MB89R118B

FUJITSU SEMICONDUCTOR
DATA SHEET
ASSP
ISO/IEC 15693 準拠 FRAM 搭載
TM
高速 RFID LSI
MB89R118B
■ 概要
MB89R118B は,高速・大容量 FRAM を内蔵した近傍型 RFID 用 LSI です。
FerVID family は富士通セミコンダクター株式会社の商標です。
■ 特長
・ メモリ容量:FRAM 2K バイト ( ユーザ領域:2000 バイト )
・ 1 ブロック 8 バイト,256 ブロック構成
・ 高速データ送受信:26.48 kbps
・ Fast コマンド対応 ( データ送信:52.97 kbps) ( 応答器→リーダライタ )
・ キャリア周波数:13.56 MHz
・ アンチコリジョン機能:30 枚 /s
・ メモリ書換え回数:1010 サイクル
・ データ保持特性 : 10 年 ( + 70 °C)
・ 64 ビット UID
・ FRAM メモリデータ保護
・ 盗難防止 (EAS) コマンド
・ 通信仕様:ISO/IEC 15693 準拠 ( 一部未対応 *)
・ ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) 準拠 ( 一部未対応 *)
*:「■使用上の注意事項」を参照してください。
Copyright 2008-2015 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED
2015.8
DS04-33105-2v1
MB89R118B
■ ブロックダイヤグラム
アナログ RF インタフェース
アンテナ
コイル
デジタルコントロール
整流器
クロック発生器
電源電圧制御
変調器
VDD
アンチコリジョン
クロック
復調器
データ出力
I/O
コマンド
データ入力
2 K バイト
データ出力
FRAM アクセス
2
FRAM
R/W
データ入力
DS04-33105-2v1
MB89R118B
■ メモリマップ
MB89R118B は,FRAM メモリで構成される内部メモリを持ちます。
・FRAM の構成
FRAM は,2000 バイトのユーザ領域と,
48 バイトのシステム領域で構成されます。
この FRAM は,トータルとして 250( ユーザ領域 ) + 6( システム領域 ) = 256 のブロックで構成され,各ブロックは
64 ビット (8 バイト ) のデータから構成されています。
ブロックは FRAM データの書込みまたは読出しを規定するための単位です。以下に , FRAM のメモリ構成を示します。
・FRAM のメモリ構成
領域
ブロック番号
詳細
ユーザ領域
(2000 バイト )
00H ~ F9H
ユーザ領域
○
○
FAH
UID (64 ビット )
○
×
FBH
AFI, DSFID, EAS, セキュリティステータス
○
一部可能
FCH ~ FFH
ブロックセキュリティステータス
○
×
システム領域
(48 バイト )
データ読出し データ書込み
ブロック番号 “00H” から “F9H” までがユーザ領域にあたります。ユーザ領域は , ブロックアドレスの指定によってアクセ
スが可能な領域です。一方 , ブロック番号 “FAH” から “FFH” までがシステム領域にあたり , 特定のコマンドによってのみア
クセスが可能な領域です。
システム領域は , 6 ブロック構成で , UID, AFI, DSFID, EAS ビットおよび , 各ブロックのセキュリティ状態 ( 書込み不可
かどうか ) のデータが入っています。ここで , UID の書換えはできません。AFI, DSFID, および EAS ビットは出荷時に書き
込まれ , コマンドにより書き換えたり , ロック ( 書込み不可 ) することが可能です (EAS ビットはロックできません ) 。
表に示すように , “FAH” は UID, “FCH” から “FFH” までがユーザ領域のセキュリティ状態のデータに使用されます。
“FBH” ~ “FFH” ブロックの構成を以下に示します。“FBH” ブロックは , EAS ステータス , AFI, DSFID と AFI, DSFID のセ
キュリティ状態のデータに使用されます。“FCH”~“FFH”ブロックは, ブロックセキュリティ状態のデータが入っています。
・“FBH” の構成
MSB
64
LSB
57 56
33
EAS
ステータス
32
25
24
17
AFI
DSFID
ロック
ロック
ステータス ステータス
RFU∗
16
9
8
DSFID
1
AFI
* : Reserved for future use
・“FCH” から “FFH” の構成
ユーザブロック 3FH の
ブロックセキュリティステータス (BSS)
ユーザブロック 00H の
ブロックセキュリティステータス (BSS)
MSB
LSB
FCH
3F
3E
3D
3C
3B
3A
39
FDH
7F
7E
7D
7C
7B
7A
79
43
42
41
40
FEH
BF
BE
BD
BC
BB
BA
B9
83
C3
82
C2
81
C1
80
C0
FFH
RFU * (6 ビット )
F9
03
02
01
00
* : Reserved for future use
ユーザ領域のセキュリティ状態のデータは , “FCH” ~ “FFH” の 4 ブロックのブロックセキュリティステータスビットに
各ブロック 1 ビットずつ格納されています。ブロックセキュリティステータスが “0” データのときはロック ( 書込み不可状
態 ) されていない状態 , “1” データのときはロックされていることを示します。
EAS ビットは単ビットで構成され , EAS ステータスの設定に利用されます。
なお , ユーザ領域のデータ読出しおよび書込みは , 1 回あたり最大で 2 ブロックまでです (Read Multiple Blocks Unlimited
コマンドでは , 最大 256 ブロック ) 。
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MB89R118B
■ データエレメントの定義
1. Unique Identifier (UID)
MB89R118B には,ISO/IEC 15693-3 に準拠した 64 ビットの UID があります。
UID は,アンチコリジョンアルゴリズムに
おいて,各応答器を区別するために使用されます。
UID は,以下の 3 項目から構成されています。
・ “E0H” と固定される 8 ビットデータ (bit 57 ~ bit 64)
・ ISO/IEC 7816-6/AMI で定義された 8 ビットの IC 製造者コード (bit 49 ~ bit 56, “08H” で固定 )
・ 弊社が付与する 48 ビットのユニークなシリアルナンバ (bit 1 ~ bit 48)
MB89R118B における弊社が付与する 48 ビットのユニークなシリアルナンバのうち , bit 41 ~ bit 48 の 1 バイトは
MB89R118B を表すコード “01H” として使用します。また , bit 1 ~ bit 40 の 5 バイトは弊社チップ情報として使用します。
・UID の構成
MSB
64
57 56
“E0H”
49 48
IC 製造者
コード
“08H”
LSB
1
41 40
弊社チップ情報
“01H”
弊社が付与するユニークなシリアルナンバ
2. Application Family Identifier(AFI)
AFI は応答器で設定したアプリケーションの種類を示します。
AFI はコマンドによって,書き込めます。AFI は 8 ビットのデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。
AFI の出荷初期値は “00H” です。
・AFI の種類
分野選択
(bit 8 ~ bit 5)
詳細項目選択
(bit 4 ~ bit 1)
アプリケーション使用分野
“0”
“0”
すべてのアプリケーションに対応
X
“0”
すべての X 分野に対応
X
Y
X 分野の Y 項目のみ対応
“0”
Y
Y 項目をもつすべての分野に対応
“1”
“0”, Y
交通
大型輸送 , バス , 航空
“2”
“0”, Y
金融
IEP, 銀行 , 小売業
“3”
“0”, Y
個人認証
アクセス制御
“4”
“0”, Y
電気通信
“5”
“0”, Y
医療
公共電話通信 , GSM
⎯
“6”
“0”, Y
マルチメディア
“7”
“0”, Y
ゲーム
“8”
“0”, Y
データ格納
“9”
“0”, Y
“0”, Y
EAN-UCC システム
ISO/IEC JTC 1/SC 31
ISO/IEC JTC 1/SC 31 が管理
“A”
例 / 詳細
アプリケーションの指定なし
分野のみ指定
⎯
⎯
インターネットサービス
⎯
携帯ファイル
ISO/IEC 15418 規定のデータ識別子
“B”
“0”, Y
UPU
ISO/IEC JTC 1/SC 31 が管理
“C”
“0”, Y
IATA
ISO/IEC JTC 1 が管理
“D”
“0”, Y
“E”
“0”, Y
“F”
“0”, Y
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
RFU
*
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
* : Reserved for future use
(注意事項)X,Y は,共に "1" ~ "F" までを表します。
AFI_flag がセットされている状態では,下記のようになります。
・応答器が AFI をサポートしていない場合:すべてのリクエストに対して無応答
・応答器が AFI をサポートしている場合:リーダライタからの AFI 指定が一致した時のみ応答
4
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MB89R118B
3. Data Storage Format Identifier (DSFID)
DSFID は,データが応答器 LSI メモリでどのように構成されているかを示します。DSFID はコマンドによって,書き込め
ます。
DSFID は 8 ビットのデータで,FRAM のシステム領域に格納されます。DSFID の出荷初期値は “01H” です。
4. Cyclic Redundancy Check (CRC)
フレームを構成するキャラクタに関しては,
CRC 値が正当であった場合のみ,
受信側が正しいデータを受信したと解釈
します。エラーチェックのため,2 バイトの CRC 値がデータと EOF の間に組み込まれています。
CRC 値は,SOF から CRC フィールドの間に含まれるフレーム内のすべてのデータから求められます。計算方法は ISO/IEC
13239 に規定され,詳細は ISO/IEC 15693-3 および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) に規定されています。CRC チェックで使用
される初期値は ISO/IEC 15693-3 の規定に従い “FFFFH” です。
CRC は,最下位バイト,最下位ビットから送信されます。
・CRC ビット / バイトの転送規則
LSByte
LSBit
MSByte
MSBit
CRC 16 (8 ビット )
LSBit
MSBit
CRC 16 (8 ビット )
CRC 送信 最初のビット位置
5. Electronic Article Surveillance (EAS) ステータス
EAS ステータスは 1 ビット (LSB 側 ) のデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。初期値は “1” です。EAS ビッ
トが “1” の時は物品監視時を意味して , EAS ビットが “0” の時は物品監視解除時を意味します。
EAS ステータスは Write
EAS コマンドで書き込むことが可能です。また , Read Single Block などの Read 系コマンドでステータスを確認することが
「■メモリマップ」を参照 ) 。
できます (“FBH” ブロックを指定:
EAS コマンドとゲートリーダなどを組み合わせて盗難防止セキュリティ機能を持たせることができます。
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■ 機能説明
1. リーダライタから応答器への通信
(1) 変調方式
MB89R118B は ASK 10% 変調と ASK100% 変調の 2 種類をサポートします。
変調度 m は,以下に示す変調波形図において,m = (a - b)/(a + b) として定義されます。ここで a と b は,それぞれリー
ダライタから送信される磁界強度の振幅の最大値と最小値です。
・ASK10% の変調波形図
hr
y
y
hf
t2
t1
a
t3
b
13.56 MHz
・ASK100% の変調波形図
t3
t1
t4
105 %
95 %
60 %
a
5%
t2
b
13.56 MHz
y は 0.05(a-b),hf と hr の最大値は 0.1(a-b) です。
t1,t2,t3,t4 の最大値,最小値を別表 (■ 推奨動作条件 ) に示します。ここで,
6
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MB89R118B
(2) データレートとデータコーディング
MB89R118B は 1 out of 4 モードのみをサポートします (1 out of 256 モードはサポートしていません )。
1 out of 4 モードで
は,2 ビットの信号を 75.52 μs の区間中に下図のようにコーディングします。
このときのデータレートは,26.48 kbps(fc/512) です。信号は下位ビットから送信されます。
・1 out of 4 モードのコーディング方式
・“00B” のパルス位置
9.44 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“01B” のパルス位置 (1 = LSB)
28.32 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“10B” のパルス位置 (0 = LSB)
47.20 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“11B” のパルス位置
66.08 μs
9.44 μs
75.52 μs
(3) データフレーム
各データフレームは,スタートオブフレーム (SOF) で始まり,エンドオブフレーム (EOF) で終了します。リーダライタに
フレームを送信し終えて , 300 μs 以内にリーダライタからのフレームを受信できます。また,パワー印加後の 3 ms 以内に,
リーダライタからのフレームを受信できます。
・リーダライタから送信されるフレームの SOF および EOF の波形
SOF
9.44 μs
9.44 μs
37.76 μs
9.44 μs
37.76 μs
EOF
37.76 μs
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9.44 μs
9.44 μs
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MB89R118B
2. 応答器からリーダライタへの通信
・ 最小負荷変調振幅 Vlm:10 mV (ISO/IEC 10373-7 による )
・ 負荷変調サブキャリア周波数 fs: 423.75 kHz(fc/32)
MB89R118B は 1- サブキャリア方式のみをサポートします (2- サブキャリア方式は
サポートしていません )。
・ データレート
: データレートには,以下の 2 モードが存在します。
・Low データレート
・High データレート
これらのデータレートは,以降で述べるリーダライタから送信される Data_rate_flag で指定しま
す。データレートは,Low 時が 6.62 kbps (fc/2048),High 時が 26.48 kbps(fc/512) です。
また , カスタム高速コマンド受信時は , 2 倍のデータレートで応答器から通信を行います。この
時も Low データレートと High データレートの 2 モードが存在し , Data_rate_flag で指定します。
データレートは , Low 時が 13.24 kbps (fc/1024) , High 時が 52.97 kbps (fc/256) です。
(1) ビットコーディング
ビットコーディングは,
Manchester 方式を使用します。通常コマンド受信時の High データレートの変調信号およびカス
タム高速コマンド受信時の High データレートの変調信号を以下に示します。通常コマンド , カスタム高速コマンドともに
Low データレート時には,サブキャリアのパルス数とデータ転送時間が 4 倍になります。
・通常コマンド High データレート時の負荷変調された信号波形
・ロジック 0
423.75 kHz サブキャリア
18.88 μs ( 変調 )
18.88 μs ( 無変調 )
37.76 μs
・ロジック 1
423.75 kHz サブキャリア
18.88 μs ( 無変調 )
18.88 μs ( 変調 )
37.76 μs
・カスタム高速コマンド High データレート応答時の負荷変調された信号波形
・ロジック 0
9.44 μs
9.44 μs
18.88 μs
・ロジック 1
9.44 μs
9.44 μs
18.88 μs
8
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MB89R118B
(2) データフレーム
応答器から送信される各データフレームはスタートオブフレーム (SOF) で始まり,エンドオブフレーム (EOF) で終了し
ます。通常コマンド受信時の High データレートの SOF および EOF, カスタム高速コマンド受信時の High データレートの
SOF および EOF を以下に示します。通常コマンド , カスタム高速コマンドともに Low データレート時には,サブキャリア
のパルス数およびデータ転送時間が 4倍になります。リーダライタは応答器にフレームを送信し終えた後の 300 μs以内に,
応答器からのフレームを受信可能にする必要があります。
・通常コマンド時に応答器から送信されるフレームの SOF および EOF の波形
・SOF
423.75 kHz サブキャリア
56.64 μs
56.64 μs
37.76 μs
・EOF
37.76 μs
56.64 μs
56.64 μs
・カスタム高速コマンド時に応答器から送信されるフレームの SOF および EOF の波形
・SOF
423.75 kHz
サブキャリア
28.32 μs
28.32 μs
18.88 μs
・EOF
423.75 kHz
サブキャリア
18.88 μs
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28.32 μs
28.32 μs
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MB89R118B
3. データ書込み中電源途絶時の FRAM データ保護
MB89R118B は , FRAM へ 1 バイトごとのアクセスを行っています。アクセス中に電源供給の途絶があった場合には , LSI
上の平滑容量に蓄積された電荷により FRAM へのアクセス動作を完了し , データの誤書込みを防止します。
このため , Write AFI, Write DSFID, Write EAS, Lock 系コマンドに関して , 電源途絶時にもデータを保証します。
また , Write Single Block コマンドなど複数バイトデータの書込みコマンドに関しては , 電源途絶時にすべてのデータ書
込みが終了していない可能性があります。この場合は , 正常データ書込みが行われているか , Read 系のコマンドを使って
ご確認ください。
4. リクエスト / レスポンス
リーダライタから応答器には “ リクエスト ” が送信され,それに対応して応答器からリーダライタへ “ レスポンス ” が
送信されます。
リクエストと,レスポンスは各 1 個のフレームに含まれます。
・リクエスト / レスポンスの構成
リクエストは,以下の 5 つのフィールドで構成されます。
・フラグ
・コマンドコード
・パラメータ ( コマンドによって強制的に,あるいはオプションとして追加される )
・アプリケーションデータ
・CRC
また,レスポンスは,以下の 4 つのフィールドで構成されます。
・フラグ
・パラメータ ( コマンドによって強制的にあるいは,オプションとして追加される )
・アプリケーションデータ
・CRC
各バイトは,下位ビットから送信します。また,複数のバイトが送信される場合には,下位バイトから転送されます。
5. 動作モード
MB89R118B の動作モードには,以下の 3 種類があります。
それぞれ,リーダライタからのリクエストに対して応答器がレスポンスを返すメカニズムを規定しています。
・Addressed モード
Addressed モードは,Address_flag が “1” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは,リクエストは UID を含み ( 同時に Address_flag は “1” に設定されています ),リクエストに含まれた UID
が一致した応答器のみがレスポンスを返します。一致しない場合は,レスポンスを返しません。
・Non-Addressed モード
Non-Addressed モードは,Address_flag が “0” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは,リクエストは UID を含みません。リクエストを受信した応答器は,コマンドにしたがって実行・応答を行
います。
・Select モード
Select モードは,Select_flag が “1”,かつ Address_flag が “0” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは,UID をリクエストに含めないでください。コマンドを受信した応答器のうち,Select 状態にあるもののみ
がコマンドにしたがって実行・応答を行います。
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MB89R118B
6. リクエストのフォーマット
下図に典型的なリクエストのデータフォーマットを,下表にリクエストフラグの各ビットの構成を示します。
・リクエスト・フレームの構成
フラグ
SOF
コマンドコード
パラメータ
データ
CRC
EOF
・bit 1 ~ bit 4 の設定
bit
フラグ名称
1
Sub-carrier_flag
2
Data_rate_flag
3
Inventory_flag
4
Protocol_Extension_flag
状態 / 説明
1/0
0
1- サブキャリアを選択
1
2- サブキャリアを選択 ( サポートしません )
0
Low データレート (6.62 kbps) を選択
1
High データレート (26.48 kbps) を選択
0
Inventory コマンド以外のコマンドを選択
1
Inventory コマンドを選択
0
プロトコル拡張なし
1
プロトコル拡張あり (RFU * )
* : Reserved for future use
(注意事項)bit 3 の “Inventory_flag” によって,“Inventory コマンド ” 使用 (“1” を選択 ),その他のコマンド使用 (“0” を選
択 ) かを決定します。
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンドを選択 [Inventory_flag=”1”])
bit
フラグ名称
5
AFI_flag
6
Nb_slots_flag
7
Option_flag
8
RFU *
状態 / 説明
1/0
0
AFI の設定なし
1
AFI の設定あり ( 応答器の AFI が一致すると応答 )
0
16 スロット
1
1 スロット
0
コマンドのオプション設定なし
1
コマンドのオプションあり ( サポートしません )
0
“0” に設定してください。
⎯
1
* : Reserved for future use
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンド以外を選択 [Inventory_flag=”0”])
bit
フラグ名称
5
Select_flag
6
Address_flag
7
Option_flag
8
RFU *
1/0
状態 / 説明
0
Address_flag の内容によって実行します。
1
Select モード (Select 状態の応答器のみレスポンスを返します。)
Address_flag は,“0” に設定します。
0
Non-Addressed モード ( コマンドに UID を含まない。)
1
Addressed モード ( コマンドに UID を含む。)
0
コマンドのオプション設定なし (Option_flag のサポートがない
コマンドは “0” を選択してください。)
1
コマンドのオプションあり。
0
“0” に設定してください。
1
⎯
* : Reserved for future use
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MB89R118B
7. レスポンスのフォーマット
下図に典型的なレスポンスのデータフォーマットを,下表 にレスポンスフラグの各ビットの定義を示します。
Error_flag が “1” にセットされた場合には,エラーコードフィールドが設けられます。つまり,Error_flag が “0” のときはエ
ラーなし,“1” のときは何らかのエラーが発生したことを示します。
・レスポンス・フレームの構成
フラグ
パラメータ
フラグ名称
1/0
SOF
データ
CRC
EOF
・レスポンスフラグの定義
bit
1
Error_flag
2
3
4
エラーなし。
1
エラーあり。
RFU
*
0
“0” に設定される。
RFU
*
0
“0” に設定される。
0
“0” に設定される。
RFU
*
0
“0” に設定される。
Extension_flag
5
状態
0
RFU
*
0
“0” に設定される。
7
RFU
*
0
“0” に設定される。
8
RFU *
0
“0” に設定される。
6
* : Reserved for future use
・エラーコードの定義
エラーコード
意味
“01”
コマンドがサポートされていない。
例 ) コマンドコードエラー
“02”
コマンドが認識できない。
ブロック数の値が上限値を超えている。
例 ) フォーマット・エラー
“03”
オプションがサポートされていない。
“0F”
その他のエラー
“10”
指定されたブロックが利用できない ( 存在しない ) 。
“11”
指定されたブロックはロック済みであり , 再ロックできない。
“12”
指定されたブロックはロック済みであり , 内容を変更することはできない。
“13”
指定されたブロックが , 正常に書込みできなかった ( 書込み時のベリファイでエラーが発生した ) 。
“14”
指定されたブロックが , 正常にロックできなかった ( ロック時のベリファイでエラーが発生した ) 。
その他
未使用
8. アンチコリジョンアルゴリズム
MB89R118B では,ISO/IEC 15693-3 に準拠したアルゴリズムでアンチコリジョンループを実行します。
アンチコリジョンアルゴリズムでは,
リーダライタの通信領域に存在する複数の応答器に対して,
UID をベースに調査
します。
リーダライタは,Inventory コマンドを発行し,応答器は「10. 応答器における Inventory コマンドの実行」で詳述するアルゴリ
ズムに従ってレスポンスを返信するか,無応答状態となります。
12
DS04-33105-2v1
MB89R118B
9. リクエストパラメータ
・リクエストパラメータの設定
Inventory コマンドを発行する場合,リーダライタは以下の設定を行ってください。
・ リクエストフラグにおける Nb_slots_flag (bit 6) を所定の値に設定します。
“0”:16 スロット ( 複数応答器対応 )
“1”:1 スロット ( 単数応答器対応 )
・ マスク長とマスク値をコマンドコードの後に付加します。
・ マスク長は,マスク値のデータ長をビットで表します。
・ マスク値は,整数バイト長のデータで,下位ビットから送信されます。もし,マスクするデータ長が 8( ビット ) の倍数で
なければ,バイト単位のデータ長になるように,マスク値の MSB 側に 0 がパディングされます。
下図に,マスク値にパディングを行った例を示します。マスク長は12ビットであるため,バイト単位のデータ長になるよ
うに(この場合は 2 バイト =16 ビット)マスク値の MSB 側から 4 ビットがパディングされています。
また,
「6. リクエストのフォーマット」の「・リクエスト・フレームの構成」において,
AFI フラグがセットされた場合には,
AFI フィールドが付加されます。コマンドの終了時には,
「1. リーダライタから応答器への通信」に記載された EOF が送信
され,その後,ただちに第 1 スロットが開始されます。次のスロットに移る場合,リーダライタは EOF を送信します。
・コマンドのフォーマット
SOF
フラグ
8 ビット
コマンドコード Optional AFI
8 ビット
8 ビット
マスク長
マスク値
CRC
8 ビット
0 ~ 64 ビット
16 ビット
EOF
・マスク値にパディングを施した例
LSB
MSB
DS04-33105-2v1
0000
0100 1100 1111
Pad
マスク値
13
MB89R118B
10.応答器における Inventory コマンドの実行
応答器は,Inventory コマンドから送信されたマスク値と EOF の送信回数から決定されるスロット数の結合値が UID と
等しい場合に,レスポンスを送信します。
・応答器の実行アルゴリズム
下図に,
Inventory コマンドを受信した場合の応答器の実行アルゴリズムを示します。また,次図に,
UID とマスク値の関
係を示します。
・Inventory コマンドに対する応答器の実行アルゴリズム
NbS
SN
LSB (value, n)
&
Slot_Frame
:スロット (1 または 16) の合計
:カレントのスロット数
:Value 値の n 個の Least Significant Bit
:結合演算子
:SOF または EOF
SN = 0
Nb_slots_flag=1?
YES
NO
NbS = 1
SN_length=0
NbS = 16
SN_length=4
LSB (UID, SN_length +マスク長 ) =
LSB (SN, SN_length) & LSB ( マスク ,
マスク長 ) ?
YES
レスポンス送信
NO
Wait (Slot_Frame)
Slot_Frame=SOF?
YES
NO
Slot_Frame=EOF?
NO
YES
処理終了
処理終了
SN < NbS-1
NO
YES
SN = SN + 1
14
処理終了
DS04-33105-2v1
MB89R118B
・マスク値 , スロット数と UID の比較
[Inventory コマンド ( リーダライタ側 ) ]
パディング
Inventory コマンドは,マスク値とマスク長を含みます。
マスク値は , バイト単位 (8 ビットの倍数 ) になるように
上位ビット側に “0” をパディングします。
000・・・
マスク値
(Inventory コマンド指定 )
マスク長
Inventory コマンドを受信すると , スロット
カウンタを “0” にリセットします。
スロット
カウンタ
EOF を受信すると , 応答器はスロット
カウンタのインクリメントを開始します。
スロット数 マスク値 ( パディングなし )
応答器の UID の最下位ビットと比較します。
マスク値と一致した場合は , 応答器がレスポ
ンスを返します。
無視
比較
Unique Identifier (UID)
MSB
DS04-33105-2v1
[Unique Identifier ( 応答器側 ) ]
LSB
15
MB89R118B
11.アンチコリジョンシーケンス
・アンチコリジョンシーケンスの実行
スロット数が 16 の場合,典型的なアンチコリジョンシーケンスは以下のように実行されます。
1) リーダライタが,Inventory コマンドを送信する。
スロット数はリクエストフラグ中の Nb_slots_flag ビットを “0” とすることで設定される。
2) Inventory コマンドの EOF の立上り時間を起点にし tl_a 時間後に , 応答器 1 がスロット 0 でレスポンスを返す。
このとき,ほかの応答器からのレスポンスはなく,リーダライタが応答器 1 の UID を認識する。
3) リーダライタが応答器 1 からのレスポンスを受信後 , 最低 t2_a 時間を待って EOF を送信し,次のスロットに移る。
4) スロット 1 では,リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 2 と応答器 3 が
レスポンスしたため , リーダライタは 2 つの応答器の UID を認識できず,スロット 1 でコリジョンが発生したこと
を記憶する。
5) リーダライタが応答器 2 と応答器 3 からのレスポンスを受信後 , 最低 t2_a 時間待って EOF を送信し,次のスロット
に移る。
6) スロット 2 では,応答器からのレスポンスは検出されず,リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点に
し , 最低 t3_a 時間待って EOF を送信して次のスロットに移る。
リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 4 と応答器 5 か
7) スロット 3 では,
らのレスポンスにより,別のコリジョンが発生する。
8) アンチコリジョンシーケンス中に , リーダライタは UID が取得されている応答器 1 に対するリクエスト ( 例えば,後
述する Read Single Block コマンド ) を送信したとする。
9) すべての応答器は SOF を受信することにより,アンチコリジョンシーケンスから抜け出す。このとき,Addressed モー
ドが使用されることにより,応答器 1 のみがレスポンスを返す。
10) すべての応答器は,リーダライタからの別のリクエストを受け付けられる。もう一度 Inventory コマンドを実行する
場合には,スロット番号は 0 からスタートすることになる。
(注意事項)t1_a, t2_a, t3_a については , 「12. タイミングに関する定義」を参照してください。
16
DS04-33105-2v1
MB89R118B
・アンチコリジョンシーケンスの 1 例
Slot_Counter
リーダライタ
Slot 0
(1)
SOF
Inventory コマンド
(2)
EOF
Response 2
Response 3
タイミング
t1_a
状態
リーダライタ
(4)
EOF
Response 1
MB89R118B
Slot_Counter
Slot 1
(3)
t2_a
t1_a
(5)
Slot 2
EOF
t2_a
コリジョン発生
コリジョンなし
Slot 3
(6)
(7)
EOF
EOF
Response 4
MB89R118B
Response 5
タイミング
t3_a
無応答
状態
Slot_Counter
t1_a
t2_a
コリジョン発生
(8)
リーダライタ
SOF
コマンド ( 応答器 1)
(9)
EOF
Response( 応答器 1)
MB89R118B
タイミング
t3_a
t1_a
状態
DS04-33105-2v1
17
MB89R118B
12.タイミングに関する定義
(1) リーダライタの EOF 送信から MB89R118B の送信開始までの待ち時間:t1_a
MB89R118Bは, リーダライタから送信されたEOFの検出後,レスポンスを送信するまでt1_aの応答待ち時間を持ちます。
t1_a は,EOF の立上り時間を起点にし,最小値:4320/fc ( = 318.6 μs) , 公称値:4352/fc ( = 320.9 μs) , 最大値:4384/fc
( = 323.3 μs) が定義されます。
t1_a 時間内にリーダライタからの ASK 10%変調信号を検出しても , 変調信号を無視してそのまま t1_a 時間だけ送信開始
を待ちます。
(2) リーダライタの EOF 送信から MB89R118B の変調無視時間:tmit
MB89R118B は , リーダライタから送信された EOF の検出後,tmit の時間リーダライタからの ASK 10% 変調信号を無視
します。
tmit は,EOF の立上り時間を起点にし , その最小値は 4384/fc(323.3 μs) +tnrt と定義します。
ここで,tnrt は MB89R118B の応答時間を表します。
(3) リーダライタのリクエスト送信待ち時間:t2_a
ISO/IEC 15693-3. および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格においてリーダライタは , リクエスト (Inventory コマンドと
Stay Quiet コマンドを除く ) に対する応答器からのレスポンスを受信した場合 , 次のリクエストを送信するまで t2_a の待
ち時間 ( 最小値は 309.2 μs) が必要であると定義されます。
(4) Inventory コマンドにおけるリーダライタのリクエスト送信待ち時間:t2inv
Inventory コマンドの実行時には,リーダライタは EOF を送信してから次のスロットへ移ります。この場合の待ち時間は,
応答器からのレスポンスの有無によって,以下のように定義されます。
- リーダライタが 1 個以上の応答を受け取った場合 :t2invwr
ISO/IEC 15693-3. および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格において , リーダライタが 1 個以上のレスポンスを受
信した場合には,応答器のレスポンスの完了 ( リーダライタが EOF を受信した場合,もしくは tnrt が経過したと
き ) を待ち,さらに,t2_a の待ち時間の経過後,EOF を送信して次のスロットへの変更を行います。
- リーダライタが応答を受け取らなかった場合:t3_a
MB89R118B からのレスポンスがない場合,リーダライタは EOF を送信するまで t3_a の待ち時間が必要です。ここ
で , t3_a はその前に送信された EOF の立上りエッジを起点とします。t3_a の最小値は 4384/fc (323.3 μs) + tnrt と
定義します。
なお , MB89R118B は , ISO/IEC15693-3, および ISO/IEC18000-3 ( モード 1) に規定される ASK100% 信号受信時の
最小値 4384/fc (323.3 μs) + tsof に対応しておりません。
・ タイミング仕様
最 小
標準
最 大
t1_a
4320/fc = 318.6 μs
4352/fc = 320.9 μs
4384/fc = 323.3 μs
tmit
4384/fc(323.3 μs)+ tnrt
⎯
⎯
t2_a
4192/fc = 309.2 μs
⎯
⎯
t2invwr
t2_a + tnrt
⎯
⎯
t3_a
4384/fc(323.3 μs)+ tnrt
⎯
⎯
⎯
Low データレート : 15708.16 μs
High データレート : 3927.04 μs
高速 Low データレート : 7854.08 μs
高速 High データレート : 1963.52 μs
⎯
tnrt
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DS04-33105-2v1
MB89R118B
■ コマンド一覧
コマンドコードは,ISO/IEC 15693-3 に規定された Mandatory コマンドおよび Optional コマンドをすべてサポートしてい
ます。
Custom コマンドとしては,以下のコマンドをサポートしています。
・EAS コマンド
:盗難防止,物品監視で使用する
・Write EAS コマンド
:EAS ビットの書込みをする
・Read Multiple Blocks Unlimited コマンド :FRAM 領域一括読出しする ( 最大 2048 バイト )
・Fast コマンド
:レスポンス時間を通常コマンドの半分にする
・コマンドリスト
コマンド
コード
コマンド名
コマンド
タイプ
“01H”
Inventory
Mandatory アンチコリジョンシーケンスを実行し , UID を取得します。
“02H”
Stay Quiet
Mandatory Quiet 状態に移行します。
“20H”
Read Single Block
Optional
ユーザ領域 / システム領域の指定された 1 ブロックのデータを読み出
します。
“21H”
Write Single Block
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックにデータを書き込みます。
“22H”
Lock Block
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックをロック ( 書込み不可 ) 状態にし
ます。
“23H”
Read Multiple Blocks
Optional
ユーザ領域 / システム領域の指定された 1 ブロックあるいは 2 ブロッ
クのデータを読み出します。
“24H”
Write Multiple Blocks
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックあるいは 2 ブロックのデータを
書き込みます。
詳細
“25H”
Select
Optional
タグを Select ( 選択通信 ) 状態にします。
“26H”
Reset to Ready
Optional
タグを Ready ( 通信可能 ) 状態にします。
“27H”
Write AFI
Optional
FRAM に AFI (Application Family Identifier) のデータを書き込みます。
“28H”
Lock AFI
Optional
AFI (Application Family Identifier) のデータをロック ( 書込み不可 ) 状態
にします。
“29H”
Write DSFID
Optional
DSFID (Data Storage Format Identifier) のデータを FRAM に書き込みま
す。
“2AH”
Lock DSFID
Optional
DSFID (Data Storage Format Identifier) のデータをロック ( 書込み不可 )
状態にします。
“2BH”
Get System Information
Optional
チップの UID, DSFID, AFI, 1 ブロックに格納できるバイト数 , ユーザ
領域のブロック数 , IC の情報を読み出します。
“2CH”
Get Multiple Block
Security Status
Optional
システム領域に格納されたブロックセキュリティステータスの情報
を読み出します。
“A0H”
EAS
Custom
EAS ビットが “1” に設定されている時のみレスポンス ( レスポンス
コードを 6 回繰返し ) を返します。
“A1H”
Write EAS
Custom
EAS のデータを書き込みます。1 ビット構成になっていて , データが
“0” のときは盗難防止解除 , 物品監視解除となり , データが “1” のとき
は物品監視状態に設定されます。
“A5H”
Read Multiple Blocks
Unlimited
Custom
ユーザ領域 / システム領域の指定された最大 256 ブロックのデータを
読み出します。
“B1H”
Fast Inventory
Custom
高速応答する Inventory コマンドです。
“C0H”
Fast Read Single Block
Custom
高速応答する Read Single Block コマンドです。
“C1H”
Fast Write Single Block
Custom
高速応答する Write Single Block コマンドです。
“C3H”
Fast Read Multiple
Blocks
Custom
高速応答する Read Multiple Blocks コマンドです。
(続く)
DS04-33105-2v1
19
MB89R118B
(続き)
コマンド
コード
コマンド名
コマンド
タイプ
“C4H”
Fast Write Multiple
Blocks
Custom
高速応答する Write Multiple Blocks コマンドです。
“D1H”
Fast Write EAS
Custom
高速応答する Write EAS コマンドです。
“D5H”
Fast Read Multiple
Blocks Unlimited
Custom
高速応答する Read Multiple Blocks Unlimited コマンドです。
20
詳細
DS04-33105-2v1
MB89R118B
■ コマンド概要
1. Mandatory コマンドの概要
1-1. Inventory コマンド
Inventory コマンドは,アンチコリジョンシーケンスを実行するコマンドです。
本コマンドでエラーを検出した場合は,エラー応答を返しません。
Inventory_flag (bit 3) を “1” に設定してください。
AFI_flag(bit 5) を “1” に設定した場合,Inventory コマンドの Optional AFI 値と応答器で設定された AFI 値が以下の場合に
のみレスポンスを返します。
・Optional AFI 値と応答器の AFI 値が一致した場合
・Optional AFI 値の上位 4 ビットが “0H” かつ下位 4 ビットと応答器の AFI 値の下位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値の下位 4 ビットが “0H” かつ上位 4 ビットと応答器の AFI 値の上位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値が “00H” の場合
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Inventory)
Optional
AFI
マスク長
マスク値
CRC
8 ビット
8 ビット (“01H”)
8 ビット
8 ビット
0 ~ 64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
SOF
フラグ
DSFID
UID
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
1-2. Stay Quiet コマンド
Stay Quiet コマンドを受信した応答器は,Quiet 状態に移行します。レスポンスはエラーも含めて送信を行いません。
Quiet
状態では,Inventory_flag (bit 3) が “1” に設定されたリクエストの実行は行わず,Address_flag (bit 6) が “1” に設定されたコ
マンドのみを実行します。
応答器が Quiet 状態から抜け出すのは,以下のいずれかの場合のみです。
・Power-off 状態になる。
・Select コマンドを受信して,
Select 状態に移行する。
・Reset to Ready コマンドを受信して,Ready 状態に移行する。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Stay Quiet)
UID( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“02H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
無応答
DS04-33105-2v1
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MB89R118B
2. Optional コマンドの概要
2-1. Read Single Block コマンド
Read Single Block コマンドを受信した応答器は,要求された 1 ブロックのデータを読み出します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は,該当するブロックのデータのみを送信します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
UID
コマンド
(Read Single Block) (Addressed モードの場合 ) ブロック番号
フラグ
SOF
8 ビット
8 ビット (“20H”)
64 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
2-2. Write Single Block コマンド
Write Single Block コマンドを受信した応答器は,リクエストに含まれる 1 ブロックデータを書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc(302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc(2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します <tlnom: 公称値 320.9 μs> ( ただし,単一
EOF 送信が 38 ms 以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
8 ビット
UID
コマンド
ブロック
(Write Single Block) (Addressed モードの場合 )
番号
8 ビット (“21H”)
64 ビット
8 ビット
データ
CRC
EOF
64 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
22
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS04-33105-2v1
MB89R118B
2-3. Lock Block コマンド
Lock Block コマンドを受信した応答器は,要求された 1 ブロックのデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc(302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc(2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行
われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
Lock Block コマンド受信後,ロックされたブロックは,“Write Single(Multiple) Block (s) ” コマンドでデータの変更ができ
なくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Lock Block)
8 ビット
8 ビット (“22H”)
UID
(Addressed モードの場合 ) ブロック番号
64 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2)Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
2-4. Read Multiple Blocks コマンド
Read Multiple Blocks コマンドを受信した応答器は,要求された複数の連続したブロックのデータを読み出します。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 2 ブロックです。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は,該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は,応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック 読み出すリクエストになります。
また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック 読み出すリクエスト (Read Single Block コマンドと同じリクエスト
) になります。
(注意事項)Read Multiple Blocks コマンドを Addressed モードで実行する場合には,Inventory コマンドなどで UID を取得
後,RF 電力の供給を断たずに実行してください。RF 電力の供給が不安定な場合には応答ができない場合が
あります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Read Multiple Blocks)
UID (Addressed
モードの場合 )
8 ビット
8 ビット (“23H”)
64 ビット
DS04-33105-2v1
先頭の
ブロック数
ブロック番号
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
23
MB89R118B
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
必要に応じて繰返し
2-5. Write Multiple Blocks コマンド
Write Multiple Blocks コマンドを受信した応答器は,リクエストに含まれる複数の連続したブロック・データの書込みを
行います。一度のリクエストで書込み可能なブロック数は最大 2 ブロックです。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。また,
Read Multiple Blocks コマンド
と同様,リクエストに含まれるブロック数は,応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック書き込むリクエストになります。
また,ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック書き込むリクエスト (Write Single Block コマンドと同じリクエス
ト ) になります。
リクエストで指定したブロックのうち少なくとも1つがロックされていた場合は,書込みを行わずエラーを送信します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,<t1nom + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 > に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,
応答器は EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行われないときはタイムア
ウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
UID
コマンド
(Addressed
フラグ (Write Multiple
Blocks)
モードの場合 )
8 ビット 8 ビット (“24H”)
64 ビット
先頭の
ブロック
番号
ブロック数
データ
CRC
8 ビット
8 ビット
64 または
128 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
24
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS04-33105-2v1
MB89R118B
2-6. Select コマンド
Select コマンドを受信した応答器のうち,リクエストに含まれた UID と一致した応答器は Select 状態に移行して,レスポ
ンスを送信します。
一方,UID と一致しないほかの応答器は,レスポンスを送信せずに Ready 状態に戻ります。Select コマンドは Addressed
モードでのみ使用されます。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Select)
UID ( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“25H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-7. Reset to Ready コマンド
Reset to Ready コマンドを受信した応答器は,Ready 状態に戻ります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Reset to Ready)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“26H”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS04-33105-2v1
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
25
MB89R118B
2-8. Write AFI コマンド
Write AFI コマンドを受信した応答器は,AFI のデータを FRAM に書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行
われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Write AFI)
UID
(Addressed モードの場合 )
AFI
CRC
8 ビット
8 ビット (“27H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-9. Lock AFI コマンド
Lock AFI コマンドを受信した応答器は,AFI のデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行
われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
Lock AFI コマンド受信後,“Write AFI” コマンドで AFI のデータの変更ができなくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Lock AFI)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“28H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
26
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS04-33105-2v1
MB89R118B
2-10. Write DSFID コマンド
Write DSFID コマンドを受信した応答器は,DSFID のデータを FRAM に書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた場合に
は,応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以内
に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Write DSFID)
UID
(Addressed モードの場合 )
DSFID
CRC
8 ビット
8 ビット (“29H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-11. Lock DSFID コマンド
Lock DSFID コマンドを受信した応答器は,
DSFID のデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた場合に
は,応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以内
に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
Lock DSFID コマンド受信後,“Write DSFID” コマンドで DSFID のデータの変更ができなくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Lock DSFID)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“2AH”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS04-33105-2v1
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
27
MB89R118B
2-12. Get System Information コマンド
Get System Information コマンドを受信した応答器は,UID,AFI,DSFID などのチップ情報を読み出します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Get System Information)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“2BH”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
Information
フラグ
8 ビット
(“00H”)
8 ビット
UID
DSFID
AFI
64 ビット 8 ビット 8 ビット
メモリサイズ
IC
リファレンス
CRC
16 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
以下に Information フラグの定義と Get System Information コマンドのレスポンスに含まれるメモリサイズ情報 ( 応答器
メモリサイズ情報 ) を示します。ただし , 応答器とメモリサイズ情報のブロックサイズおよびユーザ領域のブロック数は
実際の数より 1 小さい数で示されます。
・ Information フラグの定義
フラグ名称
bit
1
DSFID
2
AFI
状態
説明
0
DSFID はサポートされていない / 存在しない。
1
DSFID はサポートされている / 存在する。
0
AFI はサポートされていない / 存在しない。
1
AFI はサポートされている / 存在する。
0
メモリサイズの情報がサポートされていない / 存在しない。
1
メモリサイズの情報がサポートされている / 存在する。
0
IC リファレンスの情報がサポートされていない / 存在しない。
1
IC リファレンスの情報がサポートされている / 存在する。
3
メモリサイズ
4
IC リファレンス
5
RFU *
-
6
RFU *
-
7
RFU *
-
8
RFU *
-
常に “0” に設定される。
* : Reserved for future use
(注意事項)MB89R118B では , “0FH” に設定 (Information フラグの bit 1 から bit 4 は “1” に設定 , bit 5 から bit 8 は “0” に設定 )
されます。
・ 応答器メモリサイズ情報
MSB
LSB
16
14 13
RFU *
9 8
ブロック・サイズ (1 ブロック単位のバイト数 )
1
ユーザ領域のブロック数
* : Reserved for future use
(注意事項)MB89R118B では,ブロック・サイズが 8 バイト,ユーザ領域のブロック数が 250 ブロック構成なので,メ
モリサイズ情報は 16 進数で “07F9H” となります。
28
DS04-33105-2v1
MB89R118B
2-13. Get Multiple Block Security Status コマンド
Get Multiple Block Security Status コマンドを受信した応答器は,システム領域に格納されたブロックセキュリティステー
タスを読み出します。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は , 最大 64 ブロックです。ブロック数には , ブロック数から 1 を引いた値
を指定してください。
先頭のブロック番号は,8 の倍数値で指定してください。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Get Multiple Block
Security Status)
8 ビット
8 ビット (“2CH”)
UID
先頭の
(Addressed
ブロック数
ブロック番号
モードの場合 )
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS04-33105-2v1
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
( 必要に応じて繰返し )
16 ビット
EOF
29
MB89R118B
3. Custom コマンド
Custom コマンドには IC 製造者コードが必要です。MB89R118B の IC 製造者コードは “08H” です。
3-1. EAS コマンド
EAS コマンドを受信した応答器は,EAS ビットが “1” のとき,指定されたフラグ (“00H”) の後にレスポンスコード “5AH”
を 6 回応答し,逆に,EAS ビットが “0” のとき,無応答となります。このコマンドは,Ready 状態および Select 状態で実行
が可能です。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (EAS)
IC 製造者コード ( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“A0H”)
8 ビット (“08H”)
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
SOF
フラグ
レスポンスコード
CRC
8 ビット (“00H”)
48 ビット (“5AH” を 6 回繰返す )
16 ビット
EOF
3-2. Write EAS コマンド
Write EAS コマンドを受信した応答器は,EAS ビットを FRAM に書き込みます。
書込み時にベリファイ動作を行い,データ不一致の場合はエラー応答を返します。
盗難防止解除あるいは物品監視解除時に “00H” を,物品監視時には “01H” を EAS データとして設定してください。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には,応答器は書込み動作の完了後,< t1nom+4096/fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で,かつ,遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場
合は,応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし,単一 EOF 送信が 38 ms 以
内に行われないときはタイムアウトエラーとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
UID
IC 製造者コード
(Addressed モードの場合 )
( 必須 )
コマンド
(Write EAS)
8 ビット 8 ビット (“A1H”)
8 ビット (“08H”)
64 ビット
データ
CRC
8 ビット
(“00H” また
は “01H”)
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
30
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS04-33105-2v1
MB89R118B
3-3. Read Multiple Blocks Unlimited コマンド
Read Multiple Blocks Unlimited コマンドを受信した応答器は,要求された複数の連続したブロックのデータを読み出しま
す。一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 256 ブロックです。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は,該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は,応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を“06H”と表記すると,7ブロックReadするリクエストになります。ブロック数は最大“FFH”まで表記可能です
( ただし,先頭のブロック番号の表記によって指定できるブロック数の最大値が変わりますのでご注意ください )。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
SOF
8 ビット
UID
IC 製造者
コマンド
先頭の
ブロック
(Addressed
(Read Multiple
コード
数
Blocks Unlimited) ( 必須 ) モードの場合 ) ブロック番号
8 ビット (“A5H”)
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
必要に応じて繰返し
3-4. Fast Inventory コマンド
Fast Inventory コマンドは , Inventory コマンドと同様にアンチコリジョンシーケンスを実行するコマンドです。このレス
ポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
本コマンドでエラーを検出した場合は , エラー応答を返しません。
Inventory_flag ( bit 3) を “1” に設定してください。
AFI_flag (bit 5) を “1” に設定した場合,Inventory コマンドの Optional AFI 値と応答器で設定された AFI 値が以下の場合に
のみレスポンスを返します。
・Optional AFI 値と応答器の AFI 値が一致した場合
・Optional AFI 値の上位 4 ビットが “0H” かつ下位 4 ビットと応答器の AFI 値の下位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値の下位 4 ビットが “0H” かつ上位 4 ビットと応答器の AFI 値の上位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値が “00H” の場合
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Fast Inventory)
IC 製造者
コード
( 必須 )
Optional
AFI
マスク長
8 ビット
8 ビット (“B1H”)
8 ビット
(“08H”)
8 ビット
8 ビット
マスク値
CRC
EOF
0 ~ 64 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
SOF
DS04-33105-2v1
フラグ
DSFID
UID
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
31
MB89R118B
3-5. Fast Read Single Block コマンド
Fast Read Single Block コマンドは , Read Single Block コマンドと同様に , 要求された 1 ブロックのデータを読み出すコマ
ンドです。このレスポンスは , ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロック・データのみを送信します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Fast Read
Single Block)
IC 製造者
コード
( 必須 )
UID
(Addressed
モードの場合 )
ブロック番号
CRC
8 ビット
8 ビット (“C0H”)
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス ( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
3-6. Fast Write Single Block コマンド
Fast Write Single Block コマンドは , Write Single Block コマンドと同様にリクエストに含まれる 1 ブロック・データの書込
みを行うコマンドです。このレスポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。書込
み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応
答器は書込み動作の完了後 , < t1nom + 4096 / fc (302.1 μs) の倍数>に対して ±32 / fc (2.4 μs) の精度で , かつ , 遅くとも
20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はリーダライタからの単
一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します。< t1nom:公称値 320.9 μs) > ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行
われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Fast Write
Single Block)
8 ビット
8 ビット (“C1H”)
UID
IC 製造者
(Addressed ブロック番号
コード
( 必須 ) モードの場合 )
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
データ
CRC
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
32
フラグ
CRC
8 ビット (“00H” )
16 ビット
EOF
DS04-33105-2v1
MB89R118B
3-7. Fast Read Multiple Blocks コマンド
Fast Read Multiple Blocks コマンドは , Read Multiple Blocks コマンドと同様に要求された複数の連続したブロックのデー
タを読み出すコマンドです。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 2 ブロックです。このレスポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通
常のレスポンスの半分の時間で返します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック読み出すリクエストになります。
また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック読み出すリクエスト (Fast Read Single Block コマンドと同じリクエ
スト ) になります。
(注意事項)Fast Read Multiple Blocks コマンドを Addressed モードで実行する場合には , Inventory コマンドなどで UID を
取得後 , RF 電力の供給を断たずに実行してください。RF 電力の供給が不安定な場合には応答できない場合
があります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Fast Read
Multiple Blocks)
8 ビット
8 ビット (“C3H”)
SOF
UID
IC 製造者
先頭の
(Addressed
ブロック数
コード
ブロック番号
( 必須 ) モードの場合 )
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス ( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
必要に応じて繰返し
DS04-33105-2v1
33
MB89R118B
3-8. Fast Write Multiple Blocks コマンド
Fast Write Multiple Blocks コマンドは , Write Multiple Blocks コマンドと同様に , リクエストに含まれる複数の連続したブ
ロック・データの書込みを行うコマンドです。
一度のリクエストで書込み可能なブロック数は最大 2 ブロックです。このレスポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通
常のレスポンスの半分の時間で返します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。また , Read Multiple Blocks コマンド
と同様 , リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック書き込むリクエストになります。また , ブロック数を “00H” と表記する
と , 1 ブロック書き込むリクエスト (Fast Write Single Block コマンドと同じリクエスト ) になります。
リクエストで指定したブロックのうち少なくとも1つがロックされていた場合は, 書込みを行わずエラーを送信します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , < t1nom + 4096 / fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32 / fc (2.4 μs) の精度で , かつ , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された
場合には , 応答器は EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行われないとき
はタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド IC 製造者
UID
先頭の
(Fast Write
(Addressed ブロック ブロック
コード
Multiple
数
番号
( 必須 ) モードの場合 )
Blocks)
8 ビット
8 ビット
(“C4H”)
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
データ
CRC
64 または
128 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H” )
16 ビット
SOF
EOF
3-9. Fast Write EAS コマンド
Fast Write EAS コマンドは , Write EAS コマンドと同様に EAS ビットを FRAM に書き込むコマンドです。このレスポン
スは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
書込み時にベリファイ動作を行い , 失敗時にはエラーを返します。
盗難防止解除あるいは物品監視解除に “00H” を , 物品監視時には “01H” を設定してください。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , < t1nom + 4096 / fc (302.1 μs) の倍数>に対して
±32 / fc (2.4 μs) の精度で , かつ , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された
場合は , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms
以内に行われないときにはタイムアウトエラーとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
8 ビット
34
コマンド
(Fast Write EAS)
8 ビット (“D1H”)
IC 製造者コード
( 必須 )
8 ビット (“08H”)
UID
(Addressed
モードの場合 )
データ
CRC
64 ビット
8 ビット
(“00H” ま
たは
“01H”)
16 ビット
EOF
DS04-33105-2v1
MB89R118B
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H” )
16 ビット
SOF
EOF
3-10. Fast Read Multiple Blocks Unlimited コマンド
Fast Read Multiple Blocks Unlimited コマンドは , Read Multiple Blocks Unlimited コマンドと同様に要求された複数の連続
したブロックのデータを読み出すコマンドです。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 256 ブロックです。このレスポンスは ISO/IEC 15693 で規定される
通常のレスポンスの半分の時間で返します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。ブロック数を “06H” と
表記すると , 7 ブロック読み出すリクエストになります。ブロック数は最大 “FFH” まで表記可能です ( ただし , 先頭のブ
ロック番号の表記によって指定できるブロック数の最大値が変わりますのでご注意ください ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
8 ビット
UID
IC 製造者
コマンド
先頭の
(Addressed
(Fast Read Multiple
ブロック数
コード
ブロック数
Blocks Unlimited)
モードの場合
)
( 必須 )
8 ビット
(“08H”)
8 ビット (“D5H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス ( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
必要に応じて繰返し
4. コマンド実行時間
4-1. Write Multiple Blocks コマンド実行時間
Write Multiple Blocks コマンドを実行して,FRAM のユーザエリア全領域 (2000 バイト ) を書き込むのに必要な最小時間
(Addressed モードで処理 ) は,ベリファイを含めて 1.4 s と計算されます。
4-2. Read Multiple Blocks コマンド実行時間
Read Multiple Blocks コマンドにより FRAM のユーザエリア全領域 (2000 バイト ) を読み出すのに必要な最小時間
(Addressed モードで処理 ) は 1.5 s と計算されます。さらに , Fast Read Multiple Blocks コマンドの場合は 1.1 s, Fast Read
Multiple Blocks Unlimited コマンドの場合は 0.35 s と計算されます。
DS04-33105-2v1
35
MB89R118B
■ 状態遷移図
・状態の定義
MB89R118B の各状態は,以下のように定義されます。
・ Power-off 状態 :リーダライタからの電圧が不足して,応答器が動作しない状態
・ Ready 状態
:Select_flag がセットされていない場合に,すべてのコマンドを実行できる状態
・ Quiet 状態
:Inventory_flag がセットされず,Address_flag がセットされたコマンドを実行できる状態
・ Select 状態
:Select_flag がセットされたコマンドを実行できる状態
状態間の遷移は,下図に示すパワー状態およびコマンドによって行われます。
・状態遷移図
動作磁界の外へ
Power-off 状態
動作磁界の外へ
動作磁界の外へ
動作磁界の中へ
Select_flag がセットされて
いないすべてのコマンド
Ready 状態
Reset to Ready コマンド
Select_flag がセットされた
Reset to Ready コマンド又は
UID が異なる Select コマンド
Select コマンド (UID)
Stay Quiet (UID) コマンド
Select コマンド (UID)
Select 状態
Quiet 状態
Stay Quiet (UID) コマンド
Address_flag がセットされ , かつ ,
Inventory_flag がセットされていな
い他のコマンド
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Select_flag がセットされた
他のコマンド
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MB89R118B
■ 絶対最大定格
項目
定格値
記号
最小
最大
単位
最大アンテナ入力電流
Imax
⎯
90
mAp-p
静電耐圧
VESD
±2
⎯
kV
保存温度
Tstg
+ 85
°C
- 40
備考
人体モデル
<注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ
ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。
■ 推奨動作条件
項目
記号
規格値
最小
標準
最大
単位
最小アンテナ入力電圧
VRF
⎯
8.7
11.2
Vp-p
アンテナ入力電流
IRF
⎯
⎯
30
mArms
ASK 変調度(10% 変調時)
m
10
⎯
30
%
ASK 変調度(100% 変調時)
m
95
⎯
100
%
t1
6.0
⎯
9.44
μs
t2
3.0
⎯
t1
μs
t3
0
⎯
4.5
μs
t1
6.0
⎯
9.44
μs
t2
2.1
⎯
t1
μs
t3
0
⎯
4.5
μs
t4
0
⎯
0.8
μs
入力周波数
Fin
13.553
13.560
13.567
MHz
動作温度
Ta
- 20
⎯
+ 85
°C
ASK パルス幅(10% 変調時)
ASK パルス幅
(100% 変調時)
備考
<注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を確保するための条件です。電気的特性の規格値は , すべて
この条件の範囲内で保証されます。
常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると ,
信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。
データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。
記載されて
いる以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。
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MB89R118B
■ 電気的特性
項目
記号
規格値
最小
標準
最大
単位
内部電源電圧
VDP3
2.7
3.1
3.6
V
負荷変調抵抗
RIsw
⎯
1.1
⎯
kΩ
入力容量*
Cant
22.8
24.0
25.2
pF
備考
アンテナ間電圧= 2 Vrms
*:ウェーハ内のプロセスモニタによる管理とします。
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MB89R118B
■ 使用上の注意事項
・電波インタフェースに関するその他の注意事項
- リーダライタから放出される電磁波の影響については,お客様にてご配慮ください。
- 応答器とリーダライタのアンテナコイルの形状は,それぞれのアプリケーションで要求される通信距離や設置面積
などにあわせて,お客様が最適化してください。
- 複数の応答器とアクセスを行う場合には,応答器同士,または応答器とリーダライタの干渉により,通信距離や通信
時間が低下する可能性があります。したがって,複数の応答器を使用するシステムを設計する場合には,十分な考慮
をお願いします。
・FRAM の信頼性
FRAM の書換え回数は 1010 サイクル,データ保持期間は Ta = 0 °C ~+ 55 °C で 10 年間です。
実装温度が+ 150 °C 以上でのデータ保持については,
「■出荷形態と推奨実装条件」を参照してください。
・ISO/IEC 15693 規格との差異
ISO/IEC 15693 の規格と MB89R118B の仕様との比較を下表に示します。
MB89R118B の仕様は,以下の規格をサポートしていませんのでご注意ください。
・データコーディングでの 1 out of 256 モード
・2- サブキャリア
・Read/Write Multiple Blocks コマンドの 3 ブロック以上対応
(ただし,CustomコマンドのRead Multiple Blocks Unlimitedコマンドを使用しますと,3ブロック以上の対応可能です)
・ISO/IEC 15693 の規格と MB89R118B の仕様との比較
項目
通信方式
変調度の範囲
データコーディング
サブキャリア
Mandatory コマンド
Optional コマンド
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詳細
ISO/IEC 15693 仕様
MB89R118B 仕様
ASK 10%変調方式
対応
対応
ASK 100%変調方式
対応
対応
(ASK 10%使用時 )
10%~ 30%
10%~ 30%
1 out of 256
対応
未対応
1 out of 4
対応
対応
1- サブキャリア
対応
対応
2- サブキャリア
対応
未対応
Inventory コマンド
対応
対応
Stay Quiet コマンド
対応
対応
Read Single Block コマンド
対応
対応
Write Single Block コマンド
対応
対応
Lock Block コマンド
対応
対応
Read Multiple Blocks コマンド
対応
最大 2 ブロックまで対応
Write Multiple Blocks コマンド
対応
最大 2 ブロックまで対応
Select コマンド
対応
対応
Reset to Ready コマンド
対応
対応
Write AFI コマンド
対応
対応
Lock AFI コマンド
対応
対応
Write DSFID コマンド
対応
対応
Lock DSFID コマンド
対応
対応
Get System Information コマンド
対応
対応
Get Multiple Block Security Status コマンド
対応
対応
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MB89R118B
■ 出荷形態と推奨実装条件
・出荷形態
MB89R118B の出荷形態およびオーダ型格は以下のとおりです。詳細につきましては,別途お問い合わせください。
オーダ型格
ウェーハ厚
チップダイシング
出荷形態
MB89R118B-DI15
150 μm±25.4 μm
済
ウェーハ出荷 ( アンテナ端子などに金メッキバンプ
を実装 )
・推奨実装条件
FRAM データ保持特性を維持するため,
チップを実装する際には,
以下に示すような条件で実装されることを推奨しま
す。
- 実装温度+ 175 °C 以下 , 高温印加時間 120 分以下 あるいは
- 実装温度+ 200 °C 以下 , 高温印加時間 60 秒以下
+200
温度 [ °C]
温度 [ °C]
+175
+25
+25
120
時間 [min]
40
60
時間 [s]
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MB89R118B
■ 本版での主な変更内容
変更箇所は , 本文中のページ左側の|によって示しています。
ページ
場所
変更内容
・AFI の種類
分類の誤記を訂正
・bit 5 ~ bit 8 の設定
(Inventory コマンドを選択
[Inventory_flag=”1”])
Nb_slots_flag の説明を変更
0 : 16 スロット
1 : 1 スロット
11
・bit 5 ~ bit 8 の設定
(Inventory コマンド以外を選
択 [Inventory_flag=”0”])
Select_flag の説明を訂正
0 : Address_flag の内容によって実行します。
1 : Select モード (Select 状態の応答器のみレスポンスを返します。)
Address_flag は,“0” に設定します。
36
■状態遷移図
図中の状態遷移の説明を訂正
4
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MEMO
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MB89R118B
MEMO
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〒 222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜 2-100-45 新横浜中央ビル
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受付時間 : 平日 9 時~ 17 時 ( 土・日・祝日 , 年末年始を除きます )
携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。
※ 電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。
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保証するものではありません。したがって , お客様の機器の設計においてこれらを使用する場合は , お客様の責任において行ってください。これらの
使用に起因する損害などについては , 当社はその責任を負いません。
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ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 直接生命・身体に対する重大な危険性を伴う用途(原子力施設における
核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵器システムにおけるミサイル発
射制御など), または極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星など)に使用されるよう設計・製造されたものではありません。し
たがって , これらの用途へのご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に当社営業窓口までご相談ください。ご相談なく使用されたことにより発生した損
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編集 システムメモリ事業部