コーポレート環境会計

環境 経営の 基盤
環境経営評価手法 コーポレート環境会計
2008年度
リコーグループのコーポレート環境会計
環境保全活動に対する支出で、
環境投資と環境費用(狭義のコスト)の両方を含む広義のコストをいいます。
環境保全コストを事業活動との関わりによって分類した
もの。
具体的には環境省「環境会計ガイドライン2005年
版」の「事業活動に応じた分類」によっています。
●環境投資
●環境費用
環境保全活動に対する支出のうち、
財務会計
の固定資産投資に相当するもの。
その金額は
減価償却の手続きにより固定資産の耐用期
間にわたって環境費用として配分されます。
環境保全活動に対する支出のうち、財
務会計の期間費用に相当するもの(環
境投資の減価償却費を含みます)。
コスト単位 : 億円
(外貨レート : 1$ = 100.55円、
1Euro = 143.74円)
項 目
事業エリア内
コスト
上・下流コスト
コ ス ト
環境投資 環境費用
経 済 効 果
主な費用項目
公害防止コスト……………………2.7
2.7
20.7
地球環境保全コスト ………………3.4
資源循環コスト…………………14.6
0.1
75.6
製品の回収、
再商品化のための
費用など
金額効果
分類
−2.3
a1
節電や排出物処理効率化など
46.3
b
生産付加価値への寄与
20.8
c
汚染による修復リスクの回避、
訴訟の回避など
228.0
a1
リサイクル品売却額など
[21.2]
S
社会における廃棄物処理コストの削減
b
報道効果、環境教育効果、
環境宣伝効果など
51.1
a2
R&D
(製品研究開発)による利益貢献額
[4.9]
S
製品省エネ性能向上によるユーザー支払電気代削減
管理活動コスト
0.8
48.0
環境マネジメントシステム構築・維持費用、
14.3
環境報告書作成、環境広告のための費用
研究開発コスト
4.1
26.4
環境負荷低減のための研究、
開発費用
社会活動コスト
0.0
0.5
事業所を除く自然保護、緑化のための費用など
環境損傷対応コスト
0.1
0.7
土壌汚染の修復、環境関連の和解金など
その他コスト
0.2
0.9
その他環境保全に関連するコスト
総 計
7.9
172.6
な し
358.2 (a1:225.7 a2:51.1 b:60.6 c:20.8)合計
26.0
・環境投資比率 : 0.8%
〈=環境投資( 7.9 )
/設備投資総額( 969)
〉
項 目
S合計
a1
a2
b
c
S
: 実質的効果
: 推定実質的効果
: 副次的効果
: 偶発的効果
: 社会的効果
(お客様での効果)
・環境研究開発費比率 : 2.1%
〈=環境研究開発費(26.4)
/ 研究開発費総額(1,244)
〉
経済効果とは、環境保全活動の結果として得られた効果のうち、
リコーグループの利益に何らかの形で貢献した効果で、以下の5つに分類されます。
●実質的効果(a1)
経済効果のうち次のいずれか
に当てはまるものをいいます。
ア
■効果としての現金または現
金同等物の受け取りがある
もの。財務会計の実現収益に
相当します。
●推定実質的効果(a 2)
実質的に売上や利益に貢献
しているが、その貢献額の測
定に推定計算が必要なもの。
例えば、製品の環境性能向上
が売上や利益の増加をもた
らす場合などがあります。
イ
■環境保全活動がなければ
発生するはずだった費用が節
約された場合の節約額。財務
会計では認識されません。
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リコーグループ 環境経営報告書2009
●副次的効果(b)
環境保全活動に対する支出
が全体としての利益獲得に
寄与したと推定される場合
の寄与推定額。例えば、環境
保全コストをリコーグループ
が事業を営むための不可欠
なコストと考えれば、それは
一定の割合で利益獲得に貢
献していると言えます。具体
的には環境保全活動によっ
て得られた効果のうち、売
上・利益の増加や経費削減で
は表せない効果を、項目別に
推計方法を定め、貨幣価値で
表しています。
●偶発的効果(c)
環境保全活動に対する支出
は環境負荷の発生を防止す
るため、ひとたび発生してし
まった場合の損害を回避する
効果があったと言えます。具
体的には発生した場合に見
込まれる損害額に発生係数
と影響係数を掛けて計算し
ます。
●社会的効果(S)
環境保全活動に対する支出
がリコーグループ外の社会
で上げた効果。
具体的には環
境配慮型製品がお客様の電
気代や廃棄物処理費を削減
した額をいいます。
※ 算出式は右ページを参照。
●換算係数
単位の異なる多種の環境負荷を重
みづけして合算し、環境への影響
度を把握するための重みづけ係数
(CO2=1)
。
スウェーデンのEPSと
いう手法を応用して求めています。
●削減換算値/負荷換算値
環境負荷削減量/環境負荷総
量 に 換 算 係 数 を掛 け た 値 。
t-CO 2 単位に換算した環境
負荷削減量/環境負荷総量の
環境への影響度と言えます。
環境経営の考え方
環境保全活動の結果として得られ
た効果のうち、環境負荷の発生の
防止・抑制・影響の除去・修復などの
取り組みの効果。
リコーグループで
は、
前年度と比較した環境負荷物質
の排出削減量を計上しています
(=
前年度排出量−当年度排出量)
。
●社会コスト削減額/
社会コスト
削減換算値/負荷換算値を金
額に換算したもの。
EPS Ver.
2000により108Euro/t-CO2
で計算しています。
環 境 保 全 効 果
環境負荷削減量 (t)
換算係数
環 境 負 荷
削減換算値
社会コスト削減額
事業所で排出する環境負荷削減
総 量 (t)
換算係数
負荷換算値
社会コスト
事業所で排出する環境負荷
CO2 ………………………… 28,182.6
1.0
28,183
4.38
CO2 ……………… 294,888
1.0
294,888
45.78
NOx ……………………………… 10.6
19.7
208
0.03
NOx ……………………… 158
19.7
3,106
0.48
SOx ……………………………… 1.1
30.3
34
0.01
SOx ………………………… 7
30.3
223
0.03
BOD …………………………… −2.2
0.02
0
0.00
BOD ………………………… 8
0.02
廃棄物最終処分量 ……… −148.8
104.0
−2.40
廃棄物最終処分量 ……… 261
104.0
…………… (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
−15,478
6,655
0
(リコー基準にて
環境影響化学物質排出量 ……… 各物質ごとに換算)
1.03
ライフサイクル全体での環境負荷削減
0.00
27,122
4.21
18,466
2.87
ライフサイクル全体での環境負荷
1.0
−418,428
−64.96
CO2 …………… 5,157,736
1.0
5,157,736
800.68
NOx ………………………… −1,380
19.7
−27,187
−4.22
NOx ……………… 15,069
19.7
296,855
46.08
SOx ………………………… −1,549
30.3
−46,942
−7.29
SOx ………………… 17,375
30.3
526,473
81.73
− (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
7,631,598
1,184.72
− (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
2,627,164
407.84
− (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
3,140,500
487.53
343,806
53.37
19,380,325
3,008.59
鉱物資源 ………………………
その他 …………………………
− (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
− (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
− (リコー基準にて
各物質ごとに換算)
合計(事業所での環境負荷削減量)
合計(ライフサイクル全体での環境負荷削減量)
※
※
※
※
−599,406
−93.05
180,448
−78,813
化石燃料 ……………
28.01
鉱物資源 ……………
−12.23
その他 ………………
合計(事業所での環境負荷)
19,602
3.04
−990,329
−153.74
合計(ライフサイクル全体での環境負荷)
事業活動に関する取り組み
CO2 ……………………… −418,428
化石燃料 ………………………
製品に関する取り組み
環境影響化学物質排出量
特集/環境経営の環を拡げる
リコーグループが当年度に排出した環境負荷物質の量。
ライフサイクル全体での数値は、
事業所での数値を含みます。
59∼60ページ
(エコバランス) を参照してください。
化石燃料、
鉱物資源、
その他の物量の詳細は 環境影響化学物質とは、
PRTR法対象物質を主に、
リコーグループとして使用量の多い化学物質を加え、
環境行動計画で定めた物質です。
44ページ
資産除去債務
(環境債務)に関しては、 をご覧ください。
対象範囲 ●集計対象:リコーグループ主要 会社 76ページ
●集計対象期間:2008年4月1日から2009年3月31日(コスト、
環境負荷総量) ※ 環境負荷削減量は2007年度実績と2008年度実績との比較です。
※ 社会コストは108Euro / t-CO2(¥15,524/ t-CO2)を基準に計算
基盤
(4)偶発的効果の算出式
光熱水道費削減額
前年度光熱水道費 ─ 当年度光熱水道費
偶発的効果金額
基準金額×発生係数×影響係数×継続係数
廃棄物処理費削減額
前年度廃棄物処理費 ─ 当年度廃棄物処理費
対象項目
汚染防止に関わる改善項目
有価物売却額
排出物分別による有価物の売却額
基準金額
訴訟、操業停止、
修復における基準金額を設定
係 数
発生頻度、影響範囲で発生係数と影響係数を設定
リサイクル製品・パーツ売上 リサイクルした製品および部品の売上
補助金
国などからの環境関連の補助金額
(2)推定実質的効果の算出式
R&D利益貢献額
製品粗利×環境配慮ポイントによる粗利貢献率
(3)副次的効果の算出式
生産付加価値寄与額
環境経営評価手法
コーポレート環境会計
(1)実質的効果の算出式
売上総利益×環境保全コスト/経費
報道効果
新聞で取り上げられた紙面面積/1頁の紙面面積×1頁あたりの広告費用
環境教育効果
内部環境教育受講者×外部で受講した場合の費用
宣伝効果
環境ホームページアクセス数×環境報告書単価
(5)社会的効果(お客様先での製品使用による経済効果)の算出式
総電力量
製品消費電力量×販売台数
電気代削減効果
(旧製品総電力量−新製品総電力量)×電気代単価
廃棄物処理費削減効果
(回収製品重量−最終処分重量)
×外部処理単価
リコーグループ 環境経営報告書2009
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