NJM2825 高精度マイクロパワー・シャント型基準電圧 ■概 要 NJM2825 は、高精度・低消費のシャント型基準電圧 IC です。 バンドギャップで構成された基準電圧は、トリミングされ±0.5%の 高精度を保証しています。また温度補償回路により 10ppm/℃ typ.の低 温度ドリフトを実現しました。これらの基準電圧回路は、低消費電力 技術により 0.7µA の消費電流で動作します。 NJM2825 に内蔵された位相補償回路により、動作安定の出力コンデ ンサは不要です。容量性負荷に対しても、高い安定性を確保しており アプリケーションでの使い易さを向上しています。 小型の SOT23 パッケージに搭載し、データーコンバータ、計測器、 充電器等のリファレンス回路に最適です。 ■外 形 NJM2825F ■特 徴 ●高精度基準電圧 1,200mV±0.5% ●低温度ドリフト係数 10ppm/℃ typ. ●低動作電流 0.7µA max. ●出力コンデンサ不要 ●容量性負荷に対し高安定性 ●バイポーラ構造 ●外形 NJM2825F : SOT-23-5 (MTP5) ■プロダクトバリエーション ■ブロック図 ■ピン配置 NJM2825 ±0.5%, IMIN=0.7µA NJM2823 ±0.4%, IMIN=60µA CATHODE 5 CATHODE NC 1 ANODE 2 VREF NC 3 FB 4 FB NJM2825F ANODE Ver.2009-11-26 -1- NJM2825 ■絶対最大定格 (Ta=25°C) 項 目 記 号 カソード電圧 カソード電流 カソード・アノード逆電流 消費電力 動作温度範囲 保存温度範囲 VKA IK - IK PD TOPR TSTG 定 格 単 位 +14 20 10 200 -40∼+85 -40∼+125 V mA mA mW °C °C ■推奨動作条件 (Ta=25°C) 項 目 記 号 最 小 標 準 最 大 単 位 VKA IK VREF 0.7µ − − 13 12 V mA カソード電圧 カソード電流 ■電気的特性 (IK=0.8µA, Ta=25°C) 項 目 基準電圧 記 号 VREF ロード レギュレーション 基準電圧変動対 カソード電圧 ⊿VREF/ ⊿IK ⊿VREF/ ⊿VKA 最小カソード電流 IMIN フィードバック電流 ダイナミック インピーダンス IFB ⎮ZKA⎮ 条 件 最小 標準 最大 単位 VFB=VA VFB=VA, IMIN≦IK≦200µA (*1) (*1) 1194.0 − 1200.0 0.2 1206.0 0.7 mV mV VFB=VA, 200µA≦IK≦2mA (*1) − 0.7 2 mV VFB=VA, 2mA≦IK≦12mA ⎮VREF⎮≦VKA≦13V, IK=2µA R1=120kΩ, R2=val (Note 1) VREF≦VKA≦5V 5V≦VKA≦13V R1=∞, R2=120kΩ (*1) − 3.4 10 mV (*2) − -1 -2 mV/V (*2) (*2) (*2) − − − 0.3 1 0.3 0.7 2 1 µA µA nA VFB=VA, IK=0.7µA∼12mA (*1) − 0.4 1.1 Ω 最小 標準 最大 単位 ■温度特性 (IK=0.8µA, Ta=- 40°C∼85°C) 項 目 全動作温度範囲内 基準電圧変動 (Note 2) 全動作温度範囲内 基準電圧 (Note 2) 全動作温度範囲内 フィードバック電流 記 号 条 件 ⊿VREF_T VFB=VA (*1) − 0.8 10 2.3 30 mV ppm/°C VREF_T VFB=VA (*1) 1191.7 1200.0 1208.3 mV R1=∞, R2=120kΩ (*2) − 0.4 − nA IFB_T Note 1: ⎮VREF⎮ :誤差を含めた基準電圧を示します。 Note 2: 全動作温度範囲内 基準電圧変動は、 ⊿VREF_T [mV] = ± <温度変化率 [ppm/°C]> × <-40℃∼25℃> × VREF として定義します。初期5ロットからの抜き取り評価によって設定された規格であり、全数検査は行っており ません。従って、本項目は保証項目ではありませんのでご注意ください。 (*1) :測定回路 1 (*2) :測定回路 2 -2- Ver.2009-11-26 NJM2825 ■測定回路 VKA Input VKA Input IK VREF IK CATHODE VREF R1 FB CATHODE FB R2 ANODE Fig.1 VKA=VREF の測定回路 IFB ANODE Fig.2 VKA>VREF の測定回路 R2 ⎞ ⎛ VKA = VREF⎜1 + ⎟ + IFB × R2 R1 ⎠ ⎝ VFB=VA ■特性例 基準電圧対周囲温度特性例 (IK=0.8µA, VFB=VA) 基準電圧変化量 ∆VREF (mV) 基準電圧 VREF [mV] 1206 基準電圧対カソード電流特性例 (V =V ) 1204 1202 1200 1198 1196 1194 -50 FB 15 Ta=-40 oC 12 9 6 o Ta=25 C 3 o Ta=75 C -25 0 25 50 75 周囲温度 Ta (oC) 0 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10 カソード電流 Ik (mA) 100 125 o o (VFB=VA, Ta=25 C) (mV) 1200 1198 REF 1200 1000 800 600 Ver.2009-11-26 (R1=120kΩ, R2=val, IK=2µA, Ta=25 C) 1202 基準電圧 V 基準電圧 VREF (mV) 1400 100 基準電圧対カソード電圧特性例 基準電圧対カソード電流特性例 400 A 1196 1194 1192 1190 1188 0 0.2 0.4 0.6 0.8 カソード電流 Ik (µA) 1 0 5 10 カソード電圧 V (V) 15 K -3- NJM2825 ■特性例 ダイナミックインピーダンス |ZKA| (Ω) ダイナミックインピーダンス対周波数特性例 o ( V =V , Ta=25 C) 2 A IK=0.8µA Cout=0 µF 1 Feedback Current IFB (nA) FB 10 IK=10µA Cout=0 µF 0.1 0.01 IK=0.8µA Cout=0.047 µF 0.001 IK=10µA Cout=0.1 µF 0.0001 0.01 0.1 Feedback Current vs. Temperature (R1=Open, R2=120kΩ, IK=0.8µA) 1 10 100 周波数 f (kHz) 1000 1.5 1 0.5 0 -50 -25 0 25 50 75 100 125 Ambient Temperature Ta (oC) 安定動作境界条件 測定回路図 安定動作境界条件 o (Rin=1kΩ, V =V , Ta=25 C) FB 1 Rin=1kΩ A VKA カソード電流 IK (µA) Ceramic Capacitor IK 0.8 V+ 0.6 COUT 安定動作領域 0.4 0.2 不安定動作領域 0 0.01 0.1 出力容量 C OUT (注) 不安定動作領域では、発振する可能性があります。 1 (µF) 10 使用に際しては、デバイスのバラツキを考慮して 十分なマージンを取りご使用ください。 消費電力対周囲温度特性例 (MTP5=単体, Tj=∼125oC) 消費電力 PD (mW) 250 200 150 100 50 0 0 -4- 25 50 75 o 周囲温度 Ta ( C) 100 Ver.2009-11-26 NJM2825 ■アプリケーション情報 NJM2825 は、高精度基準電圧を作り出し、低消費アプリケーション回路の構成を可能とします。 各条件下において、アプリケーションが最適化できるように示します。 シャントレギュレータの基本アプリケーション(図1)は、入力電圧−NJM2825 間の抵抗 Rs によって電圧ドロップ を行い、出力電圧(カソード・アノード間電圧=VKA)を一定に制御します。Rs による電圧ドロップは、出力電流とカ ソード電流の総和で決まります。 FB 端子によって出力電圧に対するフィードバック制御が働き、設定電圧になるようにカソード電流が変化します。 このため Rs は、次の様な条件を満たす必要があります。 ・最小カソード電流=0.7µA 以上 →入力電圧が最小、出力電流が最大条件 VIN RS VOUT=VKA IK ・最大カソード電流=12mA 以下 →入力電圧が最大、出力電流が最小条件 R1 抵抗 Rs は、次式によって求められます。 R2 RS = VIN − VOUT IK + IOUT VREF CO IFB [Ω] 図1 基本アプリケーション 出力電圧は、VREF∼13V まで任意の電圧で設定が可能です。 2本の外付け抵抗比率で出力電圧が設定されますが、フィードバック電流によって誤差が発生します。低い抵抗値で 組み合わせることで、誤差を最小限に抑えることができます。下記に出力電圧設定の計算式を示します。 ⎛ R2 ⎞ VOUT = ⎜ + 1⎟ × VREF + IFB × R2 ⎝ R1 ⎠ 「基準電圧対カソード電圧」特性例に示すように、基準電圧値が負の特性 を持っています。電気的特性で規定された⊿VREF/⊿VKAを用いて、基準電圧 を補正値します。 ⎛ ∆VREF ∆VREF = ⎜⎜ ⎝ ∆VKA ⎞ ⎟⎟ × VOUT ⎠ 表1 標準値における出力電圧設定例 VKA (V) R1 (kΩ) R2(kΩ) 1.20 Open Short 1.50 120 30.6 1.80 120 60.8 2.50 120 131 3.30 120 212 5.00 120 382 上記式に基づき、R1=120kΩとした場合における定数の組み合わせ例を表1に示します。 出力電圧の誤差は、抵抗の精度によっても変化します。高精度のアプリケーションを実現するには、高精度抵抗を用 いるか、集合抵抗を組み合わせることで相対精度を向上させる方法があります。 NJM2825 は、最適化された位相補償回路を内蔵しております。そのため基本アプリケーションでの出力コンデンサ を不要とし、安定した基準電圧を作り出します。 「ダイナミックインピーダンス対周波数」特性例に示すように、周波 数が高くなるほどインピーダンスが増加します。必要に応じて出力コンデンサを接続し、高周波インピーダンスを下げ てください。セラミックコンデンサに対応し高い安定性を確保しておりますが、 「安定動作境界条件」特性例を参考に 安定動作領域で使用してください。 Ver.2009-11-26 -5- NJM2825 MEMO <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 -6- Ver.2009-11-26