TS シリーズ

トナー濃度/残量センサ
透磁率検出型
TS シリーズ
Type:
TS-L(両面基板タイプ)
TS-A(片面基板タイプ)
TS-K(片面基板タイプ)
Issue date:
February 2007
●製品をより正しく、安全にご使用いただくために、さらに詳細な特性・仕様をご確認いただける納入仕様書をぜひご請求ください。
●記載内容は、改良その他により予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
●RoHS指令対応:EU Directive 2002/95/ECにもとづき、免除された用途を除いて、鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、および特定臭素系難燃剤の
PBB、PBDEを使用していないことを表します。
(1/6)
トナー濃度/残量センサ
TS-L、
-A、-Kシリーズ
PPC 複写機やレーザビームプリンタなどにおいて、鮮明な画像を
安定した状態で得るためには、トナー(色素粉末)とキャリア
(磁性粉末)の配合比を常に最良な状態に保つことが大切です。
TDK のプログラマブルトナーセンサは、両者の配合比を常に適正
に保つことを目的に開発された製品で、配合比に対応した直流出
力電圧を利用することにより、最適な状態を維持することができ
ます。
特長
●高性能フェライトコアを用いた差動トランス方式によるプログ
ラマブルトナーセンサで、電圧制御調整機能が内蔵されていま
すので、制御ラインに直流電圧を印加するだけで、センサの動
作点を広範囲に変化させることができます。
●制御入力ラインを任意の長さに引き回すことができるので、装
置の最も操作しやすい場所に、センサの調整ポイントを設置す
ることができます。
●制御範囲がワイドですから、現像剤の変更などによる動作点の
再設定も容易に行えます。
●制御電圧をCPUで制御することにより、自動調整化ができます。
●多色刷り装置の場合でも、制御電圧を変えることで各色に対応
した動作点の変動を容易に補正できますので、色ごとに動作点
の異なるセンサを用意する必要もなく、ひとつのセンサで全色
をカバーできます。
●超小型形状ですから、センサ設置ポイントの設定が容易です。
電気的特性
電源電圧入力
定格入力電圧 Edc(V)
電源入力消費電流 (mA)
制御電圧入力
定格制御電圧入力 Edc(V)
制御入力消費電流 (mA)
制御電圧入力範囲 Edc(V)
制御入力インピーダンス (MΩ)
アナログ出力特性
出力電圧 B(V)
出力電圧 A(V)
出力可変幅 ∆B(V)
出力インピーダンス (kΩ)
出力フィルタ時定数 (s)
出力リプル EP-P(mV)
温度変動 (V)
デジタル出力特性
デジタル出力電圧 :H(V)
デジタル出力電圧 :L(V)
デジタル出力電流 :H(mA)
デジタル出力電流 :L(mA)
レベルコンパレータ
スレッシュホールド電圧 (V)
24±5%
20max.
RoHS指令対応製品
品名の呼称法
A、K シリーズ(片面基板タイプ)
TS
(1) (2)
(3) (4) (5) (6)
(7) (8)
(1)シリーズ名
(2)内部動作電圧
標準 05: 5V
(3)供給電圧
標準 24: 24V
(4)アナログ出力
A: アナログ出力 有
N: アナログ出力 無
(5)デジタル出力
D: デジタル出力 有
N: デジタル出力 無
(6)形状
A: Lタイプ(センス径ø10mm)
K: 小形(センス径ø8mm)
(7) 仕様連番
(8)製造元密番
C: コネクタタイプ
E: エンプティセンサ 等
∗ (7)、(8)は、当社指定使用連番
L シリーズ(両面基板タイプ)
TS
(1) (2)
(3) (4) (5)
(1)シリーズ名
(2)内部動作電圧
標準 05: 5V
(3)供給電圧
標準 24: 24V
(4)センサ部構造
L: THコア式
(6) (7)
(5)センサ部突出長さ(L)
A: 3.0mm
B: 4.5mm
(6) 仕様連番
(7)製造元密番
C: コネクタタイプ
E: エンプティセンサ 等
∗ (6)、(7)は、当社指定使用連番
7
10max.
2 to 24
1±10%
2±0.2 [ 常温常湿にて ]
3.3±0.3 [ 常温常湿にて ]
1min.[Vc:2V の変化による ]
150±10% at DC
1max.
20max.
±0.5max. 0 to +50°C(25°C からの変動 )
4.5min.
0.5max.
0.4max.
0.5max.
2.5±0.5 アナログ出力電圧
●上記数値はプログラマブルトナーセンサ TS0524LB-X の値です。
●RoHS指令対応:EU Directive 2002/95/ECにもとづき、免除された用途を除いて、鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、および特定臭素系難燃剤の
PBB、PBDEを使用していないことを表します。
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記載内容は、改良その他により予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
001-03 / 20070222 / jb372_ts.fm
(2/6)
形状・寸法
片面基板タイプ
A シリーズ
両面基板タイプ
L シリーズ
68.0±0.2
9.5±0.1
46.0±0.2
38.0±0.1
6.0±0.2 ø8.0±0.2
6.5±0.2
1.5
45.0±0.5
ø3.5±0.2
4.5±0.1
57.0±0.2
3.5 +0.1
–0
4.0±0.2
1.5±0.2
31.0±0.5
8.0±0.1
2-ø3.2×3.5
6.5±0.5
ø6.0±0.2
14.0±0.5
Label
(3)
12.0±0.2
14.0±0.2
4.0±0.2
ø3.5±0.2
Label
(1.5)
ø10.0±0.1
Dimensions in mm
ø10.0 +0
–0.1
Dimensions in mm
K シリーズ
63.5±0.5
55.3±0.5
Label
11.0±0.2
4.0±0.15
4.0±0.05
4.0±0.15
1.5±0.1
ø3.5±0.2
10.0±0.1
42.0±0.1
ø6.8±0.1
ø3.2±0.2
ø8 +0
–0.1
Dimensions in mm
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(3/6)
0.01µF
+24V(+12V)
特性例
トナー濃度 - 出力特性
5
4
Vout (V)
← Z in =1MΩ
Control
input
5kΩ
50kΩ
10kΩ
Power supply
voltage 12V
動作点調整
3
2
Digital
output
1
+24V (+12V)
0
50kΩ
0.01µF
(Z out =150kΩ)
1MΩ
200kΩ
デジタル出力スレッシュホールド電圧調整
コントロール電圧 - 出力特性
5
4
アナログ出力フィルタ時定数増加
2
Analog output
1
10kΩ
+
3
Vout (V)
Analog
output
2 SC 2712
(GR)etc.
(H f e >200)
+24V(+12V)
(Z out =150kΩ)
6V
7V
8V
9V
Toner density (Relative scale)
温度特性
2 SC 2712 etc.
Digital output
5
4
Vout (V)
Digital
output
CNT
5V
0
デジタル出力バッファ
5.1kΩ
Toner density (Relative scale)
動作点切り替え
3
2
1
0
–10
+24V
0
10
20
30
Temperatue (˚C)
Control
input
40
50
60
高温高湿負荷試験
60˚C, 95 (%) RH
Vout (V)
2.3
2.1
1.9
1.7
1.5
Initial value
72
240
Time (h)
500
1000
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001-03 / 20070222 / jb372_ts.fm
(4/6)
ご使用時の留意点
プログラマブルトナーセンサの安定した動作を得るために以下の
点にご留意ください。
なお数値は、一般的な設計上の目安です。センサの検知感度は、
センサが設置される現像剤容器の材質、形状および現像剤を搬出
する構造により微妙な影響を受けますので、特殊な設計仕様の場
合は、別途ご相談ください。
3. トナーセンサ近傍の導電体の影響について
センサ本体近傍に導電体が存在する場合もセンサ動作点に変動が
引き起こされる危険がありますが、ある程度の距離が保たれてい
れば、動作点を再設定していただくことで正常な動作に復帰でき
ます。しかし、下図のように導電体がセンサに極端に近接した状
態では、センサ動作点の調整範囲を超えることがあります。
A
1. センサ面近傍の現像剤(トナー+キャリア)の量について
センサ面近傍の現像剤の量(下図のD)が少ない場合(5mm 以
下)、センサ面の検知感度は設定された感度より低下します。あ
らかじめ回路的にセンサ出力を増幅しておくことで検知感度の低
下を補償することは可能ですが、耐環境特性や温度特性が劣化す
るなど、動作の安定性が得られなくなります。従って、現像剤容
器および搬出構造の設計時に、現像剤の最少量(下図の D 値)を
6mm 以上に設計してください。
Developer
D
Sensor face
D < 5mm
D < 5mm
A
A: Conductors such as aluminum plates
また、下図のようにセンサ本体をアルミニウムのような導電体に
直接取り付けますと、センサコイルの駆動電力がアルミニウム板
でショートし、まったく動作しないことがあります。カスタムタ
イプは動作可能ですが、取り付け状態と動作点の変動幅が密接に
関係しますので、装置ごとに動作点がバラつく結果となり、調整
が煩雑になります。
Toner sensor
2. トナーセンサ近傍の外部磁界の影響について
センサ本体に直流磁界が印加されるような環境(センサ近傍に直
流磁界発生源がある場合など)に設置しますと、直流磁界強度に
応じてあらかじめ設定したセンサ動作点が変動してしまいます。
External DC magnetic field H
A
A
A: Conductors such as aluminum plates
アルミニウム板などの導電体にセンサ本体を取り付ける場合に
は、下図のようにセンサヘッドの周囲を最低 ø30mm 以上くりぬ
き、プラスチック板などを装填してからセンサ本体を取り付けて
ください。ただし、このような対応策を施したのちでも、取り付
け状態のバラツキが大きい場合、センサ動作点が変動することが
あります。
øD > 30mm
A
また、個々の装置によって発生する直流磁界の強度が異なる場合
は、それぞれの直流磁界強度に応じたセンサ動作点の再設定が必
要となります。基本的には直流磁界の影響のない設置環境が求め
られますが、設計上の制約がある場合はご相談ください。
External DC magnetic field H
なお、センサ本体に印加される直流磁界が一般レベルを上回る場
合、センサ部に磁気シールドコアを設けたカスタムタイプでは、
前図に示すように現像剤中に含まれる磁性粉体(キャリア)がコ
ア位置にトラップされ、正常な動作が妨げられることがあります
(体積の小さなコアを採用している標準TS-Lシリーズは、このよ
うな現象はほとんど発生しません)。
B
B
A
A: Conductors such as aluminum plates
B: Non-conductive material such as plastic
4. 検知出力のリプル発生要因について
検知出力のリプルは、センサ近傍での現像剤の流れが不安定な場
合に発生します。リプルの大きさによっては、制御精度が著しく
低下することもありますので、常に安定した検知を行うために、
センサ取り付け位置の設計にあたっては、現像剤の流れ(流量の
安定性)にご配慮ください。センサ内部にはリプルを吸収する
フィルタが内蔵されていますので、通常のリプルレベルならほと
んど問題になりません。しかし、発生するリプルが一般レベルを
しのぐ大きなものになりますと、次のような不都合が生じる場合
があります。
製品をより正しく、安全にご使用いただくために、さらに詳細な特性・仕様をご確認いただける納入仕様書をぜひご請求ください。
記載内容は、改良その他により予告なく変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
001-03 / 20070222 / jb372_ts.fm
Output
(5/6)
E4
P1 P2
E2
P3
E0
P6
P0
E1
E3
C2
C1
C0
P4 P5
Toner density or equivalent
developer magnetic resistance
C3
C4
上図は、現像剤の不安定な流れが、検知出力のリプルとなって現
れる様子をモデル化したものです。いま、動作点 C0 を中心とし
て、現像剤の流れにC0⇒C1⇒C0⇒C2⇒C0といった比較的小幅のゆ
らぎが発生しているとします。その不安定な流れは、出力リプル
E1 ∼E2 のゆらぎに反映されます。この場合、出力リプルのゆらぎ
幅がセンサの動作領域にあれば、出力信号をフィルタすることに
より安定したセンサ特性が得られます。ところが、現像剤の流れ
が C0⇒C3⇒C0⇒ C4⇒C0 と極めて不安定な場合は、出力リプルの
ピークがE3、E4 に示すようにセンサの飽和領域を超えてしまう危
険性があります。このような場合、センサがセンシング動作を行
え るの は、P0⇒P1 間 と P2⇒P3⇒P4 間 お よ び P5⇒P6 間だ け で、
P1⇒P2 間と P4⇒P5 間ではセンサは飽和状態にあり本来発揮すべ
きセンシング動作をしていません。つまり、このことはセンサ感
度の大幅な低下を意味します。
もちろん、フィルタリングによりリプル成分を低減することはで
きます。しかし、飽和によりセンサ感度そのものが低下していま
すので、フィルタリング後、飽和に達しない小さなリプル発生時
と同等なセンサ感度を維持するためには、あらかじめセンサ感度
を高めておく必要があります。ところが、センサ感度が高まるこ
とは、現像剤の流量変化(不安定性)に対する感度が高まること
を意味しますから、出力リプルも大きくなり良好な結果が得られ
ません。しかも、センサ感度を高めても S/N 比は変わらないので
制御精度も向上せず、併せて耐環境特性が劣化するなどの問題も
生じ、結果的に安定動作が阻害される傾向が強まります。
つまり、飽和以前のセンサ動作領域ではまったく同じ特性を発揮
していたふたつのセンサが、大きなリプル要因の関与でそれぞれ
異なる出力を示し、さらにセンサ感度も微妙にズレてしまうとい
う問題をこのモデルは示しています。大きなリプル発生時に個々
のセンサにおいて同一の出力レベル、センサ感度を維持するため
には、センサ感度をあらかじめ個別に調整しておく必要がありま
すが、これは極めて困難な作業であることは言うまでもありませ
ん。
以上の考察から、出力リプル問題は、単にフィルタ特性上の問題
だけではなく、個々の装置をそれぞれ安定に動作させるために極
めて重要なテーマといえます。なお、TDK プログラマブルトナー
センサはフィルタを内蔵していますので、センサ出力に現れるリ
プルは、フィルタリング後の成分です。現像剤容器の設計時には
センサのフィルタを一時的に取り除き、現像剤の不安定性を直接
反映した裸のリプル成分を観察されることをお薦めします。
5. センサの感度とセンサ出力電圧の関係について
TDK プログラマブルトナーセンサは、現状他製品との互換性に配
慮し、センサ出力の中心値を2.5V 近傍に設定していますが、出力
中心値が2.5Vのものと5Vのものを比較してみますと、同じトナー
濃度変化に対して5V系は2.5V系のおよそ2倍の出力電圧変化を生
じます。このことはセンサ自体の感度について、同じ V/wt% に対
し、5V系は2.5V系の約半分になっていることを示しています。前
記したことがらの裏返しになりますが、これにより、5V系は2.5V
系より耐環境特性が大幅に改善されることになります。以上のよ
うな経緯から、新しく装置を設計される際は、5V 系のご採用をお
薦めします。
Output
E2
EA
EB
a
b
C0
C1
E1(a)
E1(b)
Toner density or equivalent
developer magnetic resistance
C2
さらに、大きなリプル発生を避ける必要性のひとつとして次のこ
とを挙げることができます。
前図もまた、現像剤の流れがC0⇒C1⇒C0⇒C2⇒C0と極めて不安定
なケースを想定したモデルです。このモデルで、AとBふたつのセ
ンサを設定します。ふたつのセンサは、飽和点に違いがあるだけ
で他は全く同一のセンサであるとします。センサAの飽和点をa、
センサ B の飽和点を b とします。C0⇒C1⇒C0⇒C2⇒C0 の流量変化
に対応した出力リプルもE1(a)∼E2 とE1(b)∼E2 に分かれます。そ
して、この出力をフィルタリングして得られた平均出力 EA とEB
も当然ながら異なる結果となります。
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001-03 / 20070222 / jb372_ts.fm
(6/6)
1-2. 位相弁別器によるアナログ出力変化
Phase discriminator
output
基本動作原理(差動トランス形トナー濃度/残量センサ)
1. 動作原理
トナーセンサは磁性現像剤のトナー濃度/残量を検出します。現
像剤は磁性体ですので、磁性現像剤が少ない場合には磁気抵抗が
大きくなり、逆に磁性現像剤が多い場合には磁性抵抗が小さくな
ります。
現像剤の磁気抵抗の大小を検出すればトナー濃度/残量がわかる
わけですが、この磁気抵抗の変化は非常に小さいのでその検出に
は工夫を要します。
V2
V0 (Low quantity of toner)
V0 (Medium quantity of toner)
V0 (Much quantity of toner)
V3–∆V3
V3
Much quantity
of toner
V3+∆V3
Low quantity
of toner
1-1.差動トランス形センサの検出原理
L2
V2
L3
V3
V0
L1
Toner
図 1-1 は差動トランスの原理図です。差動トランスは、駆動コイ
ル L1、検出コイルL3、基準コイル L2 を同一コアに設けたもので、
L1 を高周波(500kHz)で駆動しますと差動出力V0 は、
V0=(V2–V3)
2. 回路および動作
図2-1 にしめした回路で、EX-OR ゲートを位相比較器、OSC、波
形整形にもちいています
・IC1はコルピッツOSCとして動作し、約500kHzで駆動コイルを
駆動します。
・IC2 は波形整形インバータとして動作し、差動出力を矩形波に
整形します。
・IC3 は位相比較器として動作します。
・C1は共振用コンデンサで、センサ面に現像剤がないときのア
ナログ出力オフセットを最小にする働きをします。
・R1はアナログ出力感度を適度に保ちます。
となります。ここで標準濃度/残量における検出、基準両コイル
の出力電圧を、V30、V20 とし、V30=V20 となるように設計すると
濃度/残量変化による検出コイル出力変化分∆V3 に対し、
V0=V20–(V30+∆V3)=–∆V3
2-1. トナー濃度センサ回路
となって微小変化∆V3 がそのまま差動出力となります。
しかし、通常の現像剤では、検知面近傍におけるトナー残量数
10g の変化に対し、∆V3 は 0.1V 程度で、電圧の変化として検出す
るためには 10 倍程度の直流増幅器を必要とし、センサの安定度が
大幅に低下します。安定度をそこなわずに出力変化を大きくとる
ための工夫としては、∆V3 を電圧として弁別するかわりに位相を
弁別する方式があります。
2
R1
Vcc
1/4 IC1
1
T
4
となるようにします。つまり
V0=V20–V30>=0
濃度/残量小 または標準濃度/残量
V0=V20–V30–∆V3<0 濃度/残量大
であり、標準濃度/残量を境界として差動出力 V0 の位相が逆転し
ます。この位相変化を位相弁別器で弁別すればトナー濃度/残量
変化に対し大きな電圧出力が得られます。ここで、出力変化をア
ナログ的にするために、基準コイル出力電圧の位相を少しずらせ
ておくと、図1-2 のように出力はアナログ的に変化するようにで
きます。
R5
Analog output
C4
5
3
R2
C6
R3
Digital output
C2
C1
1-2.位相弁別方式による差動トランス形センサ
前項ではセンサ出力 ∆V3 を得るために標準濃度/残量時の基準コ
イル出力 V20 および検出コイル出力 V30 を V30=V20 となるようにし
ましたが、位相弁別方式では、
V20>V30
標準濃度/残量
V20<V30+∆V3
1/4 IC3
C3
1/4 IC2
Vcc
2-2. トナー濃度と出力信号の関係
Toner density
High
Middle
Low
1
2
3
H
4
L
Level signal
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