環境経営の基盤 環境経営評価手法 コーポレート環境会計 環境保全活動に対する支出で、 環境投資と環境費用(狭義のコスト)の両方を含む広義のコストを言います。 環境保全コストを事業活動との関わりによって分類した もの。 具体的には環境省「環境会計ガイドライン2005年 版」の「事業活動に応じた分類」によっています。 ●環境投資 ●環境費用 環境保全活動に対する支出のうち、 財務会計 の固定資産投資に相当するもの。 その金額は 減価償却の手続きにより固定資産の耐用期 間にわたって環境費用として配分されます。 環境保全活動に対する支出のうち、財務会 計の期間費用に相当するもの(環境投資の 減価償却費を含みます)。 環境保全活動の結果として得られ た効果のうち、環境負荷の発生の 防止・抑制・影響の除去・修復などの 取り組みの効果。 リコーグループで は、 前年度と比較した環境負荷物質 の排出削減量を計上しています (= 前年度排出量−当年度排出量) 。 ●換算係数 単位の異なる多種の環境負荷を重 みづけして合算し、環境への影響 度を把握するための重みづけ係数 (CO2=1) 。 スウェーデンのEPSと いう手法を応用して求めています。 ●削減換算値/負荷換算値 ●社会コスト削減額/ 環境負荷削減量/環境負荷総 量 に 換 算 係 数 を掛 け た 値 。 t-CO 2 単位に換算した環境 負荷削減量/環境負荷総量の 環境への影響度と言えます。 社会コスト 削減換算値/負荷換算値を金 額に換算したもの。 EPS Ver. 2000により108Euro/t-CO2 で計算しています。 特集/環境経営の環を拡げる 2010年度 リコーグループのコーポレート環境会計 リコーグループが当年度に排出した環境負荷物質の量。 環境経営の考え方 コスト単位 : 億円(外貨レート : 1$ = 85.77円、 1Euro = 113.28円) 項 目 事業エリア内 コスト 上・下流コスト 環境投資 環境費用 主な費用項目 公害防止コスト……………………… 2 3.4 13.5 地球環境保全コスト ………………2.3 資源循環コスト……………………9.2 0.0 0.1 138.7 38.5 環 境 保 全 効 果 経 済 効 果 製品の回収、 再商品化のための 費用など 金額効果 分類 22.1 a1 節電や排出物処理効率化など 事業所で排出する環境負荷削減 62.2 b 生産付加価値への寄与 CO2 ………………………… 126.1 1.0 126 0.02 CO2 ……………… 287,343 11.6 c 汚染による修復リスクの回避、訴訟の回避など NOx ………………………… −30.1 19.7 −592 −0.07 NOx ……………………… 184 208.9 a1 リサイクル品売却額など SOx …………………………… −0.1 30.3 −4 0.00 SOx ………………………… 6 BOD ………………………… −0.6 0.02 0.0 0.00 b 報道効果、環境教育効果、環境宣伝効果など 廃棄物最終処分量 ………… 11.3 104.0 1,172 0.14 (リコー基準にて 各物質ごとに換算) 環境マネジメントシステム構築・維持費用、 10.8 環境報告書作成、環境広告のための費用 研究開発コスト 1.6 30.7 環境負荷低減のための研究、開発費用 項 目 環境負荷削減量 (t) 換算係数 削減換算値 社会コスト削減額 換算係数 負荷換算値 社会コスト 1.0 287,343 35.15 19.7 3,624 0.44 30.3 181 0.02 BOD ………………………… 7 0.02 0.1 0.00 廃棄物最終処分量 ……… 261 104.0 総 量 (t) 事業所で排出する環境負荷 42.0 a2 R&D (製品研究開発)による利益貢献額 環境影響化学物質排出量 ………… [2.5] S 製品省エネ性能向上によるユーザー支払電気代削減 ライフサイクル全体での環境負荷削減 な し −2,309 (リコー基準にて 環境影響化学物質排出量 ……… 各物質ごとに換算) −0.28 27,188 3.33 18,553 2.27 ライフサイクル全体での環境負荷 社会活動コスト 0.0 0.6 事業所を除く自然保護、緑化のための費用など CO2 …………………… 356,145 1.0 356,145 43.57 CO2 …………… 4,906,659 1.0 4,906,659 600.29 環境損傷対応コスト 0.0 0.7 土壌汚染の修復、環境関連の和解金など NOx …………………… −11,256 19.7 −221,743 −27.13 NOx ……………… 14,180 19.7 279,343 34.18 その他コスト 0.0 1.0 その他環境保全に関連するコスト SOx ……………………… −6,260 30.3 −189,678 −23.21 SOx ………………… 16,283 30.3 5.1 223.8 357.7 (a1:230.9 a2:42.0 b:73.1 c:11.6)合計 2.5 : 実質的効果 : 推定実質的効果 : 副次的効果 : 偶発的効果 : 社会的効果 (お客様での効果) ・環境研究開発費比率 : 2.8% 〈=環境研究開発費(30.7 ) / 研究開発費総額(1,108)〉 経済効果とは、環境保全活動の結果として得られた効果のうち、 ●社会的効果(S) 環境保全活動に対する支出が リコーグループ外の社会で上 げた効果。 具体的には環境配慮 型製品がお客様の電気代や廃 棄物処理費を削減した額を言 います。 895.12 − 2,806,014 343.29 − (リコー基準にて 各物質ごとに換算) 2,980,052 364.59 336,889 41.22 18,782,002 2,297.84 −19,250 −2.36 その他 ……………… −1,607 −0.20 合計(事業所での環境負荷) −429,893 −52.59 合計(ライフサイクル全体での環境負荷) ライフサイクル全体での数値は、 事業所での数値を含みます。 63∼64ページ (エコバランス) を参照してください。 化石燃料、 鉱物資源、 その他の物量の詳細は 環境影響化学物質とは、 PRTR法対象物質を主に、 リコーグループとして使用量の多い化学物質を加え、 環境行動計画で定めた物質です。 47ページ 資産除去債務 (環境債務) に関しては、 をご覧ください。 (1)実質的効果(a1)の算出式 (4)偶発的効果(c)の算出式 光熱水道費削減額 前年度光熱水道費−当年度光熱水道費 偶発的効果金額 基準金額×発生係数×影響係数×継続係数 廃棄物処理費削減額 前年度廃棄物処理費−当年度廃棄物処理費 対象項目 汚染防止に関わる改善項目 有価物売却額 排出物分別による有価物の売却額 基準金額 訴訟、 操業停止、 修復における基準金額を設定 係 数 発生頻度、 影響範囲で発生係数と影響係数を設定 リサイクル製品・パーツ売上 リサイクルした製品および部品の売上 補助金 国などからの環境関連の補助金額 (2)推定実質的効果(a 2)の算出式 R&D利益貢献額 製品粗利×環境配慮ポイントによる粗利貢献率 売上総利益×環境保全コスト/経費 報道効果 新聞で取り上げられた紙面面積/1頁の紙面面積×1頁あたりの広告費用 環境教育効果 内部環境教育受講者×外部で受講した場合の費用 宣伝効果 環境ホームページアクセス数×環境報告書単価 総電力量 製品消費電力量×販売台数 電気代削減効果 (旧製品総電力量−新製品総電力量)×電気代単価 廃棄物処理費削減効果 (回収製品重量−最終処分重量)×外部処理単価 リコーグループ 環境経営報告書2011 コーポレート環境会計 生産付加価値寄与額 (5)社会的効果(S) (お客様先での製品使用による経済効果)の算出式 (3)副次的効果(b) の算出式 ※ 算出式は右ページを参照。 リコーグループ 環境経営報告書2011 ※ ※ ※ ※ 7,316,545 (リコー基準にて 各物質ごとに換算) 環境経営評価手法 ●偶発的効果(c) 環境保全活動に対する支出は 環境負荷の発生を防止するた め、ひとたび発生してしまった 場合の損害を回避する効果が あったと言えます。具体的には 発生した場合に見込まれる損 害額に発生係数と影響係数を 掛けて計算します。 合計 (ライフサイクル全体での環境負荷削減量) 鉱物資源 …………… −38.98 − イ ■環境保全活動がなければ発 生するはずだった費用が節約さ れた場合の節約額。財務会計で は認識されません。 ●副次的効果(b) 環境保全活動に対する支出が 全体としての利益獲得に寄与 したと推定される場合の寄与 推定額。例えば、環境保全コス トをリコーグループが事業を営 むための不可欠なコストと考 えれば、 それは一定の割合で利 益獲得に貢献していると言え ます。具体的には環境保全活動 によって得られた効果のうち、 売上・利益の増加や経費削減で は表せない効果を、 項目別に推 計方法を定め、貨幣価値で表し ています。 合計(事業所での環境負荷削減量) −318,613 化石燃料 …………… −4.50 基盤 ア ■効果としての現金または現 金同等物の受け取りがあるも の。 財務会計の実現収益に相当 します。 ●推定実質的効果(a 2) 実質的に売上や利益に貢献し ているが、 その貢献額の測定に 推定計算が必要なもの。例え ば、製品の環境性能向上が売上 や利益の増加をもたらす場合 などがあります。 その他 ………………………… − (リコー基準にて 各物質ごとに換算) −36,754 60.36 対象範囲 ●集計対象:リコーグループ主要 会社 79ページ ●集計対象期間:2010年4月1日から2011年3月31日(コスト、 環境負荷総量) ※ 環境負荷削減量は2009年度実績と2010年度実績との比較です。 を基準に計算 ※ 社会コストは108 Euro / t-CO2(¥12,234/ t-CO2) リコーグループの利益に何らかの形で貢献した効果で、以下の5つに分類されます。 ●実質的効果(a1) 経済効果のうち次のいずれかに 当てはまるものを言います。 鉱物資源 ……………………… (リコー基準にて − 各物質ごとに換算) 493,389 (リコー基準にて 各物質ごとに換算) 事業活動に関する取り組み ・環境投資比率 : 0.8% 〈=環境投資( 5.1) /設備投資総額(669) 〉 S合計 a1 a2 b c S 化石燃料 ……………………… − (リコー基準にて 各物質ごとに換算) 製品に関する取り組み 総 計 65 環 境 負 荷 環境技術開発 管理活動コスト コ ス ト 66