eco2003j all

地球環境との調和をめざして
SIIグループのグリーンプラン
環境報告書 2003
目 次
ごあいさつ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2
物流の環境配慮と資源の有効利用 ‥‥‥‥‥‥‥‥12
SIIグループ環境方針 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
化学物質管理 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
事業活動と環境負荷 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
廃棄物削減活動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
環境マネジメント ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
環境に配慮した製品 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
環境教育 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
工場の環境保全 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17
2002年度の結果と2003年度の環境保全行動計画‥‥7
拠点別主要環境データ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
環境会計 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
環境監査とリスクマネジメント ‥‥‥‥‥‥‥‥‥19
環境技術 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥9
コミュニケーション ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
グリーン購入 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
環境に関する社会貢献活動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21
地球温暖化防止の取り組み ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥11
環境保全活動のあゆみ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥22
会社概要
編集方針
社 名
設 立
資 本 金
決 算 期
事業内容
セイコーインスツルメンツ株式会社
1937年9月7日
10億円
3月
(年1回)
【マイクロメカ】
ウオッチムーブメント、光ファイバコネクタ、超音波
モータ、HDD部品など
【ウェアラブル】
ウオッチ、
PCカード型PHS電話機、
電子辞書など
【インダストリアルシステム】
分析・計測機器、LSIデザインシステム、コンプレ
ッサなど
【ネットワークコンポーネント】
液晶表示モジュール、CMOS IC、マイクロ電
池、水晶振動子など
【e-ソリューション】
レストランオーダーシステム、時刻配信/時刻認
証サービス、SDカード型データ通信機器、携帯
電話用コンテンツサービスなど
【関連事業】
小型サーマルプリンタ、大型インクジェットプリンタ、
ネットワーク通信機器など
年間売上高 (2002年度単独)1,504億円
(2002年度連結)2,164億円
従 業 員 数 (単独)4,300名 (連結)9,400名
売上高推移 (連結)
(単位:億円)
3000
SIIグループでは1年間の環境保全活動の取り組みと実績
をより多くの方々にお伝えすることを目的に毎年環境報告書
を発行しております。今回の発行にあたっては環境省発行の
「環境報告書ガイドライン
(2000年度版)
」などの各種ガイドラ
インを参考にしました。
今回の報告書では製品への環境配慮の取り組み、各拠
点での主要環境データの公開など内容の充実に努めました。
この報告書は皆様との大切なコミュニケーションツールの一
つと考えております。是非、ご意見・ご提案やご質問などをお
寄せください。今後の環境保全活動に反映させていく所存
です。
(巻末にアンケート用紙を用意しております。)
対象範囲・期間
SIIグループの国内主要12拠点の取り組みを中心に報告
しております。
2002年度(2002年4月∼2003年3月)の活動実績をもとに作
成していますが、一部2003年4月以降の活動や将来の見通
しも含んでおります。
お問い合わせ先
千葉県千葉市美浜区中瀬1−8 〒261−8507
セイコーインスツルメンツ株式会社
環境推進部
TEL 043−211−1149
FAX 043−211−8019
Email eco@sii.co.jp
ホームページ http://www.sii.co.jp/eco/
2,801
2,491
2500
2,324
2,204
2,164
18%
2000
5%
1500
34%
1000
10%
16%
500
17%
0
98年度
99年度
00年度
01年度
02年度
マイクロメカ
ウェアラブル
インダストリアルシステム
ネットワークコンポーネント
e-ソリューション
その他
1
ごあいさつ
SIIグループでは、1993年4月、3つのグリーン「グリ
ーンプロセス・グリーンプロダクツ・グリーンライフ」を
象徴するSIIグループグリーンプランを策定してから早く
も10年が経ちました。この間、私たちは環境問題への取
り組みを「環境対策」から「環境経営」に発展させ実践して
まいりました。
資源とエネルギーを消費することで商品やサービスを
創出しているSIIグループにとって、循環型社会への適応
は社会から期待される最も大きな責任の一つと認識して
おります。私たちは、60年以上にわたる時計づくりで脈々
と生き続ける小型・精密技術をベースに長寿命、省エネ、
省資源タイプのIC、液晶ディスプレイ、電池等を提供して
代表取締役副会長
服部 純一
きました。製造メーカーとして培った技術と商品の創出
代表取締役社長
茶山 幸彦
を、今後はもっともっと環境分野でも展開し、社会やお
客様の信頼を頂戴し企業の存在価値を高める所存です。
「グリーンプロダクツ」環境に負荷の少ない製品
SIIグループの環境配慮基準をクリアした「SIIグリーン商
品」には、独自のシンボルマークをつけてお客様に分かり
やすく提案しています。
「グリーンプロセス」環境にクリーンな製造
2003年度末、全事業所ゼロ・エミッション達成に向けて
最終段階を迎えています。また地球温暖化防止に向けて
は製造工程に踏み込んだCO2削減等の取り組みを拡大し
ています。
「グリーンライフ」環境を守る生活
環境活動を支えるには、私たち社員一人ひとりの行動が
必要なのは言うまでもありません。全社員が一丸となっ
て一流の環境マインドカンパニー実現に寄与してまいり
ます。
1996年から環境報告書を毎年発行し、社会各層にSII
グループの環境保全の取り組みと成果を公表しています。
本報告書をご覧いただき、皆様からの率直なご意見・ご指
導を賜り、環境活動の継続的な改善を図ってまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
2003年8月
セイコーインスツルメンツ株式会社
代表取締役副会長
代表取締役社長
2
SIIグループ環境方針
■環境理念
SIIグループは良き企業市民として、企業活動と地球環境との調和をめざし、環境の保全と継続的向上に努め、全ての
生命と共生できる持続可能な社会の実現に貢献する。
■環境活動指針
1. 環境マネジメントシステムを維持し、かつ継続的な改善を図る。
2. 環境関連の法規制、協定等を遵守し、環境汚染の未然防止を図る。
3. 環境負荷を継続的に低減するために次の項目に取り組む。
(1)ライフサイクルにわたって環境負荷を低減した製品・サービスを提供する。
(2)省エネルギーを推進し、地球温暖化防止に寄与する。
(3)省資源、および3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進する。
(4)化学物質による環境リスクを低減させるとともに、有害物質の排除を推進する。
4. あらゆる製品・部品・サービスの調達に際し「グリーン購入」を推進する。
5. 内部環境監査を実施し、自主管理の向上を図る。
6. 環境に関する社会活動により、社会に貢献する。
7. 全社員に環境教育を徹底し、意識の向上を図ると共に、一人ひとりが身近な生活においても環境保全に努める。
8. 環境マネジメントシステムの運用状況について、社会各層に積極的な情報開示を図る。
■グリーンプラン概念図
グリーンプロセス
グリーンプロダクツ
環境にクリーンな製造
環境に負荷の少ない製品
グリーンライフ
環境を守る生活
3
事業活動と環境負荷
SIIグループの事業活動と環境負荷との関連は次の通りです。
■環境負荷のINPUTとOUTPUT
SII
電 気
1.50億kWh
時計
CO2
75,707トン-CO2
NOx
9.1トン
排 水
616千m3
3
都市ガス
3,011千m
LPガス
210千m3
灯 油
3,641 重 油
222 ガ ス
電子辞書
燃 料
INPUT
水
934千m3
紙
77トン
包 装 材
389トン
化学物質
69トン
データ通信カード
OUTPUT
IC
廃棄物
一般廃棄物排出量
780トン
再資源化率
(有価物含む)
64%(500トン)
産業廃棄物排出量
2,533トン
再資源化率
(有価物含む)
84%(2,125トン)
〔最終埋立率 8%(264トン)〕
分析機器
INPUT
OUTPUT
電気 ‥‥‥‥‥電力会社からの購入電力
CO2 ‥‥‥‥‥電気、ガス、油などの使用により発生す
ガス ‥‥‥‥‥都市ガス、LPG
る二酸化炭素
燃料 ‥‥‥‥‥灯油、重油
NOx ‥‥‥‥‥ガス、油などの使用により発生する窒
水 ‥‥‥‥‥‥上水道、工業用水、地下水
素酸化物
紙 ‥‥‥‥‥‥コピー用紙、プリンター用紙
排水 ‥‥‥‥‥河川、下水道への排水
包装材 ‥‥‥‥容器包装リサイクル法の対象となる紙、
一般廃棄物 ‥‥事業活動に伴い発生する廃棄物のうち、
プラスチック
紙ゴミ、生ごみなど
化学物質 ‥‥‥PRTR対象物質、HFC類、PFC類、SF6
産業廃棄物 ‥‥事業活動に伴い発生する廃油、廃酸、
廃アルカリ、廃プラ、燃え殻、汚泥など
4
環境マネジメント
SIIグループでは各拠点ごとに環境マネジメントシステムを構築し、
Plan−Do−Check−Actionのサ−クルを確実に回し、環境負荷の低減に努めています。
■環境マネジメントシステム
私たちは「SIIグループ環境方針」を受け、毎年「SIIグ
SIIグループ環境方針
経営層による見直し
ループ環境目標」を策定しています。環境目標は各拠点
SIIグループ
の環境マネジメントシステムによって展開され、その活
環境方針
見直し
動実績は定期的に本社へ報告されます。本社では全グ
点検および是正処置
計 画
各拠点
点検および
是正処置
ループを統括した環境マネジメントシステムを運用し
計 画
ています。
実施および運用
■推進体制
セイコーインスツルメンツの社長のもと、環境担当役
社 長
環境担当役員
員を最高責任者として、環境マネジメントシステムの推
環境監査チーム
進体制を構築し、運用しています。
鉛フリーはんだ推進プロジェクト
SII環境推進委員会
SII環境推進委員会を最高決定機関とし、省エネルギ
SII専門分科会
ー等の横断的テーマについては本社の環境推進部が事
●省エネルギー分科会
●公害・廃棄物対策分科会
●紙資源有効活用分科会
●化学物質分科会
●商品エコロジー分科会
環境推進部
務局となり全グループ専門分科会を設置して推進して
います。
2003年4月より従来の拠点毎の推進体制に加え、事
国内・海外拠点
業部毎の推進体制を強化しました。
事業所長・関連会社社長
○SII環境推進委員会… SIIグループの環境活動目標・計画
内部監査チーム
事業所環境委員会
の審議、承認。各拠点の環境保全
環境管理責任者
活動の実施状況報告と情報交換。
○SII 専 門 分 科 会… 環境負荷低減活動のSIIグループ
専門分科会
各事業部
各事業部
目標と方策の立案。情報交換と
伝達。
●ISO14001認証取得一覧
■ISO14001認証取得
国内主要製造拠点は1999年3月までに取得を完了
し、海外ではシンガポール、大連、タイ、マレーシアの拠
点が取得しています。
2002年9月、西日本営業拠点がグループとして初め
て営業拠点で認証を取得しました。その際、環境影響の
原因となる環境側面の把握・評価には「加点評価法」を
取り入れました。これは、環境保全活動を継続的に改善
していくために、直接的に環境負荷を減らす活動だけで
はなく、やればやるほど環境改善にプラスになるテーマ
も積極的に展開していこう、という試みで確実に効果を
あげています。
5
認証取得事業所・会社
所在地
取得年月
高塚事業所
習志野事業所
宮久保事業所
SIIマイクロテクノ株式会社
盛岡セイコー工業株式会社
Seiko Instruments Singapore Pte.Ltd.
株式会社SIIクオーツテクノ
和賀プレシジョン株式会社
小山事業所
株式会社SIIマイクロパーツ
大野事業所
大連精工電子有限公司
須賀川プレシジョン株式会社
本社・幕張事業所
Seiko Instruments (Thailand) Ltd.
西日本営業拠点
Instruments Technology (Johor) Sdn. Bhd
千葉県松戸市
千葉県習志野市
千葉県市川市
秋田県大曲市
岩手県岩手郡
シンガポール
栃木県栃木市
岩手県北上市
静岡県駿東郡
宮城県仙台市
千葉県市川市
中国・大連
福島県須賀川市
千葉県千葉市
タイ
西日本地区
マレーシア
1996年 11月
1997年 1月
1997年 3月
1997年 4月
1997年 4月
1997年 5月
1998年 2月
1998年 6月
1998年 8月
1999年 2月
1999年 3月
2001年 6月
2001年 9月
2001年 10月
2002年 3月
2002年 9月
2002年 10月
環境教育
環境保全活動を支えて継続的に改善していくには社員一人ひとりの協力と参加がなければ
達成できるものではありません。SIIグループでは正しい知識を身に付け、
それを行動につなげていけるよう環境教育に取り組んでいます。
■環境教育
SII本社が主催する環境教育をはじめ、各拠点でも教
育計画を立て実施しています。2002年度の本社主催の
教育では251名(累計1,453名)が参加しました。
教育後はアンケートを実施し、次回の教育に反映させ
ることにより、環境教育も継続的に改善しています。
環境教育テキスト
●本社主催の環境教育
一般教育
種 類
対 象
教育内容
地球環境問題と
SIIグループの取り組み
新入社員
SIIグループの環境対策について
環境概論とISO14001の理解
中堅社員
環境の各論や管理技術
システムとパフォーマンス向上
管理者
内外の環境動向
パフォーマンス向上方策
専門教育
種 類
対 象
教育内容
講義風景
廃棄物の削減と適正管理
循環型社会と環境負荷低減
廃棄物管理
化学物質管理
取扱従事者
環境設備運転者
生産・
製造技術者
物づくりにおける
省エネ技術対策や他社動向
省エネルギー
製品設計アセスメント
化学物質・危険物の適正管理
環境リスクの未然防止
開発担当者
商品の環境負荷を改善
するための手法、他社事例
監査員教育
種 類
内部監査員
対 象
各拠点の
監査員候補
教育内容
ISO14001 の内部監査を
進めるうえで必要な知識・スキル
社内報
■啓蒙活動
定期的に開催する環境教育の他、社内のイントラネット
に環境専用の掲示板「エコタウン」を開設し、環境用語の
解説や法規制情報などの環境情報を提供しています。
また、社内報での連載、環境ポスターの掲示など、身
近で幅広い啓蒙に努めています。
環境設備を持つ製造拠点では、設備の機能や構造を解
社内HP「エコタウン」の画面
説した看板を掲示し、誰でも理解できる工夫をしています。
環境施設の看板
6
2002年度の結果と2003年度の環境保全行動計画
■2002年度の結果
2002年度は廃棄物削減の取り組みの中で、最終埋立処分量がわずかに達成できませんでしたが、新しく導入した
SIIグリーン商品の創出や、その他の取り組みについては達成できました。なかでも紙資源の有効利用は2005年度末
までの目標を早期に達成することができました。
評価(○:達成 △:推進中 ×:未達成)
取り組み項目
省エネルギー対策
中期目標
2002 年度目標
2002 年度実績
評価
関連ページ
二酸化炭素 (CO2) 排出量を 2010 年度末までに3%削減する
(1990 年度比)
76,706トン-CO2 → 74,405トン-CO2
77,609トン-CO2
前年度−1%
75,707トン-CO2
前年度−3.4%
○
11
廃棄物の総発生量を 2010 年度末までに50%削減する
(2000 年度比)
4,322トン → 2,161トン
3,637 → 3,528トン
前年度−3%
3,313トン
前年度−9%
○
14
廃棄物の削減
紙資源の有効利用
環境配慮型製品の創出
最終埋立処分量を2003年度末までにゼロにする
(グループ国内主要拠点でゼロ・エミッションを達成する)
247 → 240トン
前年度−3%
264トン
前年度+7%
△
事務用紙の使用量を 2005 年度末までに42%削減する
(1993 年度比)
153トン → 89トン
92トン
前年度−1%
77トン
前年度−17%
○
12
10%
10.9%
○
15・16
SIIグリーン商品の売上比率を 2004 年度末までに50%以上に
する
■2003年度以降の環境保全行動計画
新たな取り組みとして化学物質の全廃計画を設定しました。また、紙資源の有効利用については2002年度に当初の
目標を達成しましたので今後は維持管理テーマとして取組んでまいります。
●環境パフォーマンス指標
基準年度
目標年度
(基準値)
1990
76,706トン-CO2
2001
9,937トン-CO2
2000
4,322トン
(目標値)
2010
74,405トン-CO2
2010
7,950トン-CO2
2010
2,161トン
グループ国内主要拠点でゼロ・エミッションを達成する
−
2003
カドミウム、六価クロム、水銀、鉛、ポリ塩化ビニルの製品への含有を
全廃する
−
2004年 12月(新製品)
2005年度末(現流製品)
−
2001
20トン
2010
16トン
2002年度比
−3%
鉛はんだを全廃する
−
2003
−
SIIグリーン商品の売上比率を 50%以上にする
−
2004
LCA* の実施率を 70%以上にする
−
2004
中期目標
取り組み項目
二酸化炭素 (CO2) の排出量を 3%削減する
地球温暖化防止対策
温室効果ガス(HFC、PFC、SF6)の排出量を 20%削減する
廃棄物の総発生量を 50%削減する
廃棄物削減と再資源化
化学物質削減と管理
環境配慮型製品の創出
PRTR 法対象物質の排出量を 20%削減する
2003年度目標
2002年度比
−1%
2002年度比
−3%
2002年度比
−3%
−
20%
−
●環境マネジメント指標
取り組み項目
環境マネジメントシステム
環境教育
環境コミュニケーション
中期目標
海外拠点を含めた推進体制を 2003 年度末までに確立する。
営業担当者への環境教育カリキュラムを 2003 年度末までに策定・実施する。
環境報告書の内容の充実を図りながら1 年に1 回発行する。
* LCA(Life Cycle Assessment):原材料の採取から製造→流通→使用→廃棄までのすべての段階における環境への影響を総合的に評価する方法
7
環境会計
SIIグループでは環境保全活動にかかるコストとその効果を
定量的に把握、評価する環境会計を1999年度より導入しています。
■環境会計集計結果
2002年度の集計も環境省のガイドラインに基づいて集計しました。
集計の結果、2002年度の投資額は89百万円、費用額は1,601百万円と、ほぼ前年度レベルでした。
(2001年度は
投資額109百万円、費用額は1,630百万円でした。)費用の中で上・下流コストについては環境配慮型製品の創出に伴
い2001年度より増加しました。
効果については、廃棄物の再資源化、再利用による材料購入の抑制効果を更に広範囲で把握したことにより、実質的
な経済効果は819百万円となりました。環境リスク回避効果は357百万円と試算し、経済効果合計は1,166百万円で
した。
●環境保全コスト
集計範囲:SII本社および全 12製造拠点 対象期間:2002年 4月1日∼2003年 3月31日
(単位:百万円)
環境保全コスト
分 類
内 容
投資額*1
費用額*2
(1)事業エリア内コスト
①公害防止コスト
内 訳
水質、大気、騒音、振動など公害防止に関すること
46.3
514.6
②地球環境保全コスト
地球温暖化防止、オゾン層保護などに関すること
6.2
230.4
③資源循環コスト
省資源、廃棄物の削減・リサイクル、購入抑制など
37.1
376.7
0.0
80.4
0.0
322.7
環境配慮型製品の開発
(2)上・下流コスト
製品・容器包装等のリサイクルなど
(3)管理活動コスト
環境教育、環境情報の開示
環境マネジメントシステムの運用など
(4)研究開発コスト
鉛フリーはんだ実装技術など
0.0
75.7
(5)社会活動コスト
環境保護団体、地域への支援など
0.0
1.5
(6)環境損傷コスト
土壌汚染修復費など
0.0
0.0
89.6
1,601.9
合 計
*1 投資額は2002年度単年のみの投資額です。全額を環境保全コストと判断できない場合は、按分集計を行っています。
*2 費用額には2001年以前の減価償却費を含んでいます。
(投資額を設備は5 年、施設は10年で均等に分割して算出)
全額を環境保全コストと判断できない場合は、按分集計を行っています。
●環境保全効果と環境保全活動に伴う経済効果
(単位:百万円)
環境保全活動に伴う経済効果
環境保全効果
環境負荷
削減量(2001年度−2002年度) 実質効果の内容
CO2
2,687トン-CO2
用水
6千m3
紙資源
16トン
産業廃棄物
247トン
一般廃棄物
77トン
材料購入抑制量
880.9トン
省エネルギーによる費用の削減
小計 819.4
27.6
廃棄物処理費用の削減
11.6
有価物など売却による収入
29.1
443.1
8
小計 346.9
308.0
省資源(水、紙)による費用の削減
材料購入抑制、その他
環境リスク回避効果試算
計 1,166.3
大気、水質汚染などによる操業停止回避
266.0
不法投棄などによる罰則の回避・その他
80.9
環境技術
SIIグループではこれまで培ってきた伝統的な技術を環境分野においても
積極的に活かしています。
■ミニ生産システムの研究開発
ミニ生産研削加工システム
私たちは時計に代表される小型部品や情報通信用の
搬送装置
小物部品を加工対象としたミニサイズの加工生産シス
テムを開発しました。この研究開発は、NEDO*(東葛・
千葉コンソーシアム)からの委託事業の一環として実施
したものです。試作したシステムは、研削、洗浄、検査
(寸法、円筒度)、搬送の各セルで構成され、各セル(研削、
洗浄、検査)は200mm立方体内におさまるサイズとし、
検査セル
従来の小型円筒研削盤に比べると、消費電力では1/5、
研削セル
洗浄セル
面積では1/30と省エネ、省スペースを実現しました。
こ の 結 果 、シ ス テ ム 全 体 と して 1 0 0 0 m m( 幅 )×
600mm(奥行き)×450mm(高さ)を実現しました。ミ
ベース寸法1000×600mm
ニ化による静剛性低下や加工動力不足は、新機構や加工
従来型円筒研削盤との比較
形状制御などの採用で、従来設備に匹敵する加工精度、
従来の小型円筒研削盤
能率を確保しています。省エネ、省スペースと環境に配
床面積 : 1/30
重量比 : 1/80
省エネ : 1/5
慮したミニ生産システムによるモノ作りが実現可能と
なる日が近くなっています。
ミニ研削セル
比較表
■鉛フリーはんだ
項目
ミニ研削セル
従来型
床面積(本体) 200×200mm 1000×1200mm
重量
25kgw
2000kgw
消費電力
2kw
10kw
1999年7月に「鉛フリーはんだ推進プロジェクト」を
発足させ、電子部品の電極端子の無鉛化、および基板と
■分析技術
電子部品の接合に無鉛はんだを使用する実装技術の確立
を重要課題として取り組んできました。これまで標準化
私たちの分析技術は土壌、廃水、環境水中の元素分析
を進め、量産に向けた実装技術開発を完了させてきまし
から電気・電子、材料、食品分野にいたるまで幅広くご利
た。2003年度全廃を目前にした2002年度は「鉛フリ
用いただいております。
ー手はんだのガイドライン」を設定し更に標準化を進める
EU(欧州連合)では2003年2月に電気・電子機器に含ま
と同時に海外拠点でも鉛フリーはんだ実装の量産を開始
れる特定有害物質の使用制限指令(RoHS指令)が発効さ
しました。
れました。私たちはこのような世界規模の規制にも対応
また、製造委託品については協力会社に技術指導して
可能な分析技術を保有しております。なかでも蛍光X線
鉛フリー化を加速しています。
分析装置は製品中に含まれるカドミウム、鉛などの有害
金属を非破壊で短時間に測定することができます。
また受託検査の体制も整え、お客様向けセミナーの開
催などサービスの提供にも努めています。
蛍光X線分析装置SEA2210A
鉛フリーはんだ実装基板
半導体−部品端子の鉛フリー
* NEDO:新エネルギー・産業技術総合開発機構
9
グリーン購入
環境配慮型製品の創出には、部品や材料の一つひとつに及ぶまで環境に配慮していることが
不可欠です。SIIグループでは、これらの生産材をはじめ、
事務用品にいたるまで積極的にグリーン購入に取り組んでいます。
■生産材のグリーン購入
生産材のグリーン購入達成率=
私たちは1999年10月に「SIIグループグリーン購入基
準書」を発行し調達部門が中心になり生産材のグリーン
グリーン品目マスタ数
全品目マスタ数
グリーン購入基準書を用いて調査を実施
○環境管理体制に関する調査
○物品に関する調査
○規制化学物質に関する調査
購入に取り組んでいます。
「購入物品の環境配慮」と「取引
先の環境管理体制」について基準を設け、取引先のご協力
をいただき調査、評価、品目マスタへの登録を行ってい
ます。2002年度末には生産材のグリーン購入100%達
成を目標にしていましたが、残念ながら89%という結果
SIIグループグリーン物品定義
にあわせた評価を実施
に終わりました。2003年度末100%を目指しています。
SIIグリーン物品の定義
下記項目をすべてクリアした物品をグリーン物品として認定
しています
○物品に禁止物質が含有されていない
○物品の製造工程において禁止物質が使用されていない
○取引先環境体制調査結果がSIIグリーン購入基準を満たし
ている
グリーン物品としてマスタ登録
グリーン物品の選定/購入
製造
■グリーン購入の強化と拡大
環境配慮型製品の創出
英語版に続き、2002年12月には、中国語版のグリー
ン購入基準書を発行し、海外におけるグリーン購入活動
の拡充を図りました。また、近年の海外における化学物
質の規制強化を反映させた、より厳しいレベルのグリー
ン購入基準書を2003年5月に策定しました。
■事務用品等のグリーン購入
事務用品等の購入には、株式会社ネットコクヨ様がシ
ステム運営するMRO*インターネット購入システム「べん
りねっと」を利用しています。べんりねっと上には環境に
配慮された商品を優先的に掲載し、さらにエコマークや
グリーン購入基準書
グリーンマーク等の環境ラベルが表示されるため、要求
部門は環境配慮型製品について知識を習得しながら容易
にグリーン購入ができます。今後は事務用品以外にも範
囲を拡大していきます。
■バイヤー教育
調達業務に携わる社員を対象にしたバイヤー教育では、
「グリーン購入教育」を実施しています。対象者は、調達
部門だけでなく管理者をはじめ、開発や設計、製造部門
にも教育しグリーン購入の理解と推進に努めています。
2002年度は67名が受講しました。
「べんりねっと」の画面
*MRO:文具事務用品や工場で使用する消耗品など、企業が経費で購入する生産材以外の物品
10
地球温暖化防止の取り組み
SIIグループでは地球温暖化防止は環境問題の最重要課題と捉えています。
もの作りの現場での省エネ、設備の省エネ、日常生活での省エネなど、
私たちが作り出す商品の省エネと全事業活動を通じて地球温暖化防止に取り組んでいます。
■省エネ活動
●CO2排出量の推移
10
2000年度までの省エネ活動を一区切りにして、2001
8
万
ト 6
ン
年度より新たに中期目標を設定し取り組んでいます。
-
2002年度は設備管理の見直しや空調の温度管理の強化、
7.67
CO2 4
製造プロセスの見直しなどにより前年度より3.4%の
2,687トン-CO2を削減することができました。
8.00
8.04
8.29
8.24
7.98
8.48
7.84
7.57
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2
0
1990
年度
■温室効果ガス削減シナリオの策定
2002年6月、
「SII温室効果ガス削減シナリオ」を策定
しました。これは京都議定書の批准に合わせ、SIIグルー
●CO2 排出削減目標値と削減施策
プが全グループをあげて地球温暖化防止に取り組んでい
運用改善
プロセス改善
機器・設備導入
その他
14
くために策定したもので、CO2やHFC、PFC、SF6の排
12
出量の削減シナリオをまとめています。2002年度は、
10
従来から行っている半導体製造などの製造プロセスでの
10.02
(130.7%)
目標排出量
対策を
11.57
(150.8%) 講じなかった際の
予測排出量
8
省エネ改善を更に強化しました。今後も、各拠点間での
SII温室効果ガス
削減シナリオ
万6
8.00
7.84
ト
ン4
(104.4%)
(102.2%)
7.67
8.48
7.57
CO2
(110.6%)
(98.7%)
2 (100%)
対策実施時の
目標排出量
-
連携や水平展開を図り推進していきます。
0
1990
1995
2000
2001
2002
7.59
(99%)
7.44
(97%)
2005
2010
年度
■設備の省エネ
新規設備導入や更新時には環境への影響を考慮してい
ます。例えば冷凍機では、エネルギー効率性をはじめ、
冷媒のオゾン層への影響や地球温暖化への影響、廃熱の
利用方法、外調機の加湿方法まで考慮し導入しています。
高塚事業所(千葉県)で導入した高効率冷凍機では、電
力使用の減少により、導入以前に比べると620トンCO2の削減ができました。また、空調用冷水ポンプには
インバータ制御を導入してエネルギー効率を向上させま
した。
冷凍機
■日常の省エネ
省エネの推進には一人ひとりの意識と活動も欠かせ
ません。OA機器の未使用時の電源オフ、エリア別の点
灯・消灯など全員が参加して取り組んでいます。また、
定期的に「省エネパトロール」を実施し、活動状況を監視
しています。1997年より実施しているアイドリングス
トップ運動も継続的に実施しています。
アイドリングストップ啓蒙の旗
11
物流の環境配慮と資源の有効利用
SIIグループでは物流段階でのCO2や大気汚染物質の削減、
梱包材廃棄物の削減などにも取り組んでいます。
また、限りない資源の有効利用に努めています。
■物流の環境配慮
SIIグループの物流はエスアイアイ・ロジスティクス株
式会社が担っています。運搬依頼部門ごとに運行してい
る定期便から、複数の依頼部門のニーズに応えられる共
同運行とするために、全体最適の定期便ネットワークの
構築を事業部との共同プロジェクトで推進しています。
積載量・時間・ルートの検証や見直し、倉庫の縮小・整
備に努めています。輸送では2002年度は9.7%(5.8
ダンボール
トン-CO2)のCO2削減ができました。梱包では一回の使
用で廃棄されるダンボールではなく、コンテナ方式(通
い箱)採用の拡大を推進しています。
また、拠点が移転する際は、大量の余剰什器が発生す
ることがあります。そのまま、廃棄するのではなく、社
コンテナ(通い箱)
内の電子掲示板を利用したオークションを開催し、什器
の再利用、新規購入の抑制を図っています。
■紙資源の有効利用
●事務用紙使用量(コピー用紙、コンピュータ用紙など)の推移
私たちは紙資源の有効利用活動は環境保全活動の基
トン
本として1993年より継続的に取り組んでいます。裏
150
紙利用、両面コピーの推進をはじめ、情報の電子化、
100
文書による配布のIT化など地道な活動に取り組んでいま
す。2002年度は前年度より16トン(17%)削減し、
153
131
121
112
102
98
93
77
1993
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
50
2005年度末の目標を前倒しで達成することができま
した。今後も維持活動として取り組んでいきます。
0
■水資源の有効利用
製造機能をもつ拠点ではその製造工程で大量の水を
使用しています。水資源を有効に利用するために、製造
工程から発生する排水は回収し、濾過することにより再
利用しています。宮久保事業所(千葉県)では逆浸透膜
を使用した濾過方法で年間10,246m3(2002年度実
績)の純水を作り出し、再び製造工程で再利用していま
す。これらの取り組みにより、水使用量はSIIグループ全
体で前年度より6,000m3削減することができました。
排水ろ過装置
12
年度
化学物質管理
SIIグループにとって化学物質を正しく安全に管理していくことは
リスクマネジメントの上でも重要だと考えます。
購入から使用、保管、廃棄に至るまで一貫した管理を行っています。
■化学物質の管理
私たちは「SII化学物質ガイドマニュアル」を発行し、ガ
イドマニュアルをテキストにした教育を定期的に行い、全
ての業務領域で化学物質の管理向上を図っています。
2002年度は化学物質の分類を見直し、5つのランク
に再編成しました。製造工程での使用禁止物質と回避物
質、物品への含有の禁止物質、回避物質、そして新たに全
廃物質を設けました。全廃物質はカドミウムや六価クロ
ムなど5物質を対象にし、早期全廃に取り組んでいます。
SII化学物質ガイドマニュアル
■現場での管理・教育
化学物質の使用現場では、物質の特性や取扱時の注意
事項などを記したデータシート(MSDS)の掲示、保管場
所では種類や数量の表示など、目で見る管理に努めてい
PCBの保管状況
ます。作業者へは緊急事態への対応を含む定期的な訓練
を実施し、万全を期しています。
薬品の保管と表示
●2002年度PRTR 調査結果
2002年度の PRTR法*に基づく化学物質は合計67トンが該当しました。
(単位:トン)
排出
化学物質名
2−アミノエタノール
アンチモン及びその化合物
エチルベンゼン
キシレン
コバルト及びその化合物
酢酸2−エトキシエチル
無機シアン化合物
(錯塩及びシアン酸塩を除く)
1,
2−ジクロロエタン
ジクロロペンタフルオロプロパン
(HCFC-225)
N,
N−ジメチルホルムアミド
水銀及びその化合物
1,
3,
5−トリメチルベンゼン
トルエン
鉛及びその化合物
ニッケル化合物
フェノール
ふっ化水素及びその水溶性塩
ほう素及びその化合物
ポリ(オキシエチレン)
=オクチルフェニルエーテル
ポリ(オキシエチレン)
=ノニルフェニルエーテル
マンガン及びその化合物
合計
取扱量
9.13
0.54
0.30
15.55
11.40
0.70
移動
③当該事業所に ④当該事業所に
⑤下水道への
①大気への排出 ②公共水域への おける土壌へ おける埋立
排出
廃水の移動
の排出
処分
1.82
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.08
0.00
0.00
0.00
0.00
1.29
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.43
0.00
0.00
0.00
0.00
リサイクル
消費
⑥廃棄物の当該 ⑦有価物の当該
⑧製品として
事業所外への 事業所外への
移動等
移動
移動
6.85
0.00
0.00
0.00
0.36
0.18
0.22
0.00
0.00
14.26
0.00
0.00
0.00
4.32
7.08
0.27
0.00
0.00
除去処理
⑨分解・反応等
0.46
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.76
0.01
0.00
0.00
0.00
0.00
0.38
0.00
0.00
0.37
0.13
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.13
0.00
0.00
0.00
0.89
0.79
0.00
0.00
0.00
0.00
0.10
0.00
0.00
0.00
0.20
0.25
0.32
1.45
0.56
2.93
0.60
16.84
0.37
0.20
0.00
0.01
1.23
0.00
0.00
0.09
0.58
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.10
0.00
0.02
0.23
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.30
0.22
0.00
0.25
0.48
7.53
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.39
1.67
0.00
0.00
0.00
0.00
0.24
0.00
0.00
0.17
0.91
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.00
0.00
0.00
0.03
8.71
0.14
0.02
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.02
0.00
0.00
0.00
0.27
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.13
0.07
0.00
0.07
3.92
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.49
0.00
3.30
0.13
67.13
6.53
0.35
0.00
0.00
0.00
31.64
6.81
11.88
9.92
*PRTR法:特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
13
廃棄物削減活動
SIIグループでは単なる廃棄物の削減からゼロ・エミッション活動へ、
そして今は発生量の抑制へと活動を発展させています。
■総発生量の管理とゼロ・エミッション
●廃棄物総発生量の推移(有価物含む)
廃アルカリ 2%
ガラス屑 2%
廃酸
5%
廃油
12%
2001年度より新たに廃棄物の総発生量の削減を目標
に設定し取り組み始めました。2002年度の総発生量の
実績は3,313トンと2001年度より9%削減しました。
2003年度末に国内主要拠点でゼロ・エミッション達成
その他
2%
一般廃棄物
23%
3,313トン
再資源化
減量化
最終処分
という目標が目前となりました。残念ながら最終埋立処
分量は264トンと、昨年より7%増加してしまいました
廃プラ
13%
汚泥 20%
5000
4,626
が、ゼロ・エミッション達成事業所に新たにSIIクオーツテ
発 4500
生
量 4000
ト 3500
ン
クノ
(栃木県)が加わるなど前進しました。
金属屑
21%
4,381
4,372
2002年度の内訳
4,322
3,637
3,313
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
■製造現場での取り組み
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
年度
2000年度にゼロ・エミッションを達成している大野事
業所(千葉県)では、自動機加工の工程で発生する切粉に
ついている油を、切粉処理装置により自動分離、切断・回
収し、切削油を再利用しています。油の総使用量に対す
る再利用量は約40%で、資源の有効活用、廃棄物削減に
確実な効果をあげています。
■一般廃棄物の削減とリサイクル
切粉処理装置
日常の事業活動で発生する生活系の廃棄物は古紙(雑
用紙、新聞紙、機密書類)、ダンボール、ビン・缶、ペット
ボトル、可燃物、電池、不燃物など、きめ細かな分別回収
を実施しています。
私たちは古紙のリサイクルには早くから着手していま
す。1993年に古紙回収専用パッカー車(クリーンアロー
号)を導入し、京葉地区の各拠点を巡回し製紙会社に納入
しています。リサイクル可能な機密書類は大型シュレッ
分別の表示
ダーで裁断し同様に納入しています。
また、食堂から排出される生ゴミは生ゴミ処理機によ
って減量・堆肥化し、社員の家庭菜園用に配布したり肥料
として使用しています。
クリーンアロー号
14
環境に配慮した製品
製造メーカーであるSIIグループにとって、環境配慮型製品の創出は使命であると考えます。
SIIの環境ラベルの導入、LCAのトライアルなど取り組みを加速しています。
■SIIグリーン商品ラベル
表 1 SIIグリーン商品基準の環境配慮項目
私たちは、当社の環境配慮型製品を広く知っていただ
No 環境配慮項目
く た め に 、2 0 0 1 年 1 2 月 よ り 環 境 ラ ベ ル タイ プ Ⅱ
1
使用時消費電力
(ISO14021)に相当する『SIIグリーン商品ラベル』制
2
待機時消費電力
度を導入しました。
『SIIグリーン商品』は、当社が独自に
3
製品の重量
4
再使用部品・リサイクル材料使用部品使用
5
使用済製品のリサイクル可能性
定めた5段階評価方式の環境配慮基準(SIIグリーン商品
基準)に基づき評価を行い、平均点が3.5点以上をクリ
アした商品に対して認定するものです。
6
製品の長寿命化
7
削減 ・ 抑制すべき有害物質(*)の含有抑制
8
禁止有害物質(*)の含有回避
9
梱包の小型化 or 軽量化
10 梱包での発泡材使用抑制
11 梱包での塩ビ、重金属使用回避
12 生産工程での省エネ
13 生産工程での省資源
14 削減 ・ 抑制すべき有害物質(*)の生産工程での使用抑制
15 禁止有害物質(*)の生産工程での使用回避
16 解体作業容易性
17 分別作業容易性
SIIグリーン商品基準の概要
18 取説等への情報開示
環境配慮項目は、全商品共通18項目(表1参照)を基
*当社基準
本とし、各項目について商品別に5段階評価のための判
表 2 評価点数と基準の考え方の対応表
断基準を決めます。
(表2参照)
基準には「絶対評価基準」と「相対評価基準」とがありま
す。当社独自の調査により業界同種製品の環境配慮レベ
ルを参考に決めた「絶対評価基準」を優先し、絶対評価が
困難な場合に当社の従来製品との比較で評価する「相対
評価基準」で代替します。判断基準は2年に1度、見直し
改訂を行い、客観性を維持していきます。
点数
絶対評価基準の考え方
5点
一流トップランナー
相対評価基準の考え方
4点
トップ集団
従来製品より大幅に改善
3点
第2集団
従来製品より改善
2点
平均的レベル
従来製品と同レベル
1点
低レベル
従来製品より低下
従来製品より圧倒的に改善
●SIIグリーン商品比率目標値
■SIIグリーン商品基準の特徴
100
(%)
SIIグリーン商品基準の特徴は、5段階評価の中にトッ
プランナー方式の考え方を取り入れていることです。そ
80
して、その基準作りには各事業部門のメンバーが、他の
環境配慮型製品の判断基準や他社製品の調査を通じて
60
直接基準作成に関与していることです。
50
世の中の環境に対する認識・技術・仕組みなど配慮の
40
レベルは刻々と向上し、固定的ではありません。事業部
門のメンバーが常にこのレベルを監視し、自部門の現状
20
2002年度実績
10.9%
41商品認定
20
と照らし合わせることにより環境に対する意識が継続
10
的に維持、向上され、ひいてはSIIの環境配慮型製品を生
0
み出していくことにつながります。
15
2001
2002
2003
2004
2005 (年度)
■LCAの試行
■SIIグリーン商品
SIIグリーン商品の創出は2004年50%を目標に推進
私たちは、時計の駆動部のLCAを試行しました。この
しています。SIIグリーン商品はホームページに掲載し、
試行結果のノウハウをまとめた「SII LCAガイドライン」
常に最新の情報をお届けしています。
を2002年3月に発行し、今後のLCAの全面展開のため
のベースとしていきます。
データ通信カード
サーマルプリンタ
リモートアクセスサーバ
■商品の一例<電子辞書 SR-T6500>
「コウビルド英英辞典」を電子辞書に初めて搭載、さら
にリーダーズ+プラスも搭載した新最上位機種です。 快
SII LCAガイドライン
適なフルキーボードはそのままに15ミリの厚みを実現し
●部品別CO2分析
た新薄型大画面ケース。
主な環境配慮項目
C
1%
G
4%
F
6%
軽量薄型新構造の採用により製品の重量はクラス最軽
量を達成(2002年当社調べ)
し、
E
7%
D
7%
省資源に貢献しています。また梱
どは一切使用せず、ユニット化に
よる分解・組立容易構造の採用に
A
42%
A
46%
C
10%
包材には発泡材、塩ビ、重金属な
B
57%
B
12%
●ムーブ機構別CO2分析
電子辞書 SR-T6500
より生産ラインでの省エネや廃
●段階別CO2分析
I
5%
H
3%
100
棄時の分別容易化を実現、さらに5g以上のプラスチック
CO2
比
%
部品への材料名表示により使用済み製品の分別性を向上
させ、省エネ・地球環境の保全に貢献しています。
50
100
92
■「グリーン購入法」適合商品
41
プリンタ/プロッタを設計・製
0
造・販売しているセイコーアイ・
インフォテック(SIIT)では「グリ
B
C
D
機構
■再生材の利用
ーン購入法」適合商品、
「国際エネ
ルギースタープログラム」登録商
A
29
時計に用いる精密成形部品には、成形工程で生じるプ
ラスチック材料を高品質に再生した材料を使い、資源を
循環させています。
マルチファンクションプロッタ
品を創出しています。
また、使用済みとなったインク
カートリッジや廃インクボトル等
はSIIT回収センターで分別し、リ
サイクルを行っています。
インクジェットプリンタ
16
工場の環境保全
SIIグループでは工場から発生する排水、排気などは法律や条例よりも厳しい自主基準値を設け、
確実に管理し環境負荷の低減に努めています。
■SOx、NOx対策
私たちはNOx削減対策としてボイラーの効率的運用、
排気の徹底管理を実施しています。2002年度の排出量
は9.1トンでした。
SOx削減対策としては重油使用の削減、
燃料のガス化、
灯油化を進めています。
高塚事業所(千葉県)では冷凍機からの廃熱を利用し
た温水と外調機の気化式加湿器とを組み合わせること
により蒸気での加湿が不要になったため、ボイラーの運
転もやめることができました。その結果、年間83,464
ボイラー
リットル(前年比96%減)の重油が削減できSOx削減に
つながりました。
■排水処理
排水基準は国の規制値よりも厳しい自主基準を設定
し、定期的な分析・測定を行い、常に安心できるレベル
を保っています。
京葉圏の拠点では、東京湾の富栄養化を防止する窒
素・リン対策が急務となっています。私たちは定期的に
投資を続け早期対策に努めています。
排水処理施設
私たちは工場から発生する騒音によって近隣の皆様に
ご迷惑をお掛けすることがあってはいけないと考えま
す。発生源の周囲に防音壁を設置するなど、可能な限り
騒音の軽減に努めています。
防音壁
17
拠点別主要環境データ
2002年度は、水質、大気ともに法規制を超えたものはありませんでした。
●水質測定結果
単位:mg/L、pH、個/m3
−:規制対象外または測定なし
拠点
規制項目
1
2
3
4
生
5
活
6
環
境
7
項
8
目
9
10
11
12
1
2
3
4
5
6
7-1
7-2
8
9
有 10
害 11
物 12
質
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
pH
BOD
COD
浮遊物質量
n-Hex
フェノール
銅
亜鉛
鉄
マンガン
全クロム
大腸菌群数
カドミウム
シアン
有機リン
鉛
六価クロム
ヒ素
全水銀
アルキル水銀
PCB
トリクロロエチレン
テトラクロロエチエン
ジクロロメタン(塩メチ)
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
高塚事業所
大野事業所
宮久保事業所 習志野事業所
小山事業所
SIIクォーツテクノ SIIマイクロパーツ 盛岡セイコー工業 SIIマイクロテクノ
(千葉県松戸市)(千葉県市川市)(千葉県市川市)(千葉県習志野市)(静岡県駿東郡)(栃木県栃木市) (宮城県仙台市)(岩手県岩手郡)(秋田県大曲市)
6.6∼8
7.8
−
6
不検出
不検出
0.02
0.26
0.32
0.02
不検出
15
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
6.7∼7.9 7.2∼8.0
8.7
13
−
−
2
11
不検出
不検出
不検出
−
0.02
0.09
0.08
0.12
0.03
0.25
不検出
0.03
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
0.2
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
−
−
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
6.6∼7.6
8.6
14
4
1.4
不検出
不検出
0.05
0.03
0.03
不検出
18
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
−
−
−
−
−
不検出
−
−
−
−
−
−
不検出
●大気測定結果
ばいじん(g/m3N)
SOx(m3N/h)
NOx(ppm)
6.8∼7.4
5
−
31
不検出
不検出
不検出
不検出
0.4
不検出
不検出
不検出
−
不検出
−
不検出
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
6.6∼7
7.4∼7.8 6.3∼7.1
110
6.2
17
−
10.3
−
4.3
4.8
17
20
0.8
1
不検出
不検出
−
0.5
0.02
−
0.2
0.07
−
1.1
0.09
−
0.5
不検出
−
0.02未満
不検出
−
−
不検出
150
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
0.1未満
不検出
0.1未満
不検出
不検出
不検出
0.02未満
不検出
0.05未満
不検出
不検出
0.01未満
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
不検出
0.002未満 不検出
不検出
0.002未満 不検出
0.02未満
0.002未満 不検出
0.002未満
0.002未満 不検出
0.004未満
不検出
不検出
0.02未満
不検出
不検出
0.04未満
不検出
不検出
不検出
0.002未満 不検出
0.006未満
0.002未満 不検出
0.002未満
0.006未満 不検出
0.006未満
0.003未満 不検出
0.003未満
0.02未満
不検出
0.02未満
0.002未満 不検出
0.01未満
不検出
不検出
0.01未満
−:規制対象外または測定なし
拠点
規制項目
6∼7.6
6.8
26
4
−
−
−
−
−
−
−
不検出
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
高塚事業所
大野事業所
習志野事業所
小山事業所 SIIマイクロパーツ 盛岡セイコー工業 SIIマイクロテクノ
(千葉県松戸市)(千葉県市川市)(千葉県習志野市)(静岡県駿東郡)(宮城県仙台市)(岩手県岩手郡) (秋田県大曲市)
不検出
0.038
58.3
不検出
不検出
34.2
不検出
0.0575
19.1
18
0.001
0.045
58.2
0.005未満
0.012未満
35
0.01
0.044
64
0.01
0.003
88
環境監査とリスクマネジメント
環境マネジメントを推進していく上で
環境監査やリスクマネジメントは極めて重要だと考えます。
■環境監査の仕組み
私たちは拠点毎に行う内部監査によって、環境保全活
環境監査
動の実施状況をチェックし、環境マネジメントシステム
とパフォーマンスを向上させています。
内部監査
●環境マネジメントシステム監査
●パフォーマンス監査
●遵法性監査
内部監査の信頼性を上げていくためには、内部監査員
の育成が必須です。私たちは内部監査員教育を定期的に
開催すると同時に、
「SII環境監査員認定制度」を設け監
認証機関
審査
査員のレベルアップを図っています。内部監査の際は、
SII環境監査員や公式環境審査員の資格保有者が加わり、
助言すると共に、SIIグループの環境保全活動の水平展
2003年4月現在
開を図っています。
名 称
人 数
また、定期的に認証機関より審査を受け、客観的な評
47 名
SI
I環境監査員
価をいただいています。
環境監査員教育修了者
公式環境審査員
(CEAR登録審査員※ 1)
392 名
・環境主任審査員
5名
・環境審査員
2名
・環境審査員補
14 名
※ 1 CEAR: 環境マネジメントシステム審査員評価登録センター
■リスクマネジメント
私たちは大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などを未然に
防止するため、法規制より厳しい自主基準の設定や、定
期的な監視・測定はもとより、様々な緊急事態を想定し
た環境リスクの対策を行っています。
設備面では、薬液タンク周辺への防液堤の設置、雨水
排水の緊急遮断装置の設置、老朽設備の早期更新などを
行っています。
また、各拠点では環境上の緊急事態を想定し、その対
緊急時対応の訓練
応策、コミュニケーションについての手順書を作成して
います。その手順書に基づき定期的に緊急事態対応訓練
を実施し、手順書の有効性を確認すると共に、汚染物質
の拡大を防ぐ方法を身につけています。
防液堤
19
コミュニケーション
SIIグループの環境保全活動について、より多くのステークホルダー(利害関係者)の皆様と
双方向でコミュニケーションがとれるように努めています。
■情報公開
私たちは、1996年より環境報告書を作成し、環境保
全活動の取り組みを定期的に報告しています。1999年
には環境のホームページも開設し、より多くの方に情報
公開ができるようにしました。2002年6月にはホーム
ページをリニューアルし、最新情報をお伝えできるよう
に改善しています。
環境広告
また、環境報告書やホームページの他、新聞・雑誌な
どのマスコミを通じて、ISO14001認証取得や環境配
慮型製品などの最新情報を発信し、SIIグループの環境
保全活動をご理解いただけるように努めています。
環境報告書とホームページ
■アンケートとお問い合わせ
双方向のコミュニケーションを目指し、環境報告書に
は読者の皆様からのご意見やご提案、ご質問をいただく
ためのツールとしてアンケートを設けています。アンケ
ートでいただいた意見を反映させて、本報告書では内
コミュニケーション件数
容の充実に努めました。環境のホームページでもアン
アンケート回収数
ケートの窓口をはじめ、資料請求の窓口、お問い合わせ
10
インターネットによる
お問い合わせ件数
・資料請求
42
・環境教育
2
・環境配慮型製品
2
・廃棄物処理
1
・ISO14001
1
・その他
2
件数合計
50
の窓口を各々設けております。2002年度は50件のお
問い合わせをいただきました。
今後も様々なステークホルダーの皆様とのより良い
コミュニケーションを図ってまいります。
■地域・社員とのコミュニケーション
私たちは地域の皆様とのコミュニケーションはとても
重要だと考えます。工場見学も積極的に受け入れ、学生
の見学者からは「SIIの環境保全活動がよく理解できた。」
というご意見をいただきました。
社員とのコミュニケーションのツールとしては、社内
のイントラネットを利用した「エコタウン」に問い合わせ
窓口を設けています。環境についての質問、意見、提案
が気軽にできるようにし、社員からの声も環境保全活動
に反映させています。
工場見学の様子
20
インターネットによるお問い合わせ件数
1件
1件
2件
2件
2件
資料請求
環境配慮型製品
環境教育
ISO14001
合計50件
廃棄物処理
その他
42件
環境に関する社会貢献活動
SIIグループが環境という中でお役に立てることは何かを常に考えています。
■Think the Earthプロジェクトへの参加
wn-1は地球針(24時針)を持つ
“Watch”で、この“Watch”には
「地球を見る」と「地球の時計」とふ
たつの意味があります。
「身につけ
ること、そばに置くことで地球を考
えるきっかけになる時計になって
欲しい」と願っています。
Think the Earthプロジェクトは「ビジネスを通して、
社会に貢献する仕組み」の実現と、地球をテーマにした
「新しい発想のモノ作り」を推進する非営利プロジェクト
です。
Think the Earthから生まれる商品やサービスの売上
の一部はプロジェクトの基金となり、NPO、NGOの支
援金として使われます。私たちはその主旨に賛同し、プ
wn−1
ロジェクトに参加しています。プロジェクトとして初の
Think the EarthのHP
製品となった地球時計「wn-1」
(北半球版)に続き、南半
http://www.thinktheearth.net
球をイメージした「ws-1」も開発しました。
■ケナフ栽培活動
小山事業所(静岡県)では事業所内の敷地を利用して
ケナフ*栽培に取り組んでいます。
2002年度は最長3.85mのケナフ200kgが収穫さ
れました。
収穫されたケナフは、地域の福祉施設に寄付されます。
ここからケナフの茎を利用した「額縁」
、皮の繊維を利用
した「色紙」、ケナフ染めによる「ショール」などの作品
ケナフ栽培
が生まれています。
また、ケナフの栽培には、事業所の食堂からでる生ご
みを堆肥化させた飼料が使用されています。
■地域の環境保全活動
私たちは地域での環境保全活動にも積極的に取り組
んでいます。事業所周辺の一斉清掃(クリーンアップ運
動)を定期的に実施し、環境美化に努めています。地域
で開催される各種イベントにも参加しています。
本社・幕張事業所(千葉県)では幕張新都心で開催さ
れる「エコメッセちば」*に毎年参加し、会場の提供をは
じめ、環境クイズの出題などに協力しています。
クリーンアップ運動
* ケナフ:アオイ科の一年草。CO2吸収能力があることが知られている。
* エコメッセちば:環境問題の解決に向けて、市民、企業、行政が連携して行動していこうと、千葉県などの後援で1996年以来、毎年幕張新都心を開催場所
にエコバザール等各種イベントを実施している。
21
環境保全活動のあゆみ
環境関連社外表彰
環境保全活動のあゆみ
1996年10月
88年12月 「フロン対策推進委員会」発足
92年 8月
特定フロン全廃
92年12月
環境対策推進室 設立(現 環境推進部)
93年 4月
環境保全行動計画「グリーンプラン」策定 通産省提出
93年 8月
古紙回収車「クリーンアロー号」導入
93年11月
トリクロロエタン全廃
94年 4月
エネルギー、廃棄物、紙資源削減の月次管理スタート
95年 8月
経営幹部会にて環境管理システム導入キックオフ
イクル推進協議会会長賞」受賞
1998年 6月
96年10月
SIIマイクロテクノ株式会社(旧 秋田プレシジョン) 秋
田県「環境大賞」受賞
1998年 6月
盛岡セイコー工業株式会社 岩手県「環境保全優良事業
所」受賞
2000年 5月
幕張ビル 「千葉市特定建築物環境衛生管理協議会会長
賞」受賞
(環境ISO14001対応)
96年 8月
SIIグループ京葉地区6事業所古紙リサイクル活動「リサ
グリーンプランの改定(環境保全活動報告も含む)
SIIグループ京葉地区6事業所古紙リサイクル活動
「リサイクル推進協議会会長賞」受賞
96年11月
高塚事業所(千葉県松戸市)SIIグループ初の
ISO14001認証取得
97年12月
アイドリング・ストップキャンペーン開始
98年 2月
SII化学物質ガイドマニュアル発行
98年 6月
SIIマイクロテクノ株式会社(旧 秋田プレシジョン)
98年 6月
盛岡セイコー工業株式会社岩手県「環境保全優良事業
99年 3月
国内主要全11製造拠点ISO14001認証取得完了
99年 3月
塩素系溶剤(トリクロロエチレン・塩化メチレン)全廃
秋田県「環境大賞」受賞
所」受賞
99年10月
2000年 2月
SIIグループグリーン購入基準書発行
環境会計導入
2000年11月
大野事業所 ゼロ・エミッション達成
2001年 4月
LCAトライアル開始
2001年10月
本社・幕張事業所(千葉県千葉市)非製造拠点で初めて
ISO14001認証取得
2001年12月
SIIグリーン商品ラベル制度導入
2002年 3月
SIIグリーン商品第1号誕生
2002年度の主な出来事
2002年 6月
2002年 9月
SII温室効果ガス削減シナリオ策定
西日本営業拠点、営業拠点として初めてISO14001認
証取得
2002年10月
Instruments Technology (Johor) Sdn. Bhd
ISO14001認証取得
2002年12月
株式会社SIIクオーツテクノ(栃木県栃木市)ゼロ・エミ
ッション達成
2003年 3月 「SIIグリーン商品」41商品認定(累積)
本社(幕張)
93年優秀先端事業所賞を受賞(日本経済新聞社主催)
高度情報化社会に対応し、地球環境の保全、生産性の向上、快適な作業環
境の実現などに成果を上げた先端的な事業所として評価されました。
22
活動シンボルマーク
/環境推進部
〒261-8507 千葉県千葉市美浜区中瀬1-8
TEL:043-211-1111(代表)/043-211-1149(直通)FAX:043-211-8019
Email:[email protected]
ホームページ:http://www.sii.co.jp/eco/
このパンフレットは、古紙100%再生紙(白色度70%)
を使用しています。
このパンフレットは、大豆油インキを使用しています。
発行日 2003年8月 次回発行 2004年8月
1-0308/5000/MS/OP