テクニカルガイド 導電性高分子アルミ電解コンデンサ 2015.11 http://industrial.panasonic.com/jp/products/capacitors/polymer-capacitors/sp-cap TECHNICAL GUIDE ⽬ 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 次 1.SP-Cap の特⻑ ・・・・・・・・・・1 2.回路⽤途の特⻑ ・・・・・・・・・・7 3.製品構造 ・・・・・・・・・10 4.過渡応答シミュレーション ・・・・・・・・・11 5.シミュレーション事例 ・・・・・・・・・16 6.信頼性と安全性 ・・・・・・・・・19 7.データ集 ・・・・・・・・・23 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 1. SP-Cap の特⻑ ●超低 ESR ( 等価直列抵抗 ) 特性 急速な充放電が可能であり、パソコン CPU のバックアップ⽤途に最適。 許容リプル電流が⼤きく、スイッチング電源の平滑⽤途に最適。 ●超低インピーダンス特性 超低インピーダンス特性により、⾼周波領域でのノイズ除去に最適。 ●安定した容量特性 導電性⾼分⼦の採⽤により、セラミックコンデンサとは違い、安定した容量特性を実現。 ●安定した温度特性 導電性⾼分⼦の採⽤により、安定した温度特性を実現。 ●材料の特⻑を⽣かした、⾼い安全性 タンタル電解コンデンサより発⽕・発煙しにくいコンデンサ。 ●⾯実装・低背 弊社独⾃の新構造の採⽤により、⾯実装・低背化を実現。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 1 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 他種コンデンサとの⽐較 ■ 超低 ESR・⼤容量 ESR: タンタル電解コンデンサの約 1/10 以下 容量: セラミックコンデンサの約 5 倍以上 1000 800 低 ESR タンタル電解コンデンサ ESR (m) at 100kHz 330 300 170 100 60 60 30 25 SP-Cap 15 15 10 40 22 22 50 ポリマータンタルコンデンサ 15 15 10 5 60 50 9 セラミックコンデンサ 12 9 9 9 6 12 6 6 5 6 5 3 3 5 1 10 100 1000 容量 (F) at 120Hz ■ 超低インピーダンス 電解コンデンサの中で最も低インピーダンス (1) SP-Cap (SX シリーズ) 4V100F (7.3 x4.3 x1.9) (2) ポリマータンタルコンデンサ 4V100F (7.3 x4.3 x2.8) (3) セラミックコンデンサ 6.3V100F (4.5 x3.2 x3.2) (4) 低 ESR タンタル電解コンデンサ 10V100F (7.3 x4.3 x2.8) 100 10 Z, ESR () Z 1 (4) ESR 0.1 (2) 0.01 (1) (3) 0.001 0.1 1 10 100 1000 10000 周波数 (kHz) 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 2 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ ■ 安定した静電容量 MLCC は「電圧印加」+「低温・⾼温」で容量低下 SP-Cap:25V22μF (CX シリーズ) 容 量 変 化 率 (%) MLCC:25V22μF,X5R,3216 -80% DC バイアス (V) SP-Cap:25V22μF (CX シリーズ) 容 量 -10% 変 化 率 -10% MLCC:25V22μF,X5R,3216 (%) 温度 (ºC) 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 3 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ ■ 温度/印加電圧特性 セラミックコンデンサ(MLCC 0805 X5R) 6.3V22F) 2.5V180F ESR (Ω) 容量変化率 (%) SP-Cap (SX シリーズ) 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 4 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ ■ 低 ESL で⾼周波数域での超低インピーダンス ⾼周波数域において 3 端⼦ SP-Cap (L*シリーズ) は、MLCC 同等の超低インピーダンス 0.1 Z (OHM) MLCC 0603 X5R 6.3V22uF SP-Cap LS series 2.5V180uF 0.01 SP-Cap SX series 2.5V180uF 0.001 0.01 1 Frequency (MHz) 100 2 Inductance (nH) MLCC 0603 X5R 6.3V22uF SP-Cap LS series 2.5V180uF 1 SP-Cap SX series 2.5V180uF 0 0.01 1 Frequency (MHz) 100 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 5 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ ■ ⼤容量・低背化を実現 Z (OHM) 0.1 LS0D221R Height:1.1mm LS シリーズ LT0D331R Height:1.4mm 0.01 H: 1.1mm LX0D471R Height:1.9mm 0.001 0.01 1 Frequency (MHz) LT シリーズ 100 0.1 ESR (OHM) LS0D221R Height:1.1mm H: 1.4mm LT0D331R Height:1.4mm 0.01 LX シリーズ LX0D471R Height:1.9mm 0.001 0.01 1 Frequency (MHz) H: 1.9mm 100 600 2 400 LT0D331R Height:1.4mm 200 LS0D221R Height:1.1mm Inductance (nH) Cap (uF) LS0D221R Height:1.1mm LT0D331R Height:1.4mm 1 LX0D471R Height:1.9mm LX0D471R Height:1.9mm 0 0 0.1 10 Frequency (kHz) 1000 0.1 1 10 Frequency (MHz) 100 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 6 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 2. 回路⽤途の特⻑ 優れたノイズ低減効果 ノイズ低減効果を他のコンデンサと⽐較評価 試験回路 ⼊⼒電圧: 8Vp-p 周波数 : 1MHz 信 号 50 Cx オシロスコープ 発⽣器 ノイズ低減性能の⽐較 出⼒波形 ⼊⼒波形 SP-Cap アルミコンデンサ タンタルコンデンサ 1000F×4 100F×3 47F×1 40mV p-p 30mV p-p (1MHz) 8V p-p 54mV p-p SP-Cap はノイズ低減効果に優れ,員数削減・省スペース化に貢献します。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 7 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 優れたリプル低減効果 スイッチング電源出⼒側での電圧平滑性能を他のコンデンサと⽐較評価 試験回路 スイッチング周波数 : 250kHz Step Down 1.1H SW Reg Feed Back リプル低減性能の⽐較 SP-Cap ポリマータンタル 低 ESR タンタル 2.5V 220µF 2.5V 220µF 6.3V 220µF ESR=10mΩ at 100kHz ESR=25mΩ at 100kHz ESR=50mΩ at 100kHz リプル電圧:50mVp-p リプル電圧:125mVp-p リプル電圧:265mVp-p リプル電圧低減には,超低ESRを有するSP-Capが最適です。 同⼀容量の場合,SP-Capは、ポリマータンタルの約1/3、低ESRタンタルの約1/5の リプル電圧に低減させることができます。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 8 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 優れた過渡応答性能 ⾼速負荷変動時の過渡応答性能を他のコンデンサと⽐較評価 試験回路 19Vin Step Down 1.0H 負荷条件: Load time :100µs Slew rate : 60A/µs Vout : 1.3V Frequency : 610kHz/2phase Load current : 30A SW Reg. パルス負荷回路 A Feed Back 過渡応答性能の⽐較 SP-Cap 2V 270µF x5 pcs 総容量 =1350µF at 120Hz ESR=3mΩmax.at 100kHz ポリマータンタル 4V 470µF x5 pcs 2V 220µF x8 pcs 総容量 =1760µF at 120Hz 総容量 =2350µF at 120Hz ESR=3mΩmax.at 100kHz ESR=1.9mΩmax.at 100kHz 2.5V 330µF x8 pcs 総容量 =2640µF at 120Hz ESR=1.9mΩmax.at 100kHz SP-Capは超低ESRを実現しているため,少ない容量で同等の過渡応答性能が得られます。 同等の過渡応答性能をポリマータンタルで得ようとした場合,より⼤きな容量が必要になります。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 9 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 3.製品構造 超低 ESR ●ESR を下げる為には、電解質(陰極材)の電導度を上げることが必要 ●従来の電解質より⾼電導度の導電性⾼分⼦を採⽤ *アルミ電解コンデンサ (電解液 :液体)の約 1 万倍 *タンタル電解コンデンサ (⼆酸化マンガン :固体)の約 1 千倍 等価回路 各種電解質の電導度 - 100 銀 導電性高分子 1000 10 1 0.1 電解質 (陰極材) 0.01 製品構造 内部素⼦断⾯図 (⼀枚) ● 有機半導体 TCNQ 塩 コンデンサ ⼆酸化マンガン タンタル電解コンデンサ 電解液 アルミ電解コンデンサ 構成部品 No. 独⾃構造の採⽤で⾯実装・低背化を実現 (1)モールド樹脂 SP-Cap 導電性⾼分⼦ 電導度 (S/cm) MnO2 銀 + 酸化皮膜 アルミ アルミ 酸化皮膜 電解液 酸化皮膜 + タンタル + アルミ SP-Cap (2) 銀ペースト (1) モールド樹脂 (2) 銀ペースト (3) カーボン (4) 導電性⾼分⼦ (5) アルミ箔 (6) 端⼦ (3) カーボン (6) 端⼦ (4) 導電性⾼分⼦ (5) アルミ箔 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 10 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 4.過渡応答シミュレーション セットの動向 (CPU) パーソナルコンピュータなどに使⽤される CPU(中央演算処理装置)の動向 *⼤量情報を⾼速処理するために CPU 負荷電流が増加し、消費電⼒が増⼤ *消費エネルギー低減のために: CPU の Stop Clock 動作の導⼊ CPU の駆動電圧の低電圧化 ●消費電⼒を低減するため、CPU の Stop Clock 動作によって頻繁に ON と OFF を繰り返す → CPU 駆動の電源ラインには、⼤きな電圧変動が発⽣ ●CPU 動作(ON)時の負荷電流増⼤ → 従来の負荷電流を超えた瞬間的な⼤電流が CPU 駆動の電源ラインに必要 電流 CPU 電流 負荷電流が増⼤ 電流の立上り速度 (di/dt) が速い 時間 ●CPU 駆動電圧の低電圧化 → CPU 動作の許容電圧変動幅が狭くなる 電圧 CPU 電圧 動作電圧上限 低電圧化で許容幅が減少 動作電圧下限 時間 CPU 駆動の電源ラインは、従来の負荷電流を超えた瞬間的な⼤電流を供給すると 同時に、従来以上に電圧変動を抑える必要あり。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 11 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ CPU の⾼速化に伴うバックアップコンデンサの必要性の増⼤ ●安定した電圧で瞬間的な電流 電流 ICPU=ISW+IC V ICPU ISW ISW IC IC 電圧 CPU SWPS C 動作限界 V パソコン停⽌ 弊社では、過渡応答シミュレーションで、過渡応答特性に優れた低 ESR コンデンサと 員数について、情報をご提供させて頂きます。 Spice 回路 SWPS CPU 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 12 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ シミュレーションの⽅法 CPU 過渡応答特性のシミュレーションは、コンデンサの等価回路モデルの導出と回路条件の設定が必要です。 コンデンサとして過渡応答特性をシミュレーションするため * 高周波数領域での ESR(等価直列抵抗)の変化 * 高周波数領域での容量の減少を表現できる等価回路モデルを開発 ٭ESR : 等価直列抵抗 等価回路モデルの選定 Ladder model (20-elements) 7-elements 3-elements R2 C R L2 L1 L R1 C1 R6 R1 R2 R3 C2 C3 R7 R8 R4 C4 R9 R5 C5 R10 R3 L1 C2 C1 ESR インピーダンス L2 容 量 L3 L4 L5 ESL 等価回路モデル インピーダンス ESR 容量 ESL 3-素⼦ × × × × 7-素⼦ ○ × ○ ○ ラダーモデル ○ ○ ○ ○ 当社の等価回路モデルは、測定値に近似しているラダーモデルを選定 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 13 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ セットの回路条件 回路条件: SW 電源出⼒部にコンデンサを並列で配置し CPU に電流を供給する回路 SWPS CPU P Spice 回路シミュレータを使って下記の条件下でコンデンサの数量を算出 理想的な CPU の電流および電圧動作 CPU の動作電流と電流立上り速度(di/dt) CPU (Vp-p) の動作電圧範囲 SW 電源のスイッチング周波数 SW 電源のPCC(チョークコイル) (L) のインダクタンス SW 電源の最小入力電圧 (Vin) 動作電流 CPU 電流 (di/dt)CPU SW電源供給電流 ( di )SW=( –Vout) /(L /phase) dt ( di )SW=(Vin – Vout) /L dt 時間 1 /(SW 周波数 x phase) CPU 電圧 動作電圧上限 アンダ-シュート オーバーシュート Vp-p 動作電圧下限 時間 CPU⽴上がり → SW 電源と CPU の間にあるバッファコンデンサ(Cap)が CPU に電荷を供給 →SW 電源の出⼒側電圧が低下 →SW 電源は直ちに CPU の動作に必要な電流だけを供給して CPU 停⽌時にバッファコンデンサが失った 電荷を供給 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 14 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 等価回路モデルを使⽤する容量/周波数特性の評価 測定された容量周波数特性はインダクタンスにより共振点付近の挙動が不明確なため、 ⾼精度等価回路モデルを使って容量周波数特性を推測することを提案します。 参考: 低 ESR タンタル電解コンデンサ (D-サイズ 10V100μF) Z,ESR(mOHM) - Frequency(kHz) 100 10 インダクタンスの影響を除いた容量周波数特性の導出 1 0.1 0.01 0.001 R1 R2 C1 C2 R3 R4 C3 C4 R5 0.1 Z(data) 1 10 ESR (data) 100 1000 10000 Z(sim) ESR(sim) Capacitance(uF) - Frequency(kHz) C5 250 200 R6 R7 L1 L2 R8 R9 L3 L4 R10 150 100 L5 50 0 0.1 * data: 測定値 1 Cap (data) 10 100 1000 Cap(sim) 10000 共振点 sim: 等価回路モデル Z,ESR(mOHM) - Frequency(kHz) 100 R-L 回路の除去 10 1 0.1 R1 R2 R3 R4 0.01 R5 0.001 C1 C2 C3 C4 C5 0.1 1 Z(sim) 10 100 1000 ESR(sim) 10000 Capacitance(uF) - Frequency(kHz) 250 200 150 ⾼周波数での容量特性の評価 100 50 0 0.1 1 10 100 Cap(sim) 1000 10000 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 15 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 5.シミュレーション事例 シミュレーション事例 (1) CPU と電源の電流挙動 回路条件 CPU Power Supply 19V Vout 1.8V Load Line Z 2.4mΩ Ipeak (leak) 55A (10A) CPU Slew Rate 300A/μs Switching Freq. 800kHz Phase 2 Inductance 0.15μH 100 Current (A) Vin 150 50 0 -50 0 5 10 15 20 25 30 35 Time (us) 40 過渡応答シミュレーション結果 Undershoot Overshoot Overshoot SP-Cap proposal for CPU Vcore 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 16 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ シミュレーション事例 (2) CPU と電源の電流挙動 回路条件 150 CPU 19V Vout 1.85V Ipeak (leak) 100A (20A) CPU Slew Rate 533A /μs Switching Freq. 400kHz Phase 3 Inductance 0.36μH 100 Current (A) Vin Power Supply 50 0 -50 0 5 10 15 20 25 30 35 Time (us) 40 過渡応答シミュレーション結果 Undershoot Overshoot Overshoot SP-Cap proposal for CPU Vcore 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 17 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ シミュレーション事例 (3) CPU と電源の電流挙動 回路条件 250 CPU 12V 1.8V Load Line Z 0.3mΩ Ipeak (leak) 220A (40A) CPU Slew Rate 200 A /μs Switching Freq. 400kHz Phase 6 Inductance 0.17μH 200 150 Current (A) Vin Vout Power Supply 100 50 0 -50 0 5 10 15 20 25 30 35 Time (us) 40 過渡応答シミュレーション結果 Undershoot Overshoot Overshoot SP-Cap proposal for CPU Vcore 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 18 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 6.信頼性と安全性 安全性 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサはタンタル電解コンデンサより発煙・発⽕しにくいコンデンサです。 (ショート品に対し、10Aまで電流を流しても⾚熱発⽕には⾄りませんでした。) 安全性試験 ショート品に⼀定電流を流して発煙・発⽕を観察しました。 ● 試験条件 室温において、過電圧(30V DC)をコンデンサに印加することで、ショートさせた後、⼀定電流を 2分間流し続けました。 ● 試験結果 発煙の有無および⾚熱発⽕に及んだ製品個数を下記に⽰します。 (単位:個) 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 6.3V 100µF (7.3 x 4.3 x 1.9) 電流 (A) 試験数 発煙なし 発煙 ⾚熱発⽕ 1 2 5 7 50 50 50 50 50 35 0 0 0 50 8 0 0 15 42 0 10 50 2 48 0 上記条件内では⾚熱発⽕は⾒られませんでした。 なお、上記で発⽣した煙を分析した結果、特に有害な物質は検出されておりません。 (概要: ⼆酸化炭素 <0.34mg, ⼀酸化炭素 <0.53mg, メタンガス < 0.19mg/1個当り) タンタル電解コンデンサ 6.3V150µF (7.3 x 4.3 x 2.8) 電流 (A) 試験数 発煙なし 発煙 ⾚熱発⽕ 1 2 3 4 50 50 50 50 25 8 0 0 34 50 N/A 0 25 8 N/A 5 50 N/A M/A 50 50 本試験データはあくまで参考試験の結果であり、保証するものではありません。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 19 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ SP-Cap は、なぜ、発煙・発⽕しにくい 理由: * アルミはタンタルより燃えにくい * 導電性⾼分⼦は⼆酸化マンガンのように酸素を出さない 燃焼の3要素 物が燃えるには 酸素 ⽕種・可燃物および酸素の3つの要素が必要です。 (Air) そのうち⼀つでも⽋けていると燃えることはありません。 可燃物 ⽕種 (アルミ、タンタル) (ショート) アルミはタンタルより燃えにくい 燃焼反応 反応開始温度 活性化エネルギー SP-Cap タンタル電解コンデンサ Al + O2 400ºC ~ 600ºC Ta + O2 250ºC ~ 450ºC 170kJ/mol 115kJ/mol 活性化エネルギーは⼩さいほうが反応しやすい → タンタルの⽅が酸素(O2)と結びつきやすく, 低温で燃焼しやすい 導電性⾼分⼦は酸素を出さない 導電性⾼分⼦ H H C C C C N H ⼆酸化マンガン MnO2 H N C C H ⼆酸化マンガンの酸素放出の反応例 C C H 4MnO2 → 2Mn2O3+O2 n →⼆酸化マンガンは燃焼を起こす酸素を放出する アルミはタンタルに⽐べて酸素と結合しにくく、導電性⾼分⼦は⼆酸化マンガンのように酸素を放出しません。 よって、SP-Cap はタンタル電解コンデンサより発煙・発⽕しにくいです。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 20 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 信頼性 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ(SP-Cap)は、タンタル電解コンデンサよりショートしにくいコンデンサです。 信頼性試験 ⾼温中、電圧印加時においてショートあるいは焼損発⽣状況を調査しました。 ● 試験条件 試験温度 : 85ºC 〜 145°C 印加電圧 : 定格電圧 (R.V.) x (0.8 〜 1.25) 試験時間 : 1,000 時間 (保護抵抗なし) ● 試験結果 試験個数 : 各条件 n = 20 ショートあるいは焼損に及んだ製品の個数を下記に⽰します。 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 6.3V 100µF(7.3 x 4.3 x 1.9) 0.8 x R.V. R.V. 1.1 x R.V. 1.25 x R.V. 85℃ 0 0 0 0 105℃ 0 0 0 0 125℃ 0 0 0 0 145℃ 0 0 0 0 試験中、すべての条件においてショート故障はありませんでした。 タンタル電解コンデンサ 6.3V 220µF(7.3 x 4.3 x 2.8) 0.8 x R.V. R.V. 1.1 x R.V. 1.25 x R.V. 85℃ 0 0 0 0 105℃ 0 0 0 1 125℃ 0 0 0 3 145℃ 1 0 0 0 ショートした製品はすべて焼損に⾄っておりました。 通常、⾼温になるほど、また電圧が⾼いほどショートしやすくなります。 SP-Cap の推定故障率 ●弊社における信頼性試験において次のようなデータが得られております。 温度加速試験から求めた故障率:8.2 Fit 以下 (105℃ 定格電圧印加の時の推定故障率) ●推定市場故障率: 0.13 Fit 以下 (c = 0、信頼性水準 60% の推定故障率) 本故障率はあくまで参考値であり、保証するものではありません。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 21 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ SP-Cap は、なぜ、ショートしにくい 導電性⾼分⼦が⾃ら絶縁物化して、誘電体の⽋陥部を流れる電流を遮断する物質 (電解質) だからです。 酸化⽪膜の⽋陥部を流れる電流のショート熱で、導電性⾼分⼦が絶縁物化するため その⽋陥部を選択的に遮断します。 温度の違いによる固有抵抗⽐較 100 固有抵抗 Ω•cm 絶縁物化 10 二酸化マンガン 1 0.1 導電性高分子 0.01 0 200 400 600 800 温度 ℃ 導電性⾼分⼦は⼆酸化マンガンに⽐較して低い温度で絶縁化します。 よって、SP-Cap はタンタル電解コンデンサよりショートしにくいです。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 22 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 7. データ集 周波数特性* ■SX Series Capacitance - Frequency Z、ESR - Frequency EEFSX0E471E4 EEFSX0D561E4 10 800 Capacitance (μF) 1000 Z, ESR (Ω) 100 1 0.1 600 400 0.01 200 0.001 0.1 1 10 100 1000 10000 0 0.1 Frequency (kHz) 1 10 100 1000 10000 Frequency (kHz) ■ST-SS Series EEFSS0D221R EEFSS0E181R EEFST0D331R EEFST0E271R 10 400 Capacitance (μF) 500 Z, ESR (Ω) 100 1 0.1 300 200 100 0.01 0 0.001 0.1 1 10 100 1000 0.1 10000 1 10 100 1000 10000 Frequency (kHz) Frequency (kHz) * 等価回路モデルを使用する容量/周波数特性は、P16 を参照下さい。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 23 TECHNICAL GUIDE 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 周波数特性* Capacitance - Frequency Z、ESR - Frequency ■CX Series EEFCX0G271R EEFCX0J181R 10 400 Capacitance (μF) 500 Z, ESR (Ω) 100 1 0.1 0.01 300 200 100 0.001 0 0.1 1 10 100 1000 10000 0.1 1 Frequency (kHz) 10 100 1000 10000 1000 10000 Frequency (kHz) ■CT-CS Series EEFCS0G121R EEFCS0J680R EEFCT0G181R EEFCT0J101R 10 400 Capacitance (μF) 500 Z, ESR (Ω) 100 1 0.1 300 200 100 0.01 0 0.001 0.1 1 10 100 1000 0.1 10000 1 10 100 Frequency (kHz) Frequency (kHz) * 等価回路モデルを使⽤する容量/周波数特性は、P16 を参照下さい。 設計・仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い、それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。 なお、本製品の安定性について擬義が生じたときは、速やかに当社へご通知をいただき、必ず技術検討をしてください。 24 TECHNICAL GUIDE MEMO 25 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ 導電性⾼分⼦アルミ電解コンデンサ テクニカルガイド 発⾏⽇ 初 版 : 2001 年 4 ⽉ 2⽇ 改訂版 : 2015 年 11 ⽉ 1⽇ 発⾏ パナソニック株式会社 AIS 社 デバイスソリューション事業部 Tel: 0774-32-1111 禁 無 断 転 載