MB89R112 - Fujitsu

FUJITSU SEMICONDUCTOR
DATA SHEET
DS411-00004-0v03-J
ASSP
ISO/IEC 15693 準拠 FRAM 搭載
高速 RFID LSI
MB89R112
■ 概要
MB89R112 は , FRAM を 9K バイト搭載した近傍型 RFID 用 LSI で , 高速 , 高頻度書換えを特長とします。
■ 特長
・ メモリ容量:FRAM 9K バイト ( ユーザ領域:8192 バイト )
・ 1 ブロック 32 バイト , 256 ブロック構成
・ 高速データ送受信:26.48 kbps
・ Fast コマンド対応 ( データ送信:52.97 kbps) ( 応答器→リーダライタ )
・ キャリア周波数:13.56 MHz
・ アンチコリジョン機能:30 枚 /s
・ 書込み / 読出し耐性 :1012 回
・ データ保持特性 : 10 年 ( + 85 °C), 30 年 (+70 °C)
・ 64 ビット UID
・ FRAM メモリデータ保護
・ 通信仕様:ISO/IEC 15693 準拠 ( 一部未対応 *)
・ ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) 準拠 ( 一部未対応 *)
・ シリアル・インタフェース (SPI) を搭載
- シリアル・インタフェースを通して , ユーザ領域を読書き可能
- 非接触インタフェースとのアクセス制御 : 非接触インタフェース優先
- シリアル・インタフェース使用時の電源 :3.3 V( 外部回路からの電源供給が必要 )
- 低消費電力 動作電流= 97 μA@2 MHz (Typ), スタンバイ電流= 25 μA (Typ)
- パワーダウンモード搭載 パワーダウン電流 =10 nA (Typ)
- QFN24 ピンパッケージ (LCC-24P-M64)
*:「■ 使用上の注意事項」を参照してください。
(注意事項)FerVID family は富士通セミコンダクター株式会社の登録商標です。
Copyright 2012-2015 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED
2015.8
MB89R112
■ ブロックダイヤグラム
アナログ RF インタフェース
アンテナ
コイル
デジタルコントロール
SPI インタフェース
FRAM
整流器
VDD
I/O
クロック発生器
電源電圧制御
I/O
R/W
コマンド
クロック
コマンド
クロック
FRAM アクセス
変調器
9 K バイト
データ出力
データ入力 FRAM アクセス
データ出力
アンチ
コリジョン
コンバータ
データ入力
データ入力
データ出力
データ入力
復調器
VDD
R/W
データ出力
■ 端子配列図
(TOP VIEW)
18 17 16 15 14 13
19
12
20
11
21
10
22
9
23
8
24
7
1
2
3
4
5
6
(LCC-24P-M64)
■ 端子機能説明
2
端子番号
端子名
インタフェース
入出力
機能説明
1, 2
NC
⎯
⎯
未使用端子。開放にしてください。
3
VSS
シリアル
⎯
グランド端子
4
VDD
シリアル
⎯
電源端子
5 ~ 12
NC
⎯
⎯
未使用端子。開放にしてください。
13
PWRP
非接触通信
I/O
アンテナ端子
14 ~ 17
NC
⎯
⎯
未使用端子。開放にしてください。
18
PWRM
非接触通信
I/O
アンテナ端子
19
BUSY
シリアル
O
非接触インタフェースの状態信号端子
20
SPI
シリアル
I
SPI モードの切替端子
21
SO
シリアル
O
シリアルデータ出力端子
22
SI
シリアル
I
シリアルデータ入力端子
23
SCK
シリアル
I
シリアルクロック端子
24
XCS
シリアル
I
チップセレクト端子
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
■ 非接触通信インタフェース
非接触インタフェースは , ISO/IEC 15693 に準拠しています。
■ シリアル・ インタフェース
本 LSI は , SPI (Serial Peripheral Interface) 規格のシリアル・インタフェースを搭載しており , 外部回路からの電源供給によ
り , FRAM 内のユーザ領域にデータの書込みや読出しができます。
1. シリアル・インタフェース端子
下表に , シリアル・インタフェース端子と , その機能を示します。
・シリアル・インタフェース端子の機能説明
端子番号
端子名
機能説明
19
BUSY
非接触インタフェースの状態信号端子
非接触通信中に VDD 端子を ON にすると BUSY は “H” を出力します。
BUSY が , “H” のとき , チップは非接触通信を行っているため , 同時にシリアル通信を行っ
た場合 , シリアル通信は無視されます。BUSY が “L” の場合にのみ , シリアル通信モードへ
の移行が可能です。
20
SPI
SPI モード切替端子
チップをシリアル通信モードへ切り替えるための入力端子です。SPI を “H” にすることで ,
チップはシリアル通信モードに移行します。1 MΩ (Typ) プルダウン抵抗付き。
24
XCS
チップセレクト端子
チップを選択状態にするための入力端子です。XCS が “H” のとき , チップは内部が書込み
状態でない限り非選択 ( スタンバイ ) 状態となり , SO は High-Z になります。このとき ,
アンテナ端子以外の端子の入力は無視されます。XCS が “L” のとき , チップは選択 ( アク
ティブ ) 状態です。オペコード入力前に XCS を立ち下げる必要があります。
23
SCK
シリアルクロック端子
シリアルデータの入出力のためのクロック入力端子です。SI は SCK の立上りエッジに同期
して取り込まれ , SO は SCK の立下りエッジに同期して出力されます。
22
SI
シリアルデータ入力端子
シリアルデータの入力端子です。オペコード , アドレス , 書込みデータを入力します。
21
SO
シリアルデータ出力端子
シリアルデータの出力端子です。FRAM メモリセルアレイの読出しデータが出力されます。
スタンバイ時は High-Z です。
4
VDD
シリアル通信用電源電圧端子:電圧 3.3 V
3
VSS
グランド端子
DS411-00004-0v03-J
3
MB89R112
2. シリアル・インタフェースの接続方法
本 LSI のシリアル・インタフェースは SPI のスレーブとして動作します。下図に示すように , 本 LSI は SPI ポートを備え
たマイクロコントローラと接続できます。
外部に接続する SPI コントローラは , BUSY 信号をモニタします。BUSY 信号が “H” のときは , BUSY 信号が “L” になる
のを待ってからシリアル通信を行ってください。
BUSY 信号が “H” のときにシリアル通信を行った場合 , シリアル通信
は無視されます。
VDD
SPI
XCS
SCK
SI
SPI
XCS
SCK
MOSI
SO
BUSY
VSS
MISO
BUSY
VSS
MB89R112
コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 )
3. SPI モード
本 LSI は , SPI モード 0 (CPOL = 0, CPHA = 0) と SPI モード 3 (CPOL = 1, CPHA = 1) に対応します。
XCS
SCK
SI
7
6
5
4
3
2
1
MSB
0
LSB
SPI モード 0
XCS
SCK
SI
7
6
5
4
MSB
3
2
1
0
LSB
SPI モード 3
4
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
4. 非接触通信とシリアル通信の調停機能について
非接触通信とシリアル通信が同時に行われた場合には , 非接触通信が有効です。本 LSI では , 非接触通信中であることを
示す BUSY 信号を用意しています。また , 本 LSI は電源切換え機能を搭載しているため , 非接触通信中に VDD を ON に
しても影響されません。
コントローラは , シリアル通信モードへ移行する前に ,BUSY 信号を確認する必要があります。BUSY 信号が , “H” の場合 ,
本 LSI は非接触通信を行っているため , 同時にシリアル通信を行った場合 , シリアル通信は無視されます。
下図のように BUSY 端子は , 非接触通信中に VDD 端子を ON にすると “H” を出力します。
BUSY 信号が “L” の場合にのみ , シリアル通信モードへの移行が可能となり , VDD 電源端子 , SPI 端子を用いて , シリア
ル通信モードへ移行します。
・非接触通信とシリアル通信の調停機能
有効ポート
RF
SPI
SPI
RF
SPI
High-Z
L 固定
High-Z
チップ内 整流電源
VDD
BUSY
SPI
XCS
SI/SCK
L 固定
SO
DS411-00004-0v03-J
High-Z
High-Z
High-Z
5
MB89R112
5. シリアル通信モードにおける電源シーケンス
シリアル通信モードにおける電源シーケンスを下図に示します。
VDD を立ち上げ後 , BUSY が “L” であることを確認してから , SPI と XCS を同時に立ち上げてください。XCS 立上げ後
, 1ms 以上待ってから XCS を立下げ , シリアル通信を開始してください。電源シーケンスのタイミング規格を下表「・シ
を
リアル通信時のタイミング規格」
に示します。
シリアル通信のタイミング規格の詳細は「■ シリアル通信のコマンド」
参照してください。
・シリアル通信時の電源シーケンス
非接触通信
シリアル通信
チップ内 整流電源
BUSY
tSU
tPH
VDD
SPI
L 固定
tPU
XCS
SCK/SI/SO
tPD
L 固定
L 固定
( 詳細は「■ シリアル通信のコマンド」参照 )
・シリアル通信時のタイミング規格
記号
規格値 ( 最小値 )
単位
SPI 立上げ開始時間
tSU
1000
μs
電源ホールド時間
tPH
0
μs
電源 ON 時の XCS レベル保持時間
tPU
1000
μs
電源 OFF 時の XCS レベル保持時間
tPD
0.06
μs
項目
6
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
6. 電源投入・切断時の XCS レベル保持時間について
シリアル通信モードへの移行の際の , 電源投入・切断シーケンスを下図に , また電源投入・切断時の XCS レベル保持時間
を下表に示します。
VDD が 2 V を切った後に電源の再立ち上げを行う場合は , 誤動作を回避するために VDD を 0 V から立ち上げる必要があ
ります ( 下図参照 )。
・シリアル通信電源投入・切断シーケンス
tpd
tpi
tpu
trs
VDD
VDD
3.0 V
3.0 V
VIH (Min)
VIH (Min)
1.0 V
1.0 V
VIL (Max)
VIL (Max)
VSS
VSS
XCS > VDD × 0.8*
XCS
XCS : Don't care
XCS > VDD × 0.8*
XCS
*:XCS (Max) < VDD + 0.5 V
・シリアル通信電源投入・切断時の XCS レベル保持時間
項目
記号
規格値
最小
最大
単位
電源 OFF 時の XCS レベル保持時間
tpd
0.06
⎯
μs
電源 ON 時の XCS レベル保持時間
tpu
1000
⎯
μs
電源 OFF 時間
tpi
10
⎯
ms
電源立上げ時間
trs
0.05
2
ms
規定されたリードサイクル , ライトサイクルまたは電源投入・切断シーケンスを守らない動作が実行された場合 , 記憶
データの保証はできません。
DS411-00004-0v03-J
7
MB89R112
■ メモリ
1. メモリマップ
MB89R112 は , FRAM メモリで構成される内部メモリを持ちます。
・FRAM の構成
FRAM は , 8192 バイトのユーザ領域と , 1024 バイトのシステム領域で構成されます。
このFRAMは, ユーザ領域が256のブロックで構成され, 各ブロックは256ビット(32バイト)のデータから構成されます。
ブロックは FRAM データの書込みまたは読出しを規定するための単位です。以下に , FRAM のメモリ構成を示します。
・FRAM のメモリ構成
ブロック番号
(RF)
領域
論理アドレス
(SPI)
ユーザ領域
00H ~ FFH
0000H ~ 0FFFH
(8192 バイト ) (1 block = 256 bit) (1address = 16 bit)
システム領域
(1024 バイト )
アクセス可能
詳細
ユーザ領域
非接触通信
シリアル通信
Read/Write
Read/Write
⎯
Read
⎯
Read
⎯
Read
「・ロック領域」を参照してください。
AFI, DSFID
11EH
11E0H ~ 11EEH
UID
・ロック領域
非接触通信コマンドの Block Security Status, Read Lock Status およびシリアル通信の SPI Read Lock, SPI Write Lock 領域を
示します。
ロックステータスは , “1” でロック状態 ,“0” で未ロック状態です。
ブロック
番号
(RF)
RF ロック
状態
シリアル
ロック
状態
8
BSS
(Block Security
Status)
100H
RLS
(Read Lock
Status)
101H
SRL
(SPI Read Lock)
102H
SWL
(SPI Write
Lock)
103H
ロジック番号 MSB
(SPI)
LSB
··· 03
··· 13
1000H
1001H
0F
1F
0E
1E
0D
1D
02
12
01
11
00
10
1002H ~ 100EH
100FH
1010H
1011H
FF
0F
1F
FE
0E
1E
EF ~ 20
FD ··· F3
F2
0D ··· 03
02
1D ··· 13
12
F1
01
11
F0
00
10
1012H ~ 101EH
101FH
1020H
1021H
FF
0F
1F
FE
0E
1E
EF ~ 20
FD ··· F3
F2
0D ··· 03
02
1D ··· 13
12
F1
01
11
F0
00
10
1022H ~ 102EH
102FH
1030H
1031H
FF
0F
1F
FE
0E
1E
EF ~ 20
FD ··· F3
F2
0D ··· 03
02
1D ··· 13
12
F1
01
11
F0
00
10
1032H ~ 103EH
103FH
FF
FE
EF ~ 20
FD ··· F3
F2
F1
F0
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MB89R112
・ブロック内のデータ配置
RF 1block (32byte) データ配置
領域
ユーザ領域
(8192 バイト )
ブロック番号 論理アドレス
(RF)
(SPI)
データ
(1addres = 16bit) 15
0
00H
0000H ~ 000FH
0000H
[15:0]
10H
0010H ~ 001FH
0001H
[31:16]
02H
0020H ~ 002FH
0002H
[47:32]
03H
0030H ~ 003FH
0003H
[63:48]
0040H ~ 004FH
0004H
[79:64]
0005H
[95:80]
04H
.
.
システム領域
(1024 バイト )
論理アドレス
FEH
0FE0H ~ 0FEFH
0006H
[111:96]
FFH
0FF0H ~ 0FFFH
0007H
[127:112]
100H
1000H ~ 100FH
0008H
[143:128]
101H
1010H ~ 101FH
0009H
[159:144]
102H
1020H ~ 102FH
000AH
[175:160]
1030H ~ 103FH
000BH
[191:176]
000CH
[207:192]
103H
.
.
11EH
11E0H ~ 11EFH
000DH
[223:208]
11FH
11F0H ~ 11FFH
000EH
[239:224]
000FH
[255:240]
block0
ブロック番号 “00H” から “FFH” がユーザ領域です。ユーザ領域は , ブロックアドレスの指定によってアクセスが可能な領
域です。一方 , システム領域は , 特定のコマンドによってのみアクセスが可能な領域です。
システム領域は , UID, AFI, DSFID および , 各ブロックのセキュリティ状態 ( 書込み不可かどうか ) のデータが入ってい
ます。ここで , UID の書換えはできません。AFI, DSFID は出荷時に書き込まれ , コマンドによる書換え , ロック ( 書込み
不可 ) することが可能です。
DS411-00004-0v03-J
9
MB89R112
2. MB89R112 のメモリアクセスについての注意事項
本製品は , RF からと SPI インタフェースからとではメモリアクセス方法が異なるため , FRAM メモリデータの配置が下
記のように逆転して見えます。したがって , ユーザ領域のメモリデータを読み書きする際に RF と SPI のブロック内の
データ格納に注意してアクセスする必要があります。
・RF によるメモリアクセスのデータ配置
RF からのアクセスは 1 ブロック 32 バイト単位で , データを読出し書込みする際の データ配置は LSB ファーストです。
・SPI によるメモリアクセスのデータ配置
SPI からのアクセスは 2 バイト単位で , データを読出し書込みする際のデータ配置は MSB ファーストです。
したがって , RF からアクセスするデータに対して , SPI からアクセスするデータ配置が逆転して見えます。
・ メモリアクセス時のデータ配列例
RF から block0 に 32byte データライトした場合
DATA = 0001_0203_0405_0607_0809_0A0B_0C0D_0E0F_1011_1213_1415_1617_1819_1A1B_1C1D_1E1F H
RF Air 上のデータ順番
DATA = 1FH → 1EH → 1DH → 1CH → 1BH ······ 04H → 03H → 02H → 01H → 00H
RF 1block (32byte) データ配置
ブロック番号
論理アドレス
(RF)
(1addres = 16bit)
RF
LSB ファースト
00H
SPI
MSB ファースト
データ
15
0
0000H
1E1FH
0001H
1C1DH
0002H
1A1BH
0003H
1819H
0004H
1617H
0005H
1415H
0006H
1213H
0007H
1011H
0008H
0E0FH
0009H
0C0DH
000AH
0A0BH
000BH
0809H
000CH
0607H
000DH
0405H
000EH
0203H
000FH
0001H
SPI から block0 の 32byte 連続リードした場合
DATA = 1E1F_1C1D_1A1B_1819_1617_1415_1213_1011_0E0F_0C0D_0A0B_0809_0607_0405_0203_0001 H
10
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
■ データエレメントの定義
1. Unique Identifier (UID)
MB89R112 には , ISO/IEC 15693-3 に準拠した 64 ビットの UID があります。UID は , アンチコリジョンアルゴリズムにお
いて , 各応答器を区別するために使用されます。
UID は , 以下の 3 項目から構成されています。
・ “E0H” と固定される 8 ビットデータ (bit 57 ~ bit 64)
・ ISO/IEC 7816-6/AMI で定義された 8 ビットの IC 製造者コード (bit 49 ~ bit 56, “08H” で固定 )
・ 弊社が付与する 48 ビットのユニークなシリアルナンバ (bit 1 ~ bit 48)
MB89R112における弊社が付与する48ビットのユニークなシリアルナンバのうち, bit 41~bit 48の1バイトはMB89R112
を表すコード “05H” として使用します。また , bit 1 ~ bit 40 の 5 バイトはその他シリアルナンバとして使用します。
・UID の構成
MSB
64
57 56
49 48
IC 製造者
コード
“08H”
“E0H”
LSB
1
41 40
その他シリアルナンバ
“05H”
弊社が付与するユニークなシリアルナンバ
2. Application Family Identifier(AFI)
AFI は応答器で設定したアプリケーションの種類を示します。
AFI はコマンドによって , 書き込めます。AFI は 8 ビットのデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。
AFI の出荷初期値は “00H” です。
・AFI の種類
分野選択
(bit 8 ~ bit 5)
詳細項目選択
(bit 4 ~ bit 1)
アプリケーション使用分野
例 / 詳細
“0”
“0”
すべてのアプリケーションに対応
アプリケーションの指定なし
X
“0”
すべての X 分野に対応
X
Y
X 分野の Y 項目のみ対応
分野のみ指定
⎯
“0”
Y
Y 項目をもつすべての分野に対応
⎯
“1”
“0”, Y
交通
大型輸送 , バス , 航空
“2”
“0”, Y
金融
IEP, 銀行 , 小売業
“3”
“0”, Y
個人認証
アクセス制御
“4”
“0”, Y
電気通信
“5”
“0”, Y
医療
公共電話通信 , GSM
⎯
“6”
“0”, Y
マルチメディア
“7”
“0”, Y
ゲーム
インターネットサービス
⎯
“8”
“0”, Y
データ格納
携帯ファイル
“9”
“0”, Y
“A”
“0”, Y
EAN-UCC システム
ISO/IEC JTC 1/SC 31
ISO/IEC 15418 規定のデータ識別子
“B”
“0”, Y
UPU
ISO/IEC JTC 1/SC 31 が管理
“C”
“0”, Y
IATA
ISO/IEC JTC 1 が管理
“D”
“0”, Y
“E”
“0”, Y
“F”
“0”, Y
ISO/IEC JTC 1/SC 31 が管理
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
RFU *
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
* : Reserved for Future Use
(注意事項)X,Y は , 共に “1” ~ “F” までを表します。
AFI_flag がセットされている状態では , 本 LSI の動作は下記のようになります。
・応答器が AFI をサポートしていない場合:すべてのリクエストに対して無応答です。
・応答器が AFI をサポートしている場合:リーダライタからの AFI 指定が一致したときのみ応答します。
DS411-00004-0v03-J
11
MB89R112
3. Data Storage Format Identifier (DSFID)
DSFID は , データが応答器 LSI メモリでどのように構成されているかを示します。DSFID はコマンドによって , 書き込
めます。
DSFID は 8 ビットのデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。DSFID の出荷初期値は “00H” です。
4. Cyclic Redundancy Check (CRC)
フレームを構成するキャラクタに関しては , CRC 値が正当であった場合のみ , 受信側が正しいデータを受信したと解釈
します。エラーチェックのため , 2 バイトの CRC 値がデータと EOF の間に組み込まれています。
CRC 値は , SOF から CRC フィールドの間に含まれるフレーム内のすべてのデータから求められます。計算方法は ISO/
IEC 13239 に規定され , 詳細は ISO/IEC 15693-3 および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) に規定されています。CRC チェック
で使用される初期値は ISO/IEC 15693-3 の規定に従い “FFFFH” です。
CRC は , 最下位バイト , 最下位ビットから送信されます。
・CRC ビット / バイトの転送規則
LSByte
LSBit
MSByte
MSBit
CRC 16 (8 ビット )
LSBit
MSBit
CRC 16 (8 ビット )
CRC 送信 最初のビット位置
12
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
■ 機能説明
1. リーダライタから応答器への通信
(1) 変調方式
MB89R112 は ASK 10% 変調と ASK100% 変調の 2 種類をサポートします。
変調度 m は , 以下に示す変調波形図において , m = (a - b)/(a + b) として定義されます。ここで a と b は , それぞれリー
ダライタから送信される磁界強度の振幅の最大値と最小値です。
・ASK10% の変調波形図
hr
y
y
hf
t3
t2
t1
a
b
0V
13.56 MHz
・ASK100% の変調波形図
t3
t1
t4
105 %
95 %
60 %
a
5%
t2
b
0V
13.56 MHz
t1, t2, t3, t4 の最大値 , 最小値を別表 (■ 推奨動作条件 ) に示します。ここで , y は 0.05(a-b), hf と hr の最大値は 0.1(a-b) です。
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13
MB89R112
(2) データレートとデータコーディング
MB89R112 は 1 out of 4 モードのみをサポートします (1 out of 256 モードはサポートしていません )。
1 out of 4 モードでは , 2 ビットの信号を 75.52 μs の区間中に下図のようにコーディングします。
このときのデータレートは , 26.48 kbps(fc/512) です。信号は下位ビットから送信されます。
・1 out of 4 モードのコーディング方式
・“00B” のパルス位置
9.44 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“01B” のパルス位置 (1 = LSB)
28.32 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“10B” のパルス位置 (0 = LSB)
47.20 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“11B” のパルス位置
66.08 μs
9.44 μs
75.52 μs
(3) データフレーム
各データフレームは , スタートオブフレーム (SOF) で始まり , エンドオブフレーム (EOF) で終了します。リーダライタに
フレームを送信し終えて , 300 μs 以内にリーダライタからのフレームを受信できます。また , パワー印加後の 1 ms 以内
に , リーダライタからのフレームを受信できます。
・リーダライタから送信されるフレームの SOF および EOF の波形
SOF
9.44 μs
9.44 μs
37.76 μs
9.44 μs
37.76 μs
EOF
37.76 μs
14
9.44 μs
9.44 μs
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MB89R112
2. 応答器からリーダライタへの通信
・ 最小負荷変調振幅 Vlm:10 mV (ISO/IEC 10373-7 による )
・ 負荷変調サブキャリア周波数 fs: 423.75 kHz(fc/32)
MB89R112 は 1- サブキャリア方式のみをサポートします (2- サブキャリア方式は
サポートしていません )。
・ データレート
: データレートには , 以下の 2 モードが存在します。
・Low データレート
・High データレート
これらのデータレートは , 以降で述べるリーダライタから送信される Data_rate_flag で指定しま
す。データレートは , Low 時が 6.62 kbps (fc/2048), High 時が 26.48 kbps(fc/512) です。
また , カスタム高速コマンド受信時は , 2 倍のデータレートで応答器から通信を行います。この
ときもLowデータレートとHighデータレートの2モードが存在し, Data_rate_flagで指定します。
データレートは , Low 時が 13.24 kbps (fc/1024) , High 時が 52.97 kbps (fc/256) です。
(1) ビットコーディング
ビットコーディングは , Manchester 方式を使用します。通常コマンド受信時の High データレートの変調信号およびカス
タム高速コマンド受信時の High データレートの変調信号を以下に示します。通常コマンド , カスタム高速コマンドとも
に Low データレート時には , サブキャリアのパルス数とデータ転送時間が 4 倍になります。
・通常コマンド High データレート時の負荷変調された信号波形
・ロジック 0
423.75 kHz サブキャリア
18.88 μs ( 変調 )
18.88 μs ( 無変調 )
37.76 μs
・ロジック 1
423.75 kHz サブキャリア
18.88 μs ( 無変調 )
18.88 μs ( 変調 )
37.76 μs
・カスタム高速コマンド High データレート応答時の負荷変調された信号波形
・ロジック 0
9.44 μs
9.44 μs
18.88 μs
・ロジック 1
9.44 μs
9.44 μs
18.88 μs
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15
MB89R112
(2) データフレーム
応答器から送信される各データフレームはスタートオブフレーム (SOF) で始まり , エンドオブフレーム (EOF) で終了し
ます。通常コマンド受信時の High データレートの SOF および EOF, カスタム高速コマンド受信時の High データレート
の SOF および EOF を以下に示します。通常コマンド , カスタム高速コマンドともに Low データレート時には , サブキャ
リアのパルス数およびデータ転送時間が 4 倍になります。リーダライタは応答器にフレームを送信し終えた後の 300 μs
以内に , 応答器からのフレームを受信可能にする必要があります。
・通常コマンド時に応答器から送信されるフレームの SOF および EOF の波形
・SOF
423.75 kHz サブキャリア
56.64 μs
56.64 μs
37.76 μs
・EOF
37.76 μs
56.64 μs
56.64 μs
・カスタム高速コマンド時に応答器から送信されるフレームの SOF および EOF の波形
・SOF
423.75 kHz
サブキャリア
28.32 μs
28.32 μs
18.88 μs
・EOF
423.75 kHz
サブキャリア
18.88 μs
16
28.32 μs
28.32 μs
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MB89R112
3. データ書込み中電源途絶時の FRAM データ保護
MB89R112 は , FRAM へ 2 バイトごとのアクセスを行っています。アクセス中に電源供給の途絶があった場合には , LSI
上の平滑容量に蓄積された電荷により FRAM へのアクセス動作を完了し , データの誤書込みを防止します。
このため , Write AFI, Write DSFID, Lock 系コマンドに関して , 電源途絶時にもデータを保証します。
また , Write Single Block コマンドなど複数バイトデータの書込みコマンドに関しては , 電源途絶時にすべてのデータ書
込みが終了していない可能性があります。この場合は , 正常にデータ書込みが行われたのか , Read 系のコマンドを使っ
てご確認ください。
4. リクエスト / レスポンス
リーダライタから応答器には “ リクエスト ” が送信され , それに対応して応答器からリーダライタへ “ レスポンス ” を
送信します。
リクエストと , レスポンスは各 1 個のフレームに含まれます。
・リクエスト / レスポンスの構成
リクエストは , 以下の 5 つのフィールドで構成されます。
・フラグ
・コマンドコード
・パラメータ ( コマンドによって強制的に あるいは , オプションとして追加されます。
)
・アプリケーションデータ
・CRC
また , レスポンスは , 以下の 4 つのフィールドで構成されます。
・フラグ
・パラメータ ( コマンドによって強制的に , あるいはオプションとして追加されます。
)
・アプリケーションデータ
・CRC
各バイトは , 下位ビットから送信します。また , 複数のバイトを送信する場合には , 下位バイトから転送します。
5. 動作モード
MB89R112 の動作モードには , 以下の 3 種類があります。
それぞれ , リーダライタからのリクエストに対して応答器がレスポンスを返すメカニズムを規定しています。
・Addressed モード
Addressed モードは , Address_flag が “1” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは , リクエストは UID を含み ( 同時に Address_flag は “1” に設定されています ), リクエストに含まれた
UID が一致した応答器のみがレスポンスを返します。一致しない場合は , レスポンスを返しません。
・Non-Addressed モード
Non-Addressed モードは , Address_flag が “0” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは , リクエストは UID を含みません。リクエストを受信した応答器は , コマンドにしたがって実行・応
答を行います。
・Select モード
Select モードは , Select_flag が “1”, かつ Address_flag が “0” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは , UID をリクエストに含めないでください。コマンドを受信した応答器のうち , Select 状態にあるもの
のみがコマンドにしたがって実行・応答を行います。
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MB89R112
6. リクエストのフォーマット
下図に典型的なリクエストのデータフォーマットを , 下表にリクエストフラグの各ビットの構成を示します。
・リクエスト・フレームの構成
SOF
フラグ
コマンドコード
パラメータ
データ
CRC
EOF
・bit 1 ~ bit 4 の設定
bit
フラグ名称
1
Sub-carrier_flag
2
Data_rate_flag
3
Inventory_flag
4
Protocol_Extension_flag
状態 / 説明
1/0
0
1- サブキャリアを選択
1
2- サブキャリアを選択 ( サポートしていません。)
0
Low データレート (6.62 kbps) を選択
1
High データレート (26.48 kbps) を選択
0
Inventory コマンド以外のコマンドを選択
1
Inventory コマンドを選択
0
プロトコル拡張なし
1
プロトコル拡張あり (RFU * )
* : Reserved for Future Use
(注意事項)bit 3 の “Inventory_flag” によって , “Inventory コマンド ” を使用 (“1” を選択 ) するか , その他のコマンドを使用
(“0” を選択 ) するかを決定します。
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンドを選択 [Inventory_flag=”1”])
bit
フラグ名称
5
AFI_flag
6
Nb_slots_flag
7
Option_flag
8
RFU *
状態 / 説明
1/0
0
AFI の設定なし
1
AFI の設定あり ( 応答器の AFI が一致すると応答します。)
0
16 スロット
1
1 スロット
0
コマンドのオプション設定なし
1
コマンドのオプション設定あり ( サポートしていません。)
0
“0” に設定してください。
⎯
1
* : Reserved for Future Use
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンド以外を選択 [Inventory_flag=”0”])
bit
フラグ名称
5
Select_flag
6
Address_flag
7
Option_flag
8
RFU *
1/0
状態 / 説明
0
Address_flag の内容によって実行します。
1
Select モード (Select 状態の応答器のみレスポンスを返します。)
Address_flag は,“0” に設定します。
0
Non-Addressed モード ( コマンドに UID を含みません。)
1
Addressed モード ( コマンドに UID を含みます。)
0
コマンドのオプション設定なし (Option_flag のサポートがない
コマンドは “0” を選択してください。)
1
コマンドのオプション設定あり
0
“0” に設定してください。
1
⎯
* : Reserved for Future Use
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MB89R112
7. レスポンスのフォーマット
下図に典型的なレスポンスのデータフォーマットを , 下表 にレスポンスフラグとエラーコードの定義を示します。
Error_flag が “1” にセットされた場合には , エラーコードフィールドが設けられます。つまり , Error_flag が “0” の場合は
エラーなし , “1” の場合は何らかのエラーが発生したことを示します。
・レスポンス・フレームの構成
フラグ
パラメータ
フラグ名称
1/0
SOF
データ
CRC
EOF
・レスポンスフラグの定義
bit
1
Error_flag
2
3
4
エラーなし。
1
エラーあり。
RFU
*
0
“0” に設定されます。
RFU
*
0
“0” に設定されます。
0
“0” に設定されます。
RFU
*
0
“0” に設定されます。
Extension_flag
5
状態
0
RFU
*
0
“0” に設定されます。
7
RFU
*
0
“0” に設定されます。
8
RFU *
0
“0” に設定されます。
6
* : Reserved for Future Use
・エラーコードの定義
エラーコード
意味
“01”
コマンドがサポートされていません。
例 ) コマンドコードエラー
“02”
コマンドが認識できません。
ブロック数の値が上限値を超えています。
例 ) フォーマット・エラー
“03”
オプションがサポートされていません。
“0F”
その他のエラー
“10”
指定されたブロックは利用できません ( 存在しません )。
“11”
指定されたブロックはロック済みであり , 再ロックできません。
“12”
指定されたブロックはロック済みであり , 内容は変更できません。
“13”
指定されたブロックに , 正常に書込みできませんでした ( 書込み時のベリファイでエラーが発生しま
した ) 。
“14”
指定されたブロックを , 正常にロックできませんでした ( ロック時のベリファイでエラーが発生しま
した ) 。
その他
未使用
8. アンチコリジョンアルゴリズム
MB89R112 では , ISO/IEC 15693-3 に準拠したアルゴリズムでアンチコリジョンループを実行します。
アンチコリジョンアルゴリズムでは , リーダライタの通信領域に存在する複数の応答器に対して , UID をベースに調査
します。
リーダライタは , Inventory コマンドを発行し , 応答器は「10. 応答器における Inventory コマンドの実行」で詳述するアル
ゴリズムに従ってレスポンスを返信するか , 無応答状態となります。
DS411-00004-0v03-J
19
MB89R112
9. リクエストパラメータ
・リクエストパラメータの設定
Inventory コマンドを発行する場合 , リーダライタは以下の設定を行ってください。
・ リクエストフラグにおける Nb_slots_flag (bit 6) を所定の値に設定します。
“0”:16 スロット ( 複数応答器対応 )
“1”:1 スロット ( 単数応答器対応 )
・ マスク長とマスク値をコマンドコードの後に付加します。
・ マスク長は , マスク値のデータ長をビットで表します。
・ マスク値は , 整数バイト長のデータで , 下位ビットから送信します。もし , マスクするデータ長が 8( ビット ) の倍数で
なければ , バイト単位のデータ長になるように , マスク値の MSB 側に 0 がパディングされます。
下図に , マスク値にパディングを行った例を示します。マスク長は 12 ビットであるため , バイト単位のデータ長になる
ように(この場合は 2 バイト =16 ビット)マスク値の MSB 側から 4 ビットがパディングされています。
また 「6.
,
リクエストのフォーマット」の「・リクエスト・フレームの構成」において , AFI フラグがセットされた場合には ,
AFI フィールドが付加されます。コマンドの終了時には ,「1. リーダライタから応答器への通信」に記載の EOF が送信さ
れ , その後 , 直ちに第 1 スロットが開始されます。次のスロットに移る場合 , リーダライタは EOF を送信します。
・コマンドのフォーマット
SOF
フラグ
8 ビット
コマンドコード Optional AFI
8 ビット
8 ビット
マスク長
マスク値
CRC
8 ビット
0 ~ 64 ビット
16 ビット
EOF
・マスク値にパディングを施した例
LSB
MSB
20
0000
0100 1100 1111
Pad
マスク値
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MB89R112
10.応答器における Inventory コマンドの実行
応答器は , Inventory コマンドから送信されたマスク値と EOF の送信回数から決定されるスロット数の結合値が UID と
等しい場合に , レスポンスを送信します。
・応答器の実行アルゴリズム
下図に , Inventory コマンドを受信した場合の応答器の実行アルゴリズムを示します。また , 次図に , UID とマスク値の関
係を示します。
・Inventory コマンドに対する応答器の実行アルゴリズム
NbS
SN
LSB (value, n)
&
Slot_Frame
:スロット (1 または 16) の合計
:カレントのスロット数
:Value 値の n 個の Least Significant Bit
:結合演算子
:SOF または EOF
SN = 0
Nb_slots_flag=1?
YES
NO
NbS = 1
SN_length=0
NbS = 16
SN_length=4
LSB (UID, SN_length +マスク長 ) =
LSB (SN, SN_length) & LSB ( マスク ,
マスク長 ) ?
YES
レスポンス送信
NO
Wait (Slot_Frame)
Slot_Frame=SOF?
YES
NO
Slot_Frame=EOF?
NO
YES
処理終了
処理終了
SN < NbS-1
NO
YES
SN = SN + 1
DS411-00004-0v03-J
処理終了
21
MB89R112
・マスク値 , スロット数と UID の比較
[Inventory コマンド ( リーダライタ側 ) ]
パディング
Inventory コマンドは , マスク値とマスク長を含みます。
マスク値は , バイト単位 (8 ビットの倍数 ) になるように
上位ビット側に “0” をパディングします。
000・・・
マスク値
(Inventory コマンド指定 )
マスク長
Inventory コマンドを受信すると , スロット
カウンタを “0” にリセットします。
スロット
カウンタ
EOF を受信すると , 応答器はスロット
カウンタのインクリメントを開始します。
スロット数 マスク値 ( パディングなし )
応答器の UID の最下位ビットと比較します。
マスク値と一致した場合は , 応答器がレスポ
ンスを返します。
無視
比較
Unique Identifier (UID)
MSB
22
[Unique Identifier ( 応答器側 ) ]
LSB
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MB89R112
11.アンチコリジョンシーケンス
・アンチコリジョンシーケンスの実行
スロット数が 16 の場合 , 典型的なアンチコリジョンシーケンスは以下のように実行されます。
1) リーダライタが , Inventory コマンドを送信します。
スロット数はリクエストフラグ中の Nb_slots_flag ビットを “0” とすることで設定されます。
2) Inventory コマンドの EOF の立上り時間を起点にし tl_a 時間後に , 応答器 1 がスロット 0 でレスポンスを返します。
このとき , ほかの応答器からのレスポンスはなく , リーダライタが応答器 1 の UID を認識します。
3) リーダライタが応答器 1 からのレスポンスを受信後 , 最低 t2_a 時間待って EOF を送信し , 次のスロットに移ります。
4) スロット 1 では , リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 2 と応答器 3 が
レスポンスしたため , リーダライタは 2 つの応答器の UID を認識できず , スロット 1 でコリジョンが発生したこと
を記憶します。
5) リーダライタが応答器 2 と応答器 3 からのレスポンスを受信後 , 最低 t2_a 時間待って EOF を送信し , 次のスロット
に移ります。
6) スロット 2 では , 応答器からのレスポンスは検出されず , リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点に
し , 最低 t3_a 時間待って EOF を送信して次のスロットに移ります。
7) スロット 3 では , リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 4 と応答器 5 か
らのレスポンスにより , 別のコリジョンが発生します。
8) アンチコリジョンシーケンス中に , リーダライタは UID が取得されている応答器 1 に対するリクエスト ( 例えば , 後
述する Read Single Block コマンド ) を送信したとします。
9) すべての応答器は SOF を受信することにより , アンチコリジョンシーケンスから抜け出します。このとき ,
Addressed モードが使用されることにより , 応答器 1 のみがレスポンスを返します。
10) すべての応答器は , リーダライタからの別のリクエストを受け付けることができます。もう一度 Inventory コマンド
を実行する
場合には , スロット番号は 0 からスタートします。
(注意事項)t1_a, t2_a, t3_a については , 「12. タイミングに関する定義」を参照してください。
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23
MB89R112
・アンチコリジョンシーケンスの 1 例
Slot 0
Slot_Counter (1)
リーダライタ
SOF
Inventory
コマンド
EOF
Slot 1
(3)
EOF
(2)
(4)
Response 1
Response 2
MB89R112
Response 3
タイミング
t1_a
状態
t1_a
Slot 2
EOF
t2_a
コリジョン発生
コリジョンなし
Slot_Counter (5)
リーダライタ
t2_a
Slot 3
(6)
(7)
EOF
EOF
Response 4
MB89R112
Response 5
タイミング
t3_a
状態
t1_a
コリジョン発生
無応答
Slot_Counter
t2_a
(8)
リーダライタ
SOF
コマンド
( 応答器 1)
(9)
EOF
Response
( 応答器 1)
MB89R112
タイミング
t3_a
t1_a
状態
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MB89R112
12.タイミングに関する定義
(1) リーダライタの EOF 送信から MB89R112 の送信開始までの待ち時間:t1_a
MB89R112 は , リーダライタから送信された EOF の検出後 , レスポンスを送信するまで t1_a の応答待ち時間を持ちます。
t1_a は , EOF の立上り時間を起点にし , 最小値:4320/fc (318.6 μs) , 公称値:4352/fc (320.9 μs) , 最大値:4384/fc (323.3 μs) が
定義されます。
t1_a 時間内にリーダライタからの ASK 10%変調信号を検出しても , 変調信号を無視してそのまま t1_a 時間だけ送信開
始を待ちます。
(2) リーダライタの EOF 送信から MB89R112 の変調無視時間:tmit
MB89R112 は , リーダライタから送信された EOF の検出後 , tmit の時間リーダライタからの ASK 10% 変調信号を無視
します。
tmit は , EOF の立上り時間を起点にし , その最小値は 4384/fc(323.3 μs) +tnrt と定義します。
ここで , tnrt は MB89R112 の応答時間を表します。
(3) リーダライタのリクエスト送信待ち時間:t2_a
ISO/IEC 15693-3. および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格においてリーダライタは , リクエスト (Inventory コマンドと
Stay Quiet コマンドを除く ) に対する応答器からのレスポンスを受信した場合 , 次のリクエストを送信するまで t2_a の
待ち時間 ( 最小値は 309.2 μs) が必要であると定義されます。
(4) Inventory コマンドにおけるリーダライタのリクエスト送信待ち時間:t2inv
Inventory コマンドの実行時には , リーダライタは EOF を送信してから次のスロットへ移ります。この場合の待ち時間は ,
応答器からのレスポンスの有無によって , 以下のように定義されます。
- リーダライタが 1 個以上の応答を受け取った場合 :t2invwr
ISO/IEC 15693-3. および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格において , リーダライタが 1 個以上のレスポンスを受
信した場合には , 応答器のレスポンスの完了 ( リーダライタが EOF を受信した場合 , もしくは tnrt が経過したと
き ) を待ち , さらに , t2_a の待ち時間の経過後 , EOF を送信して次のスロットへの変更を行います。
- リーダライタが応答を受け取らなかった場合:t3_a
MB89R112 からのレスポンスがない場合 , リーダライタは EOF を送信するまで t3_a の待ち時間が必要です。ここ
で , t3_a はその前に送信された EOF の立上りエッジを起点とします。t3_a の最小値はそれぞれ以下のとおりに定
義します。
a) リーダライタが ASK10%変調の EOF を送信した場合
t3_a (ASK10%) の最小値は「・タイミング仕様」に示した 4384/fc (323.3 μs) + tnrt になります。
b) リーダライタが ASK100%変調の EOF を送信した場合
t3_a (ASK100%) の最小値は「・タイミング仕様」に示した 4384/fc (323.3 μs) + tsof になります。
tnrt: 応答器の応答時間
tsof: 応答器からリーダライタに SOF 信号を送信する時間
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MB89R112
・ASK10% および ASK100% 信号における t3_a 時間の解釈
リーダライタ
Inventory
コマンド
SOF
新規コマンド
( あるいは EOF 信号 )
EOF
応答なし
MB89R112
t1_a
t3_a (ASK100 %)
t3_a (ASK10 %)
タイミング
tsof
tnrt
ASK10% 信号を
受信可能
ASK10% 信号を無視
MB89R112 の
信号処理
ASK100% 信号
受信後 , t1_a 時間を
リセットする。
ASK100%
信号を無視
ASK100% 信号を受信可能
・タイミング仕様
最小
標準
最大
t1_a
4320/fc (318.6 μs)
4352/fc (320.9 μs)
4384/fc (323.3 μs)
tmit
4384/fc (323.3 μs) + tnrt
⎯
⎯
t2_a
4192/fc (309.2 μs)
⎯
⎯
t2invwr
t2_a + tnrt
⎯
⎯
t3_a (ASK10%)
4384/fc (323.3 μs) + tnrt
⎯
⎯
t3_a (ASK100%)
4384/fc (323.3 μs) + tsof
⎯
⎯
tnrt
tsof
26
⎯
Low データレート
High データレート
高速 Low データレート
高速 High データレート
: 15708.16 μs
: 3927.04 μs
: 7854.08 μs
: 1963.52 μs
⎯
⎯
Low データレート
High データレート
高速 Low データレート
高速 High データレート
:
:
:
:
μs
μs
μs
μs
⎯
604.16
151.04
302.08
75.52
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MB89R112
■ 非接触通信のコマンド
MB89R112 のコマンドコードは , ISO/IEC 15693-3 に規定された以下の Mandatory コマンドおよび Optional コマンドをサ
ポートしています ( 一部未対応 : 詳細は「■ 使用上の注意事項」を参照してください )。
Custom コマンドは , 以下のコマンドをサポートしています。
Fast コマンド :レスポンス時間を通常コマンドの半分にします。
・コマンドリスト
コマンド
コード
コマンド名
“01H”
Inventory
Mandatory アンチコリジョンシーケンスを実行し , UID を取得します。
“02H”
Stay Quiet
Mandatory Quiet 状態に移行します。
“20H”
Read Single Block
Optional
ユーザ領域 / システム領域の指定された 1 ブロックのデータを読み出
します。
“21H”
Write Single Block
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックにデータを書き込みます。
“22H”
Lock Block
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックをロック ( 書込み不可 ) 状態にし
ます。
“23H”
Read Multiple Blocks
Optional
ユーザ領域 / システム領域の指定された複数ブロックのデータを読み
出します ( 最大 256 ブロック)。
“25H”
Select
Optional
タグを Select ( 選択通信 ) 状態にします。
“26H”
Reset to Ready
Optional
タグを Ready ( 通信可能 ) 状態にします。
“27H”
Write AFI
Optional
AFI (Application Family Identifier) のデータを書き込みます。
“28H”
Lock AFI
Optional
AFI (Application Family Identifier) のデータをロック ( 書込み不可 ) 状態
にします。
“29H”
Write DSFID
Optional
DSFID (Data Storage Format Identifier) のデータを FRAM に書き込みま
す。
“2AH”
Lock DSFID
Optional
DSFID (Data Storage Format Identifier) のデータをロック ( 書込み不可 )
状態にします。
“2BH”
Get System Information
Optional
チップの UID, DSFID, AFI, 1 ブロックに格納できるバイト数 , ユーザ
領域のブロック数 , IC の情報を読み出します。
“2CH”
Get Multiple Block
Security Status
Optional
システム領域に格納されたブロックセキュリティステータスの情報
を読み出します。
“B1H”
Fast Inventory
Custom
高速応答する Inventory コマンドです。
“BCH”
Refresh System Blocks
Custom
ユーザ領域の指定ブロック , またはシステム領域のデータに “00H” を
書き込みます。
“C0H”
Fast Read Single Block
Custom
高速応答する Read Single Block コマンドです。
“C1H”
Fast Write Single Block
Custom
高速応答する Write Single Block コマンドです。
“C3H”
Fast Read Multiple
Blocks
Custom
高速応答する Read Multiple Blocks コマンドです。
“D9H”
Read Lock Block
Custom
ユーザ領域の指定された 1 ブロックをロック ( 読出し不可 ) 状態にし
ます。
“DAH”
Get Multiple Read Lock
status
Custom
システム領域に格納されたリードロックステータスの情報を読み出
します。
DS411-00004-0v03-J
コマンド
タイプ
詳細
27
MB89R112
1. Mandatory コマンドの概要
1-1. Inventory コマンド
Inventory コマンドは , アンチコリジョンシーケンスを実行するコマンドです。
本コマンドでエラーを検出した場合は , エラー応答を返しません。
Inventory_flag (bit 3) を “1” に設定してください。
AFI_flag(bit 5) を “1” に設定した場合 , Inventory コマンドの Optional AFI 値と応答器で設定された AFI 値が以下の場合に
のみレスポンスを返します。
・Optional AFI 値と応答器の AFI 値が一致した場合
・Optional AFI 値の上位 4 ビットが “0H” かつ下位 4 ビットと応答器の AFI 値の下位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値の下位 4 ビットが “0H” かつ上位 4 ビットと応答器の AFI 値の上位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値が “00H” の場合
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Inventory)
Optional
AFI
マスク長
マスク値
CRC
8 ビット
8 ビット (“01H”)
8 ビット
8 ビット
0 ~ 64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
SOF
フラグ
DSFID
UID
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
1-2. Stay Quiet コマンド
Stay Quiet コマンドを受信した応答器は , Quiet 状態に移行します。レスポンスはエラーも含めて送信を行いません。
Quiet
状態では , Inventory_flag (bit 3) が “1” に設定されたリクエストの実行は行わず , Address_flag (bit 6) が “1” に設定された
コマンドのみを実行します。
応答器が Quiet 状態から抜け出すのは , 以下のいずれかの場合のみです。
・Power-off の状態
・Select コマンドを受信した場合。Select 状態に移行します。
・Reset to Ready コマンドを受信した場合。Ready 状態に移行します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Stay Quiet)
UID( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“02H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
無応答
28
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
2. Optional コマンドの概要
2-1. Read Single Block コマンド
Read Single Block コマンドを受信した応答器は , 要求された 1 ブロックのデータを読み出します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
UID
コマンド
(Read Single Block) (Addressed モードの場合 ) ブロック番号
フラグ
SOF
8 ビット
8 ビット (“20H”)
64 ビット
CRC
8 ビット
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
256 ビット
16 ビット
SOF
EOF
2-2. Write Single Block コマンド
Write Single Block コマンドを受信した応答器は , リクエストに含まれる 1 ブロックデータを書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対
して ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場
合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms
以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
8 ビット
UID
コマンド
ブロック
(Write Single Block) (Addressed モードの場合 )
番号
8 ビット (“21H”)
64 ビット
8 ビット
データ
CRC
EOF
256 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00004-0v03-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
29
MB89R112
2-3. Lock Block コマンド
Lock Block コマンドを受信した応答器は , 要求された 1 ブロックのデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対
して ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場
合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms
以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
Lock Block コマンド受信後は , ロックされたブロックは , “Write Single Block” コマンドでデータの変更ができなくなり
ます。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Lock Block)
8 ビット
8 ビット (“22H”)
UID
(Addressed モードの場合 ) ブロック番号
64 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2)Error_flag がセットされない場合
SOF
30
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
2-4. Read Multiple Blocks コマンド
Read Multiple Blocks コマンドを受信した応答器は , 要求された複数の連続したブロックのデータを読み出します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック 読み出すリクエストになります。
また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック 読み出すリクエスト (Read Single Block コマンドと同じリクエスト
) になります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Read Multiple Blocks)
UID (Addressed
モードの場合 )
8 ビット
8 ビット (“23H”)
64 ビット
SOF
先頭の
ブロック数
ブロック番号
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
256 ビット
16 ビット
EOF
必要に応じて繰返し
2-5. Select コマンド
Select コマンドを受信した応答器のうち , リクエストに含まれた UID と一致した応答器は Select 状態に移行して , レス
ポンスを送信します。
一方 , UID と一致しない応答器は , レスポンスを送信せずに Ready 状態に戻ります。Select コマンドは Addressed モード
でのみ使用できます。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Select)
UID ( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“25H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00004-0v03-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
31
MB89R112
2-6. Reset to Ready コマンド
Reset to Ready コマンドを受信した応答器は , Ready 状態に戻ります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Reset to Ready)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“26H”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-7. Write AFI コマンド
Write AFI コマンドを受信した応答器は , AFI のデータを FRAM に書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対
して ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場
合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms
以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Write AFI)
UID
(Addressed モードの場合 )
AFI
CRC
8 ビット
8 ビット (“27H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
32
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
2-8. Lock AFI コマンド
Lock AFI コマンドを受信した応答器は , AFI のデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対
して ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場
合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms
以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
Lock AFI コマンド受信後は , すべてのコマンドで AFI のデータの変更ができなくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Lock AFI)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“28H”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-9. Write DSFID コマンド
Write DSFID コマンドを受信した応答器は , DSFID のデータを FRAM に書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対
して ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた
場合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38
ms 以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Write DSFID)
UID
(Addressed モードの場合 )
DSFID
CRC
8 ビット
8 ビット (“29H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00004-0v03-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
33
MB89R112
2-10. Lock DSFID コマンド
Lock DSFID コマンドを受信した応答器は , DSFID のデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対
して ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた
場合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38
ms 以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
Lock DSFID コマンド受信後は , すべてのコマンドで DSFID のデータの変更ができなくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Lock DSFID)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“2AH”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
34
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
2-11. Get System Information コマンド
Get System Information コマンドを受信した応答器は , UID, AFI, DSFID などのチップ情報を読み出します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Get System Information)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“2BH”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
Information
フラグ
8 ビット
(“00H”)
8 ビット
UID
DSFID
AFI
64 ビット 8 ビット 8 ビット
メモリサイズ
IC
リファレンス
CRC
16 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
以下に Information フラグの定義と Get System Information コマンドのレスポンスに含まれるメモリサイズ情報 ( 応答器
メモリサイズ情報) を示します。ただし, 応答器とメモリサイズ情報のブロックサイズおよびユーザ領域のブロック数は
実際の数より 1 小さい数で示されます。
・ Information フラグの定義
フラグ名称
bit
1
DSFID
2
3
AFI
メモリサイズ
状態
説明
0
DSFID はサポートされていません。/ 存在しません。
1
DSFID はサポートされています。/ 存在します。
0
AFI はサポートされていません。/ 存在しません。
1
AFI はサポートされています。/ 存在します。
0
メモリサイズの情報がサポートされていません。/ 存在しません。
1
メモリサイズの情報がサポートされています。/ 存在します。
0
IC リファレンスの情報がサポートされていません。/ 存在しません。
1
IC リファレンスの情報がサポートされています。/ 存在します。
4
IC リファレンス
5
RFU *
-
6
RFU *
-
7
RFU *
-
8
RFU *
-
常に “0” に設定されています。
* : Reserved for Future Use
(注意事項)MB89R112 では , “0FH” に設定 (Information フラグの bit 1 から bit 4 は “1” に設定 , bit 5 から bit 8 は “0” に設定 )
されます。
・ 応答器メモリサイズ情報
MSB
LSB
16
14 13
RFU *
9 8
ブロックサイズ (1 ブロック単位のバイト数 )
1
ユーザ領域のブロック数
* : Reserved for Future Use
(注意事項)MB89R112 では , ブロックサイズが 32 バイト , ユーザ領域のブロック数が 256 ブロック構成のため , メモリ
サイズ情報は 16 進数で “1FFFH” です。
DS411-00004-0v03-J
35
MB89R112
2-12. Get Multiple Block Security Status コマンド
Get Multiple Block Security Status コマンドを受信した応答器は , システム領域に格納されたブロックセキュリティステー
タスを読み出します。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は , 最大 256 ブロックです。ブロック数には , ブロック数から 1 を引いた値
を指定してください。
先頭のブロック番号は , 8 の倍数値で指定してください。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Get Multiple Block
Security Status)
8 ビット
8 ビット (“2CH”)
UID
先頭の
(Addressed
ブロック数
ブロック番号
モードの場合 )
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
36
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
( 必要に応じて繰返し )
16 ビット
EOF
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
3. Custom コマンドの概要
Custom コマンドには IC 製造者コードが必要です。MB89R112 の IC 製造者コードは “08H” です。
3-1. Fast Inventory コマンド
Fast Inventory コマンドは , Inventory コマンドと同様にアンチコリジョンシーケンスを実行するコマンドです。このレス
ポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
本コマンドでエラーを検出した場合は , エラー応答を返しません。
Inventory_flag ( bit 3) を “1” に設定してください。
AFI_flag (bit 5) を “1” に設定した場合 , Inventory コマンドの Optional AFI 値と応答器で設定された AFI 値が以下の場合
にのみレスポンスを返します。
・Optional AFI 値と応答器の AFI 値が一致した場合
・Optional AFI 値の上位 4 ビットが “0H” かつ下位 4 ビットと応答器の AFI 値の下位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値の下位 4 ビットが “0H” かつ上位 4 ビットと応答器の AFI 値の上位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値が “00H” の場合
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Fast Inventory)
IC 製造者
コード
( 必須 )
Optional
AFI
マスク長
8 ビット
8 ビット (“B1H”)
8 ビット
(“08H”)
8 ビット
8 ビット
マスク値
CRC
EOF
0 ~ 64 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
フラグ
DSFID
UID
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
SOF
DS411-00004-0v03-J
EOF
37
MB89R112
3-2. Refresh System Blocks コマンド
Refresh System Blocks コマンドは , FRAM 内の指定領域に “00H” を書き込みます。
指定領域がシステム領域の場合 , UID 領域以外に “00H” 書込みを行います。
システム領域の “00H” 書込みは一度のみ実行可能です。再び指定領域をシステム領域にした場合 , エラー応答を返しま
す。
ユーザ領域の書込みは何度でも実行可能です。
ただし , 書込みロックされているブロックは , “00H” 書込みを行いません。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 ,“t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対し
て ±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた場
合には , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms
以内に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
バンク番号
Refresh 対象ブロック
00H
ユーザ領域 00H-3FH
01H
ユーザ領域 40H-7FH
02H
ユーザ領域 80H-BFH
03H
ユーザ領域 C0H-FFH
FFH
システム領域 (UID 領域を除く )
上記以外
設定禁止 (10H エラー応答を返します。)
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Refresh System
Blocks)
IC 製造者
コード
UID
(Addressed モードの
場合 )
バンク
番号
CRC
8 ビット
8 ビット (“BCH”)
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
38
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
3-3. Fast Read Single Block コマンド
Fast Read Single Block コマンドは , Read Single Block コマンドと同様に , 要求された 1 ブロックのデータを読み出すコマ
ンドです。このレスポンスは , ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックデータのみを送信します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Fast Read
Single Block)
IC 製造者
コード
( 必須 )
UID
(Addressed
モードの場合 )
ブロック番号
CRC
8 ビット
8 ビット (“C0H”)
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス ( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
256 ビット
16 ビット
SOF
EOF
3-4. Fast Write Single Block コマンド
Fast Write Single Block コマンドは , Write Single Block コマンドと同様にリクエストに含まれる 1 ブロックデータの書込
みを行うコマンドです。このレスポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。書込
み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応
答器は書込み動作の完了後 ,“t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して ±32 / fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも
20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はリーダライタからの単
一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します。( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行われないときはタイムアウト
となり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Fast Write
Single Block)
8 ビット
8 ビット (“C1H”)
UID
IC 製造者
(Addressed ブロック番号
コード
( 必須 ) モードの場合 )
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
データ
CRC
EOF
256 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00004-0v03-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H” )
16 ビット
EOF
39
MB89R112
3-5. Fast Read Multiple Blocks コマンド
Fast Read Multiple Blocks コマンドは , Read Multiple Blocks コマンドと同様に要求された複数の連続したブロックのデー
タを読み出すコマンドです。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 256 ブロックです。このレスポンスは ISO/IEC 15693 で規定される
通常のレスポンスの半分の時間で返します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック読み出すリクエストになります。
また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック読み出すリクエスト (Fast Read Single Block コマンドと同じリクエ
スト ) になります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Fast Read
Multiple Blocks)
8 ビット
8 ビット (“C3H”)
SOF
UID
IC 製造者
先頭の
(Addressed
ブロック数
コード
ブロック番号
( 必須 ) モードの場合 )
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス ( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
256 ビット
16 ビット
EOF
必要に応じて繰返し
40
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
3-6. Read Lock Block コマンド
Read Lock Block コマンドを受信した応答器は , 要求された 1 ブロックのデータを永久的に読出しロック ( 読出し不可 )
します。書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が“0”の場合には, 応答器は書込み動作の完了後, “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数” に対して
± 32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合に
は , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内
に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
Read Lock Block コマンド受信後 , 読出しロックされたブロックを指定した Read Single Block コマンドはエラー応答を返
します。
Read Multiple Blocks コマンドは指定した複数ブロックのうち , 読出しロックされているブロックのデータは “00H” を返
します。
読出しロックされていないブロックは該当するブロックのデータを返します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
8 ビット
UID
コマンド
ブロック
IC 製造者コード
(Read Lock Block)
(Addressed モードの場合 )
番号
8 ビット (“D9H”)
8 ビット (“08H”)
64 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00004-0v03-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
41
MB89R112
3-7. Get Multiple Read Lock Status コマンド
Get Multiple Read Lock Status コマンドを受信した応答器は , システム領域に格納されたリードロックステータスを読み
出します。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は , 最大 256 ブロックです。ブロック数には , ブロック数から 1 を引いた値
を指定してください。
先頭のブロック番号は ,8 の倍数値で指定してください。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Get Multiple
Read Lock
Status)
8 ビット
8 ビット (“DAH”)
UID
IC 製造者
(Addressed
コード
モードの場合 )
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
先頭の
ブロック番号
ブロック数
CRC
8 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
42
フラグ
Read Lock Status
CRC
8 ビット
8 ビット (repeated as required)
16 ビット
EOF
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
4. コマンド実行時間
4-1. Write Single Block コマンド実行時間
Write Single Block コマンドを実行して , FRAM ユーザ領域の全域 (8192 バイト ) に書き込みをするのに必要な最小時間
(Addressed モードで処理 ) は , ベリファイを含めて 4.0s と計算されます。
4-2. Read Multiple Blocks コマンド実行時間
Read Multiple Blocks コマンドを実行して , FRAM ユーザ領域の全域 (8192 バイト ) を読み出すのに必要な最小時間
(Addressedモードで処理)は, 2.5sと計算されます。また, Fast Read Multiple Blocksコマンドの場合は, 1.3sと計算されます。
DS411-00004-0v03-J
43
MB89R112
■ シリアル通信のコマンド
本 LSI のシリアル・インタフェースは , オペコードで指定される 5 種のコマンドを受け付けます。オペコードは下表に示
す 8 ビットからなるコードです。無効なオペコードが入力された場合は無視されます。オペコード入力中に XCS を立上
げるとコマンドは実行されません。
・シリアル・インタフェースのオペコード
コード名
機能
オペコード
READ
ユーザ領域から 16 ビット単位で読み出します。
0000 0011
WRITE
ユーザ領域に 16 ビット単位で書き込みます。
0000 0010
RD_LOCK
ユーザ領域の読出し禁止領域を設定します。
0000 1001
WR_LOCK
ユーザ領域の書込み禁止領域を設定します。
0000 1000
RD_UID
UID を読み出します。
0000 1100
1. READ
READ コマンドは , FRAM メモリセルアレイのデータを 16 ビット単位で読み出します。SI に READ のオペコードと任
意の 16 ビットのアドレスを入力します。アドレスの上位 3 ビットは無効です。SO は SCK の立下りエッジに同期して出
力されます。この読出し中 , SI の値は無効です。XCS を立ち上げると READ コマンドは終了しますが , XCS 立上げ前に
引き続き SCK に 16 サイクルずつクロックを送り続けることで , アドレスを自動インクリメントして読出しを続けるこ
とが可能です。最初の指定アドレスがユーザ領域の場合 , アドレスがユーザ領域の “0FFFH” に達すると “000H” に戻り ,
ユーザ領域の読出しを際限なく続けられます。
最初の指定アドレスがシステム領域のロック情報を格納している領域 (1000H ~ 103FH) の場合 , アドレスが “103FH” に
達すると “1000H” に戻り , ロック情報の読出しを際限なく続けられます。
これ以外のアドレスを指定した場合は無視され , “00H” を出力します。
読出し可能な領域は , ユーザ領域 , 各種 Lock ステータス領域です。指定したブロックが読出しロック状態の場合 , デー
タの変わりに , 16 ビットの “0” が出力されます。
〔SI 入力 : コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 ) → MB89R112〕
オペコード
(READ)
Address
8 ビット
(“03H”)
16 ビット
〔SO 出力 :MB89R112 → コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 )〕
(1) 1 サイクルリードの場合
Data Out
16 ビット
(2) 連続サイクルリードの場合 *
Data Out1
Data Out2
16 ビット
16 ビット
・・・
* :連続サイクルリードは , SCK の停止または , XCS がネゲート (XCS = H) するまで継続します。
XCS
0
1
2
0
0
0
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13
18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39
SCK
SI
SO
OP-CODE
0 0 0 1
16-bit Address
1 X X X 12 11 10 9 . . . 4
MSB
High-Z
3
2
1 0
LSB MSB
Invalid
LSB
Data Out
15 14 13 12 11 10 9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
Invalid
44
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
2. WRITE
WRITE コマンドは FRAM メモリセルアレイに 16 ビット単位でデータを書き込みます。
SI に WRITE のオペコードと任
意の 16 ビットのアドレスおよび 16 ビットの書込みデータを入力します。アドレスの上位 3 ビットは無効です。
16 ビットの書込みデータを入力した段階で FRAM メモリセルアレイに書き込みます。XCS 立上げ前に引き続き書込み
データを16ビットずつ送り続けることで, アドレスを自動インクリメントして書込みを続けることが可能です。“0FFFH”
に達すると “0000H” に戻り , 書込みサイクルは際限なく続けられます。XCS を立ち上げると , WRITE コマンドは終了し
ます。
書込み可能な領域は , ユーザ領域です。指定したブロックがロック状態の場合 , 書込みできず , 書込みは無視されます。
〔SI 入力 : コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 ) → MB89R112〕
(1) 1 サイクルライトの場合
オペコード
(WRITE)
Address
Data
8 ビット
(“02H”)
16 ビット
16 ビット
(2) 連続サイクルライトの場合*
オペコード
(WRITE)
Address
Data1
Data2
8 ビット (“02H”)
16 ビット
16 ビット
16 ビット
・・・
*:連続サイクルライトは , SCK の停止または , XCS がネゲート (XCS = H) するまで継続します。
〔SO 出力 :MB89R112 → コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 )〕
Data Out
なし (High-Z)
XCS
0
1
2
5
6
7
0
0
OP-CODE
0 0 0 0
1
16-bit Address
0 X X X 12 11 10 9 . . . 4
MSB
High-Z
3
4
8
9 10 11 12 13
18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39
SCK
SI
SO
DS411-00004-0v03-J
Data In
3
2
1
0 15 14 13 12 11 10 9
LSB MSB
8
7 6
5
4
3
2
1
0
LSB
45
MB89R112
3. RD_LOCK
RD_LOCK コマンドは , FRAM メモリセルアレイに対し , RF のブロック単位で書込みアクセス制御するコマンドです。
SI に RD_LOCK のオペコードと 1 ビットの読出し可 , 不可の指定と 8 ビットのブロックを入力します。ブロックの指定
は上位 8 ビットで行います。
〔SI 入力 : コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 ) → MB89R112〕
オペコード
(RD_LOCK)
Data In
8 ビット (“09H”)
16 ビット
〔SO 出力 :MB89R112 → コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 )〕
Data Out
なし (High-Z)
機能
備考
Bit15 ~ Bit8
ブロック番号を指定します。
00H ~ FFH ( ユーザ領域 )
Bit7
1: 読出し不可
Data In
Bit6 ~ Bit0
0: 読出し可
未使用
XCS
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
SCK
Data In
OP-CODE
SI
SO
46
0
0
0
0 1
0
0
1 15 14 13 12 11 10 9 8 7 X X X X X X X
High-Z
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
4. WR_LOCK
WR_LOCK コマンドは , FRAM メモリセルアレイに対し , ブロック単位で書込みのアクセス制限をするコマンドです。
SI に WR_LOCK のオペコードと 1 ビットの読出し可 , 不可の指定と 8 ビットのブロックを入力します。ブロックの指定
は上位 8 ビットで行います。
〔SI 入力 : コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 ) → MB89R112〕
オペコード
(WR_LOCK)
Data In
8 ビット (“08H”)
16 ビット
〔SO 出力 :MB89R112 →コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 )〕
Data Out
なし (High-Z)
機能
備考
Bit15 ~ Bit8
ブロック番号を指定します。
00H ~ FFH ( ユーザ領域 )
Bit7
1: 書込み不可
Data In
Bit6 ~ Bit0
0: 書込み可
未使用
XCS
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
SCK
Data In
OP-CODE
SI
SO
DS411-00004-0v03-J
0 0 0 0
1 0 0 0
15 14 13 12 11 10 9 8
7 X X X X X X X
High-Z
47
MB89R112
5. RD_UID
RD_UID コマンドは , UID (64 ビット ) を読み出すコマンドです。
SI に RD_UID のオペコードを入力後 , SCK に 64 サイクルのクロックを入力します。このとき , SI の値は無効です。SO
は , SCK の立下りエッジに同期して出力されます。
RD_UID コマンドでは , UID (64 ビット ) を出力後 , XCS の立上げ前に引き続き SCK を送り続けると , SO は最終ビット
の出力状態を保持します。
〔SI 入力 : コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 ) → MB89R112〕
オペコード
(RD_UID)
8 ビット (“0CH”)
〔SO 出力 :MB89R112 → コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 )〕
Data Out
UID (64bit)
機能
Data Out
Bit63 ~ Bit0
備考
■ データエレメントの定義
UID 出力
「 1. Unique Identifier (UID)」を参照してください。
XCS
0
1
2
3
4
5
6
7
SI
SO
48
8
9 10 11 12 13 14
63 64 65 66 67 68 69 70 71
...
SCK
0
0
OP-CODE
0 1 1 0 0
MSB
High-Z
0
Invalid
Data Out (64bit)
63 62 61 60 59 58 57 56 . . . 7 6
LSB
5
4
3
2
1
0
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
■ 状態遷移図
・状態の定義
MB89R112 の RF 通信中の各状態は , 以下のように定義されます。
・Power-off 状態
:電力が不足している状態。いかなるコマンドも実行できません。
・Ready 状態
:Selected mode 以外のすべてのコマンドを実行します。
・Quiet 状態
:イベントリ以外のコマンドで , Addressed mode のコマンドを実行します。
・Select 状態
:すべてのコマンドを実行します。
状態間の遷移は , 下図に示すパワー状態およびコマンドによって行われます。
・状態遷移図
動作磁界の外へ
Power-off 状態
動作磁界の外へ
動作磁界の外へ
動作磁界の内へ
Select_flag がセットされて
いないすべてのコマンド
Ready 状態
Reset to Ready コマンド
Select_flag がセットされた
Reset to Ready コマンド又は
UID が異なる Select コマンド
Select コマンド (UID)
Stay Quiet コマンド (UID)
Select コマンド (UID)
Select 状態
Quiet 状態
Stay Quiet コマンド (UID)
Address_flag がセットされ , かつ ,
Inventory_flag がセットされてい
ない他のコマンド
DS411-00004-0v03-J
Select_flag がセットされた
他のコマンド
49
MB89R112
■ 絶対最大定格
項目
定格値
記号
最小
最大
単位
備考
PWRP-PWRM 間
最大アンテナ入力電流
Imax
⎯
90
mAP-P
電源電圧
VDD
⎯
4
V
入力電流
IRF
⎯
30
mArms
⎯
2
kV
人体モデル
⎯
200
V
機器モデル
- 55
+ 125
°C
FRAM データリテンション
保証を除く
静電耐圧
|VESD|
保存温度
Tstg
アンテナ接続時
<注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ
ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。
■ 推奨動作条件
項目 1
記号
規格値
単位
備考
10.2
VP-P
アンテナ接続時
⎯
30
%
⎯
100
6.00
⎯
9.44
%
μs
3.0
⎯
t1
μs
t3
0
⎯
4.5
μs
t1
6.00
⎯
9.44
μs
t2
2.1
⎯
t1
μs
最小
標準
最大
VRF
⎯
7.5
ASK 変調度 (10%変調度 )
m
10
ASK 変調度 (100%変調度 )
m
95
t1
t2
最小アンテナ入力電圧
ASK パルス幅 (10%変調時 )
ASK パルス幅 (100% 変調時 )
t3
0
⎯
4.5
μs
t4
0
⎯
0.8
μs
Fin
13.553
13.560
13.567
MHz
動作温度
Ta
3.3
+ 85
3.6
°C
VDD
- 20
3.0
⎯
動作電圧
入力周波数
“H” レベル入力電圧
“L” レベル入力電圧
SPI 端子
XCS, SCK, SI
V
VIH
VDD - 0.3
VDD×0.8
⎯
VDD + 0.3
V
⎯
VDD + 0.3
V
VIL
- 0.3
⎯
+ 0.6
V
シリアル通信
<注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を確保するための条件です。電気的特性の規格値は , すべて
この条件の範囲内で保証されます。
常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると ,
信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。
データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。
記載されて
いる以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。
(注意事項)応答器の通信特性は , 接続するアンテナやリーダライタの特性 , 使用環境により左右されるため , ご使用にな
る条件にて , タグの通信特性を含め動作に問題ないことをご確認ください。
本推奨値は , 入力容量 23 pF 品における以下のアンテナ条件において動作確認したもので , リーダライタから
の動作送信波の推奨条件を規定しています。
外形寸法
:75 mm×46 mm
巻き数
:6
アンテナ幅
:1 mm
アンテナ間ビッチ :0.4 mm
50
DS411-00004-0v03-J
MB89R112
■ 電気的特性
1. 非接触通信
項目
負荷変調抵抗
最小
標準
最大
⎯
1.1
⎯
21.85
23.00
24.15
86.4
96.0
105.6
RIsw
23pF 品
入力容量*
規格値
記号
96pF 品
Cant
単位
備考
kΩ
pF
アンテナ間電圧= 2 Vrms
*:入力容量はいずれかの仕様の選択となり , 型格によって区別されます。
容量値はウェーハのプロセスモニタによる管理とします。
2. シリアル通信
・直流特性
項目
記号
規格値
最小
標準
最大
単位
条件
入力リーク電流
ILI
0
⎯
5
μA
VIN = 0 V ~ VDD
出力リーク電流
ILO
0
⎯
5
μA
VOUT = 0 V ~ VDD
出力端子 Hi-Z 時
動作時
ICC
⎯
97
200 (TBD)
μA
SCK = 2 MHz
パワーダウン時 1
IPD1
⎯
0.01
5 (TBD)
μA
SPI = 0 V またはオープン
XCS, SCK, SI = 0 V または VDD
RF 受信なし
パワーダウン時 2
IPD2
⎯
7
15 (TBD)
μA
SPI = 0 V またはオープン
XCS, SCK, SI = 0 V または VDD
RF 受信中
スタンバイ時
ISB
⎯
25
50 (TBD)
μA
SPI = VDD
XCS, SCK, SI = 0 V または VDD
“H” レベル出力電圧
VOH
VDD×0.8
⎯
VDD
V
IOH =- 1 mA
“L” レベル出力電圧
VOL
0
⎯
0.4
V
IOL = 2 mA
SPI 端子のプルダウン抵抗
RIN
0.8
1
1.2
MΩ
VIN = VDD
電源電流
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51
MB89R112
・交流特性
項目
規格値
記号
最小
最大
単位
SCK クロック周波数
fCK
⎯
2
MHz
クロックハイ時間
tCH
200
⎯
ns
クロックロー時間
tCL
30
⎯
ns
チップセレクトセットアップ時間
tCSU
10
⎯
ns
チップセレクトホールド時間
tCSH
10
⎯
ns
出力ディセーブル時間
tOD
⎯
20
ns
出力データ確定時間
tODV
⎯
35
ns
出力ホールド時間
tOH
0
⎯
ns
非選択時間
tD
200
⎯
ns
データ立上り時間
tR
⎯
50
ns
データ立下り時間
tF
⎯
50
ns
データセットアップ時間
tSU
10
⎯
ns
データホールド時間
tH
10
⎯
ns
・シリアルデータタイミング
tD
tR
tF
XCS
tCSH
tCSU
tCH
SCK
tSU
SI
tCL
tH
Valid in
tODV
SO
High-Z
tOH
tOD
High-Z
: don’t care
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MB89R112
■ 使用上の注意事項
・電波インタフェースに関するその他の注意事項
- 応答器の通信特性は , 接続するアンテナやリーダライタの特性により左右されます。したがって , お客様のアプリ
ケーションで要求される通信距離や設置環境にあわせて , 最適化してください。
- 複数の応答器とアクセスを行う場合には , 応答器どうし , または応答器とリーダライタの干渉により , 通信距離や通
信時間が低下する可能性があります。したがって , 複数の応答器を使用するシステムを設計する場合には , 十分な考
慮をお願いします。
・FRAM の特性
項目
書込み / 読出し耐性 *1
データ保持特性 *2
規格値
最小
最大
1012
⎯
10
⎯
⎯
単位
回 / バイト
年
パラメータ
動作周囲温度 TA =+ 85 °C
動作周囲温度 TA =+ 85 °C
動作周囲温度 TA =+ 70 °C*3
* 1:FRAM は破壊読出しを行なっているため , 書込みおよび読出し回数の合計が書込み / 読出し耐性の最小値です。
* 2:データ保持特性の最小年数は , 出荷直後に初めて読み書きしたデータの保持時間です。
* 3:この保持時間は , 信頼性評価結果からの換算値です。
30
・ISO/IEC 15693 規格との差異
ISO/IEC15693 で規定される機能と MB89R112 の機能との比較を下表に示します。
MB89R112 は , 次の機能はサポートしていませんのでご注意ください。
・ データコーディングでの 1 out of 256 モード
・ 2- サブキャリア
・ Write Multiple Blocks コマンド
・ISO/IEC 15693 と MB89R112 との機能比較
項目
変調方式
データコーディング
サブキャリア
Mandatory コマンド
Optional コマンド
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ISO/IEC15693 規定
MB89R112
ASK 10%
対応
ASK 100%
対応
1 out of 256
未対応
1 out of 4
対応
1- サブキャリア
対応
2- サブキャリア
未対応
Inventory コマンド
対応
Stay Quiet コマンド
対応
Read Single Block コマンド
対応
Write Single Block コマンド
対応
Lock Block コマンド
対応
Read Multiple Blocks コマンド
対応
Write Multiple Blocks コマンド
未対応
Select コマンド
対応
Reset to Ready コマンド
対応
Write AFI コマンド
対応
Lock AFI コマンド
対応
Write DSFID コマンド
対応
Lock DSFID コマンド
対応
Get System Information コマンド
対応
Get Multiple Block Security Status コマンド
対応
53
MB89R112
■ ウェーハ形状品の推奨実装条件
FRAM データ保持特性を維持するため , チップを実装する際には , 以下に示すような条件で実装されることを推奨しま
す。
- 実装温度+ 175 °C 以下 , 高温印加時間 120 分以下 あるいは
- 実装温度+ 200 °C 以下 , 高温印加時間 60 秒以下
+200
温度 [ °C]
温度 [ °C]
+175
+25
+25
120
時間 [min]
54
60
時間 [s]
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MB89R112
■ パッケージ品のリフロー条件および保管期限
JEDEC 条件 : Moisture Sensitivity Level 3 (IPC/JEDEC J-STD-020D)
実装前に書き込まれたデータを実装後に保持することは保証しておりません。チップ実装後は , Refresh System Blocks
コマンドですべての FRAM メモリ領域のクリアを行うことを推奨します。
DS411-00004-0v03-J
55
MB89R112
■ オーダ型格
型格
MB89R112A1-DIAP15-JN
MB89R112A1-DIAP15-JNP1
MB89R112A2-DIAP15-JN
MB89R112A2-DIAP15-JNP1
型格
入力容量
出荷形態
23pF
96pF
ウェーハ ( ダイシングフレーム )
金メッキバンプ付き
ウェーハ厚:150 μm±25.4 μm
入力容量
出荷形態
IC の向き
プラスチック・QFN, 24 ピン
(LCC-24P-M64)
EF タイプ *
エンボステーピング
ER タイプ *
MB89R112B1QN-G-AMEFE1
23pF
MB89R112B2QN-G-AMEFE1
96pF
MB89R112B1QN-G-AMERE1
23pF
MB89R112B2QN-G-AMERE1
96pF
不良チップ表示
ウェーハマップ
インクマーク
ウェーハマップ
インクマーク
*:IC の方向
࡮EF ࠲ࠗࡊ
㧔࡝࡯࡞஥㧕
࡮ER ࠲ࠗࡊ
Index mark 㧔ᒁ಴஥㧕
Index mark
㧔ᒁ಴஥㧕
㧔࡝࡯࡞஥㧕
56
㧔ᒁ಴஥㧕
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MB89R112
■ パッケージ・外形寸法図
ࡊ࡜ࠬ࠴࠶ࠢ࡮QFN, 24 ࡇࡦ
࡝࡯࠼ࡇ࠶࠴
0.50 mm
ࡄ࠶ࠤ࡯ࠫ᏷˜
ࡄ࠶ࠤ࡯ࠫ㐳ߐ
4.0 mm ˜ 4.0 mm
ኽᱛᣇᴺ
ࡊ࡜ࠬ࠴࠶ࠢࡕ࡯࡞࠼
ขઃߌ㜞ߐ
0.75 mm Max.
⾰㊂
0.035 g
(LCC-24P-M64)
ࡊ࡜ࠬ࠴࠶ࠢ࡮QFN, 24 ࡇࡦ
㧔LCC-24P-M64㧕
2.60±0.10
(.102±.004)
4.00±0.07
(.157±.003)
INDEX AREA
4.00±0.07
(.157±.003)
2.60±0.10
(.102±.004)
0.50(.020)
TYP
0.22±0.05
(.009±.002)
0.40±0.07
(.016±.003)
1PIN CORNER
(C0.30(C.012))
0.70±0.05
(.028±.002)
(0.05(.002)) MAX
C
2010 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED HMbc24-64Sc-1-1
(0.15(.006))
න૏㧦mm 㧔inches㧕
ᵈᗧ㧦᜝ᒐౝߩ୯ߪෳ⠨୯ߢߔ‫ޕ‬
(注意事項)プリント基板実装時に , パッケージのセンターパッドの下にフローティングエリアを確保する必要があるた
め , グランド部分は接着しないでください。
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■ 本版での主な変更内容
変更箇所は , 本文中のページ左側の|によって示しています。
ページ
場所
変更箇所
■ 概要
文章変更
1
■ 特長
データ保持特性を変更
10 年 (+85 °C) → 10 年 (+85 °C), 30 年 (+70 °C)
2
■ 端子機能説明
表に「入出力」の列を追加
■ シリアル・インタフェース
以下の文章を追加
6. 電源投入
「VDD が 2 V を切った後に電源の再立ち上げを行なう場合は , 誤動
・切断時の XCS レベル保持時間について 作を回避するために VDD を 0 V から立ち上げる必要があります
( 下図参照 ) 。」
( 注意事項 ) の文章を削除
「・中間レベルからの電源 ON は誤動作の原因となるため , 電源
ON 時は VDD を 0 V から立ち上げてください。」
7
( 注意事項 ) の文章を表下へ移動
「・規定されたリードサイクル , ライトサイクル , 電源投入・切断
シーケンスを守らない動作が実行された場合 , 記憶データの保証
はしていません。」
8
■ メモリ
1. メモリマップ
・FRAM のメモリ構成表を変更
・“ ロック領域 ” を “FRAM のメモリ構成 ” の下へ移動
10
3. ロック領域
表を変更し , P8 の “・FRAM のメモリ構成 ” の下へ移動
11
・AFI の種類
分類の誤記を訂正
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンド Nb_slots_flag の説明を変更
を選択 [Inventory_flag=”1”])
0 : 16 スロット
1 : 1 スロット
18
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンド
以外を選択 [Inventory_flag=”0”])
Select_flag の説明を訂正
0 : Address_flag の内容によって実行します。
1 : Select モード (Select 状態の応答器のみレスポンスを返します。
) Address_flag は,“0” に設定します。
■ 非接触通信のコマンド
( 注意事項 ) を削除
36
2-12. Get Multiple Block Security Status コ
マンド
一度のリクエストで読出し可能なブロック数を修正
最大 “64” → “256”
40
3-5. Fast Read Multiple Blocks コマンド
( 注意事項 ) を削除
42
3-7. Get Multiple Read Lock Status コマンド 以下の文章追加。一度のリクエストで読出し可能なブロック数は ,
最大 256 ブロックです。
49
■状態遷移図
図中の状態遷移の説明を訂正
50
■ 推奨動作条件
最小アンテナ入力電圧の標準値と最大値を変更
( 標準 ) 6.2, ( 最大 ) 6.5 → ( 標準 ) 7.5, ( 最大 ) 10.2
53
■ 使用上の注意事項
54
■ ウェーハ形状品の推奨実装条件
31
2-4. Read Multiple Blocks コマンド
「・FRAM の信頼性」を「・FRAM の特性」にし , 表での表示に変
更
図下の文章を削除 ( パッケージ品の内容を間違えて記載 )
■ パッケージ品のリフロー条件および保 JEDEC 規格準拠へ変更
管期限
55
58
以下の文章を追加
「実装前に書き込まれたデータを実装後に保持することは保証して
おりません。チップ実装後は , Refresh System Blocks コマンドです
べての FRAM メモリ領域のクリアを行うことを推奨します。」
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MB89R112
MEMO
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富士通セミコンダクター株式会社
〒 222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜 2-100-45 新横浜中央ビル
http://jp.fujitsu.com/fsl/
電子デバイス製品に関するお問い合わせ先
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携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。
※ 電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。
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との保証を行うものではありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害などについて , 当社はその責任
を負いません。
本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい
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核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵器システムにおけるミサイル発
射制御など), または極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星など)に使用されるよう設計・製造されたものではありません。し
たがって , これらの用途へのご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に当社営業窓口までご相談ください。ご相談なく使用されたことにより発生した損
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編集 システムメモリ事業部