15 99 00 01 02 03 -15 99 00 01 GE 本冊子は、米国ゼネラル・エレクトリック・カンパニー2003年度アニュアル・リポートの1∼42、48∼49、55∼56、66、70∼75ページを参考資料として抄訳したものです。 公式文書としては、原文であるGeneral Electric 2003 Annual Reportをご参照ください。 02 03 S&P 500 株主、お客さまおよび従業員各位 2003年にGEは企業としての強さを増しました。 航空やエネルギー業界の低迷、原油価格の高騰、そして産業需要の不振にもかかわらず、 各事業は堅調な業績をあげました。営業活動によるキャッシュフローは28%伸び、 バランスシートがさらに強化されました。 またテクノロジーに40億ドル以上を投資し、何十という最先端の製品を発表しました。 サービスによる収入は10%増、全世界の収入は14%増加しました。 業務を簡素化し、お客さまとの絆をさらに深めるため、 市場に合わせて事業を再編しました。 事業ポートフォリオの再構築に300億ドル以上を投入することにより、 インダストリアル事業の成長を加速し、金融サービスからの利益を増進させています。 全体としては、昨年のアニュアル・リポートで概略をご説明した 長期的な成長戦略に関して、私たちは驚異的な発展を遂げました。 このリポートを一読いただければおわかりのように、 2003年に私たちがとった行動は、昨年投資家のみなさまから寄せられた 「不確実な時代にいかにして成長するか」という重要な問題を解決するためのものなのです。 2003年は長期目標である二桁の利益成長にあと一歩でした。2004年 いう「状況」とは、重要な世界的なトレンドと、それがGEに与える影 は米国のガスタービン売上減、年金プランからの非現金収入の減少、お 響を理解することを意味します。私たちは経済環境が急速かつ有意義な よびポートフォリオの再編等の影響を受ける最終年となり、引き続き厳 変化を遂げる時期を迎えようとしています。私の頭のなかではGEの変化 しい年になると思われます。しかしながら、今こそGEにとって好機なの を加速したいという、かつてからの思いがより強くなりました。これから です。GEチームは経営陣の支援を受けて、高水準の業務を維持しなが 先GEが卓越していくためには、外見を変え、行動を変え、これまでと ら抜本的な戦略の再構築を実行しています。2005年からは二桁成長を は異なるGEになる必要があります。 継続していけるように、すべての主要素を整備しました。 昨年、私はCEOとして、2つの教訓の大切さを改めて感じました。そ これから数ページに渡り、私たちを取り巻く環境と、将来も勝ち抜い ていくことを目標に私たちが推進している変化についてご説明いたします。 れは、状況の持つ価値と、変化を推し進めることの重要性です。ここで ge 2003 annual ≥epo≥t 1 株主、お客さまおよび従業員各位 私たちを取り巻く環境 今後の経済成長は不均等になることが予想されます。企業が成功するためには、バリュエーション (価値評価)に多大な影響を与える主要な世界的なトレンドを的確に捉えていく必要があります。具 体的には次の通りです。 ・ 生産能力の過剰と、その結果生ずる価格圧力の打撃を受け、世界経済がますます相互依存的にな っています。失業率がなかなか改善されず、利益成長を達成するのが困難である原因はここにあ ります。イノベーション(技術革新)に投資し、現在の組織能力を基に新しい収入源を生み出す 企業が成功するでしょう。 ・ 世界的な競争力と成長により、新たな経済秩序が生まれてきています。中国やインドといった 国々が参入し、低コストの生産労働力を提供するだけでなく、先進諸国の生産労働者よりも賃金 が安く、競争力が高い高学歴の技術者を輩出するまでになりました。企業が成功するためにはグ ローバルな発想が不可欠ですが、その地域の状況も理解する必要があります。このようにグロー バル化が急速に進展する時期には、競争力のある企業だけが投資家、従業員、その他の関係者の みなさまの期待に応えることができるのです。 ・ 流通チャネルを統合する動きがあり、これにより消費者にはメリットが生まれますが、製造業者 にとっては利益を維持するのが難しくなります。企業が成功するには、優秀な営業スタッフを擁し、 低コストを実現し、自社の収益性をお客さまの収益性と結びつけるような価値提案を行わなけれ ばなりません。 ・ 止めどないほどの勢いのある業種を軸に据えた成長プラットフォームを築く好機を迎えています。 企業が成功するためには、独自の技術力と経営力が活かせる高成長の市場に賭け、長期的な成長 を持続する必要があります。 ・ さらに予測しがたい、不確実な時代がやってきます。9・11事件や株式市場バブルがもたらした 不安感は、当分消えることはないでしょう。企業が成功するためには、財務や企業文化の強みを 保持しながら、お客さま、投資家、そして従業員の信頼を勝ち取らなければなりません。 このような環境下で、GEは戦略的課題、すなわち「強力なビジネスモデルの維持」「ポートフォリオ の強化」 「成長イニシアチブの推進」を実行することで、優位に立つことが可能になります。これらは 2003年に当社の活動の基本となる課題です。 GEのビジネスモデル GEは全社で共通なオペレーティング・システムとイニシアチブを共有するだけでなく、強力なバリュ ー(価値観)を備えた企業文化を共有することによって一つにまとまった、成長を続ける複合企業です。 このようにシステムやプロセス、バリューの共有により、GE全体は、単に個々の事業を併せただけで ない、それ以上の存在価値を持つ企業となっています。 GEのビジネスモデルが成功しているかどうか、私は2つの側面から判断しています。1つは、GEの 各事業が広範囲にわたり財務面での貢献があったかどうかで、これは二桁の利益成長を達成した事業 の数から判断することが可能です。もう1つは、継続的に実行力が向上しているかどうかで、これはキ ャッシュフローの伸びと、バランスシートの強みから判断できます。この両面について2003年に当社 は好成績をあげました。 GEの全事業のうち3分の2が、利益の二桁成長を達成しました。業績の牽引役は、コンシューマ 、メディカルシステム(+ 10%)、スペシャルティ・マ ー・ファイナンス(+ 20%)、NBC(+ 21%) テリアルズ(+ 35%)で、非常に厳しい市場であるコンシューマー・プロダクツ(+ 13%)も健闘し ました。全事業中最高の業績を達成し、会長賞を受賞したのは、コマーシャル・ファイナンスです。 マイク・ニールと彼のチームは、利益を18%押し上げたばかりでなく、戦略面で卓越した業績を上げ、 利益と市場地位の向上に寄与しました。 二桁の利益成長率には及ばなかったものの、やはり優れた業績をあげたのは、電力システムと航空 機エンジンの2事業です。電力システムの利益は35%減少しましたが、これは米国におけるガスター ビンの需要が、5年続いたいわゆる「バブル」現象の後、通常の水準に戻ったことによります。しかし ながら、ジョン・ライスと彼のチームはサービス、オイル&ガス、再生可能エネルギーなどの強力な 事業を立ち上げ、すべてを合計すると2003年の収入はほぼ120億ドルで、利益率は最高で30%を達 成しました。米国におけるガスタービン出荷量の減少はもう1年続くと思われますが、電力システムは 2005年から二桁成長を続けていく位置を確保しています。 この3年間は民間航空業界にとって史上最悪の年でしたが、それでも2003年に航空機エンジンは利 2 ge 2003 annual ≥epo≥t (右から) ジェフリー・R・イメルト 取締役会会長兼 チーフ・エグゼクティブ・オフィサー ロバート・C・ライト 取締役会副会長兼 エグゼクティブ・オフィサー デニス・D・ダマーマン 取締役会副会長兼 エグゼクティブ・オフィサー 株主、お客さまおよび従業員各位 ge 2003 annual ≥epo≥t 3 株主、お客さまおよび従業員各位 益を4%伸ばしました。デイブ・カルフーンと彼のチームは、テクノロジー、 事業が二桁の利益成長を果たし、営業活動によるキャッシュフローも同 サービス、そしてお客さまに対する投資を継続しました。航空機エンジ じく二桁の伸びを示すと予想されます。 ンはパートナーと共同で民間航空機向けの新型エンジンを計6種類発表 し、大規模な新規受注を獲得したことにより、複数年契約のサービス受 さらに強力なポートフォリオを構築 注残額が280億ドルに達しました。今年、航空機エンジンは輸送システ 2003年にアマシャム、NBCユニバーサル、そしてジェンワースという3 ム(鉄道)と統合され、GEトランスポーテーションに生まれ変わります。 つの変革を発表しました。これらの変革により、GEの将来に対する取 旅客マイル数当たりの収入が増加しているのに加え、シャーリーン・ベ り組み方が今までとは違ってきます。 グリー率いる鉄道事業では機関車の出荷量について20%以上の増加が これによりメディカルシステムの業務は新たに医療診断とライフ・サイ て二桁の利益成長率を達成できる見込みです。 エンスの分野に進出を果たします。アマシャムが加わったことでGEのヘ 2003年、利益面で最大の課題を抱えたのはプラスチックスです。営業 ルスケア事業は、1996年には40億ドルの規模だったものが2005年には 利益が2000年度の水準に比べ、70%以上下落しました。1994年に私が 150億ドルに拡大することになります。画像診断、サービス、ヘルスケ プラスチックスで最も大きな部門を担当していた当時、利益を7%しか アITの分野におけるGEの指導的な地位を、お客さまの評判を勝ち得な 伸ばすことができず、目標の20%増にはるかに及ばないことを理由に、 がらここまで支えてきたのは優秀なリーダーシップ・チームです。アマシ 私はジャック・ウェルチにもう少しで解雇されるところでした。それでも ャムのウィリアム・キャステル卿、当社のジョー・ホーガンと彼のチーム 私たちは事業を改善しました。現在は、若き優秀なリーダーであるジョ といった優秀な人材をもって、GEは医療分野でまったく新しい時代を ン・クレニキが率いており、彼も改善に意欲的です。しかしながら、業 切り開いていきます。 界が直面する過剰な生産能力や原材料価格の高騰を打破する簡単な答 ヘルスケアの状況は目が離せません。バイオテクノロジーの登場により、 えはありません。ジョンはチームとともに、利益率の高い特殊素材とそ 高度診断や標的治療がヘルスケア提供の最前線に移ってきています。 の用途開発に注力しています。また、世界のプラスチックス市場のなか GEの画像診断技術とアマシャムの医療バイオメーカーが手を組むことに でも最速のスピードで成長し続ける中国市場で、業界をリードしていま より、乳ガンやアルツハイマーといった疾病の遺伝傾向を明らかにでき す。原材料の購入については、以前よりも賢明な方法をとるようになり るようになります。またGEの最先端技術のサービスと、アマシャムの新 ました。困難な年であったにもかかわらず、プラスチックスは10億ドル 薬開発事業が結びつくことで、製薬業界のお客さまを支援する新しい方 以上にのぼる営業活動によるキャッシュフローをもたらしました。2000 法を開拓することができます。GEのヘルスケアITと、アマシャムの治療 年度の利益水準に戻るのがいつになるかは、まだ予測できませんが、業 予測技術が合わされば、テーラーメイド治療への架け橋となります。こ 界に先んじてその水準に戻すことを私たちは決意しています。 のようにメディカルシステムとアマシャムが統合することで、GEはヘル GEが「不振」から脱することができる証拠があります。昨年、私は エムプロイヤーズ・リインシュアランス・コーポレーション(ERC)が スケア分野で最も総合的な診断を提供できるようになり、数十年にわた り収益性のある成長を果たす可能性が生まれます。 残念な結果だったことをお伝えし、再保険業界と私たちの実行力につい NBCとビベンディ・ユニバーサル・エンターテイメント(VUE)の合 て問題を提起しました。とはいえ、ロン・プレスマンと彼のチームの対 併により、デジタル化社会の未来を睨んだメディア企業が誕生しました。 処法に私は満足しています。彼らは採算性の低い商品を排除し、収益性 長い年月をかけ、私たちはNBCフランチャイズを構築してきました。た の高く、統制の取れた新事業を立ち上げました。バランスシートも利益 だし、テレビ放送はエンターテイメント関連の技術変化や配信網の変遷 も堅調です。現在ERCは戦略の選択肢が増え、以前よりも安定した事 の影響を受けやすく、私たちはNBCがこのままでは磐石ではないという 業になりました。 懸念を持っていました。VUEは、充実したコンテンツ、魅力的なケーブ 経営規律を最も良く反映するのはキャッシュです。2003年、GEの営 業活動によるキャッシュフロー(CFOA)は28%伸び、棚卸資産、売掛 ルサービス、トップクラスの映画スタジオ、多角的な収益源、更に、優 秀なマネジメントチームを含む、大きな資産をNBCにもたらします。 金および買掛金からの伸びが22億ドルに達しました。堅実なバランスシ 私たちは、今回GE、ビベンディ双方の投資家にとって有益な取引を ートとトリプルAの格付けを維持することができたのも、このキャッシュ 組成しました。NBCユニバーサルと名付けたこのベンチャーは、NBCが フローとその他の活動のおかげです。GEキャピタルに対する過去2年間 築いたバリューを基礎に設立するため、ビベンディの資産140億ドルに で90億ドル以上にのぼる「親会社により保証された負債」を減らしたこ 比べると限定的な、55億ドルの資本投下に抑えることができます。パー とにより、財務柔軟性を増すことができました。米国の年金剰余金を現 トナーであるビベンディ・ユニバーサルは、やがてNBCユニバーサルが稼 在は60億ドルとさらに増やしました。近い将来のためにGEの年金プラ 働し始めると、予想以上の価値を見いだすことになると期待しています。 ンに資金を積み立てなくても、年金受給者に対する義務を果たすことが ボブ・ライトはこの業界において実績のあるリーダーで、有能なマネジ できると予測しています。2005年までにおよそ50億ドルのフリーキャッ メントチームを擁しています。彼はGEの投資家に多大なバリューをもた シュフローを実現できるはずです。 らした実績の持ち主です。ボブと彼の力強いチームは、NBCユニバーサ シックス・シグマ専任の約3分の1に当たる人材が、現在「キャッシュ・ エンタイトルメント」と呼ばれる新しいイニシアチブに取り組んでいます。 4 まず、当社はアマシャムを100億ドルで買収することに合意しました。 期待されるので、トランスポーテーションは2004年にこの3年間で初め ルにも同様の結果をもたらしてくれることと思います。 デニス・ダマーマンのリーダーシップのもと、当社は2003年に保険事 これはたとえばプラスチックスでの在庫回転率のようなプロセスのパフォ 業の大部分を処分し始めました。ファイナンシャル・ギャランティ・イ ーマンスを、競合他社のそれより2倍良くしていこうというものです。す ンシュアランス・カンパニー、日本のGEエジソン生命、そして自動車保 べての事業において、このキャッシュ・エンタイトルメント目標が達成さ 険事業などの売却により、45億ドルのキャッシュを手に入れました。ま れれば、キャッシュフローがさらに70億ドル増えることになるでしょう。 たジェンワース・ファイナンシャルという新会社を通じ、当社の主力で GEの経営は勢いに乗っています。2000年以降では、市場は現在が最 ある生命保険および抵当保険の事業について株式公開(IPO)手続きに も好調です。エナジーに関しては、もう一年低迷が続くと思われますが、 着手しました。当社はIPOで30%を売却する計画で、今後数年間かけ その後は二桁成長できる状態にあります。2004年には11の事業のうち9 て売却により保有株数を減らしていきたいと考えています。これを実行 ge 2003 annual ≥epo≥t 株主、お客さまおよび従業員各位 成長の原動力 エナジー コマーシャル・ファイナンス GEコマーシャル・ファイナンスは世界中の企業に 多種多様の金融サービス・商品を提供しています。 特に中間市場に関する専門知識を背景に、航空機、 工業設備および機器、エネルギー関連施設といっ た主要な機器・設備のローンやファイナンスリー スをはじめ、不動産ローンや不動産投資、さまざ まな業界の民間団体や公共団体を対象としたロー ンや投資を取り扱っています。 コンシューマー・ファイナンス GEコンシューマー・ファイナンスは、世界38ヵ国 以上で、消費者、小売業者、自動車ディーラーに クレジット・サービスを提供するリーディング・ カンパニーです。プライベート・ラベル・クレジ ットカード(ハウスカード)、パーソナル・ローン、 バンクカード、自動車ローンおよびリース、不動 産担保ローン、法人向け出張・購買用カード、 債 務整理、ホーム・エクイティ・ローン、信用保険 などのさまざまな金融商品を提供しています。 GEエナジーはエネルギー産業にテクノロジーを提 供するリーディング・サプライヤーです。オイ ル&ガスに関する広範囲のソリューション、そし て従来の発電やエネルギー管理だけでなく、再生 可能エネルギー技術も提供しています。 ヘルスケア GEヘルスケアは診断およびインターベンショナル の医療用画像を扱うグローバル・リーダーです。 診断画像およびライフ・サイエンスの分野で世界 的なリーダーであるアマシャムの買収が完了すれ ば、GEヘルスケアは世界で最も総合的な医療診断 企業に変貌します。 インフラストラクチャー GEインフラストラクチャーはGEの事業の中でも 最も急成長の事業で構成されている最先端技術プ ラットフォームです。企業が直面する喫緊の課題 に対し、防御、生産性の一連のソリューションを 提供しています。純水、セキュリティ設備、プラ ント・オートメーション、作業環境に応じたセン サー設置などを扱っています。 NBC 米国初の放送ネットワークであるNBCは、多様化 した国際メディア企業です。全米一のテレビ・ネ ットワークで、傘下に29のテレビ局を有し、ケー ブルチャネルとしてCNBC、MSNBC、ブラボー、 そしてスペイン語放送のテレムンドを保有してい ます。NBCとビベンディ・ユニバーサル・エンター テイメントは合併に合意し、NBCユニバーサルと して生まれ変わります。これにより世界で最も成 長力のあるメディア企業のひとつとなるでしょう。 トランスポーテーション GEトランスポーテーションは航空機エンジンと鉄 道という業界トップの事業ユニット2つを統合した ものです。その製品およびサービスは、航空機、 鉄道、船舶、オフハイウェイ事業に広がり、軍用 機および民間航空機用のジェットエンジン、貨 物・旅客機関車、採掘トラックやドリル用のモー ター・システム、船舶や工業用途のガスタービン を提供しています。 事業ポートフォリオの再編により、競合他社を凌ぐ キャッシュ・ジェネレーター コンシューマー&インダストリアル アドバンス・マテリアルズ GEアドバンス・マテリアルズは、幅広い産業のお 客さまに素材ソリューションを提供する世界的リ ーダーです。熱可塑性エンジニアリングプラスチ ック、各種シリコーン製品・技術、石英ガラスお よびセラミックスを提供しています。 GEコンシューマー&インダストリアルは100ヵ国以上の 国々で、電気製品、照明製品、総合的な工業機器、システ ム、およびサービスをお客さまに提供しています。モノ グラム(Monogram ® ) 、プロファイル(Profile T M ) 、GE ® 、 Hotpoint ®、SmartWaterTM、Reveal ® といった消費者向けブ ランドや、EntellisysTM といった産業用ブランドがあります。 エクイップメント・サービス GEエクイップメント・サービスは、世界中の中規 模および大規模の事業に対し、多種多様な事務機 器に関する管理、資金調達、操作を行う支援をし ています。オペレーティング・リース、ローン、 販売および輸送資産管理サービスといった製品や サービスを提供しています。 インシュアランス GEインシュアランスは広範囲の保険および投資商 品を提供しています。企業関係では、保険会社、 フォーチュン1000企業、自己保険業者、ヘルスケ ア・プロバイダといった企業に保険商品や再保険 商品を提供しています。一般消費者については、 個人資産の増加や維持、資産の保護やライフスタ イルの向上に寄与しています。 GEは2004年1月1日付けで、13の事業を市場とお客さまを重視した11事業に再編しました。 成長の原動力となる7つの事業はGE全体の利益の約85%を稼ぎ出し、テクノロジー、コスト、サービス、流通のグローバル化、 資本効率に関するマーケットリーダーです。そしてキャッシュ・ジェネレーターである4つの事業は、 拡大する経済の中で継続的に潤沢なキャッシュフローを生み出し、利益を伸ばします。 このチャートは最も重要な変革を反映しています。航空機エンジンと鉄道の2事業を統合しGEトランスポーテーションに。 産業システムとコンシューマー・プロダクツを統合して、コンシューマー&インダストリアルに(ただし産業システムの一部は他の事業に統合) 。 産業システムとスペシャルティ・マテリアルズ各々の一部が統合されて、インフラストラクチャーとなりました。 尚、このアニュアル・リポートにある2003年の業績概要については、2003年中に運営されていた13事業の枠組みで報告しています。 ge 2003 annual ≥epo≥t 5 株主、お客さまおよび従業員各位 すると、インシュアランスへの投資が65%減少することになります。 保険事業を売却するのは、取締役会と私がその業績に失望したからではありません。保険業務を成 長させるためには多額の資本を必要とし、GEの組織能力を十分生かすことができないため、将来の GEにふさわしい事業ではないというだけのことです。ジェンワースは独立した保険事業にした方が、 さらに業績を伸ばせると私たちは判断しました。マイク・フレイジャーが業界屈指のチームを率いて おり、資本市場にも直接アクセスできるので、私はジェンワースの成功を確信しています。 2003年はGEの創業以来、最多の買収が実現し、取引額の合計は300億ドルを超えています。いく つか大きな賭けがありましたが、そのどれも私たちは自信を持って実行しました。アマシャムとVUE のことはよく知っています。GEは彼らと同じ市場に展開していますから。どちらの企業もGEの中核 能力と調和し、すばらしい統合が進むはずです。私はすでにバイス・プレジデントを選任し、彼らが 100人以上からなる統合チームの指揮に当たります。彼らのうち3分の1は内部監査のスタッフです。 みなさまのご理解により、このような投資を実行することができたのですから、私たちは堅実なリ ターンを生み出さなければなりません。どちらの取引も2005年までには利益、資本利益率ともに高ま るでしょう。アマシャムとVUEはどちらもキャッシュフローが潤沢なので、利益の増加、運転資金の 改善、そして再投資の必要性の減少などにより、短期間で相当なキャッシュフローの増加が見込まれ ます。私たちは経験豊富な交渉人であり、経営者です。そのスキルはどちらも成長を推進するために 不可欠です。 変化を続けるトレンドをうまく利用するため、私たちは市場とお客さまを中心とした組織に再編し ました。5ページにあるように、GEの事業を「成長の原動力」と「キャッシュ・ジェネレーター」の 2つのグループに分けました。「成長の原動力」はGEの利益の約85%をもたらし、景気変動にもかか わらず年15%で成長し、高利益を生み出すことができます。テクノロジー、コスト、サービス、流通 のグローバル化、資本効率に関するマーケットリーダーでもあります。過去5年間におけるこのグルー プの利益成長は平均20%に達しています。一方「キャッシュ・ジェネレーター」はGEの利益の約 15%を占めています。このグループの事業は循環的な変動がありますが、拡大する経済下においては 二桁の利益成長が見込まれます。さらに重要なことには、これらの事業は継続的に潤沢なキャッシュ フローを生み出します。 当社は財務目標を達成するために、事業を統合した組織をつくり出しました。このうちひとつの事 業だけでも是非とも手に入れたいと考えている企業がたくさんありますが、GEにはそれらの事業すべ てがそろっているのです。 テクニカル・ リーダーシップ 利益率を伸ばし、 既存の基盤を 拡大する GEの成長戦略 最高の成長戦略を用いれば、他社の追随をほとんど許さないところまで企業を押し上げることができ サービス ます。当社は今後さらに1年間にわたり、利益率と資本効率の高い成長をもたらす5つの戦略イニシ お客さまの 資産を最適化する アチブに従っていきます。 ・ テクニカル・リーダーシップ ・ サービス ・ お客さま重視 GEの成長戦略 ・ グローバル化 ・ 成長プラットフォーム これらのイニシアチブを実行すれば、GDPの2倍に当たる高利益率とリターンをもたらす内部成長を 遂げることができるでしょう。 テクニカル・リーダーシップ お客さま重視 お客さまとの 揺るぎない関係を 構築する グローバル化 テクノロジーとイノベーションはGEのイニシアチブの要です。テクニカル・リーダーシップにより、利 益率の高い製品を生み出し、競争に打ち勝ち、新しいマーケットをつくり出すことができます。 市場とお客さまのニーズに直結しているGEのグローバル・リサーチ・センターには、あわせておよ 成長のための あらゆるアイデアを 世界に拡大する そ2,000人の研究員が勤務し、GEの各事業と常に関わっています。2003年の動きとしては、ニュー ヨーク州ニスカユナにあるグローバル・リサーチ・センターを1億ドルかけて改修する作業が何段階か 進んだこと、上海にセンターを開設したこと、そしてドイツにおいてもう一つのセンター建設に着手し たことが挙げられます。 グローバル・リサーチは引き続きGEのテクニカル・リーダーシップを推し進めます。たとえば、ナ ノテクノロジーはGEの素材に関するこれまでの強みを利用しています。昨年当社は28件のナノテクノ ロジー関連特許を申請し、GE製品の新世代となり得るナノ金属、ナノ・セラミックス、ナノ・プラ 6 ge 2003 annual ≥epo≥t 成長 プラットフォーム 急成長している 新しい市場で 地歩を築く 株主、お客さまおよび従業員各位 スチックスなどの開発を著しく進めました。今では超軽量合金を使えば、 ークな組織力を、製品、サービス、情報、ファイナンスといった幅広い 一部のジェットエンジン部品の重さを半分にすることができ、それによ 面で持ち合わせています。この幅広い組織力により、私たちはお客さま り燃料効率を高め、コストの削減ができるということが推測できるよう との協力関係をさらに深めていくことができるでしょう。 になりました。 全社的に見ると、エネルギー効率に関して大躍進を遂げました。2003 変革は次々に進行中です。2003年にはニューヨークのプレスビテリア ン病院と複数年契約に調印しました。その契約内容は診療の支援を行う 年には4つの主力製品を発表しました。HシステムTM ガスタービン、3.6メ と共に、業務改善の手助けをもするというものです。またエミレーツ航 ガワットの風力タービン、GEエボリューション・シリーズ TM の機関車エ 空とは、航空機の近代化を図り、資産と人材の生産性を高める支援を ンジン、GE90-115Bジェットエンジンです。これらの4つの製品は、現 行い20億ドルの事業提携となりました。私たちは、ゼロックス社の営業 在の市場トップを占めるGE製品に比べ、5%から15%ほどエネルギー効 活性化のために、私たちのファイナンス能力と業務サポート力を提供す 率が高くなっています。これは石油に換算すると、一年に5億バレルを ることで、同社との強固な関係を継続してきました。どのケースにおい 節約することになります。このような製品が水素エネルギー、光電池、 ても “One GE”(1つのGE)との取引により、お客さまは利益を増や 燃料電池といったGEの先進的な研究プログラムと結びつくことにより、 すことができるでしょう。 GEはエネルギー消費・供給の問題を解決していく技術ソリューションの 第一線に立つことができます。 グローバル化 私たちは成長のためのあらゆるアイデアを採用し、グローバル化を通じ サービス てその有効性を拡大することができます。グローバル化はGEの中核的能 テクニカル・リーダーシップは、ジェットエンジン、発電タービン、機関 力です。私たちは100年にわたり、国境を越えて製品を生産し、販売し 車、医療機器といった分野で10万件以上にのぼる膨大な納入実績をも てきました。現在、経営陣の約3分の1は非米国人です。2003年の国際 たらしました。これらの納入先に対し、当社は数十年にわたり高利益率 事業からの収入は14%伸びて610億ドルとなり、2004年には15%の増 のサービスを提供することができます。2003年、GEのサービス収入は 加が見込まれます。私たちの成功要因は、グローバルに成長するために 10%増の230億ドルに達しました。サービスからの「収入源」は、現在 は、単に製品を輸出するだけではなく、それ以上の努力が必要であると から2010年までの間に、合計で2,000億ドル以上の収入と、600億ドル いう一つの核心的な事実を認識していることにあります。成功を勝ち得 以上の利益をもたらす可能性を秘めています。 たいと考える市場においては、事業と地場との関係の双方を進展させる しかしながら、サービスが役に立つのはお客さまの利益に貢献した場 合に限られます。エネルギー市場において、お客さまのエネルギー効率、 よう取り組む必要があります。 これは中国に対する戦略では不可欠なことです。昨年、中国で26億 稼働時間、環境活動を改善するための資産最適化事業を立ち上げまし ドルの収入を生み出しました。中国はこの10年間でエネルギー、航空 た。今年はお客さまのひとつである、ノーフォーク・サザン社が、機関 機、水処理、ヘルスケアといったインフラに3,000億ドル以上を注ぎ込 車の稼働率と顧客サービスの質を高めるため、鉄道業界で最高の総合交 むと予測されます。2008年の北京オリンピックは、1つの大規模なイン 通管理システムであるプレシジョン・ディスパッチ・システムTM を使って フラ計画といえるでしょう。中国がこのように成長・発展を遂げるにあ 営業活動を開始します。ヘルスケアでは、8,000以上にのぼる設置済み たり、GEはあらゆる面で参画することができることから、中国にとって の製品がブロードバンド接続されています。私たちはこのテクノロジーを 特別に良好なパートナーになることでしょう。当社はコスト競争力の高 利用し、遠隔地からの製品アップグレードや修繕を行い、お客さまの稼 い、すぐれたインフラ技術を備えています。 働率と収入を増やしています。 GEが成功できるもう1つの理由は、中国のお客さまを支援するために 例年、ますます巨大な事業につながる新たな発見があります。2003年 総力をあげる心構えがあるからです。現地には1,700人の販売およびサ の発見は、非破壊検査(NDT)でした。NDTはGEのヘルスケア事業の ービス担当者を配置しており、上海にグローバル・リサーチ・センター 画像技術を応用することで、航空機、水処理、オイル&ガスのお客さま を建設することで、中国のサプライヤーの持つ生産能力を開発し、さら に対し、予防メンテナンスを実施することが可能になります。NDTはGE に当社がグローバルにも利用可能なテクノロジーを開発しています。ま のサービス契約の半数に組み込こむことができるので、今後は飛躍的な た、中国におけるGEのリーダーたちやお客さまにGEの経営手法を学ぶ 成長が期待されます。 機会を提供しています。当社には地域のニーズに応える地元志向の製品 お客さま重視 私たちはGEを素晴らしい企業に育てるという目標を追求し続けます。 昨年、セールス・マーケティング・カウンシルを組織し、そのリーダー として最も成長に貢献しているデイブ・ニッセンとベス・コムストックを 任命しました。彼らの検討課題は、販売力をお客さまのニーズに連動さ せること、シックス・シグマをお客さまに提供すること、世界に通用す るマーケティングを開発すること、販売力の効率を向上すること、世界 中のお客さまに卓越したサービスを提供することなどです。ワールドクラ スの企業文化を築くためのこの試みに、私自身も引き続き関わっていく つもりです。 GEの一つの成功要因は「縦断的な販売(vertical selling)」、すなわ ち、GEにとって特に重要な4つの産業“ヘルスケア、エネルギー、トラ ンスポーテーション、および流通”に対して私たちが提供できる製品や サービスを関連づける手法にあります。事業規模にして470億ドル、金 融サービス資産で1,690億ドルに達するこれらの産業に対し、GEはユニ があります。つまり、米国、日本、ヨーロッパといった既に成熟した市 場とまったく同じような取り組みを、中国においても行っています。 中国以外の開発途上にある市場に対しても、同様の取り組みが採用さ れています。東ヨーロッパ、ロシア、およびイラクにおける収入は、 2003年には12億ドルだったのが、2005年には50億ドルになると予測さ れます。私たちは最近、ロシアの鉄道システムを近代化する7億ドルの 契約に調印し、さらに20億ドルの発電プロジェクトが控えています。コ ンシューマー・ファイナンスおよびコマーシャル・ファイナンスが東ヨー ロッパから得る利益は、年30%の伸びを示しています。そしてイラクの 電力網の半分以上にGEのテクノロジーが利用されます。イラクが電力 網を再建するときに必要となる技術は当社が握っているのです。2003年 にはイラクから4億5,000万ドルの受注があり、今後数年間には30億ド ルの受注が見込まれています。 昨今、グローバル化は論争の的になっています。実際、地域によって は米国的でないと見る向きもあります。私は米国企業の米国人CEOで ge 2003 annual ≥epo≥t 7 株主、お客さまおよび従業員各位 8 ge 2003 annual ≥epo≥t 株主、お客さまおよび従業員各位 あることを誇りに思います。とはいえ、GEが成長を続けるためには、世界を私たちの市場としてとら えざるをえません。グローバルな取引を続けていくにあたり、GEにはいくつかの責任があります。何 よりもまず、あらゆる地域において高い行動基準を設定することです。次に、世界中のお客さまに対 して、ニーズに適した製品やサービスを提供していくことです。私たちは世界中の従業員に対し、競 争力を身につけさせるための技術や経営者教育に投資していかなければなりません。 グローバル化により、経済が発達した国々に失業をもたらすのでしょうか。おそらく、お客さまの 目から見て他社との差別化ができないようなローテク産業では、そのようなことが起きると思われま す。しかし、技術基盤があり、革新的な産業では、グローバル化は何十年にもわたり富を生み出す成 長と仕事をもたらします。当社では、すべての事業に競争力をつけ、イノベーションの先頭に立ち、 変革の影響を受ける従業員に対しては寛大に対処しながら、このグローバルな変革を乗り越えていく つもりです。 成長プラットフォーム GEの強みは、未来を構想し、「止めることのできない」トレンドを見極め、成長するための新しい方 法を開発する能力にあります。昨年私は、水処理、セキュリティ&センサー、オイル&ガス、ヘルス ケア情報技術、ヒスパニック・メディア、そして米国におけるコンシューマー・ファイナンスといった 分野での躍進についてお伝えしましたが、これらの市場の成長率は平均を上回り、GEの強みを活か して独自の利益を得ることが可能です。 2003年にはこれらの事業は有機的に14%成長し、77億ドルの収入を記録しました。当社は体系化 された成長プロセスを追求していきます。まず、広範囲の市場を分割し、小さな基盤を獲得すること から始めます。次に、サービスやグローバル化のような成長イニシアチブを活用しながら、ビジネスモ デルを変更します。そして最後に、財務上の強みを利用し、内部成長や、買収に投資するのです。こ うすれば確実な利益を生み出しながら、急速に成長することができます。 ヒスパニック・メディアに関する経験が、その好例です。2002年に、急成長中のエンターテイメン ト分野で全米2位と他社を引き離しているテレムンドを買収しました。ヒスパニック系の人口増加を 確信し、テレムンドのビジネスモデルを変更する時間が市場にはあると判断したのです。2002年から 2003年にかけて、私たちは経営とプログラミングに関してNBCの持つ専門知識を投入したところ、テ レムンドは80%の番組を外部から購入していたのが、3分の2を自社制作するまでに変わりました。こ の変革が進行している間、テレムンドの業績は下がりましたが、2003年後半には6つの新番組をスタ ートし、同年前半に比べて視聴率が50%上昇しました。現在テレムンドはヒスパニック広告市場の 25%以上を獲得しており、2004年には収入が20%以上伸びる見込みです。 2005年にGEの成長プラットフォームは100億ドル近くの収入と、15億ドルの営業利益をもたらす はずです。その理由は、成長プラットフォームがGDPの数倍の伸びを実現し、全社の成長率を1∼ 2%上昇させることができるからです。 成長こそが、GEで築き上げているイニシアチブそのものであり、中核的能力そのものです。これを (左から) ベン・ハイネマン 法務・パブリック・アフェアーズ担当 シニア・バイス・プレジデント ゲリー・ライナー シニア・バイス・プレジデント兼 チーフ・インフォメーション・オフィサー キース・シェリン 財務担当シニア・バイス・プレジデント兼 チーフ・ファイナンシャル・オフィサー 実現するために、これまでとは異なるGEリーダーを育てているのです。 GEチーム 私はGEの社員を大変誇りに思っています。誰もが意欲に燃え、コミットしているからです。私は仕事 のおよそ3分の1を人事担当のリーダーを務めるビル・コナティと共に費やしています。人材を募集し、 教育し、開発し、向上し、そして常に従業員のことを考えるのが私たちの仕事です。定着率は依然と して高く、リーダーの自己都合による離職率は3%未満であると報告できることをうれしく思います。 従来から当社は、プロに徹したマネージャーを育成する企業として知られてきました。広範囲の問 題を解決し、複数の事業や職務の経験を持つのが、プロのマネージャーです。しかし私は、市場を知 り尽くし、お客さまとのふれあいを大事にし、技術を深く理解している「成長リーダー」の世代を生 ベス・コムストック コーポレート・コミュニケーション担当 バイス・プレジデント兼チーフ・マーケティング・オフィサー み出したいと考えています。その差は深さにあるのです。 ビル・コナティ 人事担当シニア・バイス・プレジデント 結局のところ、リーダーは問題を解決していく自信と、成長を推進する経験を身につけながら、キャ ボブ・ジェフィ コーポレート・ビジネス・ディベロップメント担当 シニア・バイス・プレジデント 深さを強調しています。 ブラケット・デニストン ゼネラル・カウンシル兼 バイス・プレジデント 私たちは従業員に事業または職務にかける時間を増やしてほしいと思います。そうすることにより、 成長のために不可欠である「市場に対する直観力」と、グローバル事業を育む自信が持てるはずです。 リアを広げると同時に深めなければなりません。しかし今日においてはあえてバランスを取るために、 およそ1年前、ある幹部向けトレーニングのクラスで、成長企業としてのGEスピリットを深く理解 するために、GEバリューを策定し直したらどうか、という提案が出ました。紙に書いた文字だけでは GEバリューについて言い尽くすことは不可能です。効果的に伝えるためには、行動の方向付けが必要 となります。私たちはGEバリューをよりシンプルかつ包括的で、目標となるよう変えられるかどうか ge 2003 annual ≥epo≥t 9 株主、お客さまおよび従業員各位 検討を重ねました。 このことを念頭に、私たちはGEバリューを、「想像する」 「解決する」「築く」 「リードする」という 4つのアクションに置き換えました。GEで「想像する」ということは、夢見る自由と、それを現実に する力があることを意味し、情熱と好奇心といったバリューが必要になります。「解決する」は、世の 中の困難な問題に取り組み、工夫に富み責任を持つといったバリューを発揮することを示しています。 「築く」ためには、お客さまや株主に価値をもたらす業績重視の文化を必要とし、この言葉にはチー ムワークとコミットメントのバリューが含まれています。「リードする」は変化を受け入れる楽観的な 精神を映し出し、開かれた姿勢と鼓舞する力のバリューにあらわれます。これこそが勝利という目標 達成に必要なものです。 2003年にコンシューマー・プロダクツ事業を率いたジム・キャンベルは、GEバリューの良い例です。 2003年私たちはジムに次のような要望を出しました。二桁の利益成長と10億ドル以上のキャッシュ を達成すること。GEがイノベーションの先駆者としての地位を取り戻すこと。お客さまとの関係を再 構築すること。照明部門と家電部門を統合することにより構造コストを削減すること。新規契約を締 結するよう製造担当者を説得すること。これらの要望すべてに、彼は応えてくれました。 ジムは旧来の業界のなかで革新的な製品に取り組む方法を「想像する」必要がありました。彼は業 績の振るわない照明事業の現実問題を「解決」しなければなりませんでした。ホームデポ、ロウズ、 ウォルマートなどのお客さまとの関係を新しく「築く」必要がありました。成長を推し進めるには構 造改革のような困難な行動が必要とされる、扱いにくい市場で「リード」しなければなりませんでした。 ジムは市場とチームに対する鋭い感覚を持ちながら、これらすべてを実行しました。彼は学ぶと同時 に勝利を得ました。ジムはGEバリューを体現しているのです。 GEチームは私の宝です。彼らの忠誠心、コミットメント、そして日々の努力に感謝しています。彼 らを率いていくのは私にとって名誉なことです。 投資家の信頼を回復 株式市場には活況が戻ったにもかかわらず、投資家の信頼を回復するには時間がかかりそうです。新 たな出来事の一つひとつが懐疑心を抱かせている現状を見ると、優良企業は信用を取り戻すための基 準をさらに高くしなければならないようです。2002年にはベン・ハイネマン指揮のもと、経営陣は企 業統治をリードするために大きな行動を起こしました。これらの行動は2003年も続けられました。 私たちの取り組みは、まずインテグリティを伴う行動という基本原理からスタートします。CFOの キース・シェリンはワールドクラスの財務チームを率いています。この財務チームは、私たちが財務面 のコミットメントを尊重し、高水準のコントローラーシップを維持し、ディスクロージャーと透明性の 面で先頭に立てるように支えてくれています。当社はすべての投資家(株主、社債権者、機関投資家、 一般投資家)に対するコミュニケーションの機会を大きく増やし、社内で行っているのと同じように 対外に向けてもGEについて話し合うことを目標にしています。 当社は力強く独立した取締役会を築き上げ、今まで以上に努力を重ねています。司会役の取締役 を決めて、会議事項を設定し、取締役会の独立した行動の指導をするようになって2年目を迎えます。 取締役会からの提案に基づき、会議ではテーマを絞り、深く掘り下げるように変わりました。 当社の取締役は会社のあらゆる階層にアクセスでき、また私は彼らにそれを利用するよう強く勧め ています。彼らにGE文化と触れあってほしいからです。事業を独自に訪問して、マネージャーと形式 張らない打ち合わせをしたり、オンブズパーソン経由で提出される、従業員に関する問題事項の詳細 を検討したり、ニューヨーク州クロトンビルにあるジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ研修所で指 導にあたることなどを通じてです。 また取締役は私を含めて、370人からなるコーポレート・オーディット・スタッフを頼りにしています。 彼らは監査委員会とCFOに報告を行います。監査委員会の最後には、必ずオーディット・スタッフの リーダーであるケイティー・マッカーシーが、個々の取締役に対して彼女のアセスメントを伝えますが、 その場に経営陣は同席しません。 昨年、取締役会に対し私が要望した項目の一つは、役員報酬、特に私自身の報酬についてでした。 多くのCEOと同様、私は会社が大好きなので仕事にも愛着があります。私はCEOの報酬に関する論 争を好みません。その理由は、戦略やチームワークといったさらに重要な要素から注意をそらしてし まうからです。 取締役会と協力の上で、私の報酬に関し、いくつかの条件を決めました。具体的には、透明性があ ること、業績に基づくこと、投資家の利益に連動することが条件です。この連動性を強化するため、 私は今後ストック・オプションや制限付き株式を受け取らないこととし、その代わりに「パフォーマ ンス・シェア・ユニット」を受け取ります。このユニットは2つの基準に従って5年間にわたり与えら 10 ge 2003 annual ≥epo≥t 株主、お客さまおよび従業員各位 れるものです。株主の総利回りがS&P500と同じかそれ以上の場合に、私は報酬の半額を受け取り、 年間の営業活動によるキャッシュフローの平均成長率が保持期間に10%を超えた場合に残りの半分 を受け取ることになります。これらの条件に満たなければ、パフォーマンス・シェア・ユニットは発生 しません。これを得るためには、優良な業績を継続させ、GEの投資家の長期利益に貢献しなければ なりません。 私は取締役会を信頼しています。私は、自らを約束された状況に置くことは考えておりませんし、 私が会長を務めている限り、これからもそのようにしていくつもりです。私の総報酬には、目安もな ければ、確約もありません。報酬額の決定については、私の業績やGEのトップを務めている間に私が 生み出したバリューに対する、取締役会の判断に委ねています。 私はみなさまのために仕事をします。取締役会の判断を通じて私の報酬を決めているのは、みなさ まなのです。 GEの将来 私たちは2004年に向けて有利な地位を築いています。11事業のうち9つが二桁の利益成長を達成し、 営業活動によるキャッシュフローも二桁成長する見込みです。エナジーとトランスポーテーションの事 業が持ち直し、2004年内にはポートフォリオの変更が完了するので、長期にわたり二桁成長が可能な 態勢が整います。将来に向けて成功する企業を私たちは築き上げてきたのです。 ・ 世界的に生産能力の過剰と価格圧力がこれからも続くとお考えなら、GEの勝利は確実です。当 社は技術力とサービスのリーディングカンパニーであり、内部成長と利益の拡大をもたらす力を持 っています。 ・ グローバル化はチャンスとリスクの2つの側面を持つとお考えなら、GEの勝利は確実です。GEは、 中国を販売と調達の両面から利益を生み出す国と見ており、また世界中に成長機会を持つ数少な い企業の一つです。 ・ 流通チャネルの統合がバリューに影響を与えるとお考えなら、GEの勝利は確実です。GEは収入 の90%を直接お客さまから受け取っており、当社の競争力を増強し、お客さまの利益を押し上げ る深い業界専門知識を有しています。 ・ 止めることのできないトレンドに乗った事業を見つけ出すことが、長期的な成長率を押し上げる とお考えなら、GEの勝利は確実です。当社はヘルスケア事業だけでなく、ヒスパニック・メディ アも拡大してきました。中国で大きく展開してきます。当社は開発途上の市場において、インフ ラ分野でグローバルにリードしているだけでなく、セキュリティやエネルギー効率の分野でもリー ダーシップを発揮しています。 ・ もし世界がさらに不安定になると心配しているなら、GEの勝利は確実です。当社は財務力に優れ、 確固たる文化とバリューを備えた格付けトリプルAの企業です。みなさまの期待を裏切ることはあ りません。 GEはかつてないほど有利な地位を築いています。これまでと同じように、当社は時代に先んじて変革 を実施しました。その恩恵を受けるのは投資家のみなさまです。 ジェフリー・R・イメルト 取締役会会長兼 デニス・D・ダマーマン 取締役会副会長兼 ロバート・C・ライト 取締役会副会長兼 チーフ・エグゼクティブ・オフィサー エグゼクティブ・オフィサー エグゼクティブ・オフィサー 2004年2月13日 ge 2003 annual ≥epo≥t 11 5つの質問、5つの回答 そしてひとつの成長戦略 成長するGE どのようにして 新商品の脅威に 打ち勝つのですか? 質問1 2003年GEは、お客さまのパフォーマンスを過去最高の水準まで高めるため、 最先端の素材や設計を使って、さまざまな産業や消費者向けに多くの新商品を提案しました。しかし、それはもう昨年の話です。 新しい技術の飛躍的進歩がなければ、企業の製品はデフレやマージン縮小の影響を受けやすくなってしまう可能性があります。 そこでGEは、マーケットシェアの確保、マージンの拡大、新市場の開拓、さらにはお客さまとの関係の進展を図るため、 景気サイクルのあらゆるポイントにおいて技術革新に投資しています。 GEとその研究者達が日々向き合っている課題とは、産業のダイナミクスを理解すること、未来のテクノロジーへの的確な投資を行うこと、 研究室から市場へとイノベーションを移行することなどが挙げられます。 ge 2003 annual ≥epo≥t 13 風力発電 Hシステム 2,000基を超えるGE製1.5メガワット 風力タービンが、世界中で電力を供給しています。 2003年にGEは、パワー・エレクトロニクス、 動力伝達部の増速機、タービン翼の素材や 設計といったGEのテクノロジーを、 風力タービンの設計に応用し始めました。 GEの画期的なタービン技術は、2003年に 商用運転を開始しました。その結果、 コンバインドサイクル・タービンの 平均熱効率が55%であるのに対して、 最先端の素材と設計により60%という 記録的な熱効率特性を達成しました。 次世代エネルギー テクノロジー主導によりエネルギー効率が高まることで、お客さまの操業コストが削減され、その効果をもたらす製品に関するGEの評価が高まります。 したがって、すべての製品について最先端の素材、設計、プロセスを利用し、あらゆる燃料―石油、天然ガス、水素、風力、太陽光―から 最大効率を引き出すことに、GEが注力しているのも当然のことです。 燃料電池 太陽電池 GEの研究者は、近隣地区に電力を 供給するだけの十分なパワーを持ち、 温室効果ガスの排出量を減らすことが できる固体酸化物型燃料電池を 開発しています。2003年には、 高温の燃料電池内での耐久性が さらに進化した金属を 開発しました。 日光を費用効率の高い未来都市の 動力源にすることが私たちの課題です。 GEの科学者は昨年、屋根に設置して、 日光を電気に変換する半導体機器に 使われる高価なシリコーンウェハー の量を、最高で40%削減可能な 新ソーラー設計の研究を行いました。 水素 水素は温室効果ガスをまったく 排出せずに、天然ガスに比べ 1グラム当たり3倍のエネルギーを 生み出すことができます。 2003年GEの研究者は、将来のための 大きな課題であるストレージ技術に関する 研究を行いました。 14 ge 2003 annual ≥epo≥t 予知 分子診断は、医師が心臓病などの 特定の病気を引き起こす 遺伝子を特定し、症状が現れる 何年も前からモニタリングを 始めるのに役立ちます。 診断 最先端の画像診断技術が 医療診断と結びつくことで、 病気を特定し、体内の病変の位置を 捉えることができます。 分子医学 ヒトゲノムや人体の化学的性質に対する理解が深まり、それが最新の画像診断技術と融合することにより、 発症後の治療から発症前のケアにと、ヘルスケアのパラダイムを変換することが可能です。アマシャムとGEヘルスケアがひとつになることにより、 医療機器、治療、生物薬剤学、情報科学を備えた、この医療の新時代に最もふさわしい企業が誕生することになります。 治療 分子画像は、医師が患者ひとり ひとりについて特定の薬物に対する 感受性や抵抗性を突きとめ、 さらに効果的な治療を行うだけでなく、 治療の正確さを高めるのに 役立ちます。 追跡 分子レベルの情報により、医師は治療の 効果が現れているかどうかを、 今まで以上に明確かつ迅速に知ることが できます。さらに重要なことには、 分子診断技術を用いれば、 実際に心臓発作が起こる10年前に予兆を 発見することも可能です。 ge 2003 annual ≥epo≥t 15 エナジーにおけるナノ 耐用年数が20倍になる耐腐食性の ナノコーティングを、水力タービンに施す 実地試験が進行中です。これが実現すれば、 河川のシルトの含有量が非常に高い中国などの 市場での発展が期待されます。 他にもGEの研究者は、燃料電池や 太陽電池といった代替エネルギー技術に ナノ素材をさらに応用する方法を 追求しています。 ヘルスケアにおけるナノ GEの科学者は、症状が現れるかなり以前に、 ガン、心臓病、アルツハイマーといった疾病を 発見することができるナノサイズの「造影剤」を 開発するため、分子化学者や生物学者と共に 研究を続けています。この造影剤は特定の 病変細胞が検出できるように微粒子化しなければ ならないと同時に、画像スキャナーが捉え、 映し出せるだけの大きさを持つ「シグナル」を 発しなければなりません。 ナノテクノロジー GEにとってナノテクノロジーは、究極の物質科学であり、強度、伝導性、耐熱性などの新しい特性を持つ物質、 たとえばナノアルミニウム(背景写真)などをつくり出す可能性を秘めています。そしてその特性は、より高度な医療用画像診断や 高効率のジェットエンジン、エネルギー・システムなどを開発するために利用することができます。GEグローバル・リサーチに勤務する科学者達は 2003年にナノテクノロジー関連の特許を28件出願しました。研究室での発見の実用化に、日々努めています。 トランスポーテーションに おけるナノ アドバンス・マテリアルズに おけるナノ ナノポリマーは、熱管理が必要とされる 半導体チップへの応用など、まったく新しい プラスチックスおよびシリコーン市場を開拓する 可能性があります。新型のナノポリマーは 耐熱性に優れているだけでなく、チップの外に 熱を放出するので、コンピュータの さらなる小型化、演算速度の高速化を 実現できる可能性があります。 16 ge 2003 annual ≥epo≥t GEトランスポーテーションでは、 耐熱性に優れ、高強度を持つナノ合金と ナノセラミックを使い、航空機エンジンを 軽量化し、高温での使用に耐えるように することで、燃費を飛躍的に向上させ、 排気ガスを削減するための方法を 探求しています。 どのように お客さまに利益を もたらすのですか? 質問2 GEはサービスに対する考え方を、製品の性能を改善することから、お客さまの事業そのものを良くすることに 転換しました。世界中に10万を超える電力システム、航空機エンジン、機関車、医療用画像診断装置など、 長期間稼動する設備機器を販売しているGEにとって、「メンテナンス」とは整備の域を超え、 コア・テクノロジーの改良やベストプラクティスの共有を意味し、 それらはすべてお客さまに利益をもたらすことを目標としています。 ge 2003 annual ≥epo≥t 17 航空機の滞空時間を増やす ジェームス・C・ウィンバリー サウスウエスト航空 オペレーション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント サウスウエスト航空はGEのサポートにより、650基近くにのぼる航空機ジェットエンジンを、整備工場に送ることなく「オン・ウィング (機上) 」で 稼動し続け、お客さまを運んでいます。GEは整備の間隔を延ばし、燃費を改善し、騒音を少なくするために、 次世代のエアロ・コンプレッサー技術をサウスウエストのエンジン300基に設置中です。これにより、サウスウエストはコストを削減し、 国内のさまざまな地域に人々を送り届けることが可能になります。 18 ge 2003 annual ≥epo≥t お客さまにクレジット払いを継続してご利用いただく トニー・デヌンツィオ ASDA、社長兼チーフ・エグゼクティブ 英国でも最も急成長している小売チェーンの一つであるASDAは、GEコンシューマー・ファイナンスの新しいデュアルカードを採用しています。 デュアルカードは、店舗内で利用できる便利なクレジットを提供するのみならず、ハウスカードとマスターカード ® 双方の機能を併せ持つため、お客さまにとって 利用の幅が広がります。ASDAは1億人のお客さまにクレジットカード・サービスを提供しているコンシューマー・ファイナンスの経験を活かすことにより、 お客さまの興味に合わせてカスタマイズされた価値提案をコスト効率良く行うことができます。またコスト管理を改善し、価格を低く抑えることで、 顧客ロイヤルティを高め、そして将来に向けた事業を推進することができます。 ge 2003 annual ≥epo≥t 19 運転資金を継続して活用する 20 ge 2003 annual ≥epo≥t アン・M・マルケイヒー ゼロックス・コーポレーション、会長兼CEO ゼロックスはGEコマーシャル・ファイナンスとパートナーシップを組むことで、顧客の資金調達を管理しています。 これにより、世界最大のドキュメント・カンパニーである同社は、最も得意とする業務、すなわち、お客さまが業務を変革し、 生産性を上げるために、ゼロックスのシステムやサービスを利用するのをサポートすることに専念できます。 ge 2003 annual ≥epo≥t 21 列車を継続して運行する デビット・R・グード ノーフォーク・サザン・コーポレーション、会長兼社長兼CEO ノーフォーク・サザンは、鉄道業界で最高の総合交通管理システムであるGEのプレシジョン・ディスパッチ・システムを採用し、 21,500マイル以上に及ぶ線路を使って、1,000台の貨物列車がお客さまの貨物を指定の場所へ約束の時間に届けられるよう、運行の調整をしています。 ノーフォーク・サザンはプレシジョン・ディスパッチ・システムを利用することにより、スケジュール通りの運行を促進し、 新しい線路を建設せずに列車本数を増やすことを目指しています。 22 ge 2003 annual ≥epo≥t 取引業者とパートナーの 違いは何ですか? 質問3 それは1回限りのセールスを、揺るぎない関係に変えていく取り組み方です。 ヘルスケア、トランスポーテーション、エネルギー、流通といった主要産業における課題は、多次元に存在しています。 これらの産業で長く培ってきた経験を持ち、多種多様な事業を展開するGEであれば、多面的なソリューションを お客さまに提供できます。2003年に画像診断技術とマネジメント教育に関して GEと複数年契約を締結したニューヨークのプレスビテリアン病院(この項にて紹介)のようなお客さまが、 GEとの取引関係をパートナーシップへと変えているのです。 ge 2003 annual ≥epo≥t 23 医療診断センターにて GEはニューヨークのプレスビテリアン病院に 最も重要な医療画像技術を提供していきます。 CT(コンピュータ断層撮影装置)、 PET(陽電子放出断層撮影)、 MR(磁気共鳴断層撮影装置)、 超音波装置などがその一例です。 受付にて GEヘルスケアのIT事業部は、患者のカルテや診断画像を デジタル化することにより、病院のペーパーレス化に 取り組んでいます。これにより、受付や診察室、 患者のベッドサイドにいたるまで、病院内のどこにいても その情報を入手することが可能になります。 GEのITソリューションは記録管理を簡素化する だけでなく、迅速な治療を促進し、ミスの可能性を 減らすことができます。 24 ge 2003 annual ≥epo≥t 手術室にて GEは麻酔投与システム、複数の臓器(脳、肺、循環器、 心臓など)から増幅されたフィードバックを 同時に執刀医に提供する総合モニタリング、 GEの新しい外科手術ナビゲーション・システムである インスタトラック® などを提供しています。 インスタトラックを使えば、執刀医が耳、鼻、のど、 頭蓋、脊柱といった繊細な患部の処置をする間、 患者の解剖学的組織を見ることができます。 ge 2003 annual ≥epo≥t 25 病室にて GEのヘルスケアITはさらに正確な情報を 患者のベッドサイドまで、より迅速に伝えます。 その他にも病院では、シックス・シグマなどの GEの経営理念が採用され、患者ケアの効率や 費用効果だけでなく、質までも 高めています。 CFOのオフィスにて GEの画像技術の導入により処置が迅速になり、 信頼性が高まることで、収入が増加するだけでなく、 GEのヘルスケア・ファイナンシャル・サービスは 金融サービスを提供し、病院のリスク管理や バランスシート強化を支援することもできます。 さらにGEは、不動産、セキュリティ・システム、 水処理、電気回路から、照明器具にいたるまで、 さまざまな基本設備のニーズに 応えています。 26 ge 2003 annual ≥epo≥t 国境をどこに 引くのですか? 質問4 世界経済のもとでは、一つのグローバル・チームとして世界中で事業を行うというのがその答えです。企業が成長を望むなら、 本国から遠く離れた市場やお客さまのために働き、製品やサービスを輸出するだけでなく、その新しい市場の中で 地域における強みを開発していかなければなりません。一つのグローバル・チームとして事業を推進することにより、 GEの事業は世界中のお客さまにサービスを提供し、米国をはじめ世界中において経済成長を刺激し、 価値の高いハイテク関連業務を生み出しています。 ge 2003 annual ≥epo≥t 27 地域から始まるイノベーション オハイオ州イーブンデール ゾリタ・マーチン(奥)、テリ・ラブラス(手前)、クレイグ・メリル(右) GEトランスポーテーション、航空機エンジン 航空機エンジン・テクノロジーへの投資は、販売を開始する10年前に行わなければなりません。1980年代にGEが製造に着手したリージョナルジェット機用 エンジンのテクノロジーは、昨年、中国の新しいARJ-21リージョナルジェット機にGEエンジンの採用が決定したことで実を結びました。GEのCF34-10A エンジンは、競合他社製品に比べ、信頼性は4倍、運転コストは20%減であり、推進力に優れています。航空機メーカーはCF34-10Aエンジンを 搭載することにより、ARJ-21の飛行領域が広がり、乗客のためのスペースに余裕ができ、貨物の収容力が増し、さらには収入を増やす可能性が高まります。 GEはCF34-10Aエンジンの部品を世界中のサプライヤーから調達しており、サプライヤーの多くは米国に拠点を置いています。 28 ge 2003 annual ≥epo≥t 現地の言葉を用いた営業 中国・上海 (左から右) ウェイミン・シャン GEトランスポーテーション、航空機エンジン ユージョン・ヤン AVIC I コマーシャル・エアクラフト(ACAC)会長 リ・リウ GEコマーシャル・ファイナンス、アビエーション・サービス 中国では、国内交通の迅速化という国の要望に応えるため、今後7年間で地方空港が50ヵ所以上建設される予定です。ACACは中国西部ルートで直面する 高温や高高度といった、多様で過酷なフライト環境を考慮し、ARJ-21リージョナルジェット機を設計しました。GEはACACと協力し、 そのような環境に適合するCF34-10Aエンジンを設計しました。その他にもGEは、中国国際航空に航空機をリースしたり、お客さまと共に活動するための 新しいテクノロジー・センターを上海に建設したり、また中国人の経営幹部にGEの経営プロセスの研修を提供したりと、 ACACと中国航空機産業の長期的な成功を約束しました。ACACとGEは今後20年にわたり500機に及ぶARJ-21の潜在市場があると見ており、 GEにとってそれは30億ドルの売り上げになる可能性があると見込んでいます。 ge 2003 annual ≥epo≥t 29 未開拓の領域にまで届くサービス スコットランド・プレストウィック ロス・ジャーディン(上)、エディ・オローリン(手前)、ギャビン・ブローディ GEトランスポーテーション、航空機エンジン お客さまがグローバルに事業を行っているのと同じように、GE航空機エンジンも、南極大陸を除いた地球上すべての大陸において事業を展開しています。 スコットランドのプレストウィックのような費用効率が高い、オンタイム・サービス業務のおかげで、GEは航空機エンジンのサービスに関する複数年契約の 受注残高は280億ドルまで伸ばすことができました。プレストウィックでは750人を超える技術者が、欧州、アフリカ、中央アジアなどを拠点とする 航空会社の依頼を受け、毎年250基以上のジェットエンジンの分解、点検、修理、再組立、テストといった作業を行っています。 30 ge 2003 annual ≥epo≥t 変化をリードしているのですか、 それとも 変化を追っているのですか? 質問5 GEは常に複合企業であり続けました。過去125年にわたりGEは、技術や経済の変化によって生み出される 新しいチャンスをつかむために、すばやい変革を行ってきました。今日のGEはGDP(米国国内総生産)成長を超える、 新たな産業基盤や市場基盤を築きつつあります。そこから、GEのテクノロジーや 経営の専門知識を応用する機会が生まれ、さらなる成長が加速していきます。 ge 2003 annual ≥epo≥t 31 さらに安全な社会を目指す ケン・ボイダ GEインフラストラクチャー、セキュリティ担当 不確実な世の中においては、セキュリティが何よりも重要となります。2002年早々にGEは1,250億ドルにのぼる世界のセキュリティ市場で、 急成長する電子セキュリティ技術を290億ドルの高マージンの機会として見いだし、インターロジックスを買収すると同時に セキュリティ事業に参入しました。新しい事業を再構築し、類似したマーケットを見極め、他のGEの事業から画像技術を取り入れたことで、 微量物質の検出やVideoIQTM といったセキュリティのテクノロジーを急成長させることができました。2003年にはセキュリティ部門の収入が 9億ドルに達し、2005年には年間の収入が30億ドルまで伸びると予測されています。 32 ge 2003 annual ≥epo≥t 成長パイプライン クラウディ・サンティアゴ GEエナジー、オイル&ガス担当 GEエナジーのオイル&ガス部門は、原油や天然ガスを利用可能な燃料へと変換する油井・パイプライン・精油所等からなる巨大なネットワークを 事業のフィールドとしています。1994年にイタリアの国営企業からヌオヴォ・ピニョーネを買収したのを皮切りに、オイル&ガスはGE流の成長パターンを 次のように踏襲し、成長しつづけています。まず、石油の探査・生産・輸送・処理などの広範囲な分野から、高成長が見込まれる分野を突き止めました。 次に、液化天然ガス・マーケットで使用される高度なターボ機器や、コンプレッサーといった新しい技術を創出し、続いてパイプライン検査をはじめとする 高付加価値を提供できるサービスの強力なプラットフォームを構築しました。42ヵ国にもおよぶ国々でグローバルに事業を拡大し、 海中探査技術といった業界の常識をやぶるような新しい分野にも視野を広げています。この成長パターンによって、 オイル&ガスは2003年には28億ドルの収入をあげるまでに成長しました。 ge 2003 annual ≥epo≥t 33 リーダーシップ・チーム 「オプティカルフィルムは、極めて高性能な 材料です。これをつくるためには、 優れた設計者や光学専門の物理学者、 最先端のディフェクト (欠陥)検出方法を 開発できる人材などが必要でした。 これら光学の専門家をライティング事業部と グローバル・リサーチから 探し出すことができたのです」 ジョン・クレニキ アドバンス・マテリアルズ 「私たちは画像技術をトランスポーテーション、 エナジー、およびウォーター・テクノロジーズに提供 しました。そして私たちは、トランスポーテーションの 「リーン」製造プロセスのように、いくつかの 素晴らしい経営上のアイデアを発見しました。 これは最高のギブ・アンド・テイクのプロセスです」 ジョー・ホーガン ヘルスケア 「リーダーはプレイヤーとコーチの倫理を持つべきで あると、私たちはみな学んできました。どの部門へ 行っても、気合いを入れて事業に飛び込まなければ なりません。私は保険業界が初めてでしたので、 チームをリードしていく手助けとしてこの取り組み方と 姿勢を取り入れ、厳しい建て直しに立ち向かいました」 ロン・プレスマン インシュアランス 「ウォーター・テクノロジーズでは、腐食トラブルの 発見にトランスポーテーションの遠隔モニタリングと 遠隔診断システムを利用し、ヘルスケアの超音波技術を 使ってその正確な位置を特定し、そして最終的には 当社独自のやり方でその問題を解決しています」 ビル・ウッドバーン インフラストラクチャー 「マイク・ニールが率いる設備機器の ファイナンス部門が、潜在的なお客さまを 掘り起こすため、いかにマーケットを選別するのかを 見てきました。それは細かくセグメントを特定し、 そのセグメント間でノウハウを相互に補完したり、 新製品を生み出す技術を共有することです。 これはGEの新しいセキュリティ事業、センサー事業 およびオートメーション事業のそれぞれの基盤を 構築するための模範となりました」 ロイド・トロッター コンシューマー&インダストリアル 「私たちは11の事業で構成され、それぞれの事業の ひとつひとつがフォーチュン500にランクされる企業に 匹敵しています。一貫性のある検証済みの オペレーション・システム、共通のバリュー、 リーダーシップの強さといった共通点は、総合企業と しての要であり、GEらしさはここにあるのです」 マイク・ニール コマーシャル・ファイナンス 34 ge 2003 annual ≥epo≥t 「GEにおけるすべての事業のアイデアをアジアでの 成長に生かしています。上海の新しい リサーチ・センターでの研究成果が、世界中のGEの 事業への恩返しになればと思っています」 藤森義明 アジア、日本担当 「私はGEキャピタルで長期金融のリスク管理に ついて学びました。現在、航空機エンジンの 数十億にものぼる複数年サービス契約を 何十と締結し、その契約によってお客さまの 金融リスクおよびオペレーション・リスクを GEが肩代わりしています。GEキャピタルの 取り組み方を、私たちのような長期サイクルの 事業にうまく適用できることがわかりました」 デイブ・カルフーン トランスポーテーション 「中央研究機関としての私たちの使命は、 新しいテクノロジーの発見や開発だけではなく、 GE事業全体にそのテクノロジーを 行き渡らせることです。そのために私たちは、 数千人にのぼる科学者やエンジニアを さまざまな専門科学分野から集め、 私たちの産業の大きな技術的課題に 取り組んでもらっています」 スコット・ドネリー グローバル・リサーチ 「私たちのIT担当者はフリート・サービスで素晴らしい アイデアを提供してくれました。それは通信トラフィックを 専用のリース回線から、インターネットを経由した VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)に 移すというアイデアでした。2003年に日本で実験的に 実施したところ、ダウンロードのスピードが4倍になり、 160万ドルを節約することができました」 デイブ・ニッセン コンシューマー・ファイナンス 「欧州や中東、アフリカにおいて、私たちは イニシアチブ、プロセス、そしてバリューを共有する “ひとつのGE”を柱に、新しい市場を開拓しています。 また各事業が連携しあうことで、単独で行うより はるかに大きな成長を目指します」 ナニ・ベッカリ 欧州、中東、アフリカ担当 「新製品・サービスを発表する際、コンシューマー& インダストリアルのマーケティング・ツールの 一部を私たちのプロセスに導入しています。 当社は強固な技術審査とコスト管理はすでに持って いるので、コンシューマー&インダストリアルが 製品開発の初期段階でお客さまの期待を明確にする 厳格さをつけ加えたいと考えています」 シャーリーン・ベグリー レール リーダーシップ・チーム 「私たちは医療機器や航空機エンジン、 電気システムのために開発されたセンサー技術を、 冷蔵庫やレンジなどの家庭用製品に 応用することで優れた制御を実現し、 お客さまに提供しています」 ジム・キャンベル コンシューマー&インダストリアル 「グローバル・リサーチのセンサー技術を、 新しいトレーラー追跡システムである GE VeriwiseTM に応用しました。このシステムは トレーラーの位置を示すだけでなく、 パフォーマンスまでも監視できます。 この新テクノロジーは、お客さまの 物流コストや貨物の損失を削減し、 米国のセキュリティに対する不安を 多少なりとも解消する手助けと なることでしょう」 アート・ハーパー エクイップメント・サービス 「当社の風力タービンは、まさに さまざまなGE事業が結集して生まれました。 コンシューマー&インダストリアルからは パワー・エレクトロニクスや制御装置を、 レールからは機関車のギアボックスを、 トランスポーテーションからは素材や航空設計に 関する知識を、グローバル・リサーチからは システム・インテグレーションを提供して もらいました。その結果、ワールドクラスの タービンが誕生することになります」 ジョン・ライス エナジー 「GEの一員であることにより、NBCは 現在進行中のビベンディ・ユニバーサルとの 合併などを遂行するため、容易に融資を受ける ことができます。また、厳格なオペレーションの 枠組みのもとに運営されているため、常に競争の 数歩先を考えることができます。 当社のような展開の速い業界においては、 これはきわめて重要な競争優位性です」 ジェフ・ザッカー NBC 「GEの一員であることから、NBCは広告主に対して提案できる ことが数多くあります。それは、GEの他の事業が持つ ベストプラクティスを利用できることです。私たちがサムスンに 組織改革の推進に関する知識を提供したところ、結果として 大きな広告媒体の販売に結びついただけでなく、その他すべての GEの事業へとつながるより大きな関係を構築できました」 ランディ・ファルコ NBC ge 2003 annual ≥epo≥t 36 マルチビジネス企業の 利点は何ですか? 仲間からアイデアをもらうことができます。 確固たる企業統治 企業統治 GEの取締役会の役割は明白で、株主およびその他の関係者のみなさま 監査役の活動と独立性、および社内オーディット・スタッフの活動につ に長期的利益をもたらすために経営陣がどのように貢献しているかを監 いて審査しました。監査委員会はまた、GEの財務報告に関する内部管 視することです。そのために、GEの取締役は、取締役会が十分に情報 理を含む開示に関する管理および手順、ならびに主要なGEの会社規定 を受け、独立した立場で、積極的に関与することを目的とした企業統治 および関連法規の遵守についても審査を行いました。独立取締役によっ 方針を採択しています。GEは取締役会の3分の2を独立取締役とし、し て構成される経営開発および報酬委員会は9回開催された会議で、全エ かも厳しい独立性の基準を適用することを目標としています。今日、取 グゼクティブの報酬制度、会社規定および実施状況、エグゼクティブの 締役16名のうち12名がその基準を満たしています。 職務および責任の変更、主要な後継者プランを審査しました。公共責任 2003年に、取締役会は報酬に関する条件を変更し、経営陣と株主の 長期的利益との連動を強化しました。最も顕著な例は、GEのCEOが受 委員会は3回開催された会議で、GEの係争中の訴訟案件や慈善活動へ の貢献方針を審査しました。 け取る株式による報酬を、パフォーマンス・シェア・ユニットのみによ るものとし、所定の長期業績目標を達成したときのみに支払われるとし ゲリー・ロジャース氏およびアンディー・シグラー氏 たことです。この変更は、GEのCEOにとって、その職に引き止めるた ゲリー・L・ロジャース氏は、今年の後半に、GEでの輝かしい37年以 めの報酬は不要であり、株式による報酬は業績のみに焦点を合わせるべ 上におよぶ勤務を終えて引退するのに先立ち、2003年12月に取締役お きであるという取締役会の意見を反映しています。さらに、独立取締役 よび副会長の職を退きました。同氏は12月に引退するまで、シニア・ア は報酬の60%を後配株ユニットで受け取っており、それらは取締役退任 ドバイザーとして引き続きGEに残ります。 後1年間は支払われません。 GEの企業統治規定については、GEウェブサイトの企業統治のセクシ ョン(www.ge.com/governance)に公開されています。 アンディー・シグラー氏はGEの取締役を20年間にわたって務め、現 在は統括取締役ですが、2004年に引退する意向を申し出ました。アン ディーは豊富な事業の知識と経験に加え、GEを企業統治のリーダーに するという確たる決意で、GEに貢献しました。ジョンソン・エンド・ジ 会議 ョンソンの前会長兼CEOであるラルフ・ラーセン氏が、経営開発および 2003年には13回の取締役会が開催され、12月の取締役会においてGE 報酬委員会の議長および統括取締役としてアンディーの後を引き継ぐこ の四半期配当を28年連続で増配することを決定しました。独立取締役 とを承諾しています。 によって構成される監査委員会は、11回開催された会議で、GEの独立 38 ge 2003 annual ≥epo≥t 取締役会 ケネス・G・ランゴン 1, 3 インベメッド・アソシエーツ・エル・エル・シー(投資銀行・株式売買仲介、 ニューヨーク州ニューヨーク)会長兼社長兼CEO、取締役(1999年∼) ジェームズ・I・キャッシュJr. 1, 4 ハーバード大学グラジュエート・スクール・オブ・ビジネス 経営管理学 ジェームズ・E・ロビンソン記念講座元教授 (マサチューセッツ州ボストン) 、取締役(1997年∼) 1 ロバート・J・スウィーリンガ コーネル大学ジョンソン・グラジュエート・スクール・オブ・マネジメント 学部長兼会計学教授(ニューヨーク州イサカ) 、取締役(2002年∼) アラン・G(A.G.)・ラフリー 3 プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー (パーソナル・家庭用品、オハイオ州シンシナティ) 会長兼社長兼CEO、取締役(2002年∼) ロジャー・S・ペンスキー 4 ペンスキー・コーポレーション、ペンスキー・トラック・リーシング・コーポレーション、 ユナイテッド・オート・グループ・インク (輸送・自動車サービス、 ミシガン州デトロイト)取締役会会長、取締役(1994年∼) アンドレア・ユング 2, 3 エイボン・プロダクツ・インク (化粧品、ニューヨーク州ニューヨーク) 取締役会会長兼CEO、取締役(1998年∼) サム・ナン 2, 4 キング・アンド・スポルディング(法律事務所、ジョージア州アトランタ) 元パートナー、取締役(1997年∼) ラルフ・S・ラーセン 2, 3, 5 ジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬・家庭消費財、ニュージャージー州 ニューブランズウィック)前会長兼CEO、取締役(2002年∼) アン・M・ファッジ 4 ヤング・アンド・ルビカム・インク (広告およびメディア・サービス、 ニューヨーク州ニューヨーク)会長兼CEO、取締役(1999年∼) 社内取締役一覧(写真は3ページに掲載) ジェフリー・R・イメルト 4 ゼネラル・エレクトリック・カンパニー 取締役会会長兼CEO、取締役(2000年∼) デニス・D・ダマーマン 4 ゼネラル・エレクトリック・カンパニー 取締役会副会長兼エグゼクティブ・オフィサー、 ゼネラル・エレクトリック・キャピタル・サービス・インク会長 取締役(1994年∼) ロバート・C・ライト 4 ゼネラル・エレクトリック・カンパニー 取締役会副会長兼エグゼクティブ・オフィサー、 NBC会長兼CEO、取締役(2000年∼) クラウディオ・X・ゴンザレス 1, 2, 3 キンバリー・クラーク・デ・メヒコ (メキシコ・メキシコシティー) 取締役会会長兼CEOおよびキンバリー・クラーク・コーポレーション (家庭消費財/紙製品)取締役、取締役(1993年∼) ロシェル・B・ラザラス 3, 4 オグルヴィ・アンド・メイザー・ワールドワイド (広告、ニューヨーク州ニューヨーク) 会長兼CEO、取締役(2000年∼) ダグラス・A・ワーナー3世 1, 2, 3 J・P・モルガン・チェース・アンド・カンパニー、チェース・マンハッタン銀行、 モルガン・ギャランティ・トラスト・カンパニー・オブ・ニューヨーク (ニューヨーク州ニューヨーク)前取締役会会長、取締役(1992年∼) 1 監査委員会 2 経営開発および報酬委員会 3 指名および企業統治委員会 4 公共責任委員会 5 統括取締役 ge 2003 annual ≥epo≥t 39 業績の良い企業こそ 真に「良い」企業であるべき 企業市民活動 「良き」企業市民であるということは、当社の歴史の中で、また企 業を運営する上でも常に重要な要素となっています。今日、企業 市民活動が意味するのは、環境保全に関する法律・規制の遵守、 企業統治におけるリーダーシップ、最高レベルの倫理規範、そして 地域社会への積極的な取り組みです。当社は、私たちの社員が生 活し、働く地域社会をずっと支えてきたという長い歴史を誇りに思 っており、とりわけ教育については当社の慈善活動や奉仕活動の最 も重要な課題として取り組み続けています。2003年には、GEファ ウンデーションと各事業部門の協力、および現役社員や退職者か らの善意の募金を合わせて、GEは1億4千万ドルの資金と100万時 間の奉仕活動を提供し、何千ものコミュニティ組織の重要な活動 を支援しました。 40 ge 2003 annual ≥epo≥t しかしながら、世界には人間の最も基本的なニーズすら満たされ ない地域もあります。中でもアフリカでは多くの人々が近代的な医 療や十分な電力を受けられず、浄水さえも口にできないような窮状 にあるという現実に、私たちは心を痛めています。そこで私たちの 持つ多様な事業ポートフォリオを利用し、状況を少しでも改善する ための方策を考えました。GEエナジー、GEヘルスケア、GEイン フラストラクチャーは現地の病院に対し、今後5年間で総額2千万ド ル相当のX線装置、患者用モニター、発電機、浄水システムを寄付 します。このプロジェクトではまず、ガーナに在住する数千人の人々 の生活を支援し、さらに2005年にはアフリカの他の病院にも手を 広げていく予定です。地球上で援助を必要としている人々の生活 向上のために、私たちの資源がお役に立てることを、謙虚に受けと めると同時に、誇りに思っています。 財務情報 本財務諸表について 投資家のみなさまに対し、十分な情報を常に提供していくことは、私たちにとってきわめて重要です。私たちは透明性をさらに高めようと決意した結 果、2001年にアニュアル・リポートで提供する財務情報およびその分析の量を大幅に拡充しました。今後ともこの決意に従って行動する所存です。 2003年の財務諸表により、みなさまにGEの本質を一層深くご理解いただけるものと信じています。以降のページに順を追って、GEの財務状況および 経営成績の全容を説明します。 会計責任に対する経営陣の考察では、チーフ・エグゼクティブ・オフィ 財務資源および流動性の項では、連結財務状況に影響を及ぼした主な要 サーおよびチーフ・ファイナンシャル・オフィサーが、厳格な監視、コ 因を概観します。この項は情報を大幅に増やして再構成し、GE と ントローラーシップ、および投資家のみなさまに対するビジビリティ(透 GECSの流動性とキャッシュフローの動向をさらに詳しく説明しました。 明性)に対する私たちの妥協なきコミットメントについてご説明します。 抜粋財務データでは、GEとGECSについて過去5年間の財務情報を掲 KPMG LLPによる独立監査報告書においては、監査人が独立した立場 載しています。財務諸表には一般的な指標も加えており、他社と比較し からGEの連結財務諸表に対する意見を述べています。 やすくなっています。 経営陣の考察および分析では、まず経営成績の項で2001年から2003年 財務諸表作成の際に経営陣が使った重要な会計予測です。予測の内容、 までの収入の要約を挙げ、世界経済の環境が過去3年間にGEの事業に それらが何故重要なのか、どのように予測値を算定したか、予測修正が 及ぼした影響について考察します。次に産業部門(GE)と金融部門 あるとしたら何が原因となり得るかを議論します。 (GECS: GEキャピタル・サービス)についての主要な各種経営成績を 報告します。事業の性質が根本的に違うことから、GEとGECSで別々 に情報を検討して、それぞれにふさわしい分析を行いました。今年のセ 監査済み財務諸表には、GEとGECSについての連結データおよび関連 する注記が掲載されています。 グメント別経営成績においては、セグメントの収入および利益への影響 用語集には、財務諸表で使われている主な用語をまとめました。GEで 要因と、最近の企業買収と重要な取引の影響についての定性および定量 はまた、ウェブサイト(www.ge.com/investor)でも財務情報を開示し 的な情報を充実させています。続いて、国際的な視点からGEの経営成 ています。 績を概観します。 ge 2003 annual ≥epo≥t 41 会計責任に対する経営陣の考察 財務報告の質は、企業とその経営陣を評価する上で重要な尺度となりま 投資家に対するビジビリティ (透明性) す。私たちはの高い財務報告を行う決意のあらわれとして、適切な会計 GEでは、その財務状況と経営成績について、すべて隠し立てすることな 方針を採用し、それが正しく首尾一貫して適用されるよう、最大限の努 く公表することが重要であると認識しています。これを円滑に行うため、 力をします。私たちは、完全かつ理解しやすい方法で報告を行うよう努 GEにはGEの事業と投資家のニーズについて多大な知識をもつ上級役員 めます。GEではこの報告書をご利用になる方からの提案を歓迎し、参 を構成員とする情報開示委員会があります。私たちはこの委員会に対して、 考にさせていただきます。 GEの財務およびその他の情報開示の公正さを評価し、その結果を監査 厳格な経営の監視 委員会に報告するよう求めています。また、アナリストおよび投資家を 対象とした会議を毎年250回以上開催し、ここで話し合われたすべての 当社のコーポレート・リーダーシップ・チームのメンバーは、当社のひと 重要な情報を公表することによって、積極的な情報開示に努めています。 つひとつの事業について、全社的な戦略や財務実績から、人事、コンプ これら厳格な開示方針により、GEはインベスター・リレーション誌によ ライアンスにいたるまで、さまざまな事柄に関し常に見直しを行ってい る年次調査で、過去8年間に19の賞を受賞しています。このうち6つは、 ます。当社のビジネスリーダーは、財務およびオペレーティング・システ 時価総額が最大規模の企業によるインベスター・リレーション・プログ ムをリアルタイムで常に監視することによって、ビジネスチャンスや潜在 ラムの最優秀総合賞の6回におよぶ受賞です。私たちは大手格付機関の 的な問題を早期に特定し、対応策を早急に考案、実施できる体制をと 担当者と定期的にコミュニケーションをはかっており、GEの債務格付け っています。GEの取締役会は、経営陣の事業運営を監視しています。 は最高の評価を受けております。私たちは、独立監査法人であるKPMG 全員が独立取締役によって構成されているGEの監査委員会は、内部統 LLPによる財務報告に関する厳格な監査を歓迎しています。KPMGは監 制システムおよび手順を監視しています。私たちは、投資家のみなさま 査委員会から監査依頼を受け、同委員会に直接報告を行っています。 からの信頼を高め、取締役会の全般的な有効性を改善することを目的と 2003年の監査報告は43ページ(英文)に掲載されています。 して、企業統治の実行状況を絶え間なく検証しています。統括取締役 は、社外取締役との会議を年3回以上開催することで、取締役会の議題 誇るべき企業 の焦点をさらに絞り、効果的なものにしました。またエグゼクティブの GEは引き続き経済界から高い評価をいただいています。フィナンシャ 報酬制度の変更も行いました。その一例としてCEOの株式報酬を、主 ル・タイムズ社がCEOを対象に例年実施する調査「世界で最も尊敬さ 要な業績指標を達成した時のみ付与されるよう変更することで、リーダ れる企業」に、GEは6年連続で選出され、企業統治とインテグリティの ーとしての利益とGEの投資家の長期的利益を連動させました。 カテゴリーにおいても第1位となっています。優れた企業は、信頼性の高 コントローラーシップへの重点的な取り組み い財務情報と法律の遵守を基礎としています。GEにとって、この報告 書で開示されている情報は、こうした基礎の重要な一部分です。私たち 私たちは、信頼できる財務記録の維持管理、透明性の高い財務報告お は誇りをもってこの情報を発表いたします。そしてこの情報をご利用に よび開示、物的・知的財産の保護、資源の有効活用を通じて、財務報 なる方に、GEと、GEのインテグリティに基づいた業績に対するコミッ 告の内部監査を始めとした、内部統制・手順に思い切ったシステムを採 トメントをご理解いただき、GEの将来に対する信頼を私たちと共に分か 用しています。当社は世界レベルの財務チームを採用、育成、確保して ちあっていただきたいと思います。 います。その中には、520名を超える内部監査人も含まれており、すべ ての地域およびすべての事業について毎年数千にのぼる財務、法令遵守、 プロセス改善に関連した監査を行っています。監査委員会は、これらの 内部監査の適用範囲と成果を監視します。私たちはまた、全世界的にイ ンテグリティ・ポリシー−「スピリット&レター」−を維持しています。 このインテグリティ・ポリシーとは、法律や会社規定の遵守を義務付け、 財務の正確性の維持や利益相反の回避などの重要な課題に適用されるも のです。このインテグリティ・ポリシーは27カ国語に翻訳され、世界中 の30万人以上の社員に配布されており、経営トップから一般の社員にい ジェフリー・R・イメルト 取締役会会長兼 チーフ・エグゼクティブ・オフィサー たるまで、社員一人一人に、このインテグリティ・ポリシーに沿ったコ ンプライアンスについて個人的責任が与えられています。GEではインテ グリティ・ポリシーに沿って、重要な社員責任を世界中で強化するとと もに、コンプライアンスについて広範囲にわたる調査を行っています。 キース・S・シェリン GEには強固なコンプライアンスの文化があり、これに支えられて社員は 財務担当シニア・バイス・プレジデント兼 どのような懸念をも表明することができます。そしてそのような行動に対 チーフ・ファイナンシャル・オフィサー する報復は禁止されており、こうした努力を支えています。私たちはま た外部のコンサルタント、代理店、請負業者にも同様のインテグリティ 基準を課しています。 42 ge 2003 annual ≥epo≥t 2004年2月6日 セグメント別業績の要約 ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社 12月31日を各事業年度末とする(単位:百万ドル) 2003 2002 2001 2000 1999 収入 $ 10,703 $ 11,141 $ 11,389 $ 10,779 $ 10,730 コマーシャル・ファイナンス 18,869 17,781 15,759 15,333 12,302 コンシューマー・ファイナンス 12,845 10,266 9,508 9,320 7,562 コンシューマー・プロダクツ 8,282 8,456 8,435 8,717 8,525 エクイップメント・マネジメント 4,707 4,766 4,904 5,501 5,309 産業製品・システム 8,396 7,441 6,742 6,628 6,284 インシュアランス 26,194 23,296 23,890 24,766 19,433 メディカルシステム 航空機エンジン 10,198 8,955 8,409 7,275 6,171 NBC 6,871 7,149 5,769 6,797 5,790 プラスチックス 5,245 5,245 5,252 6,013 5,315 18,462 22,926 20,211 14,861 10,099 スペシャルティ・マテリアルズ 3,126 2,406 1,817 2,007 1,803 輸送システム 2,543 2,314 2,355 2,263 2,358 その他の全GECS 1,664 2,590 4,795 11,789 11,663 電力システム (3,918) セグメント間取引の消去および本社勘定 連結収入 $134,187 (2,522) $132,210 (2,819) (1,664) (1,194) $126,416 $130,385 $112,150 $ $ $ セグメント別利益 2,148 $2,060 コマーシャル・ファイナンス 3,765 3,189 2,788 2,416 コンシューマー・ファイナンス 2,161 1,799 1,602 1,295 848 コンシューマー・プロダクツ 557 495 648 879 971 エクイップメント・マネジメント 172 313 377 484 416 産業製品・システム 631 597 626 676 611 1,879 2,201 2,142 1,107 航空機エンジン $ 2,147 2,000 1,739 1,834 インシュアランス 2,102 メディカルシステム 1,701 1,546 1,498 1,321 NBC 1,998 1,658 1,408 1,609 1,427 422 843 1,166 1,518 1,297 プラスチックス (95) 4,076 6,255 4,860 2,523 1,537 スペシャルティ・マテリアルズ 381 282 267 347 293 輸送システム 460 402 400 436 437 (446) (580) (508) (584) (285) 電力システム その他の全GECS セグメント別利益合計 GECS営業権償却 20,128 18,764 ― ― 19,158 17,121 (552) (620) 14,374 (512) セグメント間取引の消去および本社勘定 (741) 775 532 844 872 GE金利およびその他の金融手数料 (941) (569) (817) (811) (810) (2,857) (3,837) (4,193) (3,799) (3,207) 15,589 15,133 14,128 12,735 10,717 GE法人税引当金 会計処理変更前純利益 会計処理変更影響額 連結純利益 (587) $ 15,002 (1,015) $ 14,118 (444) $ 13,684 ― ― $ 12,735 $ 10,717 76∼113ページ(英文)に記載されている連結財務諸表注記は、この要約の不可欠の部分です。 セグメント別の経営成績 を評価対象から外すことがあり、その項目とは、事業再編の費用、合理 営業セグメント別の収入および利益がこちらに記載されています。2002 化その他これに類する費用、処分による利益または損失、訴訟の和解や 年のアニュアル・リポートで解説したとおり、2003年1月1日付けで報 その他費用など現経営陣の前任者に責を帰すべきものです。 告対象セグメントを変更し、金融サービス事業の業績を測定するために、 セグメント別利益から常に除かれる項目として、営業権償却、主要年 事業特有の市場に基づくレバレッジを使用しています。また、2003年に 金プランの影響、会計処理の変更があります。利息やその他財務費用、 インダストリアル事業の運営方法を変更したことに伴い、メディカルシ およびセグメントの法人税等については、セグメント別の経営評価方法 ステム、プラスチックス、スペシャルティ・マテリアルズ、輸送システム に応じてセグメント別利益への影響を排除または考慮します。セグメン について、それぞれ別個のセグメントとして報告しました。なお、前年 ト別利益への影響を排除しているのは、航空機エンジン、コンシューマ の情報も2003年の方式に合わせて再構成しました。各セグメントの製品 ー・プロダクツ、産業製品・システム、メディカルシステム、NBC、プラ およびサービスなどに関するさらに詳しい情報については、112∼113ペ スチックス、電力システム、スペシャルティ・マテリアルズ、輸送システム ージ(英文)に掲載しています。 です。影響を考慮してセグメント別利益を「セグメント純利益」と呼んでい セグメント別利益は、CEOが所定の期間で各事業の業績を評価する るのは、コマーシャル・ファイナンス、コンシューマー・ファイナンス、 のに用いる社内用の測定方法に基づいています。CEOはいくつかの項目 エクイップメント・マネジメント、インシュアランス、その他の全GECSです。 ge 2003 annual ≥epo≥t 43 国際事業の経営成績 世界中のあらゆる地域を網羅する当社の国際事業の主な内容は、現地市 ヨーロッパは25%の増収で、電力システム、メディカルシステムおよ 場と輸出市場の双方に向けた製造業務、他地域で生産された製品の輸 び産業製品・システムに牽引され、為替のドル安効果と販売高増加の影 入および販売、航空機リース、他地域にある当社の工場への原材料など 響を反映しています。環太平洋地域におけるGEの収入は14%増加で、 の供給ならびにこれらの地域の経済圏内での金融サービスの提供です。 ほぼすべての事業で業績が改善されました。産業製品・システムおよび したがって、ある国または地域で通貨や経済の問題が発生した場合には、 電力システムがアメリカ大陸での16%の増収の主な牽引役となり、電力 当社にとって、ある種のリスクが増大する恐れもありますが、新たな利 システムは10%減となった米国からの輸出を補う以上の業績をあげまし 益機会が生まれる可能性もあります。増大の可能性のあるリスクとして た。2002年度の増収は米国外の事業の業績好調と米国からの輸出の増 は、売掛金の支払い遅延および不良債権の増加、電力や航空関係機器 加に関わるものです。2002年度におけるヨーロッパでの増収は、メディ 分野を中心とした販売や受注の遅延または取消、現地通貨による金融コ カルシステムおよび産業システムに牽引されました。すべての地域にわた ストの増加、およびすでに確立された分野における金融サービス活動の ってスペシャルティ・マテリアルズが増収しましたが、航空機エンジンの 減退などが挙げられます。一方、新たな利益機会としては、アウトソー 各地域での販売の減少に一部相殺されました。2002年度における米国 シングの低コスト化、企業または資産の割安な価格での買収による産 からの輸出販売高の増加は主にプラスチックスおよび電力システムにお 業・金融サービス両部門の拡大、米国内での資金調達コスト低下などが けるものですが、メディカルシステムおよび輸送システムにおける輸出の 考えられます。 減少に一部相殺されました。 国際事業の業績推定値には、当社の米国以外の事業の業績と、米国 からの輸出のすべての業績が含まれています。GECSの中で特定の地理 2003年度国際事業の連結総資産 的区域に分類することができないものは「その他の地域」に分類しました。 15% その他の地域 2003年度地域別国際事業の連結収入 8% アメリカ大陸 (米国からの輸出を含む) 9% その他の地域 60% ヨーロッパ 13% アメリカ大陸 17% 環太平洋地域 54% ヨーロッパ GECSの国際部門の収入は、2001年度は236億ドル、2002年度は244 24% 環太平洋地域 億ドル、2003年度は278億ドルと推移しています。ヨーロッパでは2003 年度は21%の増加により34億ドルの増収となっていますが、これはイン シュアランスにおける保険料収入および価格の増加(21億ドル) 、主にコ 2003年度の国際事業の収入は14%増の608億ドルで、2002年度は ンシューマー・ファイナンスおよびコマーシャル・ファイナンスにおける 534億ドル、2001年度は519億ドルでした。2003年度の連結収入に占 買収(10億ドル)および為替のドル安効果(7億ドル)で、一部はITソリ める国際事業の収入は45%で、2002年度は40%、2001年度は41%で ューション事業における市場からの撤退(13億ドル)に相殺されました。 した。為替相場の業績に与える影響により、収入は2003年度は38億ド 国際事業の営業利益は、2001年度比7%増加であった2002年度に対 ル、2002 年度は4 億ドル増加し、利益は2003 年度は1 億ドル増加、 し、2003年度は35%増の88億ドルでした。2003年度の営業利益はヨ 2002年度は1億ドル減少となりました。 ーロッパで89%増の40億ドルで、これは主にインシュアランスで事業環 境が好転したこと(11億ドル)が原因です。営業利益はアメリカ大陸で 国際事業の連結収入 (単位:百万ドル) ヨーロッパ 環太平洋地域 30%増の15億ドルで、環太平洋地域(24億ドル)および「その他の地 2003 2002 2001 $ 30,505 $24,813 $24,381 13,119 12,026 11,447 アメリカ大陸 5,854 5,165 5,507 その他の地域 4,608 3,911 3,456 54,086 45,915 44,791 6,719 7,481 7,149 $60,805 $53,396 $51,940 米国からの輸出 合計 域」(9億ドル)では比較的変化がありませんでした。 国際事業の2003年度の総資産は2,589億ドル(連結資産の40%)で、 2002年度より13%増加し299億ドルでした。GECSの国際部門の資産 は2002年度末の2,075億ドルより12%伸び、2003年度末では2,319億 ドルでした。GECSの資産はヨーロッパで31%増加しましたが、これは 主にコンシューマー・ファイナンスおよびコマーシャル・ファイナンスに おける買収(148億ドル)、為替のドル安効果(117億ドル)およびコン シューマー・ファイナンスとインシュアランスの成長の結果です。GECS GEの国際事業の収入は、2001年度は283億ドル、2002年度は290億ド のアメリカ大陸での資産は、コマーシャル・ファイナンスおよびインシュ ル、2003年度は330億ドルと推移しました。GEの国際事業の収入が40 アランスの成長により13%増加ました。 億ドル増加したのは、米国外の事業の業績向上によるものですが、米国 からの輸出の減少により一部相殺されました。 当社の国際事業の財務実績は米ドルで表示されており、為替相場に影 響されます。そのため、状況に応じて現地通貨で借り入れを行ったり、 多額なクロス通貨取引では為替ヘッジを実施するなど、数多くの手法を 駆使して為替相場による影響を管理しようと努めています。主な使用通 貨は、英スターリングポンド、ユーロ、日本円およびカナダ・ドルです。 44 ge 2003 annual ≥epo≥t 財務抜粋データ 2003 2002 2001 2000 1999 $134,187 $132,210 $126,416 $130,385 $112,150 15,589 15,133 14,128 12,735 10,717 (単位:百万ドル、1株あたりの単位:ドル) ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社 収入 会計処理変更前利益 会計処理変更影響額 (587) (1,015) (444) ― ― 純利益 15,002 14,118 13,684 12,735 10,717 配当額 7,759 7,266 6,555 5,647 4,786 22.1% 平均株主持分利益率(会計処理変更による影響を除く) 25.8% 27.1% 27.5% 26.8% 1株あたり 会計処理変更前利益−希釈化後 $ 会計処理変更影響額−希釈化後 純利益−希釈化後 1.55 $ 1.51 $ 1.41 (0.06) (0.10) (0.04) 1.49 1.41 ― 1.07 1.29 1.09 1.56 1.52 1.42 (0.10) (0.04) 1.50 1.42 1.38 株主口座数−平均 ― 1.29 1.09 0.77 0.73 0.66 0.57 2 3 0.48あ 41.84-21.40 52.90-28.25 60.50-41.67 53.17-31.42 30.98 24.35 40.08 47.94 51.58 647,483 575,244 495,023 437,006 405,200 期末の終値 発行済株式数−平均(単位:千株) ― 32.42-21.30 配当額 長期借入金 1.07 1.27 (0.06) 総資産 $ 1.37 会計処理変更前利益−希釈化前 株価の推移 1.27 ― 会計処理変更影響額−希釈化前 純利益−希釈化前 $ 170,004 140,632 79,806 82,132 71,427 10,018,587 9,947,113 9,932,245 9,897,110 9,833,478 670,000 655,000 625,000 597,000 549,000 GEに関するデータ 短期借入金 $ 2,555 $ 8,786 $ 1,722 $ 940 $ 2,245 長期借入金 8,388 970 787 841 少数株主持分 1,079 1,028 948 968 823 79,180 63,706 54,824 50,492 42,557 $ 91,202 $ 74,490 $ 58,281 $ 53,241 $ 46,347 株主持分 投下資本合計 平均投下資本合計利益率(会計処理変更による影響を除く) 19.9% 24.5% 27.0% 27.4% 投下資本合計借入金比率 12.0% 13.1% 4.3% 3.3% 運転資本(a) 有形固定資産増加額 $ 5,282 $ 3,821 $ (2,398) 2,398 $ 799 722 25.8% 6.4% $ 3,922 2,158 2,386 2,876 2,536 2,036 122,000 125,000 125,000 131,000 124,000 96,000 94,000 94,000 92,000 86,000 218,000 219,000 219,000 223,000 210,000 期末従業員数 米国 その他の国々 総従業員数 GECSに関するデータ $ 64,279 $ 58,699 $ 58,856 $ 66,709 $ 56,269 会計処理変更前利益 7,754 4,626 5,586 5,192 4,443 会計処理変更影響額 (339) 純利益 7,415 3,611 45,308 4,701 295,528 収入 株主持分 少数株主持分 借入総額 GEキャピタルの資本債務比率 総資産 保険料収入 (1,015) (169) ― ― 5,417 5,192 4,443 36,929 28,590 23,022 20,321 4,445 4,267 3,968 4,391 270,962 239,935 205,371 200,025 6.20:1 6.58:1 7.31:1 7.53:1 8.44:1 $554,526 $489,828 $425,484 $370,636 $345,018 18,602 16,999 15,843 16,461 13,624 期末従業員数 米国 33,000 36,000 33,000 37,000 43,000(b) その他の国々 54,000 60,000 58,000 53,000 57,000 総従業員数 87,000 96,000 91,000 90,000 100,000 GEとGECSとの間の取引は連結情報から除外されています。 (a)運転資本とは、売掛金と棚卸資産の合計から買掛金と未収金を差し引いた金額をいいます。 (b)1999年においては、モンゴメリー・ウォードの従業員を除く。 ge 2003 annual ≥epo≥t 45 損益計算書 ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社 2003 2002 2001 $ 49,963 $ 55,096 $ 52,677 22,391 21,138 18,722 602 1,013 234 ― ― ― 60,536 54,963 54,783 12月31日を各事業年度末とする(単位:百万ドル、1株あたりの単位:ドル) 収入 商品売上高 サービス売上高 その他の収益(注記2) 会計処理変更前におけるGECSの収益 GECSのサービス収入(注記3) 695 ― ― 134,187 132,210 126,416 商品売上原価 37,189 38,833 35,678 サービス売上原価 14,017 14,023 13,419 支払利息およびその他の財務費用 10,432 10,216 11,062 保険損失・保険および年金給付 16,369 17,608 15,062 3,752 3,084 2,481 31,727 29,229 28,665 連結子会社の当期純利益に対する少数株主利益 290 326 348 連結、証券化事業体の資産処分(注記29) 507 ― ― 114,283 113,319 106,715 連結、証券化事業体の資産処分(注記29) 総収入 売上原価および費用(注記4) 貸倒引当金(注記13) その他の売上原価および費用 売上原価および費用合計 税引および会計処理変更前の利益 法人税等引当額(注記7) 会計処理変更前の利益 18,891 19,701 (3,758) (5,573) 15,133 14,128 15,589 (587) 会計処理変更による累積影響額(注記1) 純利益 19,904 (4,315) $ 15,002 (1,015) $ 14,118 (444) $ 13,684 1株あたり(注記8) 会計処理変更前 1株あたり利益―希釈化後 $ 1.55 $ 1.51 $ 1.41 1株あたり利益―希釈化前 $ 1.56 $ 1.52 $ 1.42 1株あたり利益―希釈化後 $ 1.49 $ 1.41 $ 1.37 1株あたり利益―希釈化前 $ 1.50 $ 1.42 $ 1.38 $ 0.77 $ 0.73 $ 0.66 会計処理変更後 1株あたり配当額 連結株主持ち分計算書 (単位:百万ドル) 2003 2002 2001 $ 63,706 $ 54,824 $ 50,492 株主持分の変動(注記24) 1月1日現在残高 株主に対する配当およびその他の取引 (587) (1,015) (444) 株主に対する取引以外の変動 15,002 14,118 投資有価証券―純額 549 1,303 為替換算調整―純額 5,123 1,000 (562) (1,157) (955) 純利益による増加 ヘッジとみなされるディリバティブ取引―純額 株主に対する取引以外の変動合計額 12月31日現在残高 76∼113ページ(英文)に記載されている連結財務諸表注記は、この連結財務諸表の不可欠の部分です。 46 ge 2003 annual ≥epo≥t 320 13,684 (306) 20,994 15,264 11,861 $ 79,180 $ 63,706 $ 54,824 GE GECS 2003 2002 2001 2003 2002 2001 $47,767 $51,957 $49,057 $ 2,228 $ 3,296 $3,627 22,675 21,360 18,961 ― ― ― 645 1,106 433 ― ― ― 7,754 4,626 5,586 ― ― ― ― ― ― 61,356 55,403 55,229 ― ― ― 695 ― ― 78,841 79,049 74,037 64,279 58,699 58,856 35,102 35,951 32,419 2,119 3,039 3,266 14,301 14,245 13,658 ― ― ― 941 569 817 9,869 9,935 10,598 ― ― ― 16,369 17,608 15,062 ― ― ― 3,752 3,084 2,481 9,870 9,131 8,637 22,342 20,343 20,320 181 183 185 109 143 163 ― ― ― 507 ― ― 60,395 60,079 55,716 55,067 54,152 51,890 4,547 18,446 18,970 18,321 9,212 (2,857) (3,837) (4,193) (1,458) 15,133 14,128 15,589 (587) $15,002 (1,015) $14,118 (444) $13,684 7,754 (339) $ 7,415 79 4,626 (1,015) $ 3,611 6,966 (1,380) 5,586 (169) $5,417 連結データにおいて、「GE」とは連結財務諸表の注記1に説明されているように連結の基礎を示し、「GECS」はゼネラル・ エレクトリック・キャピタル・サービスおよびすべての子会社・関連会社を指します。GEとGECS間の取引は、70ページ (英文)の「ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社」からは除去されています。 ge 2003 annual ≥epo≥t 47 貸借対照表 ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社 12月31日現在(単位:百万ドル) 2003 2002 資産 現金および現金同等物 投資有価証券(注記9) 受取手形および売掛金(注記10) 棚卸資産(注記11) 金融債権(タイムセールス、ローンおよびファイナンス・リースに対する投資)―純額(注記12および13) 保険債権―純額(注記14) その他のGECS債権 有形固定資産(リース資産を含む)―純額(注記15) $ 12,664 $ 8,910 120,724 116,862 10,732 10,681 8,752 9,247 226,029 198,060 27,053 31,585 9,545 11,432 53,382 49,073 ― ― 無形固定資産−純額(注記16) 55,025 46,180 連結、証券化事業体の資産処分(注記29) 26,463 ― その他の資産(注記17) 97,114 93,214 $647,483 $575,244 短期借入金(注記18) $134,917 $138,775 支払勘定、主に買掛金 19,824 18,874 GECSに対する投資 総資産 負債および資本 未払金および未払価格調整分 4,433 6,706 未払配当金 2,013 1,895 15,343 15,577 長期借入金(注記18) 170,004 140,632 135,853 その他の流動費用および未払費用 保険負債・保険および年金給付(注記19) 136,264 連結、証券化事業体の資産処分(注記29) 25,721 ― その他のすべての負債(注記20) 41,357 35,236 繰延税金(注記21) 12,647 12,517 562,523 506,065 5,780 5,473 669 669 負債合計 連結子会社の資本に対する少数株主持分(注記22) 発行済普通株式数(2003年末: 100億6,312万株、2002年末: 99億6,989万4千株) 累積利益(損失)―純額 投資有価証券 1,620 1,071 為替換算調整 2,987 (2,136) (1,792) (2,112) その他の資本 17,497 17,288 剰余金 82,796 75,553 社内株 (24,597) (26,627) ヘッジとみなされるディリバティブ取引 株主持分合計(注記24および25) 負債および資本合計 79,180 63,706 $647,483 $575,244 投資有価証券、為替換算調整およびヘッジ取引とみなされるディリバティブ取引の累積利益(損失)の合計は、注記24に示したとおり、「純利益以外の包括的変動累計額」であり、2003年期末には28億 1,500万ドル、2002年期末には(31億7,700万ドル)となっています。76∼113ページ(英文)に記載されている連結財務諸表注記は、この財務諸表の不可欠の部分です。 48 ge 2003 annual ≥epo≥t GE GECS 2003 $ 1,670 2002 2003 2002 1,079 $ 11,273 380 332 120,344 10,973 10,973 ― ― 8,555 9,039 197 208 ― ― 226,029 198,060 ― ― 27,053 31,585 ― ― 11,901 12,984 14,566 13,743 38,816 35,330 45,308 36,929 ― ― 30,204 23,049 24,821 23,131 $ $ 7,918 116,530 ― ― 26,463 ― 30,448 30,167 67,629 64,082 $142,104 $125,311 $554,526 $489,828 $ $ 2,555 8,786 $132,988 $130,126 8,753 8,095 13,440 12,608 4,433 6,706 ― ― 2,013 1,895 ― ― 15,343 15,577 ― ― 8,388 970 162,540 140,836 ― ― 136,264 135,853 ― ― 25,721 ― 18,449 16,621 22,828 18,441 1,911 1,927 10,736 10,590 61,845 60,577 504,517 448,454 1,079 1,028 4,701 4,445 669 669 1 1 1,620 1,071 1,823 1,191 2,987 (2,136) 2,639 (782) (1,792) (2,112) (1,727) (2,076) 17,497 17,288 12,268 12,271 82,796 75,553 30,304 26,324 (24,597) (26,627) 79,180 $142,104 ― ― 63,706 45,308 36,929 $125,311 $554,526 $489,828 連結データにおいて、「GE」とは連結財務諸表の注記1に説明されているように 連結の基礎を示し、「GECS」はゼネラル・エレクトリック・キャピタル・サー ビスおよびすべての子会社・関連会社を指します。GEとGECS間の取引は、72 ページ(英文)の「ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社」 からは除去されています。 ge 2003 annual ≥epo≥t 49 キャッシュフロー計算書 ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社 12月31日を各事業年度末とする(単位:百万ドル) 2003 2002 2001 $ 15,002 $ 14,118 $ 13,684 キャッシュフロー(営業活動) 純利益 純利益と営業活動から得た現金との調整 会計処理変更による累積影響額 固定資産の減価償却 587 1,015 444 6,956 6,511 5,873 1,252 営業権償却 ― ― 会計処理変更前におけるGECSの収益 ― ― ― 1,127 2,414 1,426 繰延法人税等 GEの流動債権の減少(増加) 534 (409) 197 棚卸資産の減少(増加) 874 (87) (485) 買掛金の増加(減少) 802 227 4,676 GEの前受金の増加(減少) (2,268) (5,062) 保険負債および積立金の増加 1,679 9,454 8,194 金融債権貸倒引当金 3,752 3,084 2,481 3,446 1,244 (1,264) (8,296) 30,289 30,001 32,892 固定資産の取得 (9,767) (14,056) (16,394) 固定資産の処分 4,945 その他営業活動 営業活動から得た現金 キャッシュフロー(投資活動) 6,357 7,591 GECSの金融債権の純増加額 (14,273) (18,082) (13,837) 主要事業の買収 (14,407) (21,570) (12,429) GECSの投資 その他投資活動 投資活動に使った現金 ― ― ― 10,599 (15,111) (5,742) (22,903) (62,462) (40,811) (11,107) (17,347) 20,482 67,545 95,008 32,071 (43,155) (40,454) (37,001) キャッシュフロー(財務活動) 借入金の増加(減少) (満期90日以内) 新規債務(満期90日超) 返済およびその他控除(満期90日超) 自社株式処分(購入) 726 (985) (2,435) (7,157) (6,358) 株主への配当 (7,643) その他財務活動 (9,998) 3,873 2,047 財務活動から得た(使った)現金 (3,632) 32,938 8,806 年度内の現金および現金同等物の増加(減少) 3,754 477 887 期首現金および現金同等物 8,910 8,433 7,546 期末現金および現金同等物 $ 12,664 $ $(10,561) $(9,654) $(11,125) (1,539) (948) (1,487) 8,910 $ 8,433 キャッシュフロー情報の補足開示 年度内の利払い現金 年度内の法人税等からの受取(支払)現金 76∼113ページ(英文)に記載されている連結財務諸表注記は、この財務諸表の不可欠の部分です。 50 ge 2003 annual ≥epo≥t GE GECS 2003 2002 2001 $15,002 $14,118 $13,684 2003 $ 7,415 2002 $ 3,611 2001 $ 5,417 587 1,015 444 339 1,015 169 2,277 2,199 1,919 4,679 4,312 3,954 545 ― ― 707 ― ― ― 738 1,409 862 ― (4,319) ― (2,661) (3,625) 389 1,005 585 (486) 207 ― ― ― 909 (149) (881) (35) 62 396 676 (2,268) ― ― (913) 708 (5,062) ― ― (590) 564 364 666 3,446 ― ― ― ― 1,679 9,454 8,194 4,804 (880) ― 3,752 3,084 530 2,215 (556) 2,481 (8,688) 12,925 10,097 17,197 21,448 21,511 18,296 (2,158) (2,386) (2,876) (7,609) (11,670) (13,518) ― ― ― ― ― ― (3,870) ― 236 (5,792) (6,704) 7,356 (277) 726 (7,643) ― (6,542) 591 (8,952) (1,436) (6,300) (3,043) 203 (17,435) 1,508 (5,847) 7,924 327 66 1,303 (1,229) (950) (985) (2,435) (7,157) (6,358) ― ― (1,381) (8,113) 4,945 6,357 7,591 (14,273) (18,082) (13,837) (10,537) (12,618) (10,993) ― 9,788 ― ― (15,234) (7,741) (17,686) (51,247) (38,498) (4,035) (34,687) 23,634 59,939 96,044 30,752 (42,878) (39,225) (36,051) ― ― ― (3,435) (1,965) (9,998) 10,173 5,090 (407) 30,340 21,464 1,262 (8,719) 3,237 3,355 604 1,079 9,798 6,561 7,918 7,314 $ 1,670 $ 1,079 $ 9,798 $ 11,273 $ $ (248) $ (155) $ (358) $ (10,313) $ ( 9,499) (2,685) (2,331) (1,616) 1,146 7,918 1,383 (1,961) 6,052 $ 7,314 $(10,767) 129 連結データにおいて、「GE」とは連結財務諸表の注記1に説明されているように連結の基礎を示し、「GECS」はゼネラル・ エレクトリック・キャピタル・サービスおよびすべての子会社・関連会社を指します。GEとGECS間の取引は、74ページ (英文)の「ゼネラル・エレクトリック・カンパニーおよび連結子会社」からは除去されています。 ge 2003 annual ≥epo≥t 51 4/15/2004 日本ゼネラル・エレクトリック株式会社 〒107-8453 東京都港区赤坂1丁目14番14号 第35興和ビル www.gejapan.com g gene≥al elect≥ic company, fai≥field, connecticut 06828 www.ge.com 日本ゼネラル・エレクトリック株式会社 〒107-8453 東京都港区赤坂1丁目14番14号 第35興和ビル Printed in Japan