日本語参考資料 英語版最新アプリケーション・ノートはこちら AN-1291 アプリケーション・ノート デジタル・ポテンショメータの FAQ このアプリケーション・ノートでは、アナログ・デバイセズの デジタル・ポテンショメータ (digiPOT) 製品に関して、よく ある質問 (FAQ) に答えます。一般的な質問はもちろん、およ び製品固有の質問にもお答えします。さらに、digiPOT の設定 に関しても情報を提供します。 レオスタットは、ピンの内 1 本を A ピンまたは B ピンへハード ワイヤ接続して構成します (図 2 参照)。製品によっては、A ピンと W ピンの 2 ピンのみを提供する場合もあります。 B ポテンショメータ (図 1 参照) には 3 本のピンがあります。A ピン、B ピン、W ピン (ワイパー)です。 W W digiPOT とは? digiPOT はデジタル的に制御される抵抗で、RDAC レジスタに ロードされたコードに応じて、ピン間とワイパーとの間のイン ピーダンスを変化させます。デジタル・ポテンショメータは、 物理的なサイズ、摩耗、損傷、さらに振動、温度、湿度に対す る感受性のような機械的ポテンショメータで生ずる問題を回避 します。digiPOT は、ポテンショメータとレオスタット(可変 抵抗器)の 2 つのモードに設定することができます。 A A B 12052-002 はじめに 図 2.レオスタット・モード 評価用ボードに関係する評価ツールとソフトウェアはどこ で見つけますか? Windows®互換評価ソフトウェアとドライバ・ソフトウェアは、 通常、評価用ボード・キットに付属している CD に含まれてい ます。新しい製品の場合、大部分の情報はオンラインで提供し ています。 digiPOT のテクニカル・サポートを受ける方法は? A EngineerZone は、アナログ・デバイセズのオンライン・サポー ト・コミュニティです。digiPOT のサポートは、高精度 DAC と いう名前のコミュニティから提供しています。全世界のお客様 が、質問を掲示し、既存の質問と回答を閲覧し、このコミュニ ティで進行中のディスカッションを検討したり、これに参加す ることができます。 B 12052-001 W 図 1.ポテンショメータ・モード アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用に関して、あるいは利用によって 生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いません。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示 的または暗示的に許諾するものでもありません。仕様は、予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標は、それぞれの所有 者の財産です。※日本語版資料は REVISION が古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。 Rev. 0 ©2014 Analog Devices, Inc. All rights reserved. 本 社/〒105-6891 東京都港区海岸 1-16-1 ニューピア竹芝サウスタワービル 電話 03(5402)8200 大阪営業所/〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原 3-5-36 新大阪トラストタワー 電話 06(6350)6868 AN-1291 アプリケーション・ノート 目次 はじめに .............................................................................................. 1 インターフェース ........................................................................ 10 改訂履歴 .............................................................................................. 2 ゲイン ........................................................................................... 13 カテゴリごとの DigiPOT FAQ .......................................................... 3 LED ドライバ ............................................................................... 14 全体的な FAQ ................................................................................. 3 電圧/電流変換 .............................................................................. 15 EEPROM メモリ内蔵 DigiPOT についての FAQ......................... 7 フィルタ機能................................................................................ 16 アプリケーション情報 ...................................................................... 8 その他の応用................................................................................ 17 オーディオ ...................................................................................... 8 改訂履歴 5/14—Revision 0: Initial Version Rev. 0 - 2/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート カテゴリごとのDigiPOTに関するFAQ • • • 一般的な FAQ 推奨パワーアップ・シーケンスはありますか? はい、製品データシートにデバイスのパワーアップ前に参照す べき推奨スタートアップ・シーケンスを記載してあります。 一般に、最初に VDD をオンにし、次に VSS をオンにします。VA、 VB、VW の順序は重要ではありませんが、これらは最後にオン にする必要があります。 VDD と A、B、W の各ピンとの間には ESD 保護ダイオードがあ ります。例えば、ダイオードの 1 つのカソードが VDD に接続さ れ、アノードが A ピンに接続されています。このため、VDD が オンになる前に A ピンに電圧が発生すると、ダイオードが順方 向にバイアスされて VDD がオンになってしまいます。 digiPOT によっては、デジタル信号の電源も VDD の後にオンに する必要があります。これは、該当するデータシートに記載さ れています。 すべての digiPOT は |5 V|に制限されていますか? いいえ、大きな単電源と両電源に対応するため、digiPOT の広 範なポートフォリオを提供しています。最新の製品リストにつ いては、オンライン・カタログを参照してください。 迅速な調整 多くの機能 優れたダイナミック制御 ただし、digiPOT は機械的ポテンショメータに対する直接の置 換品ではありません。詳細については「デジタル・ポテンショ メータは機械的ポテンショメータに対する真の置換品ですか、 または電圧について制約がありますか?」の質問を参照してく ださい。 デジタル・ポテンショメータは機械的ポテンショメータに 対する真の置換品ですか、または電圧について制約があり ますか? デジタル・ポテンショメータは、機械的ポテンショメータに対 する正確な置換品ではありません。VA と VB は VDD より高くし てはならず、VSS より低くしてもいけません(デバイスに VSS ピンがない場合は GND)。例えば、VA と VB をそれぞれ +2 V と -2 V とすると、VDD は+2 V 以上で VSS は-2 V 以下である必要 があります。 詳 細 に つ い て は 、 AN-1121 ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ ノ ー ト 「Replacing Mechanical Potentiometers with Digital Potentiometers」 を参照してください。 不揮発性メモリを持たない digiPOT の場合、パワーアップ 時の状態はどうなりますか? digiPOT はバイポーラ動作と AC 動作が可能ですか? はい、アナログ・デバイセズは、バイポーラ動作または AC 動 作が可能な±2.5 V、±5 V、または±15 V の両電源に対応する digiPOT を提供しています。DC オフセットを上げれば DC 単電 源でも AC 動作が可能です。A ピン、B ピン、W ピンには、相 互に極性の制約はありません。 両電源 digiPOT で、VDD/VSS がそれぞれ+2.5 V/−2.5 V の場 合、ロジック・レベルの変換なしで標準 3.3 V CMOS ロジ ック部品からデジタル入力を供給することができますか? VDD = +2.5 V で VSS = -2.5V の場合、ロジック・レベル・ス レッショールドはどうなりますか? アナログ・デバイセズの大部分の digiPOT (ただし AD8400/ AD8402/AD8403 は 除 き ま す ) は 、 パ ワ ー オ ン ・ リ セ ッ ト (POR) 回路を内蔵しています。この回路が、ワイパー―ピン 間抵抗をピン―ピン間抵抗の中心値に設定します。例えば、RAB = 10 kΩ の場合、パワーアップ時に RWB = RWA = 5 kΩ になります。 この機能を持たない digiPOT では、ワイパー―ピン間抵抗はパ ワーアップ時に不定になります。詳細については、該当するデ ータシートを参照してください。 特別な低消費電力デジタル・ポテンショメータはあります か? バイポーラ ±2.5 V digiPOT を使用する場合、最大デジタル電源 は VDD +0.3 V または VLOGIC + 0.3 V に制限されます。そうしない と、内蔵保護ダイオードが電圧をクランプするため、損傷する ことがあります。digiPOT レベルの詳細については、データシ ートで確認してください。 ロジック・レベルと消費電力との間には相互依存性があり ますか? あります。ロジック・レベルがロジック電源 (VDD または VLOGIC (存在する場合))より低い場合、入力ゲートは完全に スイッチしないため、デバイスの消費電力が大きくなります。 あります。AD5165 は、超低消費電力のアナログ・デバイセズ 製品です。最新の製品リストについては、オンライン・カタロ グを参照してください。 メモリを使うと、マイクロプロセッサからの更新なしでデ バイスを最後に保存された値に戻すことができますか? はい、そのとおりです。デバイスがパワーオンするごとに、前 に保存された値に自動的に設定されます。デフォルトでは、 EEPROM は出荷時にミツドスケールに設定されます。 デュアル・デジタル・ポテンショメータでの Ch1 と Ch2 の 間の抵抗の整合性はどの程度ですか? なぜ機械的ポテンショメータを digiPOT で置き換えるので すか? 整合性は 0.1%~0.2% (typ)で、±1%は通常最大値として規定 されています。 機械的ポテンショメータの使用に対して digiPOT の使用には次 のような利点があります。 デバイス間の抵抗の整合性はどうですか? • • • 高い分解能 高い信頼性 優れた安定性 Rev. 0 同じバッチからのデバイスの場合、デバイス間の抵抗の整合性 は ±1%と考えられています。 - 3/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート digiPOT の抵抗許容誤差は? 正確な値については、該当するデータシートを参照してくださ い。ポテンショメータを 3 ピン分圧器モードで使う場合 (直列 抵抗なし)、抵抗 RWA と RWB の比に意味があるため許容誤差は 無関係になります。ポテンショメータを 2 ピンのレオスタッ ト・モードで使用する場合は、ワーストケースの変動を考慮す る必要があります。 不揮発性 digiPOT によっては、抵抗許容誤差を 0.1%精度で出荷 時にメモリに格納しているものがあります。ユーザーは抵抗許 容誤差を取り出して、システムをキャリブレーションすること ができます。 必要な抵抗値または分解能を得るために、複数の digiPOT をカスケード、直列、または並列に接続できますか? ステ ップあたり約 1 Ω の 250 Ω デジタル・ポテンショメータを 必要としています。4 個の 1 kΩ AD8403 を並列に接続し、 各々を同じ公称値に設定することを考えています。 そのとおりです。 AN-582 アプリケーション・ノート 「複数のデバイスによるデジタル・ポテンショメータの分解 能の向上 」を参照してください。 デジタル・ポテンショメータはどのようにデザインされて いますか?ワイパー・スイッチは理想的ですか? DigiPOT は非常にリークの小さいアナログ・スイッチ・プロセ スで製造されているため、リーク電流は小さくなっています。 通常、1 nA (typ)の同相モード・リーク電流として規定されて います。 表 1.DigiPOT のピンを流れる最大電流: 絶対最大定格表の例 Parameter IA, IB, IW Pulsed Frequency > 10 kHz RAW = 5 kΩ and 10 5 kΩ RAW = 80 kΩ Frequency ≤ 10 kHz RAW = 5 kΩ and 10 5 kΩ RAW = 80 kΩ Continuous RAW = 5 kΩ and 10 5 kΩ RAW = 80 kΩ Rating ±6 mA/d ±1.5 mA/d ±6 mA/√d ±1.5 mA/√d ±6 mA ±1.5 mA d はパルス・デューティ・ファクタ。 digiPOT は純粋な CMOS デバイスです。すべてのスイッチは均 一な小さい RDS( on)を得るためにリニア領域で動作する大型の CMOS トランスミッション・ゲートから構成されています。す べての抵抗エレメントはポリシリコンまたは薄膜抵抗です。 デジタル・ポテンショメータの温度係数は? 与えられた設定に対して抵抗を構成する成分は 2 つあります。 この 2 つの成分は、ポリシリコン抵抗または薄膜抵抗 (ステッ プ抵抗 Rs)と CMOS スイッチ抵抗 (5 V 電源で Rsw=50 Ω)で す。これは次のように加算されます。 RWB = RS + RW RS = アナログ・デバイセズの digiPOT は、回路のゲインに影響 を与えるリーク電流の影響を受けますか? RAB 2N データシートで公表されているステップ抵抗の温度係数 (tempco) は一般に、薄膜では-35 ppm/°C、ポリシリコンでは 600 ppm/°C です。これに対して、スイッチ抵抗は 100°C で 2 倍 になります。このため、全体の温度係数は非線形になるので、 スイッチ抵抗が支配的な小さいコード値では悪くなります。詳 細については、データシートの温度係数のグラフを参照してく ださい。 デジタル・ポテンショメータに流せる最大電流は? 最大電流は、与えられた抵抗設定で 3 つの境界により制限され ます。この 3 つの境界とは、A ピン、B ピン、W ピンの内の任 意の 2 ピンに加えられる最大電圧、パッケージの消費電力、内 蔵スイッチの最大電流処理能力です。 各データシートでは、絶対最大定格のセクションにこの最大電 流を記載しています (表 1 の例を参照)。 パルス電流の計算は、周波数に依存します。周波数が 10 kHz 以 下の場合は、次式のようになります。 Id = Ipeak× d 周波数が 10 kHz 以上の場合は、次式のようになります。 Id = Ipeak× d ここで、 Id = 最大 DC 電流 Ipeak = 波形の最大ピーク電流値 d = デューティ・ファクタ (0.1 = 10% デューティ・サイクル) R-DNL の仕様に関して、相対的な調整についてのみ懸念を 持っています。digiPOT 内の実際の抵抗値についての懸念 はないのですが、digiPOT は単調である必要がある場合ど うなるでしょうか? レオスタット・モードの digiPOT では、R-INL(抵抗積分非直線 性)および R-DNL(抵抗微分非直線性)と呼ばれる 2 つの仕様 があります。INL は、DAC の理論出力値と実際の出力レベルと の最大誤差として定義されます。R-INL は、最大抵抗ワイパ ー・ポジションと最小抵抗ワイパー・ポジションとの間で測定 された理論値からの差を表します。DNL は、DAC 伝達関数で 2 つの連続するコード間の最大誤差です。R-DNL は、連続タッ プ・ポジション間での理論値からの相対的ステップ変化を表し ます。 アナログ・デバイセズのすべての digiPOT は単調性が保証され ています。 デュアル digiPOT の Ch1 と Ch2 の間で、Ch1 に入力され た正弦波が Ch2 に現れるなどのクロストークがあります か? あります。通常、製品データシートにこのような性能を記載し てあります。一般に−70 dB です。 Rev. 0 - 4/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート VW VW1 SCL 12052-006 12052-004 VW2 図 3.アナログ・クロストーク 図 5.デジタル・フィードスルー Ch 1 をゼロスケールからフルスケールへ変化させた場合、 Ch 2 に影響がありますか? デジタル・ポテンショメータの THD 性能は? これはステップ応答クロストークです。これはアナログ・クロ ストークとは異なります。通常、データシートにこの情報は記 載されています。このクロストークは一般に、5 nV/sec~10 nV/sec の範囲です。 図 4 に、デジタル・クロストークの例を示します。 このパラメータはコードと VDD に依存します。一般に、−86.02 dB ~ −60 dB の範囲です。特定の性能については製品データシ ートを参照してください。デバイスを最大動作電圧で動作させ たとき、最適 THD 性能が得られます。AD5292 は、最大 −100 dB の THD を実現しています。 コントローラから 8 ビットのワード長を使って 6 ビットの ワード長を必要とする digiPOT をどのように制御するので すか? SPI インターフェースのデジタル・ポテンショメータは、先頭 2 ビットの MSB を無視し、次の 6 ビットを読出すことにより動作 します。詳細については、製品データシートを参照してくださ い。 コントローラから 8 ビットのワード長を使って 12 ビットの ワード長を必要とする digiPOT をどのように制御するので すか? VW2 2 バイト・ワードを発行します。先頭の 4 ビットの MSB を無視 します。詳細については、製品データシートを参照してくださ い。 12052-005 VW1 複数の digiPOT をどのようにデイジーチェーン接続します か? デジタル・フィードスルーはどうですか? digiPOT をデイジーチェーン接続するときは、前のパッケージ の SDO ピンを次のパッケージの SDI ピンに接続する必要があり ます。伝搬遅延のため、クロック周期を大きくする必要がある ことがあります。 デジタル・フィードスルーは、クロックまたはデータから出力 へ混入するノイズの大きさを意味します。通常は非常に小さい 値です (数 nV/sec の範囲)。図 5 に、デジタル・フィードスル ーの例を示します。 図 6 では、2 個の AD5122 digiPOT が接続されています。このセ ットアップでは、32 ビットが必要です。最初の 16 ビットが U2 へ、次の 16 ビットが U1 へ、それぞれ送信されます。この 32 ビット書込みの間、SYNCはロー・レベルに維持されます。 図 4.デジタル・クロストーク すべてのビットが入力されたとき、 SYNC ピンをハイ・レベル にして書込みを完了します。AD5144 および同様の SPI デバイス では、例えば、ノイズのためにデータが壊れるのを防止するた め、digiPOT はカウンタを内蔵しています。クロック数が予想 に反する場合、データを無視します。 SYNC をハイ・レベルに すると、カウンタがリセットされます。詳細については、製品 データシートを参照してください。 Rev. 0 - 5/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート VLOGIC AD5122/ AD5142 MOSI SDI RP 2.2kΩ AD5122/ AD5142 SDI SDO U1 VLOGIC RP 2.2kΩ U2 SDO SCLK SYNC SCLK 12052-007 SYNC DAISY CHAIN MICROCONTROLLER MISO SCLK SS 図 6.DigiPOT のデイジーチェーン接続 マルチチャンネル・デジタル・ポテンショメータの 2 チャ ンネルを同時に設定することができますか? はい、できます。AD5251/AD5252/AD5253/AD5254 や AD5232/ AD5233/ AD5235 のような digiPOT を選択すると、すべてのチャ ンネルを同時にインクリメント/デクリメントすることができま す。さらに、各 EEMEM に書込みを行った後に、RESET コマン ドを発行して、すべての RDAC 設定を同時に更新することがで きます。 AD5144 のような幾つかの製品には、LRDAC ピン (RDAC 入力 レジスタのロード) があり、これを使ってデータを入力レジス タから RDAC レジスタへ転送してワイパー位置を更新します。 1 つの RDAC レジスタまたはすべてのレジスタを 1 回で更新す ることができます。 ラッチパッド・レジスタがデジタル抵抗ワイパーを直接制御す るため、変更回数の制限はありません (書込み回数が制限され る EEPROM とは異なります)。 ただし、EEPROM を使ってワイパー位置を復元するコマンドは 依然使用できます。つまり、WP ピンは EEPROM 値を保護する 方法として使用されます。 さらに、ADN2850 では、ハードウェア優先プリセット (PR) ピンを使って、スクラッチパッド・レジスタを EEPROM 値で上 書きすることができます。 RDY ピンは、コマンドが完了して次のコマンドに対する準備が できたことを表示します。 詳細については、特定の製品データシートを参照してください。 デジタル・ポテンショメータの ESD 定格は? digiPOT のワイパー設定をリードバックできますか? AD5242 や AD5282 のようなデュアル I2C 互換 digiPOT の 2 つの RDAC レジスタ値についてはどうですか? すべての digiPOT の ESD 定格は 1 kV より高くなっています。 詳細については、製品データシートを参照してください。 可能です。digiPOT を選択してワイパー設定値をリードバック することができます。 digiPOT パッケージのピン間 RAB 抵抗値はどのように指定 しますか? RDAC レジスタ値 (特定チャンネルの RDAC 値)をリードバッ クすることもできます。ただし、前の書込みモードで選択した RDAC チャンネルのみを読出すことができます。読出したいチ ャンネルが前に書込んだチャンネルと異なる場合は、目的のチ ャンネルを選択するためにダミーの書込みコマンドが必要です。 詳細については、該当するデータシートを参照してください。 各データシートのオーダー・ガイド・セクションには、モデル 番号とブランド・コードが記載してあります。例えば、AD8400 は SOIC パッケージを採用し、AD8400AR1、AD8400AR10、 AD8400AR100 のブランドで表されます。これらは、それぞれ 1 kΩ、10 kΩ、または 100 kΩ の RAB を表します。さらに小型のパ ッケージでは、3 文字のコードが使用されています。データシ ートのブランド・コードを使用すると、RAB の識別に役立ちま す。 パラレル入力から制御される digiPOT はありますか? ありません。 WP、PR、RDY の機能は? WP は書込み保護です。例えば、ADN2850 では、 WP がスクラ ッチパッド・レジスタ値の変更をディスエーブルします。スク Rev. 0 - 6/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート EEPROM メモリ内蔵 DigiPOT についての FAQ 300 55°C で動作させた場合、15 年後に EEMEM のデータをリ フレッシュする必要がありますか? 250 RETENTION (Years) あります。EEPROM セルは 55°C で動作した場合、15 年を過ぎ ると電荷を失います。 保持時間として測定した後、De Salvo およびその他の著者によ る 「 Experimental and Theoretical Investigation of Nonvolatile Memory Data-Retention」で定義されたモデルを使ってそれを外 挿しています。この IEEE 文献はオンラインで提供されていま す。 200 ANALOG DEVICES TYPICAL PERFORMANCE AT TJ = 55°C 150 100 Ea t R = t 0 × ekT ここで、 tR は温度に基づく保持時間。 t0 は無限温度に対応する保持時間。 Ea は活性化エネルギー。 k はボルツマン定数。 T は温度。 0 40 60 70 80 90 TJ JUNCTION TEMPERATURE (°C) 100 110 図 7. 温度対データ保持時間の例 その他の動作温度については、 図 7 を参照してください。アナ ログ・デバイセズの digiPOT は、規定のジャンクション温度 (TJ = 55°C)での JEDEC データ保持時間の仕様(A117)に準拠 して評価されています。 この認定手順の一部として、フラッシュ/EE メモリを規定の書 き変え回数までサイクル・テストした後に、データ保持時間を キャラクタライゼーションしています。これは、フラッシュ/EE メモリでは、書き変えるごとに規定のデータ保持時間データを 保持することが保証されていることを意味します。0.7 eV の活 性化エネルギーに基づくデータ保持時間は、TJ の上昇とともに 短くなることにも注意してください。このデータは不揮発性メ モリを採用するすべての digiPOT に適用されます。 Rev. 0 50 12052-008 50 規定の EEMEM データ保持時間が経過した後、電源をオフ にした後オンに戻すと、デバイスは "リフレッシュ" された と見なすことができるのですか? いいえ違います。これにより RDAC レジスタはリフレッシュさ れますが、EEPROM はリフレッシュされません。15 年後にデー タを再ロードして、EEPROM セルに新しい電荷を与える必要が あります。これを行うときは、15 年が経過する前に RDAC ワイ パー・レジスタに書込みを行って、EEPROM のデータを元に戻 します。 幾つかの DigiPOT の最大動作温度は、なぜ標準の 125°C で はなく 85°C なのですか? EEPROM を内蔵する digiPOT は通常、最大 85°C まで動作しま す。これは、EEPROM の安全な動作は 85°C 以下であるためで す。 - 7/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート アプリケーション情報 オーディオ デジタル・ポテンショメータをオーディオ・ボリューム制 御で使用する場合、ジッパー・ノイズが発生しますか? ジッパー・ノイズが聞こえます。ただし、アナログ・デバイセ ズは、AD5292 デジタル・ポテンショメータを使ったグリッチ 低減機能を持つログ・オーディオ・ボリューム制御を開発しま した。AN-1209 アプリケーション・ノート 「Logarithmic Audio Volume Control with Glitch Reduction Using the AD5292 Digital Potentiometer」を参照してください。 デジタル・ポテンショメータは対数テーパ調整が可能です か? オーディオ制御のようなアプリケーションでは、疑似対数テー パ調整がよく使用されます。ただし、AD5231/AD5232/AD5233/ AD5235 または ADN2850 のユーザーに対しては、答えはイエス です。これに対して、シンプルな設定を持つその他のリニア調 整ポテンショメータでは、疑似対数テーパの調整が可能です。 詳細については、2000 年 1 月出版の Hank Zumblen 著「Tack a Log Taper onto a Digital Potentiometer」がオンラインで提供され ています。 オーディオ・ボリューム制御 AD7376 は優れた THD 性能と高電圧能力を備えているため、デ ジタル・ボリューム制御に使用することができます。AD7376 を直接オーディオ減衰器またはゲイン・アンプとして使用する 場合、ボリューム・レベルに任意の時間に大きなステップ変化 C1 VIN 100nF V+ +15V U1A があると、オーディオ信号に突然の不連続が生じることがあり、 可聴ジッパー・ノイズが発生します。これを防止するには、ゼ ロ交差ウィンドウ検出器を CS ラインに挿入して、オーディオ 信号がウィンドウと交差するまでデバイスの更新を遅延させる ことができます。入力信号は絶対ゼロ・ボルト・レベルではな く任意の DC レベルに重ねて動作できるため、この場合のゼロ 交差は、信号が AC 結合されて、DC オフセット・レベルが信号 のゼロ・リファレンス・ポイントになることを意味します。 ジッパー・ノイズを小さくする構成とこの構成を使用した結果 を、それぞれ図 9 と図 10 に示します。入力は C1 で AC 結合さ れ、減衰させた後に U2、U3、U4B で構成されたウィンドウ・ コンパレータに供給されます。U6 を使って信号ゼロ・リファレ ンスを設定します。コンパレータの上限はオフセットの上に設 定されるため、この例では入力が 2.502 V ~ 2.497 V (すなわち 0.005 V ウィンドウ)の範囲内に入るごとにハイ・レベルの出力 パルスが発生します。この出力とチップ・セレクト信号との AND をとって、信号がウィンドウと交差するごとに AD7376 が 更新されます。デバイスが絶え間なく更新されるのを回避する ため、チップ・セレクト信号を AD7376 データシートに示す 1 個ではなく 2 個のパルスとして設定する必要があります。 図 10 の下のトレースは、ゼロ交差ウィンドウ付近で信号が変化 するとき 1/4 スケールからフルスケールまでボリューム・レベ ルが変化することを示しています。 AD7376 のシャットダウ ン ・ス リープ・ モー ド設定機 能を 使うと、 パワ ーアップ 時 に SHDN をロー・レベルにホールドしてゼロスケールを設定し て、デバイスをミュートさせることができます。 VCC +3.3V 0V ±14V 1/2 AD8676 V– –15V R4 90.9kΩ ±0.1% +1.657V 0.0133V R2 806Ω ±0.1% +3.3V U3 VCC ADCMP371 GND – +1.645V ±1.4V R6 27.4kΩ ±0.1% U2 V+ +1.81V A AD5292 SERIAL INTERFACE +3.3V U5A 1/2 7408 +3.3V R5 9.09kΩ ±0.1% +3.3V AD8541 V– +1.643V R7 33.2kΩ ±0.1% VDD +15V U6 U4 VCC ADCMP371 GND – R3 100kΩ ±0.1% U4B 2/2 7408 U1B W RAB 20kΩ 2/2 VOUT AD8676 SYNC R8 20kΩ B SYNC VSS –15V 12052-010 100kΩ R1 100kΩ ±0.1% 図 8.グリッチ低減機能を持つ対数オーディオ・ボリューム制御 (簡略化した回路図: デカップリングとすべての接続は省略) Rev. 0 - 8/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート VIN C1 1µF +5V U1 +15V +5V V+ ADCM371 V– R2 200Ω R4 90kΩ 4 7408 5 R5 10kΩ +5V V+ AD8541 V– AD7376 +15V VSS –15V 6 1 W 7408 CS CLK CLK SDI SDI VOUT V– B –15V CS R3 100Ω U5 V+ 100kΩ U4A 2 U3 V+ ADCM371 V– U6 A C2 0.1µF U4B +5V VDD C3 0.1µF U2 12052-023 R1 100kΩ GND 図 9.オーディオ・ボリューム制御 1 2 12052-135 CHANNEL 1 FREQ = 20.25kHz 1.03V p-p NOTES 1. THE LOWER TRACE SHOWS THAT THE VOLUME LEVEL CHANGES FROM QUARTER SCALE TO FULL SCALE, WITH THE CHANGE OCCURRING NEAR THE ZERO-CROSSING WINDOW. 図 10. 図 9 の回路の入力(トレース 1) と出力 (トレース 2) ボリューム制御付きのオーディオ・アンプ ±2.5V p-p AUDIO_INPUT 5V SSM2211 は、 2 個のスピーカも駆動することができます(図 11 参照)。 ただし、スピーカはシングルエンド・モードに構成す る必要があり、DC 電流を阻止するための出力結合コンデンサ が必要です。 出力コンデンサとスピーカ負荷により、ハイパ ス・カットオフ周波数 fH2 = 1/(2 × π × R5 × C3)が追加されま す。このため、周波数を fH1 まで下げるため C3 と C4 を大きく する必要があります。 C6 10µF VDD C7 0.1µF C5 5V 0.1µF PRE PUSH-UP BUTTON A PD C3 470µF 4 10kΩ PU PUSH-DOWN BUTTON W C1 R1 1µF 10kΩ B – 6 V+ U2 5 SSM2211 3 GND + V– 8 1 7 2 5V R3 10kΩ C2 0.1µF – R6 8Ω U3 + 図 11.ボリューム制御付きのオーディオ・アンプ - 9/18 - C44 470µF AD8591 R4 10kΩ Rev. 0 R5 8Ω 12052-024 AD5228 と SSM2211 でボリューム制御付きの 1.5 W オーディ オ・アンプを構成することができます。このアンプは、PDA や 携帯電話のような携帯機器向けに十分な電力と品質を持ってい ます。SSM2211 は、ピン 5 とピン 8 の間に接続した 1 個のスピ ーカを出力コンデンサなしで差動駆動することができます。ハ イパス・カットオフ周波数は fH1 = 1/(2 × π × R1 × C1)です。 R2 10kΩ U1 AN-1291 アプリケーション・ノート インターフェース 帯域幅は、コードとピン間抵抗 RAB の関数になっています。RAB とコードが小さいほど、帯域幅は広くなります。digiPOT の中 には 10 MHz 以上の帯域幅が可能なものもあることに注意して ください。ボード線図については、製品データシートを参照し てください。 EEPROM の書込み時に VLOGIC から 35 mA を供給するためです。 70 kΩ 抵抗を通して 35 mA を供給することは実用的でないため、 VLOGIC は VDD と同じノードには接続しません。 VCC (~3.3V) SUPPLIES POWER TO BOTH THE MICRO AND THE LOGIC SUPPLY OF THE DIGITAL POT C1 1µF 図 12 に、デジタル・ポテンショメータに供給する 5 V 電源が存 在する珍しい例外を示します。 VCC (~3.3V) 5V 14.4V R1 70kΩ C1 1µF MCU R5 10kΩ – VDD VLOGIC A MCU SCL SDA B R2 10kΩ W U1 AD8565 + 3.5V < VCOM < 4.5V R3 25kΩ 12052-025 GND 図 12.VCOM 調整アプリケーション 図 13 に示すさらに一般的なケースでは、アナログ 14.4 V 電源 とデジタル・ロジック 3.3 V 電源しか使いません。デジタル・ ポテンショメータの上方と下方にディスクリート抵抗を接続す ると、抵抗ストリング自体から VDD を取り出せるようになりま す。選択した抵抗値では、VDD 電圧はこの場合 4.8 V になり、ワ イパーは 4.8 V まで安全に動作することができます。 VDD 電流 は μA のオーダーであるためノードのバイアスに影響を与えま せん。VLOGIC は MCU 3.3 V デジタル電源に接続します。これは Rev. 0 SCL SDA B R2 10kΩ W U1 AD8565 + 3.5V < VCOM < 4.5V GND R3 25kΩ 図 13.VDD 電源が分離されていない場合の回路 このため、 VLOGIC と VDD は分離した 2 本の電源ピンとして扱い、 相互に接続するか別々に使用することができます。VLOGIC はロ ジック/EEPROM の電源として使い、VDD は A、B、W ピンにバ イアスを供給して、柔軟性を向上させます。 このアプリケーションの詳細については、雑誌 EDN の 2004 年 9 月 30 日号に記載の「Simple VCOM Adjustment uses any Logic Supply Voltage」を参照してください。オンラインでも提供され ています。 ロータリ・エンコーダによる手動制御 AD5259 R6 10kΩ – VDD A LCD パネルの VCOM 調整 特に、LCD パネルでは 3 V ~ 5 V の範囲の VCOM 電圧が必要と されます。 R5 10kΩ VLOGIC SPI および Up/Down (U/D ) デジタル・インターフェースの digiPOT の場合、最大クロック周波数は 10 MHz ~ 50 MHz の範 囲です。I2C 互換 digiPOT の場合、最大クロック周波数 400 kHz を保証しています。 AD5259 の特別な機能は、VLOGIC ピンと VDD 電源ピンの分離です。 この分離により、必要な電源電圧を常に提供しないアプリケー ションで柔軟性が強化されています。 R1 70kΩ AD5259 R6 10kΩ デジタル・ポテンショメータの CLK 入力に供給可能な最大 周波数は? 14.4V 12052-027 ビデオ信号のゲイン調整の場合、1 MHz~10 MHz の周波数 で digiPOT を調整できますか? 図 14 に、ロータリ・ノブ操作で機械的ポテンショメータをエミ ュレートするもう 1 つの AD5227 の使い方を示します。ロータ リ・エンコーダ U1 には、グラウンドピン C および位相が異な る 2 本の信号 A と B があります。 U1 を時計向きに回すと、B ピンから発生するパルスは A ピンか ら発生するパルスより位相が進みます。逆に回すと逆になりま す。U1 の信号 A と信号 B は、U1 の A と B の位相差を U3 AD5227 の互換入力へ変換する直交デコーダ U2 を通過します。 したがって、B が A より位相進み (時計回り)の場合、U2 は ハイ・レベルの U/D 信号を AD5227 に供給します。逆の場合は 逆になります。U2 は、ノイズ、ジッタ、その他の過渡電圧、さ らに U1 で発生する接点バウンスもフィルタで除去します。 従来型のダイアル・インターフェースで AD5111、AD5113、 AD5115 を制御する方法については、AN-1150 アプリケーショ ン・ノートを参照してください。 - 10/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート 5V R1 10kΩ QUADRATURE DECODER R2 10kΩ DIGITAL POTENTIOMETER A1 U3 U2 R3 10kΩ 1 U1 ROTARY ENCODER 2 3 B C A 4 LS7084 RBIAS VDD VSS CLK U/D X4/X1 B A 8 1 7 AD5227 CLK VDD 8 2 6 U/D 3 A1 7 CS B1 6 5 4 W1 5 GND B1 W1 12052-028 RE11CT-V1Y12-EF2CS 図 14.手動ロータリ制御 6 ビット・コントローラ AD5227 をクロック・ジェネレータ、コンパレータ、出力部品 と組み合わせて使うと、シンプルな 6 ビット・コントローラを 構成することができます。 図 15 に、コンパレータを備えた一 般的な 6 ビット・コントローラを示します。このコンパレータ はサンプリング出力をリファレンス・レベルと比較して、ハ イ・レベルまたはロー・レベルを AD5227 U/D ピンへ出力しま す。次に AD5227 は U/D の状態で表示される方向に各クロッ ク・サイクルでステップを変化させます。この回路は自己充足 的で、デザインが容易なため、種々のアプリケーションで使用 することができます。 U1 5V 現するには、最初に各デバイスで AD1 と AD0 の状態を定義し ておく必要があります。 表 2 と図 16 に例を示します。I2C による書込みでは、各デバイ スにはアドレス指定のために異なるスレーブ・アドレス-01011 (AD1)(AD0)-が発行されます()()。 表 2.複数デバイスのアドレス指定 AD1 AD0 Device Addressed 0 0 1 1 0 1 0 1 U1 U2 U3 U4 AD5227 VDD CLK デジタル・ポテンショメータのアレイを使ってパワー・アンプ をバイアスするワイヤレス基地局のスマート・アンテナ・シス テムでは、外付けのデコーダ、スイッチ、I/O バスを使って多数 の AD5253/AD5254 をアドレス指定します(図 16 参照)。例え ば、合計 16 個のデバイスと通信するためには、4 個のデコーダ と 16 セットの組み合わせスイッチが必要です(図 16 では 4 セ ットのみ表示)。2 本の I/O バスは 4 個の 2 × 4 デコーダの共通 入力として機能し、各組み合わせで 4 セットの出力を選択しま す。図 16 に示すように 4 セットの組み合わせスイッチ出力はユ ニークであるため、I2C を 01011(AD1)(AD0)と定義したス レーブ・アドレスでプログラミングすることにより特定のデバ イスをアドレス指定することができます。 – U3 U/D B CS GND AD8531 OUTPUT + OP AMP – SAMPLING_OUTPUT + REF 12052-031 U2 COMPARATOR 図 15.6 ビット・コントローラ 1 本の I2C バス上の複数のデバイス AD5253/AD5254 には 2 本のアドレッシング・ピン AD1 と AD0 があります。これらのピンを使うと、1 本の I2C バス上で最大 4 個の AD5253/AD5254 を動作させることができます。これを実 Rev. 0 この動作を使うと、2 個のデコーダの入力状態が変化しない限 り、16 個のデバイスの中から 1 個をアドレス指定することがで きます。特定のデバイスの動作が完了した後は、デコーダの入 力を変更することができます。 - 11/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート 5V RP RP SDA MASTER SCL 5V SDA SCL AD1 AD0 AD5253/ AD5254 SDA SCL 5V SDA AD1 AD0 AD5253/ AD5254 SCL SDA SCL AD1 AD1 AD0 AD0 AD5253/ AD5254 12052-033 5V AD5253/ AD5254 図 16.1 本のバス上の複数の AD5253/AD5254 デバイス VDD1 = 3.3V 大部分の従来型システムは 1 つの電圧で動作できますが、新し い部品は別の電圧で最適化されていることがあります。2 つの システムが同じ信号を異なる 2 つの電圧で動作させる場合、レ ベル・シフトが必要です。例えば、3.3 V の EEPROM を使い、 5 V のデジタル・ポテンショメータにインターフェースさせる こ とが あります 。デ ジタル・ ポテ ンショメ ータ の設定値 を EEPROM に読み書きする双方向通信を可能にするにはレベル・ シフト方式が必要となります。 図 17 に、レベル・シフト構成 の 1 つを示します。M1 と M2 には N チャンネル信号 FET を使 うことができ、あるいは VDD が 2.5 V を下回る場合、M1 と M2 に FDV301N のような低スレッショールド FET を使うことがで きます。この回路は 1.8 V ロジック・レベルには適しません。 Rev. 0 - 12/18 - VDD2 = 5V RP RP RP RP G S SDA1 D SDA2 G M1 SCL1 3.3V EEPROM D S M2 SCL2 5V AD5247 図 17.異なる電圧での動作のためのレベル・シフト 12052-032 双方向インターフェース用のレベル・シフト AN-1291 アプリケーション・ノート ゲイン 次の回路は DC 動作向けにデザインされています。この回路を AC 信号による励起と組み合わせて使うと、不安定性の問題が 生じることがあります。回路の発振を防止するため、帰還ルー プ内に 10 pF のコンデンサを接続することを推奨します。 さらに、推奨オペアンプを置き換える場合は、次の制約に注意 してください。 GBP < BW(VOUT) 1 2πROUT C ここで、 C は VOUT ピンに接続された合計容量(ピン容量)。 ROUT はアンプの出力インピーダンス。 表 3.バイポーラ・ゲイン・アンプの結果 D2 R1 = ∞, R2 = 0 R1 = R2 R2 = 9 × R1 0 256 512 768 1023 −1 −0.5 0 0.5 0.992 −2 −1 0 0 1.984 −10 −5 0 5 9.92 ゲイン制御補償 デジタル・ポテンショメータは、非反転ゲイン・アンプとして 広くゲイン制御で使われています(図 19 参照)。 ROUT は一般にデータシートの仕様または代表的性能特性のプロ ットで規定されます。アナログ・ダイアログの記事「Practical Techniques to Avoid Instability Due to Capacitive Loading」Volume 38、Number 2、2004 年を参照してください。 C2 2.2pF R2 250kΩ B R1 47kΩ リニア・ゲイン設定モード 詳細については、AN-1169 アプリケーション・ノート「Linear Setting Mode: A Detailed Description」を参照してください。 C1 11pF バイポーラ・ゲインを必要とするアプリケーションの場合の一 例を図 15 に示します。デジタル・ポテンショメータ U1 が調整 範囲を設定し、U2 の設定に対して、ワイパー電圧(VW2)を VI ~ -KVI の範囲で調整します。 ADA4077-2 (A2)を次の伝達関数を与える非反転アンプとして 構成します。 VO R2 D2 = 1+ × (1+ K ) − K ) × VI R1 1024 ここで、K は U1 によって設定される比 RWB1/RWA1 です。 VDD V+ ADA4077-2 V– R2 W1 A2 B2 A1 B1 A2 W1 AD5235 U1 –KVI VDD VO VSS R1 V+ ADA4077-2 V– A1 VSS 図 18.バイポーラ・プログラマブル・ゲイン・アンプ 簡単な(通常の)ケースでは、K = 1 であり、VO は次のように 簡単になります。 R2 2D2 − 1 × V1 VO = 1+ × R1 1024 Rev. 0 VO 図 19.ゲイン制御補償 RDAC の B ピンの寄生容量がオペアンプの非反転ノードに接続 されると、1/βO の項にゼロ点が導入され 20 dB/dec となります。 これに対して、代表的なオペアンプのゲイン帯域幅積(GBP) は-20 dB/dec の特性を持っています。大きな R2 と有限の C1 に より、ゼロ周波数をクロスオーバー周波数より十分低くするこ とが可能です。このため、ゲイン勾配は 40 dB/dec になり、クロ スオーバー周波数でのシステム位相マージンは 0゜になります。 入力に方形波パルスまたはステップ関数を入力した場合、出力 にリンギングまたは発振が発生します。また、2 つのゲイン値 の間で切り替えを行うことは、入力にステップを与えることと 等価なため、同様にリンギングが発生します。 オペアンプの GBP に応じて、帰還抵抗を小さくすると、ゼロ周 波数を十分遠くに持って行くことができるためこの問題を克服 することができます。しかし、補償コンデンサ C2 を使用して C1 の影響を相殺する方法の方が優れています。最適補償は R1 × C1 = R2 × C2 のとき得られます。R2 が変化するためこれは選択 肢にはなりません。したがって、前述の関係を使い、R2 が最大 値であるかのように C2 を調整することができます。R2 を小さ い値に設定した場合、過補償になり性能が犠牲になることがあ ります。 C 12052-012 VI U1 VI バイポーラ・プログラマブル・ゲイン・アンプ AD5235 U2 A W 12052-030 VOUT の帯域幅 = ADA4077-2 (A2)をゲイン= 1、ゲイン= 2、ゲイン= 10 に設定 して、D2 を調整した結果を表 3 に示します。リニアにプログラ マブルなゲインと 1024 ステップの分解能を持つバイポーラ・ア ンプが得られます。 その代り、最悪ケースでもリンギングや発振を防止することが できます。クリティカルなアプリケーションに対しては、発振 に適する C2 値を経験的に探す必要があります。一般に、数 pF ~10 分の数 pF の範囲の C2 が補償に適しています。 同様に、W ピンと A ピンの容量は出力に接続されます(非表 示)。このノードの影響は大きくないため、多くの場合補償す る必要はありません - 13/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート LED ドライバ 5V 手動調整可能な LED ドライバ 5V U1 AD5228 VDD PUSH-DOWN BUTTON VDD CS B PWM W CLK U/D 10kΩ A GND RSET 0.1Ω R1 418kΩ 5V – V+ AD8591 – U2 V– VL R1 SD 6Ω W + GND + D1 WHITE LED D1 V– ID 図 21.LED ドライバ向けの調整可能な電流源 PWM LED 輝度は順方向電圧ではなく電流の関数であるため、電圧源 より調整可能な電流源の方が望まれます (図 21 参照)。 負荷電流は、AD5227 の VWB を RSET で除算して求められます。 Rev. 0 5V U3 LED ドライバ向けの調整可能電流源 VWB RSET GND V+ 図 20.低価格の調整可能な LED ドライバ ID = SD C3 0.1µF B PRE ARMZ-1.5 AD8591 10kΩ PU PD A U2 AD5227 ADP3333 12052-014 PUSH-UP BUTTON 5V 12052-013 C2 0.1µF VOUT U1 AD5228 は、LCD パネルのバックライト制御用の LED ドライバ などの多くの電気的レベル調整で使用することができます。 図 20 に、手動で調整可能な LED ドライバを示します。AD5228 は、 輝度制御用白色 LED D1 両端の電圧を設定します。U2 は最大 250 mA を処理できるため、 VF が 3.5 V の代表的な白色 LED で は、U2 電流を制限する抵抗 R1 が必要です。この回路はシンプ ルですが、電力効率はよくありません。U2 のシャットダウン・ ピンを PWM 信号でトグルして、消費電力を減らすことができ ます。 C1 1µF VIN U1 の ADP3333ARMZ-1.5 は 1.5 V の LDO で、0 V の上下に上げ 下げされます。AD5227 の VWB が最小値の場合、D1 を流れる電 流はゼロで、U3 を両電源でバイアスした場合 U1 の GND ピン は−1.5 V になります。このため、幾つかの U2 に小さい抵抗ス テップ変化があっても、U1 の GND ピンが 0 V より上にリフト されるまで、出力に影響を与えません。 AD5227 の VWB が最大値のとき、VOUT が VL + VAB になるため、 U1 の 電源電圧は十分なヘッドルームを持ってバイアスする必 要があります。同様に、PWM 信号を U1 のシャットダウン・ピ ンに入力して、電力効率をよくすることができます。この回路 は 1 個の LED に対してよく機能します。 - 14/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート 電圧/電流変換 電圧 /電流変換: プログラマブルな電流源 電圧/電流変換: プログラマブルな双方向電流源 図 22 に示す回路を使うと、高精度な電流源を構成することがで きます。 双方向電流制御や高い電圧コンプライアンスが必要なアプリケ ーションに対しては、Howland 社の電流ポンプが 1 つのソリュ ーションになります。 +5V 抵抗が整合している場合、負荷電流は次式で与えられます。 U1 SLEEP VOUT 6 REF191 GND B C1 1µF – V+ C1 +15V 10pF AD4077-1 U2 V– + –5V – VL RL 100Ω IL +2.5V +15V + B W REF191 は低電源ヘッドルーム高精度リファレンスであり、 2.048 V で必要とされる 20 mA を供給することができます。負 荷電流は、単純にデジタル・ポテンショメータの B ピンと W ピ ン の間の電圧を RS で除算した値になります。 –2.5V V+ ADA4077-2 – V– R2B 50Ω –15V R1 150kΩ A1 –15V R2A 14.95kΩ VL RL 500Ω IL 図 23.プログラマブルな双方向電流源 VREF × D RS × 1024 回路は単純ですが、2 つの問題に注意する必要があります。先 ず、REF191 のグラウンド電位は-2.048 V (ポテンショメータ設 定のゼロスケール)から VL (ポテンショメータ設定のフルス ケール)まで変化できるため、両電源オペアンプが最適です。 回路は単電源でも動作しますが、システムのプログラマブルな 分解能は低下します。2 つ目は、VL での電圧コンプライアンス が 2.5 V、すなわち等価負荷 125 Ω に制限されることです。高い 電圧コンプライアンスが必要な場合は、デジタル・ポテンショ メータ AD5260、AD5280、AD7376 が検討対象になります。 図 22 に、高電圧に適合する別の回路を示します。高電力 LED の駆動などで高電流を実現するためには、U1 を LDO で置き換 え、RS を小さくし、デジタル・ポテンショメータの A ピンに直 列に抵抗を追加します。これにより、ポテンショメータの電流 が制限されて、電流調整分解能が向上します。 Rev. 0 V+ ADA4077-2 + V– A2 A 図 22.プログラマブルな電流源 IL = R2 15kΩ R1 150kΩ RS 102Ω +5V –2.048V TO VL (R2A + R2B) × VW R1 R2B W A 4 AD5231 IL = 0V TO (2.048V + VL) 12052-020 VIN 3 12052-019 2 理論的には R2B を必要なだけ小さくして、A2 内部での出力電 流駆動能力に必要な電流を得ることができます。この回路で、 ADA4077-2 は両方向に±5 mA を供給し、電圧コンプライアンス は 15 V に近づきます。出力インピーダンスは次式で表されます。 ZO = R1' R2B(R1+ R2A) R1R2'−R1' (R2A + R2B) 抵抗 R1 と R2 がそれぞれ R1 と R2A + R2B に正確に整合すると、 ZO は無限大になります。一方、抵抗が整合してない場合、ZO が 負になることがあります。 そのため、1 pF ~ 10 pF の範囲の C1 を接続して、負インピーダ ンスによる発振を防止する必要があります。 - 15/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート フィルタ機能 プログラマブルなローパス・フィルタ プログラマブルな状態可変フィルタ A/D 変換では、サンプリング信号の帯域を制限するアンチエイ リアシング(折返し誤差防止)・フィルタを使用することが一 般的です。このため、2 チャンネルの AD5235 を使って、2 次 Sallen-Key ローパス・フィルタを構成することができます(図 24 参照)。 状態可変アクティブ・フィルタは、ローパスまたはバンドパ ス・フィルタの作成に使用される標準的な回路の 1 つです。 AD5233 をこのアプリケーションで使うと、周波数、ゲイン、 フィルタ出力の Q の全てがプログラム可能になります。 ±2.5 V のピーク入力/出力振幅を可能にする 2.5 V の仮想グラウ ンドを使用したフィルタ回路を図 25 に示します。RDAC2 と RDAC3 がローパス、ハイパス、バンドパスのカットオフと中心 周波数をそれぞれ設定しています。RDAC2 と RDAC3 には (連 動ポテンショメータの場合と同様)同じデータを設定して、回 路 の最適な Q を維持します。 C1 +2.5V R1 B A VI R2 W R B V+ W AD8601 A R VO バンドパス・フィルタの伝達関数は、 V– U1 C2 ω AO O S VBP Q = ωO 2 Vi S + S + ωO 2 Q 12052-021 –2.5V ADJUSTED CONCURRENTLY 図 24.Sallen-Key ローパス・フィルタ ここで、AO はゲイン。 RWB2(D2) = RWB3(D3)の場合、R1 = R2 かつ C1 = C2、 設計式は、 VO ωf 2 = ωf VI S2 + S + ωf 2 Q ωO = Q= 1 R1 R2 C1C2 ωO = 1 RWB2 C1 AO = RWB1 RWA1 Q= 1 1 + R1C1 R2 C2 バンドパス出力でのフィルタ応答の測定値は 2 kHz~20 kHz の 中心周波数範囲を発生させる RDAC2 と RDAC3 の設定値の関 数であることを図 25 は示しています。 先ず、コンデンサに対して手頃な値を選択します。Q = 0.707 と なる最も平坦な帯域幅を実現するため、C1 のサイズを C2 の 2 倍にして、R1 = R2 とします。R1 と R2 を同じ設定に同時に調整 して、所望の帯域幅を実現します。 RDAC4 B VIN R1 10kΩ RDAC1 A1 B A2 RWA4 RWB1 × RWB4 R1 バンドパス出力でのフィルタ・ゲイン応答を図 25 に示します。 中心周波数 2 kHz で、ゲインは−20 dB~+20 dB の範囲で調節さ れ、RDAC1 により決定されます。回路 Q は RDAC4 と RDAC1 により調節されます。このアプリケーションに適するオペアン プは、ADA4077-2、AD8604、OP279、AD824 です。 R2 10kΩ 0.01µF 0.01µF B RDAC2 A3 B RDAC3 2.5V A3 OP279 × 2 BAND PASS HIGH PASS 図 25.プログラマブルな状態可変フィルタ Rev. 0 - 16/18 - 12052-122 LOW PASS AN-1291 アプリケーション・ノート その他の応用 出力ブースタ付きプログラマブル電圧源 プログラマブルなオシレータ 大電流の調整が必要となるレーザ・ダイオード・ドライバまた はチューナブル・レーザのようなアプリケーションの場合、ブ ースト電圧源の使用を検討することができます(図 26 参照)。 従来型 Wien ブリッジ発振器では、Wien 回路 (R||C、R'C')が正 帰還を提供し、R1 と R2 が負帰還を提供します。 2N7002 A AD5235 SIGNAL CC U2 RBIAS IL W B C 2.2nF V+ 12052-016 R = R' = AD5235 R2B = AD5231 D1 = D2 = 1N4148 AD7376 を最大 30 V の高電圧 DAC として構成することができ ます。回路を図 27 に示します。出力は次のようになります。 VDD VDD AD7376 U2 B ωO = D2 AMPLITUDE ADJUSTMENT 1 1 or f O = RC 2πRC ここで、R = RWA となり、 1024 − D × RAB + RW 1024 2 VO = I D R2B + V D 3 VOUT ADA4610-2 12052-018 VO、ID、VD は相互に依存する変数です。R2B を適切に選択する と、VO が収束して平衡状態が得られます。R2B をディスクリー ト抵抗と直列にして、振幅を大きくすることができますが、合 計抵抗は出力が飽和するのであまり大きくすることはできませ ん。 図 27.高電圧 DAC Rev. 0 A D1 共振周波数 fo で全体の位相シフトがゼロになるため、正帰還に より回路が発振します。R = R'、C = C'、R2 = R2A/(R2B + RDIODE) の場合、発振周波数は次式で与えられます。 U1B R2 R1 B W R2A 2.1kΩ 共振周波数では、R2/R1 = 2 に設定すると、ブリッジが平衡しま す。実用的には、R2/R1 を 2 より少し大きい値に設定して、発 振の開始を確実にします。一方、ダイオード D1 と D2 の交互タ ーンオンにより、R2/R1 が確実に 2 より小さくなるので、直ち に発振を安定化します。周波数を設定した後、発振振幅を R2B により調整します。次の関係を使います。 ここで、D は 0~127 の 10 進コード。 100kΩ VO 図 28.振幅制御機能付きプログラマブル・オシレータ RWA (D) = D R2 VO (D) = 1.2 V × 1 + 128 R1 R2B 10kΩ R1 1kΩ 高電圧 DAC ADR512 U1 V+ –2.5V この回路は 5 V 電源で最大 100 mA を出力することができます。 高精度なアプリケーションに対しては、ADR421 または ADR03 のような電圧リファレンスを、デジタル・ポテンショメータの A ピンに接続することができます。 V+ ADA4610-2 V– B ADA4077-2 – V– この回路では、オペアンプの反転入力が VO をデジタル・ポテン ショメータで設定されたワイパー電圧に等しくなるよう強制し ます。負荷電流は、N チャンネル FET の N1 を経由して電源から 供給されます(図 26 参照)。N1 の電力処理能力は、(VI − VO) × IL の電力消費に対して十分である必要があります。 D1 W + 図 26.プログラマブルなブースト電圧源 U1A A W +2.5V 2.2nF LD AD8601 V– RBIAS B R 25kΩ A R' 25kΩ C' VP VO 12052-022 VI FREQUENCY ADJUSTMENT - 17/18 - AN-1291 アプリケーション・ノート 電源を使用した常時バイアスによる抵抗設定値の保持 3.50 EEMEM ポテンショメータを使用したいが、コスト増とデザイ ンのプログラミングを許容できない場合は、電源による AD5227 の常時バイアスを使った抵抗設定値の保持を検討して ください (図 29 参照) 3.49 TA = 25°C U1 U2 AD5227 U3 VDD VDD COMPONENT X COMPONENT Y GND GND + GND – 12052-034 BATTERY OR SYSTEM POWER VDD GND 図 29.AD5227 の常時バイアスによる抵抗値の保持 ©2015 Analog Devices, Inc. All rights reserved. Rev. 0 3.46 3.45 3.44 3.43 3.42 3.41 3.40 0 2 4 6 8 DAYS 図 30.バッテリ消費電力の測定値 VDD SW1 3.47 12052-035 BATTERY VOLTAGE (V) AD5227 は、バッテリ駆動システムでも消費電力を節約できる ように特別に低消費電力に設計されています。図 30 に示すよう に、同じような低消費電力デジタル・ポテンショメータを 3.4 V 450 mA/hour のリチウムイオン携帯電話バッテリでバイアスしま す。計測値は、デバイスの消費電力は無視できることを示して います。ポテンショメータの常時バイアスは実用的な方法です。 これは、大部分の携帯型機器では充電時にバッテリを取り外す 必要がないためです。バッテリの交換の際に AD5227 の抵抗設 定値が失われるとしても、多くのアプリケーションで不都合に なるほど頻繁には発生しません。 3.48 商標および登録商標は、それぞれの所有者の財産です。 - 18/18 - 10 12