低価格、300 MHz 電圧帰還アンプ AD8055/AD8056 特長 機能ブロック図 低価格シングル(AD8055)およびデュアル(AD8056) SOT-23-5 (RT) N-8 AND R-8 使いやすい電圧帰還型 AD8055 AD8055 高速 NC 1 300 MHzの−3 dB帯域幅(G=+1) –IN 2 7 +VS +IN 3 6 VOUT 1400 V/μsスルーレート 20 nsのセトリング・タイム(∼0.1%) –VS 4 8 NC VOUT 1 5 +VS –VS 2 +IN 3 5 NC (実寸ではありません) 4 –IN (実寸ではありません) NC = 接続なし 低歪み:−72 dBc@10 MHz 低ノイズ:6 nV/√Hz N-8, R-8, microSOIC (RM) ローDCエラー:5 mV(最大)VOS、1.2μA(最大)IB 小型パッケージ OUT1 1 AD8056 8 +VS AD8055:SOT-23-5型 –IN1 2 7 OUT AD8056:8ピン・マイクロSOIC型 +IN1 3 6 –IN2 優れたビデオ信号処理特性(RL=150Ω、G=+2) –VS 4 5 +IN2 (実寸ではありません) ゲイン水平特性:0.1 dBから40 MHz 差動ゲイン・エラー:0.01% 差動位相エラー:0.02° 4つのビデオ・ロード(37.5Ω)を、差動ゲイン0.02%、差動位相 0.1°の誤差でドライブ ローパワー、±5 V電源 電源電流:5 mA typ/amplifier 高出力ドライブ電流:60 mA以上 AD8055とAD8056は、電源電流として5 mA typ/amplifier が必要な だけで、±5 Vの2電源、または+12 Vの単電源で作動し、しかも60 mA以上のロード電流を出力することができます。デバイスのパッ アプリケーション ケージはAD8055で、小型8ピンのDIP、8ピンのSOIC、および5ピンの 画像処理 SOT-23-5、AD8056で、小型8ピンのDIP、8ピンのSOIC、および8ピンの フォトダイオード・プリアンプ マイクロSOICになっています。このようなAD8055、AD8056の特長 ビデオ・ライン・ドライバ は、サイズとパワーが求められる携帯機器や、バッテリー駆動のア 差動ライン・ドライバ プリケーションにとって最適です。これらのアンプは、工業用温度 プロ用カメラ 範囲−40℃∼+85℃で仕様が保証されています。 ビデオ・スイッチ 特殊効果 5 A/Dドライバ 4 アクティブ・フィルタ 3 VOUT 50Ω AD8055(シングル) 、およびAD8056(デュアル)電圧帰還アンプ は、 電流帰還アンプに劣らないバンド幅とスルーレートをもってい ます。また、どちらのアンプも使いやすく、かつ低価格です。 低価格にもかかわらず、 AD8055、 AD8056の特性は非常に優れてい ます。ビデオ・アプリケーションで、150Ωのロード(負荷)に対し ゲイン – dB 2 概要 RS RF RL G = +1 RF = 0Ω RC = 100Ω 1 G = +2 RF = 402Ω 0 –1 –2 G = +10 RF = 909Ω –3 て差動ゲイン0.01%、差動位相0.02°の誤差で、4つのビデオ・ロー –4 ド(37.5Ω)に対して、差動ゲイン0.02%、差動位相0.1°の誤差でド –5 0.3M ライブすることができます。また、どちらのアンプも、1400 V/μs VOUT = 100mV p-p RL = 100Ω RC VIN G = +5 RF = 1000Ω 1M 10M 周波数 – Hz 100M 1G のスルーレートと20 nsのセトリング・タイムのダイナミック特性 で、 0.1 dBのゲイン水平特性は40 MHzを超えており、 バンド幅も300 図1.周波数応答 MHz以上に達しているので、 あらゆる高速のアプリケーションに利 用できます。 REV.0 アナログ・デバイセズ株式会社 アナログ・デバイセズ社が提供する情報は正確で信頼できるものを期していますが、 当社はその情報の利用、また利用したことにより引き起こされる第3者の特許または権 利の侵害に関して一切の責任を負いません。さらにアナログ・デバイセズ社の特許また は特許の権利の使用を許諾するものでもありません。 本 社/東京都港区海岸1 - 1 6 - 1 電話03(5402)8200 〒105−6891 ニューピア竹芝サウスタワービル 大阪営業所/大阪市淀川区宮原3 - 5 - 3 6 電話06(6350)6868㈹ 〒532−0003 新大阪第2森ビル AD8055/AD8056−仕様 (特に指定がない限り、@TA=+25℃、VS=±5 V、RF=402Ω、RL=100Ω、ゲイン=+2) AD8055A/AD8056A モデル 条件 Min Typ Max 単位 ダイナミック性能 −3 dB帯域幅 G=+1、VO=0.1 Vp-p 220 300 MHz G=+1、VO=2 Vp-p 125 150 MHz G=+2、VO=0.1 Vp-p 120 160 MHz G=+2、VO=2 Vp-p 125 150 MHz 平坦性0.1 dBでの帯域幅 VO=100 mVp-p 25 40 MHz スルーレート G=+1、VO=4 V Step 1000 1400 V/μs G=+2、VO=4 V Step 750 0.1%までのセトリング時間 G=+2、VO=2 V Step 立上り/立下り時間、10% ∼ 90% 840 V/μs 20 ns G=+1、VO=0.5 V Step 2 ns G=+1、VO=4 V Step 2.7 ns G=+2、VO=0.5 V Step 2.8 ns G=+2、VO=4 V Step 4 ns fC=10 MHz、VO=2 Vp-p、RL=1 kΩ −72 dBc fC=20 MHz、VO=2 Vp-p、RL=1 kΩ −57 dBc ノイズ/高調波性能 全高調波歪み 出力間ストローク(AD8056) f=5 MHz、G=+2 −60 dB 入力電流ノイズ f=100 kHz 6 nV/√Hz 入力電圧ノイズ f=100 kHz 1 pA/√Hz 差動ゲイン誤差 NTSC、G=+2、RL=150Ω 0.01 % RL=37.5Ω 0.02 % 差動位相誤差 NTSC、G=+2、RL=150Ω 0.02 Degree 0.1 Degree RL=37.5Ω DC性能 入力オフセット電圧 3 TMIN−TMAX オフセットドリフト 6 入力バイアス電流 0.4 TMIN−TMAX オープン・ループ・ゲイン VO=±2.5 V 66 TMIN−TMAX 64 5 mV 10 mV 1.2 μA μV/℃ 1 μA 71 dB dB 入力特性 入力抵抗 10 MΩ 入力容量 2 pF 入力モード電圧範囲 3.2 ±V 82 dB 同相除去比 VCM=±2.5 V 出力特性 出力電圧振幅 RL=150Ω 2.9 3.1 ±V 出力電流1 VO=±2.0 V 55 60 mA 110 mA 短絡回路電流1 電源 動作範囲 静止電流 ±4.0 AD8055 ±5.0 5.4 TMIN−TMAX AD8056 10 TMIN−TMAX 電源変動除去比 ±6.0 V 6.5 mA 7.3 mA 12 mA 13.3 mA +VS=+5 V ∼ +6 V、−VS=−5 V 66 72 dB −VS=−5 V ∼ −6 V、+VS=+5 V 69 86 dB 動作温度範囲 −40 +85 ℃ 注 1 出力電流はパッケージにおける最大消費電力によって制限されます。負担軽減カーブをご参照ください。 仕様は予告なしに変更する場合があります。 −2− REV.0 AD8055/AD8056 絶対最大定格1 最大消費電力 電源電圧 ……………………………………………………… 12.6 V 安全に消費できる最大消費電力は、 接合温度の上昇により制限さ 内部消費電力2 れます。 プラスチックでパッケージされたデバイスの安全な最大接 プラスチック・パッケージ(N) ………………………… 1.3 W 合部温度は、プラスチックのグラス・トランジション温度で決まり スモール・アウトライン・パッケージ(R)……………… 0.8 W 約+150℃です。わずかな時間でもこの制限温度を超えるとデバイ SOT-23-5型パッケージ ……………………………………… 0.5 W スの特性限界に達し、パッケージの歪みによりデバイスは壊れま マイクロSOIC型パッケージ ……………………………… 0.6 W す。接合部温度が+175℃を超えると、デバイスは故障します。 入力電圧(同相電圧) ………………………………………… 差動入力電圧 ……………………………………………… 出力短絡時間 ………… AD8055/56にはショート時の保護回路を内蔵していますが、すべ ±VS ±2.5 V ての場合において、この回路機能により最大接合部温度(+150℃) 消費電力ディレーティング曲線を参照 以上にはならないと保証しているわけではありません。 正常動作を 保存温度範囲N、R ……………………………… −65℃ ∼ +125℃ 保証するためには、 最大消費電力ディレーティング曲線を参照する 動作温度範囲(Aグレード)……………………… −40℃ ∼ +85℃ 必要があります。 リード温度範囲(ハンダ付10秒) ………………………… +300℃ 注 2 この絶対最大値を超えて使用すると、デバイスが永久的なダメージを受ける可能性があり ます。上記のリストは主な項目のみです。この絶対最大値を超えてデバイスを使用した 場合、その電気的特性、スペック(仕様)における機能は全く保証できません。また絶対 最大値での長時間にわたる使用はデバイスの信頼性に影響します。 空気中での値です。 8ピンDIPプラスチック・パッケージ:ΘJA=90℃/Watt 8ピンSOICパッケージ:ΘJA=160℃/Watt 5ピンSOT-23-5パッケージ:ΘJA=240℃/Watt 8ピンマイクロSOICパッケージ:ΘJA=200℃/Watt オーダー・ガイド パッケージ・ モデル 動作温度範囲 パッケージ オプション* AD8055AN −40℃ ∼ +85℃ 8ピンPDIP N-8 AD8055AR −40℃ ∼ +85℃ 8ピンSOIC R-8 AD8055ART −40℃ ∼ +85℃ 5ピンSOT-2-5 RT-5 AD8056AN −40℃ ∼ +85℃ 8ピンPDIP N-8 AD8056AR −40℃ ∼ +85℃ 8ピンSOIC R-8 8ピンマイクロ RM-08 AD8056ART −40℃ ∼ +85℃ 2.0 8ピンミニDIPパッケージ 1.5 8ピンSOIC パッケージ 最大消費電力 – W 1 TJ = +150 C 1.0 0.5 マイクロSOIC SOT-23-5 0 –50 –40 –30 –20 –10 0 10 20 30 40 周囲温度 – C 50 60 70 80 90 図2.最大消費電力と温度の関係 SOIC *N=プラスチックDIP型、R=小型、RM=小型(マイクロ)、RT=PCBマウント型 注意 ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。4000 Vもの高圧の静電気が人体やテスト装置に容易に帯電し、検知さ れることなく放電されることもあります。このAD8055/AD8056には当社独自のESD保護回路を備えていますが、高エネル ギーの静電放電にさらされたデバイスには回復不能な損傷が残ることもあります。したがって、性能低下や機能喪失を避 けるために、適切なESD予防措置をとるようお奨めします。 REV.0 −3− WARNING! ESD SENSITIVE DEVICE AD8055/AD8056 402Ω 4.7µF +VS +VS 4.7µF 0.01µF 0.01µF 0.001µF HP8130A PULSE GENERATOR TR /TF = 1ns VIN 100Ω 3 7 VOUT AD8055 50Ω 2 0.001µF HP8130A PULSE GENERATOR TR/TF = 0.67ns 6 4 4.7µF VIN 402Ω 2 AD8055 57Ω 100Ω 7 3 6 VOUT 4 4.7µF 0.01µF 100Ω 0.01µF 0.001µF 0.001µF –VS –VS 図3.テスト回路、G=+1、RL=100Ω 図6.テスト回路、G=−1、RL=100Ω 0V 0V 20mV 20mV 5ns 図4.スモール・ステップ応答、G=+1 5ns 図7.スモール・ステップ応答、G=−1 0V 0V 1V 5ns 1V 図5.ラージ・ステップ応答、G=+1 5ns 図8.ラージ・ステップ応答、G=−1 −4− REV.0 AD8055/AD8056 –50 5 VIN 3 VOUT 50Ω ゲイン – dB 2 RS RF RL G = +1 RF = 0Ω RC = 100Ω 1 0 –1 –2 –80 3RD –90 G = +5 RF = 1000Ω –4 –5 0.3M 2ND –70 G = +10 RF = 909Ω –3 VOUT = 2V p-p G = +2 RL = 100Ω –60 G = +2 RF = 402Ω 高調波歪み – dBc 4 VOUT = 100mV p-p RL = 100Ω RC 1M 10M 周波数 – Hz 100M –100 10k 1G 100k 図9. スモール信号周波数応答、 1M 周波数 – Hz 10M 100M 10M 100M 図12.歪み対周波数 G=+1、G=+2、G=+5、G=+10 5 –50 4 VOUT = 2V p-p RL = 100Ω 3 VOUT = 2V p-p G = +2 RL = 1kΩ –60 G = +1 RF = 0Ω 1 歪み – dBc ゲイン – dB 2 0 G = +2 RF = 402Ω –1 –70 –80 2ND –2 G = +10 RF = 909Ω –3 –4 –5 0.3M –90 3RD G = +5 RF = 1000Ω 1M 10M 周波数 – Hz 100M –100 10k 1G 100k 図10. ラージ信号周波数応答、 1M 周波数 – Hz 図13.歪み対周波数 G=+1、G=+2、G=+5、G=+10 –40 0.5 VOUT = 100mV G = +2 RL = 100Ω RF = 402Ω 0.4 0.3 G = +2 RL = 1kΩ –50 0.1 歪み – dBc 出力 – dB 0.2 0 –0.1 –60 2ND –70 –0.2 3RD –0.3 –80 –0.4 –0.5 0.3M –90 1M 10M 周波数 – Hz 100M 1G 図11.0.1 dB平坦性特性 REV.0 0 0.4 0.8 1.2 2.0 2.4 1.6 VOUT – V p-p 2.8 図14.歪み対VOUT@20 MHz −5− 3.2 3.6 4.0 AD8055/AD8056 10 10 G = +1 R L = 100Ω RF = 0Ω 8 7 6 5 立上り時間 4 3 2 立下り時間 1 8 7 6 5 4 2 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 VIN – V p-p 3.5 立下り時間 3 立上り時間 1 0 0 G = +2 RL = 100Ω RF = 402Ω 9 立上り時間および立下り時間 – ns 立上り時間および立下り時間 – ns 9 4.0 4.5 5.0 0 図15.立上りと立下り時間対VIN 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 VIN – V p-p 1.2 1.4 1.6 図18.立上りと立下り時間対VIN 5.0 10 立上り時間および立下り時間 – ns 立上り時間および立下り時間 – ns 8 G = +2 RL = 1kΩ RF = 402Ω 4.5 G = +1 R L = 1kΩ RF = 0Ω 9 7 6 5 4 立上り時間 3 4.0 3.5 立下り時間 3.0 2.5 2.0 立上り時間 1.5 1.0 2 立下り時間 0.5 1 0 0 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 VIN – V p-p 3.5 4.0 4.5 0 0.2 0.4 5.0 図16.立上りと立下り時間対VIN 0.6 0.8 1.0 VIN – V p-p 1.2 1.4 1.6 図19.立上りと立下り時間対VIN 0.7 10 V OUT = 0 Vから+2 Vまたは 0 Vから−2 V G = +2 R L = 100Ω 0.6 0.5 0 G = +2 RF = 402Ω –10 0.4 –20 PSRR – dB セトリング時間 – % 0.3 0.2 0.1 0 –0.1 –30 –PSRR –40 –50 +PSRR –60 –0.2 –70 –0.3 –80 –0.4 –0.5 0 10 20 30 時間 – ns 40 50 –90 0.1 60 図17.セトリング時間 1 10 周波数 – MHz 100 500 図20.PSRRと周波数の関係 −6− REV.0 AD8055/AD8056 VIN G = +1 RL = 100 VS = 5V VOUT 1V 50ns VOUT 1V 図21.オーバーロード回復 50ns 図24.オーバーロード回復 –20 90 VIN = dBm G = +2 RL = 100Ω RF = 402Ω –40 80 RL = 100Ω オープン・ループ・ゲイン – dB –30 –50 クロストーク – dB VIN G = +2 RL = 100 RF = 402 VS = 5V –60 SIDE 2 DRIVEN –70 –80 SIDE 1 DRIVEN –90 –100 –110 70 60 50 40 30 20 10 0 –120 0.1 1 10 周波数 – MHz 100 –10 0.01 200 図22.クロストーク(出力間)対周波数 –20 1 10 周波数 – MHz 100 500 図25.オープン・ループ・ゲイン対周波数 45 0 –10 0.1 402Ω 402Ω RL = 100Ω 50Ω 402Ω 0 –30 402Ω –45 位相 – 度 CMRR – dB 58Ω –40 –50 –60 –90 –70 –135 –80 –90 –100 0.1 1 10 周波数 – MHz 100 –180 0.01 500 図23.CMRR対周波数 REV.0 0.1 1 10 周波数 – MHz 図26.位相対周波数 −7− 100 500 AD8055/AD8056 差動ゲイン(%) 0.04 1000 1 BACK TERMINATED LOAD (150Ω) 0.02 G = +2 RF = 402Ω –0.02 –0.04 VOLTAGE NOISE – nV Hz 0.00 1ST 2ND 3RD 4TH 5TH 6TH 7TH 8TH 9TH 10TH 11TH IRE 差動位相(度) 0.04 1 BACK TERMINATED LOAD (150Ω) 0.02 100 6nV/ Hz 10 0.00 G = +2 RF = 402Ω –0.02 1 10 –0.04 1k 100 1ST 2ND 3RD 4TH 5TH 6TH 7TH 8TH 9TH 10TH 11TH IRE 図27.差動ゲイン対差動位相 10k 100k 周波数 – Hz 1M 10M 15M 10M 15M 図30.電圧ノイズと周波数の関係 差動ゲイン(%) 0.04 100 4 VIDEO LOADS (37.5Ω) 0.02 G = +2 RF = 402Ω –0.02 –0.04 VOLTAGE NOISE – pA Hz 0.00 1ST 2ND 3RD 4TH 5TH 6TH 7TH 8TH 9TH 10TH 11TH IRE 差動位相(度) 0.15 4 VIDEO LOADS (37.5Ω) 0.10 0.05 10 1 0.00 –0.05 G = +2 RF = 402Ω –0.10 –0.15 0.1 10 図28.差動ゲイン対差動位相 1M 45 VS = 5V 4.5 40 4.0 G = +2 RF = 402Ω 35 RL = 1kΩ 3.5 30 2.5 RL = 150Ω 2.0 | ZOUT | – Ω 3.0 RL = 50Ω 25 20 15 1.5 10 1.0 5 0.5 0 –55 10k 100k 周波数 – Hz 図31.電流ノイズと周波数の関係 5.0 VOUT – Volts 1k 100 1ST 2ND 3RD 4TH 5TH 6TH 7TH 8TH 9TH 10TH 11TH IRE 0 –35 –15 5 25 45 温度 – ℃ 65 85 105 –5 0.01 125 図29.出力振幅対温度 0.1 1 10 周波数 – MHz 100 500 図32.出力インピーダンス対周波数 −8− REV.0 AD8055/AD8056 アプリケーション この回路で、入力からアンプ1の出力へのゲインはRF/RIで、入力 4ライン・ビデオ・ドライバ からアンプ2の出力へのゲインは−RF/RIになります。このようにし AD8055は4つまでのビデオ・ラインをドライブすることができ て、回路はシングル・エンド入力から、バランスのとれた差動出力 る、便利で安価なアンプです。このアプリケーションを考え、この 信号を作ります。この回路の利点は、1個の抵抗を交換するだけで アンプはノン・インバーティング・ゲイン2で構成しています(図 ゲインを変えることができ、 バランスのとれた差動出力が保たれま 33参照) 。ビデオ・ソースの入力は75Ωでターミネイトされていて、 す。 高インピーダンスのノン・インバーティング入力と接続します。 それぞれの出力は、 ケーブルのターミネーションを最適にするた RF 402Ω めに、75Ωのバック・ターミネーション直列抵抗を経由して、OPア +5V ンプの出力に接続します。 ライン端のもう一方のターミネイト抵抗 は、 出力信号を2で割りますが、OPアンプ段のゲイン2で補償されま 0.1µF RI 402Ω す。 3 VIN ロード(負荷)がひとつの場合、この回路の差動ゲイン・エラー 10µF 8 49.9Ω AMP1 は0.01%で、差動位相エラーは0.02°です。ロードが2つになると、差 +VOUT 1 2 動ゲイン・エラーが0.02%、差動位相エラーは0.03°になり、ロード 402Ω が4つになると、差動ゲイン・エラーは0.02%ですが、差動位相エ 402Ω ラーは0.1°に上がります。 AD8056 402Ω 402Ω 75Ω VOUT1 +5V 75Ω 402Ω 6 49.9Ω AMP2 0.1µF 402Ω 2 3 5 VOUT2 7 4 6 0.1µF 4 10µF –5V 75Ω 75Ω –VOUT 7 75Ω 75Ω AD8055 VIN 10µF 75Ω VOUT3 0.1µF 10µF 図34. シングル・エンド入力を差動出力に変換する 75Ω ライン・ドライバ –5V 75Ω VOUT4 75Ω ロー・ノイズ、ローパワー・プリアンプ AD8055は、 安価で低ノイズの優れたローパワー・プリアンプを作 図33.4ライン・ビデオ・ドライバ ることができます。 ゲイン10のプリアンプを、 909Ωのフィードバッ ク抵抗と100Ωのゲイン抵抗で作った回路を、 図35に示します。 この シングル・エンド入力を差動出力に変換するライン・ドライバ 回路の−3 dBバンド幅は20 MHzです。 シングル・エンド信号を差動信号に変換するには、一対のツイス 909Ω ト・ケーブル、差動入力のA/Dコンバータ、およびその他差動信号 +5V のためのアプリケーションのすべてが、 バランスのとれた条件でド ライブしなければなりません。これをインバーティング・アンプと 0.1µF 100Ω ノン・インバーティング・アンプを使い、コンプリメンタリ信号を 2 作る方法で行うこともあります。 7 AD8055 3 図34に示した回路は、AD8056を使うことによりシングル・エンド + 10µF VOUT 6 4 RS 信号を差動信号に変換する場合に、上記に述べた構成よりも、さら 0.1µF に効果的な方法があることを示しています。それぞれのOPアンプ 10µF –5V は、 出力からインバーティング入力に接続するフィードバック抵抗 で、単ゲインに設定しています。それぞれのアンプの出力は、クロ 図35. ロー・ノイズ、ローパワーのプリアンプ、 ス抵抗により、−1ゲインで相手のアンプをドライブします。その G=10、BW=20 MHz 結果、出力はコンプリメンタリになり、全体の構成でハイ・ゲイン になります。 この回路は、ソース抵抗が低い(<約100Ω)ため、回路ノイズに 通常のOPアンプと同様にフィードバックは、回路のゲインをコ 関係する要因としては、アンプの入力電圧ノイズと100Ω抵抗のノ ントロールすることで行います。アンプ1のノン・インバーティン イズがあげられます。それぞれの値は、 6 nV √Hzと1.2 nV √Hzです。 グ入力からアンプ2の出力までが、インバーティング・ゲインです。 したがって入力に関わるノイズの合計は、6.1 nV √Hzになります。 この2点間でのフィードバック抵抗は、クローズ・ループとして使 います。通常のOPアンプのインバーティング・ゲイン段のように、 ゲインを可変するために入力抵抗を取りつけます。 REV.0 −9− AD8055/AD8056 電力(許容)消費限界 5 10 V電源(VCC−VEE)を使用した場合のゼロ電流のおける電力損 402Ω 4 失は、AD8055のSOT-23-5パッケージで65 mwです。同様に、AD8056 402Ω CL = 30pF 3 NORMALIZED GAIN – dB のマイクロSOICパッケージで120 mwです。これは周囲温度から、 SOT-23-5パッケージで15.6℃、マイクロSOICパッケージで24℃上昇 することになります。 重いロード状態での電力損失は、 概ね電源電圧から出力電圧を引 VIN = 0dBm 2 CL 100Ω 50Ω 1 0 –1 CL = 20pF –2 CL = 10pF けると、デバイスの周囲温度からの温度上昇分が計算できます。接 –3 CL = 0pF 合部温度は150℃以下に保つ必要があります。 –4 いた値に、ロード電流を掛け、その値にゼロ電流での電力損失を加 えた値になります。 この全電力損失にパッケージの温度抵抗値を掛 –5 0.3 動作温度範囲の最大を超えない限り、SOT-23-5パッケージの 1 10 周波数 – MHz AD8055は270 mW、マイクロSOICパッケージのAD8056は325 mW (周 囲温度85℃)の電力損失があります。このAD8056の値は、1.5Vrmsが 100 500 図36.容量負荷(ロード)のドライブ 50Ωに入力した場合よりも大きく、両方の入力に同時に入る4 Vp-p のサイン波信号を受け入れることができます。しかしAD8055、 およ 一般的に、ピーキングを減少するために、あるいはより大きい容 びAD8056の両入力は、 ショートした回路に入力する110 mA程度に対 量に対しての安定性を確保するために、 オペアンプ出力とキャパシ して耐えることができますが、 ショート状態が続くと最大接合部温 タCLの間に小さい直列抵抗RSを接続します。 図37にその回路を示し 度の上限を超えます。 ます。RSとCLについては、図38に示すカーブが経験的に引き出した 関係です。周波数応答で、ピーキングが1 dB以内になるようにRSを 抵抗の選択 選びます。RSは急な上昇の後、約25Ωで水平になることにご注意く 次の表は、ゲイン水平性対周波数特性を保つ条件で、各ゲインに ださい(図38) 。 おいて使用する抵抗についてのガイドです。 402Ω ゲイン R(Ω) F R(Ω) I −3 dBバンド幅(MHz) +1 0 − 300 +2 402 402 160 +5 1K 249 45 +10 909 100 20 +5V 0.1µF 402Ω AD8055 VIN = 0dBm 10µF 7 2 3 FET PROBE RS VOUT 6 CL 4 50Ω 0.1µF 容量負荷のドライブ 10µF –5V 容量負荷(ロード)をドライブする場合、ほとんどのオペアンプ は周波数応答で周波数をカットオフする直前に、 ピーキングの特性 図37.RS対CLのセットアップ を見せます。図36は、ゲイン+2のAD8056の応答特性で、ロードは 100Ωとそれにシャントしたさまざまな値の容量です。こうした場 40 合でもこのデバイスは、 30 pFまでの容量に対して安定することがわ 35 かります。 30 RS – Ω 25 20 15 10 5 0 0 10 20 30 40 CL = pF 50 60 270 図38.RS対CL − 10 − REV.0 AD8055/AD8056 外形寸法 サイズはインチと(mm)で示します。 8ピンDIPプラスチック・パッケージ 8ピンマイクロSOICパッケージ (N-8) (RM-08) 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 0.430 (10.92) 0.348 (8.84) 8 0.280 (7.11) 0.240 (6.10) 1 4 0.060 (1.52) 0.015 (0.38) PIN 1 0.210 (5.33) MAX 5 8 1 0.325 (8.25) 0.300 (7.62) 0.0256 (0.65) BSC 0.120 (3.05) 0.112 (2.84) 0.120 (3.05) 0.112 (2.84) 0.043 (1.09) 0.037 (0.94) 0.006 (0.15) 0.002 (0.05) 0.015 (0.381) 0.008 (0.204) 0.022 (0.558) 0.100 0.070 (1.77) 実装面 0.014 (0.356) (2.54) 0.045 (1.15) BSC 4 PIN 1 0.195 (4.95) 0.115 (2.93) 0.130 (3.30) MIN 0.160 (4.06) 0.115 (2.93) 0.199 (5.05) 0.187 (4.75) 0.122 (3.10) 0.114 (2.90) 5 0.018 (0.46) 0.008 (0.20) 実装面 0.011 (0.28) 0.003 (0.08) 33° 27° 0.028 (0.71) 0.016 (0.41) 8ピンSOICパッケージ 5ピンPCBマウントプラスチック・パッケージ (R-8) (RT-5) 0.1220 (3.100) 0.1063 (2.700) 0.1968 (5.00) 0.1890 (4.80) 0.1574 (4.00) 0.1497 (3.80) 8 5 1 4 0.0709 (1.800) 0.0590 (1.500) 0.2440 (6.20) 0.2284 (5.80) 5 4 1 2 3 0.1181 (3.000) 0.0984 (2.500) PIN 1 0.0374 (0.950) REF PIN 1 0.0098 (0.25) 0.0040 (0.10) 実装面 REV.0 0.0688 (1.75) 0.0532 (1.35) 0.0500 0.0192 (0.49) (1.27) 0.0138 (0.35) BSC 0.0196 (0.50) x 45° 0.0099 (0.25) 0.0098 (0.25) 0.0075 (0.19) 8° 0° 0.0748 (1.900) REF 0.0512 (1.300) 0.0354 (0.900) 0.0500 (1.27) 0.0160 (0.41) 0.0590 (0.150) 0.0000 (0.000) − 11 − 0.0079 (0.200) 0.0035 (0.090) 0.0571 (1.450) 0.0354 (0.900) 0.0197 (0.500) 0.0118 (0.300) 実装面 10° 0° 0.0236 (0.600) 0.0039 (0.100) うにやさ ゅ い し ちき PRINTED IN JAPAN D773-2.7-4/99,1A AD8055/AD8056 み る 「この取扱説明書はエコマーク認定の再生紙を使用しています。」 ど りをまも − 12 − REV.0