AUA0000CJ2

車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
NTC サーミスタ(チップ形)
Series: ERTJ
特
長
面実装タイプ(1005・1608サイズ)
積層構造と独自の外電形成技術により高信頼性
高耐熱性(150 ℃まで使用可)
環境に配慮したPbフリー材料で構成
RoHS指令対応
主な用途
カーオーディオ
各種ECU
電動ポンプ/コンプレッサ
LEDライト
バッテリー
その他、各種回路の温度検知
品番構成
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
E
R
T
J
0
E
G
1
0
3
F
M
共通記号
品目記号
タイプ記号
ERT NTC
J チップ形
(表面実装形)
サーミスタ
積層タイプ
形状記号
0 1005サイズ
1 1608サイズ
包装形態記号
1005
パンチキャリア
E テーピング
(2 mmピッチ)
1608
パンチキャリア
V テーピング
(4 mmピッチ)
構
造
B定数区分記号
A 2701 ~ 2800
G 3301 ~ 3400
M 3801 ~ 3900
P 4001 ~ 4100
R 4201 ~ 4300
S 4301 ~ 4400
T 4401 ~ 4500
V 4601 ~ 4700
公称抵抗値 R25 (Ω)
□□
□
初めの2桁 それに続く
の有効数字 ゼロの数
F
G
H
J
(例)
抵抗値許容差記号
±1 %
高精度タイプ
±2 %
±3 %
標準タイプ
±5 %
M 車載対応品
図
3
4
5
1
2
No.
名称
A
半導体セラミックス
B
内部電極
C
D
E
下地電極
端子電極
中間電極
外部電極
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
01 Aug. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
定
格
1005
項 目
使用温度範囲
定
格
電
力 ✽1
熱 放 散 定 数 ✽2
66 mW
約 2 mW / °C
1608
–40 ~ 150 °C
100 mW
約 3 mW / °C
✽1 定格電力:定格周囲温度 25 ℃で,連続的に印加できる電力の最大値
・連続的に印加できる電力の最大値(最大電力という)は,周囲温度 25 ℃以下では定格電力と同値であり,25 ℃以上では電力軽減曲線による。
・詳細は,設計上の注意事項をご参照ください。
✽2 熱放散定数:サーミスタが,負荷電力による自己発熱で 1 ℃温度上昇するのに相当する電力
・熱放散定数は 1.6 mm 厚ガラスエポキシ基板実装時の参考値です。
品番一覧表
1005サイズ
品番
ERTJ0EG103□M
ERTJ0EP473□M
ERTJ0ER104□M
ERTJ0EV104□M
1608サイズ
B 定数
B 定数
抵抗値
at 25 °C(Ω) at 25/50(K) at 25/85(K)
10 kΩ
3380 K±1 % 3435 K±1 %
47 kΩ
4050 K±1 %
(4100 K)
100 kΩ
4250 K±1 %
(4300 K)
100 kΩ
4700 K±1 %
(4750 K)
B 定数
B 定数
抵抗値
at 25 °C(Ω) at 25/50(K) at 25/85(K)
ERTJ1VG103□M
10 kΩ
3380 K±1 % 3435 K±1 %
ERTJ1VP473□M
47 kΩ
4100 K±1 %
(4150 K)
ERTJ1VV104□M
100 kΩ
4700 K±1 %
(4750 K)
品番
品番の □ には抵抗値許容差記号が入ります。(F:± 1%,G:± 2%,H:± 3%,J:± 5%)
品番の □ には抵抗値許容差記号が入ります。(F:± 1%,G:± 2%,H:± 3%,J:± 5%)
温度・抵抗比表(25 ℃の抵抗値を1とした時の各温度の抵抗比)/参考値
B25/50
B25/85
T(°C)
-40
-35
-30
-25
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
55
60
65
70
75
80
85
90
95
100
105
110
115
120
125
B25/50=
ERTJ□□G~
(3380 K)
3435 K
ERTJ□□P~
4050 K
(4100 K)
ERTJ□□P~
4100 K
(4150 K)
ERTJ□□R~
4250 K
(4300 K)
ERTJ□□V~
4700 K
(4750 K)
20.52
15.48
11.79
9.069
7.037
5.507
4.344
3.453
2.764
2.227
1.806
1.474
1.211
1
0.8309
0.6941
0.5828
0.4916
0.4165
0.3543
0.3027
0.2595
0.2233
0.1929
0.1672
0.1451
0.1261
0.1097
0.09563
0.08357
0.07317
0.06421
0.05650
0.04986
33.10
24.03
17.63
13.06
9.761
7.362
5.599
4.291
3.312
2.574
2.013
1.584
1.255
1
0.8016
0.6461
0.5235
0.4266
0.3496
0.2881
0.2386
0.1985
0.1659
0.1393
0.1174
0.09937
0.08442
0.07200
0.06166
0.05306
0.04587
0.03979
0.03460
0.03013
34.56
24.99
18.26
13.48
10.04
7.546
5.720
4.369
3.362
2.604
2.030
1.593
1.258
1
0.7994
0.6426
0.5194
0.4222
0.3451
0.2837
0.2344
0.1946
0.1623
0.1359
0.1143
0.09658
0.08189
0.06969
0.05957
0.05117
0.04415
0.03823
0.03319
0.02886
42.40
29.96
21.42
15.50
11.33
8.370
6.244
4.699
3.565
2.725
2.098
1.627
1.271
1
0.7923
0.6318
0.5069
0.4090
0.3320
0.2709
0.2222
0.1831
0.1516
0.1261
0.1054
0.08843
0.07457
0.06316
0.05371
0.04585
0.03929
0.03378
0.02913
0.02519
59.76
41.10
28.61
20.14
14.33
10.31
7.482
5.481
4.050
3.015
2.262
1.710
1.303
1
0.7734
0.6023
0.4721
0.3723
0.2954
0.2356
0.1889
0.1523
0.1236
0.1009
0.08284
0.06834
0.05662
0.04712
0.03939
0.03308
0.02791
0.02364
0.02009
0.01712
kn (R25/R50)
1/298.15–1/323.15
B25/85=
kn (R25/R85)
1/298.15–1/358.15
R25=25.0±0.1 °Cにおける抵抗値
R50=50.0±0.1 °Cにおける抵抗値
R85=85.0±0.1 °Cにおける抵抗値
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
01 Aug. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
性能及び試験方法
項目
定格ゼロ負荷抵抗値
(R25)
B 定数
規格値
試験方法
規定された許容範囲内にあること
定格周囲温度 25.0 ± 0.1 ℃において、自己発
熱の無視できる電力(0.10 mW 以下)で直流
抵抗値を測定する。
規定された許容範囲内にあること
※個別仕様には,B25/50 又は B25/85 を
規定します
周囲温度 T1 ℃および T2 ℃のゼロ負荷抵抗値
R1,R2 から次式によって求める。
kn(R1)–kn(R2)
BT1/T2=
1/(T1+273.15)–1/(T2+273.15)
B25/50
B25/85
端子電極固着力
端子電極の剥離又はその兆候がないこと
T1
25.0 ±0.1 °C
25.0 ±0.1 °C
T2
50.0 ±0.1 °C
85.0 ±0.1 °C
加圧荷重:
1005,1608 サイズ : 5 N
加圧時間:10 秒間
1005 サイズの試験方法:
1.0
0.5
R0.5
基板
試料
1.0
1608 サイズの試験方法:
試料
単位:mm
外観:クラック等機械的損傷がないこと
抵抗値変化率:± 5 % 以内
たわみ量:2 mm
加圧速度:1 mm/ 秒
2.0
R340
45±2
耐振性
外観:クラック等機械的損傷がないこと
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
耐衝撃性
外観:クラック等機械的損傷がないこと
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
45±2
たわみ量
たわみ
単位:mm
試料を所定の試験基板にはんだ付けし、
次の振動を印加する。
加速度:5 G
振動周波数:10 ∼ 2000 Hz
掃引時間 : 20 分
互いに垂直な 3 方向に対して 12 サイクル
試料を所定の試験基板にはんだ付けし、
次の衝撃を印加する。
衝撃波形 : 正弦半波,11 ms
衝撃加速度 : 50 G
衝撃方向 : X-X’, Y-Y’, Z-Z’の 6 方向各 3 回
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
01 Aug. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
性能及び試験方法
項目
はんだ耐熱性
規格値
外観:クラック等機械的損傷がないこと
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
試験方法
はんだ槽法
はんだ温度:260 ± 5 ℃,270 ± 5 ℃
浸せき時間:3.0 ± 0.5 秒間,10.0 ± 0.5 秒間
予熱条件:
順序
1
2
温度 (°C)
80 ∼ 100
150 ∼ 200
時間
120 ∼ 180 秒間
120 ∼ 180 秒間
はんだ付け性
両端子電極のはんだ付けされた面積の 95 %
以上が新しいはんだで覆われていること
はんだ槽法
はんだ温度:230 ± 5 ℃
浸せき時間:4 ± 1 秒間
はんだ:Sn-3.0Ag-0.5Cu
温度サイクル
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
1 サイクルの条件
段階 1:‒55℃± 3 30 ± 3 分間
段階 2:常温
3 分間以下
段階 3:125℃± 5 30 ± 3 分間
段階 4:常温
3 分間以下
試験サイクル数: 2000 サイクル
耐湿性
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
温度:85 ± 2 ℃
湿度:85 ± 5 %RH
試験時間:2000 +48/0 時間
耐湿負荷
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
温度:85 ± 2 ℃
湿度:85 ± 5 %RH
印加電力:10mW
試験時間:2000 +48/0 時間
耐寒性
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
温度:‒40 ± 3 ℃
試験時間:2000 +48/0 時間
耐熱性 1
抵抗値変化率: ± 2 % 以内
B 定数変化率: ± 1 % 以内
温度:125 ± 3 ℃
試験時間:2000 +48/0 時間
耐熱性 2
抵抗値変化率: ± 3 % 以内
B 定数変化率: ± 2 % 以内
温度:150 ± 3 ℃
試験時間:1000 +48/0 時間
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
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01 Aug. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
形状寸法
L
W
単位 : mm
形状記号(JIS)
L
W
T
L1, L2
0(1005)
1.0±0.1
0.50±0.05
0.50±0.05
0.25±0.15
1(1608)
1.60±0.15
0.8±0.1
0.8±0.1
0.3±0.2
T
L2
L1
包装方法
テーピング用リール
基準包装数量
数量
製品の厚み
ピッチ
テーピングの種類 (mm)
(mm)
( 個 / リール )
0(1005)
0.5
1(1608)
0.8
パンチキャリアテーピング
2
10,000
4
4,000
W1
E
C
B
形状
記号
D
W2
パンチキャリアテーピング(2 mmピッチ)1005サイズ
t1
送り丸穴
fD0
A
E
部品挿入穴
B
F
W
A
t2
P1 P2
部品を装着した場合
P0
引出し方向
t2
E P1 P2 P0 fD0 t1
記号 A B W F
1.5 0.7 1.0
単位 0.62 1.12 8.0 3.50 1.75 2.00 2.00 4.0 +0.1
(mm) ±0.05 ±0.05 ±0.2 ±0.05 ±0.10 ±0.05 ±0.05 ±0.1 0 max. max.
記号
単位
(mm)
fA
0
–3
180
送り丸穴
fD0
部品挿入穴
60.0
D
E
13.0±0.5 21.0±0.8 2.0±0.5
W1
+1.0
0
9.0
W2
11.4±1.0
カバーテープ
100 min.
空部
400 min.
E
テープエンド部
B
F
W
A
t2
+1.0
0
リーダ部空部仕様
リーダ部
パンチキャリアテーピング(4 mmピッチ)1608サイズ
t1
C
fB
部品を装着した場合
P1
P2
P0
160 min.
空部
引出し方向
単位 : mm
E P1 P2 P0 fD0 t1
t2
記号 A B W F
1.5
単位 1.0 1.8 8.0 3.50 1.75 4.0 2.00 4.0 +0.1 1.1 1.4
(mm) ±0.1 ±0.1 ±0.2 ±0.05 ±0.10 ±0.1 ±0.05 ±0.1 0 max. max.
最少包装数量
品番(形状)
最少包装数量
外箱包装数
外箱寸法 L×W×H (mm)
ERTJ0 (1005)
10,000
200,000
250×200×200
ERTJ1 (1608)
4,000
80,000
250×200×200
包装表示には,品番,数量,原産地等については英語で表示しています。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
00
Mar. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
NTC サーミスタ(チップ形)
Series: ERTJ
取り扱いに関する注意事項
安全上の注意
NTC サーミスタ(チップ形)(以下,サーミスタという)は,車載用機器用途でご使用いただくことが出来ますが,
使い方によっては,性能劣化,ショート,オープンなどの故障モードが発生する恐れがあります。
ショート状態でご使用になられますと,電圧印加時に大電流が流れて,サーミスタ本体が発熱し回路基板が焼損する
恐れがあります。
特に安全性などが要求される製品の設計に際しましては,本製品の単一故障に対し,最終製品としてどうなるのかを
事前にご検討いただき,本製品が単一故障した際システムとして不安全とならない様に,保護回路を設けて回路を遮
断しシステムの安全を図るなどのフェールセーフ設計の配慮を行い,十分な安全性の確保をお願いします。
下記の機器への適用につきましては,個別にご相談の上,標準仕様とは別の仕様で検討させていただきます。
・後述の使用上及び安全の注意事項などについて,これらの遵守が難しい場合。
・きわめて高度な品質・信頼性が要求され , その故障や誤動作が直接又は間接的に人命を脅かしたり人体に危害
を及ぼす恐れのある用途。
①航空・宇宙機器(人工衛星,ロケットなど)
②海底機器(海底中継器,海中での作業機器など)
③交通・輸送機器(飛行機,鉄道,船舶,交通信号機器などの制御機器)
④発電制御機器(原子力・水力・火力発電所向けなどの機器)
⑤医療機器(生命維持装置,心臓ペースメーカー,人工透析器などの機器)
⑥情報処理機器(大規模なシステムを制御するコンピュータなど)
⑦電熱用品・燃焼機器
⑧回転機器
⑨防災・防犯機器
⑩その他,上記機器と同等の品質・信頼性が要求される機器
設計上の注意事項
1.1 使用温度/保存温度
実装回路を動作させる使用温度は,納入仕様書に記
載の使用温度範囲内で使用としてください。
実装後に回路を動作させずに保存する温度は,納入
仕様書に記載の保存温度範囲内としてください。
最高使用温度を超える高温では使用しないでください。
1.2 使用電力
サーミスタの端子間に印加される電力は,最大電力
以下で使用してください。
最大電力を超える条件で使用すると,サーミスタの
過度の自己発熱により高温となって故障や焼損につ
ながる可能性があります。異常電圧印加等に対する
保護回路を設けるなど安全性について十分ご検討く
ださい。
また最大電力以下のご使用でもサーミスタの自己発
熱により正確な周囲温度の検知ができなくなること
があります。サーミスタの端子間に印加される電力
は最大電力以下で,かつ熱放散定数を考慮の上でご
使用ください。
【最大電力】
・ある周囲温度の静止空気中において,連続して負
荷し得る電力の最大値。なお,周囲温度が 25 ℃
以下での最大電力は定格電力と同値であり,25 ℃
を超える最大電力は下記の電力軽減曲線による。
最大電力/定格電力比(%)
1. 回路設計
電力軽減曲線
120
100
80
60
40
20
0
−25
0
25
50 75 100 125 150 175
周囲温度(°C)
【熱放散定数】
・温度安定状態でサーミスタ素子の温度を自己発熱
によって 1 ℃上げるために必要な電力を表す定数
をいう。サーミスタの消費電力を素子の温度上昇
分で除して求める。単位は(mW /℃)
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
01
Jun. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
1.3 使用箇所の制限
サーミスタは下記の箇所では使用しないでください。
(1) 周囲環境(耐候性)条件
(a) 直接,水又は塩水のかかる場所
(b) 結露状態になる場所
(c) 腐食性ガス(硫化水素,亜硫酸,塩素,
アンモニアなど)が充満する場所
(2) 振動または衝撃条件が,納入仕様書の規定範囲
を超える過酷な場所
1.4 抵抗値の測定
サーミスタの抵抗値は,周囲温度や自己発熱により
変化します。回路検討や受入検査等でサーミスタの
抵抗値を測定する場合には,下記の点に留意してく
ださい。
① 測定温度:25±0.1 ℃
測定温度の安定化のため,液中測定(シリコン
オイル等)を推奨します。
② 電力:0.10 mW 以下
定電流電源を使用した,4 端子測定法による抵
抗値測定を推奨します。
(2) 次の場合はソルダーレジストを使ってパターン
を分離してください。
・部品が近接する場合
・リード付け部品と混載される場合
・シャーシなどが近接する配置
次の避けたい事例及び推奨例を参考にしてください。
避けたい事例及び推奨例
項目
避けたい事例
リード付部品
との混載
シャーシ近辺
への配慮
リード付部品
の後付け
推奨ランド寸法(例)
b
ソルダーレジスト
電極パターン
はんだごて 後付け部品
のリード
ランド
ソルダーレジスト
はんだが過多に
なる部分
ソルダーレジスト
2.4 部品の配置
サーミスタを基板にはんだ付けした後の工
程 又 は 取 り 扱 い 中 に 基 板 が 曲 が る と, サ ー
ミスタに割れが発生することがありますの
で, 基 板 の た わ み に 対 し て 極 力 ス ト レ ス が
加 わ ら な い よ う な 部 品 配 置 に し て く だ さ い。
また,発熱素子の近傍に配置する場合,急熱/急冷
によるストレスにも充分注意してください。
(1) 基板のそりやたわみに対して極力機械的ストレ
スが加わらないようなサーミスタ配置の推奨例
を次に示します。
基板のそり
避けたい事例
ソルダーレジスト
a
推奨事例
単位 : mm
部品寸法
形状記号
(JIS)
L
W
T
0 (1005)
1.0
0.5
0.5
0.4~0.5 0.4~0.5 0.4 ~0.5
1 (1608)
1.6
0.8
0.8
0.8~1.0 0.6~0.8 0.6~0.8
a
b
(2) 割板近傍では,サーミスタの取り付け位置によ
り機械的ストレスが変化しますので,次図を参
考にしてください。
E
D
ミシン目
C
A
推奨はんだ量
(b) はんだ量適正
ストレスの作用する方向に
対して横向きに部品を配置
してください。
c
(2) ランドの大きさは左右均等になるように設計し
てください。
左右のランドのはんだ量が異なっているとはん
だ冷却時にはんだ量の多い方が後から固化する
為,片側に応力が働き部品にクラックの入る恐
れがあります。
(a) はんだ量過多
〕
ソルダーレジスト
シャーシ
はんだ
(アースソルダー)
表面実装部品
c
ランド
横置き配置
〔
リード付部品
のリード
2. 基板設計
2.1 基板の選定
アルミナ基板でのご使用は,熱衝撃(温度サイクル)
による性能劣化が予測されます。
ご使用には実基板による品質面での影響がないことを
十分に確認してください。
2.2 ランド寸法の設定
(1) はんだ量が多くなるに従いサーミスタに加わる
ストレスが大きくなり,割れなどの原因になり
ますので基板のランド設計に際しては,はんだ
量が適正になるように形状及び寸法を設定して
ください。
推奨事例
パターン分割による
改善事例
(c) はんだ量過少
B
スリット
ストレスの大きさ A>B=C>D>E
2.3 ソルダーレジストの活用
(1) ソルダーレジストを活用し,左右のはんだ量を
均等にしてください。
(3) 基板分割時にサーミスタに受ける機械的ストレ
スの大きさは,プッシュバック<スリット<V
溝<ミシン目の順となりますので,サーミスタ
の配置と分割方法も考慮してください。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
01
Jun. 2015
車載用 NTC サーミスタ(チップ形)
(4) 位置決め爪が磨耗してくると位置決めの際,サー
ミスタに加わる機械的衝撃が局部的に加わり,サー
ミスタが欠けたり,クラックが発生する場合があ
るので,位置決め爪の閉じ切り寸法を管理し,位
置決め爪の保守及び点検又は交換を定期的に行っ
てください。
(5) 装着時のプリント基板のたわみが大きいと,割
れ,クラックを生じることがありますので,基
板の下にバックアップピンを配置して,プリン
ト基板のそりを 90 mm スパンで 0.5 mm 以下
に設定してください。
(4) ヒータ等の発熱素子の近傍に配置する場合,発
熱素子に直接はんだ付けしたり,ランドを共有
して実装したりすると,熱ストレスによるクラッ
クが発生する場合があります。この様な配置を
ご検討の場合は,あらかじめ弊社へご相談くだ
さい。
2.5 実装密度と部品間隔
部品間隔をつめすぎますとはんだブリッジやはんだ
ボールによる影響が生じますので,部品間隔につい
ては,ご注意ください。
3. フラックスの選定
フラックスはサーミスタの性能に重要な影響を及ぼす場合
があるので,使用する前に次のことを確認してください。
(1) フラックスはハロゲン系物質含有量が 0.1 wt%
(塩素換算)
以下のものを使用してください。また,
酸性の強いものは使用しないでください。
(2) 水溶性フラックスは,洗浄不足によりサーミスタ
表面の絶縁抵抗を低下させる場合がありますので,
使用される場合は十分な洗浄を行ってください。
組み立て上の注意事項
1. 貯蔵・保管
(1) サーミスタを基板に実装する場合は,サーミス
タ本体に実装時の吸着ノズルの圧力や位置ずれ,
位置決め時の機械的衝撃や応力などの過度の衝
撃荷重が加わらないようにしてください。
(2) 実装機の保守及び点検は定期的に行う必要があります。
(3) 吸着ノズルの下死点が低すぎる場合は,実装時,
サーミスタに過大な力が加わり,割れの原因と
なるので,次のことを参考に使用してください。
(a) 吸着ノズルの下死点は,基板のそりを矯正し
て,基板上面に設定し調整してください。
(b) 吸着ノズルの圧力は,静荷重で 1 ∼ 3 N と
してください。
(c) 両面実装の場合は,吸着ノズルの衝撃を極力
小さくするために,基板裏面にバックアップ
ピンをあてがい,基板のたわみを押さえてく
ださい。その代表例を次に示します。
項目
避けたい事例
推奨事例
4.1 リフローはんだ付け
リフローはんだ付けの温度条件は,予熱部(プリヒー
ト部)
,昇温部,本加熱部,徐冷部の温度カーブから
なりますが,サーミスタに急激な熱を加えますとサー
ミスタ内部に大きな温度差により過大な熱応力が生
じ,サーマルクラック発生の原因になりますので温度
差には十分に注意してください。予熱部は,ツームス
トーン(チップ立ち)防止の上でポイントとなる領域
ですので温度管理には十分に注意してください。
項目
① 予熱部
② 昇温部
③ 本加熱部
④ ピーク
⑤ 徐冷部
温度条件
時間,速度
140 ∼ 180 ℃
予熱部温度
∼ピーク部温度
220 ℃以上
260 ℃以下
ピーク部温度
∼ 140 ℃
60 ∼ 120 秒間
2∼5 ℃/秒
60 秒間以内
10 秒間以内
1∼4 ℃/秒
リフローはんだ付け推奨プロファイル(例)
4 ピーク
260
220
△T
2. 基板への実装
4. はんだ付け
温度 (°C)
(1) 保管場所は,高温多湿の場所を避け,5 ∼ 40 ℃,
20 ∼ 70 %RH で保管してください。
(2) 湿気,ほこり,腐食性ガス ( 硫化水素,亜硫酸,
塩化水素,アンモニアなど ) のある場所での保
管は,端子電極のはんだ付け性を劣化させます。
また,熱や直射日光のあたる場所は,テーピン
グ包装品のテープの変形やテープへの部品くっ
つきが発生し,実装時のトラブルの原因となり
ますので注意してください。
(3) 保管期間は,6 ヶ月以内とします。6 ヶ月以上
経過した製品は,使用前にはんだ付け性を確認
して使用してください。
2 昇温部
5 徐冷部
180
140
バックアップピンは必ずしもサーミスタの
真下に位置しなくてもよい。
クラック
片面実装
バックアップ
ピン
1 予熱部
3 本加熱部
60∼120秒間
60秒間以内
時間
△T : 許容温度差 △T<150 °C
両面実装
はんだはがれ
クラック
バックアップ
ピン
(d) 吸着ノズルの下死点が低すぎないように調整
してください。
徐冷部の急冷(強制冷却)は避けてください。サーマ
ルクラックなどの発生原因になります。
はんだ付け直後洗浄液に浸せきする時は,サーミスタの
表面温度が 100 °C 以下であることを確認してください。
上図のリフローはんだ付け推奨プロファイル ( 例 )
条件での 2 回リフローはんだ付けは問題ありませ
ん。但し,基板のそり・たわみについては,十分に
注意してください。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
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4.2 はんだこて付け
はんだこて付けは,急激な温度変化によるストレスが
直接サーミスタ本体にかかりますので,特にはんだこて
先の温度管理には十分に注意してください。
はんだこて先が直接サーミスタ本体及び端子電極に触れ
ないよう注意してください。
サーミスタは,特に急熱・急冷をきらいます。急熱・急
冷を加えますと,サーミスタ内部に大きな温度差により
過大な熱応力が生じ,サーマルクラック発生の原因にな
りますので温度差には十分に注意してください。
はんだこて付けにて一度取り外した製品は使用できません。
(1) 条件 1(予熱あり)
(a) はんだ
: 精密電子機器向けに製品化され
たフラックス塩素量の少ない糸
はんだを使用してください。
(線径;f1.0 mm 以下)
(b) 予 熱
: はんだ温度とサーミスタの表面
温度差が 150 ℃以下となるよ
うに十分な予熱をしてください。
(c) こて先温度 : 300 ℃以下(予め必要量のは
んだをこて先上に溶融させてお
きます。)
(d) 徐 冷
: はんだ付け後は,常温放置し徐
冷してください。
はんだこて付け推奨プロファイル(例)
5.2 洗浄条件
洗浄条件が不適切(洗浄不足,洗浄過剰)な場合は,
サーミスタの性能を損なう場合があります。
(1) 洗浄不足の場合
(a) フラックス残さ中のハロゲン系の物質によっ
て,端子電極などの金属が腐食を生じる場合
があります。
(b) フラックス残さ中のハロゲン系の物質が,
サーミスタの表面に付着し,抵抗値を変化さ
せる場合があります。
(c) 水溶性フラックスは,ロジン系フラックスに
比べて (a) 及び (b) の傾向が顕著な場合があ
りますので,洗浄不足には十分に注意してく
ださい。
(2) 洗浄過剰の場合
(a) 超音波洗浄の場合,出力が大きすぎると基板
が共振し,基板の振動でサーミスタの本体や
はんだにクラックが発生したり,端子電極の
強度を低下させる場合がありますので,次
の条件で行ってください。
超音波出力
: 20 W/L 以下
超音波周波数 : 40 kHz 以下
超音波洗浄時間 : 5 分間以内
5.3 洗浄液の汚濁
洗浄液が汚濁すると,遊離したハロゲンなどの濃度
が高くなり,洗浄不足と同様の結果を招く場合があ
ります。
6. 検査
△T
徐冷
予熱
60∼120秒間
3秒間以内
△T : 許容温度差 △T<150 °C
(2) 条件 2( 予熱なし )
下記の範囲内であれば予熱なしで,はんだこて
付けすることができます。
(a) はんだこて先が直接サーミスタ本体及び端子
電極に触れないこと。
(b) はんだこて先にてランド部を十分に予熱した
後,こて先をサーミスタの端子電極へスライ
ドしてはんだ付けしてください。
サーミスタをプリント基板に実装した後,測定端子ピ
ンにて回路検査をする場合は,測定端子ピンの押し圧
によりプリント基板がたわんでクラックが発生する場
合があります。
(1) プリント基板がたわまないように基板裏面にバック
アップピンを配置して,プリント基板のそりを 90
mm スパンで 0.5 mm 以下に設定してください。
(2) 測定端子ピンの先端部形状に問題がないか,高さが
揃っているか,圧力が強すぎないか,設定位置が正
しいかを確認してください。次図を参考にして基板
がたわまないようにしてください。
項目
避けたい事例
測定端子ピン
推奨事例
測定端子ピン
基板のたわみ
はがれ, われ
バックアップピン
予熱なし こて先条件
項目
こて先温度
ワット数
こて先形状
こて付け時間
条件
270 ℃以下
20 W 以下
f 3 mm 以下
3 秒間以内
5. 洗浄
5.1 洗浄液
洗浄液が不適切な場合は,フラックスの残さその他
の異物がサーミスタの表面に付着し,サーミスタの
性能を劣化させる場合があります。
7. 保護コート
サーミスタをプリント基板に実装した後,防湿,防塵
を目的として実装面に樹脂コートする場合,実際の機
器で保護コートによる品質面での影響がないことを確
認してください。
(1) サーミスタを構成する部材に影響を与える可能性の
ある分解ガスや反応ガスが発生しない材料を選定し
てください。
(2) 樹脂硬化時に,樹脂の収縮や膨張によりサーミスタ
に大きな応力が加わりますと,クラックが発生する
恐れがあります。
設計 ・ 仕様について予告なく変更する場合があります。ご購入及びご使用前に当社の技術仕様書などをお求め願い,それらに基づいて購入及び使用していただきますようお願いします。
なお,本製品の安全性について疑義が生じたときは,速やかに当社へご通知をいただき,必ず技術検討をしてください。
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8. 多面取りプリント基板の分割
9. 機械的衝撃
(1) サーミスタを含む部品を実装後,基板分割作業の際
には,基板にたわみやひねりストレスを与えないよ
たわみ
ひねり
うに注意してください。
基板を分割する際に,基板に下図に示すようなたわ
みやひねりなどのストレスを与えると,サーミスタ
にクラックが発生する場合がありますので,極力ス
トレスを加えないようにしてください。
(2) 基板分割時は,できるだけ基板に機械的ストレスが加
わらないようにするため,手作業による手割を避け ,
分割ジグ又は基板分割装置などを使用してください。
(3) 基板分割ジグの例
基板分割ジグの概要を次に示します。
ジグから遠い部分を持って荷重を加えると基板のた
わみが大きくなるので,ジグに近い部分を持って荷
重を加え基板のたわみが小さくなるようにして分割
してください。
また,基板の荷重面側にはたわみによる引張り応力
が働き,この面に実装されたサーミスタなどの部品
にはクラックが発生する恐れがありますので,でき
る限り部品が実装されていない面を荷重面とするよ
うにして分割してください。
ジグ概要
(1) サーミスタに過度の機械的衝撃を与えないようにし
てください。
サーミスタ本体はセラミックスなので,落下衝撃に
より,破損やクラックが入る場合があります。
落下したサーミスタは,既に品質が損なわれている
場合があり,故障危険率が高くなる場合があります
ので,使用しないでください。
(2) サーミスタを実装した基板を取り扱う場合は,サーミス
タに他の基板などがぶつからないようにしてください。
実装後の基板の積み重ね保管又は取扱い時に,基板の
角がサーミスタに当たり,その衝撃で破損やクラック
が発生し,抵抗値不良やオープンなどに至る場合もあ
ります。
クラック
実装基板
クラック
床
備
考
前述の諸注意事項は代表的なものです。
特殊な実装条件などについては当社にお問い合わせくだ
さい。
V溝
基板
基板分割ジグ
避けたい事例
推奨事例
荷重方向
荷重方向
荷重箇所
基板
V溝
基板
部品
部品
荷重箇所
V溝
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