NJM2352 低消費電力スイッチング レギュレータ用コントロール IC ■ 概 要 NJM2352 は,低消費電力のスイッチング・レギュレータ用コント ロール IC です。特に乾電池で動作する装置に組込むのに適していま す。 ■ 特 徴 ●動作電源電圧 (V+=2.6V~24.0V) ●低消費電流 (ICC=550µA) ●低電圧検出回路 ●PWM 制御 ●外形 DIP8, DMP8 ■ 外 形 NJM2352D NJM2352M ■ ブロック図 Ver.2003-07-18 -1- NJM2352 ■ 絶対最大定格 (Ta=25°C) 項 目 記 号 定 格 + 単 位 電 源 電 圧 V 24 V 消 費 電 力 PD (D タイプ) 500 (M タイプ) 300 mW 動 作 温 度 Topr -40~+ 85 ºC 保 存 温 度 Tstg -40~+125 ºC ■ 電気的特性 直 流 特 性 (V+ = 6V, Ta = 25ºC) 項 目 記 消 費 電 流 (1) ICC (1) 消 費 電 流 (2) ICC (2) 内 ス 部 イ ス 基 ッ イ 準 チ 飽 ッ 電 和 チ 電 電 号 条 件 + V = 24V 圧 VREF 圧 VSW ISW = 100mA 流 ISW VSW = 0.4V ス イ ッ チ リ ー ク 電 流 ISWO V(3 ピン)= 24V 標 準 最 大 単 位 - 275 350 µA - 400 550 µA 1.24 1.31 1.38 V - 0.2 0.4 V 100 200 - mA - 0.1 10 µA CX = 50pF 40 50 60 kHz 電 圧 低 下 表 示 出 力 飽 和 電 流 ILED (L) V(1 ピン)= 1.1V, V(8 ピン) = 0.4V 300 800 - µA 電 圧 低 下 表 示 出 力 リ ー ク 電 流 ILED (H) V(1 ピン)= 1.4V, V(8 ピン) = 6V - 0.1 5 µA 単 位 動 作 周 波 数 FO 最 小 交流特性 (STEP-UP 動作,Ta = 25ºC) 項 出 力 電 流 目 (9V セット) 記 号 VO(9) 最 小 標 準 最 大 + 条 8.51 9.00 9.49 V + - 100 200 mV + - 50 200 mV V = 4.5V, IO = 10mA ロードレギュレーション(9V セット) ∆VO-IO (9) V = 4.5V, IO = 2~17mA ラインレギュレーション (9V セット) V = 4.5V~8.1V, IO = 10mA 出 力 電 圧 出 力 電 圧 (5V セット) ∆VO-VIN (9) VO(5) (24V セット) VO(24) 件 + 4.72 5.00 5.28 V + 22.7 24.0 25.3 V V = 2.6V, IO = 10mA V = 12V, IO = 4mA ■ 測 定 回 路 -2- Ver.2003-07-18 NJM2352 ■ 特 性 Ver.2003-07-18 例 -3- NJM2352 ■ 特 -4- 性 例 Ver.2003-07-18 NJM2352 ■ 応用回路例 1. Step-Up Switching Regulator (Low Current) 2. Step-Up Switching Regulator (High Current) Ver.2003-07-18 -5- NJM2352 ■ 応用回路例 3. Step-Down Switching Regulator 4. Inverting Switching Regulator -6- Ver.2003-07-18 NJM2352 ■設 計 式 Component Step Up Step Down Inverting R1 R1=R3×10 R1=R3×10 R1=R3×10 R2 VTH − VREF 5µA VTH − VREF 5µA VTH − VREF 5µA VOUT − VREF VOUT − VREF VOUT I1 I1 I1 VREF VREF VREF I1 I1 I1 R5 261kΩ 261kΩ 261kΩ Cx (pF) 2.14 × 10 6 FO 2.14 × 10 6 FO 2.14 × 10 6 FO Lx 0.3VBAT ⋅ (VOUT − VBAT) FOILOAD ⋅ VOUT 0.3VOUT FOILOAD 0.3VBAT ⋅ VOUT C1 0.15ILOAD(2VOUT − VBAT) 2 FO ⋅ VOUT ⋅ VR ⋅ VBAT ILOAD 4FOVR 0.15ILOAD(VBAT + 2 VOUT ) 2 R6 35VBAT ILOAD ⋅ VOUT 35 ILOAD 35VBAT ILOAD(VBAT + VOUT ) R7 5(VBAT) 2 ILOAD ⋅ VOUT 5VBAT ILOAD 5(VBAT) 2 ILOAD(VBAT + VOUT ) R8 350VBAT ILOAD ⋅ VOUT R9 50(VBAT) 2 ILOAD ⋅ VOUT R3 R4 FOILOAD( VBAT + VOUT ) FOVBAT(VBAT + VOUT )VR (注)I1=100µA VTH:入力電圧低下検出設定電圧 VR:I1 が 50~100µA のときのリップル電圧 Ver.2003-07-18 -7- NJM2352 ■ 応用回路特性例 -8- Ver.2003-07-18 NJM2352 ■ 概 説 NJM2352 は,乾電池を使用するセットに最適な低消費電流のスイッチングレギュレータ用コントロール IC であり, 昇圧,降圧,反転の応用が可能です。 内部回路は,基準電圧,発振器,アンプ,コンパレータ,入力電圧低下検出表示回路,スイッチトランジスタにより 構成され,制御方式は,PWM 方式になっています。 基準電圧は,バンドギャップ回路を採用しています。発振器は2番端子にコンデンサを外付にすることにより設定で きます。アンプは,開放電圧利得 80dB,帯域1MHz です。外付けに適切な抵抗を接続することにより,入力電圧が前 もって定められた電圧以下になった時,LED 等を表示するため信号を出せます。スイッチトランジスタは,オープンコ レクタ出力です。 ■ 端 子 説 明 端子 No. 端子名称 機 能 1 電圧低下表示入力 電圧低下検出表示回路部のコン パレータ3の-入力であり,+入 力の基準電圧レベルより低くな ると,表示出力用トランジスタを ドライブします。 8 電圧低下表示出力 L E D を駆動するための内部トラ ンジスタのオープンコレクタ出 力です。 2 タイミング C 発振周波数を設定するためのコ ンデンサを接続します。 Ver.2003-07-18 内部等価回路 -9- NJM2352 ■ 端 子 説 明 端子 No. 端子名称 機 能 3 スイッチトランジスタ出力 スイッチトランジスタのオープ ンコレクタ出力 4 GROUND グランド + 5 V 電源端子 6 NF2 アンプの出力,コンパレータ 1 の -入力端子 7 NF1 - 10 - 内部等価回路 アンプの-入力端子 Ver.2003-07-18 NJM2352 ■ 動 作 説 明 内部ブロックを Fig. 1,タイミングチャートを Fig. 2 に示します。COMP-2 は,デッドタイムの設定を行ないます。 A は方形波,B の発振波形は三角波となります。この A,B の入力により COMP-2 出力 C は,三角波の立ち上がり期間 High レベルにホールドされ,COMP-1 出力にかかわらずこの期間中スイッチトランジスタをオフします。従って NJM2352 では,最大デューティーは 50%になります。 COMP-1 は,出力電圧が高い場合スイッチトランジスタのオンタイムを長く,出力電圧が低い場合は,オンタイムを 短くするパルス幅制御を行ないます。アンプ出力が D の波形の場合,COMP-1 出力は E になりますが NORGATE 出力 は,C,E 共に LOW の時のみ High レベルになるため,三角波の立ち下がり期間がパルス幅制御範囲となります。 Fig. 1 Fig. 2 Ver.2003-07-18 - 11 - NJM2352 ■ 最低動作電圧 Ta=25°C では,V+≧2.6V ですが,動作電圧は負の温度係数を持ちます。設計時この点を考慮して下さい。又,この 最低動作電圧以下では内部スイッチトランジスタはオンになりますので,Step Up, Inverting の応用では特に起動時の突 入電流に注意してください。 ■ 発振器 A の方形波, B の三角波ともに 1VBE 発振周波数は2番端子にコンデンサを外付けすることにより設定します。 振幅は, ○ ○ ~3VBE の振幅です。 ■ アンプ アンプのソース電流は20µA と小さいため6番端子と7 番端子につなぐ帰還抵抗R1 は100kΩ以上を使用して下さい。 ■ スイッチトランジスタ GND より約 0.5V 以上の負電圧が印加された場合,IC 内部に寄生効果が生じ回路が異常動作します。従って内部スイ ッチトランジスタで直接コイルを駆動する場合(Step Up:Low Current)は,3 番端子-GND 間に SBD を挿入して下 さい。 ■ 入力電圧低下検出表示回路 入力電圧が規定電圧より下がった時,Q56 をオンさせ LED を表示させます。そのレベルは,内部基準電圧と外部抵 抗比により決まりす。 VTH=VREF(1+R2/R5)+R2×0.5µA COMP-3 は-入力が+入力よりも下がると1 番端子より1µA 程度電流シンクすることによりチャタリングを防止し ます。又,1 番端子が約 0.2V 以下では Q56 はオフしますので注意して下さい。 実際の使用では,スイッチングノイズの影響を受けないように 1 番端子に 1µF 程度のコンデンサを付けたほうがよい でしょう。 - 12 - Ver.2003-07-18 NJM2352 ■ 効 率 効率は各々次の式で表わされます。 Step Up = VIN − VS VIN Step Down = Inverting = × VOUT VOUT + VD − VS VIN − VS + VD VIN VIN − VS VIN × × VOUT VOUT + VD VOUT VOUT + VD VS:スイッチトランジスタのオン抵抗による電圧降下 VD:ダイオードの順方向電圧 VS,VD が小さいほど効率はよくなります。その他に,スイッチトランジスタ,ダイオードのスピード,L の内部抵抗 が絡みます。具体的な事例として Step Up(Low Current)の応用回路にて VD と L の内部抵抗の違いについて示します。 この違いは入出力特性にも表われます。 ◆測定回路2(VOUT:9V セット) ◆パラメータ ●D1 EK-14 IS1588 ●Lx=470µH L1:内部抵抗=0.2Ω L2:内部抵抗=2Ω L3:内部抵抗=7Ω Ver.2003-07-18 - 13 - NJM2352 ■ 測定回路 2 特性例 - 14 - Ver.2003-07-18 NJM2352 <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 Ver.2003-07-18 - 15 -