LTC4307-1 高精細マルチメディア・ インターフェイス(HDMI) レベルシフト2線バス・バッファ 特長 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 概要 ディスプレイ・データ・チャネル(DDC) 用の 双方向バッファ HDMI仕様バージョン1.3のDDC容量要件に準拠 3.3Vと5V間のレベル変換 5kV人体モデルESD保護 バッファのオフセット電圧:負荷と関係なく60mV 非準拠VOL I2Cデバイスと互換 入力SDAおよびSCLラインを出力から絶縁 I2C、I2C Fast Mode、 SMBus規格に準拠 READYオープンドレイン出力 VCC = 0V時にSDAピンとSCLピンがハイ・インピーダンス 小型8ピン(3mm 3mm ) DFNおよび8ピンMSOPパッケー ジ LTC4307-1は入出力間の容量バッファリングを提供する2 線バス・バッファです。HDMI規格では、機器のDDCバス・ ラインの入力容量が50pF以下であることが規定されて います。容量バッファリング機能を搭載したLTC4307-1 は、10pF以下のデータおよびクロック入力容量により、 HDMIデバイスが50pF要件を容易に満たし、内部バス上 の高い容量を許容できるようにします。 また、LTC4307-1は3.3Vシステムと5Vシステム間のレベ ルシフトを行うので、より低電圧のHDMI送信機、受信 機、EEPROMが5V DDCバスにインターフェイスできま す。READYは、入出力バスが接続されているかどうか を知らせ、HDMIの活線挿入検出(HPD)信号にインター フェイスできるオープンドレイン・デジタル出力フラグ です。ENABLEデジタル入力が H にドライブされると、 ストップ・ビットまたはバス・アイドルが検知された後で 接続することができます。ENABLE入力が L にドライブ されると、入力バスと出力バスの接続が絶たれます。 アプリケーション ■ ■ ■ HDMI 3.3V/5Vレベル変換 容量バッファ/バス・エクステンダ 、LT、LTC、LTMはリニアテクノロジー社の登録商標です。他のすべての商標はそれぞ れの所有者に所有権があります。7032051、6356140、6650174を含む米国特許によって保 護されています。 標準的応用例 L 状態からの立ち上がりエッジ DVD PLAYER (SOURCE) TV (SINK) 1000 3.3V 1.8k 1.8k HDMI CABLE HDMI TX IC 0.1µF EEPROM LTC4307-1 <50pF 800 10k VCC SDAIN SDAOUT HDMI RX IC SCLIN SCLOUT DDC GROUND 10k ENABLE GND 200mV/DIV 5V 600 LOW OFFSET 400 SDAOUT SDAIN µC 200 0 43071 TA01a 0 100 200 300 400 100ns/DIV 500 600 43071 TA01b 43071f 1 LTC4307-1 絶対最大定格 (Note 1、6) VCCからGND ........................................................... 0.3V∼6V SDAIN、 SCLIN、SDAOUT、 SCLOUT、 READY、 ENABLE ...................................................... 0.3V∼6V 最大シンク電流(SDAIN、 SCLIN、SDAOUT、 SCLOUT、 READY)......................................................... 50mA 動作温度範囲 LTC4307C ..............................................................0 C∼70 C LTC4307I ..........................................................40 C∼85 C 保存温度範囲 DFN ................................................................. 65 C∼125 C MSOP ............................................................. 65 C∼150 C リード温度(半田付け、10秒) MSOP ........................................................................... 300 C ピン配置 TOP VIEW TOP VIEW ENABLE 1 SCLOUT 2 SCLIN 3 9 GND 4 8 VCC 7 SDAOUT 6 SDAIN 5 READY ENABLE SCLOUT SCLIN GND 1 2 3 4 8 7 6 5 VCC SDAOUT SDAIN READY MS8 PACKAGE 8-LEAD PLASTIC MSOP TJMAX = 125°C, θJA = 200°C/W DD PACKAGE 8-LEAD (3mm × 3mm) PLASTIC DFN TJMAX = 125°C, θJA = 43°C/W EXPOSED PAD (PIN 9) IS GND, MUST BE SOLDERED TO PCB 発注情報 LEAD FREE FINISH TAPE AND REEL PART MARKING* PACKAGE DESCRIPTION TEMPERATURE RANGE LTC4307CDD-1#PBF LTC4307CDD-1#TRPBF LDBP 8-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN 0°C to 70°C LTC4307IDD-1#PBF LTC4307IDD-1#TRPBF LDBP 8-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN 0°C to 85°C LTC4307CMS8-1#PBF LTC4307CMS8-1#TRPBF LTDBN 8-Lead Plastic MSOP 0°C to 70°C LTC4307IMS8-1#PBF LTC4307IMS8-1#TRPBF LTDBN 8-Lead Plastic MSOP 0°C to 85°C さらに広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせください。*温度グレードは出荷時のコンテナのラベルで識別されます。 鉛フリー製品のマーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。 テープアンドリールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/ をご覧ください。 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。 それ以外はTA = 25 Cでの値。注記がない限り、VCC = 3.3V。 SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS Power Supply VCC Positive Supply Voltage ICC Supply Current VCC = 5.5V, VSCLOUT = VSDAOUT = 0V (Note 5) ISD Shutdown Supply Current VCC = 5.5V, ENABLE = GND, SDA, SCL = 5.5V ● tIDLE Bus Idle Time ● 2.3 ● ● 55 5.5 V 8 11 mA 900 1200 µA 95 175 µs 43071f 2 LTC4307-1 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。 それ以外はTA = 25 Cでの値。注記がない限り、VCC = 3.3V。 SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX VTHR_ENABLE ENABLE Threshold 0.8 1.4 2 V IENABLE ENABLE Input Current ENABLE from 0V to VCC 0.1 ±5 µA tPLH_EN ENABLE Delay Off-On VCC = 3.3V (Figure 1) 95 µs tPHL_EN ENABLE Delay On-Off VCC = 3.3V (Note 3) (Figure 1) 10 ns tPLH_READY READY Delay Off-On VCC = 3.3V (Note 3) (Figure 1) 10 ns tPHL_READY READY Delay On-Off VCC = 3.3V (Note 3) (Figure 1) VOL_READY READY Output Low Voltage IPULLUP = 3mA, VCC = 2.3V ● IOFF_READY READY Off Leakage Current VCC = READY = 5.5V ● ● 10 0.1 UNITS ns 0.4 V ±5 µA Propagation Delay tPHL SDA/SCL Propagation Delay High to Low CLOAD = 50pF, 2.7k to VCC on SDA, SCL, VCC = 3.3V (Notes 2, 3) (Figure 1) 70 ns tPLH SDA/SCL Propagation Delay Low to High CLOAD = 50pF, 2.7k to VCC on SDA, SCL, VCC = 3.3V (Notes 2, 3) (Figure 1) 10 ns tFALL SDA/SCL Transition Time High to Low CLOAD = 100pF, 10k to VCC on SDA, SCL, VCC = 3.3V (Notes 3, 4) (Figure 1) 30 300 ns 60 100 mV Input-Output Connection VOS Input-Output Offset Voltage 2.7k to VCC on SDA, SCL, VCC = 3.3V, Driven SDA, SCL = 0.2V VTHR SDA, SCL Logic Input Threshold Voltage Rising Edge VHYS SDA, SCL Logic Input Threshold Voltage Hysteresis (Note 3) CIN Digital Input Capacitance SDAIN, SDAOUT, SCLIN, SCLOUT (Note 3) ILEAK Input Leakage Current SDA, SCL, Pins ● VOL Output Low Voltage SDA, SCL Pins, ISINK = 4mA, SDAIN/SCLIN = 0.2V, VCC = 2.7V ● 0 2.7k to VCC on SDA, SCL, VCC = 3.3V, Driven SDA, SCL = 0.1V ● 120 VCC = 3.3V ● VILMAX Buffer Input Logic Low Voltage ● 20 0.45VCC 0.55VCC 0.65VCC 50 160 V mV 10 pF ±5 µA 0.4 V 205 mV 1.2 V Timing Characteristics fI2C,MAX I2C Maximum Operating Frequency (Note 3) tBUF Bus Free Time Between Stop and Start Condition (Note 3) 1.3 µs tHD,STA Hold Time After (Repeated) Start Condition (Note 3) 100 ns tSU,STA Repeated Start Condition Set-Up Time (Note 3) 0 ns tSU,STO Stop Condition Set-Up Time (Note 3) 0 ns tHD,DATI Data Hold Time Input (Note 3) 0 ns tSU,DAT Data Set-Up Time (Note 3) 100 ns Note 1:絶対最大定格はそれを超えるとデバイスに永続的な損傷を与える可能性がある 値。また、絶対最大定格状態が長時間続くと、デバイスの信頼性と寿命に悪影響を与える 恐れがある。 Note 2:プルアップ抵抗およびバス容量と相関のあるtPHLとtPLHについては、 「動作」の項 目の「伝播遅延」を参照のこと。 400 600 kHz Note 3:設計によって決定されており、 製造時のテストは行われない。 Note 4:測定ポイントは0.3 • VCCと0.7 • VCCである。 Note 5:ICCテストは接続回路をアクティブにして行われる。 Note 6:注記がない限り、 ピンに流れ込む電流はすべて正で、電圧はすべてGND基準であ る。 43071f 3 LTC4307-1 タイミング図 ENABLE、 CONNECT、 READYのタイミング tPLH_READY tPLH_EN tPHL_READY tPHL_EN ENABLE CONNECT READY 4307 F01a SDAIN、 SDAOUTおよびSCLIN、 SCLOUTの立ち上がりおよび立ち下がりの伝播遅延と立ち上がり時間および立ち下がり時間 tPLH tPHL tRISE tRISE tFALL tFALL SDAIN/SCLIN SDAOUT/SCLOUT 4307 F01b 図1. タイミング図 43071f 4 LTC4307-1 標準的性能特性 注記がない限り、TA = 25 C、VCC = 3.3V。 ICCと温度 8.0 950 VCC = 5.5V VCC = 5.5V 900 7.7 7.4 ISD (µA) VCC = 3.3V 7.1 6.8 850 VCC = 3.3V 800 6.5 750 –25 0 50 25 TEMPERATURE (°C) 75 100 700 –50 –25 25 50 0 TEMPERATURE (°C) 75 4307 G01 入力から出力までの H から L への伝播遅延とCOUT 130 40 CIN = COUT = 50pF RPULLUPIN = RPULLUPOUT = 10k 0 –50 100 –25 0 25 50 TEMPERATURE (°C) 75 100 4307 G03 接続回路のVOUT – VIN (VOS) 85 CIN = 50pF RPULLUPIN = RPULLUPOUT = 10k 120 VCC = 3.3V 4307 G02 75 110 VCC = 5.5V VOUT – VIN (mV) 5.9 –50 VCC = 5.5V 60 20 VCC = 2.3V 6.2 VCC = 2.3V 80 VCC = 2.3V tPHL (ns) ICC (mA) 100 tPHL (ns) 8.3 入力から出力までの H から L への伝播遅延と温度 ISDと温度 100 90 VCC = 3.3V 80 65 55 70 60 0 200 400 600 COUT (pF) 800 1000 4307 G04 45 1 2 3 4 5 6 7 RPULLUP (kΩ) 8 9 10 4307 G05 43071f 5 LTC4307-1 ピン機能 ENABLE( ピン 1 ) :接続イネーブル入力。これは1.4Vのデ ジタル・スレッショルド入力ピンです。通常動作では ENABLEを H にプルアップするか、または H に接 続します。ENABLEを0.8Vより低くドライブすると、 SDAOUTからSDAINを、SCLOUTからSCLINをそれぞ れ絶縁し、READYを L にします。フォールトが生じた 後のENABLEの立ち上がりエッジによって、SDAINと SDAOUTの間およびSCLINとSCLOUTの間が接続されま す。使用しない場合にはVCCに接続します。 SCLOUT( ピン 2 ) :シリアル・クロック出力。このピンは DDCバスのクロック・ラインに接続します。このピンと VCC電圧以上の電源電圧の間にプルアップ抵抗を接続し ます。 SCLIN (ピン3) :シリアル・クロック入力。このピンはDDC バスのクロック・ラインに接続します。このピンとVCC電 圧以上の電源電圧の間にプルアップ抵抗を接続します。 GND(ピン 4 ) :デバイスのグランド。最高の結果を得るた め、このピンはグランド・プレーンに接続します。 READY( ピン 5 ) :接続レディの状態出力。READYピンは オープンドレインのNチャネルMOSFET出力で、ENABLE が L のとき、または「動作」の項目で述べる起動と接続 のシーケンスが完了していないとき、 L になります。 READYは、ENABLEが H のときに接続が行われると H になります。READYはHDMI HPD信号の制御に使用 することができます。このピンからV CCにプルアップ抵 抗(標準10k)を接続してプルアップを行います。このピン を使用しない場合にはフロートさせることができます。 SDAIN (ピン6) :シリアル・データ入力。このピンはDDCバ スのデータ・ラインに接続します。このピンとVCC電圧以 上の電源電圧の間にプルアップ抵抗を接続します。 SDAOUT(ピン7) :シリアル・データ出力。このピンはDDC バスのデータ・ラインに接続します。このピンとVCC電圧 以上の電源電圧の間にプルアップ抵抗を接続します。 VCC (ピン8):電源電圧入力。最高の結果を得るため、VCCの 近くに少なくとも0.01µFのバイパス・コンデンサを接続 します。 露出パッド(ピン 9 、DFN パッケージのみ ):露出パッドは オープンのままにするか、デバイスのグランドに接続す ることができます。 43071f 6 LTC4307-1 ブロック図 低オフセットのレベルシフト2線バス・バッファ VCC 8 CONNECT 6 SDAIN SDAOUT SLEW RATE DETECTOR 7 SLEW RATE DETECTOR CONNECT CONNECT 3 SCLIN SCLOUT SLEW RATE DETECTOR SLEW RATE DETECTOR + CONNECT + 0.55VCC 2 – 0.55VCC – + + LOGIC 0.55VCC – 0.55VCC – READY CONNECT 1 ENABLE 5 + 1.4V – UVLO 95µs DELAY CONNECT GND 4 43071 BD 43071f 7 LTC4307-1 動作 起動 LTC4307-1は、パワーアップ時に最初にV CC ピンに電力 が供給されると、低電圧ロックアウト(UVLO)状態で動 作を開始し、VCCが2V(標準)を上回るまではSDAピンや SCLピンのあらゆる活動状態を無視します。このため、 LTC4307-1は機能するのに十分な電圧を得るまでは機能 しようとしません。 LTC4307-1はUVLO状態から出ると、両方の2線バスでス トップ・ビットまたはバスのアイドル状態をモニタし、 データ・トランザクションの完了を知らせます。両方がア イドル状態、または一方にストップ・ビットがあり他方が アイドル状態の場合、入力から出力への接続回路が起動 され、SDAINとSDAOUTの間、およびSCLINとSCLOUTの 間が接続されます。 接続回路 接続回路が起動されると、SDAINピンとSDAOUTピン の機能は等しくなります。任意の時点でどちらかのピン が L にされると、両方のピンの電圧が L になります。 LTC4307-1では、I2Cバスのロジック L のDC電圧は、最大 で0.3VCCのVIL I2C規格まで許容されます。 LTC4307-1は、バスの立ち上がりエッジをセンスすると、 バスの電圧が0.48Vまで低下するようにプルダウン・デバ イスの動作を停止させます。クロック・ストレッチやアー ビトレーションに参加しているデバイスが、LTC4307-1の 入力を0.48Vより低いロジック L の電圧にすることがで きるように注意する必要があります。 SDAINとSDAOUTの両方ですべてのデバイスが H に解 放された時のみ、SDAINとSDAOUTはロジック H にな ります。SCLINとSCLOUTでも同様です。この重要な機能 により、システム内のデバイスがどのようにLTC4307-1に 接続されているかに関係なく、クロック・ストレッチ、ク ロックの同期化、アービトレーション、アクノリッジのプ ロトコルが常に機能することが保証されます。 接続回路のもう1つの主要な機能として、この回路は双方 向バッファリングを備えており、2本の2線バスの容量を 互いに絶縁するようにします。LTC4307-1をHDMIの送信 機や受信機内のHDMIポートの近くに配置することによ り、HDMIデバイスは容量の適合基準を満たすことがで きます。この絶縁により、SDAINとSCLINの波形は以下に 述べるように、対応するSDAOUTとSCLOUTの波形とわ ずかに異なって見えます。 入力から出力までのオフセット電圧 LTC4307-1のデータ・ピンまたはクロック・ピンのどちら かがロジック L の電圧(V LOW1 )にドライブされると、 LTC4307-1は反対側のデータ・ピンまたはクロック・ピン の電圧をわずかに高い電圧(通常VLOW1より60mV上)に 制御します。このオフセットはプルアップ電流と実質的 に関係ありません(「標準的性能特性」のグラフを参照)。 伝播遅延 立ち上がりエッジでは、それぞれの側の立ち上がり時間 はバスのプルアップ抵抗とライン上の等価容量によって 決定されます。プルアップ抵抗の値が等しい場合、両側の 容量の差に正比例する立ち上がり時間の差が生じます。 2本の2線バス間のRC時定数の差を考慮し、両方のバスが システム・タイミング仕様のすべてを満たしていること を確認する必要があります。 立ち下がりの波形には、接続回路による有限の伝播遅延 があります。VCC = 5.5V、両側のプルアップ抵抗が10k、入 力バスの寄生容量が150pF、出力ピンの容量が50pFの場合 の立ち下がりエッジ波形を図2に示します。外付けNチャ ネルMOSFETデバイスが150pFの容量をもった側の電圧 を引き下げます。一方、LTC4307-1は反対側の電圧を引き 下げますが80nsの遅延を伴います。この遅延は常に正の 値で、電源電圧、温度、バスの両側のプルアップ抵抗およ び等価バス容量と相関関係をもちます。デバイスの両側 のプルアップ抵抗が10kで、等価容量が50pFの場合の、温 度および電圧と相関関係をもつ伝播遅延を「標準的性能 特性」の項目に示します。また、V CC = 5.5Vの場合のt PHL とCOUTの曲線は、容量を50pFから150pFに増加させると、 tPHLが81nsから91nsに増加することを示しています。 OUTPUT SIDE 50pF 1V/DIV INPUT SIDE 150pF 1V/DIV 200ns/DIV 43071 F02 図2. 入力から出力までの立ち下がりエッジ波形 43071f 8 LTC4307-1 動作 出力容量を大きくすると遅延が増加します(最大125ns)。 システム内の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの伝 播時間の差を定量化し、それに従ってセットアップ時間 とホールド時間を調節する必要があります。 READYデジタル出力 このピンは、ENABLEが L のとき、またはこの項目で前 述されている起動シーケンスが完了していないとき L になるデジタル・フラグを出力します。ENABLEが H で、入力と出力の2線バスが接続されているとき、READY は H になります。このピンは、ピンを0.4Vに保ったまま 3mAをシンクすることができるオープンドレインのプル ダウンによってドライブされます。V CCに抵抗を接続し てプルアップを行います。 READYをHDMIの活線挿入検出(HPD)信号の制御に使 用し、シンクの通信準備ができる前にソースが誤ってシ ンクと交信しようとする可能性を排除することができま す。 ENABLE ENABLEピンがLTC4307-1のグランドを基準にして0.8V より低い電圧にドライブされると、入力の2線バスは出 力の2線バスから切断されてREADYピンが内部で L に されます。このピンが2Vを超える電圧にドライブされる と、デバイスは(「起動」の項目で述べたように)、両方の 2線バスでのデータ・トランザクションが完了するのを 待ってから両側を接続します。この時点でREADYの内部 プルダウンは解放されます。 LTC4307とLTC4307-1の機能の違い LTC4307-1のHDMIレベルシフト2線バス・バッファは、特 にHDMIアプリケーション向けを意図したものです。汎 用のLTC4307デバイスの機能で、HDMIシステムに不要な 部分は削除されています。さらに、LTC4307-1にはレベル シフト機能が追加されているので、3.3V HDMIデバイス を5V HDMI DDCバスと安全にインターフェイスさせる ことができます。LTC4307とLTC4307-1の相違点について は表1を参照してください。 表1. LTC4307とLTC4307-1の相違点 SPECIFICATION LTC4307 LTC4307-1 COMMENTS ON LTC4307-1 Pre-charge Yes No Level Shifting No Yes, 2.2V to 5.5V Stuck Bus Disconnect and Recovery Yes No Stuck Busses, Not an Issue in HDMI Systems Rise Time Accelerators Yes No Complies with HDMI Specification Version 1.3 DDC Capacitance Requirement HDMI DDC Lines are Not Hot Swapped Provides Communication Between 3.3V and 5V DDC Busses, Protects 3.3V Devices from 5V Supply アプリケーション情報 容量バッファリングのアプリケーションに使用される LTC4307-1を図3に示します。LTC4307-1の容量バッファ リング機能と10pF以下の入力容量により、図示するよう にLTC4307-1がHDMIコネクタ・インターフェイスの間 近に配置されている場合、このアプリケーション回路は HDMIの50pFの最大DDC容量の規格を容易に満たしま す。SDAINピンとSCLINピンに接続された内部バスの容 量は50pFよりはるかに大きくなることがありますが、 LTC4307-1の容量バッファリングによって、内部バスの容 量はHDMIコネクタから絶縁されます。 HDMIでは、シンク・デバイスが活線挿入検出(HPD)信号 を H にし、DDCを介してコマンドを受け取る準備がで きたことをソースに知らせます。この信号をLTC4307-1 のREADYピンにより制御し、シンクが拡張ディスプレ イ識別データ(EDID)を返す準備ができる前に、ソースが 誤ってシンクと交信しようとする可能性を排除すること ができます。READYピンは、5Vが印加され、LTC4307-1の ENABLEピンがHDMIの受信デバイス、シンク内のコント ローラ、または5Vライン自体により H にされるときだ け H になります。 43071f 9 LTC4307-1 アプリケーション情報 容量バッファリングと5Vから3.3Vへのレベルシフトに 使用されているLTC4307-1を図4に示します。このアプ リケーションでは、EEPROMはこの装置がオフしたとき に得られる3.3Vのバックアップ電源から電力供給され ます。EEPROM内のEDIDは、たとえ装置の電源がオフで あっても読み出すことができます。 この項目で示すアプリケーションはHDMIの受信チャネ ルを対象としていますが、このデータシートの最終ペー ジの「標準的応用例」に示すように、LTC4307-1はHDMIの 送信チャネルでも問題なく使用することができます。 5V 5V R1 1.8k C1 0.1µF R2 1.8k R4 47k R5 1k LTC4307-1 VCC READY SDA R6 100k R7 10k R8 10k EEPROM VCC SCL SDA GND R9 10k SDAOUT SDAIN TO SCL HDMI TX IC HPD R10 10k SCLOUT SCLIN HDMI CABLE HDMI RX IC ENABLE GND DDC R3 100k DDC/CEC GROUND 3.3V HDMI SINK (DIGITAL TV) HDMI SOURCE (DVD PLAYER) 43071 F03 図3. HDMI容量バッファリングのアプリケーションに使用されるLTC4307-1 SWITCHED 3.3V BACKUP 3.3V 5V 5V R1 1.8k R2 1.8k TO SDA HDMI SCL TX IC R3 47k R4 47k LTC4307-1 VCC READY R5 100k R6 10k R7 10k HDMI RX IC SDAIN SDAOUT HDMI CABLE SCLIN SCLOUT DDC DDC/CEC GROUND HDMI SOURCE (DVD PLAYER) C1 0.1µF EEPROM VCC SCL SDA ENABLE GND µC HDMI REPEATER (DIGITAL RECEIVER) 43071 F04 図4. レベルシフトと容量バッファリングの3.3Vバックアップ付きHDMIアプリケーションに使用されるLTC4307-1 43071f 10 LTC4307-1 パッケージ寸法 DDパッケージ 8ピン・プラスチックDFN (3mm 3mm) (Reference LTC DWG # 05-08-1698) R = 0.115 TYP 5 0.675 ±0.05 3.5 ±0.05 1.65 ±0.05 2.15 ±0.05 (2 SIDES) パッケージ の外形 0.25 ± 0.05 3.00 ±0.10 (4 SIDES) ピン� トップマーク (������) 1.65 ± 0.10 (2 SIDES) 4 0.25 ± 0.05 0.75 ±0.05 0.200 REF 0.50 BSC 2.38 ±0.05 (2 SIDES) 0.38 ± 0.10 8 (DD8) DFN 1203 1 0.50 BSC 2.38 ±0.10 (2 SIDES) 0.00 – 0.05 底面図̶露出パッド 推奨する半田パッドのピッチと寸法 ����: ���図は�����パッケージ外形������のバリエーション (������) になる予定 ���図は実寸とは異なる ���すべての寸法はミリメートル ���パッケージ底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない。 モールドのバリは (もしあれば)各サイドで������を超えないこと ���露出パッドは半田メッキとする ���網掛けの部分はパッケージの上面と底面のピン�の位置の参考に過ぎない MS8パッケージ 8ピン・プラスチックMSOP (Reference LTC DWG # 05-08-1660 Rev F) 3.00 ± 0.102 (.118 ± .004) (NOTE 3) 0.889 ± 0.127 (.035 ± .005) 0.254 (.010) 8 7 6 5 3.00 ± 0.102 (.118 ± .004) (NOTE 4) 4.90 ± 0.152 (.193 ± .006) DETAIL “A” 0.52 (.0205) REF 0° – 6° TYP ゲージプレーン 5.23 (.206) MIN 3.20 – 3.45 (.126 – .136) 0.53 ± 0.152 (.021 ± .006) DETAIL “A” 0.42 ± 0.038 (.0165 ± .0015) TYP 0.65 (.0256) BSC 1 1.10 (.043) MAX 2 3 4 0.86 (.034) REF 0.18 (.007) 推奨する半田パッド・レイアウト ����: ��� 寸法はミリメートル�(インチ) ��� 図は実寸とは異なる ��� 寸法にはモールドのバリ、突出部、 またはゲートのバリを含まない。 � モールドのバリ、突出部、 またはゲートのバリは、 各サイドで�������(������) を超えないこと ��� 寸法には、 リード間のバリまたは突出部を含まない。 リード間のバリまたは突出部は、 � 各サイドで�������(������) を超えないこと ���リードの平坦度 (整形後のリードの底面) は最大�������(������) であること シーティング プレーン 0.22 – 0.38 (.009 – .015) TYP 0.65 (.0256) BSC 0.1016 ± 0.0508 (.004 ± .002) MSOP (MS8) 0307 REV F 43071f リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負い ません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資 料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。 11 LTC4307-1 標準的応用例 LTC4307-1が送信チャネルと受信チャネルの両方で 容量バッファリングを行うHDMIアプリケーション DVD PLAYER (SOURCE) TV (SINK) 5V EEPROM C1 0.1µF R1 10k R2 10k LTC4307-1 VCC READY R3 10k R4 1.8k R5 1.8k HDMI CABLE SDAIN SDAOUT HDMI TX IC SCLIN SCLOUT <50pF 3.3V C2 0.1µF LTC4307-1 VCC READY R6 10k R7 10k SDAIN SDAOUT HDMI RX IC SCLIN SCLOUT ENABLE ENABLE GND GND µC DDC GROUND 43071 TA02 関連製品 製品番号 LTC1380/LTC1393 LTC1427-50 LTC1623 LTC1663 LTC1694/LTC1694-1 LTC1695 LT1786F LTC1840 LTC4300A-1/ LTC4300A-2/ LTC4300A-3 LTC4301 説明 SMBusインターフェイス付き、シングルエンド8チャネル/ 差動4チャネル・アナログ・マルチプレクサ SMBusインターフェイス付き、 マイクロパワー10ビット電流出力DAC SMBusインターフェイス付きデュアル・ ハイサイド・スイッチ・コントローラ SMBusインターフェイス付き10ビット・レール・ トゥ・レール・マイクロパワーDAC SMBusアクセラレータ ThinSOTTMパッケージのSMBus/I2Cファン 速度コントローラ SMBusで制御されるCCFL用スイッチング・ レギュレータ デュアルI2Cファン速度コントローラ ホットスワップ可能な2線バス・バッファ 電源に依存しないホットスワップ可能な 2線バス・バッファ LTC4301L 低電圧レベル変換付き、ホットスワップ 可能な2線バス・バッファ LTC4302-1/LTC4302-2 アドレス指定可能な2線バス・バッファ LTC4303/LTC4304 スタックバス復旧機能付き、ホットスワップ 可能な2線バス・バッファ LTC4305/LTC4306 容量バッファリング付き2/4チャネル、 2線バス・マルチプレクサ LTC4307 注釈 低RON:35Ω、 シングルエンド/70Ω差動、 32本のシングルエンド・ チャネルまたは16本の差動チャネルに拡張可能 全温度範囲で高精度50µA 2.5%の許容誤差、 4つの選択可能な SMBusアドレス、DACはゼロまたは中間スケールで起動 8つの選択可能なアドレス/16チャネル対応 DNL < 0.75LSB(最大)、5ピンSOT-23パッケージ 改善されたSMBus/I2C立 ち上がり時間、 複数のSMBus/I2C デバイスでデータの完全性を保証 0.75ΩPMOS 180mAレギュレータ、 6ビットDAC 1.25A、 200kHz、 フロートまたは接地したランプ構成 2つの100µA 8ビットDAC、2つのタコメータ入力、4つのGPI0 LTC4300A-1:READY、 ACC、 ENABLE付きバス・バッファ LTC4300A-2:READY、 ACC付きデュアル電源バス・バッファ LTC4300A-3:READY、 ENABLE付きデュアル電源バス・バッファ 電源に依存しない SDAINおよびSCLINで1Vの低いバス・プルアップ電圧が可能 アドレス拡張、 GPIO、 ソフトウェア制御 自動クロッキングでスタックI2Cバスを復旧 2/4の選択可能な下り方向バス、 スタックバスの切断、 立ち上がり時間アクセラレータ、フォールト通知、 10kV人体 モデルESD耐性 スタックバス復旧機能付き、低オフセットの バッファのオフセット:60mV、 スタックバス切断および復旧: ホットスワップ可能な2線バス・バッファ 30ms ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。 43071f 12 リニアテクノロジー株式会社 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 www.linear-tech.co.jp ● ● 0707 • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2007