参考回路:日本語版

日本語参考資料
最新版英語回路ノートはこちら
回路ノート
CN-0289
接続/参考にしたデバイス
広い電源電圧範囲の
レール to レール出力計装アンプ
AD8226
Circuits from the Lab™ 実用回路は今日のアナログ・ミッ
クスド・シグナル、RF 回路の設計上の課題の解決に役
立つ迅速で容易なシステム統合を行うために作製、テ
ストされました。詳しい情報と支援は
http://www.analog.com/CN0289 をご覧ください。
ADR02
ADA4091-2
超小型、高精度 5.0V リファレン
ス電圧
高精度、マイクロパワー、過電
圧保護、レール to レール入出力
のデュアル・オペアンプ
電圧または電流駆動の柔軟性のある、4 mA~20 mA、
ループ駆動圧力センサー・トランスミッタ
ブリッジをベースにした多種の電圧または電流駆動の
圧力センサー向けに設計が最適化されており、わずか
4 個のアクティブ・デバイスを使用し、全未調整誤差は
1%未満です。12 V~36 V の範囲のループ電源電圧を使
用できます。
評価と設計支援
回路評価基板
回路評価ボード (EVAL-CN0289-EB1Z)
設計と統合ファイル
回路図、レイアウト・ファイル、部品表
回路の入力は ESD および電源レールを超える電圧に対
して保護されており、工業用アプリケーションに最適
です。
回路の機能とその利点
図 1 に示す回路は堅牢で柔軟性のあるループ駆動電流
トランスミッタで、圧力センサーの差動電圧出力を 4
mA~20 mA の電流出力に変換します。
+5V
+VLOOP
+5V
VOUT
U2A
1/2
ICIRCUIT
VIN
J2-1
ILOOP
ADR02
ADA4091-2
39.60µA
I12
G = 50.00
+VLOOP
VDRIVE
J1-3
RBRIDGE
R5
10kΩ
U3
RBRIDGE
R6
10kΩ
10nF
R2
J1-4 4.02kΩ
VOUT
0V, 5.00V
U1
R3
1.008kΩ
AD8226
U2B
1/2
ADA4091-2
R9
31.56kΩ
I9
0µA,
158.42µA
VLOOP_SUPPLY
ILOOP – ICIRCUIT
0V
I10
VIN: 0mV, 100mV
12V
TO
36V
Q1
ZXT13N50DE6TA
30kΩ
ICIRCUIT
REF
1nF
J1-1
+VLOOP
+VLOOP
1nF
RBRIDGE
R1
J1-2 4.02kΩ
RBRIDGE
R12
126.25kΩ
J2-2
3.960mA,
19.802mA
R10
1kΩ
R8
10Ω
PCB GROUND
–39.60mV, –198.02mV
I8
39.60µA,
198.02µA
I10
LOOP
LOAD
–
R7
250Ω
+
ILOOP
ILOOP: 4.000mA, 20.000mA
LOOP GROUND
10947-001
注:
NOTES
1. R8、R10 は標準値 0.1%、R5、R6 は標準値 1%、R3、R9、R12 は計算値(本文参照)。
1.
R10PCB
AREのSTANDARD
0.1% VALUES. R5, R6 ARE STANDARD 1% VALUES.
2. R8,
電圧は
GND を基準に測定。
R3, R9, R12 ARE CALCULATED VALUES (SEE TEXT).
2. VOLTAGES MEASURED WITH RESPECT TO PCB GROUND.
図 1.4 mA~20 mA 出力の堅牢なループ駆動圧力センサーの信号調整回路 (センサー電圧駆動モード)
簡略回路図:接続とデカップリングがすべて示されているわけではありません
Rev. 0
アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用
に関して、あるいは利用によって生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。ま
た、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示的または暗示的に許諾するものでもありませ
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電話 06(6350)6868
回路ノート
CN-0289
回路の説明
センサー励起ドライブ
このソリューションは圧力センサー測定用の 4 mA~
20 mA トランスミッタです。回路全体の電源がループか
ら供給されます。回路にはセンサー励起ドライブ、セン
サー出力アンプおよび電圧/電流コンバータの 3 つの重要
なステージがあります。
選択された圧力センサーに従って、電圧ドライブまた
は電流ドライブのどちらかが必要です。回路には
ADA4091-2 (U2A)のアンプの1つが使用され、S1 を切
り替えて設定を選択し、どちらかのオプションをサポ
ートします。S1 によりどちらかのドライブが選択され
ます。
表 1 に示されているように、回路に必要な合計電流は
1.82 mA (最大)です。したがって、利用可能な 4 mA の
最大ループ電流を超えることなく、最大 2 mA のブリッ
ジ駆動電流を必要とする圧力センサーを使用すること
ができます。
励起:電圧ドライブの設定
電圧ドライブの設定を図 2 に示します。S1 は PCB 上の
VOLTAGE DRIVE とラベル表示された位置にしてあり
ます。(CN0289 設計サポートパッケージの回路レイア
ウトと回路図を参照してください。
http://www.analog.com/CN0289-DesignSupport)。
表 1.最大回路電流 @ 25°C
部品
ADR02
ADA4091-2
AD8226
R5, R6 @ 10 V
R12 @ 5 V
合計
電流 (mA)
0.80
0.50
0.43
0.05
0.04
1.82
+VLOOP
5V
IDRIVE = 2 mA FOR
VDRIVE = 10V, RBRIDGE = 5kΩ
1/2
ADA4091-2
VDRIVE
IDRIVE
U2A
J1-3
R5
10kΩ
R6
10kΩ
PCB GROUND
RBRIDGE
RBRIDGE
RBRIDGE
R1
J1-2 4.02kΩ
+V
AD8226
R2
J1-4 4.02kΩ
INPUT
VCM = 5V
–V
J1-1
10947-002
PCB
GROUND
RBRIDGE
PCB GROUND
図 2.RBRIDGE = 5 KΩ、VDRIVE = 10 V 時のセンサー電圧ドライブの設定
Rev. 0
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回路ノート
CN-0289
ここで、
電圧駆動回路は、通常 10 V のブリッジ駆動電圧に設定
されています。このモードでは、最小許容ブリッジ抵
抗値は次のようになります。
2 V REF
10 V
R BRIDGE ≥
=
= 5 kΩ
2 mA 2 mA
V DRIVE
U2A に十分なヘッドルームを与えるため、ループ電圧
VLOOP をブリッジ駆動電圧より少なくとも 0.2 V 大きく
するように注意します。
ブリッジの抵抗値が 5 kΩ 未満の場合、R6 を取り去っ
たバッファ設定を使って、駆動電圧を 5 V まで下げる
ことができます。
V LOOP ≥ V DRIVE + 0.2 V
励起:電流ドライブの設定
次式を使って適当な R6 を選択することにより、他の駆
動電圧を得ることができます。
V DRIVE
R6 =
≥ 2 mA
R BRIDGE
PCB 上で CURRENT DRIVE とラベル表示された位置に
S1 を動かして、図 3 に示されている電流ドライブの設
定に回路を切り替えることができます。

R5 

= 5 V  1 +

R6 

5 V × R5
V DRIVE – 5 V
+VLOOP
5V
1/2
ADA4091-2
U2A
VDRIVE = 5V + IDRIVE × RBRIDGE
= 11V, FOR RBRIDGE = 3kΩ
VDRIVE
J1-3
PCB
GROUND
RBRIDGE
RBRIDGE
RBRIDGE
RBRIDGE
R1
J1-2 4.02kΩ
+V
AD8226
R2
J1-4 4.02kΩ
INPUT
VCM = 8V
–V
J1-1
IDRIVE × R4 = 5V
10947-003
IDRIVE = 2mA
R4
2.49kΩ
PCB
GROUND
図 3.RBRIDGE = 3 kΩ 時のセンサー電流ドライブの設定
Rev. 0
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回路ノート
CN-0289
電流駆動モードでは、2 mA の最大許容ブリッジ駆動電
流の制限を守る必要があります。回路は、R4 = 2.49 kΩ、
および IDRIVE = 2 mA に設定されています。次式を使って
R4 の値を選択することにより、IDRIVE の値を下げること
ができます。
5V
R4 =
I DRIVE
それに伴う駆動電圧 VDRIVE は次式を使って計算します。
V DRIVE = 5 V + I DRIVE × R BRIDGE
V LOOP ≥ V DRIVE + 0.2 V
図 3 に示されている値の場合、RBRIDGE = 3 kΩ、IDRIVE =
2 mA、VDRIVE = 11 V、 VLOOP ≥ 11.2 V となります。
回路には ADA4091-2 オペアンプが選択されています。
この理由は、消費電流が低く(250 µA/アンプ)、オフセ
ット電圧が小さく(250 µV)、入力と出力がレール to レ
ールだからです。
ブリッジ出力の計装アンプと利得およびオフセット
抵抗の選択
ブリッジの出力は、帯域幅が 39.6 kHz の同相フィルタ
(4.02 kΩ、1 nF)と、帯域幅が 2 kHz の差動モード・フィ
ルタ(8.04 kΩ, 10 nF)によってフィルタされます。
AD8226 は利得誤差が小さく(0.1%、B グレード)、オフ
セットが小さく(58 µV @ G = 50、B グレード;112 µV
@ G = 50、A グレード)、非直線性が優れており(75 ppm
= 0.0075%)、レール to レール出力なので、最適な計装
アンプです。
AD8226 計装アンプは、利得設定抵抗 R3 = 1.008 kΩ を
使って、100 mV FS の信号を 50 倍の利得で 5 V に増幅
します。利得 G と R3 の関係は次式で与えられます。
49.4 kΩ
G –1
ここで、G = 50、R3 = 1008 Ω
出力ゼロ値のループ電流 ILO = 4 mA の場合:
I LO = I 8 + I 10
上の 2 つの式を組み合わせると、
ILO = 101 × I10
ILO = 4 mA のとき AD8226 の出力は 0 V なので、次式か
らオフセット抵抗 R12 を計算することができます。
I 10
=
101 × V REF
I LO
=
101 × 5 V
= 126.25 kΩ
4 mA
VOUT = 5.00V の場合、出力ループ電流は ILH = 20 mA な
ので、以下のようになります。
I LH = I 8 + I 10 = 100 × I 10 + I 10 = 101 × I 10
Rev. 0
20 mA
101
= 198.02 μA
101
R12 を流れる電流は次式で与えられます。
I 12 =
V REF
=
5V
= 39.60 μA
126.25 kΩ
R12
R9 を流れる電流は次式で与えられます。
I9 = I10 − I12 = 198.02 μA − 39.60 μA = 158.42 μA
R9 =
V OUT
I9
=
5V
158.42 μA
= 31.56 kΩ
実際は、R3、R9、R12 の計算値は入手可能な標準値で
はないので、回路で使用される実際の値によって固定
誤差が生じます。これらの誤差は以下のように計算す
ることができます。
抵抗 R3、R9、R12 によって生じる、%FSR として測定
された(ただし、FSR = 16 mA)利得誤差、オフセット誤
差、および全誤差:
利得誤差 (%FSR) =
  1008 Ω – R3   31.56 kΩ – R9
+

  1008 Ω   31.56 kΩ


  × 100%


オフセット誤差 (%FSR) =
 126.25 kΩ – R12 
 × 100%
0.25 


126
.
25
kΩ


ゼロ出力(4 mA)での全誤差は利得誤差の影響を受けま
せん。
ただし、フルスケール出力(20 mA)での全誤差は次のよ
うになります。
フルスケール誤差 = 利得誤差 + オフセット誤差
実際の回路では、最も近い EIA 規格の 0.1%抵抗器の値
を選択する必要があるので、これまでの式で示したよ
うな固定利得誤差と固定オフセット誤差が生じます。2
つの 0.1%値を組み合せて計算値に近づけることは可能
です。たとえば、0.1%抵抗を以下のように直列に組み
合わせると計算値に非常に近くなります。
• R9 = 30.9 kΩ + 655 Ω = 31.555k Ω (計算値 = 31.56
kΩ)
I 8 = 100 × I 10
V REF
=
• R3 = 1 kΩ + 8.06 Ω = 1008.06 Ω (計算値 = 1008 Ω)
R10 と R8 の比が 100:1 なので、
R12 =
I LH
したがって、R9 の値は次式で計算することができます。
U2A 電源には 0.2 V のヘッドルームが必要です。した
がって次のようになります。
R3 =
I 10 =
• R12 = 124 kΩ + 2.26 kΩ = 126.26 Ω (計算値 = 126.25
Ω).
これらの組み合わせを使って計算した誤差は以下のよ
うになります。
• オフセット誤差 = –0.008% FSR
• 利得誤差 = +0.010% FSR
• フルスケール誤差 = +0.002% FSR
ただし、場合によっては、0.1%抵抗の標準的な値であ
っても抵抗器メーカーから入手できないことがあり、
替わりのものが必要になることがあります。
- 4/7 -
回路ノート
たとえば、EVAL-CN0289-EB1Z ボードで供給される抵
抗は以下のとおりです。
• R3 = 1000 Ω (計算値 = 1008 Ω)
• R9 = 31.6 kΩ (計算値 = 31.56 kΩ)
• R12 = 124 kΩ (計算値 = 126.25 kΩ)
ボードで与えられている値を使うと、抵抗値による誤
差は以下のようになります。
• オフセット誤差 = +0.45% FSR
• 利得誤差 = +0.66% FSR
• フルスケール誤差 = +1.11% FSR
電圧リファレンス
ブリッジの駆動電圧または駆動電流を設定し、4 mA の
ゼロ・オフセットを設定するのに ADR02 5 V リファレ
ンスが使われています。その初期精度は 0.1% (A グレ
ード)、0.06% (B グレード)、電圧ノイズは 10 µV p-p で
す。さらに、36V までの電源電圧で動作し、消費電流
は最大 1 mA なので、ループ駆動アプリケーションに最
適です。
電圧/電流変換
4 mA~20 mA の出力は、信号成分(I9)とオフセット成分
(I12)を合わせた電流を R10 に発生させます。電流 I10 = I9
+ I12 が R10 の両端に発生させる電圧が、U2B と Q1 を
介してセンス抵抗 R8 に印加されます。R8 を流れる電
流は R10 の電流の 100 倍です。したがって、ループ電
流 ILOOP は次にようになります。
I LOOP = I 8 + I 10 = 100 × I 10 + I 10 = 101 × I 10
R8 (10 Ω)と R10 (1 kΩ)の値は、許容誤差が 0.1%のもの
を簡単に入手できるように選ばれています。
回路が正しく動作するには、回路電流 ICIRCUIT は最小ル
ープ電流 4 mA を常に下回る必要があります。さらに、
PCB のグランドはどんな方法であれループのグランドに
接続してはならず、PCB のグランドとセンサーはループ
のグランドに対して独立していなければなりません。
U2B の出力によって制御されてループ電流を発生する
バイポーラ NPN トランジスタは、直線性誤差を最小に
抑えるため、利得が少なくとも 300 あるものにします。
また、ブレークダウン電圧が少なくとも 50 V あるもの
にします。
出力トランジスタ Q1 は、1.1 W @ 25°C を消費できる
50 V NPN パワー・トランジスタです。回路内のワース
トケースの消費電力は、36 V の VCC 電源で 0 Ω のルー
プ負荷抵抗に 20 mA の出力電流が流れる場合です。こ
れらの条件では、Q1 の消費電力は 0.68 W です。
回路ボードを駆動する電源電圧 VLOOP は、ループ電源
VLOOP_SUPPLY、ループ負荷 R7、およびループ電流 ILOOP
に依存します。これらの値相互の関係は次式で表され
ます。
CN-0289
したがって、
VLOOP_SUPPLY > 7 V + R7 × ILOOP
最大ループ電流が 20 mA、R7 = 250 Ω の場合、
VLOOP_SUPPLY > 7 V + 250 Ω × 20 mA = 12 V
最小ループ電源電圧は、ブリッジ駆動回路の設定にも
依存します。電圧駆動モードで VDRIVE = 10 V のとき、
U2A に十分なヘッドルームを保つため、電源電圧
VLOOP を 10.2 V より大きくする必要があります(図 2 参
照)。
電流駆動モードでは、U2A に十分なヘッドルームを保
つため、電源電圧 VLOOP を 11.2 V より大きくする必要
があります(図 3 参照)。
ループ電源電圧は最大 36 V に制限されています。
アクテイブ部品の誤差解析
AD8226 と ADR02 の A グレードと B グレードの場合の、
システム内のアクティブ部品による最大誤差および rss
誤差を表 2 と表 3 に示します。ADA4091-2 オペアンプ
は 1 つのグレード・レベルでだけ供給されることに注
意してください。
表 2.アクティブ部品に起因する誤差(A グレード)
誤差成分
AD8226-A
ADR02-A
ADA4091-2
AD8226-A
RSS Offset
RSS Gain
RSS FS Error
Max Offset
Max Gain
Max FS Error
誤差の値
112µV
0.10%
250µV
0.15%
誤差
%FSR
0.11%
0.02%
0.16%
0.15%
0.20%
0.15%
0.35%
0.29%
0.15%
0.44%
表 3.アクティブ部品に起因する誤差(B グレード)
誤差成分
AD8226-B
ADR02-B
ADA4091-2
AD8226-B
RSS Gain
RSS Offset
RSS FS Error
Max Offset
Max Gain
Max FS Error
VLOOP = VLOOP_SUPPLY – R7 × ILOOP
回路が正しく動作するには、ADR02 電圧リファレンス
に十分なヘッドルームを与えるために電源電圧 VLOOP
を 7 V より大きくする必要があります。
Rev. 0
誤差
Offset
Offset
Offset
Gain
- 5/7 -
誤差
Offset
Offset
Offset
Gain
誤差の値
58µV
0.06%
250µV
0.10%
誤差
%FSR
0.06%
0.01%
0.16%
0.10%
0.10%
0.17%
0.27%
0.23%
0.10%
0.33%
回路ノート
CN-0289
0.9
回路全体の精度
0.8
• オフセット誤差 = 0.29% +0.5% = 0.79%
• 利得誤差 = 0.15% + 0.5% = 0.65%
• フルスケール誤差 = 0.44% + 0.5% = 0.94%
これらの誤差は、理想的抵抗が選択され、誤差はそれ
らの許容誤差だけによると仮定しています。
回路の全誤差は 1%以下ですが、さらに誤差を減らす必
要があれば、オフセットや利得の調整機能を回路に追
加します。オフセットは、ゼロ入力で 4 mA の場合、
R12 を調整することによって較正することができます。
次に、フルスケールは、フルスケール 100 mV の入力に
対して R9 を変化させて調整することができます。オフ
セットの方を最初に較正すれば、2 つの調整は独立にお
こなうことができます。
回路の実際の誤差データを図 4 に示します。全出力誤
差(%FSR)は、理想的な出力電流と測定された出力電流
の差を FSR (16 mA)で割り、それに 100 を掛けて計算さ
れています。
0 mV と 1 mV の間の入力の誤差は AD8226 の出力段の
飽和電圧によるもので、回路の負荷条件のにより 20
mV~100 mV の範囲で変化しうることに注意してくだ
さい。すべてのレール to レール出力段は、飽和電圧(バ
イポーラ出力)またはオン抵抗(CMOS 出力)のどちらか
により、電源レールに近づく能力が制限されます。
出力飽和電圧によって生じる誤差が問題であれば、適
当な抵抗を+5 V リファレンスからブリッジの出力の片
側に接続することにより、ブリッジからの入力信号に
オフセットを与えることができます。
AD8226 OUTPUT ZERO ERROR = +0.35%
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
GAIN ERROR = –0.47%
FULL SCALE
ERROR = –0.02%
0.1
0
–0.1
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100
BRIDGE OUTPUT (mV)
10947-004
抵抗のワーストケースの許容誤差 0.5%を、前に求めた
アクティブ部品(A グレード)によるワーストケースの誤
差に加算すると以下のようになります。
0.7
TOTAL ERROR (%FS)
抵抗の許容誤差に起因する全誤差の妥当な近似値を得る
には、クリティカルな各抵抗が全誤差に等しく影響を与
えると仮定します。クリティカルな 5 つの抵抗は、R3、
R8、R9、R10、R12 です。0.1%抵抗で構成したときの
ワーストケースの許容誤差により、最大 0.5%の全抵抗
誤差が生じます。rss 誤差を仮定すると、全 rss 誤差は
0.1√5 = 0.224%となります。
図 4.3 kΩ ブリッジ、24 V ループ電源の場合のブリッジ出力 vs
出力電流の
全誤差(%FSR)
バリエーション回路
この回路は示されている部品の値を使って、安定して
正確に動作することが実証されています。他の電圧リ
ファレンス、高精度オペアンプおよび計装アンプをこ
の設定で使用して、4 mA~20 mA のアナログ電流出力
や、この回路の他の種々のアプリケーションを開発す
ることができます。
ADA4091-4 はクワッド・バージョンです。追加の高精
度オペアンプが必要であれば、デュアル・チャンネル
の ADA4091-2 の代替品として使うことができます。
低コストで電源電圧範囲の広いデュアル・チャンネル
の計装アンプ AD8426 も、入力チャンネルが複数ある
アプリケーションに使うことができます。
高精度、低電力、低ノイズ電圧のリファレンス
ADR4550 は、低電圧電源アプリケーションで ADR02
と置き換えて使うことができます。
回路の評価とテスト
必要な装置
• EVAL-CN0289-EB1Z 評価用ボード
• Agilent E36311A デュアル DC 電源または相当品
• Agilent 3458A マルチメータまたは相当品
電流出力の測定
評価ボードの電流出力は図 5 に示す設定を使って測定
されました。テスト条件は以下のとおりです。
• ループ電源:24 V
• ループ負荷:250 Ω
• RBRIDGE = 3 kΩ
• VDRIVE = 5 V
• VCM = 2.5 V
ブリッジ抵抗は計装アンプの両方の入力端子に接続さ
れ、センサー出力をシミュレーションします。
Rev. 0
- 6/7 -
回路ノート
CN-0289
テスト・セットアップの設定とテスト
さらに詳しくは
回路は図 5 のテスト・セットアップを使ってテストさ
れました。
CN-0289 Design Support Package:
http://www.analog.com/CN0289-DesignSupport.
Agilent E36311A デュアル電源を使って 2.5 V の同相電
圧と 0 mV~100 mV の差動入力電圧を発生させました。
MT-031 Tutorial, Grounding Data Converters and Solving
the Mystery of AGND and DGND. Analog Devices.
Agilent 3458A を使って評価ボードの実際のループ電流
出力を測定しました。
MT-035 Tutorial, Op Amp Inputs, Outputs, Single-Supply,
and Rail-to-Rail Issues. Analog Devices.
MT-065 Tutorial, In-Amp Noise. Analog Devices.
EVAL-CN0289-EB1Z
DUAL
POWER SUPPLY
RBRIDGE ÷ 2
J1-2
RBRIDGE ÷ 2
24V
J1-4
MT-101 Tutorial, Decoupling Techniques. Analog Devices.
CURRENT METER
RBRIDGE
VCM
MT-087 Tutorial, Voltage References. Analog Devices.
COM
VDIFF
J1-3
VOUT1
CHANNEL 1
COM1
MT-066 Tutorial, In-Amp Bridge Circuit Error Budget
Analysis. Analog Devices.
VOUT
J2-1
Voltage Reference Wizard Design Tool.
COM
J1-1
PCB GND
J2-2
データシートと評価用ボード
I
FOR TESTS, VCM = 2.5V, RBRIDGE = 3kΩ, VDRIVE = 5V
図 5.テスト・セットアップの機能ブロック図
10947-005
VOUT2
CHANNEL 2
COM2
POWER SUPPLY
CN-0289 回路評価用ボード (EVAL-CN0289-EB1Z)
AD8226 データシート
ADA4091-2 データシート
ADR02 データシート
改訂履歴
5/13—Revision 0: 初版
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©2013
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CN10947-0-5/13(0)
Rev. 0
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