NJW4152R-BA-Z

NJW4152R-BA-Z
600mA MOSFET 内蔵 降圧用 スイッチングレギュレータ IC
■概 要
NJW4152 は、40V/600mA,のパワーMOSFET を内蔵した降圧用
スイッチングレギュレータ IC です。広動作電圧での高速発振、出
力セラミックコンデンサに対応し、最小限の外付け部品でアプリケ
ーションの小型化を実現します。
またソフトスタート機能による安定した回路起動が可能であり、
過電流・過熱保護機能で異常時の回路保護を行います。
■特 徴
●最大定格電圧
●広動作電圧範囲
●スイッチング電流
●動作温度範囲
●PWM 制御方式
●広発振周波数
●ソフトスタート機能
●低電圧誤動作防止回路内蔵
●過電流・過熱保護機能
●スタンバイ機能
●外形
■外 形
NJW4152R-BA-Z
45V
4.4V to 40V
0.8A min.
-40℃ to +125℃
300kHz to 1MHz
4ms typ.
: VSP8
■ 製品分類
状況
製品名
バージョン 出力電流
スイッチング
電流制限 動作電圧範囲
(MIN.)
パッケージ
量産中 NJW4152GM1-A
A
1.0A
1.4A
4.6 to 40V
HSOP8
量産中 NJW4152GM1-A-T
A
1.0A
1.4A
4.6 to 40V
HSOP8
量産中 NJW4152GM1-A-T1
A
1.0A
1.4A
4.6 to 40V
HSOP8
量産中 NJW4152GM1-AB
AB
1.0A
1.4A
3.6 to 40V
HSOP8
量産中 NJW4152GM1-AB-T1
AB
1.0A
1.4A
3.6 to 40V
HSOP8
B
600mA
0.8A
4.6 to 40V
VSP8
BA
600mA
0.8A
4.4 to 40V
VSP8
量産中 NJW4152R-B
量産中 NJW4152R-BA-Z
動作温度範囲
一般仕様
-40 to +85C
T 仕様
-40 to +105C
T1 仕様
-40 to +125C
一般仕様
-40 to +85C
T1 仕様
-40 to +125C
一般仕様
-40 to +85C
Z 仕様
-40 to +125C
本データーシートは、
「NJW4152R-BA-Z」に適用されます。
他のバージョンについては、それぞれのデーターシートを参照してください。
Ver.J00
-1-
NJW4152R-BA-Z
■端子配列
1
8
2
7
3
6
4
5
ピン配置
1. PV+
2. V+
3. ON/OFF
4. RT
5. IN6. FB
7. GND
8. SW
NJW4152R-BA
■ブロック図
V
+
+
PV
Regulator
OCP
UVLO
ON/OFF
High: ON
Low : OFF
(Standby)
Pulse by Pulse
Standby
ON/OFF
Low Frequency
Control
480k
FB
PWM
OSC
ERAMP
Buffer
IN-
SW
Vref
Soft Start
TSD
0.8V
RT
-2-
GND
Ver.J00
NJW4152R-BA-Z
■絶対最大定格 (Ta=25C)
項
目
入力電圧
(V+端子, PV+端子)
PV+−SW 端子間電圧
IN-端子電圧
ON/OFF 端子電圧
記 号
定
格
単 位
V+
+45
V
VPV–SW
VINVON/OFF
+45
-0.3 to +6
+45
595 (*1)
805 (*2)
-40 to +150
-40 to +125
-40 to +150
V
V
V
消費電力
PD
接合部温度範囲
動作温度範囲
保存温度範囲
Tj
Topr
Tstg
mW
C
C
C
(*1): 基板実装時 76.2mm×114.3mm×1.6mm(2 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
(*2): 基板実装時 76.2mm×114.3mm×1.6mm(4 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による(4層基板内箔:74.2×74.2mm)
■推奨動作条件 (Ta=-40℃ to +125℃)
項
電源電圧
出力電流 (*3)
タイミング抵抗
発振周波数
目
記 号
+
V
IOUT
RT
fOSC
最 小
標 準
最 大
単 位
4.4
−
18
300
−
−
27
700
40
0.6
68
1,000
V
A
k
kHz
(*3): 定常動作時
Ver.J00
-3-
NJW4152R-BA-Z
■電気的特性 (V+=VON/OFF=12V, RT=27k, Ta=25C)
項
目
記 号
条
件
最小
標準
最大
単位
4.0
4.0
3.9
3.9
60
60
4.2
−
4.1
−
100
−
4.4
4.4
4.29
4.29
−
−
2
2
4
−
8
8
ms
Ta= -40ºC to +125ºC
630
630
700
−
770
770
kHz
VIN-=0.4V, VFB=0.55V
–
270
–
kHz
Ta= -40ºC to +125ºC
+
V =4.4 to 40V
0.24
0.24
–
0.275
–
1
0.31
0.31
–
-1.0%
-2.0%
-0.1
-0.1
–
–
8
8
1
0.5
0.8
–
–
–
80
0.6
16
–
2
–
+1.0%
+2.0%
0.1
0.1
–
–
24
24
4
4.5
dB
MHz
100
100
–
–
–
–
%
低電圧誤動作防止回路部
+
ON スレッシホールド電圧
VT_ON
OFF スレッシホールド電圧
VT_OFF
ヒステリシス幅
VHYS
V =L → H
+
V = L → H, Ta= -40ºC to +125ºC
+
V =H → L
+
V = H → L, Ta= -40ºC to +125ºC
Ta= -40ºC to +125ºC
V
V
mV
ソフトスタート部
ソフトスタート時間
TSS
VB=0.75V
VB=0.75V, Ta= -40ºC to +125ºC
発振器部
発振周波数
発振周波数
(低発振周波数コントロール時)
fOSC
fOSC_LOW
RT端子電圧
VRT
周波数電源電圧変動
fDV
V
%
誤差増幅器部
基準電圧
VB
入力バイアス電流
IB
開ループ利得
利得帯域幅積
AV
GB
出力ソース電流
IOM+
出力シンク電流
IOM-
Ta= -40ºC to +125ºC
Ta= -40ºC to +125ºC
VFB=1V, VIN-=0.7V
VFB=1V, VIN-=0.7V, Ta= -40ºC to +125ºC
VFB=1V, VIN-=0.9V
VFB=1V, VIN-=0.9V, Ta= -40ºC to +125ºC
V
A
A
mA
PWM 比較器部
最大デューティーサイクル
-4-
MAXDUTY
VIN-=0.7V
VIN-=0.7V, Ta= -40ºC to +125ºC
Ver.J00
NJW4152R-BA-Z
■電気的特性 (V+=VON/OFF=12V, RT=27k, Ta=25C)
項
目
出力部
出力 ON 抵抗
スイッチング電流制限
記 号
RON
ILIM
条
件
最小
標準
最大
単位
–
0.8
–
0.28
1.0
–
0.48
1.3
1

A
–
–
2
1.6
1.6
0
0
–
–
–
–
–
480
V
+
V
0.5
0.5
–
RL=無負荷, VIN-=0.7V, VFB=0.55V
–
2.5
2.8
RL=無負荷, VIN-=0.7V, VFB=0.55V
Ta= -40ºC to +125ºC
VON/OFF=0V
VON/OFF=0V, Ta= -40ºC to +125ºC
–
–
3.5
–
–
–
–
1
1
ISW=0.6A
+
VON/OFF=0V, V =45V, VSW=0V
SW リーク電流
ILEAK
+
VON/OFF=0V, V =45V, VSW=0V
Ta= -40ºC to +125ºC
A
ON/OFF 制御部
ON 制御電圧
VON
OFF 制御電圧
VOFF
プルダウン抵抗
RPD
VON/OFF= L → H
VON/OFF= L → H, Ta= -40ºC to +125ºC
VON/OFF= H → L
VON/OFF= H → L, Ta= -40ºC to +125ºC
+
V
V
k
総合特性
消費電流
スタンバイ時消費電流
Ver.J00
IDD
IDD_STB
mA
A
-5-
NJW4152R-BA-Z
■アプリケーション回路例
CIN2
V IN
CIN1
ON/OFF
High: ON
Low: OFF
(Standby)
4
RT
3
2
ON/OFF V +
RT
1
PV +
NJW4152
IN-
FB
GND
SW
5
6
7
8
L
SBD
RNF
CNF
COUT
V OUT
CFB
R2
RFB
R1
-6-
Ver.J00
NJW4152R-BA-Z
■特性例
発振周波数対タイミング抵抗特性例
o
(V+=12V, Ta=25 C)
発振周波数
fOSC (kHz)
1000
100
10
100
タイミング抵抗 RT (k)
発振周波数対電源電圧特性例
基準電圧対電源電圧特性例
o
(Ta=25 C)
0.81
基準電圧 VB (V)
705
700
695
690
0
10
20
30
+
電源電圧 V (V)
0.805
0.8
0.795
0.79
40
(R L=無負荷, VIN- =0.5V, Ta=25 C)
電圧利得 Av (dB)
消費電流 I
DD
(mA)
60
3
2
1
Ver.J00
0
10
20
30
+
電源電圧 V (V)
20
30
+
電源電圧 V (V)
+
o
0
10
40
誤差増幅器部 電圧利得,位相特性例
消費電流対電源電圧特性例
4
0
40
o
(V =12V, Gain=40dB, Ta=25 C)
Phase
45
180
135
Gain
30
90
15
45
0
0.1
1
10
100
1000
周波数 f (kHz)
位相  (deg)
発振周波数 fosc (kHz)
o
(RT=27k, Ta=25 C)
710
0
10000
-7-
NJW4152R-BA-Z
■特性例
発振周波数温度特性例
基準電圧温度特性例
+
(V =12V, RT=27k)
(V+=12V)
0.81
0.805
720
基準電圧 V B (V)
発振周波数 f OSC (kHz)
740
700
0.8
0.795
680
660
-50 -25
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
0.79
-50 -25
出力ON抵抗 RON ()
スイッチング電流制限 I LIM (A)
0.5
1.4
+
V =12V
1.2
V+=40V
1
0.8
+
V =4.5V
0.6
-50 -25
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
出力 ON 抵抗温度特性例
出力ON抵抗温度特性例
(B ver.,
I SW =0.6A)
(ISW=0.6A)
スイッチング電流制限温度特性例
スイッチング電流制限温度特性例
(B ver.)
1.6
0
0.4
V+=4.5V
0.3
V+=12V,40V
0.2
0.1
0
-50 -25
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
ソフトスタート時間温度特性例
低電圧誤動作防止回路部温度特性例
(BA ver.)
8
ソフトスタート時間 Tss (ms)
スレッシホールド電圧 (V)
4.4
4.3
VT_ON
4.2
4.1
VT_OFF
4
3.9
-50
-8-
-25
0
25
50
75 100
周囲温度 Ta (°C)
125
150
(V+=12V, VB=0.75V)
7
6
5
4
3
2
-50 -25
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
Ver.J00
NJW4152R-BA-Z
■特性例
スタンバイ時消費電流 I DD_STB (A)
3
消費電流温度特性例
(R T=27k, RL=無負荷, V =0.5V)
IN-
+
V =40V
2
消費電流 I
DD
(mA)
2.5
1.5
V+=4.5V
V+=12V
1
0.5
0
-50 -25
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
1
スタンバイ時消費電流温度特性例
(VON/OFF=0V)
0.8
V+=40V
0.6
0.4
V+=12V
+
V =4.5V
0.2
0
-50 -25
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
SWリーク電流温度特性例
+
SWリーク電流 I LEAK (A)
5
(V =45V,V
=0V, VSW =0V)
4
3
2
1
0
-50 -25
Ver.J00
ON/OFF
0
25 50 75 100 125 150
o
周囲温度 Ta ( C)
-9-
NJW4152
Application Manual
NJW4152R-BA-Z
技 術 資 料
■端子説明
端子番号
1
端子名称
PV+
2
V+
3
ON/OFF
4
RT
5
IN-
6
FB
7
GND
機能
パワーライン系の電源供給端子です。
IC の制御回路への電源供給端子です。電源供給のインピーダンスを下げるため、
IC の近傍にバイパスコンデンサを接続してください。
NJW4152 の動作・停止を制御する端子です。
内部は 480kでプルダウンされています。
High レベルで動作、Low レベルまたはオープンでスタンバイモードとなります。
タイミング抵抗を接続して、発振周波数を決める端子です。
発振周波数は、300k∼1MHz の間で設定してください。
出力電圧を検出する端子です。
IN-端子電圧が基準電圧 0.8V typ.となるように出力電圧を抵抗分割して入力しま
す。
フィードバック設定端子です。
FB 端子−IN-端子間にフィードバック抵抗・コンデンサを接続します。
接地
8
SW
パワーMOSFET のスイッチ出力端子です。
■各ブロックの機能説明
1.スイッチングレギュレータ基本機能
●エラーアンプ部 (ERAMP)
エラーアンプ部の非反転入力は、0.8V±1%の高精度基準電圧が接続されています。
アンプの反転入力(IN-端子)にコンバータの出力を入力することで、出力電圧 0.8V からのアプリケーション設計を容
易にできます。出力電圧を 0.8V 以上にする場合は、出力電圧を抵抗分割することで設定します。
アンプ部は高利得のゲインを持ち、フィードバック(FB 端子)が外部に出ております。FB 端子−IN-端子間にフィード
バック抵抗・コンデンサを設けることが容易なため、各種アプリケーションにおける最適なループ補償を設定できま
す。
●発振回路部 (OSC)
RT 端子-GND 間に抵抗を接続することで発振周波数を設定します。
「発振周波数対タイミング抵抗」特性例を参考に
300kHz∼1MHz の間で設定してください。
- 10 -
Ver.J00
NJW4152 Application
Manual
NJW4152R-BA-Z
技 術 資 料
■各ブロックの機能説明(続き)
●PWM 比較器部 (PWM)
エラーアンプと三角波の信号を受け、スイッチングのデューティー比をコントロールします。
PWM 比較器部でエラーアンプと三角波の信号を受け、スイッチングのデューティー比 0∼100%までコントロールし
ます。タイミングチャートを図1に示します。
FB pin Voltage
OSC
Waveform
(IC internal)
Maximum duty: 100%
ON
SW pin
OFF
図1 PWM 比較器部と SW 端子のタイミングチャート
●パワーMOSFET
内蔵されたパワーMOSFET のスイッチ動作によって、インダクタへ電力を供給します。過電流保護機能によって、
パワーMOSFET に流せる電流は、ILIM に制限され 0.8A min.です。降圧回路では、パワーMOSFET の OFF 時にイン
ダクタ電流が外付けの回生ダイオードに流れて、順方向バイアス電圧を発生します。SW 端子は、PV+−SW 端子間
電圧で 45V まで許容されますが、ショットキーダイオードの順方向飽和電圧が十分に低いものを使用してください。
●電源、GND 端子 (V+, PV+, GND)
スイッチング動作に伴い、周波数に応じた電流が IC に流れます。電源ラインのインピーダンスが高いと電源供給が不
安定になり、IC の性能を十分に引き出せません。PV+, V+端子−GND 端子間の近傍にバイパスコンデンサを挿入し、
高周波インピーダンスを下げてください。
Ver.J00
- 11 -
NJW4152
Application Manual
NJW4152R-BA-Z
技 術 資 料
2.保護機能、付加機能
●低電圧誤動作防止(UVLO)回路
電源電圧が低い場合、UVLO 回路によって動作を停止し、電源電圧 4.2V typ.以上で UVLO 回路が解除されて IC の動
作が開始します。電源電圧の立ち上がりと立ち下がりに 100mV typ.のヒステリシス電圧幅を持たせています。これに
より、UVLO の解除と動作のばたつきを防止し、NJW4152 を安定して動作させます。
●ソフトスタート機能
ソフトスタート機能によって、コンバータの出力電圧は設定値まで緩やかに電圧を上昇します。ソフトスタート時間
は 4ms typ.であり、エラーアンプの基準電圧が 0∼0.75V になるまでの時間で定義されます。
(図2)ソフトスタート
回路は、UVLO 解除、サーマルシャットダウンからの復帰後に動作します。IN-端子が約 0.4V になるまで、低発振周
波数にコントロールされ、タイミング抵抗によって設定された発振周波数の約 40%で動作します。
0.8V
Vref,
IN- pin Voltage
FB pin Voltage
OSC Waveform
ON
SW pin
OFF
UVLO
(4.2V typ.)の解除、
UVLO(4.5V
typ.) の解除、
スタンバイ、
スタンバイ、
サーマルシャットダウン
サーマルシャットダウン
からの復帰
からの復帰
低発振周波数動作
VIN- =約0.4V
Soft Start時間 Tss=4ms typ.
VB=0.75Vまで
通常動作
Soft Start効果時間 VB=0.8Vまで
図2 ソフトスタートのタイミングチャート
- 12 -
Ver.J00
NJW4152 Application
Manual
NJW4152R-BA-Z
技 術 資 料
■各ブロックの機能説明(続き)
●過電流保護機能 (OCP)
内蔵のパワーMOSFET に ILIM 以上の電流が流れると、過電流保護機能によってパワーMOSFET を OFF にし、次の三
角波周期でスイッチング動作を復帰します。パルス毎に過電流保護を行うため、過電流の異常状態から回復にとも
ない、スイッチングレギュレータの出力電圧を自動的に復帰させることができます。
過電流検出動作時のタイミングチャートを図3に示します。
また IN-端子電圧が 0.4V 以下になると、低発振周波数にコントロールされ、発振周波数を設定値の約 40%で動作しエ
ネルギーの消費を抑えます。
FB pin Voltage
OSC
Waveform
ON
SW pin
OFF
Sw itching
Current
ILIM
0
定常状態
過電流保護
動作状態
定常状態
図3 過電流保護動作時のタイミングチャート
●サーマルシャットダウン機能 (TSD)
サーマルシャットダウン機能は、NJW4152 のチップ温度が 175℃*を超えると SW 動作を停止します。
チップ温度を 145℃*以下になると、ソフトスタートによる SW 動作が開始されます。
なおサーマルシャットダウン機能は、高温時における IC の熱暴走を防止するための予備回路であり、不適切な熱設
計を補うためでは有りません。IC のジャンクション温度(∼+150C)範囲内で動作させるように、十分な余裕を満
たすことをお奨めします。
(* 参考値)
●ON/OFF 機能
ON/OFF 端子を 0.5V max.以下にすることで NJW4152 の機能を停止させスタンバイ状態にします。
内部は 480kでプルダウンされており、端子オープン時はスタンバイモードに移行します。
スタンバイ機能を使用しない場合は、ON/OFF 端子を V+に接続してください。
Ver.J00
- 13 -
NJW4152
Application Manual
NJW4152R-BA-Z
技 術 資 料
■アプリケーション情報
●インダクタ
電流値
ピーク電流 Ipk
インダクタには大電流が流れるため、飽和しない電
インダクタ
流能力を持たせる必要があります。
①連続モード
L 値を小さくするとインダクタのサイズも小さくな 電流 ΔIL
ります。しかし、ピーク電流が大きくなり効率が悪
②臨界モード
化します。
③断続モード
反面、L 値が大きくなると、スイッチング時のピー
0
ク電流は低下します。よって変換効率の改善、出力
tON
tOFF
リップル電圧の低下につながります。あるレベル以
周波数 f OSC
上では、インダクタンスの巻数増加により、抵抗成
分による損失(銅損)が大きくなります。
図4 インダクタ電流の状態偏移
理想的には、インダクタンス電流が連続モードになる様にL値を設定します。しかし負荷電流が小さくなる程、①連
続モード → ②臨界モード → ③断続モードと電流波形が変化(図4)していきます。
断続モードにおいては、出力電流に対するピーク電流が大きくなり、変換効率が低下しやすくなります。場合によっ
ては L 値を大きくし、連続モードの維持できる負荷電流領域を広げます。
最大出力電流を得るアプリケーションの場合は、インダクタ・リップル電流を 20%以下にしてください。スイッチン
グ電流制限最小値における、過電流保護動作になるのを防止します。
●キャッチ・ダイオード
パワーMOSFET が OFF サイクルの時は、インダクタに蓄えられた電力がキャッチ・ダイオードを経由して出力コン
デンサに流れます。そのためダイオードにはサイクル毎に、負荷電流に応じた電流が流れます。ダイオードの順方向
飽和電圧と電流の積が電力損失となるため、順方向飽和電圧の低い SBD (Schottky Barrier Diode)が最適です。
また SBD は、逆回復時間が短い特徴を併せて持っています。逆回復時間が長くなると、スイッチングトランジスタ
が OFF から ON サイクルに移行した時、貫通電流が流れてしまいます。この電流によって効率の低下、ノイズの発
生等に影響を及ぼす可能性が有ります。
●入力コンデンサ
スイッチングレギュレータの入力部には、周波数に応じた過渡的な電流が流れます。電源回路に供給される電源イン
ピーダンスが大きいと入力電圧の変動につながり、NJW4152 の性能を十分に引き出せません。よって入力コンデン
サは、できる限り IC の近くに挿入してください。
●出力コンデンサ
出力コンデンサは、インダクタンスからの電力を蓄え、出力への供給電圧を安定させる役割をします。
出力コンデンサの選定には、ESR(等価直列抵抗:Equivalent Series Resistance)の特性、リップル電流、耐圧を考慮
に入れる必要が有ります。
特にリップル電流、耐圧は、入力コンデンサ同様、コンデンサの定格以下で使用しなければいけません。
また周囲温度によっては、コンデンサの容量低下、ESR の増加(低温時)
、寿命(高温時)へ影響を与えます。出力
コンデンサの定格には、十分なディレーティングを持たせるのが望ましい使い方です。
出力コンデンサのESR 特性は、
出力リップルノイズへ大きな影響を与えます。
低 ESR タイプのコンデンサであれば、
更にリップル電圧を下げることが出来ます。
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■アプリケーション情報(続き)
●基板レイアウト
スイッチングレギュレータは、インダクタの充放電によって出力へ電力供給を行います。発振周波数に応じて電流が
流れるため、基板のレイアウトは重要な項目です。大電流の流れるラインは太く、短くし、ループ面積を最小限にし
てください。図5に降圧回路における電流ループを示します。
特にスイッチングにおける高速な電流変化を伴う CIN−SW−SBD 間は、最優先でループを構成します。
寄生インダクタによって発生するスパイクノイズを低減するのに効果的です。
NJW4152
内蔵 SW
V IN
CIN
NJW4152
内蔵 SW
L
SBD
COUT
V IN
CIN
(a) 降圧回路 SW ON 状態
L
SBD
COUT
(b) 降圧回路 SW OFF 状態
図5 降圧回路における電流ループ
GND ラインは、パワー系と信号系を分離した上で1点アースをとるのが望ましい接続です。
また電圧検出のフィードバックラインは、できるだけインダクタンスから離します。本ラインはインピーダンスが高
いため、インダクタンスからの漏れ磁束でノイズの影響を避けるように配線します。
図6に降圧回路での配線例、図7にレイアウト例を示します。
L
PV +
V IN
V+
CIN
V OUT
SW
SBD
COUT
RL(負荷)
(バイパス用)
NJW4152
RFB
RT
RT
CFB
INR2
GND
R1
負荷近傍で電圧を検出し、
電圧降下が負荷へ影響を与え
ないように配慮する。
ICのインピーダンスが高いため、
信号系の GNDを
パワー系と分離する。 電圧検出抵抗 R1,R2はできるだけ
ICの近くに配置する。
図6 降圧回路での配線例
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■アプリケーション情報(続き)
GND IN
GND OUT
Power GND Area
C IN1
SBD
COUT
L
VIN
CIN2
ON/OFF
To
Signal GND
VOUT
RFB C FB
RT
RNF
R1
C NF
R2
Signal GND Area
Feed back signal
裏面にてパワー系 GND と信号系 GND を接続
図7 レイアウト例(上面パターン)
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■パッケージパワーの計算
降圧回路の損失の多くは、スイッチ動作を行う NJW4152 のパワーMOSFET によって発生します。そのため下記式を
目安に NJW4152 の損失として考えます。
入力電力
:PIN = VIN  IIN [W]
出力電力
:POUT = VOUT  IOUT [W]
ダイオードの損失
:PDIODE = VF  IL(avg)  OFF duty [W]
NJW4152 の消費電力 :PLOSS = PIN  POUT  PDIODE [W]
ただし、
VIN
VOUT
VF
OFF duty
:コンバータの入力電圧
:コンバータの出力電圧
:ダイオードの順方向飽和電圧
:スイッチ OFF 時間
IIN
IOUT
IL(avg)
:コンバータの入力電流
:コンバータの出力電流
:インダクタ平均電流
変換効率  は、下記式によって求められます。
 = (POUT  PIN)  100 [%]
求めた消費電力 PD に対して温度ディレーティングを考慮します。
消費電力対周囲温度特性例(図7)を参考に、定格内に収まるか確認してください。
NJW4152R-BA-Z ディレーティングカーブ
(Topr=-40℃ to +125℃、Tjmax=150℃)
Power Dissipation PD値(mW)
1000
800
At on 4 layer PC Board
At on 2 layer PC Board
600
400
200
0
-40
-20
0
20
40
60
80
100 120 140
Ambient Temperature Ta(℃)
基板実装時 76.2mm×114.3mm×1.6mm(2 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
基板実装時 76.2mm×114.3mm×1.6mm(4 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による
(4層基板内箔:74.2×74.2mm)
図7 消費電力対周囲温度特性例
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ん。とくに応用回路については、製品の代表
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