日本語版

16ビット、250kSPS PulSARTM
MSOP/QFNパッケージADC
AD7685
アプリケーション回路図
特長
0.5V∼VDD
0∼VREF
IN+
IN–
AD7685
SCK
SDO
1.8V∼VDD
3線式または4線式インターフェース
(SPI、デイジーチェーン、CS)
CNV
図2
表1. MSOP、QFN(LFCSP)/SOT-23パッケージの
16ビットPulSAR ADC
タイプ
100kSPS
250kSPS
500kSPS
真の差動
疑似差動
差動/ユニポーラ
ユニポーラ
AD7684
AD7683
AD7687
AD7685
AD7694
AD7688
AD7686
AD7680
概要
AD7685は、2.3∼5.5Vの単電源VDDで動作する16ビット、電
荷再分配式の逐次比較型 A/D コンバータ( SAR ADC )です。
ノー・ミスコードで低消費電力の高速16ビット・サンプリング
ADC、内部変換クロック、融通性に優れたシリアル・インター
フェース・ポートを内蔵しています。また、低ノイズ、広帯域
幅で、アパーチャ遅延の短いトラック&ホールド回路もありま
す。CNV信号の立上がりエッジで、ADCはグラウンド・セン
スIN–を基準とする0V∼VREFのアナログ入力IN+をサンプリン
グします。リファレンス電圧REFは外部から供給し、電源電圧
の範囲まで設定できます。
2.0
正のINL = +0.33LSB
負のINL = –0.50LSB
1.5
1.0
INL(LSB)
REF VDD VIO
SDI
GND
アプリケーション
バッテリ駆動装置:
医療用計測
移動体通信
携帯情報端末
データ・アクイジション
計測器
プロセス制御
2.5∼5V
02968-0-028
ノー・ミスコードの16ビット分解能
スループット・レート:250kSPS
INL:±0.6LSB(typ)、±2LSB(max)(FSRの±0.003%)
S/(N+D):93.5dB(@20kHz)
THD:−110dB(@20kHz)
疑似差動アナログ入力レンジ:
0V∼VREF、VREFはVDDまで設定可能
パイプライン遅延なし
2.3 ∼ 5.5V の単電源動作、 1.8 ∼ 5V のロジック・インター
フェース電源
SPI ® /QSPI TM /MICROWIRE TM /DSP 互換のシリアル・イン
ターフェース
複数のADCのデイジーチェーン接続、BUSYインジケータ
消費電力
1.35mW(@2.5V/100kSPS)、4mW(@5V/100kSPS)、
1.4µW(@2.5V/100SPS)
スタンバイ時の消費電流:1nA
10 ピン・パッケージ: MSOP ( MSOP-8 サイズ)および
3mm×3mmのQFN1(LFCSP)(SOT-23サイズ)
AD7686、AD7687、AD7688と完全にピン互換
消費電力は、スループットと直線的に比例して変化します。
0.5
SPI 互換のシリアル・インターフェースでは、 SDI 入力を使用
し、単一の3線バス上で複数のADCをデイジーチェーン接続す
ることができます。また、オプションでBUSYインジケータ信
号を供給することもできます。AD7685は、別にVIO電源を使
用する1.8V、2.5V、3V、5Vロジックと互換です。
0
–0.5
–1.0
–2.0
0
16384
32768
49152
コード
図1.
コード 対 積分非直線性
REV. 0
アナログ・デバイセズ株式会社
65536
02968-0-042
–1.5
AD7685は10ピンMSOPまたは10ピンQFN(LFCSP)のパッ
ケージで提供しており、−40∼+85℃の温度範囲で仕様が規定
されています。
1
このパッケージは現在開発中です。QFNパッケージのサンプルと入手については、
弊社までお問い合わせください
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AD7685
目次
コンバータの動作. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
代表的な接続図. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
デジタル・インターフェース. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
アプリケーションのヒント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24
レイアウト. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24
AD7685の性能評価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24
外形寸法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25
オーダー・ガイド. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 26
仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
タイミング仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5
絶対最大定格 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
ESDに関する注意 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7
ピン配置と機能の説明 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
用語の説明 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9
代表的な性能特性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
回路情報. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13
改訂履歴
4/04−リビジョン0:初版
―2―
REV. 0
AD7685
仕様
特に指定のない限り、VDD=2.3∼5.5V、VIO=2.3V∼VDD、VREF=VDD、TA=−40∼+85℃
表2
パラメータ
Min
条件
16
分解能
アナログ入力
電圧範囲
絶対入力電圧
アナログ入力CMRR
漏れ電流(25℃時)
入力インピーダンス
精度
ノー・ミスコード
微分直線性誤差(DNL)
積分直線性誤差(INL)
遷移ノイズ
ゲイン誤差3(TMIN∼TMAX)
ゲイン誤差温度ドリフト
オフセット誤差3(TMIN∼TMAX)
オフセット温度ドリフト
電源電圧変動感度
スループット
変換レート
過渡応答時間
Bグレード
Typ
Max
IN+−IN–
IN+
IN–
fIN=250kHz
Min
16
0
VREF
VDD+0.1
0.1
−0.1
−0.1
単位
ビット
0
−0.1
−0.1
65
1
アクイジションの実行期間
Cグレード1
Typ
Max
VREF
VDD+0.1
0.1
V
V
V
dB
nA
+2
+2
LSB2
LSB
LSB
LSB
ppm/°C
mV
mV
ppm/°C
LSB
65
1
「アナログ入力」を参照
16
−1
−3
REF=VDD=5V
VDD=4.5∼5.5V
VDD=2.3∼4.5V
VDD=5V±5%
VDD=4.5∼5.5V
VDD=2.3∼4.5V
±0.7
±1
+3
0.5
±2
±30
±0.3
±0.1
±1.6
±0.7
±3.5
±0.3
±0.05
0
0
250
200
1.8
フルスケール・ステップ
16
−1
−2
ビット
±0.5
±0.6
0.45
±2
±15
±0.3
±0.1 ±1.6
±0.7 ±3.5
±0.3
±0.05
0
0
250
200
1.8
kSPS
kSPS
µs
AC精度
信号対ノイズ比(S/N比)
fIN=20kHz、VREF=5V
fIN=20kHz、VREF=2.5V
fIN=20kHz
スプリアスフリー・ダイナミック・
レンジ
全高調波歪み(THD)
fIN=20kHz
信号/ノイズ&歪み比(SINAD) fIN=20kHz、VREF=5V
fIN=20kHz、VREF=5V、
−60dB入力
fIN=20kHz、VREF=2.5V
相互変調歪み5
90
86
92
88
−106
92
87.5
−106
90
85.5
92
32
92
87.5
87
−110
1
93.5
88.5
−110
dB4
dB
dB
−110
dB
dB
dB
93.5
33.5
88.5
−115
この製品は現在開発中です。サンプルと入手については、弊社までお問い合わせください。
LSBは最下位ビットを意味します。入力電圧範囲が5Vのときに1LSBは76.3µVです。
3
「用語の説明」を参照。仕様には全温度範囲の変動が含まれますが、外部電圧リファレンスから発生する誤差は含まれません。
4
dB単位の仕様はすべてフルスケール入力を基準としています。特に指定のない限り、フルスケールより0.5dB低い入力信号でテストされています。
5
fIN1=21.4kHz、fIN2=18.9kHzです。各トーンは、フルスケールよりも−7dB低いレベルです。
2
REV. 0
―3―
dB
dB
AD7685
特に指定のない限り、VDD=2.3∼5.5V、VIO=2.3V∼VDD、VREF=VDD、TA=−40∼+85℃
表3
パラメータ
条件
電圧リファレンス
電圧範囲
負荷電流
250kSPS、REF=5V
サンプリング・ダイナミック特性
−3dB入力帯域幅
アパーチャ遅延
VDD=5V
Min
Typ
Max
単位
VDD+0.3
50
V
µA
2
2.5
MHz
ns
0.5
デジタル入力
ロジック・レベル
VIL
VIH
IIL
IIH
−0.3
0.7×VIO
−1
−1
デジタル出力
データ・フォーマット
パイプライン遅延
VOL
VOH
0.3×VIO
VIO+0.3
+1
+1
V
V
µA
µA
シリアル16ビット・ストレート・バイナリ
変換終了後直ちに変換結果が得られます。
ISINK=+500µA
ISOURCE=−500µA
0.4
V
V
5.5
VDD+0.3
VDD+0.3
50
2.4
4.8
6
15
V
V
V
nA
µW
mW
mW
mW
mW
+85
℃
VIO−0.3
電源
VDD
VIO
VIO範囲
仕様性能
仕様性能
スタンバイ時の消費電流1、2
消費電力
VDDとVIO=5V、25℃
VDD=2.5V、100SPSのスループット
VDD=2.5V、100kSPSのスループット
VDD=2.5V、200kSPSのスループット
VDD=5V、100kSPSのスループット
VDD=5V、250kSPSのスループット
温度範囲3
仕様性能
1
2
3
2.3
2.3
1.8
TMIN∼TMAX
1
1.4
1.35
2.7
4
−40
すべてのデジタル入力を必要に応じてVIOまたはGNDに強制設定。
アクイジションの実行中。
拡張温度範囲については、弊社までお問い合わせください。
―4―
REV. 0
AD7685
タイミング仕様
特に指定のない限り、−40∼+85℃、VIO=2.3∼5.5VまたはVDD+0.3Vのいずれか低い電圧
表4.
VDD=4.5∼5.5V1
変換時間:CNVの立上がりエッジからデータが得られるまでの時間
アクイジション時間
変換と変換の間隔
__
CNVパルス幅(CSモード)
__
SCKサイクル時間(CSモード)
SCKサイクル時間(チェーン・モード)
VIOが4.5Vを超えるとき
VIOが3Vを超えるとき
VIOが2.7Vを超えるとき
VIOが2.3Vを超えるとき
SCKのローレベル時間
SCKのハイレベル時間
SCKの立下がりエッジからデータの有効性が続く時間
SCKの立下がりエッジからデータ有効までの遅延
VIOが4.5Vを超えるとき
VIOが3Vを超えるとき
VIOが2.7Vを超えるとき
VIOが2.3Vを超えるとき
__
CNVまたはSDIのローレベルからSDO D15 MSB有効までの時間(CSモード)
VIOが4.5Vを超えるとき
VIOが2.7Vを超えるとき
VIOが2.3Vを超えるとき
CNVまたはSDIのハイレベルあるいはSCKの最後の立下がりエッジから
__
SDOハイ・インピーダンスまでの時間(CSモード)
__
CNVの立上がりエッジからSDI有効までのセットアップ時間(
__ CSモード)
CNVの立上がりエッジからSDI有効までのホールド時間(CSモード)
CNVの立上がりエッジからSCK有効までのセットアップ時間(チェーン・モード)
CNVの立上がりエッジからSCK有効までのホールド時間(チェーン・モード)
SCKの立下がりエッジからSDI有効までのセットアップ時間(チェーン・モード)
SCKの立下がりエッジからSDI有効までのホールド時間(チェーン・モード)
1
負荷条件については、図3と図4を参照。
REV. 0
―5―
記号
Min
tCONV
tACQ
tCYC
tCNVH
tSCK
tSCK
0.5
1.8
4
10
15
tSCKL
tSCKH
tHSDO
tDSDO
Typ
Max
単位
2.2
µs
µs
µs
ns
ns
27
28
29
30
7
7
5
ns
ns
ns
ns
ns
ns
ns
14
15
16
17
ns
ns
ns
ns
15
18
22
25
ns
ns
ns
ns
tEN
tDIS
tSSDICNV
tHSDICNV
tSSCKCNV
tHSCKCNV
tSSDISCK
tHSDISCK
15
0
5
5
13
4
ns
ns
ns
ns
ns
ns
AD7685
特に指定のない限り、−40∼+85℃、VIO=2.3∼4.5VまたはVDD+0.3Vのいずれか低い電圧
表5.
VDD=2.3∼4.5V1
変換時間:CNVの立上がりエッジからデータが得られるまでの時間
アクイジション時間
変換と変換の間隔
__
CNVパルス幅(CSモード)
__
SCKサイクル時間(CSモード)
SCKサイクル時間(チェーン・モード)
VIOが3Vを超えるとき
VIOが2.7Vを超えるとき
VIOが2.3Vを超えるとき
SCKのローレベル時間
SCKのハイレベル時間
SCKの立下がりエッジからデータの有効性が続く時間
SCKの立下がりエッジからデータ有効までの遅延
VIOが3Vを超えるとき
VIOが2.7Vを超えるとき
VIOが2.3Vを超えるとき
__
CNVまたはSDIのローレベルからSDO D15 MSB有効までの時間(CSモード)
VIOが2.7Vを超えるとき
VIOが2.3Vを超えるとき
CNVまたはSDIのハイレベルあるいはSCKの最後の立下がりエッジから
__
SDOハイ・インピーダンスまでの時間(CSモード)
__
CNVの立上がりエッジからSDI有効までのセットアップ時間(
__ CSモード)
CNVの立上がりエッジからSDI有効までのホールド時間(CSモード)
CNVの立上がりエッジからSCK有効までのセットアップ時間(チェーン・モード)
CNVの立上がりエッジからSCK有効までのホールド時間(チェーン・モード)
SCKの立下がりエッジからSDI有効までのセットアップ時間(チェーン・モード)
SCKの立下がりエッジからSDI有効までのホールド時間(チェーン・モード)
1
記号
Min
tCONV
tACQ
tCYC
tCNVH
tSCK
tSCK
0.7
1.8
5
10
25
tSCKL
tSCKH
tHSDO
tDSDO
Typ
Max
単位
3.2
µs
µs
µs
ns
ns
54
60
65
12
12
5
ns
ns
ns
ns
ns
ns
24
30
35
ns
ns
ns
18
22
25
ns
ns
ns
tEN
tDIS
tSSDICNV
tHSDICNV
tSSCKCNV
tHSCKCNV
tSSDISCK
tHSDISCK
30
0
5
8
30
4
ns
ns
ns
ns
ns
ns
負荷条件については、図3と図4を参照。
―6―
REV. 0
AD7685
絶対最大定格
表6
パラメータ
アナログ入力
IN+1、IN-1、REF
電源電圧
GNDに対するVDD、VIO
VIOに対するVDD
GNDに対するデジタル入力
GNDに対するデジタル出力
保存温度範囲
ジャンクション温度
θJA熱抵抗
θJC熱抵抗
リードピン温度範囲
ベーキング時間(60秒)
赤外線(15秒)
1
絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに恒久的
な損傷を与えることがあります。この規定はストレス定格のみ
を指定するものであり、この仕様の動作に関するセクションに
記載されている規定値以上でのデバイス動作を定めたものでは
ありません。長時間デバイスを絶対最大定格状態に置くと、デ
バイスの信頼性に影響を与えることがあります。
定格値
GND−0.3V∼VDD+0.3V
または±130mA
−0.3∼+7V
±7V
−0.3V∼VIO+0.3V
−0.3V∼VIO+0.3V
−65∼150℃
150℃
200℃/W(MSOP-10)
44℃/W(MSOP-10)
215℃
220℃
「アナログ入力」を参照。
注意
ESD(静電放電)の影響を受けやすいデバイスです。人体や試験機器には4000Vもの高圧の静
電気が容易に蓄積され、検知されないまま放電されることがあります。本製品は当社独自の
ESD保護回路を内蔵してはいますが、デバイスが高エネルギーの静電放電を被った場合、回復
不能の損傷を生じる可能性があります。したがって、性能劣化や機能低下を防止するため、
ESDに対する適切な予防措置を講じることをお勧めします。
500µA
IOL
1.4V
SDOへ
500µA
図3.
02968-0-002
CL
50pF
IOH
デジタル・インターフェース・タイミングの負荷回路
70% VIO
30% VIO
tDELAY
2VまたはVIO−0.5V 1
2VまたはVIO−0.5V 1
0.8Vまたは0.5V 2
0.8Vまたは0.5V 2
注
1. VIOが2.5Vよりも高い場合は2V、VIOが2.5Vよりも低い場合は
VIO−0.5Vです。
2. VIOが2.5Vよりも高い場合は0.8V、VIOが2.5Vよりも低い場合は
0.5Vです。
図4.
REV. 0
タイミングの電圧レベル
―7―
02968-0-003
tDELAY
AD7685
ピン配置と機能の説明
10 VIO
1
9
SDI
8
SCK
4
7
SDO
GND 5
6
CNV
IN+ 3
IN–
図5.
表7.
1
AD7685
02968-0-004
REF
VDD 2
10ピンのMSOPおよびQFN(LFCSP)のピン配置
ピン機能の説明
ピン番号
記号
タイプ1
機能
1
REF
AI
リファレンス入力電圧。REFの範囲は0.5V∼VDDで、GNDピンを基準とします。このピンの
近くに10µFのコンデンサを外付けして、デカップリングしてください。
2
VDD
P
電源
3
IN+
AI
アナログ入力。IN–を基準とします。電圧範囲はIN+とIN–間の差であり、0V∼VREFです。
4
IN–
AI
アナログ入力グラウンド・センス。アナログ・グラウンド・プレーンまたはリモート・セン
ス・グラウンドに接続します。
5
GND
P
電源グラウンド
6
CNV
DI
変換入力。この入力には複数の機能があります。立上がりエッジで変換を開始し、デバイスの
__
__
インターフェース・モード(チェーン・モードかCSモード)を選択します。CSモードでは、
CNVがローレベルのときにSDOピンがイネーブルになります。チェーン・モードでは、CNV
がハイレベルのときにデータが読み出されます。
7
SDO
DO
シリアル・データ出力。このピンから変換結果を出力します。SCKと同期します。
8
SCK
DI
シリアル・データ・クロック入力。デバイスが選択されるときに、このクロックによって変換
結果をシフト出力します。
9
SDI
DI
シリアル・データ入力。この入力には複数の機能があります。 ADC のインターフェース・
モードを次のように選択します。CNVの立上がりエッジのときにSDIがローレベルであれば、
チェーン・モードが選択されます。このモードのとき、 2 個以上の ADC の変換結果を 1 本の
SDOライン上にデイジーチェーンするためのデータ入力としてSDIを使用します。SDI上のデ
ジ タ ル ・ デ ー タ ・ レ ベ ル は 、 16 SCK サ イ ク ル の 遅 延__で SDO か ら 出 力 さ れ ま す 。
CNVの立上がりエッジのときにSDIがハイレベルであれば、CSモードが選択されます。この
モードでは、SDIまたはCNVのどちらかがローレベルになるときにシリアル出力信号をイネー
ブルにできます。変換の終了時にSDIまたはCNVがローレベルであれば、BUSYインジケータ
機能がイネーブルになります。
10
VIO
P
入出力インターフェース用のデジタル電源。公称値は、ホスト・インターフェースと同じ電源
電圧(1.8V、2.5V、3V、5V)です。
AI=アナログ入力、DI=デジタル入力、DO=デジタル出力、P=電源
―8―
REV. 0
AD7685
用語の説明
有効ビット数(ENOB)
ENOB とは、正弦波を入力したときの分解能の測定値です。
S/(N+D)に関係し、以下の式で求めます。単位はビットで表し
積分非直線性誤差(INL)
ます。
この仕様は、負側のフルスケールと正側のフルスケールを結ぶ
直線と実際の各コード出力との偏差を意味します。負側のフル
スケールとして使用するポイントは、最初のコード遷移よりも
1/2LSB 下にあります。正側のフルスケールは、最後のコード
遷移よりも1+1/2LSB上のレベルです。偏差とは、各コードの
中心と真の直線との距離の測定値です(図25)。
ENOB =(S/[N+D]dB−1.76)/6.02)
全高調波歪み(THD)
THDとは、最初の5つの高調波成分のrms値の総和と、フルス
ケール入力信号のrms値との比であり、dB単位で表します。
信号対ノイズ比(S/N比)
S/N 比とは、実際の入力信号の rms 値と、ナイキスト周波数よ
りも下の全スペクトル成分のrms値総和から高調波成分とDC成
分を除いた値との比です。dB単位で表します。
微分非直線性誤差(DNL)
理想的なADCでは、コード遷移は1LSB離れた位置で発生しま
す。DNLは、この理想値からの最大偏差です。通常は、ノー・
ミスコードが保証される分解能で規定します。
信号/ノイズ&歪み(S/[N+D])
S/(N+D)とは、実際の入力信号のrms値と、ナイキスト周波数
よりも下の全スペクトル成分のrms値総和(DC以外の高調波成
分を含む)との比です。dB単位で表します。
オフセット誤差
最初の遷移は、アナログ・グラウンドよりも 1/2LSB 上のレベ
ルで発生します(0∼5Vで38.1µV)。オフセット誤差とは、そ
のポイントからの実際の遷移の偏差を意味します。
アパーチャ遅延
ゲイン誤差
アパーチャ遅延とはアクイジション性能の目安を表す仕様であ
り、 CNV 入力の立上がりエッジから入力信号が変換のために
ホールドされるまでの時間の測定値です。
最後の遷移(111...10から111...11)は、公称フルスケールより
も1+1/2LSB下のアナログ電圧で発生します(0∼5Vで
4.999886V)。ゲイン誤差とは、オフセットの調整が終了した
後で、最後の遷移の実際のレベルが理想的なレベルと相違する
偏差のことです。
過渡応答
過渡応答とは、入力にフルスケール・ステップ関数が与えられ
てから、AD7685がその入力を高精度に収集するまでに要する
時間を表します。
スプリアスフリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)
SFDR とは、入力信号のrms 振幅値とピーク・スプリアス信号
のrms値の差をデシベル(dB)の単位で表した数値です。
REV. 0
―9―
AD7685
代表的な性能特性
2.0
2.0
1.0
1.0
0.5
0.5
0
–0.5
0
–0.5
–1.0
–1.5
–1.5
0
16384
32768
49152
65536
コード
図6.
02968-0-042
–1.0
–2.0
正側DNL = +0.21LSB
負側DNL = –0.30LSB
1.5
DNL(LSB)
INL(LSB)
1.5
–2.0
0
16384
49152
65536
コード
図9.
コード 対 積分非直線性
250000
32768
コード 対 微分非直線性
140000
VDD = REF = 5V
VDD = REF = 2.5V
125055
204292
02968-0-041
正側INL=+0.33LSB
負側INL=−0.50LSB
120000
200000
100000
個数
個数
150000
80000
60966
59082
60000
100000
40000
0
12
80E5
80E6
80E7
20000
20
0
0
80E8
8667
0
0
80E9 80EA 80EB 80EC 80ED
16進数コード
–80
0
–40
–120
–60
–80
–100
–120
–140
–140
–160
–160
–180
20
40
60
80
周波数(kHz)
図8.
100
120
16384ポイントFFT
VDD = REF = 2.5V
fS = 250kSPS
fIN = 20.45kHz
SNR = 88.8dB
THD = –103.5dB
SFDR = –104.5dB
2次高調波 = –112.4dB
3次高調波 = –105.4dB
–20
–100
0
0
図10. コードの中心におけるDC入力の
ヒストグラム
振幅(フルスケールのdB)
–60
0
16進数コード
02968-0-023
振幅(フルスケールのdB)
–40
179
804E 804F 8050 8051 8052 8053 8054 8055 8056 8057 8058
8192ポイントFFT
VDD = REF = 5V
fS = 250kSPS
fIN = 20.45kHz
SNR = 93.3dB
THD = –111.6dB
SFDR = –113.7dB
2次高調波 = –113.7dB
3次高調波 = –117.6dB
–20
6956
213
0
図7. コードの中心におけるDC入力の
ヒストグラム
0
2
02968-0-022
0
27755
–180
0
20
40
60
80
周波数(kHz)
FFTプロット
図11.
― 10 ―
100
120
02968-0-024
29041
02968-0-021
50000
FFTプロット
REV. 0
AD7685
100
17
–90
–95
16
–100
S/(N + D)
15
90
THD、SFDR(dB)
SNR、S/(N+D)
(dB)
95
ENOB(ビット)
SNR
ENOB
14
85
–105
–110
THD
–115
SFDR
–120
2.7
3.1
3.5
3.9
4.3
4.7
5.1
13
5.5
02968-0-019
80
2.3
リファレンス電圧(V)
–130
2.3
2.7
3.1
3.5
3.9
4.3
4.7
5.1
5.5
リファレンス電圧(V)
図12. リファレンス電圧 対 SNR、S/
(N+D)、
図15.
02968-0-020
–125
リファレンス電圧 対 THD、SFDR
ENOB
100
–60
–70
VREF = 5V, –10dB
VREF = 5V, –1dB
90
–80
VREF = 5V, –1dB
THD(dB)
S/(N+D)
(dB)
95
85
VREF = 2.5V, –1dB
VREF = 2.5V, –1dB
–90
80
–100
75
–110
0
50
100
150
200
周波数(kHz)
図13.
–120
0
50
100
150
200
周波数(kHz)
S/
(N+D)の周波数特性
図16.
100
02968-0-046
70
02968-0-031
VREF = 5V, –10dB
THDの周波数特性
–90
95
VREF = 5V
–100
VREF = 2.5V
THD(dB)
SNR(dB)
90
VREF = 2.5V
85
–110
VREF = 5V
80
–120
–35
–15
5
25
45
65
温度(℃)
図14.
REV. 0
85
105
125
–130
–55
–35
–15
5
25
45
65
85
温度(℃)
SNRの温度特性
図17.
― 11 ―
THD、SFDRの温度特性
105
125
02968-0-035
70
–55
02968-0-034
75
AD7685
1000
–105
fS = 100kSPS
VDD = 5V
94
750
SNR
動作電流(µA)
–110
93
THD(dB)
フルスケールを基準とするSNR(dB)
95
92
THD
VDD = 2.5V
500
–115
250
91
–6
–4
–2
0
入力レベル(dB)
図18.
02968-0-033
–8
0
–55
–35
–15
5
25
45
65
85
105
125
105
125
温度(℃)
入力レベル 対 SNRおよびTHD
図21.
02968-0-038
VIO
–120
90
–10
動作電流の温度特性
6
1000
fS = 100kSPS
5
オフセット誤差とゲイン誤差(LSB)
4
750
動作電流(µA)
VDD
500
250
3
2
1
オフセット誤差
0
–1
–2
ゲイン誤差
–3
–4
3.1
3.5
3.9
4.3
4.7
5.1
5.5
電源(V)
図19.
02968-0-037
2.7
–6
–55
–35
–15
5
25
45
65
85
温度(℃)
図22.
電源 対 動作電流
1000
02968-0-027
–5
VIO
0
2.3
オフセット誤差とゲイン誤差の温度特性
25
VDD = 2.5V, 85°C
20
tDSDO遅延(ns)
500
15
VDD = 2.5V, 25°C
10
VDD = 5V, 85°C
250
VDD = 5V, 25°C
5
VDD = 3.3V, 85°C
VDD + VIO
–35
–15
5
25
45
65
VDD = 3.3V, 25°C
85
105
温度(℃)
図20.
125
0
0
20
40
60
80
100
SDOの容量性負荷(pF)
図23.
パワーダウン電流の温度特性
― 12 ―
120
02968-0-043
0
–55
02968-0-039
パワーダウン電流(nA)
750
容量性負荷および電源 対 tDSDO
REV. 0
AD7685
IN+
スイッチ制御
LSB
MSB
32,768C 16,384C
4C
2C
C
SW+
C
BUSY
REF
COMP
GND
32,768C 16,384C
4C
2C
C
コントロール・
ロジック
出力コード
C
MSB
LSB
SW–
02968-0-005
CNV
IN–
図24.
ADCの簡略回路図
回路情報
コンバータの動作
AD7685は、逐次比較型アーキテクチャを採用する高速、低消
費電力、単電源動作の高精度16ビットADCです。
AD7685 は、電荷再分配型 DAC をベースとする逐次比較型
ADCです。図24に、このADCの簡略回路図を示します。容量
性 DAC はバイナリの重付けをされた 16 個のコンデンサから成
る2個の同一のアレイで構成され、2つのコンパレータ入力に接
AD7685は1秒あたり25万サンプル(250kSPS)を変換し、変
換と変換の間にパワーダウン状態にすることができます。たと
えば100SPSで動作するとき、消費電力は2.5Vの電源時でわず
か1.35µW(typ)になるため、バッテリ駆動アプリケーション
に最適です。
AD7685にはオンチップのトラック&ホールドがあり、パイプ
ライン遅延やレイテンシがまったく発生しないため、マルチプ
レクサを使用した多チャンネル・アプリケーションに最適です。
AD7685は2.3∼5.5Vの電圧範囲の電源動作で仕様が規定されて
おり、1.8∼5Vのどんなデジタル・ロジック・ファミリーとも
インターフェースが可能です。10ピンMSOPまたは小型サイズ
の10ピンQFN(LFCSP)パッケージの採用によって省スペー
スを実現し、柔軟な設定が可能になっています。
AD7685は、AD7686、AD7687、AD7688と完全にピン互換です。
続されています。
アクイジション動作の実行中に、コンパレータの入力に接続さ
れたアレイの端子が SW+ と SW– によって GND に接続します。
独立したスイッチはすべて、アナログ入力に接続しています。
このようにして、コンデンサ・アレイをサンプリング・コンデン
サとして使用し、IN+およびIN–入力上でアナログ信号を取り込
みます。アクイジションが終了して、CNV入力がハイレベルに
なると、変換動作を開始します。変換が始まると、最初にSW+
とSW–が開きます。次いで、2個のコンデンサ・アレイが入力か
ら切断され、GND入力に接続します。このため、アクイジショ
ンの最後に取り込まれた入力IN+ とIN– 間の差動電圧がコンパ
レータの入力に入り、コンパレータが不平衡の状態になります。
コンデンサ・アレイの各エレメントをGNDとREFの間でスイッ
チングすることにより、コンパレータ入力がバイナリの重付け
をされた電圧ステップ(VREF /2、VREF /4、...VREF /65536)で変
化します。コントロール・ロジックでこれらのスイッチをトグ
ルして(MSBファースト)、コンパレータを再び平衡状態に戻
します。このプロセスが終了すると、AD7685はパワーダウン
状態になり、アクイジションの動作に戻り、コントロール・ロ
ジックがADCの出力コードとBUSY信号インジケータを生成し
ます。
AD7685には変換クロックが内蔵されているため、変換プロセ
スでシリアル・クロック(SCK)は必要ありません。
REV. 0
― 13 ―
AD7685
ADCコード
(ストレート・バイナリ)
伝達関数
AD7685の理想的な伝達特性を図25と表8に示します。
代表的な接続図
複数の電源を利用する場合のAD7685の推奨接続図の例を図26
に示します。
111...111
111...110
111...101
000...010
000...000
–FS
–FS + 1 LSB
+FS – 1 LSB
+FS – 1.5 LSB
–FS + 0.5 LSB
アナログ入力
図25.
表8.
ADCの理想的な伝達関数
出力コードと理想的な入力電圧
アナログ入力 デジタル出力コード
VREF=5V
(16進数値)
説明
FSR−1LSB
ミッドスケール+1LSB
ミッドスケール
ミッドスケール−1LSB
−FSR+1LSB
−FSR
2
FFFF1
8001
8000
7FFF
0001
00002
4.999924V
2.500076V
2.5V
2.499924V
76.3µV
0V
これは、オーバーレンジのアナログ入力コードでもあります(VIN+−VIN>VREF−
VGND)。
これは、アンダーレンジのアナログ入力コードでもあります(VIN+−VIN<VGND)。
(注1)
≧7V
5V
REF
10µF
(注2)
100nF
1.8V∼VDD
≧7V
100nF
REF
33Ω
VDD
IN+
VIO
SDI
0∼VREF
(注3)
≦–2V
SCK
AD7685
2.7nF
(注4)
IN–
3線式または4線式インターフェース(注5)
SDO
CNV
GND
注1:電圧リファレンスの選択については、「電圧リファレンス入力」を参照。
注2:CREFは通常、10µFのセラミック・コンデンサ(X5R)です。
注3:「ドライバ・アンプの選択」を参照。
注4:オプションのフィルタです。「アナログ入力」を参照。
注5:最も便利なインターフェース・モードについては、「デジタル・インターフェース」を参照。
図26.
02968-0-030
1
02968-0-006
000...001
複数の電源を使用する代表的なアプリケーション接続図
― 14 ―
REV. 0
AD7685
アナログ入力
図27は、AD7685の入力構造の等価回路図です。
D1とD2の2個のダイオードが、IN+とIN–の各アナログ入力に
対しESD保護を行います。アナログ入力信号が電源電圧範囲を
0.3V以上超えないよう注意する必要があります。この値を超え
ると、上記のダイオードが順方向にバイアスされて、電流が流
れ始めます。ダイオードは、最大130mAの順方向バイアス電流
を処理できます。たとえば、入力バッファの( U1 )電源が
VDD と異なるときに、このような状況が発生する可能性があ
ります。この場合、短絡電流制限機能がある入力バッファを使
用してデバイスを保護してください。
VDD
CIN
D2
02968-0-047
GND
図27.
–60
アナログ入力等価回路
–70
このアナログ入力構造により、IN+ とIN– 間の差動信号のサン
プリングが可能になります。この差動入力を使用することに
よって、図28に示すように2つの入力に与えられた小さな同期
信号が除去されます。図28に、代表的なCMRRの周波数特性を
示します。たとえば、IN–入力を使用してリモート信号グラウ
ンドをセンシングすることにより、センサーと ADC のローカ
ル・グラウンド間のグラウンド電位差が除去されます。
80
–80
THD(dB)
CPIN
RIN
駆動回路の信号源インピーダンスが低いときに、AD7685を直
接駆動できます。信号源インピーダンスが大きくなると、 AC
性能、特に全高調波歪み(THD)特性に大きな影響を与えます。
DC 性能のほうは、入力インピーダンスによってそれほど影響
を受けません。最大の信号源インピーダンスは、許容可能な
THDの大きさに依存します。図29に示すように、THDは信号
源インピーダンスと最大入力周波数に比例して劣化します。
–90
RS = 250Ω
–100
RS = 100Ω
RS = 50Ω
RS = 33Ω
–110
–120
0
CMRR(dB)
70
V DD = 5V
図29.
V DD = 2.5V
40
100
1000
周波数(kHz)
図28.
REV. 0
10000
02968-0-025
50
10
50
75
100
周波数(kHz)
60
1
25
アナログ入力CMRRの周波数特性
― 15 ―
アナログ入力周波数と信号源抵抗値 対 THD
02968-0-036
D1
IN+
またはIN−
アクイジション動作では、コンデンサCPINとRINおよびCINの直
列接続によって形成されるネットワークとの並列接続として、
アナログ入力(IN+ またはIN– )のインピーダンスをモデル化
できます。CPINは主としてピン容量です。RINは通常3kΩで、い
くつかの直列抵抗とスイッチのオン抵抗を含みます。 C IN は通
常30pFで、主にADCのサンプリング・コンデンサとなります。
スイッチが開く変換動作の実行中、入力インピーダンスはCPIN
に制限されます。RINとCINは、望ましくない折り返し成分を低
減し、ノイズを制限する単極ローパス・フィルタを構成しま
す。
AD7685
ドライバ・アンプの選択
AD7685は簡単に駆動できますが、ドライバ・アンプは次の条
表9.
件を満たす必要があります。
• AD7685 の SNR と遷移ノイズ性能を維持するには、ドライ
バ・アンプによるノイズを可能な限り低く抑える必要があ
ります。ただし、 AD7685 のノイズはその他の 16 ビット
ADCよりも大幅に低いため、規定のシステム・ノイズ仕様
を満たすためにノイズの比較的大きいアンプで駆動するこ
とができます。アンプから発生するノイズは、RINとCINで構
成されるAD7685のアナログ入力回路のローパス・フィルタ
や、外部フィルタがあればこれによって除去されます。
AD7685のノイズの代表値は35µV rmsであることから、次
の式によりアンプに起因する SNR の低下を求めることがで
きます。
SNRLOSS = 20log
35
π
35 + f–3dB ( NeN )2
2
推奨ドライバ・アンプ
アンプ
代表的なアプリケーション
AD8021
AD8022
OP184
AD8605、AD8615
AD8519
AD8031
きわめて低ノイズで高周波数
低ノイズで高周波数
低消費電力、低ノイズ、低周波数
5V単電源、低消費電力
小型、低消費電力、低周波数
高周波数で低消費電力
電圧リファレンス入力
AD7685の電圧リファレンス入力(REF)は変動する入力イン
ピーダンスをもっているため、「レイアウト」で説明するよう
に、低インピーダンスの信号源で駆動し、 REF と GND のピン
の間にコンデンサを外付けして、十分にデカップリングを行う
必要があります。
AD8031 や AD8605 を使用するリファレンス・バッファなど、
インピーダンスがきわめて低い信号源でREF を駆動するとき、
最適な性能を得るためには10µF(X5R、0805サイズ)のセラ
2
ミック・チップ・コンデンサが適切です。
ここで、
f − 3dB は、 AD7685 の− 3dB 入力帯域幅( 2MHz )、または入力
フィルタを使用する場合はそのカットオフ周波数です。
Nは、アンプのノイズ・ゲインです(たとえば、バッファ構成
の場合は+1)。
eNは、オペアンプの等価入力ノイズ電圧(nV/ Hz )です。
• ACアプリケーションの場合、ドライバはAD7685に適した
THD性能を備えている必要があります。図16に、AD7685
のTHDの周波数特性を示します。
バッファしていないリファレンス電圧を使用する場合、デカッ
プリングの値は、使用するリファレンスによって異なります。
たとえば、温度ドリフトの低いリファレンスADR43xを使用す
る場合は、 22µF ( X5R 、 1206 サイズ)のセラミック・チッ
プ・コンデンサによって最適な性能が得られます。
必要に応じて、2.2µFまでの小さいリファレンス・デカップリ
ング用コンデンサを使用すれば、性能、特にDNLに対する影響
を最小にすることができます。
• マルチチャンネルのマルチプレクサ・アプリケーションの
場合、ドライバ・アンプとAD7685のアナログ入力回路は、
コンデンサ・アレイのフルスケール・ステップに対して 16
ビット・レベル( 0.0015 %)でセトリングしなければなり
ません。アンプのデータシートでは、一般に0.1∼0.01%で
のセトリングが規定されています。これは 16 ビット・レベ
ルでのセトリング・タイムと大幅に異なることがあるため、
ドライバを選択する前に確認する必要があります。
― 16 ―
REV. 0
AD7685
電源
AD7685の仕様は、2.3∼5.5Vの広い動作電圧範囲で規定されて
います。ほかの低電圧コンバータと異なりノイズが低いため、
かなり高い性能の16ビット分解能システムを設計することがで
きます。AD7685は、コア電源VDDとデジタル入出力インター
フェース電源VIO の2 本の電源ピンを使用します。VIO によっ
て、1.8V∼VDDの電源で動作するロジックと直接のインター
フェースが可能になります。必要な電源の数を減らすために、
VIO と VDD を接続することができます。 VIO と VDD の電源
シーケンスは、どちらが先でもかまいません。さらに、
AD7685は、広い周波数範囲で電源変動に対しきわめて高い安
定性があります。図30に、PSRRの周波数特性を示します。
リファレンスからADCへの電源供給
簡単なアプリケーションでは、図32に示すリファレンス回路を
使用し、動作電流が低い AD7685 に直接電源を供給できます。
リファレンス・ラインは、以下のいずれかによって駆動できます。
• システム電源から直接駆動
• ADR43xなどの高い電流出力能力を備えたリファレンス電圧
• 図32に示すような、システム電源のフィルタ処理機能も備
えたAD8031などのリファレンス・バッファ
5V
5V
10Ω
110
5V
100
10kΩ
1µF
AD8031
10µF
1µF
(注1)
90
VIO
AD7685
70
VDD = 2.5V
60
注1:オプションのリファレンス・バッファとフィルタ
50
図32.
30
1
10
100
1000
10000
周波数(kHz)
図30.
02968-0-026
40
PSRRの周波数特性
変換サイクルが終了するごとにAD7685は自動的にパワーダウ
ンするため、図31に示すように消費電力がサンプリング・レー
トに比例して直線的に変化します。このため、サンプリング・
レートが低く(数Hzにも対応)、低消費電力のバッテリ駆動ア
プリケーションに最適です。
1000
VDD = 5V
VDD = 2.5V
動作電流(µA)
VDD
10
VIO
0.001
10
100
1000
10000
100000
サンプリング・レート
(SPS)
図31.
REV. 0
1000000
02968-0-040
0.1
サンプリング・レート 対 動作電流
― 17 ―
アプリケーション回路の例
02968-0-029
PSRR(dB)
REF
VDD = 5V
80
AD7685
デジタル・インターフェース
AD7685 のピンの数は少ないですが、シリアル・インター
フェース・モードによりきわめて高い柔軟性があります。
__
AD7685はCSモードのときに、SPI、QSPI、デジタル・ホスト、
Blackfin®ADSP-BF53xやADSP-219xなどのDSPと互換性があ
ります。このインターフェースは、3線式または4線式のいずれ
も使用できます。CNV、SCK、SDOの信号を使用する3線式イ
ンターフェースでは、配線接続数が少ないため、絶縁アプリ
ケーションなどに向いています。SDI 、CNV 、SCK 、SDO の
信号を使用する4 線式インターフェースでは、変換を開始する
CNV入力を読出しタイミング(SDI)と無関係にすることがで
きます。これは、低ジッタのサンプリングや同時サンプリング
のアプリケーションに向いています。
AD7685をチェーン・モードに設定すると、SDI入力を使用し、
シフト・レジスタと同じ1本のデータ・ライン上に複数のADC
AD7685 の動作モードは、 CNV のエッジが立ち上がるときの
SDI
__ のレベルによって決まります。SDIがハイレベルのときは
CSモード、SDIがローレベルのときはチェーン・モードが選択
されます。SDIのホールド時間により、SDIとCNVが相互に接
続されているときはチェーン・モードが常に選択されます。
__
CSモードのときは、オプションとしてデータビットの前に開始
ビットを強制的に設定することもできます。この開始ビットを
BUSY信号インジケータとして使用し、デジタル・ホストに割
込みをかけ、データの読出し動作をトリガできます。BUSY信
号インジケータを使用しない場合は、最大変換時間が経過した
後で読出しを行わなければなりません。
BUSYインジケータ機能は、以下の条件のときにイネーブルに
なります。
__
• CSモードで、ADCの変換が終了するときにCNVまたはSDI
がローレベル(図36)。
をカスケード接続するデイジーチェーン機能を利用できます。
― 18 ―
REV. 0
AD7685
このモードは通常、1個のAD7685をSPI互換のデジタル・ホス
トに接続するときに使用します。図33にこのモードの接続図、
図34にそのタイミング図を示します。
SDIがVIOに接続されているとき、
CNVの立上がりエッジで変
__
換を開始し、CS モードが選択され、SDO をハイ・インピーダ
ンスの状態に強制設定します。変換を開始すると、CNVの状態
に関係なく変換が完了するまで続けます。このような動作設定
は、CNVをローレベルに設定して、たとえばアナログ・マルチ
プレクサなどのその他のSPIデバイスを選択する場合に便利で
す。このとき、 BUSY 信号インジケータが発生しないように、
最小変換時間が経過する前にCNVをハイレベルに戻し、最大変
換時間が経過するまでCNVをハイレベルに保持する必要があり
ます。変換が終了した時点でAD7685はアクイジション・サイ
クルに入り、パワーダウンします。CNVがローレベルになると、
MSBがSDOに出力されます。残りのデータビットは、その後
のSCKの立下がりエッジで順次クロック出力されます。SCKの
立上がりと立下がりの両方のエッジでデータが有効になりま
す。立上がりエッジでデータを取り込むことも可能ですが、
SCKの立下がりエッジを使用するデジタル・ホストのほうが、
十分なホールド時間があれば、読出しが速くできます。SCKの
16 番目の立下がりエッジ後、またはCNV がハイレベルになる
ときのいずれか早いほうの時点で、SDOがハイ・インピーダン
スの状態に戻ります。
CONVERT
デジタル・ホスト
CNV
VIO
SDI
AD7685
DATA IN
SDO
SCK
02968-0-007
__
BUSYインジケータを使用しない3線式のCSモード
CLK
__
図33. BUSYインジケータを使用しない3線式CSモードの
接続図(SDIがハイレベル)
SDI = 1
tCYC
tCNVH
CNV
アクイジション
tCONV
tACQ
変換
アクイジション
tSCK
tSCKL
1
2
3
14
tHSDO
図34.
REV. 0
16
tSCKH
tDSDO
tEN
SDO
15
D15
D14
D13
tDIS
D1
D0
02968-0-008
SCK
__
BUSYインジケータを使用しない3線式CSモードのシリアル・インターフェース・タイミング図(SDIがハイレベル)
― 19 ―
AD7685
__
BUSYインジケータを使用した3線式のCSモード
MSB ファーストで順次クロック出力されます。SCK の立上が
りと立下がりの両方のエッジで、データが有効になります。立
上がりエッジでデータを取り込むことも可能ですが、SCKの立
下がりエッジを使用するデジタル・ホストのほうが、十分な
ホールド時間があれば、読出し速度が速くなります。オプショ
ンの17番目のSCK立下がりエッジ後、またはCNVがハイレベ
ルになるときのいずれか早いほうの時点で、SDOがハイ・イン
ピーダンスの状態に戻ります。
このモードは通常、1個のAD7685を割込み入力付きのSPI互換
デジタル・ホストに接続するときに使用します。
図 35 にこのモードの接続図、図 36 にそのタイミング図を示し
ます。
SDIがVIOに接続されているとき、
CNVの立上がりエッジで変
__
換を開始し、CS モードが選択され、SDO をハイ・インピーダ
ンスの状態に強制設定します。SDOはCNVの状態に関係なく、
変換動作が完了するまでハイ・インピーダンスの状態に維持さ
れます。最小変換時間が経過する前にCNVを使用して、アナロ
グ・マルチプレクサなどのその他のSPIデバイスを選択するこ
とができます。このとき、BUSY信号インジケータが発生する
ように、最小変換時間が経過する前にCNVをローレベルに戻し、
最大変換時間が経過するまでCNVをローレベルに保持する必要
があります。変換が終了した時点で、SDOはハイ・インピーダ
ンスの状態からローレベルに遷移します。SDOライン上のプル
アップにより、この遷移を割込み信号として、デジタル・ホス
トが制御するデータの読出しを開始することができます。その
後、AD7685はアクイジション・サイクルに入り、パワーダウ
ンします。データビットは、その後のSCKの立下がりエッジで
CONVERT
VIO
CNV
VIO
デジタル・ホスト
47kΩ
AD7685
DATA IN
SDO
SCK
IRQ
02968-0-009
SDI
CLK
__
図35. BUSYインジケータを使用した3線式CSモードの
接続図(SDIがハイレベル)
SDI = 1
tCYC
tCNVH
CNV
アクイジション
tCONV
tACQ
変換
アクイジション
tSCK
tSCKL
1
2
3
tHSDO
15
16
17
tSCKH
tDSDO
SDO
図36.
tDIS
D15
D14
D1
D0
02968-0-010
SCK
__
BUSYインジケータを使用した3線式CSモードのシリアル・インターフェース・タイミング図(SDIがハイレベル)
― 20 ―
REV. 0
AD7685
__
BUSYインジケータを使用しない4線式のCSモード
しないように、最小変換時間が経過する前にSDIをハイレベル
に戻し、最大変換時間が経過するまでSDIをハイレベルに保持
しなければなりません。変換が終了した時点でAD7685はアク
イジション・サイクルに入り、パワーダウンします。SDI入力
をローレベルに設定し、 MSB を SDO に出力することにより、
各 ADC の変換結果を読み出すことができます。残りのデータ
ビットは、その後のSCKのエッジで順次クロック出力されます。
SCKの立上がりと立下がりの両方のエッジで、データが有効に
なります。立上がりエッジでデータを取り込むことも可能です
が、SCKの立下がりエッジを使用するデジタル・ホストのほう
が、十分なホールド時間があれば、読出し速度が速くなります。
SCKの16番目の立下がりエッジ後、またはSDIがハイレベルに
なるときのいずれか早いほうの時点で、SDOがハイ・インピー
ダンスの状態に戻り、もう1個のAD7685の読出しができます。
このモードは通常、複数の AD7685 を SPI 互換のデジタル・ホ
ストに接続するときに使用します。
図37に2個のAD7685を使用する場合の接続図、図38にそのタ
イミング図を示します。
SDIがハイレベルのとき、
CNVの立上がりエッジで変換を開始
__
し、CS モードが選択され、SDO をハイ・インピーダンスの状
態に強制設定します。このモードのとき、変換サイクルとその
後のデータ読出しの実行中はCNVをハイレベルに保持しなけれ
ばなりません(SDIとCNVがローレベルであれば、SDOもロー
レベルに駆動されます)。最小変換時間が経過する前にSDIを使
用して、アナログ・マルチプレクサなどのその他のSPIデバイ
スを選択できます。このとき、BUSY信号インジケータが発生
CS2
CS1
CONVERT
CNV
AD7685
SDO
SDI
SCK
AD7685
SDO
SCK
02968-0-011
SDI
デジタル・ホスト
CNV
DATA IN
CLK
図37.
__
BUSYインジケータを使用しない4線式CSモードの接続図
tCYC
CNV
アクイジション
tCONV
tACQ
変換
アクイジション
tSSDICNV
SDI(CS1)
tHSDICNV
SDI(CS2)
tSCK
tSCKL
1
2
14
3
tHSDO
D15
図38.
REV. 0
16
17
18
D1
D0
D15
D14
30
31
32
D1
D0
tDSDO
tEN
SDO
15
tSCKH
D14
D13
tDIS
__
BUSYインジケータを使用しない4線式CSモードのシリアル・インターフェース・タイミング図
― 21 ―
02968-0-012
SCK
AD7685
__
BUSYインジケータを使用した4線式のCSモード
す。その後、AD7685はアクイジション・サイクルに入り、パ
ワーダウンします。データビットは、その後のSCKの立下がり
エッジで MSB ファーストで順次クロック出力されます。 SCK
の立上がりと立下がりの両方のエッジで、データが有効になり
ます。立上がりエッジでデータを取り込むことも可能ですが、
SCKの立下がりエッジを使用するデジタル・ホストのほうが、
十分なホールド時間があれば、読出し速度が速くなります。オ
プションの17番目のSCK立下がりエッジ後、またはSDIがハイ
レベルになるときのいずれか早いほうの時点で、SDOがハイ・
インピーダンスの状態に戻ります。
このモードは通常、1個のAD7685を割込み入力付きのSPI互換
デジタル・ホストに接続し、アナログ入力のサンプリングに使
用するCNV入力をデータ読出しの選択に使用する信号とは無関
係に維持したい場合に使用します。これは、CNVに低いジッタ
が必要なアプリケーションで特に重要な条件となります。
図 39 にこのモードの接続図、図 40 にそのタイミング図を示し
ます。
SDIがハイレベルのとき、
CNVの立上がりエッジで変換を開始
__
し、CS モードが選択され、SDO をハイ・インピーダンスの状
態に強制設定します。このモードのとき、変換サイクルとその
後のデータ読出しの実行中はCNVをハイレベルに保持しなけれ
ばなりません(SDIとCNVがローレベルであれば、SDOもロー
レベルに駆動されます)。最小変換時間が経過する前にSDIを使
用して、アナログ・マルチプレクサなどのその他のSPIデバイ
スを選択できます。このとき、BUSY信号インジケータが発生
するように、最小変換時間が経過する前にSDIをローレベルに
戻し、最大変換時間が経過するまでSDIをローレベルに保持し
なければなりません。変換が終了した時点で、SDOはハイ・イ
ンピーダンスの状態からローレベルに遷移します。SDOライン
上のプルアップにより、この遷移を割込み信号として、デジタ
ル・ホストが制御するデータ読出しを開始することができま
CS1
CONVERT
VIO
CNV
デジタル・ホスト
47kΩ
AD7685
DATA IN
SDO
SCK
IRQ
02968-0-013
SDI
CLK
__
図39. BUSYインジケータを使用した4線式CSモードの
接続図
tCYC
CNV
アクイジション
tCONV
tACQ
変換
アクイジション
tSSDICNV
SDI
tSCK
tHSDICNV
tSCKL
1
2
3
tHSDO
15
16
17
tSCKH
tDSDO
tDIS
tEN
SDO
図40.
D15
D14
D1
D0
02968-0-014
SCK
__
BUSYインジケータを使用した4線式CSモードのシリアル・インターフェース・タイミング図
― 22 ―
REV. 0
AD7685
パワーダウンします。内部シフト・レジスタに格納されている
残りのデータビットは、その後の SCK の立下がりエッジでク
ロック出力されます。各ADCで、SDIが内部シフト・レジスタ
にデータを入力し、SCKの立下がりエッジでクロック入力され
ます。チェーン内の各ADCはデータをMSBファーストで出力
しますが、N個のADCの読出しには16×N個のクロックが必要
です。SCKの立上がりと立下がりの両方のエッジで、データが
有効になります。立上がりエッジでデータを取り込むことも可
能ですが、SCKの立下がりエッジを使用するデジタル・ホスト
のほうが、十分なホールド時間があれば、読出し速度が速くな
り、その結果多くのAD7685をチェーン内に接続できます。最
大変換レートは、合計読出時間のために低速化することがあり
ます。たとえば、デジタル・ホストのセットアップ時間を5ns
とし、 3V インターフェースを使用する場合、 200kSPS の変換
レートでAD7685を最大5個まで3線ポート上でデイジーチェー
ン接続できます。
チェーン・モード
このモードでは、複数の AD7685 を 3 線式シリアル・インター
フェース上でデイジーチェーン接続できます。複数のコンバー
タを使用する絶縁アプリケーションやインターフェースに限界
のあるシステムで部品数と配線数を少なくしなければならない
場合に、この機能は便利です。データの読出しは、シフト・レ
ジスタのクロック動作と同じです。
図41に2個のAD7685を使用する場合の接続図、図42にこの場
合のタイミング図を示します。
SDIとCNVがローレベルのときに、SDOがローレベルに駆動さ
れます。 SCK がローレベルのとき、 CNV の立上がりエッジで
変換を開始し、チェーン・モードが選択されます。このモード
のとき、変換サイクルとその後のデータ読出しの実行中、CNV
がハイレベルに保持されます。変換が終了した時点で、MSBが
SDOに出力され、AD7685はアクイジション・サイクルに入り、
CONVERT
SDI
CNV
AD7685
SDO
デジタル・ホスト
AD7685
SDI
A
B
SCK
SCK
DATA IN
SDO
02968-0-015
CNV
CLK
図41.
チェーン・モードの接続図
SDIA = 0
tCYC
CNV
アクイジション
tCONV
tACQ
変換
アクイジション
tSCK
tSCKL
tSSCKCNV
SCK
1
tHSCKCNV
2
3
14
15
tSSDISCK
16
17
18
DA 15
DA 14
30
31
32
DA 1
DA 0
tSCKH
SDOA = SDIB
DA 15
DA 14
DA 13
DA 1
DA 0
DB15
DB14
DB13
DB 1
DB 0
tHSDO
tDSDO
SDO B
図42.
REV. 0
チェーン・モードのシリアル・インターフェース・タイミング図
― 23 ―
02968-0-016
tHSDISC
tEN
AD7685
アプリケーションのヒント
レイアウト
AD7685を実装するPCボードは、アナログ回路とデジタル回路
を分離し、ボード内にそれぞれをまとめて配置するように設計
してください。 AD7685 のピンはアナログ信号がすべて左側、
デジタル信号がすべて右側に配列されているため、このような
配置が簡単にできます。
AD7685の真下にシールドとしてグラウンド・プレーンを配置
少なくとも 1 つのグラウンド・プレーンを使用してください。
共通のグラウンド・プレーンでもよいし、アナログ回路部とデ
ジタル回路部を分離してもよいでしょう。後者の場合は、デジ
タル・グラウンド・プレーンとアナログ・グラウンド・プレー
ンをAD7685の真下で接続してください。
02968-0-044
する場合を除き、チップにノイズが結合しないように、デバイ
スの真下にデジタル・ラインを通さないでください。CNVやク
ロックなどの高速スイッチング信号がアナログ信号経路の近く
を通らないようにします。また、デジタル信号とアナログ信号
は交差しないようにしてください。
図43.
AD7685のレイアウト例(上面層)
図44.
AD7685のレイアウト例(底面層)
最後に、VDDとVIOの電源を容量が100nF程度のセラミック・
コンデンサでデカップリングしてください。その際、セラミッ
ク・コンデンサをAD7685の近くに配置し、太くて短いパター
ン配線で接続することによって、低インピーダンスの信号経路
を作り、電源ラインに対するグリッチの影響を低減する必要が
あります。
02968-0-045
AD7685 の電圧リファレンス入力 REF は、変動する入力イン
ピーダンスをもっているため、デカップリングによって寄生イ
ンダクタンスを抑える必要があります。そのために、リファレ
ンスをデカップリングするセラミック・コンデンサをREFピン
と GND ピンの近く、理想的には真上に配置して、低インピー
ダンスの太いパターン配線で接続します。
このようなルールに基づくレイアウト例を図43と図44に示します。
AD7685の性能評価
AD7685のその他の推奨レイアウトは、AD7685の評価用ボード
(EVAL-AD7685)の説明書に記載されています。評価用ボード
のパッケージには、組立ておよびテストが完了している評価用
ボード、説明書、 EVAL-CONTROL BRD2 によって PC から
ボードを制御するためのソフトウェアが同梱されています。
― 24 ―
REV. 0
AD7685
外形寸法
3.00 BSC
6
10
4.90 BSC
3.00 BSC
1
5
ピン1
0.50 BSC
0.95
0.85
0.75
1.10(最大)
0.15
0.00
0.27
0.17
0.80
0.60
0.40
8°
0°
0.23
0.08
実装面
平坦性
0.10
JEDEC規格MO-187BAに準拠
図45. 10ピンMSOP
(RM-10)
寸法単位:mm
インデックス・
エリア
3.00
BSC SQ
0.50 BSC
1
1.50
BCS SQ
ピン1
識別マーク
5
(底面図)
6
10
実装面
1.74
1.64
1.49
露出パッド
上面図
0.80
0.75
0.70
0.50
0.40
0.30
2.48
2.38
2.23
0.80(最大)
0.55(代表)
パドルはGNDに接続。この接続が
なくても電気的性能を満たすことが
できます。
0.05(最大)
0.02(公称)
0.30
0.23
0.18
0.20(基準)
図46.
10ピンQFN(LFCSP)
3mm×3mmのボディー
(CP-10-9)
寸法単位:mm
REV. 0
― 25 ―
AD7685
オーダー・ガイド
1
2
製品
積分非直線性
温度範囲
パッケージ(オプション)
出荷形態、数量
マーキング
AD7685BRM
AD7685BRMRL7
EVAL-AD7685CB1
EVAL-CONTROL BRD22
EVAL-CONTROL BRD32
±3LSB(max)
±3LSB(max)
−40∼+85℃
−40∼+85℃
MSOP(RM-10)
MSOP(RM-10)
チューブ、50
リール、1,000
C01
C01
評価用ボード
コントロール・ボード
コントロール・ボード
このボードは単独の評価用ボードとしても、評価/デモンストレーション用にEVAL-CONTROL BRDxと組み合わせて使用することもできます。
コントロール・ボードを使用すると、製品名の末尾にCBが付くアナログ・デバイセズの評価用ボードのすべてに対しPCで制御と通信ができます。
― 26 ―
REV. 0
AD7685
REV. 0
― 27 ―
D02968-0-4/04(0)-J
AD7685
― 28 ―
REV. 0