環境会計

環境会計
環境経営を評価すると共に、
環境経営指標
■コーポレート環境会計
経営の意思決定支援ツールとなる
環境経営のレベルを適正に評価し、更な
コーポレート環境会計は、企業内部では
環境会計の確立を目指しています。
る改善に繋げる「環境経営指標」が必
事業全体の環境経営を評価するための
要です。そのため、下記の3つの側面から
管理ツールとして機能し、
また、外部公
環境経営指標の設定を検討してきました。
表するにあたっては社会に対しての説
リコーグループでは、環境保全と利益獲
得を同時実現する「環境経営」を評価し、
明責任を果すために機能すると共に他
さらなる改善に繋げていくための重要な
ツールとして「環境会計」を位置付けて
おり、事業全体を評価するための「コーポ
レート環境会計」と、プロジェクトや部門
の経営判断に用いる「セグメント環境会計」
を実施しています。1999年に初めて環境
会計を公表して以来、積極的に環境会
計の開発に取り組み、他事業者から多数
ベンチマークされるなど一定の評価を得
社比較が可能となるような枠組みが必
1
●環境保全の経済効果の側面
環境活動が経済合理性をもって行われているか
組みは環境省環境会計ガイドラインに準
が判る。
(
経 済 効 果
環境保全コスト
)
環境保全が企業の経済的な利益に貢献してい
る値が1以上であれば、環境経営の状態。
(
経済効果+社会コスト削減
環境保全コスト
)
環境保全が社会的な利益と企業の経済的な利
益に貢献している値の合計が1以上であれば、
環境保全の状態。
てきましたが、経営の意思決定支援ツー
ルとするためには、
まだ多くの課題が残さ
要とされています。そのため、
全体的な枠
拠しながらも、
リコーグループ独自の考え
方によって、経済効果の算定、環境負荷
の統合化、指標化などの試行錯誤を繰
り返し、進化させてきました。今後も、
さま
ざまな検討を重ね、企業会計に匹敵する
ような意思決定支援ツールとしての確立
を目指します。
(
環境負荷削減量
環 境 保 全コスト
)
プロジェクト・投資単位の改善効率を評価。
環境保全コスト
化を狙い、
新たな枠組みを検討すると共に、
2 事業の環境効率の側面
●
環 境 保 全コストは、設 備 投 資 額 、減 価
環境経営をより適正に評価できる指標
事業活動に見合う環境負荷で事業活動が行わ
れているか、
また、
それが世の中の要望に応えら
れているかが判る。
れています。今後は、内部管理機能の強
の開発に取り組んで行きます。
■ 環境経営の確立に向けて
リコーグループでは、長期的な競争優位
の源泉となる環境経営の確立に向けた
検討を重ねています。まずは、
リコーグルー
プが目指す環境経営の概念を整理し、
定義するところから始めました。次に、環
(
売 上 高
環境負荷総量(物量または金額換算)
)
事業規模に見合う範囲内の環境負荷になって
いるかを評価。
(
事業付加価値
環境負荷総量(物量または金額換算)
)
環境負荷に見合う利益を得ているかを評価。
3 環境マネジメントの側面
●
環境マネジメントのプロセスが適正かが判る。
境経営レベルを評価・分析するためのも
内部監査、サイトレポート、環境技術開発プロセ
のさしとなる環境経営指標について検討
ス、環境ラベル、
グリーン購入など
償却費、人件費、経費の項目について、
なんらかの環境目的によりコストが発生
したものを集計対象としています。環境
省の環境会計ガイドライン2002に準拠
した分類で環境保全コストをコード化し
ており、会計システムに入力されたデータ
をもとに経理部が集計しています。また
複合コストに関しては、按分して集計し
ています
経済効果
しました。環境経営指標は、定量的評価
環境保全コストに対比させるため、でき
を可能とする環境会計の側面と定性的
るだけ網羅的に経済効果を捉えることを
な情報も含む環境マネジメントの側面か
環境会計は、上記の「環境保全の経済
目的に、実質的な効果のみならず、みな
ら構成されています。現在は、環境経営
効率」
「事業の環境効率」
を測定するツー
し効果や偶発的効果を算出しています。
指標を製品単位、
機能
(部門)
単位に測定・
ルとして機能する必要があります。コーポ
みなし効果の精度向上を図るため、今回、
管理するためのツールとして、新たな環
レート環境会計は、企業全体における「環
R&D(研究開発)による販売寄与効果
境会計(環境管理会計)の枠組みを検
境保全の経済効率」
「事業の環境効率」
に関しては、実際の販売実績および環
討しています。これら全ての情報は環境
を測定するツールとして機能しています。
境性能により得られたと考えられる利益
経営情報システムに集約されます。
73
をもとに算出しています。
指標の開発
経済効果
リコーグループは、事業全体ないしは個
経済効果は、私的な効果(リコーグループ内での効果)、社会的な効果(リコーグループ外での効果)に分
けて算出しています。
公表するための指標を設定してきました。
「実質的効果」 : 節約、売却等で利益を得た効果
「みなし効果」 : 環境対応が寄与したとみなされる付加価値や節約の効果
「偶発的効果」 : 汚染修復や訴訟などのリスク回避による効果
「社会的効果」 : 製品使用時の電気代削減や廃棄物処理費削減の効果(日本国内のみ対象)
従来まで使用してきた「環境改善効率(EE
値)
」、
「環境負荷利益率
(エコレシオ)
」は、
投資やプロジェクトのコスト対効果の対
みなし効果の算出式
「生産付加価値寄与額」:
(生産高−原材料費)×事業エリア内コスト/製造経費
「報道効果」 : 新聞で取り上げられた紙面面積/1頁の紙面面積×1頁あたりの広告費用
「環境教育効果」
別施策の環境保全の効率を評価、分析、
:内部環境教育受講者×外部で受講した場合の費用
「R&D付加価値寄与額」: 製品粗利×グリーンポイントによる粗利寄与率(78ページを参照)
「宣伝効果」 : 環境ホームページアクセス数×環境報告書単価
偶発的効果の算出式
比に主に活用されてきたため、
今年度より、
コーポレート環境会計からは除外し、
セグ
メント環境会計のみで活用しています。
環境負荷改善の指標である、EE値、EEI
(Eco-Eff iciency Index)
は、
本来の指標
「偶発的効果金額」 : 基準金額×発生係数×影響係数
の持つ意味を考慮し、
それぞれEI( Eco-
対象項目 : 汚染防止に関わる改善項目
基準金額 : 訴訟、操業停止、修復における基準金額を設定
Improvement)値、EII( Eco-Improvement Index)
と名称を改めました。EEIは、
従来の「環境改善指数」から、環境負荷
環境保全効果
ます。この金額は、
リコーグループにおける
総量と売上高を対比した「環境負荷売
環境保全効果に関しては、対象年度に削
CO 2削減対策投資から算出した基準額
上指数」を表す指標の名称に改めました。
減できた環境負荷削減量を効果として
16,000円/t - CO 2とほぼ同額であること
また、
これら以外にも、いくつかの新たな
表現しています。環境負荷項目は、CO2、
で、
社内的な妥当性を得ています。ただし、
指標を追加しています。
NOx、SOx、BOD(Biochemical Oxy-
現段階では、金額換算はひとつの試みで
gen Demand:生物化学的酸素要求量)
、
あり、今後の検討の余地を残しています。
廃棄物最終処分量、PRTR(Pollutant
Release and Transfer Register:環境
汚染物質排出・移動登録)対象物質の6
指
標
項目です。
「環境改善効率(EI Value : Eco-Improvement Value)」= 環境負荷削減量/環境保全コスト(単位:t/億円)
・
環境保全コスト1億円あたり、環境負荷項目別にどれだけの環境負荷物量を削減できたかが判る指標
社会コストの算出
従来、環境保全効果に関しては物量単
位で表していましたが、環境保全コストと
の対比を明確にするために、環境負荷量
の金額換算を実施しました。環境負荷の
金額換算値は、
いわゆる「社会コスト」
(外
部不経済のコスト)
を指すため、金額換
算値を「社会コスト」として扱っています。
なお、金額換算にあたっては、貨幣価値
によるインパクト評価手法であるEPS Ver.
2000の数値を用いて、108 EURO/t - CO 2
・
「環境負荷利益率(Eco-ratio)」= 売上総利益/環境負荷(単位:億円/t)
環境負荷物量1tの排出に対してどれだけの企業付加価値を得たかが判る指標
1 /環境保全コスト総額(千円)
・
「環境改善指数(EII : Eco-Improvement Index)」= 環境負荷削減総量(○)
2 /環境保全コスト総額
・
「社会コスト改善率(IRS:Improvement Ratio of Social cost)」= 社会コスト削減総額(○)
2
1
ト)削減がなされたかが判る指標
効率よく
(○環境負荷/○社会コス
1
・
「環境負荷利益指数(Eco Index)」= 売上総利益(千円)/環境負荷総量(○)
2
・
「社会コスト利益率(RPS : Ratio of Profit to Social cost)」=売上総利益 /社会コスト総額(○)
2
1
企業の適正な(○環境負荷/○社会コス
ト)
で利益が獲得できているかが判る指標
1
・
「環境負荷売上指数(EEI : Eco-Efficiency Index)」=売上高(千円)/環境負荷総量(○)
2
・
「社会コスト売上率(RSS : Ratio of Sales to Social cost)」= 売上高/社会コスト総額(○)
2
1
ト)
で事業活動がなされているかが判る指標
事業規模に見合う
(○環境負荷/○社会コス
・
「環境効果率(REE : Ratio of Eco Effect)」=環境効果(経済効果総額+社会コスト削減総額)
/環境保全コスト総額
・
「環境収益率(REP : Ratio of Eco Profit)」=経済効果総額/環境保全コスト総額
環境保全活動が経済合理性をもって行われているかが判る指標
(11,945円/t-CO 2)
を基準に計算してい
74
2001年度 リコーグループのコーポレート環境会計
BVQI 検証済み
(26)
コスト単位 : 億円 (外貨レート : 1$ = 125.1円、1EURO = 110.6円)
コ ス ト
経 済 効 果
項 目
環境投資 環境費用
事業エリア内
コスト
主な費用項目
金額効果
分類
11.8
a
節電や廃棄物処理効率化など
44.4
b
生産付加価値への寄与
21.7
c
汚染による修復リスクの回避、訴訟の回避など
33.4
a
リサイクル品売却額など
[21.5]
S
社会における廃棄物処理コストの削減
1.8
b
報道効果、環境教育効果など
38.1
b
R&Dによる製品粗利寄与額
[8.4]
S
製品省エネ性能向上によるユーザー支払電気代削減
4.4
b
環境宣伝効果額など
項 目
公害防止費用 ……… 4.84(億円)
5.2
24.1
地球環境保全費用 … 3.74(億円)
資源循環費用………15.57(億円)
上・下流コスト
0.0
48.7
製品の回収、再商品化のための
費用など
管理活動コスト
0.5
30.8
環境対策部門費用、環境マネジメント
システム構築・維持費用
研究開発コスト
0.0
18.8
環境負荷低減のための研究、開発費用
社会活動コスト
0.0
4.5
環境報告書作成、環境広告のための費用など
環境損傷コスト
0.0
1.3
土壌汚染の修復、環境関連の和解金など
その他のコスト
0.1
0.9
その他環境保全に関連するコスト
総 計
5.8
129.1
な し
155.6
a、b、c 合計
a : 実質的効果
b : みなし効果
全設備投資額
252.8
[29.9]
S合計
c : 偶発的効果
S : 社会的効果
■ 2001年度環境会計における考察
減量が昨年度比5倍以上の4.
9%を達成
実際の企業P/Lに寄与していると考えら
環境保全コストに関して、環境設備投資
しており、
従来からの投資効果が大きく寄
れる実質的効果と販売粗利寄与額による
額は減少していますが、環境費用は、対
与していることが判ります。資源の枯渇問
環境収益率を試算すれば、0.
64だった
象範囲を拡大したこともあり全体的に増
題に対しては、
日本だけでなく世界で「ご
ことから、
本来あるべき環境経営には達し
えています。特に製品リサイクルコストと
みゼロ活動」を推進したことにより、廃棄
ていないため、1.
0以上になるような施策
研究開発コストが増加傾向にあるのは、
物最終処分量を前年度比で70%以上削
を展開することにより、環境経営の実現を
製品環境負荷の削減に力を注いでいる
減できました。また化学物質に対しては、
目指して行きます。
結果が反映されているためであると考え
PRTR対象物質をほぼ半減できました。
られます。経済効果面では、
リサイクル製
2001年度は、全体的に大幅な環境負荷
品売上の海外販売分を取りこんだことに
低減を実現すると共に、企業付加価値も
より、昨年度に比べ倍増しており、
また環
伸びており、環境負荷利益指数の向上に
境配慮型商品が市場で支持された結果、
顕著に現れています。
また、
全ての経済効
社会的(顧客)経済効果も増加しました。
果による環境収益率をみると1.0を超えて
環境保全効果に関しては、社会的に注目
おり、環境保全コストに見合う経済効果を
されている地球温暖化に対して、CO2削
得ていることが判ります。しかしながら、
75
環境負荷利益指数の推移(リコー単独)
1500
1200
900
600
300
0
1339.7
759.2
336.2
376.7
530.0
1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度
環境負荷利益指数の推移(リコーグループ)
1500
1200
900
600
300
0
538.8
153.8
232.8
1998年度
1999年度
2000年度
1204.1
2001年度
対象範囲
● 集計対象:リコーグループ主要79社 2ページ参照。
● 集計対象期間:2001年4月1日から2002年3月31日
(コスト、環境負荷総量) ※環境負荷削減量は2000年度実績と2001年度実績との比較です。
環 境 保 全 効 果
削減率
環境負荷削減量 (t)
環 境 負 荷
削減換算値 社会コスト削減額
負荷換算値
社会コスト
換算係数
総 量 (t)
事業所での環境負荷削減量
CO 2 ………………………14,850.5
5.0%
14,851
1.77
CO 2 …………… 281,186
281,186
33.59
1.0
NOx ……………………………… 8.6
4.4%
169
0.02
NOx ………………… 186
3,672
0.44
19.7
SOx ……………………………… 0.7
2.9%
21
0.00
SOx …………………… 24
712
0.09
30.3
BOD …………………………… -8.1
-17.1%
-0
- 0.00
BOD …………………… 56
1
0.00
廃棄最終処分量 ………… 4,310.0
72.5%
448,240
53.54
廃棄最終処分量 …1,639
170,435
20.36
93,707
11.19
PRTR対象物質排出量
125,236
14.96
556,988
66.52
581,242
69.44
1.95
0.0431
0.515
1,204.1
100.8
環境効果率
環境改善指数
環境負荷
利益指数
社会コスト
利益率
PRTR対象物質排出量
0.02
104.0
(リコー基準にて
各物質毎に換算)
製品での環境負荷削減量
CO 2 ……………… 13,043.8(t)
NOx ………………………10.7(t)
SOx ……………………… 8.5(t)
廃棄最終処分量 … 26,920.0(t)
集計範囲は国内のみ
1.21
環境収益率
社会コスト
改善率
罰金・科料
■ セグメント環境会計
中国のRAI(Ricoh Asia Industry)では、
経営の意思決定においては、事業活動
2001年度末に排水処理設備を建設し、
の全体を表現したコーポレート環境会計
* 事業所のCO2削減のコスト対効果予測(17ページ)、
省エネ製品によるCO2削減のコスト対効果予測(17ページ)、
事業所の化学物質削減のコスト対効果予測(17ページ)、
「氷蓄熱+冷水チラー方式」熱源システムの環境保全コスト
自社で排水処理を始めました。従来は、
が活用される場面はある程度限定されま
罰金・科料には相当しませんが、排水処
すが、
プロジェクトごとに実施される「セ
半導体工場(やしろ)の環境保全コスト対効果予測(40ページ)、
理費用を支払っていました。
グメント環境会計」、特に効果予測のた
コスト対効果実績(40ページ)、
めのセグメント環境会計は、多くの意思
環境保全活動の不備などによる罰金・科料(リコーグループ)
1999年度
2000年度
2001年度
件 数(件)
0
0
0
金額
0
0
0
決定の場面で活用することができます。
対効果予測(36ページ)、
洗浄工程対策(リコーインダストリーフランス)の環境保全
QSU製品開発における環境保全コスト対効果実績(48ページ)、
2001年度 製品リサイクル事業における環境保全コスト対
効果実績(50ページ)
リコーグループは、1999年に「セグメント
環境会計」を提案し、多くの施策で実践
してきましたが、2001年度も、
さまざまな
場面でセグメントの環境会計を実施*し、
環境経営の推進に役立てています。
76
対象範囲
2001年度 リコーグループのコーポレート環境会計(エコバランス環境会計)
● 集計対象期間:2001年4月1日から2002年3月31日
材料・
部品調達
電力、重油など
[ TJ ]
4,006
原 油
鉄鉱石
マンガン鉱石
ニッケル鉱石
クロム鉱石
[ 千t ]
[ 千t ]
[ 千t ]
石 炭
その他
水道水/井水/工業用水
[ 千t ]
[ 千t ]
[ 千t ]
[t]
[t]
[t]
21
53
2
2
1
30
11
ア
ウ
ト
プ
ッ
ト
指
標
12,472
28,037
271.57
51.06
0.46
25.40
0.23
133.60
34
18
33.30
15
228
3,039
147
356
14
22
170
391
44
84
23
35
58
25
25
131
4.84E+07
3.75E+08
4.24E+08
1.88E+08
-3.27E+05
4.20E+05
6.12E+08
67,639
33.65%
394,642
4.10E+07
―
4.10E+07
1.83E+07
9.28E+07
2.28E+05
1.52E+08
16,841
8.38%
4,142
1.59E+07
―
1.59E+07
1.97E+07
9.84E+07
2.50E+05
1.34E+08
14,851
7.39%
1,307
7.10E+06
―
7.10E+06
2.64E+06
5.73E+06
3.34E+04
1.55E+07
1,715
0.85%
969
4.64E+06
―
4.64E+06
3.25E+06
-3.86E+04
3.83E+04
7.89E+06
872
0.43%
197
8.79E+06
―
8.79E+06
4.98E+06
-6.83E+04
6.10E+04
1.38E+07
1,522
0.76%
782
782
―
―
3,586
614
1,055
734
1,089
3,861
817
12
1,054
140
44
644
1,157
1,989
―
環境効果率
/環境保全コスト)
((経済効果+社会コスト削減)
―
0.47
6.74
1.31
4.93
1.72
0.52
―
環境収益率
(経済効果/環境保全コスト)
―
0.17
1.48
0.02
0.32
1.72
―
―
HFC-134A
六フッ化硫黄
その他
NOx
SOx
CO 2
CH 4
BOD
COD
[t]
[t]
人間健康影響
生態系影響
生物多様性
ELU合計
社会コスト
割 合
資源・エネルギーコスト
環境保全コスト
経済効果
環境保全効果(社会コスト削減)
[ 百万円 ]
[ 百万円 ]
[ 百万円 ]
[ 百万円 ]
[ 百万円 ]
4,187
0.23
0.04
45.04
0.31
0.37
[t]
[t]
[t]
[t]
[t]
[t]
[t]
[ 千t ]
[t]
[t]
[t]
化石燃料
鉱物資源
計
資源影響
効
果
796
紙
192
環
境
影
響
コ
ス
ト
418
電力
3,290
環境負荷排出量
環境会計
販売
3,098
[ 千t ]
[ 千t ]
三価/六価クロムとその化合物
多芳香族炭化水素
トルエン
ジクロロメタン
換金
算額
輸送
567
砒素(As)
とその化合物
カドミウム(Cd)
とその化合物
鉛(Pb)
とその化合物
化学物質
使用
管理
1,384
資源消費量
水使用量
製造工程
生産事業所
日本極 日本極以外
3,391
エネルギー消費量
イ
ン
プ
ッ
ト
● 集計対象:リコーグループ主要79社 2ページ参照。
4
46.90
46
18
44
390
310
471
817
6,007
21,681
3,460
11,029
1.40E+08 2.11E+08
―
―
1.40E+08 2.11E+08
5.55E+07 4.62E+08
-7.20E+05 -5.46E+06
6.73E+05 4.15E+06
1.96E+08 6.72E+08
21,624
74,294
10.76% 36.95%
―
―
932
―
―
―
489
12.91
社会コスト売上率(売上高/社会コスト)
※ 上・下流における環境負荷量に関しては、特定機種の環境負荷データに基づき概算しています。
(空欄は、量が0に近いか不明のもの)
※ 環境影響、金額換算の値に関しては、EPS ver.2000により算出。
■新しい内部環境会計の枠組み
利益や、事業規模に見合う環境負荷量
なされているかを測定・評価して行きます。
従来、環境会計は、環境保全コストに対
で活動が行われているかを、内部的に
さらに投入した環境保全コストが社会的
する環境負荷削減効果を捉え、その効
測定・評価できるツールである必要があ
な効果および私的な利益獲得に結びつ
率などを評価・公表するためのツールで
ります。リコーグループは、材料の調達か
いているか、事業活動全体の環境負荷
した。しかし、環境経営の意思決定を支
ら廃棄・リサイクルまで、
コメットサークル*1
が事業規模に見合うレベルであるかを、
援するためには、全ての工程で発生する
における各工程の環境負荷ポテンシャル
製品群別または工程別に評価・検討す
環境負荷(環境負荷ポテンシャル)
を測定・
と環境影響を把握すると共に、その環境
ることで、環境管理会計としての枠組み
把握すると共に、活動に対して得られた
影響に対して適正な経営資源の配分が
を確立して行きます*2 。そのため、製品
77
保守
保守作業
廃棄
保守部品
リサイクル
製造
287
443
46
51,847
30
4,198
6,598
0.23
0.04
45.04
0.32
0.37
272.03
76.46
4.46
0.01
4.46
に対して環境負荷低減に配慮しているレ
従来、
環境配慮型商品の研究開発に関す
ベルに応じて「グリーンポイント」を付けて
るコスト対効果の予測は困難でした。今回
いるため、機種別の利益寄与率をそのポ
は、
日本で主要製品を購入されたお客様を
イント数に照らし合わせて、
機種別の利益
対象に実施している「顧客満足度調査」
寄与率を算出しました。機種別の年度粗
の回答のうち、購買動機の項目をもとに、
利額の実績から、各機種の環境性能によ
環境性能の優れた複写機の利益寄与率
る粗利寄与額を算出し、
その総額を年度
を算出しました。また、社内では、各製品
の研究開発に対する経済効果としました。
計
21
53
2
2
1
18
■ 環境配慮型商品開発による経済的効果
「顧客満足度調査」の回答(サンプル数=138、複数回答)
1
1
3.17E+06 4.81E+06
―
―
3.17E+06 4.81E+06
2.59E+06 3.25E+06
-2.34E+04 4.89E+05
3.21E+04 4.06E+04
5.78E+06 8.59E+06
639
950
0.32%
0.47%
761
139
17
43
5.12E+05
―
5.12E+05
1.38E+05
-1.89E+03
1.71E+03
6.50E+05
72
0.04%
96
4,627
755
6,688
0.23
213.82
6,575
22,066
4,614
4,841
59
11,136
4.85E+08
3.75E+08
8.60E+08
7.60E+08
1.91E+08
5.93E+06
1.82E+09
201,019
100.00%
402,896
12,914
4,520
13,834
0.43
1.61
1.42
からも検討を実施しています。マーケティ
0.35
0.02
3
7
29
17
7
16
72
1
1
0.12
0.16
群および工程別に各機能をコントロール
する部門を特定し、それぞれの責任区
において、効果測定・評価することで、効
率的な環境経営を推進して行きます。
*1 13ページを参照。
回答数
75
36
24
18
42
8
4
21
8
2
32
60
34
64
14
回 答 項 目
1.コピーの機能・性能が良いので
2.電源を入れてから使用可能な状態になるまでの時間(ウォームアップタイム)が早いので
3.省エネモード
(オートオフ時)から使用可能な状態になるまでの時間が早いので
4.機械の大きさが小さいので
5.使い易そうなので
6.使いたい機能があるので
7.静音設計なので
8.省エネルギー設計なので
リサイクル設計、環境影響化学物質の削減など)
9.環境に配慮した機械なので(トナーリサイクル、
10.機械のデザイン(色、形)が良いので
11.本体が購入しやすい価格なので
12.セールスが推奨してくれたので
13.保守体制がしっかりしているので
14.以前から取り引きがあるので
15.その他
回答率
54%
26%
17%
13%
30%
6%
3%
15%
6%
1%
23%
43%
25%
46%
10%
※ 環境性能による粗利寄与率= 6.56%(全体回答数合計に対する項目8、9回答数合計の割合)
右記の結果は、実際に購入されたお客様
を対象にした調査によるもので、
かなり実
機種毎のグリーンポイントと粗利寄与率
(一部の機種のみ記載)
グリーンポイント
粗利寄与率
imagio Neo 350
25
6.56%
Spirio 5000 RM
24
6.30%
Spirio 7010F
18
4.72%
Spirio 7210F RM
26
6.82%
FT 4500FK
16
4.20%
imagio MF4570
19
4.99%
ング手法のひとつであるコンジョイント分
imagio Neo 450
25
6.56%
析にて評価した結果は以下の通りです。
imagio MF5570
19
4.99%
imagio MF7070
21
5.51%
CO 2を1kg削減することに対して1,247.5
imagio MF8570
18
4.72%
円の支払意志額があること示しています。
imagio MF105 Pro
18
4.72%
体に近いと考えられますが、
別途、
この粗利
寄与率に関しては、
お客様のWTP(Willingness to Pay:支払意志額)評価の側面
機 種 名
コンジョイント分析によるお客様のWTP評価結果
属 性
速 度(枚/分)
ウォームアップタイム(秒)
電気料金(千円/年)
待機時の音(dB)
温暖化ガス(kg-CO2)
価 格(万円)
効率指数の評価ウェイト
製品価格単位の評価ウェイト
0.0013844(効用/枚)
0.0023333(効用/秒)
0.0746933(効用/千円)
0.0027242(効用/dB)
0.0006726(効用/kg)
0.0053915(効用/万円)
2,567.7(円/枚)
4,327.7(円/秒)
138.5(円/円)
5,052.8(円/dB)
1,247.5(円/kg)
1.0(円/円)
*2 上のエコバランス会計の表を参照。
この結果を顧客満足度調査で採用した
査結果による寄与率の妥当性が、WTP
機種に当てはめると、寄与率は7.89%に
の側面からも検証できたと考えられます。
なることが確認されました。顧客満足度調
78