si-6632m ds jp

3 相 BLDC モータードライバ IC
SI-6632M
データシート
2014 年 3 月 Ver.2.1
MCD 事業部低圧モータグループ
本資料は、3 相 BLDC モータードライバ IC SI-6632M につい
てまとめたものです。
最新情報に関しては、弊社担当部門までお問合せ願います。
1.
はじめに ........................................................................................... 2
2.
特徴 .................................................................................................. 2
3.
製品仕様 ........................................................................................... 2
4.
熱抵抗および減定格図(参考) ...................................................... 4
5.
外形図(参考ランド形状).............................................................. 5
6.
マーキング仕様 ................................................................................ 5
7.
内部ブロック図&ピンアサイン ...................................................... 6
8.
応用回路例 ....................................................................................... 7
9.
真理値表 ........................................................................................... 8
10. 回路構成 ........................................................................................... 9
11. 機能説明 ......................................................................................... 10
12. ご使用に際して .............................................................................. 14
13. 梱包仕様(参考) .......................................................................... 16
14. 代表特性例 ..................................................................................... 17
サンケン電気株式会社
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SI-6632M データシート Ver.2.1
1.
はじめに
本製品は、
主に PAM 制御方式を目的とした 3 相 DC ブラシレスモータ駆動用ドライバ IC です。
ローターの位置検出として 120 度間隔に配置したホール素子からの信号を受け、通電する相を
切り替えてモーターを駆動します。
さらに本製品は制御回路とパワー素子を 1 チップで構成し、小型パッケージ(QFN36)を採用
しているため、基板の実装面積の削減を実現できます。
本資料は、
「SI-6632M」に関する情報をまとめたものです。
2.
特徴
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
主電源電圧 VBB=50V 使用範囲 10V~48V
出力電流 IO(peak)=4.5A IO(DC)=3.0A
出力段の High Side 側に Pch MOSFET を採用し、外付け部品を削減
ホール素子入力対応
周辺回路(ホール素子)へ供給する 5V レギュレータ出力を装備
正逆切替え、出力 ON/OFF 機能搭載
各種保護機能を内蔵、異常を知らせる Alarm 出力を装備
・低電圧保護機能
・過電流保護機能
・過熱アラーム&保護機能(TA:Thermal Alarm/TSD:Thermal Shut Down)
(8) 小型パッケージ(QFN36)を採用
3.
製品仕様
表 3-1 絶対最大定格
特記なき場合、TA=+25°C
項目
記号
条件
規格値
単位
主電源電圧
VBB
50
V
MOSFET 出力耐圧
VDSS
S=GND
50
V
Io(DC)
Duty=100%
±3.0
A
出力電流※
tw<1ms、Duty<10%
Io(peak)
±4.5
A
ロジック入力電圧
-0.3~5.5
VIN
V
モニター出力耐圧
Alarm&FG、Hi-Z
VMON
5.5
V
ホール入力電圧
-0.3~5.5
VHALL
V
S 端子電圧
VS
±0.3
V
許容損失
SK 評価基板
PD
2.9
W
接合部温度
TJ
150
°C
動作周囲温度
-20~85
TA
°C
保存温度
-30~150
TSTG
°C
(※)出力電流値は、Duty 比、周囲温度、放熱条件によって制限される可能性があります。
いかなる使用条件下においても、決して指定された最大出力電流および最大接合部温度
(TJ)を超えないようにしてください。
表 3-2 推奨動作範囲
項目
主電源電圧
Logic 入力電圧
モニター出力電圧
ケース温度
記号
VBB
VIN
VMON
TC
条件
Hi-Z
サンケン電気株式会社
特記なき場合、TA=+25°C
規格値
単位
10~48
V
0~5.5
V
0~5.5
V
105
°C
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表 3-3 電気的特性
項
目
記号
Min.
IBBDIS
IBBENA
IOLEAKL
Out 端子リーク電流
IOLEAKH
RDS(on)L
出力 MOSFET ON 抵抗
RDS(on)H
VSDL
出力MOSFET ダイオード順電圧
VSDH
VINL
Logic 入力電圧
VINH
IINL
Logic 入力電流
IINH
主電源電流
2.2
10
モニター端子オン電圧
VMON
モニター端子リーク電流
IMONLEAK
過電流検出フィルタ時間
過電流保護時間
同相入力電圧範囲
入力オフセット電圧
ホール入力電流
パルス除去フィルタ
REG 出力電流制限
tPDHON
tPDHOFF
tDEAD
VREG
VBBUVH
∆VBBUV
TTSD
∆ TTSD
TTA
∆ TTA
VOCPL
VOCPH
tFLTOC
tOCP
VHCMR
VHIO
IHALL
tHLPF
IREGlim
REG 低電圧保護解除電圧
VREGUVH
入出力遅延時間
OUT 端子デッドタイム
REG 出力電圧
VBB 低電圧保護解除電圧
VBB 低電圧保護ヒステリシス
熱保護回路動作温度
過熱アラーム動作温度
過電流検出電圧
定格
Typ.
4
6
-100
100
0.2
0.4
1.0
1.0
151
0.35
0.7
1.6
1.7
0.8
55
10
125
0.5
1.25
10
-10
4.5
Max.
12
15
1.25
1
350
5
8.5
0.4
170
30
130
10
2
3.5
2
2
0.2
-10
-10
5.45
9.75
4.8
10
10
1
5
特記なき場合、TA=+25°C、VBB=24V
単
条 件
位
mA VENA=5V
mA VENA=0V
µA VOUT=0V
VBB=50V
µA VOUT=VBB
Ω IOUT=2A、VS=0V、TJ=25°C
Ω IOUT=-2A、TJ=25°C
V IOUT=-2A
V IOUT=2A
V
Ena、DIR
V
µA VIN=0V
Ena、DIR
µA VIN=5.5V
IMON=2mA
V
出力 ON 時
Alarm、FG
VMON=5.5V
µA
出力 OFF 時
µs HALL入力→出力オン
µs HALL入力→出力オフ
ns
V VENA=5V、IREG=0mA
V VBB rising
V Hysteresis
°C Temperature rising
°C Hysteresis
設計保証
°C Temperature rising
°C Hysteresis
V Low Side 検出、OUT~GND間電圧
V High Side 検出、VBB~OUT 間電圧
µs
ms Out 端子オフ
V
mV 設計保証
µA VHIN=0.2~5V
µs
mA
VREG VREG
V VREG rising
-0.1
×0.95
※特記なき場合、電流は製品から流れ出す方向を‘-’とします。
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熱抵抗および減定格図(参考)
●測定基板
・SK 評価基板使用
・寸法:縦 60mm×横 77mm×厚 1.7mm(ただし、コネクタ差し込み部含まず)
・配線層数:2 層(両面)
図 4-1 パターン図
表面(部品面)
裏面
●熱抵抗
・Tj-a 間熱抵抗 θj-a=43.0°C /W
・Tc-a 間熱抵抗 θc-a=39.5°C /W
・Ttab-a 間熱抵抗 θtab-a=34.5°C /W
※Ta:周囲温度
Tj:ジャンクション温度
Ttab:製品裏面部スルーホール部温度
Tc:製品上部表面温度
図 4-2 温度測定箇所
Tc
Tj
樹脂
チップ
フレーム
基板
スルーホール
Ttab
図 4-3 減定格図
3.5
パッケージ許容損失 PD [W]
Allowable Package Power Dissipation
4.
※サンケン評価基板使用
3.0
θJ-A=43°C/W
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
周囲温度 TA [°C]
Ambient Temperature
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5.
外形図(参考ランド形状)
Unit : mm
図 5-1 外形図(サーマルパット付き QFN36Pin パッケージ)
図 5-2 参考ランド形状
(赤線部分)
・端子材質:Cu
・端子処理:Ni+Pd+Au(鉛フリー)
・リード間隔の許容誤差は累積とはなりません
6.
マーキング仕様
区分
製造年
S I 6 6 3 2 M
S K
① ② ③
④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧
1pin
T
マーク№
内訳
①
西暦年号下1桁
製造月
1~9 月 :
10 月 :
製造月
②
11 月 :
12 月 :
製造日 1~10 日 :
製造週
③
11~20 日 :
21~31 日 :
管理コード ④~⑧
―――
サンケン電気株式会社
「1~9」
「O」(オー)
「N」
「D」
「1」
「2」
「3」
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7.
内部ブロック図&ピンアサイン
図 7-1 SI-6632M 内部ブロック図
Reg
VBB
9
Alarm
13
14
TSD/TA
21
UVLO
Regulator
Highside Drive
35
OC detect
FG
OCP
Logic
7
OutU
Lowside Drive
S
VBB
Ena
DIR
20
Highside Drive
8
30
OC detect
OutV
Lowside Drive
HuHv+
HvHw+
Hw-
11
10
17
16
19
18
+
+
-
S
Control
Logic
Commutation Logic
Hu+
Hall Amp
VBB
Highside Drive
+
OutW
Lowside Drive
-
6
22
32
Gnd
端子番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
28
OC detect
名称
機能
N.C.
内部未配線
Gnd※
FG
DIR
Reg
Hu-
Hu+
N.C.
VBB※
VBB※
N.C.
Hv-
Hv+
Hw-
製品 Gnd 端子
回転速度パルス出力
電流方向切替入力
レギュレータ出力端子
U 相-ホール入力端子
U 相+ホール入力端子
内部未配線
主電源端子
内部未配線
V 相-ホール入力端子
V 相+ホール入力端子
W 相-ホール入力端子
端子番号
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
33
S
名称
Hw+
Ena
Alarm
Gnd※
機能
W 相+ホール入力端子
Enable 入力端子
アラーム出力端子
製品 Gnd 端子
N.C.
内部未配線
OutW
N.C.
OutV
N.C.
S※
S※
N.C.
OutU
N.C.
W 相出力端子
内部未配線
V 相出力端子
内部未配線
Lowside MOS
ソース端子
内部未配線
U 相出力端子
内部未配線
※同名称の端子は、IC 直近で接続してご使用ください。
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8.
応用回路例
図 8-1 応用回路例
+
C2
R1
C1
VBB
CA
R2
Reg
VBB
FG
Alarm
OutU
Ena
DIR
Hu+
SI-6632M
Hu-
OutV
Hv+
HvHw+
HwGnd
OutW
S
注)端子が 2 本ある VBB 端子、S 端子、Gnd 端子は、2 本とも IC 直近で接続してご使用くだ
さい。 1 本のみでは電流耐量が不足します。
参考定数
r1=100KΩ
r2=100KΩ
r10=10KΩ
CA=100µF/63V
C1=0.1µF
C2(※)=1µF
※ 5V レギュレータの安定動作のために必須です。
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9.
真理値表
9.1. 入出力論理
ロジック入力(Ena、DIR)およびホール入力(Hu、Hv、Hw)に対する出力(OutU、OutV、OutW、FG)
の論理を以下に示します。
表 9-1 入出力論理
入力
出力
Ena
DIR
Hu
Hv
Hw
OutU
OutV
OutW
FG
H
X
X
X
X
Z
Z
Z
High
+
-
+
L
L
High
Low
Z
Low
L
L
+
-
-
High
Z
Low
Low
L
L
+
+
-
Z
High
Low
High
L
L
-
+
-
Low
High
Z
High
L
L
-
+
+
Low
Z
High
High
L
L
-
-
+
Z
Low
High
High
L
H
+
-
+
Low
High
Z
High
L
H
+
-
-
Low
Z
High
High
L
H
+
+
-
Z
Low
High
High
L
H
-
+
-
High
Low
Z
Low
L
H
-
+
+
High
Z
Low
Low
L
H
-
-
+
Z
High
Low
High
L
+
+
+
X
Z
Z
Z
High
L
-
-
-
X
Z
Z
Z
High
・Ena 端子および DIR 端子はプルダウン抵抗内蔵しており、端子オープン時の入力論理は
‘L’となります。
・’X’:don’t care
・’Z’:High impedance
・Hu、Hv、Hw: ’+’=H+>H- 、’-’ =H+<H・FG 出力端子はオープンドレイン構成となっていますので、ご使用の際は Reg 端子に対し
抵抗(100KΩ 程度)でプルアップして下さい。
・モーターが U 相ハイサイド出力の論理反転するタイミングでロックした場合にモーター
が振動しホール素子信号が高周波で入力された場合には、U 相ハイサイド出力と FG 出力
はホール素子入力周波数に反応し出力されます。
9.2. Alarm 出力論理
Alarm 出力端子はオープンドレイン構成となっていますので、ご使用の際は Reg 端子に対し抵抗
(100K Ω程度)でプルアップして下さい。
以下に Alarm 端子の論理を示します。
出力論理
判定結果
状態
L
異常検知
・UVLO(VBB、Reg)
・TSD(アラーム、シャットダウン)
・OCP 検知後の OFF 期間
H
正常
Alarm
モーター駆動可能状態
※主電源の立上げ/立下げ時など Reg 出力が安定するまでは、Alarm 出力は不定となります。
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10. 回路構成
・Hall Amp
ブラシレスモ ー タ の 位置を検 出 す るホ ー ル素 子 からの 信 号 を増 幅 してロジッ ク 信号 へ 変 換 し、
Commutation Logic 回路へ位置信号として伝達するための回路となります。
・Commutation Logic 回路
Hall Amp からの位置信号と DIR 入力の組合せに応じて、出力のオンとオフの組合せ信号(励磁信号)
を生成する回路となります。
・Control Logic 回路
Commutation Logic、各保護回路、外部端子からの信号を合成し、出力 MOSFET をコントロールす
る信号を生成する回路です。
・Regulator 回路
内部制御回路および周辺部品(ホール素子など)を駆動するための 5V の電圧を生成する回路です。
Reg 端子-Gnd 間には、必ず直近で 1µF のコンデンサを取り付けて使用してください。これは
Regulator 回路の安定動作に必要です。
・Highside Drive 回路
Control Logic 回路からの信号を受け、ハイサイド Pch MOSFET のゲートを駆動する回路となります。
・Lowside Drive 回路
Control Logic 回路からの信号を受け、ローサイド Nch MOSFET のゲートを駆動する回路となります。
・OC(Over-Current)detect 回路
負荷短絡(モーターコイルショート)時など、出力 MOSFET に過電流が流れたことを検知する回路となり
ます。MOSFET のオン電圧を監視し、規定以上に上昇した場合に過電流が流れたと判断、異常信号
を発生します。
・OCP(Over-Current Protection)Logic 回路
OC detect 回路で検知した異常信号を受け、全ての出力を一定期間(tOCP)の間 Disable にする回路
です。tOCP 経過後、出力は再び Enable 状態へと自動的に復帰します。
なお tOCP の期間中は、Alarm 出力が「Low」になります。
・UVLO(Under Voltage Lock Out)回路
VBB 端子および Reg 端子それぞれの電圧を監視し、制御電圧として不十分な電圧の場合には、全て
の出力が Disable になるとともに Alarm 出力が「Low」になります。
・TA/TSD(Thermal Alarm / Thermal Shut Down)回路
製品温度(制御 IC 上)を監視する回路です。規定温度以上に達した時点で、過熱アラームや全出力を
Disable にするための信号を生成する回路です。
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11. 機能説明
11.1. 通常動作
以下に各ホール入力条件に対する各出力の動作図を示します(DIR=Low 時)。
基本的には、表 9-1 の入出力論理に準じます。
また出力の相切り換え(Low→Z & High→Z)の際には、コイルに蓄えられた逆起電力が発生します。
図 11-1 通常動作時の動作波形図
DIR=Low
ホール入力
Hu
+
-
Hv
+
-
Hw
+
-
OutU
部:逆起電力
OutV
出力電圧
OutW
FG
IoU
出力電流
各Ioは、ドライバに流れ込む
方向を「+」として表示
IoV
IoW
タイミング
① ② ③ ④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨ ⑩
⑪
⑫
①
②
③
④
図 11-2 通常動作時の電流経路
タイミング①
タイミング②
+
+
U
+
- W
OutW
OutV
+
V -
W
OutU OutW
タイミング⑦
OutV
-
-
+
W
V +
OutV
-
OutV
W
OutU OutW
OutU OutW
OutV
OutV
+ W
OutU OutW
V +
OutV
-
OutV
OutU OutW
+
W
V +
OutU OutW
OutV
OutU
タイミング⑫
+
U
+
+ W
-
タイミング⑪
U
+
V -
U
+
+
W
OutU OutW
タイミング⑩
+
V +
-
V
-
タイミング⑥
U
-
+
W
U
+
V +
-
タイミング⑨
U
+
タイミング⑤
+
U
-
OutU OutW
タイミング⑧
U
OutW
U
-
+
V -
タイミング④
+
U
-
+ W
タイミング③
U
-
+ W
V
OutV
サンケン電気株式会社
OutU OutW
+
V
+ W
-
OutV
OutU OutW
+
V -
OutV
OutU
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11.2. 低電圧保護(UVLO)動作
VBB 端子および Reg 端子には、低電圧保護(UVLO)が備わっており、それぞれの端子電圧が内部回
路を十分駆動する電圧以上にならないと IC が動作しない設計となっています。
具体的には、VBB 端子および Reg 端子の両方の電圧が規定の閾値電圧を超えていないと、全ての出
力が OFF して Alarm 端子が Low になります。
図 11-3 低電圧保護動作の動作波形図の例
VBBUVLOH
VBB
VBBUVLOL
0
Reg
VREGUVLOL
Reg負荷
電流大
5V
VREGUVLOH
VREGUVLOL
0
不定
不定
Alarm
0
異常動作
(出力OFF)
異常動作
(出力OFF)
正常動作
正常動作
異常動作
(出力OFF)
※Alarm 端子は、VBB 端子が低く内部回路が機能していない状態では「不定」となります。
(Alarm 端子は、Reg 端子に抵抗でプルアップしたときの図になっています。)
11.2.1.
過電流保護(OCP)動作
本製品には、MOSFET がオンしたときに規定以上のオン電圧(出力電圧)が生じたときに働く
過電流保護(OCP)が備わっています。
OCP が働くと全ての出力が一定時間オフし、その後再びオンに復帰する動作となります。
本 OCP が機能する状態の例を示します。
図 11-4 起動時の過電流保護動作の例
Io
0
VBB+VF
Vout不定(Hgih Z)
Vout
VOCPL
VOCPL
0
tOCP(全出力Disable)
Alarm
0
※Vout は Lowside オン相のみ記載
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図 11-5 負荷(コイル)短絡時の過電流保護動作の例
異常発生
Io
0
Vout
VOCPL
Vout不定(Hgih Z)
VOCPL
0
tOCP(全出力Disable)
Alarm
0
※Vout は Lowside オン相のみ記載
図 11-6 出力端子天絡時の過電流保護動作の例
異常発生
Io
0
VBB
Vout
VOCPL
VOCPL
0
tOCP(全出力Disable)
Alarm
0
図 11-7 出力端子地絡時の過電流保護動作の例
異常発生
Io
0
VBB
VOCPH
VOCPH
Vout
0
tOCP(全出力Disable)
Alarm
0
サンケン電気株式会社
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11.3. 過熱アラーム(TA)&過熱保護(TSD)動作
本製品の過熱に対する動作として 2 つの機能を有しています。
①過熱アラーム動作:ジャンクション温度が TTA を超えると Alarm 出力が Low になります。
アラームが出力(Low)してもドライバ IC は Enable を継続します。
②過熱保護動作:Alarm が出力(Low)されている状態で、更に温度上昇をして TTSD を超える
と、全ての出力がオフします。
図 11-8 温度と TA と TSD の動作の関係
Alarm
0
出力状態
Enable
Disable
ΔTTA
ジャンクション
温度(TJ)
ΔTTSD
TTA
サンケン電気株式会社
TTSD
高
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12. ご使用に際して
12.1. 過熱保護機能に関して
本機能は、過度の温度上昇による製品破壊を防止することを目的としており、動作温度は保証温度
(TJ)より高く設定してあります。
本機能は定常的に動作させるものではありませんので、本機能が動作しないような熱設計をお願い
します。
12.2. 過電流保護機能に関して
本機能は、何らかの異常によりパワー素子に過大電流が流れた場合の製品破壊を防止するのを目的
としており、動作電流値は最大定格(4.5Apeak)より高く設定してあります。
本機能は定常的に動作させるものではありませんので、通常動作時には本機能が動作しないような
設計をお願いします。
12.3. 保護回路動作について
本製品は過電流保護回路と過熱保護回路を搭載しておりますが、これらの保護回路はドライバに
過大なエネルギーが加わった事を検知して働きます。
したがいまして、デバイスに加わったエネルギーがドライバの許容範囲を越えた場合には保護で
きません。
12.4. モニター出力端子(Alarm、FG)
製品内部は図 7-1 のブロック図にあるように、オープンドレイン出力となっています。ご使用の
際はプルアップ抵抗を接続、ご使用にならない場合は開放または Gnd に接続して下さい。
なお、表 3-1 にあるように出力耐圧は 5.5V となっております。主電源(VBB)系へのプルアッ
プは破壊へと至ります。
12.5. 診断結果出力(Alarm 端子)に関して
電源電圧 VBB が低い場合(VBB 立上げ/立下げ時)や Reg 端子の電流制限が働いているとい
った Reg 出力電圧が低い状態では、内部回路の動作が不完全なために正しい診断結果を出力しな
い場合があります。
12.6. VBB 端子、S 端子、Gnd 端子について
IC には 2 つ端子がありますので、必ず IC の直近で接続して下さい。
1 端子では電流耐量が不足し、仕様を満たしません。
12.7. Reg 端子について
・Reg 端子-Gnd 間には、必ず直近で 1µF のコンデンサを取り付けてご使用下さい。このコンデ
ンサは Reg 出力の負荷変動に伴う電圧変動を軽減するだけでなく、製品搭載のレギュレータの
安定動作に必要です。
・レギュレータには出力電流に制限が設けてあります。表 3-3 の IREGlim 以上の電流値で制限がか
かり、垂下型の電流制限特性となります。なお Reg 端子電圧は UVLO 回路で監視しており、電
圧が低下すると出力 MOSFET は Disable となります。
・Reg 端子の負荷電流 IREG によるレギュレータでの損失 PDREG は、主電源電圧 VBB、Reg 端子の
出力電圧 VREG とすると、
PDREG  VBB  VREG   I REG
となりますのでご注意願います。
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12.8. その他の注意事項
本製品は MOS 回路を使用していますので、以下の内容に注意して下さい。
・静電気の発生しやすいときには、室内の湿度の管理を十分に行って下さい。
特に冬期は静電気が発生しやすいので、十分な注意が必要です。
・静電気が IC に印加されないように入力端子などからの配線やアッセンブル順序に注意して下
さい。プリント基板の端子などを短絡して同電位にする配慮も必要です。
・OUT 端子(Out U、Out V、Out W)の静電気耐量は、以下のようになります。
Machine Model:±100V
Human Body Model:±1000V
静電気によるデバイスの劣化や破壊を防止するために、デバイスを取り扱う環境で、帯電した
物体の静電電圧を抑えることが必要です。そのためには、静電気の発生をできるだけ低く抑え
ることと、発生し帯電した電荷をすばやく逃がすことが必要です。
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13. 梱包仕様(参考)
13.1. 出荷形態、巻き数
出荷形態
テーピング
※
巻き数
2500pcs/巻
※製品ロットはコンバイン
13.2. テーピング材料、寸法
○エンボステープ
Ao=6.30
Bo=6.30
Ko=1.10
(単位:mm)
○リール
テープ幅:16.0mm
W1:17.5±1.0 mm
W2:21.5±1. 0mm
(単位:mm)
13.3. 保管条件
①保管環境は温度 5~30℃・相対湿度 90%以下とし、保管期限は梱包日から 12 か月以内としてく
ださい。開封後は温度 5~30℃・相対湿度 70%以下で保管してください。
②上記①の保管期限を過ぎた場合は、125℃、20 時間のベーキングを行って下さい。
なお、テーピング包装品のテープ及びリールは耐熱仕様ではありません。
ベーキング処理を行う場合は「Heatproof」または温度表示があり静電対策を施した容器に移し
変えた上でベーキングを行って下さい。
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14. 代表特性例
(1)出力 MOS FET オン電圧 VDS(on)特性
0.8
H/S
0.7
オン抵抗 RDS(on) [Ω]
0.6
0.5
0.4
L/S
0.3
0.2
0.1
0
-25
0
25
50
75
100
125
150
ジャンクション温度 TJ [°C]
(2)出力 MOS FET ボディダイオード順方向電圧 VF 特性
1.2
3A
ボディダイオード順電圧 VF [V]
1.1
L/S
1.0
H/S
2A
L/S
0.9
H/S
1A
0.8
L/S
0.7
H/S
0.6
-25
0
25
50
75
100
125
150
ジャンクション温度 TJ [°C]
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使用上の注意 CAUTION/ WARNING
本書に記載されている動作例及び回路例は、使用上の参考として示したもので、これらに起因する弊社もしく
は第三者の工業所有権、知的所有権、その他の権利の侵害問題について弊社は一切責任を負いません。
Application and operation examples described in this document are quoted for the sole purpose of reference for the use
of the products herein and Sanken can assume no responsibility for any infringement of industrial property rights,
intellectual property rights or any other rights of Sanken or any third party which may result from its use.

弊社は品質、信頼性の向上に努めていますが、半導体製品では、ある確率での欠陥、故障の発生は避けられま
せん。部品の故障により結果として、人身事故、火災事故、社会的な損害等を発生させないよう、使用者の責
任に於いて、装置やシステム上で十分な安全設計及び確認を行ってください。
Although Sanken undertakes to enhance the quality and reliability of its products, the occurrence of failure and defect
of semiconductor products at a certain rate is inevitable. Users of Sanken products are requested to take, at their own
risk, preventative measures including safety design of the equipment or systems against any possible injury, death,
fires or damages to the society due to device failure or malfunction.

本書に記載されている製品は、一般電子機器(家電製品、事務機器、通信端末機器、計測機器など)に使用さ
れることを意図しております。ご使用の際は、納入仕様書に署名または押印の上ご返却をお願いいたします。
高い信頼性が要求される装置(輸送機器とその制御装置、交通信号制御装置、防災・防犯装置、各種安全装置
など)への使用をご検討の際には、必ず弊社販売窓口へご相談及び納入仕様書に署名または押印の上、ご返却
をお願いいたします。
極めて高い信頼性が要求される装置(航空宇宙機器、原子力制御、生命維持のための医療機器など)には弊社
の文書による合意が無い限り使用しないでください。
Sanken products listed in this document are designed and intended for the use as components in general purpose
electronic equipment or apparatus (home appliances, office equipment, telecommunication equipment, measuring
equipment, etc.). Please return to us this document with your signature(s) or seal(s) prior to the use of the products
herein.
When considering the use of Sanken products in the applications where higher reliability is required (transportation
equipment and its control systems, traffic signal control systems or equipment, fire/crime alarm systems, various safety
devices, etc.), please contact your nearest Sanken sales representative to discuss, and then return to us this document
with your signature(s) or seal(s) prior to the use of the products herein.
The use of Sanken products without the written consent of Sanken in the applications where extremely high reliability
is required (aerospace equipment, nuclear power control systems, life support systems, etc.) is strictly prohibited.
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弊社のデバイスをご使用、またはこれを使用した各種装置を設計する場合、定格値に対するディレーティング
をどの程度行うかにより、信頼性に大きく影響いたします。
ディレーティングとは信頼性を確保または向上するため、各定格値から負荷を軽減した動作範囲を設定したり、
サージやノイズなどについて考慮することを言います。ディレーティングを行う要素には、一般的には電圧、
電流、電力などの電気的ストレス、周囲温度、湿度などの環境ストレス、半導体デバイスの自己発熱による熱
ストレスがあります。これらのストレスは、瞬間的数値或いは最大値、最小値についても考慮する必要があり
ます。
なおパワーデバイスやパワーデバイス内蔵 IC は、自己発熱が大きく接合部温度(Tj)のディレーティングの程
度が、信頼性を大きく変える要素となりますので十分にご配慮ください。
In the case that you use our semiconductor devices or design your products by using our semiconductor devices, the
reliability largely depends on the degree of derating to be made to the rated values. Derating may be interpreted as a
case that an operation range is set by derating the load from each rated value or surge voltage or noise is considered for
derating in order to assure or improve the reliability. In general, derating factors include electric stresses such as
electric voltage, electric current, electric power etc., environmental stresses such as ambient temperature, humidity etc.
and thermal stress caused due to self-heating of semiconductor devices. For these stresses, instantaneous values,
maximum values and minimum values must be taken into consideration.
In addition, it should be noted that since power devices or IC’s including power devices have large self-heating value,
the degree of derating of junction temperature (Tj) affects the reliability significantly.

本書に記載されている製品のご使用にあたって、これらの製品に他の製品・部材を組み合わせる場合、或いは、
これらの製品に物理的、化学的その他何らかの加工・処理を施す場合には、使用者の責任に於いてそのリスク
をご検討の上行ってください。
When using the products specified herein by either (i) combining other products or materials therewith or (ii) physically,
chemically or otherwise processing or treating the products, please duly consider all possible risks that may result from
all such uses in advance and proceed therewith at your own responsibility.
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本書に記載された製品は耐放射線設計をしておりません。
Anti radioactive ray design is not considered for the products listed herein.

弊社物流網外での輸送、製品落下等によるトラブルについて弊社は一切責任を負いません。
Sanken assumes no responsibility for any troubles, such as dropping products caused during transportation out of
Sanken’s distribution network.
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