si-80xxsdseries an jp

SI-8000SD
アプリケーション ノート
面実装 3A チョッパ型スイッチングレギュレータIC
SI-8000SDシリーズ
第 3 版 2011 年 11 月
サンケン電気株式会社
EI00062-7
SI-8000SD
---
目次
---
1.概要
1-1 特長
----------
3
1-2 主な用途
----------
3
1-3 種別
----------
3
2-1 外形図
----------
4
2-2 定格
----------
5
2-3 回路図
----------
6
3-1 PWM 出力電圧制御
----------
7
3-2 過電流・過熱保護
----------
8
4-1 外付部品選定上の注意
----------
9
4-2 パターン設計上の注意
----------
14
4-3 動作波形の確認
----------
15
4-4
----------
16
4-5 熱設計
----------
21
5-1 ソフトスタート
----------
22
5-2 出力 ON・OFF 制御
----------
22
5-3 出力電圧可変
----------
23
5-4 スパイクノイズの低減
----------
25
5-5 逆バイアス保護
----------
25
6.熱減定格
----------
26
7.代表特性例
----------
27
8.用語解説
----------
29
2.製品仕様
3.SI-8000SDシリーズの動作説明
4.使用に際しての注意事項
電源の安定性
5.応用
2
SI-8000SD
1.概要
SI-8000SD シリーズは、降圧スイッチングレギュレータに必要な各種の機能と保護機
能を備えたチョツパ型スイッチングレギュレータICです。4点の外付け部品で高精度
高能率のスイッチングレギュレータを構成することが出来ます。
●1-1
特長
・小型大出力電流3A
TO263-5面実装の外形で、出力電流が最大3Aです。
・高効率84%(SI-8050SD VIN=20V/IO=1A)
高効率の為発熱が小さく、放熱器も小型にする事が出来ます。
・外付部品4点
入出力コンデンサ、ダイオード、コイルのみでレギュレータを構成出来ます。
・出力電圧、位相補正内部調整済
面倒な外付部品による出力電圧、位相補正の調整は不要です。
・タイミングコンデンサ内蔵型基準発振
発振周波数設定用の外付コンデンサは不要です。
・過電流、過熱保護内蔵
垂下型過電流保護及び過熱保護回路を内蔵しています。(自動復帰型)
・ソフトスタート機能(出力 ON/OFF 可能)
外付コンデンサの追加で、起動時に出力電圧立ち上がり速度を遅らせる事が
出来ます。又出力の ON/OFF 制御も可能です。
。
●1-2
主な用途
・オンボードローカル電源
・OA機器用電源
・レギュレータ2次側出力電圧安定化
・テレコム用電源
●1-3
種別
・種別:半導体集積回路(モノリシックIC)
・構造:樹脂封止型(トランスファーモールド)
3
15.30±0.30
5-0.80±0.10
φ 1.50 Dp : ±0.20
4-[1.70±0.25]
(0.50)
(R0.30)
0~6°
4.
5.
3.
Vos
SS
2.54
±0.30
(R0.30)
2.40±0.20
(3°)
+0.15
-0.10
+0.10
-0.05
0.10
1.30
PIN assignments
1.
VIN
2.
SWOUTO
GND
3-(R0.30)
端子配列
(3°)
(3°)
4.50±0.20
15.30±0.30
9.20±0.20
(4.60)
(0.40)
4-[1.70±0.25]
(6.80)
注記
1) 寸法はモールドバリを含まない。
2) ( )内は参考寸法を示す。
3) [ ]内はリードフォーミング後寸法
4) 裏面段差:0.8mmMAX
5) 単位:mm
5-0.80±0.10
2x(R0.45)
(4.40)
(8.00)
外形図
4.90±0.20
(15°)
2.00±0.10
●2-1
(0.75)
9.90±0.20
(1.75)
10.00±0.20
SI-8000SD
単位:㎜
2.製品仕様
(面実装:TO263-5)
製品質量:約 1.48g
Products Weight:Approx.1.48g
4
4.90±0.20
9.20±0.20
SI-8000SD
●2-2
定格
ラインナップ
絶対最大定格
品名
VOUT(V)
項目
記号
SI-8033SD
3.3
入力電圧
VIN
43 *1
V
SI-8050SD
5
許容損失 *2
Pd1
3
W
放熱板未使用時許容損失
Pd2
1.5
W
接合部温度
Tj
125
゚C
保存温度
Tstg
-40~+125
゚C
SW端子印加逆電圧
Vsw
-1
V
定格値
単位
*1:SI-8033SD は 35V です。
*2
ガラエポ片面基板 40×40 ㎜(銅箔エリア 100%時
推奨動作条件
項目
記号
SI-8033SD
SI-8050SD
単位
直流入力電圧
VIN
5.5~28
7~40
V
出力電流
IO
0~3
動作時接合温度
Tjop
-30~+125
*3
*3
A
゚C
但し、Tjmax を超えない範囲で使用する必要があります
電気的特性
(Ta=25 ゚ C)
項目
記号
Vo
SI-8033SD
SI-8050SD
単位
min typ max min typ max
3.17 3.30 3.43 4.80 5.00 5.20
V
設定出力電圧
条件
VIN=15V/Io=1A
VIN=20V/Io=1A
η
79
84
条件
VIN=15V/Io=1A
VIN=20V/Io=1A
f
60
60
条件
VIN=15V/Io=1A
VIN=20V/Io=1A
25
40
%
効率
kHz
スイッチング周波数
入力電圧対出力電圧 ⊿Voline
(Iout=1A)
条件
VIN=10~30V
10
10
条件
Is
100
VIN=8~28V
出力電流対出力電圧 ⊿Voload
(Iout=0.5~1.5A)
80
30
VIN=15V
3.1
40
mV
mV
VIN=20V
A
3.1
過電流保護開始電流
出力電圧温度変動
条件
VIN=15V
VIN=20V
Kt
± 0.5
± 0.5
mV/゚ C
5
SI-8000SD
●2-3
回路図
2-3-①
VIN
内部等価回路図
1
SI-8000SD
VIN
VOUT
過電流保護
内部電源
Overcurrent
protection
Internal
regulator
発振器
リセット
Oscillator
ラッチ & ドライバ
Reset
Latch & driver
D1
過熱保護
コンパレータ
Thermal
shutdown
Compalator
C1
L1
2
SWOUT
C2
VOS
4
エラーアンプ
Error amp
基準電圧
Reference
voltage
S.S
GND
5
3
GND
C3
2-3-②
標準接続図
1
VIN
GND
VIN
SWOUT
SI-8000SD
C1
S.S
VOS
L1
2
VOUT C1 :50V/1000μF
C2 :50V/1000μF
4
C3 :0.01μF
GND
5
3
D1
C2
(ソフトスタート
機能を使用時のみ)
C3
GND
L1 :150μH
GND
D1 :SPB-G56S(サンケン製)
(made by Sanken)
6
SI-8000SD
3.SI-8000SD の動作説明
●3-1
PWM出力電圧制御
SI-8000SD シリーズは、PWM方式にて出力電圧を制御しており、PWMコンパレー
タ、発振器、誤差増幅器、基準電圧、出力トランジスタドライブ回路、等を内蔵してお
ります。
PWMコンパレータの入力には発振器からの三角波出力(≒60KHz)と誤差増
幅器の出力が与えられます。PWMコンパレータは発振器出力と誤差増幅器出力を比較
し、発振器出力に対し誤差増幅器出力が上回った時間にスイッチングトランジスタがO
Nになるよう制御しています。
PWM制御チョッパ型レギュレータ基本構成
VOUT
スイッチングトランジスタ
VIN
PWMコンパレータ
D1
誤差増幅器出力と発振器出力を
C2
PWMコンパレータで比較し、
ドライブ回路
方形波のドライブ信号をさせて
誤差増幅器
スイッチングトランジスタを
発振器
ドライブする。
基準電圧
仮に出力電圧が上昇しようとした場合、誤差増幅器は反転型のため誤差増幅器の出力
は低下します。誤差増幅器出力が低下しますと発振器の三角波レベルを下回る時間が増
加しスイッチングトランジスタのON時間を短縮させる事により出力電圧を一定に保
ちます。このようにスイッチングの周波数は固定したままで、スイッチングトランジス
タのON時間を変化させる事により出力電圧を制御しています。
(Vin が高い程スイッチングトランジスタのON時間は短くなります。)
PWMコンパレータ動作図
発振器出力
誤差増幅器出力
ON
OFF
スイッチングトランジスタ出力
スイッチングトランジスタの方形波出力は、チョークコイルとコンデンサによるLCロ
ーパスフィルターにより平滑され、安定化された直流電圧として負荷へ供給される事に
なります。
7
SI-8000SD
●3-2
過電流・過熱保護
過電流時出力電圧特性
出力電圧
ここで周波数が低下
出力電流
SI-8000SD シリーズは、垂下型過電流保護回路を内蔵しています。過電流保護回路は
スイッチングトランジスタのピーク電流を検出し、ピーク電流が設定値を超えると強制
的にトランジスタのON時間を短縮させて出力電圧を低下させ電流を制限しています。
更に出力電圧が定格値の約 50%まで低下しますとスイッチング周波数を約 30KHz に落と
し低出力電圧時の電流増加を防止しています。過電流状態を解除すると出力電圧は自動
的に復帰します。
過熱保護時出力電圧特性
出力電圧
復帰設定温度
保護設定温度
接合温度
過熱保護回路は、ICの半導体接合温度を検出し、接合温度が設定値を超えると出力
トランジスタを停止させ、出力をOFFとします。接合温度が過熱保護設定値より約
15℃程度低下しますと自動的に復帰します。
※(過熱保護特性)注意事項
瞬時短絡等の発熱に対しICを保護する回路であり、長時間短絡等、発熱が継続する
状態での信頼性を含めた動作を保証するものではありません。
8
SI-8000SD
4.使用に際しての注意事項
●4-1
外付部品選定上の注意
4-1-①
チョークコイルL1
チョークコイルL1は、チョッパ型スイッチングレギュレータの中心的役割を果たし
ています。レギュレータの安定動作維持のため、飽和状態での動作や、自己発熱による
高温動作等の危険な状態は回避しなくてはなりません。チョークコイル選定のポイント
としては以下の事項が挙げられます
a)スイッチングレギュレータ用である事
ノイズフィルタ用のコイルは、損失が大きく発熱が大となりますのでご使用を避けて
下さい。
b)インダクタンス値が適正である事
チョークコイルのインダクタンスは、大きい程コイルを流れるリップル電流が減尐し
出力リップル電圧が小さくなりますが、コイルの外形は大形になります。逆に小さなイ
ンダクタンスとすると、スイッチングトランジスタやダイオードを流れるピーク電流が
増大して損失が増加し、リップル電圧も大きくなり安定動作確保の上で好ましくありま
せん。
インダクタンス大
リップル電圧・電流小
C2
インダクタンス小
リップル電圧・電流大
C2
インダクタンスが大きい程、リップル電流・電圧は小さく
インダクタンスが小さい程、リップル電流・電圧は大きく
なる。但し、コイルの外形は大きくなる。
なる。但し、コイルの外形は小さくなるが、不安定
動作になりやすい。
仕様書に示すインダクタンス値は、安定動作に適した目安の値でありますが、(1)
式によって適当なインダクタンス値を求めることもできます。
ここで、ΔIL はチョークコイルのリップル電流値を示し、大略下記の目安に従って設定
します。
・使用出力電流が SI-8000SD の最大定格(3A)に近い場合:出力電流×0.2~0.3 倍
・使用出力電流が大略 1A 以下の場合:出力電流×0.3~0.4 倍
9
SI-8000SD
L1 
例えば
(VIN  VOUT )  VOUT
IL  VIN  f
VIN=25V.
L1 
VOUT=5V.
ΔIL=0.5A.
---(1)
周波数=60KHz
とすると、
(25  5)  5
≒133uH
0.5  25  60  103
となりますので、インダクタンスが約 130uH のコイルを選択すればよい事になります。
但し、算出されたインダクタンス値によってはスイッチングトランジスタのピーク電流
が増大します。その結果、過電流検出にピーク電流検出方式を採用している為、過電流
検出ポイントが低下する場合があります。
c)定格電流を満足する事
チョークコイルの定格電流は、使用する最大負荷電流より大きくなくてはなりません。
負荷電流がコイルの定格電流を越えると、インダクタンスが激減し、ついには飽和状態
となります。この状態では、高周波インピーダンスが低下し、過大な電流が流れますの
でご注意下さい。
d)ノイズが尐ない事
ドラム型のような開磁路型コアは、磁束がコイルの外側を通過するため周辺回路へノ
イズによる障害を与える事があります。なるべくトロイダル型や EI 型、EE 型のような
閉磁路型コアのコイルをご使用下さい。
10
SI-8000SD
4-1-②
入力コンデンサC1
入力コンデンサは、入力回路のバイパスコンデンサとして動作し、スイッチング時の
急峻な電流をレギュレータに供給しており、入力側の電圧降下を補償しています。従っ
て極力レギュレータICの近くに取り付ける必要があります。また、AC 整流回路の平滑
コンデンサが入力回路にある場合には、入力コンデンサは平滑コンデンサと兼用とする
事が出来ますが、同様の配慮が必要です。
C1選定のポイントとして次の事が挙げられます。
a)耐圧を満足する事
b)許容リップル電流値を満足する事
C1 の電流の流れ
IIN
C1電流波形
VIN
1.VIN
リップル電流
0
Iv
Ip
C1
Ton
D
T
Ton
T
入力コンデンサのリップル電流は負荷電流の
増加に伴って増大する。
これら耐圧や許容リップル電流値を、オーバーしたりディレーティング無しで使用し
た場合、コンデンサ自身の寿命が低下(パンク、容量の減尐、等価インピーダンス増大、
等)するばかりでなく、レギュレータの異常発振を誘発する危険があります。従って、
十分なマージンをとった選択が必要です。尚入力コンデンサに流れるリップル電流実効
値 Irms は下記の(2)式で求められます。
Irms  1.2 
例えば
Vo
 Io
Vin
--(2)
VIN=20V,Io=3A,Vo=5V とすると、
I r m 1s.2 
5
 3  0.9 A
20
となりますので、許容リップル電流が、0.9A より大きいコンデンサを選ぶ必要がありま
す。
11
SI-8000SD
4-1-③
出力コンデンサC2
出力コンデンサC2は、チョークコイルL1と共にLCローパスフィルターを構成し、
スイッチング出力の平滑コンデンサとして機能しています。出力コンデンサにはチョー
クコイル電流の脈流部ΔIL と等しい電流が充放電されています。従って入力コンデンサ
と同様に、耐圧及び許容リップル電流値を十分なマージンを取った上で満足する必要が
あります。
C2の電流の流れ
IL
Vout
L1
C2電流波形
Io
リップル電流
ESR
RL
0
⊿IL
出力コンデンサのリップル電流はチョークコイルのリップル
C2
電流と等しく、負荷電流が増減しても変化
しない。
出力コンデンサのリップル電流実効値は、下記の(3)式で求められます。
Irms 
IL
2 3
---(3)
例えばΔIL を 0.5A としますと、
Irms 
0.5
≒ 014
. A
2 3
となり、許容リップル電流が 0.14A 以上のコンデンサが必要になります。
又レギュレータの出力リップル電圧 Vrip は、チョークコイル電流の脈流部ΔIL(=
C2充放電電流)と出力コンデンサC2の等価直列抵抗 ESR の積によって定まります。
Vrip  IL  C2ESR
---(4)
従って出力リップル電圧を小さくするには、等価直列抵抗 ESR の低いコンデンサを選
ぶ必要があります。一般的に電解コンデンサにおいては同一シリーズの製品ならば、同
一耐圧で容量が大きい程、又は同一容量で耐圧が高い程(≒外形が大きくなる程)ESR
は低くなります。
ここでΔIL=0.5A
Vrip=40mV
としますと、
C2esr  40  0.5  80m
となり、ESR が 80mΩ以下のコンデンサを選べば良い事になります。また ESR は温度
によって変化し一般に低温になると増加しますので、使用温度における ESR を確認する
必要があります。尚 ESR 値はコンデンサ固有のものですのでコンデンサメーカにご問い
合わせ下さい。
12
SI-8000SD
しかし出力コンデンサの ESR が極端に小さくなりますと(約 10~30mΩ以下)、レギ
ュレータの帰還ループ内の位相余裕が不足し、動作が不安定になる恐れがあります。こ
の為、出力コンデンサにタンタルコンデンサや積層セラミックコンデンサを単体で用い
る事は適当ではありません。但し低温(<0 ゚ C)で使用される場合には、電解コンデンサ
と並列にタンタルコンデンサや積層セラミックコンデンサを接続すると出力リップル
電圧の低減に有効です。更に、一層出力リップル電圧を小さくするには、下図に示すよ
うに、LCフィルタを一段追加しπ型フィルターを構成するのが効果的です。
L1
L2
2.SWOUT
1.VIN
SI-8000SD
3.GND
L2:20μH
4.VOS
D1
C2
C4
C4:200μF
但し 2 段目のフィルタを追加した場合には出力電圧検出点(Vos 端子への配線)を 2
段目フィルタの前段にしないと異常発振を起こす事がありますので、注意が必要です。
このように、出力コンデンサC2においては、耐圧及び許容リップル電流が満足され
れば、容量より ESR の方が動作安定度に与える影響が大きい事にご注意ください。
4-1-④
フライホイールダイオード・D1
フライホイールダイオードD1は、スイッチングオフ時にチョークコイルに貯えられ
たエネルギーを放出させる為の物です。フライホイールダイオードには必ずショットキ
ーバリアダイオードを使用して下さい。一般の整流用ダイオードやファーストリカバリ
ダイオード等を使用した場合、リカバリ及びオン電圧による逆電圧印可によりICを破
壊する恐れがあります。
又 SI-8000SD シリーズの SWOUT(2 番端子)から出力された電圧は入力電圧とほぼ同等で
ある為、フライホイールダイオードの逆方向耐圧が入力電圧以上あるものをご使用下さ
い。
13
SI-8000SD
●4-2
パターン設計上の注意
4-2-①
大電流ライン
接続図中の太線部分には大電流が流れますので、出来る限り太く短いパターンとして
下さい。
L1
1,VIN
VIN
2.SWOUT
VOUT
SI-8000SD
4.VOS
C1
5.SS
3.GND
C2
D1
GND
4-2-②
GND
入出力コンデンサ
入力コンデンサC1と、出力コンデンサC2は、出来る限りICに近づけて下さい。入力側に
AC 整流回路の平滑コンデンサがある場合には、入力コンデンサと兼用にする事が可能ですが、距
離が離れている場合には、平滑用とは別に入力コンデンサを接続する事が必要です。また入出力
コンデンサのリード線には、大電流が高速で充放電されるので、リード線の長さは最短として下
さい。コンデンサ部分のパターン引き回しにも同様の配慮が必要です。
C1,C2
悪いパターン例
4-2-③
C1,C2
良いパターン例
センシング端子
出力電圧センシング端子Vosは出来る限り出力コンデンサC2に近い所に接続し
て下さい。(Vos端子流入電流は1mA程度です。)遠い場合、レギュレーションの
低下、スイッチングリップルの増大により異常発振の原因となる事がありますのでご注
意下さい。
推奨パターン
推奨ランドパターン
11±0.2
9±0.2
6.8±0.1
9±0.1
3.7±0.05
4±0.1
1±0.05
1.7±0.1
14
SI-8000SD
●4-3
動作波形の確認
スイッチング動作が正常であるかどうかは SI-8000SD の2-3端子間波形(SWOUT-GND
間波形)にて確認できます。以下に正常動作時及び異常発振時における波形例を示しま
す。
連続領域は、チョークコイルを流れる電流に、三角波に直流成分が重畳している領域
であり、不連続領域はチョークコイル電流が尐ない為チョークコイルを流れる電流が断
続的になる(ゼロになる期間が発生する)領域です。従って負荷電流が多い場合は連続
領域に、尐ない場合は不連続領域になります。連続領域ではスイッチング波形は通常の
方形波の形状となり(波形1)、不連続領域ではスイッチング波形に減衰振動が発生し
ますが(波形2)、これは正常な動作であり問題はありません。
ところがICと C1,C2 が離れていると、上の波形(3,4)にみられるように、スイ
ッチングの ON・OFF 時間が乱れるジッタが発生します。前述の通り、C1,C2 はICの近く
に接続する事が必要です。
15
SI-8000SD
●4-4
電源の安定性
4-4-①
位相余裕
PWM制御チョッパ型レギュレータの回路ブロック図を下図に示します。これよりP
WM制御チョッパ型レギュレータは、あらかじめ設定された基準電圧と、出力電圧を常
時比較して出力電圧を制御する負帰還増幅器である事が解ります。従って出力電圧の変
動を誤差増幅器で検出して出力を制御する為の負帰還ループを有しています。
基
準
電
圧
L1
制御部
基
準
電
圧
ESR
-180deg
負帰還ループ
負荷
C2
0deg
負帰還ループ内の位相は、出力電圧の変動を打ち消す為 180deg ずれていますが、さ
らに増幅度(ゲイン)が1以上の状態において位相が 180deg 遅れると、位相のずれは
合計で 360deg に達し、安定動作領域を外れて異常発振を起こします。これをバルクハ
ウゼンの発振条件といいます。従って実際の安定化電源ではこの発振条件が成立しない
ようにしなくてはなりません。
バルクハウゼンの発振条件が成り立つかどうかは、負帰還ループの周波数-ゲイン・
位相特性により判定する事が可能です。この周波数-ゲイン・位相特性をボード線図と
呼びます。
一段差動アンプ
IN
OUT
ボード線図例
20dB
0dB
9k
1k
-0deg
-45deg
-90deg
ゲイン
0.1fp
周波数
位相
fp
10fp
16
SI-8000SD
ここでボード線図上において
ゲインが1(0dB)になる周波数 :ゲイン交点
帰還ループの位相が-180deg になる周波数 :位相交点
と呼びます。ゲイン交点の周波数において位相が-180deg に達していなければ発振条件
は成立しない事になります。そこで、
ゲイン交点における位相-(-180deg)=ゲイン交点における位相+180deg
を位相が-180deg までどれだけ余裕があるかを示す値として用い、これを位相余裕と
呼びます。位相余裕が大きい程、入出力条件や温度等の周囲環境が変化しても異常発振
を起こしにくくなります。従って安定動作を保つ為には十分な位相余裕を見込んでおく
必要があります。
ボード線図における安定判別
ゲイン特性
ゲイン特性
ゲイン交点
0dB
位相特性
ゲイン交点
0dB
周波数
周波数
位相特性
-180deg
位相余裕
(>0)
安定な場合
4-4-②
位相交点
-180deg
位相交点
不安定な場合
位相余裕
(<0)
レギュレータIC内部の位相特性
チョッパ型レギュレータの位相特性は、レギュレータIC内部の位相特性とLCフィ
ルタの位相特性の合成になります。レギュレータIC内部の位相特性は、一般的には制
御部の遅れ時間と出力誤差増幅器の位相特性で定まります。この内、制御部の遅れ時間
による位相遅れは、実使用上はほとんど問題になる事はありません。従って出力誤差増
幅器の位相特性が重要になります。出力誤差増幅器の位相特性の補正については、レギ
ュレータICの種類により、これをIC内部で調整済みとしているものと、IC外部に
抵抗やコンデンサの外付け部品を接続して位相補正を行うものとがあります。前者の場
合は後述しますLCフィルタの選択のみに留意すれば特に問題はありませんが、後者の
場合は製品毎のアプリケーションに従って正しく位相補正を施す事が必要です。
17
SI-8000SD
4-4-③
LCフィルタの位相特性
チョッパ型レギュレータの位相余裕は、出力平滑用LCフィルタの位相特性に、大き
く左右されます。LCフィルタの位相特性は、理論上は二次遅れ要素の特性を示します。
これはコイルのインダクタンスL1とコンデンサの容量C2の組み合わせにより特定
の周波数で共振を起こし、共振点より高い周波数では、位相が最大 180deg 遅れる事に
なります。
共振周波数fLC は
fLC 
1
2 LC
---(5)
位相特性は
共振周波数fLC より低い周波数の位相特性は:0deg
共振周波数fLC より高い周波数の位相特性は:-180deg
となります。
従って出力平滑用LCフィルタが理論通りの位相特性を示すとなると、このフィルタ
の部分だけで位相遅れは-180deg に達し、レギュレータとしての位相余裕は 0deg になっ
てしまいます。
しかし現実のLCフィルタにおいてはコンデンサの等価直列抵抗(ESR)の影響により、
LCフィルタの位相遅れは 180deg より尐なくなります。よって、この等価直列抵抗の
位相補正効果により、レギュレータとしての位相余裕を確保する事が出来ます。
LCフィルタ位相特性
L1
0deg
ESR
VIN
位相遅れ
VOUT
C2
ESR 大
ESR 小
-180deg
ESR 0
fLC
周波数
一般的に、出力LCフィルタにタンタル・コンデンサや積層セラミック・コンデンサ
のような ESR の非常に小さいコンデンサを用いますと、フィルタ部分の位相遅れが大き
くなります。よって位相余裕確保の面からは、出力フィルタには電解コンデンサの使用
が適当です。
18
SI-8000SD
4-4-④
IC内部とLCフィルタの位相特性の関連
チョッパ型レギュレータの位相特性は前述のとおり、誤差増幅器と、LCフィルタ
の位相特性でほとんど決まってしまいます。そこで両者の特性の関連が重要になりま
す。
誤差増幅器のゲイン低下開始周波数すなわち第1ポール周波数 fp と、LCフィルタ
の共振周波数fLC が接近していると、両者の位相遅れが集中するためレギュレータの位
相余裕が尐なくなってしまいます。そこで fp とfLC の適切な分布が重要になります。
通常、誤差増幅器の位相遅れは、第1ポール周波数 fp の 0.1 倍の周波数から始まりま
す。そこで位相遅れの集中を避ける為には、LCフィルタの共振周波数fLC を誤差増幅
器第1ポール周波数 fp の 0.1 倍未満としておかなくてはなりません。
位相
fpとfLCが近い場合の位相特性
位相
fpとfLCが離れている場合の位相特性
fp
fp
増幅部
増幅部
LCフィルタ
LCフィルタ
fLC
-180deg
fLC
-180deg
合成特性
位相遅れ大
位相遅れ小
合成特性
-180deg
周波数
-180deg
周波数
19
SI-8000SD
一般的にチョッパ型レギュレータICの fp 周波数は、数~十数 KHz 以上に設定されています。
そこで各レギュレータICのアプリケーションに記載されているLCフィルタの定数において、
コイルのインダクタンスやコンデンサの容量を、推奨値より小さくしますと、LCフィルタの共
振周波数fLC が上昇して位相余裕が減尐する危険があるので注意が必要です。周囲部品の定数は、
各レギュレータICのアプリケーションに従い正しくお選びください。
60
630
50
540
40
450
ゲイン
30
360
20
270
10
180
0
90
-10
-20
0
位相
-90
-30
-40
100
位相(゜)
ゲイン(dB)
チョッパーReg ゲイン、位相特性例
-180
1000
周波数 (Hz)
-270
10000
20
SI-8000SD
●4-5
熱設計
面実装タイプの SI-8000SD の場合、実装基板に残された銅箔へ放熱する事になりますので、銅箔
面積や基板の素材、銅箔層数などに大きく左右されます。
SI-8000SD の裏面ステム部分は 3 番ピン(GND)とインナーフレームでつながっており、裏面ステ
ム部分に直接つながっている GND パタンを大きく取る事で放熱性が向上します。
ジャンクション温度を確認する場合は、図に示すステム部分の温度を測定し以下の式で算出する
事で確認ができます。
Tj=Tc+Pd×3℃/W
*Tc:実測ステム温度
温度測定箇所
ジャンクションとの熱抵抗は
3℃/W です
参考データ(片面銅箔基板での銅箔面積 vs 熱抵抗データ)
21
SI-8000SD
5.応用
●5-1
ソフトスタート
5番端子にコンデンサを接続すると入力電圧投入時にソフトスタートがかかるよう
になります。コンデンサC3はPWM制御の OFF 期間をコントロールして立ち上がり時
間を制御する為のもので、遅れ時間 Td 及び立ち上がり時間 Ts は下記の式で求められま
す。但し実機においては、入力電源、負荷の立ち上がり、等の影響を受ける為多尐の変
動があります。ソフトスタート機能を使用しない場合は5番端子をオープンとして下さ
い。
VIN
SI-8000SD
5.SS
Td 
VOUT
C3
Td
Ts 
Ts
0.7  C3
20  10 6
(Sec)
Vo  0.9  C 3
Vin  20  106
--(11)
(Sec)--(12)
例えば VIN=20V、Vo=5v、C3=1uF とすると、
0.7  1  10 6
Td 
 35( ms)
20  10 6
Td  Ts≒47( ms )
5  0.9  1 106
Ts 
≒12(ms)
20  20  106
よって、電源投入後、出力電圧立ち上がりまで、47ms かかる事になります。
但しC3を大きくしますと VinOFF 後のC3ディスチャージも時間がかかるようにな
ります。C3は 10uF 以内の値で使用される事をお奨めします。
*不連続モード(軽負荷)での負荷条件では上記計算値より Ts が短くなる事があります。
●5-2
出力の ON・OFF 制御
5番・ソフトスタート端子を用いて、出力 ON・OFF 制御が可能です。オープンコレク
タ等のスイッチにより、5番端子を Lo レベルとすると出力は停止します。又ソフトス
タートとの併用も可能です。ソフトスタート端子はIC内部でプルアップ済みですので
外部からは電圧を印加しないで下さい。
SI-8000SD
SI-8000SD
5.SS
5.SS
C3
22
SI-8000SD
SS+ON/OFF
ON/OFF
●5-3
出力電圧可変
4番・Vos 端子に抵抗を追加する事により出力電圧を上昇させる事が出来ます。
(降下は不可)
5-3-①
外付抵抗1本による出力電圧可変
出力電圧調整抵抗 Rex は、次式により求まります。
L1
VOUT'
2.SWOUT
SI-8000SD
3.GND
D1
Re x 
Rex
4.VOS
Vout'Vos
---(13)
Ivos
Vos
:製品設定出力電圧
Vout‘:可変後出力電圧
C2
Ivos
Ivos :Vos 端子流入電流≒1mA
GND
※ Rex は、温度補償されませんので、出力電圧温度特性は低下します。また Ivos はI
Cの製品によって最大±20%のバラツキがあります。従って出力電圧のバラツキ範囲が
拡がりますので、精確な出力電圧の合わせ込みには半固定抵抗が必要です。
以下に Rex、Ivos、Vos のバラツキを考慮した、出力電圧バラツキ範囲を示します。
ⅰ最大出力電圧(VOUT’MAX)
VOUT' MAX=VosMAX+RexMAX  IvosMAX ---(14)
VosMAX:設定出力電圧の最大値。P.6 の電気的特性に示す、設定出力電圧の MAX 値を
入れて下さい。
RexMAX:Rex の最大値。抵抗の許容差より求めて下さい。
IvosMAX :Vos 端子の最大流入電流。1.2mA
ⅱ最小出力電圧(Vout’MIN)
Vout' MIN=VosMIN+RexMIN  IvosMIN ---(15)
VosMIN
:設定出力電圧の最小値。P.6 の電気的特性に示す、設定出力電圧の MIN 値
を入れて下さい。
RexMIN:Rex の最小値。抵抗の許容差より求めて下さい。
IvosMIN :Vos 端子の最小流入電流。0.8mA
5-3-②
外付抵抗2本による出力電圧可変
出力電圧調整抵抗 Rex1、2 は、次式により求まります。
L1
VOUT'
2.SWOUT
SI-8000SD
3.GND
D1
Ivos
Rex1
IRex2
Rex2
4.VOS
Vout'Vos
S  IVos
Vos
Re x2 
(S  1)  IVos
Re x1 
C2
GND
S
---(16)
---(17)
:安定係数
Rex2 に電流をバイパスさせる事により、①の方法よりも温度特性及び出力電圧バラツ
23
SI-8000SD
キ範囲は改善されます。安定係数 S は、Vos 端子流入電流 Ivos に対する IRex2 の比を示
しており S を大きくする程、温度特性と出力電圧バラツキは改善されます。(通常 5~
10 位)
以下に Rex1、Rex2、Ivos、Vos のバラツキを考慮した、出力電圧バラツキ範囲を示します。
ⅰ最大出力電圧(Vout’MAX)
Vout' MAX =VosMAX +Rex1MAX(
VosMAX
VosMAX
---(18)
+IvosMAX )
Rex2MIN
:設定出力電圧の最大値。P.6 の電気的特性に示す、設定出力電圧の MAX 値
を入れてください。
Rex1MAX:Rex1 の最大値。抵抗の許容差より求めてください。
Rex2MIN:Rex2 の最小値。抵抗の許容差より求めてください。
IvosMAX :Vos 端子の最大流入電流。1.2mA
ⅱ最小出力電圧(Vout’MIN)
Vout' MIN=VosMIN+Rex1MIN(
VosMIN
VosMIN
---(19)
+IvosMIN )
Rex2MAX
:設定出力電圧の最小値。P.6 の電気的特性に示す、設定出力電圧の MIN 値
を入れてください。
Rex1MIN:Rex1 の最小値。抵抗の許容差より求めてください。
Rex2MAX :Rex2 の最大値。抵抗の許容差より求めてください。
IvosMIN :Vos 端子の最小流入電流。0.8mA
5-3-③
出力電圧可変時の注意事項
出力電圧を可変させた場合の懸念点としましては、レギュレーションの悪化、出力電圧温度係数
の増加が想定されます。また大幅に可変させた場合は、コイル電流増大による、過電流保護電流
低下が想定されることから、コイル容量値上昇が必要となる場合があります。以上の点から、出
力電圧の可変上限としましては、設定出力電圧+5V 以内でのご使用を推奨致します。尚、出力
電圧の可変下限としましては、設定出力電圧の MAX 値となります。
24
SI-8000SD
●5-4
スパイクノイズの低減
スパイクノイズを低減させるには、SI-8000SD の出力波形及び、ダイオードのリカバ
リータイムを、コンデンサで補正する方法がありますが、共に効率が弱冠低下しますの
で注意して下さい。
0~ 20Ω
1.VIN
100~ 3000pF
2.SWOUT
SI-8000SD
0~ 20Ω
3.GND
100~ 4000pF
※オシロスコープにてスパイクノイズを観測される際には、プローブの GND リード線
が長いとリード線がアンテナの作用をしてスパイクノイズが異常に大きく観測される
ことがあります。スパイクノイズの観測に当たってはプローブのリード線を最短にして
出力コンデンサの根本に接続して下さい。
●5-5
逆バイアス保護
バッテリーチャージ等、入力端子より出力の電圧が高くなるような場合には、入出力
間に逆バイアス保護用のダイオードが必要となります。
SI-8000S,SS
25
SI-8000SD
6.熱減定格
20

V
 100 
PD  VO  I O 
 1  VF  I O 1  O
 x

 VIN



無限大放熱板
VO:出力電圧
VIN:入力電圧
15
IO :出力電流
η:効率(%)
VF:Di 順方向電圧
許容損失
200×200×2mm(2.3℃/W)
10
RK46…0.5V(IO=3A)
100×100×2mm(5.2℃/W)
Pd(W)
75×75×2mm(7.6℃/W)
5
放熱板無し
0
-25
0
25
50
周囲温度
75
100
125
Ta(℃)
注1:効率は、入力電圧、出力電流によって変化する為、4-2 の効率曲線より
求め、パーセント表示のまま代入する。
注2:Di 熱設計は別途行う必要があります。
26
SI-8000SD
7.代表特性例
SI-8033SD
(1) 効率
(4) 過電流保護特性
100
5
80
VIN=28V
15V
70
6V
8V
60
50
40
30
0
0.5
1.0 1.5 2.0
3
2
0
3.0
IO [A]
※Load=C.C
4
4
VO [V]
5
IO=0A
1A
3A
2
28V
1
3
2
TSD OFF
TSD ON
1
4
6
8
10
入力電圧 VIN [V]
(3) 出力電圧変動
2
0
12
75 100 125 150 175 200
周囲温度 Ta [℃]
(6) 温度特性
VIN=15V, IO=1A
3.35
3.30
VIN=28V
3.25
3.20
3.15
15V
8V
6V
周波数 fo [kHz] 効率
η [%]
3.40
50
90
3.40
80
3.35
VO [V]
0
η
70
3.30
VO
出力電圧
0
VO [V]
0
5
3
15V
2
3
4
5
6
出力電流 IO [A]
(5) 過熱保護
VIN=15V, IO=0A
1
出力電圧
VIN=6V
1
出力電圧
出力電圧 VO [V]
出力電流
(2) 出力電圧立上り
2.5
VO [V]
4
出力電圧
効率
η [%]
90
60
3.25
fo
50
3.20
40
3.15
27
SI-8000SD
0
0.5
1.0 1.5 2.0 2.5
出力電流 IO [A]
3.0
-50
-25
0
25
50 75 100
周囲温度 Ta [℃]
SI-8050SD
(1) 効率
(4) 過電流保護特性
100
10
7V
8
VO [V]
80
VIN=40V
20V
10V
70
6
出力電圧
60
50
4
0
0.5 1.0 1.5
出力電流
(2) 出力電圧立上り
0
2.0 2.5 3.0
IO [A]
※Load=C.C
VO [V]
8
VO [V]
8
出力電圧
IO=0A
4
1A
3A
1
6
4
TSD OFF
TSD ON
2
0 0
2
4
6
8
10
入力電圧 VIN [V]
0
12
10V
5.00
7V
4.95
0.5
VIN=20V, IO=1A
100
5.15
90
5.10
80
周波数 fo [kHz]
VIN=40V
20V
1.0 1.5
2.0 2.5
3.0
200
η [%]
5.10
4.90
0
100 125 150 175
周囲温度 Ta [℃]
(6) 温度特性
5.15
5.05
75
効率
(3) 出力電圧変動
50
VO [V]
出力電圧
40V
2
3
4
5
6
出力電流 IO [A]
(5) 過熱保護
VIN=20V, IO=0A
10
2
VO [V]
0
10
6
出力電圧
20V
2
40
30
VIN=7V
η
5.05
VO
出力電圧
効率
η [%]
90
70
60
50
-50
5.00
4.95
fo
-25
0
25
50
4.90
75 100
28
SI-8000SD
出力電流
IO [A]
周囲温度
Ta [℃]
8.用語解説
・ジッタ
異常スイッチング動作の一種で、入出力条件が一定にも関わらずスイッチングパルス
幅が変動する現象であります。ジッタが発生すると、出力のリップル電圧ピーク幅が
増加します。
・推奨動作条件
正常な回路機能を維持するために必要とされる動作条件を示すもので、実使用におい
ては当条件内とする必要があります。
・絶対最大定格
破壊限界を示す定格であり、瞬時動作及び定常動作において、一項目かつ一瞬たりと
も規格値を超えないように配慮する必要があります。
・電気的特性
各項目に示している条件で動作させた場合の特性値規格であります。動作条件が異な
る場合には、規格値から外れる可能性があります。
・PWM (Pulse width modulation)
パルス変調方式の一種で、変調信号波(チョッパ型スイッチングレギュレータの場合、
出力電圧)の変化に応じて、パルスの幅を変えて変調する方式であります。
・ESR (Equivalent series resistance)
コンデンサの等価直列抵抗値を示します。コンデンサに直列に接続された抵抗と同等
の作用を示します。
29
SI-8000SD
!注意
●本書に記載されている内容は、改良などにより予告なく変更する事があります。ご使用の
際には、最新の情報である事をご確認下さい。
●本書に記載されている動作例及び回路例は、使用上の参考として示したもので、これらに
起因する当社もしくは第三者の工業所有権、知的所有権、その他の権利の侵害問題につい
て当社はいっさい責任を負いません。
●本書に記載されている製品をご使用の場合は、これらの製品と目的物との組み合わせにつ
いて使用者の責任において検討・判断を行って下さい。
●当社は品質、信頼性の向上に努めていますが、半導体製品では、ある確率での欠陥、故障
の発生は避けられません。部品の故障により結果として、人身事故、火災事故、社会的な
損害等を発生させないよう、使用者の責任において、装置やシステム上で十分な安全設計
及び確認を行って下さい。
●本書に記載されている製品は、一般電子機器(家電製品、事務機器、通信端末機器、計測
機器等)に使用される事を意図しております。ご使用の場合は、納入仕様書の締結をお願
いします。高い信頼性が要求される装置(輸送機器とその制御装置、交通信号制御装置、
火災・防犯装置、各種安全装置など)への使用をご検討の際には、必ず当社販売窓口へご
相談及び納入仕様書の締結をお願いします。極めて高い信頼性が要求される装置(航空宇
宙機器、原子力制御、生命維持の為の医療機器など)には、当社の文書による合意がない
限り使用しないで下さい。
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ご注文に際して
ご注文数量は、100個の整数倍でご指定下さいますようお願い致します。
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