CompactPCIバスのホットスワップ − デザインノート 200 Robert Reay CompactPCITMバスが好評を得ている理由の1つに、バッ クプレーンが通電中のままシステム電源を切らずに挿入、 引き抜きが可能なホットスワップ (活線挿抜)があります。 CompactPCIボードのホットスワップを行うのに必要な主 要要素のひとつは、電源アイソレーション・コントローラ です。 LTC ® 1643Lは、CompactPCIホットスワップ TM 規格 PICMGTM2.1の電源アイソレーション条件に適合するよう に設計されています。このチップは管理された方法でボー ドの電源電圧をオン/オフし、電源にグリッチを発生させ たりシステムの他のボードをリセットしたりすることな く、安全にボードの挿入、引き抜きを行うことができま す。また回路短絡に対する保護も行い、HEALTHY#信号 により電源電圧の状態をレポートします。 LTC1643の機能の概要 LTC1643の機能の概要は以下のとおりです。 1. −12V、12V、3.3V、および5Vの4種類のCompactPCI 電源をすべて制御します。 2. プログラム可能なフォルドバック電流制限:出力電圧 に応じた値でプログラム可能なアナログ電流制限。出 力がグランドに短絡した場合は電流制限を下げて、電 力消費や電源グリッチを最小限にを抑えます。 、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。 Hot Swapはリニアテクノロジー社の商標です。 CompactPCIおよびPICMGはPCI Industrial Computer Manufacturers Groupの商標です。 R2 0.007Ω 1% MED 5V R1 0.005Ω 1% Q1 IRF7413 5V 5A Q2 IRF7413 3.3V 7.6A MED 3.3V R3 10Ω 5% V(I/O) R8 1.2k 5% R9 2k 5% 12V BD_SEL# HEALTHY# 9 3VIN 1 2 CompactPCI CONNECTOR –12V 5 V(I/O) D2* 12V C6 0.1µF R10 2k 5% R4 10Ω 5% 6 7 C7 0.1µF 10 11 3VSENSE GATE 3 13 3VOUT 5VIN R5 100Ω 5% 12 5VOUT 12VIN 12VOUT VEEIN VEEOUT ON LTC1643L 16 15 12V 500mA –12V 100mA LONG 3.3V PRECHARGE OUT 1V ±20% IOUT = ±40mA FAULT PWRGD C1 0.047µF 14 5VSENSE GND TIMER 8 4 C3 0.01µF C2 0.01µF D1 1N4148 R11 24Ω 5% LONG GND LT1117 R6 130Ω 1% R7 56.2Ω 1% V(I/O) LOCAL_PCI_RESET# PCI_RST# DATA LINE EXAMPLE R14 10Ω, 5% R13 10k 5% LONG LONG 3.3V 5V 3.3V 5V RESET# DATA BUS *ISMA12CAT3 DN200 F01 図1. CompactPCIの標準応用例 02/99/200 PCI BRIDGE (21154) OUT IN ADJ 3. プログラム可能な回路ブレーカ: 電源の電流制限状態 が長く続くと回路ブレーカがトリップし、電源がター ンオフしてFAULT#ピンは“L”になります。 4. 電流制限電源立上げ:電源は電流制限状態で立ち上げ ることができます。これにより、大容量負荷が装荷さ れたボードを回路ブレーカをトリップさせないで立ち 上げることができます。最大電源立上げ時間はTIMER ピンでプログラム可能です。 5. チップ内蔵の−12Vおよび12Vパワー・スイッチ ジスタの電流は電源の電流制限に達するまで増加します。 各電 源は、 dv/dt=50µA/C1または電流制限と負荷容量によって決 まる速度のいずれか遅いほうで立ち上がります。 TIMERピンの 電圧が上昇している間、 電流制限フォールトは無視されます。 4種類の電源電圧がすべて許容範囲内になると、 HEALTHY#信 号が “L” になります。 BD_SEL# 10V/DIV TIMER 10V/DIV 6. BD_SEL#およびHEALTHY#信号 GATE 10V/DIV 7. 省スペースの16ピンSSOPパッケージ 12VOUT 5V/DIV 標準的応用例 図1はLTC1643Lを使用した標準応用例です。 この電源は、5Vと3.3Vの電源経路にある外付けNチャネ ル・パス・トランジスタQ1、Q2によって制御されます。 内部パス・トランジスタは12Vおよび−12Vの電源経路を 制御します。抵抗R1、R2は過電流状態を検出し、R5とC1 は電流制御ループ補償を行います。抵抗R3、R4はQ1とQ2 での高周波数発振を防止します。コンデンサC2は電源立上 げタイミングを決め、C6とC7は12Vおよび−12V入力を チップでバイパスします。ダイオードD2は、−12V電源上 の−15Vより低い電圧サージからデバイスを保護します。 5VOUT 5V/DIV 3VOUT 5V/DIV VEE(OUT) 5V/DIV PRECHARGE 2V/DIV HEALTHY# 10V/DIV DN200 F02 20ms/DIV LTC1643の3.3V、 5V、 12V、 −12V入力は、 CompactPCIコネク タの中間長の電源ピンから供給されます。 長い3.3V、 5V、 およ 図2. 通常の立ち上げ び (I/O) ピンは、 バス・プリチャージ回路、 PCIブリッジ・チップ、 およびLOCAL_PCI_RESET#ロジックに電源供給します。 まとめ BD_SEL#信号はONピンに、 HEALTHY#信号はPWRGDピン に接続されています。 HEALTHY#信号は PCI_RESET#信号と LTC1643Lを使用したCompactPCIボードは、システムを 通電したままボードを挿入したり引き抜くことができる 一緒になってLOCAL_PCI_RESET#信号が生成されます。 ホットスワップが可能です。LTC1643Lを使用した安全な ® データ・バス・ラインの1Vのプリ・チャージ電圧は、 LT 1117低 ホットスワップによって、IC、パワーFET、抵抗およびコ ドロップアウト・レギュレータで生成されます。 LT1117の出力 ンデンサの結線が非常に簡単になります。 は1.8Vに設定され、 ダイオード1N4148によって電圧を降下さ せて1.0Vを生成します。 プリ・チャージ回路は、 40mAをソース およびシンク可能です。 電源立上げシーケンス 図2に標準的な電源立上げシーケンスを示します。 BD_SEL#が “L” になるとパス・トランジスタがターンオンし、 20μAの電流源がTIMERピンに接続されます。 各パス・トラン お問い合わせは当社または下記代理店まで(50 音順) 東京エレクトロンデバイス株式会社 株式会社トーメンエレクトロニクス 株式会社マクニカ 〒 224-0045 横浜市都築区東方町 1 TEL(045)474-5114 FAX(045)474-5617 〒 108-0075 東京都港区港南 1-8-27 TEL(03)5462-9615 FAX(03)5462-9695 〒 226-0006 横浜市緑区白山 1-22-2 TEL(045)939-6104 FAX(045)939-6105 リニアテクノロジー株式会社 162-0814 東京都新宿区新小川町 1-14 NAO ビル 5F TEL(03)3267-7891 FAX(03)3267-8510 http://www.linear-tech.com 0399 4K • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 1999