NJU26125 アプリケーションノート(PEQパラメータ調整手順書)

NJU26125 アプリケーションノート
PEQ パラメータ調整手順書
新日本無線株式会社
Version1.00
NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
目次
1 概要 ................................................................................................................................................................ 1
2 NJU26125 ファームウェア構成......................................................................................................................... 1
3 調整の準備 ..................................................................................................................................................... 1
4.調整上の注意点 .............................................................................................................................................. 1
5 PEQ パラメータ生成手順 ................................................................................................................................. 2
6 マイク設置位置................................................................................................................................................ 3
7 測定システム................................................................................................................................................... 4
8 調整手順......................................................................................................................................................... 5
9 測定対象スピーカに応じた Output Trimmer の設定一覧................................................................................. 16
10 パラメータファイルの変換 ............................................................................................................................. 17
10.1 NJU26125GUI の Preset の使用方法....................................................................................................... 17
10.2 パラメータ変換ツール................................................................................................................................ 18
10.3 パラメータファイルの変換フロー................................................................................................................. 18
10.4 変換手順.................................................................................................................................................. 19
10.5 Preset の確認 .......................................................................................................................................... 22
<注意事項>
NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書に掲載されている製品の仕様等は、予告なく変更することがあ
ります。ご使用にあたっては、納入仕様書の取り交わしが必要です。
このアプリケーションノートの掲載内容の正確さには万全を期しておりますが、掲載内容について何らか
の法的な保証を行うものではありません。 とくに応用回路・特性例については、製品の代表的な応用例
を説明するためのものです。 また、工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴うものではなく、第
三者の権利を侵害しないことを保証するものではありません。
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
1 概要
NJU26125 は 24 ビット DSP コアを持つプロセッサで、サラウンド、エレベーション、ベースエンハンス等の機能を
搭載し、カーオーディオに適した音声信号処理 DSP です。この DSP は、ステレオ信号を音声信号処理したフロント
とリアの 4ch スピーカ構成で、音響調整することにより、シートポジションに最適なサラウンドを提供します。
十分なサラウンド効果を得るためには、シートポジションに適した PEQ のパラメータ調整が必要です。パラメータ
調整には、PEQ 自動補正ツールを使って、自動調整をします。このツールを使うことで、自動車に実装した状態での
アンプを含めたスピーカ特性を平坦化もしくは任意の周波数特性に容易に自動的に補正することができます。
本手順書は、PEQ 自動補正ツールを使った調整方法とツールで得られた調整値を NJU26125 の PEQ コマンド
への変換手順について具体的に記述しています。
2 NJU26125 ファームウェア構成
図 2.1 に NJU26125 ファームウェア構成を示します。調整箇所は、赤線で囲まれた PEQ ブロックです。この
PEQ は、7Band 持ち、全て PEQ で使う場合と 5Band を PEQ、残りの 2Band を Tone Control で使う方法があり
ます。手順書では、5Band PEQ を例に説明します。
L/R (SDI0)
Lch copy
to Rch
Bass
Enhance
Input Trim
Simulated
Stereo *
Front
Surround
Rear
Elevation
Rear
Surround
L/R (SDI1)
* Phase ShifterとSimulated
Stereoは同時に動作しません
Phase *
Shifter
Time
Alignment
Phase *
Shifter
Time
Alignment
Front L/R
(SDO0)
Surround
Mix
7Band PEQ /
5Band PEQ
+ Tone Control
HPF
Surround
Mix
7Band PEQ /
5Band PEQ
+ Tone Control
HPF
Master Volume/
Channel Trim
Front
Elevation
Rear L/R
(SDO1)
Subwoofer L/R
(SDO2)
Input Trim
NaviVoice
Signal (SDI2)
Time
Alignment
Mono Out
(L+R)/2
LPF
NaviMix
Trim
図 2.1 NJU26125 ファームウェア構成
3 調整の準備
調整に際し、以下の機材を準備します。
1.PEQ 自動補正ツール(AutoFit.exe)
1本
2.NJU26125 GUI(NJU26125.exe)
1本
3. NJU26125 PEQ コマンドへの変換ツール(fitpeq26125.exe)
1本
4.NJU2612x Built-in Board
1枚
5.DEMO I/F Board
1枚
6.音声入出力機能付きの PC
1台
OS は、Windows 2000,Windows XP, Windows Server 2003,Windows Vista に対応しています。
7.アンプ内蔵の無指向性マイク 又は 無指向性マイクとアンプ
1本
8.マイクと PC の音声入力を接続するオーディオケーブル
1本
9. オーディオケーブル (ピンプラグ×2:ステレオミニプラグ 3.0mm)
2本
10.USB ケーブル
1本
11.5V AC アダプタ 又は 5V 用 電源ケーブルと安定化電源
1式
4.調整上の注意点
調整上の注意点を以下に示します。
1. 静かな環境で調整をしてください。
2. ドア、窓、トランクを閉めて調整をしてください。
3. 車のエンジン、エアコンをオフにしてください。
4. デモボードと車載アンプを正確に接続してください。
5. PEQ 自動補正ツールの測定開始ボタンを押してから、テスト信号が出力する前に車から出るようにしてください。
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5 PEQ パラメータ生成手順
図 5.1 に PEQ パラメータ生成手順を示します。PEQ 自動補正ツールでは、ドライバーシートにおける Front-L,
Front-R, Rear-L, Rear-R とフロントシートの Front-L, Front-R, Rear-L, Rear-R の合計 8 個の PEQ パラメータファ
イルを生成し、NJU26125 のコマンド体系に合せたコマンドに変換します。
スタート
ドライバーシートにおける Front-L, Front-R, Rear-L, Rear-R のスピーカ特性が平坦になるように、PEQ
自動補正ツールを使ってスピーカ毎に PEQ を 5Basnd で調整します。
1.ドライバーシートのヘッドレストにマイクを装着します。(図 5.2,図 6.1,図 6.2)
2.Front-L スピーカからだけテスト信号をだして、スピーカ特性が平坦となるよう、Front-L の PEQ 調
整をします。調整値を Front-L 用 PEQ パラメータファイルとして書き出します。
3.同様に、Front-R, Rear-L 及び Rear-R のスピーカについても、調整値を PEQ パラメータファイル
として書き出します。
フロントシートにおける Front-L, Front-R, Rear-L, Rear-R のスピーカ特性が平坦になるように、
PEQ 自動補正ツールを使ってスピーカ毎に PEQ を 5Basnd で調整します。
フロント、リア及びオールシートモードにおけるチャンネル毎の PEQ パラメータは、同じ値を使用します。
4. 運転席と助手席のヘッドレストの中間点にマイクを装着します。(図 5.3,図 6.3,図 6.4)
5. Front-L スピーカからだけテスト信号をだして、スピーカ特性が平坦となるよう、Front-L の PEQ 調
整をします。調整値を Front-L 用 PEQ パラメータファイルとして書き出します。
6..同様に、Front-R, Rear-L 及び Rear-R のスピーカについても、調整値を PEQ パラメータファイル
として書き出します。
PEQ 自動補正ツールで得られた PEQ パラメータファイルを NJU26125 のコマンド体系に合せた PEQ
コマンドに変換します。
終了
図 5.1 PEQ パラメータ生成手順
Front-L
Front-R
Front-L
マイク設置位置
Rear-L
マイク設置位置
Rear-R
図 5.2 ドライバーシートのマイク位置
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Front-R
Rear-L
Rear-R
図 5.3 フロントシートのマイク位置
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6 マイク設置位置
図 6.1 と図 6.2 にドライバーシートのマイク設置位置を示します。この車は、日本車のために、右ハンドルです。
左ハンドル車の場合は、左前席のヘッドレストにマイクを装着してください。
図 6.3 と図 6.4 は、フロントシートのマイク設置位置を示します。
図 6.1 ドライバーシートのマイク設置 1
図 6.3 フロントシートのマイク設置 1
図 6.2 ドライバーシートのマイク設置 2
図 6.4 フロントシートのマイク設置 2
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7 測定システム
図 7.1 に測定システムを示します。
DEMO I/F Board
5V
J7
NJU2612x Built-in Board
APC-009-0
APC-009-0
USB
U13
ライン出力
J5 AIN0
I2 C
MPU
マイク入力
SEL
ADC
NJM2753
AK5358
J4 AOUT0
NJU26125
DAC
AK4388
J3 AOUT1
DAC
AK4388
車載アンプ
Rear-L
マイク
Rear-R
マイクアンプ
Front-L
Front-R
図 7.1 測定システム
図 7.2 にデモボードの配線後の写真を示します。
PEQ 自動補正ツール
NJU26125 GUI
Demo I/F Board
マイクアンプ
マイク
入力
NJU2612x Built-in Board
U13
デモボード
J7
J5
J3
ライン出力
J4
図 7.2 デモボード配線後の写真
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8 調整手順
本項では、ドライバーシートにおける Front-L, Front-R, Rear-L, Rear-R のスピーカ特性が平坦になるように、
PEQ 自動補正ツールを使ってスピーカ毎に PEQ を 5Basnd で調整します。その調整方法と調整値を PEQ パラメ
ータファイルとして書き出す手順について、Front-L を例にして説明します。
1.PEQ 自動補正ツール一式と NJU26125GUI をお客様のローカルディスクにコピーします。
2.マイクのセットアップとデモボードと車載アンプに配線をします。
マイクを PC のマイク入力に接続し、PC のライン出力を DEMO I/F Board と接続します。DEMO I/F Board と車
載アンプと接続します。図 7.1 と図 7.2,を参照してください。マイク設置位置は、図 6.1 と図 6.2 を参照してくださ
い。
3.NJU26125GUI を起動します。(図 8.1)
図 8.1 NJU26125GUI 起動画面
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4.「Port Device」のプルダウンメニューから USB-FX1 を選択します。PC と DSP の通信状態を示す Status 表示が
通信可能となり、緑色の表示に変わります。(図 8.2-A)
図 8.2-B 全て消灯し、音声処理機能が全てオフを確認します。
図 8.2-C Master Volume が Mute を確認します。
図 8.2-A 緑色に点灯し、通信可能となった状態です。
図 8.2 通信可能となった状態
5.音声処理機能が全て OFF を確認します。赤線で囲まれた機能が、全てオフを確認します。(図 8.2-B)
Master Volume が Mute を確認します。(図 8.2-C)
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6.ボリュームの調整をします。
Trim タブをクリックし、Trim 画面にして、Output Trim と Input Trim を調整します。(図 8.3-A)
PEQ 自動補正ツールからテスト信号は、ステレオ信号です。Front-L スピーカからのみ、音をだして、調整するた
めに Front L 以外の Output Trim をミュートにします。(図 8.3-B)
PEQ 調整値を考慮して、「Input Trim」を-12dB としてください。(図 8.3-C)
図 8.3-A
図 8.3-B-Input Trim を-12dB とします。
図 8.3-B-Front Lch は、0dB、Front Lch 以外は、ミュートにします。
図 8.3 ボリューム調整
7."SIN_SWEEP.WAV"が"WAVE"フォルダに存在することを確認します。測定用音源は、このファイルを再生します
ので、同じフォルダに存在しない場合、本ツールの「Measurement」機能が使用できませんので、PEQ 自動補正
ツールのフォルダごとコピーしてください。
8. PEQ 自動補正ツールを起動するために、AutoFit.exe を実行します。(図 8.4)
図 8.4 PEQ 自動補正ツールの起動画面
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9.PC の入出力レベル調整とデバイスのセッティングをするため、Device setting 画面にします。(図 8.5-A)
「Waveform Play Back device」と「Waveform Record device」に使用するデバイスを設定します。PC のライン出
力とマイク入力はデフォルト設定です。(図 8.5-B)
「Master」、「Wave out」及び「Wave in」のスライダーバーを最大に設定します。(図 8.5-C)
図 8.5-A Device setting を選択します。
図 8.5-B デフォルト設定です。
図 8.5-C スライダーバーを最大にします。
図 8.5 Device setting 画面
10.「Main View Select」で「Wave Form」を選択します。(図 8.6A)
図 8.6-A 「Main View Select」で「Wave Form」を選択します。
図 8.6-B Play test Sound を押し、テスト信号を再生します。
図 8.8 Wave Form 画面
11.「Play Test Sound」ボタンを押して、測定用のテスト信号を再生します。(図 8.6-B)
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12.NJU26125 の Master Volume をミュートから徐々にあげていき、テスト信号を適切な音量にします。(図 8.2-C)
マイクからの入力信号が、画面上に波形、ピークレベルおよび RMS 値を表示されます。ピークレベルが-6dB 位、
RMS 値が-20dB 位に調整します(値は目安です。極端に低くなければ問題ありません)。(図 8.7-A)
マイク入力がクリップした場合のピークレベル表示(図 8.8)と波形の拡大表示(図 8.9)を示します。
音量調整が終了後、「Stop Test Sound」を押し、テスト信号を停止します。(図 8.7-B)
「Main View Select」で「Freq Response」に戻します。(図 8.7-C)
図 8.7 テスト信号の音量調整
図 8.7-C Main View Select」で「Freq Response」を選択します。
図 8.7-B Stop test Sound を押し、
テスト信号を停止します。
図 8.7-A ピークレベルと RMS 値の表示
拡大表示
「Input Signal Monitor」の Peak Amplitude が
+0.0dB となっていることが確認できます。
図 8.8 マイク入力がクリップ
している波形
クリップしていることが確認できます。
波形表示部分でマウスのホイールを回転さ
せると、波形が拡大表示されますので、波形
がクリップしていることを確認できます。
図 8.9 波形の拡大表示
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13.「Measurement Start」ボタンを押し、テスト信号が出力され、スピーカの周波数特性を測定します。(図 8.10)
図 8.12 スピーカ特性の自動測定
テスト信号が出力され、スピーカ特性を取得中は、プログレスバーを表示します。(図 8.11)
図 8.11 スピーカ特性を取得中の表示
テスト信号が終了し、プログレスバーが自動的に画面から消えればスピーカ特性の測定終了です。(図 8.12)
薄灰色の線は、バックグラウンドのノイズレベ
ルです。測定結果がこのノイズレベルよりも低
い場合やノイズレベルに周波数特性が影響を
受けている場合は、「Noise Cancel」のチェック
ボックスにチェックをいれてください。バックグラ
ウンドノイズの除去を試みます。
ノイズキャンセルを行う場合、チェックします。
図 8.12 スピーカ特性
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14.見易くするためにスピーカ特性表示のみとします。「Measurement result」のみチェックをいれます。(図 8.13)
チェックします。
チェックを外します。
図 8.15 スピーカ特性のみの表示
15.スピーカ特性を保存するために、Measurement preset タブをクリックし、Measurement Preset 画面にします。
(図 8.14-A)
図 8.14-A Measurement preset タブをクリックして、 Measurement Preset 画面にします。
図 8.14-B 測定結果をロードするための画面を開きます。
図 8.14-C 測定結果を保存ための画面を開きます。
図 8.16 Measurement Preset 画面
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「Save Measurement」ボタン((図 8.14-C)を押すと、Save Measurement Result Plot data file 画面が開きます。
(図 8.15)
図 8.15 Save Measurement Result Plot data file 画面
測定結果の保存先を指定し、ファイル名を記述し、保存(s)ボタンを押します。
ここでは、ファイル名を driver-front-l として保存します。(図 8.16)
ファイル名を driver-front-l として、保存ボタンを押します。
図 8.16 測定結果の保存
測定結果を呼び出すには、「Load Measurement」ボタン((図 8.14-B)を押して、ファイルを選択して測定結果をロ
ードします。
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16. ターゲット特性を確認すために、Target setting 画面にします。「Target setting」をクリックすします。(図 8-17)
Target setting をクリックして、Target setting 画面にします。
図 8.19 Target setting 画面
Target curve のチェックして、ターゲット特性を表示し、フラットな特性であることを確認します。(図 8.18-A)
フラットでない場合は、Flat ボタンを押して、フラットな特性にします。(図 8.18-B)
青線は、Target Curve を示します。
図 8.18-BTarget Curve をフラットにします。
図 8.18-A
図 8.18 ターゲット特性の確認
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17. Correction setting タブをクリックして、調整画面にします。周波数調整範囲と PEQ バンド数を指定します。
スピーカ特性から考慮して、周波数範囲を指定します。この場合 100Hz~10KHz です。(図 8.19-A)
PEQ の Band 数を 5 にします。(図 8.19-B) PEQ は、7Band 持ち、5Band を PEQ、残りの 2Band を Tone
Control を想定しています。勿論 Tone Control を使わない場合、7band PEQ として使うことも可能です。
「Precision of Correction」(ピークの重視度)を 10 にします。(図 8.19-C)、ターゲット特性になるよう調整します。
測定結果、調整結果、ターゲット特性、PEQ 調整値を同時に表示します。(図 8.19-D)
図 8.19-A 周波数範囲の指定をします。 図 8.19-B バンド数の指定します。
図 8.19-C ピークの重視度を指定します。
ターゲット特性
PEQ 調整値
図 8.19-D チェックした項目を表示します。
測定結果
調整結果
図 8.19 自動調整のパラメータ設定
図 8.20-B
緑:測定結果
赤:調整結果
青:ターゲット特性
白:PEQ 調整値
図 8.20-A Correction Start ボタンにより、自動調整をします。
18. 「Correction Start」ボタンを押
すと、スピーカの周波数特性を平坦
化するように PEQ のパラメータが
自動的に調整します。(図 8.20-A)
右上に PEQ の最大ゲインと周波数
が表示されます。(図 8.20-B)この
場合、10,024Hz のとき、+11.80dB
です。従って、PEQ 処理によるクリ
ップ歪みを避けるためには、少なく
とも入力トリマーを-12dB 下げれば
良いことがわかります。Input
Trimmer の調整値は、-12dB として
います。(図 8.3-C)
図 8.20 調整結果
適正に「Correction result」が平坦化出来ない場合は、周波数範囲を見直して、再調整してください。
マウスで PEQ の設定ポイントをドラッグすることで、PEQ の手動調整ができます。自動調整の結果に対して微調整
を加える使い方も可能です。また、「Manually Fo Setup mode」にチェックを入れて「Correction Start」ボタンを押す
ことで、ユーザの設定した PEQ 設定周波数を維持したままの半自動調整が可能です。このモードでは、Q と Gain
のみが自動調整されます。
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
19.PEQ Export/Import タブをクリックして、PEQ Export/Import 画面にし、PEQ 調整値をファイルに書き出しをしま
す。(図 8.21)
図 8.23
PEQ Export/Import 画面
「Export Command list」ボタン(図 8.23)を押すと、Export PEQ command list のセーブ画面が開きます。(図
8.22)
図 8.22 Export PEQ command
list のセーブ画面
測定結果の保存先を指定し、ファイル名を記述し、保存(s)ボタンを押します。
ここでは、ファイル名を driver-front-l として保存します。(図 8.25)
ファイル名を driver-front-l として、保存ボタンを押します。
図 8.23 調整結果の保存
これで、ドライバーシートにおける Front-L スピーカの PEQ 調整及び調整値をパラメータファイルとして書き出しまし
た。5 項の PEQ パラメータ生成手順に従い、残りの 7 個の PEQ パラメータファイルを生成してください。
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9 測定対象スピーカに応じた Output Trimmer の設定一覧
8 項では、ドライバーシートにおける Front-L スピーカの PEQ 調整について説明しました。本項では、測定スピー
カごとの Output trimmer の設定値をまとめました。(図 9.1~図 9.4)
Front-L スピーカの PEQ 調整
Front-R スピーカの PEQ 調整
図 9.1 Front-L スピーカの Output Trimmer 設定
図 9.2 Front-R スピーカの Output Trimmer 設定
Rear-L スピーカの PEQ 調整
Rear-R スピーカの PEQ 調整
図 9.3 Rear-L スピーカの Output Trimmer 設定
図 9.4 Rear-R スピーカの Output Trimmer 設定
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
10 パラメータファイルの変換
本項は、PEQ 自動補正ツールで生成した調整値を NJU26125 の PEQ コマンドへの変換手順について説明します。
10.1 NJU26125GUI の Preset の使用方法
NJU26125GUI は、10 通りの Preset を持ち、NJU26125.ini ファイルに記述されています。この Preset は、図
10.1 に示す Preset 番号をシートポジションに割り当て、シートポジションに応じた音響調整をします。
図 10.1B
図 10.1A
1(def) :Bypass
2
:Driver
3
:Front
4
:Rear
5
:All
6
:空き
7
:空き
8
:空き
9
:空き
10
:空き
番号に対応したコメント
を記述します。
図 10.1-B プルダウンメニューで選択した Tab の
パラメータのロードとセーブをします。
図 10.1 シートポジションに応じた Preset 番号の割り当て
NJU26125GUI は、起動し、GUI と NJU26125 が通信開始したときに、NJU26125.ini ファイルの Preset 1(def)に
対応したパラメータを初期設定として起動します。
プルダウンメニューから選択した Tab 毎(Main, Trim, Bass Enhance/Elevation, Car Surround, Phase
Shifter/Time Alignment, PEQ Front, PEQ Rear, Other, System)と All Tabs(全ての Tab)と All Tabs-Main(Main
以外の全ての Tab)について、Preset 番号に対応したパラメータのロードとセーブをします。(図 10.1-②)
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
10.2 パラメータ変換ツール
パラメータ変換ツールは、PEQ 自動補正ツールで生成したファイルを取込み、NJU26125 に適応した PEQ コマ
ンドに変換します。その変換結果は、指定した Preset 番号に該当する NJU26125.ini ファイルを更新します。
10.3 パラメータファイルの変換フロー
図 10.2 に、パラメータファイルの変換フローを示します。
スタート
Preset2 は、ドライバーシート
ドライバーシートにマイクを装着して調整
Front-L の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset2 を更新
9.3 項で具体的に説明しています。
Front-R の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset2 を更新
Rear-L の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset2 を更新
Rear-R の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset2 を更新
フロントシート間にマイクを装着して調整
Preset3 は、フロントシート
Front-L の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset3 を更新
Front-R の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset3 を更新
Rear-L の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset3 を更新
Rear-R の PEQ パラメータを NJU26125.ini の Preset3 を更新
Preset4 と Preset5 を
フロントシートと同じ設定にします。
Preset4 は、リアシート
Preset5 は、オールシート
終了
図 10.2 パラメータファイルの変換フロー
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
10.4 変換手順
本項は、PEQ 自動補正ツールで生成したパラメータファイルを NJU26125 のパラメータに変換する手順を示します。
ドライバーシートにマイクを装着したときに生成したパラメータファイルを例にして説明します。
1.最初に以下のファイルを変換ツールと同一フォルダに保存します。
・NJJ26125.ini
・PEQ 自動補正ツールから生成したファイル・・・表 9.1 に示す 8 個のファイル
・fitpeq26125.exe ・・・パラメータ変換ツール
2.firpeq26125.exe をダフルクリックして、起動します。(図 10.3)
図 10.3 firpeq26125.exe の起動画面
3.入力ファイルを要求されます。ここでは、”driver-front-l.txt”を実行画面にドラック&ドロップします。(図 10.4)
このファイルは、ドライバーシートのヘッドレストにマイクをつけたとき、フロントレフトのスピーカを補正した PEQ
パラメータファイルです。
図 10.4 ファイル入力画面
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
4. ファイルのドラック&ドロップした後、リターンをします。次に反映するプリセット番号を要求されます。(図 10.5)
図 10.5 Preset Number 指定
5. この入力ファイルは、ドライバーシートですので、”2”と入力し、リターンをします。
次に、スピーカチャンネルを要求されます。(図 10.6)
図 10.6 チャンネルの指定
6. 入力ファイルは、フロントレフトのため、ここでは、”1”と入力し、リターンをします。
NJU26125.ini ファイルの該当する PEQ パラメータを更新したら、変換ツール実行画面が自動的に終了します。
7,2~6 の手順を繰り返し、残りのチャンネルの PEQ パラメータファイルについても NJU26125.ini ファイルを更新し
てください。
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
表 10.1 に PEQ 自動補正ツールから生成したファイルを示します。
ツールからの
生成ファイル名
driver-front-l.txt
driver -front-r.txt
driver -rear-l.txt
driver -rear-r.txt
調整値
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 100Hz, gain = -12.0, q = 1.80
0xD6, 0x01, 0x0E, 0x07, 0x38
# BAND01 fo = 158Hz, gain = -5.0, q = 8.20
0xD6, 0x02, 0x12, 0x0F, 0x2A
# BAND02 fo = 707Hz, gain = -5.0, q = 1.80
0xD6, 0x03, 0x1F, 0x07, 0x2A
# BAND03 fo = 5623Hz, gain = -8.0, q = 1.80
0xD6, 0x04, 0x31, 0x07, 0x30
# BAND04 fo = 354Hz, gain = +12.0, q = 8.20
0xD6, 0x05, 0x19, 0x0F, 0x18
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 199Hz, gain = -11.0, q = 1.20
0xD6, 0x01, 0x14, 0x05, 0x36
# BAND01 fo = 125Hz, gain = +4.5, q = 8.20
0xD6, 0x02, 0x10, 0x0F, 0x09
# BAND02 fo = 891Hz, gain = -4.5, q = 6.80
0xD6, 0x03, 0x21, 0x0E, 0x29
# BAND03 fo = 5623Hz, gain = -5.5, q = 1.80
0xD6, 0x04, 0x31, 0x07, 0x2B
# BAND04 fo = 398Hz, gain = +6.0, q = 5.60
0xD6, 0x05, 0x1A, 0x0D, 0x0C
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 112Hz, gain = -12.0, q = 0.75
0xD6, 0x01, 0x0F, 0x03, 0x38
# BAND01 fo = 125Hz, gain = -12.0, q = 3.90
0xD6, 0x02, 0x10, 0x0B, 0x38
# BAND02 fo = 1258Hz, gain = -8.0, q = 3.90
0xD6, 0x03, 0x24, 0x0B, 0x30
# BAND03 fo = 5011Hz, gain = -5.0, q = 1.80
0xD6, 0x04, 0x30, 0x07, 0x2A
# BAND04 fo = 10000Hz, gain = +12.0, q = 8.20
0xD6, 0x05, 0x36, 0x0F, 0x18
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 141Hz, gain = -12.0, q = 0.75
0xD6, 0x01, 0x11, 0x03, 0x38
# BAND01 fo = 141Hz, gain = -7.5, q = 3.30
0xD6, 0x02, 0x11, 0x0A, 0x2F
# BAND02 fo = 1122Hz, gain = -11.0, q = 5.60
0xD6, 0x03, 0x23, 0x0D, 0x36
# BAND03 fo = 446Hz, gain = +9.5, q = 8.20
0xD6, 0x04, 0x1B, 0x0F, 0x13
# BAND04 fo = 10000Hz, gain = +9.0, q = 6.80
0xD6, 0x05, 0x36, 0x0E, 0x12
ツールからの
生成ファイル名
front-front-l.txt
front-front-r.txt
front-rear-l.txt
front-rear-r.txt
調整値
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 199Hz, gain = -12.0, q = 6.80
0xD6, 0x01, 0x14, 0x0E, 0x38
# BAND01 fo = 630Hz, gain = -5.5, q = 6.80
0xD6, 0x02, 0x1E, 0x0E, 0x2B
# BAND02 fo = 446Hz, gain = +6.5, q = 8.20
0xD6, 0x03, 0x1B, 0x0F, 0x0D
# BAND03 fo = 4466Hz, gain = -4.5, q = 0.33
0xD6, 0x04, 0x2F, 0x00, 0x29
# BAND04 fo = 398Hz, gain = +11.0, q = 8.20
0xD6, 0x05, 0x1A, 0x0F, 0x16
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 100Hz, gain = -6.0, q = 5.60
0xD6, 0x01, 0x0E, 0x0D, 0x2C
# BAND01 fo = 223Hz, gain = -12.0, q = 4.70
0xD6, 0x02, 0x15, 0x0C, 0x38
# BAND02 fo = 3162Hz, gain = -4.0, q = 0.33
0xD6, 0x03, 0x2C, 0x00, 0x28
# BAND03 fo = 446Hz, gain = +9.5, q = 8.20
0xD6, 0x04, 0x1B, 0x0F, 0x13
# BAND04 fo = 2511Hz, gain = +7.5, q = 8.20
0xD6, 0x05, 0x2A, 0x0F, 0x0F
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 112Hz, gain = -8.5, q = 6.80
0xD6, 0x01, 0x0F, 0x0E, 0x31
# BAND01 fo = 177Hz, gain = -10.0, q = 0.56
0xD6, 0x02, 0x13, 0x02, 0x34
# BAND02 fo = 177Hz, gain = +3.0, q = 5.60
0xD6, 0x03, 0x13, 0x0D, 0x06
# BAND03 fo = 223Hz, gain = -6.0, q = 8.20
0xD6, 0x04, 0x15, 0x0F, 0x2C
# BAND04 fo = 501Hz, gain = +11.0, q = 6.80
0xD6, 0x05, 0x1C, 0x0E, 0x16
# NJU26123 PEQ CONFIG COMMAND
# BAND00 fo = 177Hz, gain = -10.0, q = 0.75
0xD6, 0x01, 0x13, 0x03, 0x34
# BAND01 fo = 1584Hz, gain = -3.5, q = 1.80
0xD6, 0x02, 0x26, 0x07, 0x27
# BAND02 fo = 4466Hz, gain = -6.0, q = 3.30
0xD6, 0x03, 0x2F, 0x0A, 0x2C
# BAND03 fo = 10000Hz, gain = +9.0, q = 5.60
0xD6, 0x04, 0x36, 0x0D, 0x12
# BAND04 fo = 501Hz, gain = +9.5, q = 6.80
0xD6, 0x05, 0x1C, 0x0E, 0x13
表 10.1 PEQ 自動補正ツールから生成したファイル
Ver.2010/04/09
21
NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
10.5 Preset の確認
1.NJU26125 GUI を起動し、Port Device で USB を選択します。PC とデモボードが通信可能を確認します。(図
10.7-A)
図 10.7-A
緑色に表示が変わり、通信可能確認します。
図 10.7-B Main から All Tab を選択します。
図 10.7 通信可能となった状態
2.Parameter Memory の Pull down menu から All Tab を選択します。(図 10.7-B)
Parameter Memory(Preset2:Driver)を選択します(図 10.8-A)。
PEQ Front Tab をクリックして表示を切換えます。(図 10.8-B)
PEQ Rear に Tab を切換えれば、Rear-L/R の PEQ 特性が確認できます。(図 10.8-C)
図 10.8-BPEQ Front をクリックして、PEQ Front 特性画面を表示します。
図 10.8-C PEQ Rear に切換えれば、PEQ Rear 特性画面を表示します。
表 10.1 の該当ファイルと同じパラメー
タと同じであることを確認できます。
driver-front-l.txt と同じ
driver-front-r.txt と同じ
図 10.8 ドライバーシートのとき
Front-L/R-PEQ 特性
図 10.8-A Driver に割り当てた”Preset2”を選択します。
Ver.2010/04/09
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NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
3. Parameter Memory (Preset3: Front) を選択します(図 10.9-A)。
PEQ Rear に Tab を切換えれば、Rear-L/R の PEQ 特性が確認できます。(図 10.9-B)
図 10.9-B PEQ Rear を切換えれば、PEQ Rear 特性画面を表示します。
表 10.1 の該当ファイルと同じパラメー
タと同じであることを確認できます。
front-front-l.txt と同じ
front-front-r.txt と同じ
図 10.9 フロントーシートのとき
Front-L/R-PEQ 特性
図 10.9-A Front に割り当てた”Preset3”を選択します。
4.Preset3(Front)の PEQ パラメータを Preset4(Rear)と Preset5(all)と同じにするための手順を示します。
All Tabs になっていることを確認します。(図 10.10-A)
Preset4(Rear)に Preset3(Front)
のパラメータを保存するために、
Save ボタンをクリックします。(図
10.10-B)
図 10.10-B パラメータを保存するとき、Save ボタンを押します。
図 10.10-CRear に割り当てた”Preset4”を選択します
図 10.10-A All Tabs を確認します。
図 10.10 Preset の保存方法
Ver.2010/04/09
23
NJU26125 PEQ パラメータ調整手順書
5.次に Parameter Memory (Preset4: Rear)をクリックすると、Overwrite の確認要求がきます。
(図 10.10-C,図 10.11)
図 10.11 上書きの確認
6.OK を選択します。これで、Preset4 に書き込まれました。
7.同様に、Parameter Memory (Preset5: All)に書きこみを行います。SAVE ボタンを押して、Preset5 をクリックしま
す。Overwrite の確認要求がきますので、OK を選択し、Preset5 に書き込まれます。
これで、シートポジションごとに PEQ 自動補正ツールで生成した PEQ パラメータが、NJU26125 GUI の Preset 番
号毎の PEQ パラメータとなりました。この PEQ パラメータ調整値をバックアップのため、別途フォルダを作り、
NJU26125.ini をバックアップすることを推奨します。
Ver.2010/04/09
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