HAMA HOT! vol.10 (2012 夏)

発行元
〒 430-8587 静岡県浜松市中区砂山町 325-6 日本生命浜松駅前ビル TEL:053-452-2141 FAX:053-456-7889
jp.hamamatsu.com
キリトリ線
製品についてのお問合せは、お近くの営業所までご連絡ください
POST CARD
営業本部 国内統括部
料金受取人払郵便
浜北支店承認
仙台営業所
434 8790
〒980-0011 宮城県仙台市青葉区上杉一丁目6-11 日本生命仙台勾当台ビル2 階
TEL:022-267- 0121 FAX:022-267-0135
筑波営業所
〒305-0817 茨城県つくば市研究学園D6街区 8 画地
研究学園スクウェアビル7階
TEL:029-848-5080 FAX:029-855 -1135
277
東京営業所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門三丁目8-21 虎ノ門 33森ビル5 階
TEL:03-3436-0491 FAX:03-3433-6997
差出有効期間
平成25年11月
30日まで
(切手不要)
中部営業所
〒430-8587 静岡県浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル4 階
TEL:053- 459-1112 FAX:053- 459-1114
大阪営業所
〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3-13 大阪国際ビルディング10 階
TEL:06-6271-0441 FAX:06-6271-0450
静岡県浜松市浜北区平口5000
キリトリ 線
浜松ホトニクス株式会社 行
20年以上培った放射線計測技術を背景に、
わずか4カ月で製品化
製品化のきっかけを教えてください。
中村 直接的なきっかけは東日本大震災です。弊社の技術を活か
し何か社会貢献できないかということで企画がスタートしました。
まず製品の概要から教えてください。
河部 MPPC という弊社製の高感度な半導体検出素子を使った
放射線モジュールです。放射線を可視光に変換するシンチレータや
計測に必要な信号処理回路などをすべて内蔵し、USB インターフ
ェースからの電源供給のみで動作します。
中村 がんなどの早期発見に使われる PET 装置など医療機器向
けに開発してきた放射線検出技術を応用したもので、震災後の放
射性物質のモニタリングに活用してもらおうと開発しました。
里 一番の特長は、MPPC を使っている点です。MPPC は、高感
小型・高精度で放射性物質の判別も可能
度でエネルギー分解能が高い光電子増倍管と、小型で安価な光半
放射線検出モジュールのスピード開発で
いち早い社会貢献 MPPC 搭載 放射線検出モジュール
導体素子の Si PIN フォトダイオードの両方の特長をあわせ持つ素
子で、放射性物質のエネルギー弁別に必要とされる 30 keV まで
の低エネルギーのガンマ線計測ができます。
MPPC は放射線検出モジュール用に
そこから原発事故における放射能への不安の解消に役立ちたいと
いうことで、MPPC の特性を最大限に活かした高精度な放射線検
出モジュールの開発に取り掛かりました。大事なのは製品化までの
スピード。早く市場投入することで社会貢献になると考えました。
4カ月で製品化されたと伺っていますが、
大変だったのではないでしょうか?
平柳 幸いなことにというか、弊社には長年培ってきた放射線に関
わる技術があります。MPPC という特長ある素子、それを活かす
信号処理回路やソフトウェア、放射線を可視光に変換するシンチレ
ータ、それらをモジュール化する技術
など、必要な要素はすでに医療
分野等で蓄積されていましたの
で、これを放射線検出モジュー
ルという用途に合わせて構築
し直す方法をとりました。
開発したのですか?
中村 これだけ要素技術が揃って
浜松ホトニクス独自の高感度光半導体検出素子 MPPC(マルチ・ピクセル・
里 弊社には APD(アバランシェフォトダイオード)という感度の
はずです。開発時のさまざまな
フォトン・カウンタ)を搭載した放射線検出モジュールが、東日本大震災
高い光半導体があり、これをさらに高感度にして光電子増倍管に
課題は中央研究所や他事業
の被災地で数多く活用されています。小型・高精度の上、従来の検出装
匹敵する感度を実現しようとしたのが MPPC です。もともとは
部などの協力も得ながら、
PET 装置用として開発してきたもので、当初は受光面が 3 × 3
社内の知恵を集めるこ
mm ほどの比較的小さいタイプだけでしたが、現在では大面積化、
とでクリアしていきま
アレイ化が進んでいます。この素子が高感度な放射線モニタにも
した。関連部署には
使えることはわかっていました。
感謝しています。
置では難しかったヨウ素やセシウムなどの核種の判別が可能。開発を昨
年 5 月にスタートし、わずか 4 カ月で製品化した経緯を、開発、販売に
携わった 4 名に聞きました。
01 HAMA HOT!
左から 固体事業部 固体第 2 製造部 製造開発グループ
固体事業部 固体第 5 製造部 第 29 部門
固体事業部 固体第 5 製造部 第 29 部門
固体事業部 固体営業推進部 企画グループ 里 健一
中村 重幸
平柳 通人
河部 友幸
いる会社は世界的にみても少ない
HAMA HOT ! 02
放射線検出モジュールのスピード開発で
いち早い社会貢献
核種の判別ができてコンパクト
しかも計測時間を大幅に短縮
この製品の特長はどんなところですか?
中村 まず、MPPC を採用しているので精度が良いということ。
内部に増倍機能を持っているので Si フォトダイオードに比べると
S/N が約 50 倍大きい。それによって核種の判別ができます。た
とえばセシウムなのかヨウ素なのか、どの放射性物質に起因してい
るのかがわかります。
里 それから MPPC は半導体素子なので、大量生産が可能とい
うことです。社会貢献という点ではこれは重要な点になります。
平柳 モジュール化されているので、
装置への組み込みが簡単にできる点も
高精度で小型な放射線検出器モジュール C12137
特長的です。信号処理回路、A/D 変
換器など必要な機能はすべて入ってい
シンチレータと弊社製
て、USB インターフェースで PC につ
の高感度半導体検出
なぐだけで計測ができます。お客様側
素子 MPPC を組み合
でアプリケーションソフトを開発すれ
わせたγ線 検 出 用 の
ば、携帯型測定器やインライン測定
放射線検出モジュール
器に組み込むことで、高精度かつコン
です。 到来したγ線を
パクトな放射線測定機能が実現でき
シンチレータにて可視
ます。
光に変換し、MPPC で極微弱な光まで計測することにより、低エ
ネルギーγ線を高精度に計測することが可能です。 計測に必要
MPPC は、Si-PM(Silicon Photomultiplier)と呼ば
これまでの実績と
な信号処理回路や A/D 変換器をコンパクトな筐体に収めており、
れるデバイスの 1 種で、ガイガーモード APD をマル
今後どのように進化するのかという点はいかがでしょうか。
USB インターフェースにて PC に接続することにより、高精度な
チピクセル化したフォトンカウンティング(光子計測)
放射線計測が簡単に行えます。
デバイスです。光半導体素子でありながら、優れた
河部 現在※までに福島周辺のモニタ
光検出能力を持っており、フォトンカウンティングレ
項目
リングポストのうち約 500 箇所に弊
社製のモジュールが搭載され稼働して
います。精度の良いデータが得られて
いるようです。また、この 4 月に食品
検出素子
MPPC
(Multi-Pixel Photon Counter)
MPPC は、低電圧で動作、高い増倍率、高い検出
計数効率
40 cpm以上
(セシウム137 0.01 μSv/h)
効率、高速応答、優れた時間分解能、広い感度波
30 keV ∼ 2 MeV
長範囲、といった特長を持っています。さらに、磁
8%
(セシウム137 662 keV)
場の影響を受けない、衝撃などに強い、入射光の
0.01 μSv/h ∼ 100 μSv/h
(環境放射線)
飽和による焼きつきがないという固体素子ならでは
測定範囲
食品の検査機やインライン検査機など
サンプリング時間
1 ∼ 60秒設定可
の用途で需要が増加するでしょうね。
インターフェース
USBによる接続
(Windows7 / XP対応)
USB バスパワー
電源
中村 この製品は測定結果をグラフ表示するだけですが、今後は除
染やホットスポット観測など二次元で汚染の分布を俯瞰するニーズ
が出てくるものと思います。技術開発の方向性もそちらに向かってお
外形寸法
111 mm × 55 mm × 30 mm
動作温度範囲
0 ∼ 40 ℃
保存温度範囲
−10 ∼ 50 ℃
の優位性もあり、従来からの微弱光検出に用いられ
てきた検出器に代わる大きな可能性を持っています。
このように、取り扱いが容易で高性能な検出素子で
ある MPPC は、光検出器の究極の検出感度が求め
られる PET 装置やフォトンカウンティングなどの広
い分野で応用が可能です。
り、いち早く実現してお客様の期待にお応えしたいと思っています。
※ 2012 年 6 月現在
ベルの微弱光を検出することができます。
CsI
(Tl)13 mm × 13 mm × 20 mm
エネルギー分解能
が一部改正されたこともあり、今後は
仕様
シンチレータ
エネルギー範囲
中の放射性セシウムスクリーニング法
03 HAMA HOT!
MPPC(Multi-Pixel Photon Counter)
お問合せ
営業本部 国内統括部 ※お問合せ先の詳細につきましては、冊子裏面をご覧ください。
HAMA HOT ! 04
光検知方式の採用でさらなる検査精度の向上を実現!
光学式ピンホール検査ユニット
検出原理
光を照射しワークに空いた貫通穴からの透過光を検出して、ピンホールの有無を判定します。
C12190シリーズ
検査対象物
CH1
生産設備やワークサイズに合わせて任意にカスタマイズできるだけでなく、稼働中の生産設備
にも後付けしやすくなっています。
今後ますます品質向上への要求が高まっていく中で、検査スピードを保持しつつ検査精度を
さらに向上させる技術として期待されています。
CH2
CH3
CH4
検出ユニット
ピンホール
コントローラ
コントローラ
検出ユニット
C12190シリーズはアルミラミネートフィルムや金属箔用の省スペース、ワイドレンジな光学式
ピンホール検査ユニットです。
従来のピンホール検査には目視、カメラ、エアリーク、電流検知など、さまざまな方式がありま
すが、浜松ホトニクスのピンホール検査は微小なピンホールから漏れたごくわずかな光を捉える
光検知方式による非接触検査を採用しています。そのため、気体や液体によるストレスや
電界・磁場・電界液など、特定環境にサンプルをさらすことのないピンホール検査が可能です。
光源ユニット
光源ユニット
シーケンサー
(PLC)
フィルム
良否判定
処理へ
特長
コンパクト
広ダイナミックレンジ
(ピンホールサイズ 50 μm ~ 2 mm)
設置スペースの問題を解消し、今まで困難であった既存ラインへの設
置が可能。
光源/検出ユニットの検査幅を
ワークサイズに合わせて選択可能
チャンネルごと
任意のしきい値に対する合否判定機能付
300 mm/600 mm/900 mm/1200 mm/1500 mm/1800 mm
の6タイプをラインアップ。
検出ユニットは4チャンネルに分割されており、比較出力はチャンネルごとに
4段階の設定が可能で、比較しきい値は全面パネル部で任意に設定可能。
仕様
項目
C12190-01
304.8
検出幅
検出ピンホールサイズ *1
最大検出速度
C12190-02
609.6
受光部
発光部 / 発光波長
チャンネル数
入力電圧
(DC)
最大消費電流
動作温度範囲
保存温度範囲
動作 / 保存湿度範囲
適合規格
C12190-03
C12190-04
1219.2
914.4
50 μm ∼ 2 mm
600
フォトダイオードアレイ
LED / 644 nm(Typ.)
C12190-05
1524
C12190-06
1828.8
4 *2
24
光源ユニット
0.75
0.8
0.85
0.9
0.95
1
コントローラ
0.18
0.36
0.54
0.72
0.9
1.08
+10 ∼ +40
-20 ∼ +50
35 %RH ∼ 85 %RH(結露なきこと)
IEC 61326-1 グループ Class A
単位
mm
―
m/min
―
―
―
V
A
℃
℃
―
―
[NOTE ] *1:検出ピンホールサイズは照射光量により異なります。 *2:各チャンネルの検出幅は均等分割されます。
お問合せ
05 HAMA HOT!
営業本部 国内統括部 ※お問合せ先の詳細につきましては、冊子裏面をご覧ください。
HAMA HOT ! 06
蛍光イメージングの常識を覆す
特長
400万画素
一般的なEM-CCDカメラの2.46倍の高い解像度を実現しました。
EM-CCDカメラでは困難な細胞の詳細情報まで鮮明に映し出すことが
可能です。
R
▼
低ノイズ
一般に、微弱な蛍光観察にはEM-C CDカメラ 、それ以外の蛍光観察全般にはデジタル
CCDカメラや科学計測用CMOSカメラが用いられてきました。ORCA-Flash4.0は、1台で
暗い蛍光から明るい蛍光まで検出が可能なため、ライフサイエンス分野における顕微鏡下の
イメージングや、半導体、太陽電池を代表とする工業製品の品質検査など、幅広い用途にお
使いいただけます。
※
※ EM-CCD
(Electron Multiplying
CCD)
カメラとは、CCDチップ上
に電子を増倍する機能を持った
CCDカメラです。電子増倍機能
によって微弱な発光を低ノイズか
つ高速で測定することができるた
め、
特に微弱光観察の用途で多
く使用されています。
波長600 nmにおいて70 %以上、波長900 nmにおいて20 %以上の
高い量子効率を実現しています。
最高
60
オンチップCDS回路の採用、カラムA/Dによる1ライン並列読み出しに
より、100 フレーム/秒の高速読み出しと1.3 electronsの低読み出し
ノイズを両立しました。
高速読み出し
100 フレーム/秒
超解像顕微鏡
50
40
30
20
近赤外領域(900 nm)で
20 %以上
10
高感度・高解像度でありながら、高速での連続撮影も実現しました。
400万画素で100 フレーム/秒の高速撮影の場合、15分を超える長時
間保存が可能です。
0
400
500
600
700
800
900
1000
波長 (nm)
撮像例
広い観察視野
用途
70 %以上
70
1.3 electrons
▼
ORCA-Flash4.0は、科学計測用CMOSイメージセンサを搭載し、400万画素の高解像度で
ありながら、1.3 electronsの低い読み出しノイズ、100 フレーム/秒の高速読み出し、70 %
以上の高い量子効率を同時に実現した第2世代のsCMOSカメラです。
高い量子効率 70 %以上(600 nm時)
▼
▼
高解像度
オルカ・フラッシュ
量子効率 (%)
DIGITAL CAMERA
近赤外領域での優れた感度
一般的な EM-CCD カメラの 2.64 倍の広い観察視野を実現しました。
(画素サイズ 6.5 μ m × 6.5 μ m、400 万画素)
近赤外における感度が高いため、太陽電池の品質管理や半導体検査
に適しています。
リアルタイム共焦点顕微鏡
高速 Ca2+イメージング
EM-CCD
(512 × 512、画素サイズ16μm ×16 μm)
太陽電池の EL 発光観察
半導体内部観察
貼り合わせウェーハ観察 etc.
Changing
the game
07 HAMA HOT!
ORCA-Flash4.0
(2048
× 2048、画素サイズ6.5 μm × 6.5 μm)
㻌
サンプル:Fluo Cells Prepared Slide # 1 対物レンズ:S Plan Fluor 100×
お問合せ
太陽電池(多結晶 Si)EL 発光像
営業本部 国内統括部 ※お問合せ先の詳細につきましては、冊子裏面をご覧ください。
HAMA HOT ! 08
不思議なナノホトニクスの世界
解説:浜松ホトニクス 中央研究所 材料研究室 廣畑 徹
図1
第 6 回 ホトニック結晶[後編]
構造を制御することで、光を止めたり、閉
自然界では、この構造色を巧みに利用しています。たとえば玉虫。羽がホト
じ込めたりと、いわば光の絶縁体となるナ
ニック結晶となっているため、玉虫色と呼ばれる独特の光彩を放ちます。また、
ノ材 料 の「ホトニック結晶 」。前 編 では、
構造色は色素とは異なり、構造がつぶれない限り、色あせることがありません。
ブラッグの回折条件を中心に、ホトニック
オパールも自然界に存在するホトニック結晶であるため、いつまでも美しく輝き
結晶の原理について解説しました。後 編
では、ホトニック結晶の特色と応用例に
ついてご紹介します。
白色光
白色光
無色ホトニック結晶
応用例 1
ホトニック結晶と構造色
ホトニック結晶は、物体自身には色がないにも関わらず、その構造に色が現れる場合
があります。物質そのものに色素がないにも関わらず、どのように発色しているのでしょう
か? 一般に、日常目に見えるものは、色素により色が着色されており、その色素が、
ある色の光を吸収または別の色の光を反射することで特定の色として認識されます。この
吸収、反射、透過のスペクトルによって色は決まります。しかし、ホトニック結晶の場合、
屈折率の周期構造によって、ある特定の光を反射することで発色しています(図 1)
。つま
緑色物体(左):緑色の色素
で着色された物体は、緑色
のみ反射するため緑に見える
(青と赤は吸収・透過)
無 色ホトニック結晶(右)
:
無色だが構造によって反射
する波長の光
(色)
が異なり
特定の色が見られる
ビーム拡がり角を抑えたレーザ
一般的なDFB半導体レーザ
浜松ホトニクスでは、ホトニック結晶をさまざまな光
デバイスに応用する研究を行っています。ホトニック結
晶の光を閉じ込める性質を応用した例の一つが、レー
ザの共振器です。通常のレーザは 20 °程度のビーム拡
がり角を持っていますが、ホトニック結晶によって光を閉
じ込め、制御することで、ビーム拡がり角を1 °以下に
-10
-5
0
5
:RY^YXSM-\c]^KV
り、ホトニック結晶はその構造の制御によって見える色を変えられるのです。このような
色を構造色といいます。構造色は周期によって異なります。コンパクトディスクの記録面
に見られる虹色も構造色の一種です。
図1
ビーム拡がり角 1°以下のレーザ
発光強度
緑色物体
09 HAMA HOT!
続けることができます(図 2)
。
図2
抑えることに成功しています(図 3)
。
10
遠方で見たビーム拡がりパターン
(°
)
図 3 一般的な DFB 半導体レーザとホトニック結晶を共振器に取り込ん
だ半導体レーザの水平方向のビーム拡がりパターン
京都大学工学研究科 野田研究室との共同研究の成果
HAMA HOT ! 10
不思議なナノホトニクスの世界
電子管
事業部
応用例 2
狭帯域のブロックフィルタ
ホトニック結晶が持つ、特定の色の光を完全に反射させ
フィルタ)です(図 4)
。蛍光分析やラマン分光などで計測
の妨げとなる励起光をカットするために用いられます。さら
に、この狭帯域のブロックフィルタは、有機材料がホトニッ
ク結晶を自発的に形成するというユニークな性質を利用し
て形成しています。自発的に形成とは、たとえば加熱によっ
て溶解した結晶が、冷却によって再び結晶として成長するよ
うに、ナノスケールの周期構造を自己組織化的に形成する
ものです。この性質を利用することで、大面積のホトニック
ダメージレスを可能にした表面改質・洗浄
10 2
エキシマランプは表面改質・洗浄において、従来の薬液処理やコロナ放電な
どのプラズマ処理では困難であったドライ処理・ダメージレスを可能にした紫外線
光源です。
業界初の RF(高周波)放電方式で平面長尺バルブを採用したことにより、
チラつきが少なく安定して発光するとともに、大面積で均一な照射を実現しました。
これにより、表面改質・洗浄の速度/品質/歩留まり向上に貢献します。
10 1
応用例
10 0
■ PET 樹脂の表面改質
洗浄
改質
透過率
(%)
る性質を利用したのが、狭帯域のブロックフィルタ(ノッチ
RF 放電型エキシマランプ
■ レーザ用 Au 蒸着ミラーの光洗浄
10 -1
作成したノッチフィルタ
10 -2
未処理
10 -3
532 nm
10 -4
450
500
処理後
■ 接着の前処理(接着性向上)
■ インキ、コーティング剤密着性向上
■ プリント基板の改質 etc.
550
600
照射前
照射後
■ シリコンウェーハの洗浄
■ ガラス基板、レチクルの洗浄
■ 有機膜、レジストの除去 etc.
650
波長
(nm)
図 4 自己組織化する有機材料を用いた狭帯域のノッチフィルタの特性
結晶を比較的、容易に形成することが可能です。ホトニック結晶を用いることで、高効率で大面積の面発光レーザ素子の開発が
光照射式 静電気除去装置 低エネルギ-フォトイオナイザ L11757
「対象物」
・
「スピード」
・
「環境」
・
「信頼性」
の点で優れた静電気除去
フォトイオナイザは「Photoionization(光電離)
」を利用した静電気除去装置
です。従来のコロナ放電方式とは違い、塵の発生・電磁ノイズ「0」、逆帯電なし、
送風不要などクリーンな除電を実現します。
今回、それらの特長をそのままに新たな管球の開発により低エネルギ-化しなが
らも、イオンの発生効率を上げることに成功しました。
コンパクトなヘッド部は取付箇所の自由度を向上させ、静電気発生箇所近傍へ
の設置や装置完成後の後付け設置も可能にします。
可能となります。また、ナノスケールの周期構造を自発的に形成する鋳型としての利用も可能となります。
ホトニック結晶の応用は、ナノホトニクスの新しい未来を切り開くものと考えています。
特長
■ コンパクトなヘッド部
(W×H×D)
:50 mm × 56 mm × 45 mm
狭いスペースへの設置が可能
POINT
除電効果
40
cm
30
cm
20
cm
10
cm
10
cm
20
cm
30
cm
40
cm
153°
■ 広い軟 X 線照射角:153 度
静電気発生箇所へより近づけることが可能
□ ホトニック結晶から結晶構造を制御することにより見える色を任意で変えることができる
■ 遮へいが容易
□ ホトニック結晶の応用研究による浜松ホトニクスの成果
0.5 秒以内
1.0 秒以内
1.5 秒以内
2.0 秒以内
2.0 秒以内
ビーム拡がり角 1°以下のレーザ
狭帯域のブロックフィルタ
お問合せ
測定条件
帯電電圧: 1 kV to 100 V
温 度: 25 ℃ 湿 度: 50 %
送 風: 無
測 定 器: 帯電プレート
(150 mm × 150 mm, 20 pF)
営業本部 国内統括部
※お問合せ先の詳細につきましては、冊子裏面をご覧ください。
11 HAMA HOT !
HAMA HOT ! 12
ア ン ケ ー ト に ご 協 力 く だ さ い
固体
事業部
複合素子 K11908-010K
波長域の異なる2つのInGaAs PINフォトダイオードを
上下に重ねて配置し、広い感度波長範囲を実現
下記アンケートにお答えいただいた方、先着
100名様に、ロゴ入り「消える蛍光ペン」を
カッ
トオフ波長 1.7 µm・2.55 µm の 2 つの InGaAs PIN フォトダイオードを同一
光軸上に配置した複合素子です。広い感度波長範囲(0.9 ~ 2.55 µm)ととも
に低ノイズを実現しています。
特長
■ カットオフ波長 1.7 µm・2.55 µm の
2 つの InGaAs PIN フォトダイオードを
同一光軸上に配置
1.2
■ 広い感度波長範囲:0.9 ~ 2.55 µm
■ 低ノイズ、低暗電流
0.8
■ 放射温度計
■ 分光測光
■ 光計測機器
1.0
受光感度 (A/W)
用途
(Typ. Ta=25 °
C)
InGaAs (λc=2.55 µm)
0.6
0.4
InGaAs (λc=1.7 µm)
0.2
0
1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.2 2.4 2.6
波長 (µm)
お問合せ
営業本部 国内統括部
※お問合せ先の詳細につきましては、冊子裏面をご覧ください。
レーザー
事業化部
LD照射装置 SPOLD L12333シリーズ
小型・軽量なスポットレーザ光源
ファイバ出力型レーザダイオードモジュールと駆動回路およびペルチェ式冷却装
置を、19 インチラックマウントサイズにまとめたレーザ照射装置です。照射レンズの
選択により、ご希望のビーム径およびビームプロファイルのレーザ光を照射できます。
特長
応用
■ 19 インチラックマウントタイプ
LD、駆動回路、冷却機構を一体化
■ 空冷式
ペルチェ冷却方式のため、取り扱いが容易
■ 外部制御可能
各種アラーム出力も可能
■ 各種照射ユニット装着可能
集光/平行光学系、均一照射 等
■ はんだ付け
■ 樹脂溶着
■ ガラス封止
■ 接着剤などの熱硬化
■ 照明用赤外線光源 等
仕様
プレゼントいたします。
編集後記
今回のインタビューは放射線検出モジュールでした。入
社 2 年目ながら、今回初めて私もインタビューに同席
させてもらいました。開発がスタートしてからわずか 4
カ月で製品化したことなど、同じ社内に居ながら知らな
いことも多く、インタビュー中、思わず聞き入ってしま
いました。このインタビューを通じて、弊社技術が社会
に貢献していることを、私のような社内の人間だけでな
く、HAMA HOT! 読者の皆様に知っていただく機会が
できたのは非常に良かったと感じております。
(編集部/野崎)
個人情報のお取扱いについて
本アンケートによって集めた個人情報は、弊社からのプレゼント送付や、より良い誌面づくりに反映するた
めに利用いたします。それ以外にも、弊社の販売促進に関わる情報をお客様にお届けする場合、もしくは何
らかの理由でお客様に連絡をとる必要が生じた場合に利用いたします。
下記のアンケートにお答えください。
「 HAMA HOT !」について伺います。
Q. 過去に HAMA HOT! をご覧になったことはありますか?
□ない □いくつか読んだ □すべて読んだ
Q. 今号の掲載内容について
□面白かった
□つまらなかった
□どちらとも言えない
表紙写真について
Q. 今号の「HAMA HOT !」で興味を持たれた項目はどれですか?(複数回答可)
表紙写真は、4 月 14 日(土)に開通しました新東名
高速道路の NEOPASA
(ネオパーサ)
浜松の上り線です。
ネオパーサとは先進的で新しいコンセプトを基に、新
たな設計思想で一から作り上げた商業施設だそうです。
Q.「HAMA HOT !」で今後とりあげて欲しい情報やご意見などありましたら、
どのネオパーサも地域の個性を反映させており、浜松
では上りと下りのどちらも「音楽のある風景」という
コンセプトが貫かれています。上り線の鍵盤をモチー
フにした建物は黒を基調として曲線も入ったデザイン
で、一方の下り線は白を基調として直線のデザインと
意匠に変化が見られます。どちらにも楽器の街「浜松」
らしく、音をテーマにした演出と、ライブ演奏や映像
視聴ができるミュージックスポットやキッズコーナー、
そしてドッグランといった施設があり、「思い出に残る
旅と休息」を提供してくれます。
一般道からの駐車場
や、ETC 専用のスマー
トインターチェンジも
備えていますのでお近
くの方もどうぞご利用
ください。
□表紙 □ MPPC搭載 放射線検出モジュール □ C12190 シリーズ
□ ORCA-Flash4.0 □不思議なナノホトニクスの世界
□ New Products(新製品ニュース) □その他[ ]
ご記入ください。
浜松ホトニクスについて伺います。
Q. 浜松ホトニクスの製品をお使いですか?
□現在使用している
□過去に使用したことがある
□使用したことがない
Q. 浜松ホトニクス自体のイメージをお聞かせください。
技術力がある
顧客へのサービスが厚い
信頼できる
親しみが持てる
□はい □いいえ □どちらとも言えない
□はい □いいえ □どちらとも言えない
□はい □いいえ □どちらとも言えない
□はい □いいえ □どちらとも言えない
Q. 浜松ホトニクスのイメージを自由にご記入ください。
仕様
項目
レーザ種類
発振形式
発振波長
(25 ℃)
ファイバコア径
最大出力
(標準ファイバ出射端)
冷却方式
お問合せ
企画開発部 営業開発グループ
〒 430-8587 浜松市中区砂山町 325-6 日本生命浜松駅前ビル 4 階
TEL:053-459-1113 FAX:053-459-1114 E-mail:[email protected]
13 HAMA HOT!
SPOLD-30
L12333-110
SPOLD-75
L12333-210
半導体レーザ
(LD)
連続
(CW)
940 nm
400 μm, 600 μm, 800 μm
600 μm, 800 μm
30 W
75 W
空冷
Q. 今後も引き続き「HAMA HOT !」の送付をご希望ですか?
□はい □いいえ
御名前(フリガナ)
勤務先(または学校)名
部署名・役職
御住所 〒 TEL ( ) − E-mail
ありがとうございました。