高性能 Si-PIN フォトダイオード検出器 XR-100CR 分解能 145 eV! 液体窒素不要! 写真 (前): XR-100CR 検出器 〃 (後): PX5 アンプ/電源/MCA 【特長】 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ Si-PIN フォトダイオード ペルチェ冷却 温度モニタ ベリリウム入射窓 密封容器 TO-8 ワイドな検出レンジ 操作が容易 【用途】 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ポータブル X 線/γ線測定装置 核医学 X 線蛍光分析 メスバウアスペクトメータ 宇宙、天文学研究 教育用 原子力プラントモニタリング PIXE XR-100CR は、電子冷却された Si-PIN フォトダイオー ドを X 線検出器に用い、プリアンプと冷却器を備えた高性 能なシステムです。冷却器にはインプット FET と帰還回路 もマウントされています。コンポーネント内部は凡そ-30℃ に保たれ、内蔵の温度センサでモニターできます。検出 器の密封容器(TO-8)にはライトタイト、バキュームタイト、 1 ミル(25µm)または 0.5 ミル(12.5µm)のベリリウム窓を 採用し、軟 X 線の検出が可能です。 アンプ 電源には、モデル “PX5”があります。 PX5 は、デジタルパルスプロセッサ、MCA、電 源を搭載 したモデルです。シェイピングタイムのレンジ(0.25ns~ 40μs)が広く、最適化できます。 システムは電源投入後 1 分以内に安定したオペレー ションを確保します。 図は 6mm2/500μm検出器で得た55Feスペクトルです。 【動作原理】 X 線はシリコン原子に作用して、3.62 eV のエネルギーを 損失する毎に平均一組の電子・正孔対を生成します。入射放 射線のエネルギー次第では、この損失は光電効果またはコン プトン散乱に支配されます。検出器が X 線を“止め”電子・正 孔対を生成する可能性は、シリコンの厚みと共に増加します。 電子正孔対の収集プロセスを容易にするため、シリコンに 100 V バイアスを印加しています。この電圧は室温でのオペレ ーションには高すぎて過度のリークを引き起こし、やがて故障 の原因となります。XR-100CR の検出器内部は冷却されてい るためリーク電流が劇的に削減され、これによって高いバイア ス電圧を可能にしています。そして、この高電圧が検出器の キャパシタンスを減らしシステムノイズを低減しています。 検出器のバックコンタクト近くのシリコンに作用する X 線に よって生成された電子正孔対は、通常のイベントよりゆっくり 収集されます。これらのイベントは通常の電荷収集より小さく、 エネルギースペクトルのバックグラウンドを増し、誤ったピーク を作ります。そのようなイベントはスローライズタイムの特徴が あり、PX2CR アンプは MCA でカウントされるこれらのパルスを 回避する、ライズタイムディスクリミネーション回路(RTD)を採 用しています。 電子冷却器はシリコン検出器とチャージセンシティブプリア ンプへの入力 FET トランジスタの両方を冷却します。FET を冷 却することによってリーク電流を低減してコンダクタンスを増加 し、転じてシステムの電子ノイズを減らします。 フォトダイオード検出器の場合、オプティカルリセットは実際 的ではなく、XR-100CR はチャージセンシティブプリアンプのリ セットには新しいフィードバック法を採用しています。この手法 はリセットトランジスタのノイズを抑制し、システムのエネルギ ー分解能をさらに向上します。 内部コンポーネントの温度を直接表示するように、温度モニ タ回路が冷却基盤に設置されています。そして、この温度は 室温とともに変化します。内部温度が-20℃以下になると、 数℃程度の温度変化で XR-100CR の性能は変わりません。 ただし、通常の室温で XR-100CR を使用する場合は、クロー ズド・ループ・温度コントロールは必要ありません。 【真空オペレーション】 XR-100CRは~10-8 Torrまで真空中で動作可能です。それ には2通りの方法があります。 (1) XR-100CR検出器および プリンアプボックスの全体をチェンバ内に配置します。オーバ ーヒートを防ぎ、XR-100CRの動作に必要な 1 ワットの電力を 放散するよう、4 つのマウンティングホールを使用したチェンバ ー壁面への良好な熱伝導を生み出しています。オプションの モデル 9DVF 9-pin D バキュームフィードスルーコネクタを XR-100CRに接続し、真空チェンバ外のPX5 に接続できます。 (2) XR-100CRは真空チェンバ外に置いて、Conflatコンプレッ ションO-リングポートからチェンバ内のX線を検出します。この アプリケーションには、オプションのモデルEX V6 / EX V9 真 空検出器エクステンダーが使用できます。 【仕様】 ・検出器タイプ: Si-PIN ・検出器サイズ: 6mm 2 、13mm2、25mm 2 ・シリコン厚: 500 µm ・エネルギー分解能 @ 5.9 keV, 55Fe 145 eV FWHM with 25.6 µ s shaping time ・バックグラウンド: <3 x 10-3/s, 2 keV to 150 keV ・検出器ウィンドウ: Be 1 mil 厚 (25 µm) , 0.5mil ・チャージセンシティブプリアンプ: Amptek特注デザイン ・ケースサイズ: 7.7 x 4.4 x 2.9 cm ・重量: 139 g 【入力パルス数と分解能】 ・総電力: <1 W INPUTS ・テスト入力: 1 mV/keV, ポジ ・プリアンプパワー: ±8∼9 V @ 15 mA ・検出器パワー: +100∼200 V @ 1 µA ・冷却器パワー: 350 m.A (最大), 4 V(最大) OUTPUTS 1) プリアンプ ・感度: 1 mV/keV(代表値) ・極性: ネガティブ信号出力, 最大負荷1 kΩ 2) 温度モニタ ・感度: PX5がソフトウェアにて温度を直接読み込み 【入力パルス数とスループット】 オプション 標準以外のBeウインドウ厚(0.3mil~7.5μm)の「特注」が可能です。 高効率・高分解能のγ線測定(1 keV FWHM @ 122 keV, 57 Co)には、Cadmium Telluride (CdTe)を使用した検出器 “XR-100T-CdTe”もあります。ご参照下さい。 コネクタ ・プリアンプ出力: BNC coaxial コネクタ ・テスト入力: BNC coaxial コネクタ ・その他の接続: 6-Pin, LEMO コネクタ (5フィートケーブル付き) ※製品の改良にともない、予告なく記載内容を変更させていただく場合がありますので、ご了承ください。 (20150116)