テクニカルガイド(1596KB)

テクニカルガイド
導電性高分子アルミ電解コンデンサ
2015.11 http://industrial.panasonic.com/jp/products/capacitors/polymer-capacitors/sp-cap
TECHNICAL GUIDE
⽬
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
次
1.SP-Cap の特⻑
・・・・・・・・・・1
2.回路⽤途の特⻑
・・・・・・・・・・7
3.製品構造
・・・・・・・・・10
4.過渡応答シミュレーション
・・・・・・・・・11
5.シミュレーション事例
・・・・・・・・・16
6.信頼性と安全性
・・・・・・・・・19
7.データ集
・・・・・・・・・23
TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
1. SP-Cap の特⻑
●超低 ESR ( 等価直列抵抗 ) 特性
急速な充放電が可能であり、パソコン CPU のバックアップ⽤途に最適。
許容リプル電流が⼤きく、スイッチング電源の平滑⽤途に最適。
●超低インピーダンス特性
超低インピーダンス特性により、⾼周波領域でのノイズ除去に最適。
●安定した容量特性
導電性⾼分⼦の採⽤により、セラミックコンデンサとは違い、安定した容量特性を実現。
●安定した温度特性
導電性⾼分⼦の採⽤により、安定した温度特性を実現。
●材料の特⻑を⽣かした、⾼い安全性
タンタル電解コンデンサより発⽕・発煙しにくいコンデンサ。
●⾯実装・低背
弊社独⾃の新構造の採⽤により、⾯実装・低背化を実現。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
1
TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
他種コンデンサとの⽐較
■ 超低 ESR・⼤容量
ESR: タンタル電解コンデンサの約 1/10 以下
容量: セラミックコンデンサの約 5 倍以上
1000
800
低 ESR タンタル電解コンデンサ
ESR (m) at 100kHz
330
300
170
100
60
60
30
25
SP-Cap
15
15
10
40
22
22
50
ポリマータンタルコンデンサ
15
15
10
5
60
50
9
セラミックコンデンサ
12
9
9
9
6
12
6
6
5
6
5
3
3
5
1
10
100
1000
容量 (F) at 120Hz
■ 超低インピーダンス
電解コンデンサの中で最も低インピーダンス
(1) SP-Cap (SX シリーズ)
4V100F (7.3 x4.3 x1.9)
(2) ポリマータンタルコンデンサ
4V100F (7.3 x4.3 x2.8)
(3) セラミックコンデンサ
6.3V100F (4.5 x3.2 x3.2)
(4) 低 ESR タンタル電解コンデンサ
10V100F (7.3 x4.3 x2.8)
100
10
Z, ESR ()
Z
1
(4)
ESR
0.1
(2)
0.01
(1)
(3)
0.001
0.1
1
10
100
1000
10000
周波数 (kHz)
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
2
TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
■ 安定した静電容量
MLCC は「電圧印加」+「低温・⾼温」で容量低下
SP-Cap:25V22μF (CX シリーズ)
容
量
変
化
率
(%)
MLCC:25V22μF,X5R,3216
-80%
DC バイアス (V)
SP-Cap:25V22μF (CX シリーズ)
容
量
-10%
変
化
率
-10%
MLCC:25V22μF,X5R,3216
(%)
温度 (ºC)
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
3
TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
■ 温度/印加電圧特性
セラミックコンデンサ(MLCC 0805 X5R) 6.3V22F)
2.5V180F
ESR (Ω)
容量変化率 (%)
SP-Cap (SX シリーズ)
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
4
TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
■ 低 ESL で⾼周波数域での超低インピーダンス
⾼周波数域において 3 端⼦ SP-Cap (L*シリーズ) は、MLCC 同等の超低インピーダンス
0.1
Z (OHM)
MLCC 0603
X5R
6.3V22uF
SP-Cap
LS series
2.5V180uF
0.01
SP-Cap
SX series
2.5V180uF
0.001
0.01
1
Frequency (MHz)
100
2
Inductance (nH)
MLCC 0603
X5R
6.3V22uF
SP-Cap
LS series
2.5V180uF
1
SP-Cap
SX series
2.5V180uF
0
0.01
1
Frequency (MHz)
100
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
■ ⼤容量・低背化を実現
Z (OHM)
0.1
LS0D221R
Height:1.1mm
LS シリーズ
LT0D331R
Height:1.4mm
0.01
H: 1.1mm
LX0D471R
Height:1.9mm
0.001
0.01
1
Frequency (MHz)
LT シリーズ
100
0.1
ESR (OHM)
LS0D221R
Height:1.1mm
H: 1.4mm
LT0D331R
Height:1.4mm
0.01
LX シリーズ
LX0D471R
Height:1.9mm
0.001
0.01
1
Frequency (MHz)
H: 1.9mm
100
600
2
400
LT0D331R
Height:1.4mm
200
LS0D221R
Height:1.1mm
Inductance (nH)
Cap (uF)
LS0D221R
Height:1.1mm
LT0D331R
Height:1.4mm
1
LX0D471R
Height:1.9mm
LX0D471R
Height:1.9mm
0
0
0.1
10
Frequency (kHz)
1000
0.1
1
10
Frequency (MHz)
100
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
2. 回路⽤途の特⻑
優れたノイズ低減効果
ノイズ低減効果を他のコンデンサと⽐較評価
試験回路
⼊⼒電圧: 8Vp-p
周波数 : 1MHz
信 号
50
Cx
オシロスコープ
発⽣器
ノイズ低減性能の⽐較
出⼒波形
⼊⼒波形
SP-Cap
アルミコンデンサ
タンタルコンデンサ
1000F×4
100F×3
47F×1
40mV p-p
30mV p-p
(1MHz)
8V p-p
54mV p-p
SP-Cap はノイズ低減効果に優れ,員数削減・省スペース化に貢献します。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
優れたリプル低減効果
スイッチング電源出⼒側での電圧平滑性能を他のコンデンサと⽐較評価
試験回路
スイッチング周波数 : 250kHz
Step Down
1.1H
SW Reg
Feed
Back
リプル低減性能の⽐較
SP-Cap
ポリマータンタル
低 ESR タンタル
2.5V 220µF
2.5V 220µF
6.3V 220µF
ESR=10mΩ at 100kHz
ESR=25mΩ at 100kHz
ESR=50mΩ at 100kHz
リプル電圧:50mVp-p
リプル電圧:125mVp-p
リプル電圧:265mVp-p
リプル電圧低減には,超低ESRを有するSP-Capが最適です。
同⼀容量の場合,SP-Capは、ポリマータンタルの約1/3、低ESRタンタルの約1/5の
リプル電圧に低減させることができます。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
優れた過渡応答性能
⾼速負荷変動時の過渡応答性能を他のコンデンサと⽐較評価
試験回路
19Vin
Step Down
1.0H
負荷条件:
Load time :100µs
Slew rate : 60A/µs
Vout
: 1.3V
Frequency
: 610kHz/2phase
Load current : 30A
SW
Reg.
パルス負荷回路
A
Feed
Back
過渡応答性能の⽐較
SP-Cap
2V 270µF x5 pcs
総容量 =1350µF at 120Hz
ESR=3mΩmax.at 100kHz
ポリマータンタル
4V 470µF x5 pcs
2V 220µF x8 pcs
総容量 =1760µF at 120Hz
総容量 =2350µF at 120Hz
ESR=3mΩmax.at 100kHz
ESR=1.9mΩmax.at 100kHz
2.5V 330µF x8 pcs
総容量 =2640µF at 120Hz
ESR=1.9mΩmax.at 100kHz
SP-Capは超低ESRを実現しているため,少ない容量で同等の過渡応答性能が得られます。
同等の過渡応答性能をポリマータンタルで得ようとした場合,より⼤きな容量が必要になります。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
3.製品構造
超低 ESR
●ESR を下げる為には、電解質(陰極材)の電導度を上げることが必要
●従来の電解質より⾼電導度の導電性⾼分⼦を採⽤
*アルミ電解コンデンサ
(電解液
:液体)の約 1 万倍
*タンタル電解コンデンサ (⼆酸化マンガン :固体)の約 1 千倍
等価回路
各種電解質の電導度
-
100
銀
導電性高分子
1000
10
1
0.1
電解質 (陰極材)
0.01
製品構造
内部素⼦断⾯図 (⼀枚)
●
有機半導体
TCNQ 塩
コンデンサ
⼆酸化マンガン
タンタル電解コンデンサ
電解液
アルミ電解コンデンサ
構成部品
No.
独⾃構造の採⽤で⾯実装・低背化を実現
(1)モールド樹脂
SP-Cap
導電性⾼分⼦
電導度 (S/cm)
MnO2
銀
+
酸化皮膜
アルミ
アルミ
酸化皮膜
電解液
酸化皮膜
+
タンタル
+
アルミ
SP-Cap
(2) 銀ペースト
(1)
モールド樹脂
(2)
銀ペースト
(3)
カーボン
(4)
導電性⾼分⼦
(5)
アルミ箔
(6)
端⼦
(3) カーボン
(6) 端⼦
(4) 導電性⾼分⼦
(5) アルミ箔
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
4.過渡応答シミュレーション
セットの動向 (CPU)
パーソナルコンピュータなどに使⽤される CPU(中央演算処理装置)の動向
*⼤量情報を⾼速処理するために CPU 負荷電流が増加し、消費電⼒が増⼤
*消費エネルギー低減のために:
CPU の Stop Clock 動作の導⼊
CPU の駆動電圧の低電圧化
●消費電⼒を低減するため、CPU の Stop Clock 動作によって頻繁に ON と OFF を繰り返す
→ CPU 駆動の電源ラインには、⼤きな電圧変動が発⽣
●CPU 動作(ON)時の負荷電流増⼤
→ 従来の負荷電流を超えた瞬間的な⼤電流が CPU 駆動の電源ラインに必要
電流
CPU 電流
負荷電流が増⼤
電流の立上り速度 (di/dt) が速い
時間
●CPU 駆動電圧の低電圧化
→ CPU 動作の許容電圧変動幅が狭くなる
電圧
CPU 電圧
動作電圧上限
低電圧化で許容幅が減少
動作電圧下限
時間
CPU 駆動の電源ラインは、従来の負荷電流を超えた瞬間的な⼤電流を供給すると
同時に、従来以上に電圧変動を抑える必要あり。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
CPU の⾼速化に伴うバックアップコンデンサの必要性の増⼤
●安定した電圧で瞬間的な電流
電流
ICPU=ISW+IC
V
ICPU
ISW
ISW
IC
IC
電圧
CPU
SWPS
C
動作限界
V
パソコン停⽌
弊社では、過渡応答シミュレーションで、過渡応答特性に優れた低 ESR コンデンサと
員数について、情報をご提供させて頂きます。
Spice 回路
SWPS
CPU
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
シミュレーションの⽅法
CPU 過渡応答特性のシミュレーションは、コンデンサの等価回路モデルの導出と回路条件の設定が必要です。
コンデンサとして過渡応答特性をシミュレーションするため
* 高周波数領域での ESR(等価直列抵抗)の変化
* 高周波数領域での容量の減少を表現できる等価回路モデルを開発
‫٭‬ESR : 等価直列抵抗
等価回路モデルの選定
Ladder model (20-elements)
7-elements
3-elements
R2 
C
R
L2
L1
L
R1
C1
R6
R1

R2
R3
C2
C3
R7
R8
R4
C4
R9
R5
C5
R10
R3 
L1
C2
C1
ESR
インピーダンス
L2
容 量
L3
L4
L5
ESL
等価回路モデル
インピーダンス
ESR
容量
ESL
3-素⼦
×
×
×
×
7-素⼦
○
×
○
○
ラダーモデル
○
○
○
○
当社の等価回路モデルは、測定値に近似しているラダーモデルを選定
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
セットの回路条件
回路条件: SW 電源出⼒部にコンデンサを並列で配置し CPU に電流を供給する回路
SWPS
CPU
P Spice 回路シミュレータを使って下記の条件下でコンデンサの数量を算出
理想的な CPU の電流および電圧動作
CPU の動作電流と電流立上り速度(di/dt)
CPU (Vp-p) の動作電圧範囲
SW 電源のスイッチング周波数
SW 電源のPCC(チョークコイル) (L) のインダクタンス
SW 電源の最小入力電圧 (Vin)
動作電流
CPU 電流
(di/dt)CPU
SW電源供給電流
( di )SW=( –Vout) /(L /phase)
dt
( di )SW=(Vin – Vout) /L
dt
時間
1 /(SW 周波数 x phase)
CPU 電圧
動作電圧上限
アンダ-シュート
オーバーシュート
Vp-p
動作電圧下限
時間
CPU⽴上がり
→ SW 電源と CPU の間にあるバッファコンデンサ(Cap)が CPU に電荷を供給
→SW 電源の出⼒側電圧が低下
→SW 電源は直ちに CPU の動作に必要な電流だけを供給して CPU 停⽌時にバッファコンデンサが失った
電荷を供給
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
等価回路モデルを使⽤する容量/周波数特性の評価
測定された容量周波数特性はインダクタンスにより共振点付近の挙動が不明確なため、
⾼精度等価回路モデルを使って容量周波数特性を推測することを提案します。
参考: 低 ESR タンタル電解コンデンサ (D-サイズ 10V100μF)
Z,ESR(mOHM) - Frequency(kHz)
100
10
インダクタンスの影響を除いた容量周波数特性の導出
1
0.1
0.01
0.001
R1
R2
C1
C2
R3
R4
C3
C4
R5
0.1
Z(data)
1
10
ESR (data)
100
1000
10000
Z(sim)
ESR(sim)
Capacitance(uF) - Frequency(kHz)
C5
250
200
R6
R7
L1
L2
R8
R9
L3
L4
R10
150
100
L5
50
0
0.1
* data: 測定値
1
Cap (data)
10
100
1000
Cap(sim)
10000
共振点
sim: 等価回路モデル
Z,ESR(mOHM) - Frequency(kHz)
100
R-L 回路の除去
10
1
0.1
R1
R2
R3
R4
0.01
R5
0.001
C1
C2
C3
C4
C5
0.1
1
Z(sim)
10
100
1000
ESR(sim)
10000
Capacitance(uF) - Frequency(kHz)
250
200
150
⾼周波数での容量特性の評価
100
50
0
0.1
1
10
100
Cap(sim)
1000
10000
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導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
5.シミュレーション事例
シミュレーション事例 (1)
CPU と電源の電流挙動
回路条件
CPU
Power Supply
19V
Vout
1.8V
Load Line Z
2.4mΩ
Ipeak (leak)
55A (10A)
CPU Slew Rate
300A/μs
Switching Freq.
800kHz
Phase
2
Inductance
0.15μH
100
Current (A)
Vin
150
50
0
-50
0
5
10
15
20
25
30
35
Time (us)
40
過渡応答シミュレーション結果
Undershoot
Overshoot
Overshoot
SP-Cap proposal for CPU Vcore
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
シミュレーション事例 (2)
CPU と電源の電流挙動
回路条件
150
CPU
19V
Vout
1.85V
Ipeak (leak)
100A (20A)
CPU Slew Rate
533A /μs
Switching Freq.
400kHz
Phase
3
Inductance
0.36μH
100
Current (A)
Vin
Power Supply
50
0
-50
0
5
10
15
20
25
30
35
Time (us)
40
過渡応答シミュレーション結果
Undershoot
Overshoot
Overshoot
SP-Cap proposal for CPU Vcore
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
シミュレーション事例 (3)
CPU と電源の電流挙動
回路条件
250
CPU
12V
1.8V
Load Line Z
0.3mΩ
Ipeak (leak)
220A (40A)
CPU Slew Rate
200 A /μs
Switching Freq.
400kHz
Phase
6
Inductance
0.17μH
200
150
Current (A)
Vin
Vout
Power Supply
100
50
0
-50
0
5
10
15
20
25
30
35
Time (us)
40
過渡応答シミュレーション結果
Undershoot
Overshoot
Overshoot
SP-Cap proposal for CPU Vcore
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
6.信頼性と安全性
安全性
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサはタンタル電解コンデンサより発煙・発⽕しにくいコンデンサです。
(ショート品に対し、10Aまで電流を流しても⾚熱発⽕には⾄りませんでした。)
安全性試験
ショート品に⼀定電流を流して発煙・発⽕を観察しました。
● 試験条件
室温において、過電圧(30V DC)をコンデンサに印加することで、ショートさせた後、⼀定電流を
2分間流し続けました。
● 試験結果
発煙の有無および⾚熱発⽕に及んだ製品個数を下記に⽰します。 (単位:個)
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 6.3V 100µF (7.3 x 4.3 x 1.9)
電流 (A)
試験数
発煙なし
発煙
⾚熱発⽕
1
2
5
7
50
50
50
50
50
35
0
0
0
50
8
0
0
15
42
0
10
50
2
48
0
上記条件内では⾚熱発⽕は⾒られませんでした。
なお、上記で発⽣した煙を分析した結果、特に有害な物質は検出されておりません。
(概要: ⼆酸化炭素 <0.34mg, ⼀酸化炭素 <0.53mg, メタンガス < 0.19mg/1個当り)
タンタル電解コンデンサ 6.3V150µF (7.3 x 4.3 x 2.8)
電流 (A)
試験数
発煙なし
発煙
⾚熱発⽕
1
2
3
4
50
50
50
50
25
8
0
0
34
50
N/A
0
25
8
N/A
5
50
N/A
M/A
50
50
本試験データはあくまで参考試験の結果であり、保証するものではありません。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
SP-Cap は、なぜ、発煙・発⽕しにくい
理由:
* アルミはタンタルより燃えにくい
* 導電性⾼分⼦は⼆酸化マンガンのように酸素を出さない
燃焼の3要素
物が燃えるには
酸素
⽕種・可燃物および酸素の3つの要素が必要です。
(Air)
そのうち⼀つでも⽋けていると燃えることはありません。
可燃物
⽕種
(アルミ、タンタル)
(ショート)
アルミはタンタルより燃えにくい
燃焼反応
反応開始温度
活性化エネルギー
SP-Cap
タンタル電解コンデンサ
Al + O2
400ºC ~ 600ºC
Ta + O2
250ºC ~ 450ºC
170kJ/mol
115kJ/mol
活性化エネルギーは⼩さいほうが反応しやすい
→ タンタルの⽅が酸素(O2)と結びつきやすく, 低温で燃焼しやすい
導電性⾼分⼦は酸素を出さない
導電性⾼分⼦
H
H
C
C
C
C
N
H
⼆酸化マンガン
MnO2
H
N
C
C
H
⼆酸化マンガンの酸素放出の反応例
C
C
H
4MnO2 → 2Mn2O3+O2
n
→⼆酸化マンガンは燃焼を起こす酸素を放出する
アルミはタンタルに⽐べて酸素と結合しにくく、導電性⾼分⼦は⼆酸化マンガンのように酸素を放出しません。
よって、SP-Cap はタンタル電解コンデンサより発煙・発⽕しにくいです。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
信頼性
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ(SP-Cap)は、タンタル電解コンデンサよりショートしにくいコンデンサです。
信頼性試験
⾼温中、電圧印加時においてショートあるいは焼損発⽣状況を調査しました。
● 試験条件
試験温度 : 85ºC 〜 145°C
印加電圧 : 定格電圧 (R.V.) x (0.8 〜 1.25)
試験時間 : 1,000 時間 (保護抵抗なし)
● 試験結果
試験個数 : 各条件 n = 20
ショートあるいは焼損に及んだ製品の個数を下記に⽰します。
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 6.3V 100µF(7.3 x 4.3 x 1.9)
0.8 x R.V.
R.V.
1.1 x R.V.
1.25 x R.V.
85℃
0
0
0
0
105℃
0
0
0
0
125℃
0
0
0
0
145℃
0
0
0
0
試験中、すべての条件においてショート故障はありませんでした。
タンタル電解コンデンサ 6.3V 220µF(7.3 x 4.3 x 2.8)
0.8 x R.V.
R.V.
1.1 x R.V.
1.25 x R.V.
85℃
0
0
0
0
105℃
0
0
0
1
125℃
0
0
0
3
145℃
1
0
0
0
ショートした製品はすべて焼損に⾄っておりました。
通常、⾼温になるほど、また電圧が⾼いほどショートしやすくなります。
SP-Cap の推定故障率
●弊社における信頼性試験において次のようなデータが得られております。
温度加速試験から求めた故障率:8.2 Fit 以下 (105℃ 定格電圧印加の時の推定故障率)
●推定市場故障率: 0.13 Fit 以下 (c = 0、信頼性水準 60% の推定故障率)
 本故障率はあくまで参考値であり、保証するものではありません。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
SP-Cap は、なぜ、ショートしにくい
導電性⾼分⼦が⾃ら絶縁物化して、誘電体の⽋陥部を流れる電流を遮断する物質 (電解質) だからです。
酸化⽪膜の⽋陥部を流れる電流のショート熱で、導電性⾼分⼦が絶縁物化するため
その⽋陥部を選択的に遮断します。
温度の違いによる固有抵抗⽐較
100
固有抵抗 Ω•cm
絶縁物化
10
二酸化マンガン
1
0.1
導電性高分子
0.01
0
200
400
600
800
温度 ℃
導電性⾼分⼦は⼆酸化マンガンに⽐較して低い温度で絶縁化します。
よって、SP-Cap はタンタル電解コンデンサよりショートしにくいです。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
7. データ集
周波数特性*
■SX Series
Capacitance - Frequency
Z、ESR - Frequency
EEFSX0E471E4
EEFSX0D561E4
10
800
Capacitance (μF)
1000
Z, ESR (Ω)
100
1
0.1
600
400
0.01
200
0.001
0.1
1
10
100
1000
10000
0
0.1
Frequency (kHz)
1
10
100
1000
10000
Frequency (kHz)
■ST-SS Series
EEFSS0D221R EEFSS0E181R EEFST0D331R EEFST0E271R
10
400
Capacitance (μF)
500
Z, ESR (Ω)
100
1
0.1
300
200
100
0.01
0
0.001
0.1
1
10
100
1000
0.1
10000
1
10
100
1000
10000
Frequency (kHz)
Frequency (kHz)
* 等価回路モデルを使用する容量/周波数特性は、P16 を参照下さい。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
周波数特性*
Capacitance - Frequency
Z、ESR - Frequency
■CX Series
EEFCX0G271R
EEFCX0J181R
10
400
Capacitance (μF)
500
Z, ESR (Ω)
100
1
0.1
0.01
300
200
100
0.001
0
0.1
1
10
100
1000
10000
0.1
1
Frequency (kHz)
10
100
1000
10000
1000
10000
Frequency (kHz)
■CT-CS Series
EEFCS0G121R EEFCS0J680R EEFCT0G181R EEFCT0J101R
10
400
Capacitance (μF)
500
Z, ESR (Ω)
100
1
0.1
300
200
100
0.01
0
0.001
0.1
1
10
100
1000
0.1
10000
1
10
100
Frequency (kHz)
Frequency (kHz)
* 等価回路モデルを使⽤する容量/周波数特性は、P16 を参照下さい。
設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。
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TECHNICAL GUIDE
MEMO
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導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ
導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ テクニカルガイド
発⾏⽇ 初
版
: 2001 年 4 ⽉
2⽇
改訂版
: 2015 年 11 ⽉
1⽇
発⾏
パナソニック株式会社 AIS 社
デバイスソリューション事業部
Tel: 0774-32-1111
禁
無
断
転
載