si-8511nvs an jp

SI-8511NVS
アプリケーション ノート
表面実装タイプ同期整流型チョッパレギュレータ制御IC
SI-8511NVS
第 1 版 2013 年 11 月
サンケン電気株式会社
1
SI-8511NVS
--- 目次 ---
1.概要
1-1 特長
----------
3
1-2 主な用途
----------
3
1-3 種別
----------
4
2-1 外形図
----------
5
2-2
----------
5
----------
7
2.製品仕様
定格
2-3 回路図
3.各端子の説明
3-1
端子配列
----------
9
3-2
端子機能
----------
9
4-1 オンタイム固定 PWM 電圧制御
----------
11
4-2 過電流保護
----------
11
5-1 外付部品選定上の注意
----------
12
5-2 パターン設計上の注意
----------
16
5-3 動作波形の確認
----------
17
5-4
熱設計
----------
17
6-1 ソフトスタート
----------
19
6-2 出力 ON・OFF 制御
----------
19
6-3 出力電圧可変
----------
19
6-4
過電流値設定
----------
20
6-5 スパイクノイズの低減
----------
20
6-6
動作周波数可変
----------
20
6-7
過電圧値設定
----------
21
6-8
Power Good 出力
----------
21
7.代表特性例
----------
22
8.用語解説
----------
24
4.SI-8511NVS の動作説明
5.使用に際しての注意事項
6.応用
2
SI-8511NVS
1.概要
SI-8511NVS シリーズは、同期整流型降圧チョッパレギュレータに必要な各種の機能と保護
機能を備えたチョッパ型スイッチングレギュレータ制御ICです。外部にロジック Nch-MOS
FET やダイオード等を接続することで、高精度高効率の同期整流スイッチングレギュレータ
を構成することが出来ます。
●1-1
特長
・表面実装タイプで小型
VSOP24 パッケージで非常に小形で薄いパッケージです。
・高効率93%(Vin=5V,Vo=2.5V, Io=1A)
同期整流方式の降圧チョッパレギュレータを構成できますので、非常に高効率にで
きます。
・基準電圧精度 ±1.2%
内部基準電圧は 1.1V±1.2%で、非常に高精度です。
・出力電圧は外部抵抗で調整できます。
外付抵抗を2個使い、出力電圧を+1.1V~+6V の範囲で可変できます。
・動作周波数可変
外付抵抗を使うことで、動作周波数を 400KHz~100KHz に可変できます。
・過電流保護
過電流保護を内蔵しています。
(自動復帰型)又、外付抵抗でスレシュ値を設定で
きます。
・出力過電圧保護
出力過電圧保護を内蔵しています。ハイサイド MOS 等の破壊により、出力電圧が設
定値を超えた場合、ローサイド MOS を強制的にオンさせ、入力側のヒューズを切断
しに行きます。又、外部抵抗で動作電圧値を変更できます。
・ソフトスタート機能(出力 ON/OFF 可能)
外付コンデンサの追加で、起動時に出力電圧立ち上がり速度を遅らせることが
出来ます。
・出力 ON/OFF 機能
Lo/Hi レベルで出力の ON/OFF 制御を行います。外部 CPU 等で制御可能です。
・Power_Good 出力
出力電圧(Vo)の状態を出力します。
●1-2
主な用途
・ノートパソコン用電源
・OA機器用電源
・レギュレータ2次側出力電圧安定化
・テレコム用電源
・アミューズメント機器用電源
3
SI-8511NVS
●1-3
種別
・種別:半導体集積回路(モノリシックIC)
・構造:樹脂封止型(トランスファーモールド)
4
SI-8511NVS
2.製品仕様
●2-1
外形図(VSOP24)
●2-2
定格
絶対最大定格
項目
記号
規格
単位
Characteristic
Symbol
Ratings
Units
VCC
7
V
入力電圧(VCC)
DC input voltage(VCC pin)
VIN
25
V
入力電圧(VIN)
DC input voltage(VIN pin)
VH
30
V
Boost ブロック入力電圧
DC input voltage for Boost Block
Ven
VCC
V
EN 端子入力電圧
EN pin input voltage
Vpwrgd
7
V
PWRGD 端子印加電圧
PWRGD supply voltage
Tj
150
接合温度
℃
Junction Temperature
Tstg
保存温度
-40~+150
℃
Storage Temperature
*1 絶対最大定格とは、破壊限界を示す定格であり瞬時動作及び定常動作において、一項目たりとも
規格値を超えないように配慮する必要があります。
5
SI-8511NVS
推奨動作条件
項目
記号
規格
単位
Characteristic
Symbol
Unit
MIN
MAX
VCC
4.5
5.5
V
入力電圧範囲 1
DC input voltage range 1
VIN
3
18
V
入力電圧範囲 2
DC input voltage range 2
Vo
1.1
6
V
出力電圧範囲
Output voltage range 2
Top
-20
85
動作温度範囲
℃
Operation temperature range
*2 推奨動作条件とは、電気的特性に示す正常な回路機能を維持するために必要とされる動作条件を示すもので、実使
用においては当条件内とする必要があります。
電気的特性
(特に指定の無い限り Unless otherwise note Ta=25℃ )
項目
記号
規格 Ratings
単位
Characteristic
Symbol MIN
Unit
TYP
MAX
動特性 loop Characteristic
Vo
-1.2% 1.1
+1.2% V
出力電圧
Output voltage
出力電圧温度係数
⊿Vo/⊿T
±0.03
mV/℃
Output voltagetemperature coefficient
回路電流 Current
Iop
回路電流(VCC 端子)
Current(VCCterminal)
Iop
回路電流(Vin 端子)
Cureent(Vin termikal)
Istd1
スタンバイ電流 1(VCC 端子)
Standby Current(VCC teminal)
Istd2
スタンバイ電流 2(VIN 端子)
Standby Current(Vin terminal)
低入力禁止 UVLO Block
Vuvlo1
低入力禁止動作電圧 1(VCC)
UVLO starting voltage1(VCC)
Vuvlo2
低入力禁止動作電圧 2(Vin)
UVLO starting voltage2(Vin)
オンタイム制御ブロック On Time Control Block
Ton
オン時間
On time
Toff
最小オフ時間
Minimum off time
Vref
FSET 端子電圧
FSET pin output voltage
Iref
FSET 端子ソース電流
FSET pin source current
ハイサイドドライブブロック Hi_Side Drive Block
Ron
オン抵抗(ハイ側)
ON Resistance(Pull-Up)
Ron
オン抵抗(ロー側)
ON Resistance(Pull-Down)
ローサイドドライブブロック Lo_Side Drive Block
Ron
オン抵抗(ハイ側)
ON Resistance(Pull-Up)
Ron
オン抵抗(ロー側)
ON Resistance(Pull-Down)
ブートストラップブロック Bootstrap Block
VH-VLIN
ブートストラップ電圧
Bootstrap Voltage
条件
Remark
VIN=5V,VCC=5V,VSNS を Vo
に接続, Io=0
VIN=5V,VCC=5V,Vo=1.1V,Io=
0, Ta=0~85℃
6
mA
VCC=5V, EN=H, FADJ:open
1
mA
VIN=5V, EN=H
100
μA
VCC=5V,EN=L
50
μA
VIN=5V,EN=L
3.7
4.4
V
VIN=5V
2.5
2.9
V
VCC=5V
1.27
μS
VCC=5V,VIN=5V,Vo=2.5V
0.7
μS
VCC=5V
1.3
V
VCC=5V
100
μA
VCC=5V
5.5
Ω
VH-VLIN=5V
5.5
Ω
VH-VLIN=5V
5.5
Ω
VCC=5V
5.5
Ω
VCC=5V
1.1
4.5
1.2
5
5.5
V
6
SI-8511NVS
項目
Characteristic
保護系ブロック Protection Block
電流制限検出用電流
Reference Current
記号
Symbol
規格 Ratings
Min
Typ
Max
単位
Unit
条件
Remark
Ilim
90
110
μA
VCC=5V, VIN=5V
ソフトスタート端子電流
Soft Start pin current
EN ローレベル電圧
EN Input Low Voltage
EN ハイレベル電圧
EN Input High Voltage
EN バイアス電流
EN Bias Current
OVP 動作電圧(ハイ側)
OVP operation Voltage
PWRGD Good 電圧(ロー側)
PERGD Trip Threshold
PWRGD ロー出力電圧
PERGD Low level Vlotage
PWRGD 端子電流
PWRGD pin current
PWRGD 漏れ電流
PERGD leakage Current
Iss
μA
VCC=5V
● 2-3
100
±20
Vcelo
0
0.8
V
VCC=5V
Vcehi
2.4
VCC
V
VCC=5V
5
μA
VCC=5V, EN=5V
ICE
Vsns
1.32
V
VCC=5V
Vsns
0.88
V
VCC=5V
Vpwrgd
0.4
V
VCC=5V, Ipergd=120μA
Ipwrgd
120
μA
VCC=5V, Vpwrgd=0.4V
Ipwrgd
5
μA
Vpwrgd=5V
回路図
ブロックダイヤグラム
Vin
+5V
VCC1
ILIM
VIN ISEN
VCC2
OCP
PRE_REG
EN
H:ON
L:OFF
EN
UVLO
Vpreg
VH
Level
Shift
Gate Driver
OFF Clamp
Latch
Buff
Vo
Synchronous
Cont.
(Logic)
POWER_GOOD
PWRGD
H:GOOD
L:NG
DRVH
LIN
Logic
Power
Good
Buff
DRVL
PGND
Switching
VO
Constant On
Time Cont.
VSNS
COM
P
OSC
SS
GND
OVP_SL
FADJ
Open:Change Frequecy
Short:400KHz Operation
FSET
14
SS
12
SKIP
Open:Skip Mode
L:No Skip Mode
7
SI-8511NVS
応用回路例
C9
0.022μF
VIN
R2
C1 10μF
VCC 5V
D2 SFPL52
C7 0.1μF
R1
5mΩ
R5
10Ω
1
2
3
4
0.01
C6
1μF
5
6
7
8
VCC
R7
47kΩ
R10
2.2kΩ
R9
9
10
PWRGD
11
NC
NC
DRVH
LIN
VH
DRVL
VIN
PGND
ISEN
VCC2
ILIM
OVP_SL
SI-8511NVS
GND
VCC1
VSNS
SS
Vo
EN
PWRGD
SKIP
FSET
FADJ
12 NC
Q1
24
L1 5.6μH
23
Vo
Q2
22
D1
SFPJ73
R6
10Ω
21
C5 4.7μF R13
20
19
R12
C4 3.3μF
18
VCC
R4
47kΩ
17 C8 220pF
EN
16
C3
0.1μF
SKIP
15
14
NC 13
R11 100kΩ
R8 200kΩ
主要部品一覧表
部品番号 部品名
Q1
N-ch MOS FET IRF7807
Q2
N-ch MOS FET IRF7807
L1
インダクター 10μH SLF12575-5R6N6R3
D1
ファーストリカバリーダイオード 1A SFPL-52
D2
ショットキーダイオード 3A SFPJ-73
C1
セラミックコンデンサー 10μF/25V GRM43-2X7R106K25
C2
機能性高分子タンタルコンデンサ 330μF/6.3V PSLD0J337M
部品レイアウト案
C2
330μF
メーカー
IR
IR
TDK
SANKEN
SANKEN
村田製作所
NEC
D2
VCC
C9
R2
VIN
R1
R10
C6
R5
Q2
R6
D1
C5
C4
EN
R4
C1
Q1
C7
C3
C8 R7
R11 R8
R9
D2
GND
C2
SW
L1
Vo
8
SI-8511NVS
3.各端子の説明
●3-1
端子配列
端子番号
端子名称
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
NC
DRVH
VH
VIN
ISEN
ILIM
GND
VSNS
VO
PWRGD
FSET
NC
NC
FADJ
SKIP
EN
SS
VCC1
OVP_SL
VCC2
PGND
DRVL
LIN
NC
●3-2
機能/説明
未接続端子
ハイサイドドライブ端子
Boot Strap コンデンサ接続端子
入力電圧端子(パワー系)
過電流検出抵抗接続端子
過電流値設定用抵抗接続端子
アナロググランド端子
出力電圧検出端子
出力電圧入力端子
パワーグッド端子
動作周波数設定端子
未接続端子
未接続端子
動作周波数調整端子
SKIP モード選択端子
チップイネーブル端子
ソフトスタート端子
入力電圧端子(制御系)
過電圧検出端子
入力電圧端子(ローサイドドライブ系)
パワーグランド端子
ローサイドドライブ端子
スイッチング端子
未接続端子
端子機能
1・VCC1 と VCC2 端子
+5V 入力端子です。VCC1 は SI-8511NVS の内部電源や制御回路用の電源端子です。また VCC2 は、
ローサイドドライブ回路用の電源端子です。VCC2 にはスイッチングノイズが多くのりますので、VCC1に
影響を与えないように注意してください。
2・VIN 端子
外部メイン電圧の入力端子です(3V~18V)。VIN 端子は、周波数の設定や過電流保護回路に使われて
おります。スイッチングノイズが悪影響しないように注意してください。
3・EN 端子
SI-8511NVS のオン・オフ制御端子です。VCC が5V の時、EN 端子を H(2.4V 以上)にすることで、
出力がオンし、L(0.8V 以下)にすることで出力がオフします尚、CMOS ロジック入力ですのでフロー
ティングにせずに H か L に必ず固定してください。
9
SI-8511NVS
4・PWRGD 端子
PWRGD 端子は、オープンドレイン出力となっています。またシンク能力は 120μA(Max)です。外部で電源に
プルアップしてください。また、PWRGD 信号は出力電圧 Vo(正確には VSNS の電圧)の状態を示しま
す。
VSNS 電圧が 0.88V 以下の時は L、
VSNS 電圧が 0.88V~の時には H を出力します。
但し、OVP_SL
端子が、1.32V 以上になると L を出力し、その状態を保持します。
5・FADJ 端子
動作周波数選択端子です。FADJ 端子を 100KΩ程度抵抗で GND と接続すれば、最大周波数 400KHz
固定モードになります。また、FADJ 端子を OPEN にすると動作周波数可変モードとなります。その
場合は、FSET 端子に接続する抵抗値によって動作周波数を変更することが出来ます。FSET 端子に
200KΩを接続すれば、周波数 250KHz 程度に設定されます。
6・FSET 端子
1.2VDC 出力端子です(ソースのみ)
。SI-8511NVS が動作周波数可変モードになった時、FSET 端子
に接続する抵抗によって動作周波数を変更できます。また、ソースできる電流は最大 100μA です。
7・SS 端子
SS 端子に接続されたコンデンサにより、専用 OSC の周波数を変化させることで、ソフトスタート時
間を設定できます。
8・ISEN 端子
過電流値検出端子です。電流検出用抵抗の片側を接続します。
9・ILIM 端子
過電流値設定端子です。ILIM に流れ込む電流は、100μA に設定されています。この電流と Vin 間と
の接続する抵抗によって生じる電圧降下が、過電流値のスレシュの基準となります。
10・VH 端子
ブートストラップ用の入力電圧端子です。外部コンデンサとダイオードを標準接続回路に従って接続
してください。
11・DRVH 端子
ハイサイド MOS のドライブ端子です。
12・DRVL 端子
ローサイド MOS のドライブ端子です。
13・LIN 端子
10
SI-8511NVS
スイッチングノード端子です。外部インダクターのスイッチング側を接続します。
14・GND 端子
アナロググランド端子です。
15・PGND 端子
パワーグランド端子です。
16・Vo端子
出力電圧検出端子です。動作周波数の設定に使われます。
17・VSNS端子
出力電圧設定用端子です。出力電圧検出用の抵抗を接続します。
18・SKIP端子
スキップモード選択端子です。SKIP 端子をグランドと接続すれば軽負荷時でも発振周波数をある程
度安定にすることができます。また、OPEN にすればスキップモード(周波数が変化する)になります。
19・OVP_SL 端子
出力過電圧保護の動作電圧値を設定する端子です。端子の電圧が、スレシュ値(1.32V)を超えると直ち
に、ハイサイド MOS をオフし、ローサイド MOS をオンします。又、GNDと接続すれば出力過電
圧保護機能は動作しなくなります。
4.SI-8511NVS 動作説明
●4-1
オンタイム固定 PWM 出力電圧制御
SI-8511NVS は、内部に動作周波数用の発振器を持っておりません。SI-8511NVS は、オンタイムを
一定とした PWM 制御方式を採用しております。そのオン時間は、400KHz 動作になるようにオン時間を
Vin と Vo の電圧の関係から制御する方式を採用しております。この方式を用いることにより、負荷の
急峻な変化にたいして高速に応答することが出来ます。
●4-2
過電流保護
SI-8511NVS は、過電流の検出に外部抵抗を 2 個使用します。R1 はハイサイド側 MOS に流れる電流を
検出するために、R2 はその検出ポイントを決めるために使用します。R2 には、常時 100μA の基準電
流が流れています。R1 に流れる電流で生じる電位差が、その基準電流と R2 とで生じる電位差以上に
なった時、過電流保護動作に入ります。
11
SI-8511NVS
5.使用に際しての注意事項
●5-1
5-1-①
外付部品選定上の注意
チョークコイルL
チョークコイルLは、スイッチングトランジスタ OFF 時に負荷側に電流を供給しており、
チョッパ型スイッチングレギュレータの中心的役割を果たしています。レギュレータの安定
動作維持のため、飽和状態での動作や、自己発熱による高温動作等の危険な状態は回避しな
くてはなりません。チョークコイル選定のポイントとしては以下の事項が挙げられます
a)スイッチングレギュレータ用であること
ノイズフィルタ用のコイルは、損失が大きく発熱が大となりますので使用をさけてくださ
い。
b)インダクタンス値が適正であること
チョークコイルのインダクタンスは、大きいほどコイルを流れるリップル電流が減尐し出
力リップル電圧が小さくなりますが、コイルの外形は大形になります。逆に小さなインダク
タンスとすると、スイッチングトランジスタやダイオードを流れるピーク電流が増大して損
失が増加し、リップル電圧も大きくなり安定動作確保の上で好ましくありません。
インダクタンスが大きい程、リップル電流・電圧は
インダクタンスが小さい程、リップル電流・電圧が
小さくなる。ただし、コイルの外形は大型になる。
大きくなる。コイルの外形は小型になるが、動作が
不安定になりやすい。
標準接続図に示すインダクタンス値は、安定動作に適した目安の値でありますが、また次式
によって適当なインダクタンス値を求めることもできます。
ここで、ΔIL はチョークコイルのリップル電流値を示し、大略下記の目安に従って設定しま
す。
・使用出力電流が 3A 程度の時:出力電流×0.2~0.6 倍
・使用出力電流が 5A 以上の場合:出力電流×0.2~0.3 倍
L
例えば
(Vin  Vout )  Vout
IL  Vin  f
Vin=10V. Vout=2.5V.
---(1)
ΔIL=0.9A. 周波数=400KHz とすると
(10  2.5)  2.5
L
≒ 5.2uH
0.9  10  400  103
となりますのでインダクタンスが約 5.2uH のコイルを選択すればよいことになります。
12
SI-8511NVS
c)定格電流を満足すること
チョークコイルの定格電流は、使用する最大負荷電流より大きくなくてはなりません。負
荷電流がコイルの定格電流を越えると、インダクタンスが激減し、ついには飽和状態となり
ます。この状態では、高周波インピーダンスが低下し、過大な電流が流れますのでご注意く
ださい。
d)ノイズが尐ないこと
開磁路型コアは、磁束がコイルの外側を通過するため周辺回路へノイズによる障害を与え
ることがあります。特に、Vo 検出ラインにこのノイズがのりますと、誤動作の原因となりま
す。なるべく閉磁路型コアのコイルをご使用下さい。
5-1-② 入力コンデンサC1
入力コンデンサは、入力回路のバイパスコンデンサとして動作し、スイッチング時の急峻
な電流をレギュレータに供給しており、入力側の電圧降下を補償しています。従って極力レ
ギュレータICの近くに取り付ける必要があります。また、AC 整流回路の平滑コンデンサが
入力回路にある場合には、入力コンデンサは平滑コンデンサと兼用とすることができますが、
同様の配慮が必要です。又、リンギングノイズを減らすために、C1と並列に 0.1μF~0.47
μF のセラミックコンデンサを接続することが効果的です。
C1選定のポイントとして次のことが挙げられます。
a)耐圧を満足すること。
b)許容リップル電流値を満足すること。
C1の電流の流れ
C1電流波形
Iin
Vin
リップル電流
0
Iv
Ton
T
D=
Ip
Ton
T
入力コンデンサのリップル電流は、負荷
電流の増加に伴って増大する。
これら耐圧や許容リップル電流値を、オーバーしたりディレーティング無しで使用したり
した場合、コンデンサ自身の寿命が低下(パンク、容量の減尐、等価インピーダンス増大、
等)するばかりでなく、レギュレータの異常発振を誘発する危険があります。従って、十分
なマージンをとった選択が必要です。なお入力コンデンサに流れるリップル電流実効値 Irms
は下記の式で求められます。
13
SI-8511NVS
Irms  1.2 
例えば
Vo
 I o u t--(2)
V i n
Iout=3A. Vin=10V.
I r m s1.2 
Vo=2.5V.
とすると
2.5
 3  0.9 A
10
となりますので許容リップル電流が、0.9A より大きいコンデンサを選ぶ必要があります。
5-1-③
出力コンデンサC2
出力コンデンサC2は、チョークコイルLと共にLCローパスフィルターを構成して、ス
イッチング出力の平滑コンデンサとして機能しています。出力コンデンサにはチョークコイ
ル電流の脈流部ΔIL と等しい電流が充放電されています。従ってC2選定のパラメータとしては
入力コンデンサと同様に、耐圧及び許容リップル電流値に十分なマージンをとった上で満足
する必要があります。また、その他のポイントとして、直流等価抵抗(ESR)、容量となり
ます。以下に選定の注意点を示します。
C2 の電流の流れ
◇許容リップル電流
出力コンデンサのリップル電流実効値は、下記の式で求められます。
Irms 
IL
2 3
---(3)
例えばΔIL を 0.5A としますと
Irms 
0.5
≒ 014
. A
2 3
となり許容リップル電流が 0.14A 以上のコンデンサが必要になります。
◇直流等価抵抗(ESR)
安定動作のため ESR は適切な値を選ぶことが必要です。ESR が過大な場合には、出力リ
ップル電圧増大による異常発振、一方、過尐な場合は位相余裕の不足となります。出力リッ
プル電圧は、チョークコイル電流の脈流部ΔIL(=C2充放電電流)と ESR の積で決まり、
出力リップル電圧としては、出力電圧の 0.5~3%程度(例:Vout=5V で 1%の場合:50mV)
14
SI-8511NVS
にて良好な動作となり、出力電圧リップルの求め方は(4)(5)を参照願います。特にアル
ミ電解コンデンサの ESR は温度で変化し、特に高温時には ESR が低下することから注意が
必要です。
Vrip 
Vin  Vout   Vout ESR - -(4)
L  Vin  f
Vrip  IL  ESR - -(5)
-
また、ESR が極端に小さい場合(約10mΩ以下)位相遅れが大きくなり、異常発振となる可
能性があります。このため、出力コンデンサに積層セラミックコンデンサを単体で用いるこ
とは適当ではありません。但し低温(<0 ゚ C)で使用される場合には、電解コンデンサと並列
にタンタルコンデンサや積層セラミックコンデンサを接続すると出力リップル電圧の低減に
有効です。更に、一層出力リップル電圧を小さくするには、下図に示すように、LCフィルタ
を一段追加しπ型フィルターを構成するのが効果的です。
L1
L2
参考値
L2 : 5.6uH
SI-8511NVS
Vsns
Co1
Co2
Co2 : 47uF
このように、出力コンデンサC2においては、耐圧及び許容リップル電流が満足されれば、容
量より ESR の方が動作安定度に与える影響が大きい事にご注意ください。出力コンデンサのレイ
アウトについては、IC より離れた場所に配置した場合、配線抵抗等で擬似的に ESR の上昇と等
価となるため、IC 近傍の配置を推奨します。
5-1-④
スイッチング MOSFET
低 RDSON でロジックタイプ Nch-MOS を使用してください。一般使用の MOS ですと、Vgs の不足
からオン抵抗が下がらず、効率が悪くなり、大きな発熱を生じる可能性があります。SI-8511NVS
のパワー MOS ドライブ端子(DRVH, DRVL)は、2.5V 出力時で 0.5A 程度のドライブ能力がありま
すので、それに合わせた MOS FET を選定してください。
5-1-④
過電流検出用抵抗
数十 mΩから、数 mΩの抵抗値を使用してください。又、L 値を大きく持っている抵抗は使用しない
でください。又、Vin が 3V 程度の時は、R2 に生じる電圧ドロップは 100mV 程度にするようにしてくだ
さい。
5-1-④
電圧検出抵抗
SI-8511NVS の内部基準電圧は 1.1V に設定されております。出力電圧は 2 個の抵抗(R9 と R10)を VSNS
15
SI-8511NVS
端子に接続して設定します。また、動作の安定性を維持するためには,これらの抵抗には 500μA~2mA
程度の電流が流れるように抵抗値を設定してください。
●5-2
5-2-①
パターン設計上の注意
VCCライン
VCCラインには、MOSのスイッチングの瞬間に1A程度の電流が流れますので、それなりの太
さのパターンにしてください。
5-2-②
入出力コンデンサ
入力コンデンサC1と、出力コンデンサC2は、出来る限りICに近づけてください。入力側に AC
整流回路の平滑コンデンサがある場合には、入力コンデンサと兼用にする事が可能ですが、距離が離
れている場合には、平滑用とは別に入力コンデンサを接続する事が必要です。また入出力コンデンサ
のリード線には、大電流が高速で充放電されるので、リード線の長さは最短としてください。コンデ
ンサ部分のパターン引き回
しにも同様の配慮が必要で
す。
5-2-③
Vo検出ライン
Vo検出ライン(標準接続図参照)は出来る限り出力コンデンサC2に近い所にから短いパターンに
してください。長いパターンの場合、レギュレーションの低下、スイッチングリップルの増大により
異常発振の原因となる事がありますので御注意ください。又、インダクタンス L1 との干渉はさける
ようにしてください。尚、インピーダンスを下げるために、ある程度太いパターンにすることを推奨
します。
5-2-④
過電流検出
過電流を検出する端子(ISEN と ILIM)の接続は、電流検出抵抗の両端でケルビン配線を行ってくださ
い。この両端に接続するラインは大電流ラインの影響を受けないように配線する必要があります。下
記図の配線を参考にしてください。過電流検出抵抗 R1 は 5mΩ~30mΩ
⇒大電流
としてください。出力電流が 5A を超える場合は損失低減、ノイズ低減
のため 5mΩ~10mΩにしてください。そして、スイッチングノイズの
R1
影響を尐なくするために、R2 と並列にコンデンサを実装することを
推奨します。容量としては、数千pF~0.33μF 程度にしてください。
尚、スイッチング電流によるノイズが大きい場合、VIN 端子(4 番ピン)と
R2
VIN ライン間へ直列に抵抗(1Ω~15Ω程度)を挿入することも、ノイズの
16
SI-8511NVS
影響を緩和することが出来ます。
●5-3
動作波形の確認
スイッチング動作が正常であるかどうかは SI-8511NVS の 18-20 端子間波形(SwOut 波形)にて確認で
きます。以下に正常動作時の波形例を示します。
1・正常動作(連続領域)
2・正常動作(不連続領域)
SKIP:Open
3・正常動作(不連続領域)
SKIP:GND
連続領域は、チョークコイルを流れる電流に、三角波に直流成分が重畳している領域であり、不連続
領域は、チョークコイル電流が尐ないためチョークコイルを流れる電流が断続的になる(ゼロになる
期間が発生する)領域です。したがって負荷電流が多い場合は連続領域に、尐ない場合は不連続領域
になります。連続領域ではスイッチング波形は通常の方形波の形状となり(波形1)、不連続領域では
スイッチング波形に減衰振動が発生したり(波形2)
、周波数が下がったりしますが(波形3)、これは
正常な動作であり問題はありません。
ICと C1,C2 が離れていると、スイッチングの ON-OFF 時間が乱れる場合がありますので、C1,C2 は
ICの近くに接続する必要があります。
●5-4
熱設計
5-4-① 放熱の計算
MOS FET の損失Pdと、接合部温度Tj、ケース温度Tc、放熱器温度Tfin、周囲温
度Taは、以下の関係にあります。
17
SI-8511NVS
Tj  Tc
jc
--(6)
Tj  Tfin
jc  i
--(7)
Pd 
6.0
6.0
Pd 
Pd 
Tj  Ta
jc  i  fin
--(8)
TjMAXは製品固有の値であり、厳守する必要があります。この為には、PdMAX,
TaMAXに応じた放熱器設計(θfinの決定)が必要になります。これらをわかりやす
くグラフ化した物が熱減定格であります。放熱器設計は以下の手順で行います。
1)セット内最大周囲温度TaMAXを求める。
2)入出力条件を変化させ最大損失PdMAXを求める。
(下記計算は、概算です。)
Vo
 1.1
Vin
Vin  Vo
Pd  Rdson  Io 2 
 1.1
Vin
Pd  Rdson  Io 2 
(ハイサイド側)
---(9-1)
(ローサイド側)
---(9-2)
3)熱減定格上の交点より放熱器やパターンの決定を行う。
また計算にて必要な放熱器の熱抵抗を求めることも出来ます。必要な放熱器の熱抵抗は
i  fin 
Tj  Ta
 jc
Pd
---(10)
で求められます。熱抵抗関係のデータはご使用になる MOS の仕様に従ってください。又、放
熱器は、一般的に、10~20%以上のディレーティングで使用します。また実際には、実装上の
違いにより放熱効果が大きく変化します。従って、実装状態での放熱器温度あるいはケース
温度の確認が必要となります。
18
SI-8511NVS
6.応用
●6-1
ソフトスタート
出力コンデンサの容量が大きい場合、起動時 出力コンデンサ突入電流により、過電流保護回路が動
作し、出力電圧が起動しにくくなる場合があります。この対策としては、ソフトスタートを活用し突
入電流を抑えることが効果的です。Css の容量を上げた場合、負荷短絡電流低減の効果もあります。
ソフトスタート時間は SS 端子に接続されたコンデンサにより、専用 OSC の周波数を変化させること
で、設定できます。また、内部には 32 ビットのカウンターを内蔵しており、そのカウンターが 32 カウントすると出力
電圧が設定値になります。又、SS 端子に流れる電流値が±20μA に設定されていますので、下記の
式からソフトスタートの時間が計算できます。
Tss  20310C-6  32 S
ここで、Tss:ソフトスタート時間
C:SS 端子に接続される容量
例えば、SS 端子に 220pF のコンデンサを接続したとすると
3  220  10 -12
Tss 
 32  1ms
20  10 -6
ソフトスタート時間を 1mS に出来ます。
また、このソフトスタートを過電流制限の機能に使っておりますので、ソフトスタート時間は
0.5mS~100mS 以内の範囲に設定してください。
●6-2
出力の ON・OFF 制御
EN 端子を H(2.4V 以上)にすることで、出力がオンし、L(0.8V 以下)にすることで出力がオフします。
尚、EN 端子はロジック入力ですので、H か L のどちらかに固定してください。
●6-3
出力電圧可変
出力電圧の設定には R9 と R10 の値を変更することで、出来ます。これらの抵抗には、500μA~2mA
程度の電流を流すようにしてください。又 SI-8511NVS 基準電圧は、1.1V に設定されています。例え
ば、R9 に 500μA の電流を流すとすると、R10=1.1V/ 500μA=2.2KΩとなります。そうしましたら、
下記の式より R9 の抵抗値を設定してください。
R9  Vo / 1.1  1 R10
Vo を 2.5V とするなら、R9={2.5/1.1-1}×2.2KΩ=2.8KΩとなります。
19
SI-8511NVS
●6-4
過電流値の設定
SI-8511NVS は ILIM に接続される抵抗に生じる電圧(基準電圧)と、ISEN に接続される電流検出抵抗
に生じる電圧を比較して、電流検出用抵抗の電圧ドロップが ILIM に接続される抵抗の電圧ドロップ
に等しくなる電流値で過電流保護を行います。ILIM に流れ込む電流は、
100μA に設定されていますので、下記の式で過電流値を決定できます。
Is 
R2
A
 100  10-6 R1
ここで、R1:電流検出用抵抗値
R2:IILM 端子に接続されている抵抗値
尚、VIN が 3V 程度と低い時は、内部のコンパレータの動作を確実にするため、R1 及び R2 による電圧降
下は 100mV 以下にしてください。
●6-5
スパイクノイズの低減
スパイクノイズを低減させるには、ハイサイド MOSFET の出力波形及び、ダイオードのリカバリータ
イムを、コンデンサと抵抗とで補正する方法が有効です。ハイサイド MOS 側あるいはダイオード側ど
ちらか一方でも効果があります。下図を参考の上、設定してください。但し、共に効率が若干低下し
ますので注意して下さい。
5
ISEN
SI-8511NVS
PGND
DRVH
20Ω
100
LIN
DRVL
5
20Ω
100
●6-6
1000pF
2200pF
動作周波数可変
SI-8511NVS は、f トラブルを回避するため、内部のオンタイムを、FADJ 端子と FSET 端子を使うこと
で、変更することが出来ます。FADJ 端子-GND 端子間に 100kΩを接続すると最大周波数 400KHz
に設定されます。また、FADJ 端子を OPEN にし、FSET 端子-GND 端子間に抵抗を接続すれば、
周波数を可変できます。この抵抗は、100KΩの抵抗で 100KHz 程度、200KΩの抵抗で 250KHz 程度、
そして 400KΩの抵抗で、300KHz 程度に設定されます。また、FSET-GND 間に接続する抵抗は、100K
Ω~1MΩの範囲で、設定してください。
20
SI-8511NVS
●6-7
過電圧値設定
過電圧値の設定は、外部抵抗を 2 個使うことで行えます。スレシュ値は 1.32V です。出力電圧津設定
用の抵抗と同じ値を接続すれば、
出力電圧より 20%高い電圧になった時、
過電圧保護動作に入ります。
過電圧保護動作に入ると、DRVH 端子をロー電圧(LIN 端子と同じ電圧)にし、DRVL 端子をハイ電圧(VCC2
端子と同じ電圧)にし、その状態を保持します。DRVL 端子がハイ電圧になりますので、ローサイド MOS
はオンし、入力側のヒューズを切断させることができます。但し、MOS オン抵抗や、入力電圧の状態
等によってはヒューズが切断しないこともありえますので、十分な検討の上、ヒューズの定格値を決
定してください。尚、電源の再投入あるいは、EN 端子をローにして再びハイにした時、過電圧保護は
リセットされます。
●6-8
Power_Good 出力
PWRGD 端子は、オープンドレイン出力となっています。またシンク能力は 120μA(Max)です。外部で電源に
プルアップしてください。また、PWRGD 信号は出力電圧(正確には VSNS の電圧)の状態を示します。
VSNS 電圧が 0.88V 以下の時は L、VSNS 電圧が 0.88V~の時には H を出力します。但し、OVP_SL
端子が、1.32V 以上になると L を出力し、その状態を保持します。電源の再投入あるいは、EN 端子を
ローにして再びハイにした時にこの保持状態は、リセットされます。
タイミングチャート
OVP_SL
VSNS
1.32V
0.88V
PWRGD
電源シーケンスを組む場合に有効です。PWRGD が High になってから負荷をかけるように出来ます。
21
SI-8511NVS
7.代表特性例
起動特性
Vin=5V
Vo/Io=2.5V/0A
Css=220pF
Vo
EN
負荷応答性能
Vin=12V
Vo =1.9V
Io=0~4A
SW_out(LIN)
Vo
100mV
Io
2A
5μS
22
SI-8511NVS
電気的特性
Load Regulation(Vo=3.3V)
Efficiency(Vo=3.3V)
SKIP:Connect to GND
80
Output Voltage(V)
Efficiency(%)
100
V in=5V
8V
60
10V
12V
40
15V
18V
20
0
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
SKIP:Connect to GND
3.35
3.34
3.33
3.32
3.31
3.30
3.29
3.28
3.27
3.26
3.25
Vin=5V
8V
10V
12V
15V
18V
5.5
0
0.5
1
1.5
2 2.5 3 3.5
Output Current(A)
Output Current(A)
Frequency(Vo=3.3V)
Output Voltage(V)
Output Voltage(V)
450
400
350
Vin=5V
8V
10V
12V
15V
18V
300
250
200
0
0.5
1
1.5
4.5
5
2 2.5 3 3.5
Output Current(A)
4
4.5
5
5.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
0
1
2
3
4
Output Current(A)
5
6
Rise Characteristic(VCC=5V)
Output Voltage(V)
SKIP:Connect to GND
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
0
2
4
6
Input Voltage(V)
5.5
Over Current Protection(Vin=12V)
SKIP:Connect to GND
500
4
8
10
23
SI-8511NVS
8.用語解説
・推奨動作条件
正常な回路機能を維持するために必要とされる動作条件を示すもので、実使用においては
当条件内とする必要があります。
・絶対最大定格
破壊限界を示す定格であり、瞬時動作及び定常動作において、一項目かつ一瞬たりとも規
格値を超えないように配慮する必要があります。
・電気的特性
各項目に示している条件で動作させた場合の特性値規格であります。動作条件が異なる場
合には、規格値から外れる可能性があります。
・PWM (Pulse width modulation)
パルス変調方式の一種で、変調信号波(チョッパ型スイッチングレギュレータの場合、出
力電圧)の変化に応じて、パルスの幅を変えて変調する方式であります。
・ESR (Equivalent series resistance)
コンデンサの等価直列抵抗値を示します。コンデンサに直列に接続された抵抗と同等の作
用を示します。
24
SI-8511NVS
!注意
●本書に記載されている内容は、改良などにより予告なく変更することがあります。ご使用の際
には、最新の情報であることをご確認下さい。
●本書に記載されている動作例および回路例は、使用上の参考として示したもので、これらに起
因する当社もしくは第三者の工業所有権、知的所有権、その他の権利の侵害問題について当社
はいっさい責任を負いません。
●本書に記載されている製品をご使用の場合は、これらの製品と目的物との組み合わせについて
使用者の責任において検討・判断を行って下さい。
●当社は品質、信頼性の向上に努めていますが、半導体製品では、ある確率での欠陥、故障の発
生は避けられません。部品の故障により結果として、人身事故、火災事故、社会的な損害等を
発生させないよう、使用者の責任において、装置やシステム上で十分な安全設計及び確認を行
ってください。
●本書に記載されている製品は、一般電子機器(家電製品、事務機器、通信端末機器、計測機器
など)に使用されることを意図しております。ご使用の場合は、納入仕様書の締結をお願いし
ます。高い信頼性が要求される装置(輸送機器とその制御装置、交通信号制御装置、火災・防
犯装置、各種安全装置など)への使用をご検討の際には、必ず当社販売窓口へご相談及び納入
仕様書の締結をお願いします。極めて高い信頼性が要求される装置(航空宇宙機器、原子力制
御、生命維持のための医療機器など)には、当社の文書による合意がない限り使用しないで下
さい。
●本書に記載された製品は耐放尃線設計をしておりません。
●本書に記載された内容を文書による当社の承諾無しに転記複製を禁じます。
25