MB89R119B

FUJITSU SEMICONDUCTOR
DS411-00002-2v1-J
DATA SHEET
ASSP
ISO/IEC 15693 準拠 FRAM 搭載
高速 RFID LSI
MB89R119B
■ 概要
MB89R119B は , FRAM を 256 バイト搭載した近傍型 RFID 用 LSI で , 高速 , 高頻度書換えを特長とします。
■ 特長
・ メモリ容量:FRAM 256 バイト ( ユーザ領域:232 バイト )
・ 1 ブロック 4 バイト , 64 ブロック構成
・ 高速データ送受信:26.48 kbps
・ Fast コマンド対応 ( データ送信:52.97 kbps) ( 応答器→リーダライタ )
・ キャリア周波数:13.56 MHz
・ アンチコリジョン機能:40 枚 /s (ASK 100%使用時 )
・ 書込み / 読出し耐性:1012 回
・ データ保持特性:10 年 ( + 85 °C), 30 年 ( + 70 °C)
・ 64 ビット UID
・ FRAM メモリデータ保護
・ 盗難防止 (EAS) コマンド
・ 通信永久停止 (Kill) コマンド
・ 通信仕様:ISO/IEC 15693 準拠 ( 一部未対応 *)
・ ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) 準拠 ( 一部未対応 *)
*:「■使用上の注意事項」を参照してください。
(注意事項)FerVID family は富士通セミコンダクター株式会社の登録商標です。
■ ブロックダイヤグラム
アナログ RF インタフェース
デジタルコントロール
FRAM
整流器
アンテナ
コイル
クロック発生器
VDD
I/O
R/W
電源電圧制御
変調器
コマンド
クロック FRAM アクセス
データ出力
データ出力
アンチコリジョン データ入力
復調器
データ入力
Copyright 2012-2015 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED
2015.8
256 バイト
MB89R119B
■ メモリマップ
MB89R119B は , FRAM メモリで構成される内部メモリを持ちます。
・FRAM の構成
FRAM は , 232 バイトのユーザ領域と , 24 バイトのシステム領域で構成されます。
この FRAM は , トータルとして 58( ユーザ領域 ) + 6( システム領域 ) = 64 のブロックで構成され , 各ブロックは 32 ビッ
ト (4 バイト ) のデータから構成されています。
ブロックは FRAM データの書込みまたは読出しを規定するための単位です。以下に , FRAM のメモリ構成を示します。
・FRAM のメモリ構成
領域
ブロック番号
詳 細
ユーザ領域 (232 バイト )
00H ~ 39H
ユーザ領域
○
○
3AH
RFU*
○
×
3BH
UID1 (1 ~ 32 ビット )
○
×
3CH
UID2 (33 ~ 64 ビット )
○
×
3DH
EAS, AFI, DSFID, IC リファレンス
○
一部可能
3EH, 3FH
ブロックセキュリティステータス
○
×
システム領域 (24 バイト )
データ読出し データ書込み
*:Reserved for future use
ブロック番号 “00H” から “39H” までがユーザ領域にあたります。ユーザ領域は , ブロックアドレスの指定によってアクセ
スが可能な領域です。一方 , ブロック番号 “3AH” から “3FH” までがシステム領域にあたり , 特定のコマンドによってのみ
アクセスが可能な領域です。
システム領域は , 6 ブロック構成で RFU, UID, AFI, DSFID, EAS, IC リファレンスおよび各ブロックのセキュリティ状態
( 書込み不可かどうか ) のデータが入っています。ここで , UID, IC リファレンスおよび RFU の書換えはできません。
AFI, DSFID および EAS ビットは出荷時にデータが書き込まれ , コマンドにより書き換えたり , ロック ( 書込み不可 ) す
ることが可能です (EAS ビットはロックできません ) 。
表に示すように , “3BH“ と “3CH“ は UID, “3EH” と “3FH” がユーザ領域および AFI, DSFID のセキュリティ状態のデータ
に使用されます。
“3DH” ~ “3FH” ブロックの構成を以下に示します。“3DH” ブロックは , EAS ビット , AFI, DSFID と IC リファレンスで構
成されます。
“3EH” と “3FH” ブロックは , ブロックセキュリティ状態のデータが入っています。
・“3DH” の構成
MSB
32
31
EAS ビット
25 24
Internally used
17 16
LSB
1
9 8
IC リファレンス
DSFID
AFI
・“3EH” および “3FH” の構成
ユーザブロック 1FH のブロックセキュリティステータス (BSS)
MSB
32
31
• • •
26
• • •
• • •
3EH
3FH
LSB
AFI ロック DSFID ロック
RFU * (4 ビット ) 39H の BSS
ステータス ステータス
1
00H の BSS
• • •
20H の BSS
* : Reserved for future use
ユーザ領域のセキュリティ状態のデータは , “3EH“ と “3FH” の 2 ブロックのブロックセキュリティステータスビットに
各ブロック 1 ビットずつ格納されています。ブロックセキュリティステータスが “0” データのときはロック ( 書込み不
可状態 ) されていない状態 , “1” データのときはロックされていることを示します。同様に AFI と DSFID のセキュリティ
状態のデータは , “3FH“ の AFI ロックステータス , DSFID ロックステータスに格納されています。
EAS ビットは 1 ビットで構成され , EAS ステータスの設定に利用されます。
なお , MB89R119B では , コマンド 1 回あたり最大で 2 ブロックのデータ書込み , 64 ブロックのデータ読出しが可能です。
2
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MB89R119B
■ データエレメントの定義
1. Unique Identifier (UID)
MB89R119B には , ISO/IEC 15693-3 に準拠した 64 ビットの UID があります。UID は , アンチコリジョンアルゴリズムに
おいて , 各応答器を区別するために使用されます。
UID は , 以下の 3 項目から構成されています。
・ “E0H” と固定される 8 ビットデータ (bit 57 ~ bit 64)
・ ISO/IEC 7816-6/AMI で定義された 8 ビットの IC 製造者コード (bit 49 ~ bit 56, “08H” で固定 )
・ 弊社が付与する 48 ビットのユニークなシリアルナンバ (bit 1 ~ bit 48)
MB89R119B における弊社が付与する 48 ビットのユニークなシリアルナンバのうち , bit 41 ~ bit 48 の 1 バイトは
MB89R119B を表すコード “02H” として使用します。また , bit 1 ~ bit 40 の 5 バイトはその他シリアルナンバとして使用
します。
・UID の構成
MSB
64
LSB
57 56
“E0H”
49 48
IC 製造者
コード
“08H”
41 40
“02H”
1
その他シリアルナンバ
弊社が付与するユニークなシリアルナンバ
2. Application Family Identifier (AFI)
AFI は応答器で設定したアプリケーションの種類を示します。
AFI はコマンドによって , 書き込めます。AFI は 8 ビットのデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。
AFI の出荷初期値は “00H” です。
・AFI の種類
分野選択
(bit 8 ~ bit 5)
詳細項目選択
(bit 4 ~ bit 1)
“0”
X
X
“0”
“1”
“2”
“3”
“4”
“5”
“6”
“7”
“8”
“9”
“A”
“B”
“C”
“D”
“E”
“F”
アプリケーション使用分野
例 / 詳細
“0”
“0”
Y
Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
“0”, Y
すべてのアプリケーションに対応
すべての X 分野に対応
X 分野の Y 項目のみ対応
Y 項目をもつすべての分野に対応
交通
金融
個人認証
電気通信
医療
マルチメディア
ゲーム
データ格納
EAN-UCC システム
ISO/IEC JTC 1/SC 31
UPU
IATA
アプリケーションの指定なし
分野のみ指定
⎯
⎯
“0”, Y
“0”, Y
RFU *
大型輸送 , バス , 航空
IEP, 銀行 , 小売業
アクセス制御
公共電話通信 , GSM
⎯
インターネットサービス
⎯
携帯ファイル
ISO/IEC JTC 1/SC 31 が管理
ISO/IEC 15418 規定のデータ識別子
ISO/IEC JTC 1/SC 31 が管理
ISO/IEC JTC 1 が管理
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
ISO/IEC JTC 1/SC 17 が管理
* : Reserved for future use
(注意事項)X,Y は , 共に “1” ~ “F” までを表します。
AFI_flag (bit 5) がセットされている状態では , 下記のようになります。
・応答器が AFI をサポートしていない場合:すべてのリクエストに対して無応答です。
・応答器が AFI をサポートしている場合:リーダライタからの AFI 指定が一致したときのみ応答します。
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3. Data Storage Format Identifier (DSFID)
DSFID は , データが応答器 LSI メモリでどのように構成されているかを示します。DSFID はコマンドによって , 書き込
めます。
DSFID は 8 ビットのデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。DSFID の出荷初期値は “01H” です。
4. Cyclic Redundancy Check (CRC)
フレームを構成するキャラクタに関しては , CRC 値が正当であった場合のみ , 受信側が正しいデータを受信したと解釈
します。エラーチェックのため , 2 バイトの CRC 値がデータと EOF の間に組み込まれています。
CRC 値は , SOF から CRC フィールドの間に含まれるフレーム内のすべてのデータから求められます。計算方法は ISO/
IEC 13239 に規定され , 詳細は ISO/IEC 15693-3 および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) に規定されています。CRC チェック
で使用される初期値は ISO/IEC 15693-3 の規定に従い “FFFFH” です。
CRC は , 最下位バイト , 最下位ビットから送信されます。
・CRC ビット / バイトの転送規則
LSByte
LSBit
MSByte
MSBit LSBit
CRC 16 (8 ビット )
MSBit
CRC 16 (8 ビット )
CRC 送信 最初のビット位置
5. Electronic Article Surveillance (EAS) ステータス
EAS ステータスは 1 ビットのデータで , FRAM のシステム領域に格納されます。初期値は “1” です。EAS ビットが “1” の
場合は物品監視状態を意味して , EAS ビットが “0” の場合は物品監視解除を意味します。EAS ステータスは Write EAS
コマンドで書き込むことが可能です。また, Read Single BlockなどのRead系コマンドでステータスを確認できます (“3DH”
ブロックを指定:
「■ メモリマップ」を参照してください ) 。
EAS コマンドとゲートリーダなどを組み合わせて盗難防止セキュリティ機能を持たせることができます。
4
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MB89R119B
■ 機能説明
1. リーダライタから応答器への通信
(1) 変調方式
MB89R119B は ASK10% 変調と ASK100% 変調の 2 種類をサポートします。
変調度mは, 以下に示す変調波形図において, m=(a-b)/(a+b)として定義されます。ここでaとbは, それぞれリーダ
ライタから送信される磁界強度の振幅の最大値と最小値です。
・ASK10% の変調波形図
hr
y
y
hf
t3
t2
t1
a
b
13.56 MHz
・ASK100 % の変調波形図
t3
t1
t4
105 %
95 %
60 %
a
5%
t2
b
13.56 MHz
t1, t2, t3 の最大値 , 最小値は “ 推奨動作条件 ” にて規定します。ここで , y は 0.05(a - b), hf と hr の最大値は 0.1(a - b) です。
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MB89R119B
(2) データレートとデータコーディング
MB89R119B は 1 out of 4 モードのみをサポートします (1 out of 256 モードはサポートしていません )。
1 out of 4 モードでは , 2 ビットの信号を 75.52 μs の区間中に下図のようにコーディングします。
このときのデータレートは , 26.48 kbps (fc/512) です。信号は下位ビットから送信されます。
・1 out of 4 モードのコーディング方式
・“00B” のパルス位置
9.44 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“01B” のパルス位置 (1 = LSB)
28.32 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“10B” のパルス位置 (0 = LSB)
47.20 μs
9.44 μs
75.52 μs
・“11B” のパルス位置
66.08 μs
9.44 μs
75.52 μs
(3) データフレーム
各データフレームは , スタートオブフレーム (SOF) で始まり , エンドオブフレーム (EOF) で終了します。リーダラ
イタにフレームを送信し終えて 300 μs 以内に , リーダライタからのフレームを受信できます。また , パワー印加後
1 ms 以内に , リーダライタからのフレームを受信できます。
・リーダライタから送信されるフレームの SOF および EOF の波形
SOF
9.44 μs
9.44 μs
37.76 μs
9.44 μs
37.76 μs
EOF
37.76 μs
6
9.44 μs
9.44 μs
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MB89R119B
2. 応答器からリーダライタへの通信
・ 最小負荷変調振幅 Vlm:10 mV (ISO/IEC 10373-7 による )
・ 負荷変調サブキャリア周波数 fs: 423.75 kHz (fc/32)
MB89R119B は 1- サブキャリア方式のみをサポートします (2- サブキャリア方式は
サポートしていません )。
・ データレート
: データレートには , 以下の 2 モードが存在します。
・Low データレート
・High データレート
これらのデータレートは , 以降で述べるリーダライタから送信される Data_rate_flag (bit 2) で指
定します。データレートは , Low 時が 6.62 kbps (fc/2048), High 時が 26.48 kbps (fc/512) です。
また , カスタム高速コマンド受信時は , 2 倍のデータレートで応答器から通信を行います。この
時も Low データレートと High データレートの 2 モードが存在し , Data_rate_flag (bit 2) で指定
します。データレートは , Low 時が 13.24 kbps (fc/1024) , High 時が 52.97 kbps (fc/256) です。
(1) ビットコーディング
ビットコーディングは , Manchester 方式を使用します。通常コマンド受信時の High データレートの変調信号およ
びカスタム高速コマンド受信時の High データレートの変調信号を以下に示します。通常コマンド , カスタム高速
コマンドともに Low データレート時には , サブキャリアのパルス数とデータ転送時間が 4 倍になります。
・通常コマンド High データレート時の負荷変調された信号波形
・ロジック 0
423.75 kHz
サブキャリア
18.88 μs ( 変調 )
18.88 μs ( 無変調 )
37.76 μs
・ロジック 1
423.75 kHz サブキャリア
18.88 μs ( 無変調 )
18.88 μs ( 変調 )
37.76 μs
・カスタム高速コマンド High データレート応答時の負荷変調された信号波形
・ロジック 0
9.44 μs
( 変調 )
9.44 μs ( 無変調 )
18.88 μs
・ロジック 1
9.44 μs
( 無変調 )
9.44 μs ( 変調 )
18.88 μs
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MB89R119B
(2) データフレーム
応答器から送信される各データフレームはスタートオブフレーム (SOF) で始まり , エンドオブフレーム (EOF) で終
了します。通常コマンド受信時の High データレートの SOF および EOF, カスタム高速コマンド受信時の High
データレートの SOF および EOF を以下に示します。
通常コマンド , カスタム高速コマンドともに Low データレート時には , サブキャリアのパルス数およびデータ転送
時間が 4 倍になります。
リーダライタは応答器にフレームを送信し終えた後の 300 μs 以内に , 応答器からのフレームを受信可能にする必要
があります。
・通常コマンド時に応答器から送信されるフレームの SOF および EOF の波形
・SOF
423.75 kHz サブキャリア
56.64 μs
56.64 μs
37.76 μs
・EOF
37.76 μs
56.64 μs
56.64 μs
・カスタム高速コマンド時に応答器から送信されるフレームの SOF および EOF の波形
・SOF
423.75 kHz
サブキャリア
28.32 μs
28.32 μs
18.88 μs
・EOF
423.75 kHz
サブキャリア
18.88 μs
8
28.32 μs
28.32 μs
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MB89R119B
3. データ書込み中電源途絶時の FRAM データ保護
MB89R119B は , FRAM へ 1 バイトごとのアクセスを行っています。アクセス中に電源供給の途絶があった場合には , LSI
上の平滑容量に蓄積された電荷により FRAM へのアクセス動作を完了し , データの誤書込みを防止します。
このため , Write AFI, Write DSFID, Write EAS, Lock 系コマンドに関して , 電源途絶時にもデータを保証します。
また Write Single Block コマンドなど複数バイトデータの書込みコマンドに関しては , 電源途絶時にすべてのデータ書込
みが終了していない可能性があります。この場合は , 正常にデータ書込みが行われたのか , Read 系のコマンドを使って
ご確認ください。
4. リクエスト / レスポンス
リーダライタから応答器には “ リクエスト ” が送信され , それに対応して応答器からリーダライタへ “ レスポンス ” を
送信します。
リクエストとレスポンスは各 1 個のフレームに含まれます。
・リクエスト / レスポンスの構成
リクエストは , 以下の 5 つのフィールドで構成されます。
・ フラグ
・ コマンドコード
・ パラメータ ( コマンドによって強制的に , あるいはオプションとして追加されます。)
・ アプリケーションデータ
・ CRC
また , レスポンスは , 以下の 4 つのフィールドで構成されます。
・ フラグ
・ パラメータ ( コマンドによって強制的に , あるいはオプションとして追加されます。)
・ アプリケーションデータ
・ CRC
各バイトは , 下位ビットから送信します。また , 複数のバイトを送信する場合には , 下位バイトから転送します。
5. 動作モード
MB89R119B の動作モードには , 以下の 3 種類があります。
それぞれ , リーダライタからのリクエストに対して応答器がレスポンスを返すメカニズムを規定しています。
・Addressed モード
Addressed モードは ,Address_flag が “1” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは , リクエストは UID を含み ( 同時に Address_flag は “1” に設定されています ), リクエストに含まれた
UID が一致した応答器のみがレスポンスを返します。一致しない場合は , レスポンスを返しません。
・Non-Addressed モード
Non-Addressed モードは , Address_flag が “0” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは , リクエストは UID を含みません。リクエストを受信した応答器は , コマンドに従って実行・応答を行い
ます。
・Select モード
Select モードは , Select_flag が “1”, かつ Address_flag が “0” にセットされた場合に選択されます。
このモードでは , UID をリクエストに含めないでください。コマンドを受信した応答器のうち , Select 状態にあるものの
みがコマンドに従って実行・応答を行います。
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6. リクエストのフォーマット
下図に典型的なリクエストのデータフォーマットを , 下表にリクエストフラグの各ビットの構成を示します。
・リクエスト・フレームの構成
SOF
フラグ
コマンドコード
パラメータ
データ
CRC
EOF
・bit 1 ~ bit 4 の設定
bit
フラグ名称
1
Sub-carrier_flag
2
Data_rate_flag
3
Inventory_flag
4
Protocol_Extension_flag
状態 / 説明
1/0
0
1- サブキャリアを選択
1
2- サブキャリアを選択 ( サポートしていません。)
0
Low データレート (6.62 kbps) を選択
1
High データレート (26.48 kbps) を選択
0
Inventory コマンド以外のコマンドを選択
1
Inventory コマンドを選択
0
プロトコル拡張なし
1
プロトコル拡張あり (RFU)
*:Reserved for Future use
(注意事項)bit 3 の “Inventory_flag” によって , “Inventory コマンド ” を使用 (“1” を選択 ) するか , その他のコマンドを使用
(“0” を選択 ) するかを決定します。
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンドを選択 [Inventory_flag=“1”])
bit
フラグ名称
5
AFI_flag
6
Nb_slots_flag
7
Option_flag
8
RFU *
状態 / 説明
1/0
0
AFI の設定なし
1
AFI の設定あり ( 応答器は AFI が一致すると応答します。)
0
16 スロット
1
1 スロット
0
コマンドのオプション設定なし
1
コマンドのオプションあり ( サポートしていません。)
0
“0” に設定してください。
⎯
1
* : Reserved for future use
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンド以外を選択 [Inventory_flag=“0”])
bit
フラグ名称
5
Select_flag
6
Address_flag
7
Option_flag
8
RFU *
状態 / 説明
1/0
0
Address_flag の内容によって実行します。
1
Select モード (Select 状態の応答器のみレスポンスを返します。)
Address_flag は,“0” に設定します。
0
Non Addressed モード ( コマンドに UID を含みません。)
1
Addressed モード ( コマンドに UID を含みます。)
0
コマンドのオプション設定なし (Option_flag のサポートがないコ
マンドは “0” を選択してください。)
1
コマンドのオプション設定あり。
0
“0” に設定してください。
1
⎯
* : Reserved for future use
10
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MB89R119B
7. レスポンスのフォーマット
下図に典型的なレスポンスのデータフォーマットを , 下表にレスポンスフラグとエラーコードの定義を示します。
Error_flag (bit 1) が “1” にセットされた場合には , エラーコードフィールドが設けられます。つまり , Error_flag (bit 1) が
“0” の場合はエラーなし , “1” の場合は何らかのエラーが発生したことを示します。
・レスポンス・フレームの構成
SOF
フラグ
パラメータ
データ
CRC
EOF
・レスポンスフラグの定義
bit
フラグ名称
1
Error_flag
2
3
4
0
エラーなし。
1
エラーあり。
RFU
*
0
“0” に設定されます。
RFU
*
0
“0” に設定されます。
0
“0” に設定されます。
RFU
*
0
“0” に設定されます。
0
“0” に設定されます。
Extension_flag
5
状 態
ステート
RFU
*
7
RFU
*
0
“0” に設定されます。
8
RFU *
0
“0” に設定されます。
6
* : Reserved for future use
・エラーコードの定義
意 味
エラーコード
“01”
コマンドがサポートされていません。
例)コマンドコードエラー
“02”
コマンドが認識できません。
例 ) フォーマット・エラー
“03”
オプションがサポートされていません。
“10”
指定されたブロックは利用できません ( 存在しません ) 。
“11”
指定されたブロックはロック済みであり , 再ロックできません。
“12”
指定されたブロックはロック済みであり , 内容を変更することはできません。
“13”
指定されたブロックに , 正常に書込みできません ( 書込み時のベリファイでエラーが発生しました ) 。
“14”
指定されたブロックを , 正常にロックできません ( ロック時のベリファイでエラーが発生しました ) 。
8. アンチコリジョンアルゴリズム
MB89R119B では , ISO/IEC 15693-3 に準拠したアルゴリズムでアンチコリジョンループを実行します。
アンチコリジョンアルゴリズムでは , リーダライタの通信領域に存在する複数の応答器に対して , UID をベースに調査
します。
リーダライタは , Inventory コマンドを発行し , 応答器は「10. 応答器における Inventory コマンドの実行」で詳述するアル
ゴリズムに従ってレスポンスを返信するか , 無応答状態となります。
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MB89R119B
9. リクエストパラメータ
・リクエストパラメータの設定
Inventory コマンドを発行する場合 , リーダライタは以下の設定を行ってください。
・ リクエストフラグにおける Nb_slots_flag (bit 6) を所定の値に設定します。
“0”:16 スロット ( 複数応答器対応 )
“1”:1 スロット ( 単数応答器対応 )
・ マスク長とマスク値をコマンドコードの後に付加します。
・ マスク長は , マスク値のデータ長をビットで表します。
・ マスク値は , 整数バイト長のデータで , 下位ビットから送信します。もし , マスクするデータ長が 8( ビット ) の倍数で
なければ , バイト単位のデータ長になるように , マスク値の MSB 側に 0 がパディングされます。
下図に , マスク値にパディングを行った例を示します。マスク長は 12 ビットであるため , バイト単位のデータ長になる
ように(この場合は 2 バイト =16 ビット)マスク値の MSB 側から 4 ビットがパディングされています。
また 「6.
,
リクエストのフォーマット」の「リクエスト・フレームの構成」において , AFI-flag (bit 5) がセットされた場合
には , AFI フィールドが付加されます。コマンドの終了時には ,「1. リーダライタから応答器への通信」に記載の EOF が
送信され , その後 , 直ちに第 1 スロットが開始されます。次のスロットに移る場合 , リーダライタは EOF を送信します。
・コマンドのフォーマット
SOF
フラグ
コマンドコード
Optional
AFI
マスク長
マスク値
CRC
8 ビット
8 ビット
8 ビット
8 ビット
0 ~ 64 ビット
16 ビット
・マスク値にパディングを施した例
MSB
12
EOF
LSB
0000
0100 1100 1111
Pad
マスク値
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MB89R119B
10.応答器における Inventory コマンドの実行
応答器は , Inventory コマンドから送信されたマスク値と EOF の送信回数から決定されるスロット数の結合値が UID と
等しい場合に , レスポンスを送信します。
・応答器の実行アルゴリズム
下図に , Inventory コマンドを受信した場合の応答器の実行アルゴリズムを示します。また , 次図に , UID とマスク値の関
係を示します。
・Inventory コマンドに対する応答器の実行アルゴリズム
NbS
SN
LSB (value, n)
&
Slot_Frame
:スロット (1 または 16) の合計
:カレントのスロット数
:Value 値の n 個の Least Significant Bit
:結合演算子
:SOF または EOF
SN = 0
Nb_slots_flag=1?
YES
NO
NbS = 1
SN_length=0
NbS = 16
SN_length=4
LSB (UID, SN_length +マスク長 ) =
LSB (SN, SN_length) & LSB ( マスク ,
マスク長 ) ?
YES
レスポンス送信
NO
Wait (Slot_Frame)
Slot_Frame=SOF?
YES
NO
Slot_Frame=EOF?
NO
YES
処理終了
処理終了
SN < NbS-1
NO
YES
SN = SN + 1
DS411-00002-2v1-J
処理終了
13
MB89R119B
・マスク値 , スロット数と UID の比較
[Inventory コマンド ( リーダライタ側 ) ]
パディング
Inventory コマンドは , マスク値とマスク長を含みます。
マスク値は , バイト単位 (8 ビットの倍数 ) になるように
上位ビット側に “0” をパディングします。
000・・・
マスク値
(Inventory コマンド指定 )
マスク長
Inventory コマンドを受信すると , スロット
カウンタを “0” にリセットします。
スロット
カウンタ
EOF を受信すると , 応答器はスロット
カウンタのインクリメントを開始します。
スロット数 マスク値 ( パディングなし )
応答器の UID の最下位ビットと比較します。
マスク値と一致した場合は , 応答器がレスポ
ンスを返します。
無視
比較
Unique Identifier (UID)
MSB
14
[Unique Identifier ( 応答器側 ) ]
LSB
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
11.アンチコリジョンシーケンス
・アンチコリジョンシーケンスの実行
スロット数が 16 の場合 , 典型的なアンチコリジョンシーケンスは以下のように実行されます。
(1) リーダライタが , Inventory コマンドを送信します。スロット数はリクエストフラグ中の Nb_slots_flag ビットを “0” と
することで設定されます。
(2)Inventory コマンドの EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 1 がスロット 0 でレスポンスを返します。こ
のとき , 他の応答器からのレスポンスはなく , リーダライタが , 応答器 1 の UID を認識します。
(3) リーダライタが応答器 1 からのレスポンスを受信後 , 最低 t2_a 時間待って EOF を送信し , 次のスロットに移ります。
(4) スロット 1 では , リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 2 と応答器 3 が
レスポンスしたため , リーダライタは 2 つの応答器の UID を認識できず , スロット 1 でコリジョンが発生したこと
を記憶します。
(5) リーダライタが応答器 2 と応答器 3 からのレスポンスを受信後 , 最低 t2_a 時間待って EOF を送信し , 次のスロット
に移ります。
(6) スロット 2 では , 応答器からのレスポンスは検出されず , リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点に
し最低 t3_a 時間待って EOF を送信して次のスロットに移ります。
(7) スロット 3 では , リーダライタから送信された EOF の立上り時間を起点にし t1_a 時間後に , 応答器 4 と応答器 5 か
らのレスポンスにより , 別のコリジョンが発生します。
(8) アンチコリジョンシーケンス中にリーダライタは , UID が取得されている応答器 1 に対するリクエスト ( 例えば , 後
述する Read Single Block コマンド ) を送信したとします。
(9) すべての応答器は SOF を受信することにより , アンチコリジョンシーケンスから抜け出します。このとき , Addressed
モードが使用されることにより , 応答器 1 のみがレスポンスを返します。
(10) すべての応答器は , リーダライタからの別のリクエストを受け付けることができます。もう一度 Inventory コマンド
を実行する場合には , スロット番号は 0 からスタートすることになります。
(注意事項)t1_a, t2_a と t3_a については ,「12. タイミングに関する定義」を参照してください。
DS411-00002-2v1-J
15
MB89R119B
・アンチコリジョンシーケンスの 1 例
Slot 0
Slot_Counter (1)
リーダライタ
SOF
Inventory
コマンド
EOF
Slot 1
(3)
EOF
(2)
(4)
Response 1
Response 2
MB89R119B
Response 3
タイミング
t1_a
状態
t1_a
Slot 2
EOF
t2_a
コリジョン発生
コリジョンなし
Slot_Counter (5)
リーダライタ
t2_a
Slot 3
(6)
(7)
EOF
EOF
Response 4
MB89R119B
Response 5
タイミング
t3_a
状態
t1_a
コリジョン発生
無応答
Slot_Counter
t2_a
(8)
リーダライタ
SOF
コマンド
( 応答器 1)
(9)
EOF
Response
( 応答器 1)
MB89R119B
タイミング
t3_a
t1_a
状態
16
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
12.タイミングに関する定義
(1) リーダライタの EOF 送信から MB89R119B の送信開始までの待ち時間:t1_a
MB89R119B は , リーダライタから送信された EOF の検出後 , レスポンスを送信するまで t1_a の応答待ち時間を持ちま
す。t1_a は EOF の立上り時間を起点にし , 最小値 : 4320/fc (318.6 μs), 公称値 : 4352/fc (320.9 μs), 最大値 : 4384/fc (323.3 μs)
が定義されます。
t1_a 時間内にリーダライタからの ASK100% 変調信号を検出した場合 , t1_a 時間はリセットされ , さらに t1_a 時間待ち
ます。また , t1_a 時間内に ASK10% 変調信号を検出しても , 変調信号を無視してそのまま t1_a 時間だけ送信開始を待ち
ます。
ISO/IEC 15693-3, および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格において , Write 系コマンドの応答待ち時間 t1_a の最大値は
定義されていませんが , MB89R119B では応答待ち時間 t1_a を上記と同様に最小値 : 4320/fc (318.6 μs), 公称値 : 4352/fc
(320.9 μs), 最大値 : 4384/fc (323.3 μs)と定義します。Option_flag を “1” にした場合の応答タイミング条件は , 各コマンド
の説明で記載するタイミングに従ってください。
(2) リーダライタの EOF 送信から MB89R119B の変調無視時間:tmit
MB89R119B は , リーダライタから送信された EOF の検出後 , tmit の時間リーダライタからの ASK10% 変調信号を無視
します。tmit は , EOF の立上がり時間を起点にし , その最小値は 4384/fc (323.3 μs) +tnrt と定義します。ここで , tnrt は
MB89R119B の応答時間を表します。
(3) リーダライタのリクエスト送信待ち時間:t2_a
ISO/IEC 15693-3, および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格においてリーダライタは , リクエスト (Inventory コマンドと
Stay Quiet コマンドを除く ) に対する応答器からのレスポンスを受信した場合 , 次のリクエストを送信するまで t2_a の
待ち時間(最小値は 309.2 μs) が必要であると定義されます。
また , Stay Quiet コマンド , Kill コマンドなど , レスポンスを返さないコマンドあるいは MB89R119B からレスポンスが
ない場合 , リーダライタから送信されるリクエストの EOF 立上りから 309.2 μs 後にコマンド受信が可能になります。
(4) Inventory リクエストにおけるリーダライタのリクエスト送信待ち時間:t2inv
Inventory コマンドの実行時には , リーダライタは EOF を送信して次のスロットへ移ります。この場合の待ち時間は ,
応答器からのレスポンスの有無によって , 以下のように定義されます。
- リーダライタが 1 個以上の応答を受け取った場合:t2invwr
ISO/IEC 15693-3, および ISO/IEC 18000-3 ( モード 1) の規格において , リーダライタが 1 個以上のレスポンスを受
信した場合には, 応答器のレスポンスの完了(リーダライタがEOFを受信した場合, もしくはtnrtが経過したとき)
を待ち , さらに , t2_a の待ち時間経過後 , ASK10% あるいは ASK100% の EOF を送信して次のスロットへの変更
を行ないます。
- リーダライタが応答を受け取らなかった場合:t3_a
MB89R119B からのレスポンスがない場合 , リーダライタは EOF を送信するまで t3_a の待ち時間が必要です。こ
こで , t3_a はその前に送信された EOF の立上がりエッジを起点とします。t3_a の最小値はそれぞれ以下のとおり
に定義します。
a) リーダライタが ASK10% 変調の EOF を送信した場合
t3_a (ASK10%) の最小値は「・タイミング仕様」に示した 4384/fc (323.3 μs)+ tnrt になります。
b) リーダライタが ASK100% 変調の EOF を送信した場合
t3_a (ASK100%) の最小値は「・タイミング仕様」に示した 4384/fc (323.3 μs)+ tsof になります。
tnrt : 応答器の応答時間
tsof : 応答器からリーダライタに SOF 信号を送信する時間
DS411-00002-2v1-J
17
MB89R119B
・ASK10% および ASK100% 信号における t3_a 時間の解釈
リーダライタ
Inventory
コマンド
SOF
新規コマンド
( あるいは EOF 信号 )
EOF
応答なし
MB89R119B
t1_a
t3_a (ASK100 %)
t3_a (ASK10 %)
タイミング
tsof
tnrt
ASK10% 信号を
受信可能
ASK10% 信号を無視
MB89R119B の
信号処理
ASK100% 信号
受信後 , t1_a 時間を
リセットする。
ASK100%
信号を無視
ASK100% 信号を受信可能
・ タイミング仕様
最小
標準
最大
t1_a
4320/fc (318.6 μs)
4352/fc(320.9 μs)
4384/fc (323.3 μs)
tmit
4384/fc (323.3 μs)+ tnrt
⎯
⎯
t2_a
4192/fc (309.2 μs)
⎯
⎯
t2invwr
t2_a + tnrt
⎯
⎯
t3_a (ASK10%)
4384/fc (323.3 μs)+ tnrt
⎯
⎯
t3_a (ASK100%)
4384/fc (323.3 μs)+ tsof
⎯
⎯
⎯
Low データレート : 15708.16 μs
High データレート : 3927.04 μs
高速 Low データレート : 7854.08 μs
高速 High データレート : 1963.52 μs
⎯
⎯
Low データレート :
High データレート :
高速 Low データレート :
高速 High データレート :
μs
μs
μs
μs
⎯
tnrt
tsof
18
604.16
151.04
302.08
75.52
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
■ コマンド一覧
MB89R119B のコマンドコードは , ISO/IEC 15693-3 に規定された Mandatory コマンドおよび Optional コマンドをサポー
トしています ( 一部未対応:詳細は「■使用上の注意事項」を参照してください ) 。
Custom コマンドとしては , 以下のコマンドをサポートしています。
・ EAS コマンド
:盗難防止 , 商品監視で使用します。
・ Write EAS コマンド :EAS ビットの書込みをします。
・ Fast コマンド
:レスポンス時間を通常コマンドの半分にします。
・ Kill コマンド
:タグの機能を無効にします。
・コマンドリスト
コマンド
コード
コマンド名
“01H”
Inventory
Mandatory アンチコリジョンシーケンスを実行し , UID を取得します。
“02H”
Stay Quiet
Mandatory Quiet 状態に移行します。
“20H”
Read Single Block
Optional
ユーザ領域 / システム領域の指定された 1 ブロックのデータを読み出
します。
“21H”
Write Single Block
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックにデータを書き込みます。
“22H”
Lock Block
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックをロック ( 書込み不可 ) 状態にし
ます。
“23H”
Read Multiple Blocks
Optional
ユーザ領域 / システム領域の指定された最大 64 ブロックのデータを
読み出します。
“24H”
Write Multiple Blocks
Optional
ユーザ領域の指定された 1 ブロックあるいは 2 ブロックのデータを
書き込みます。
“25H”
Select
Optional
タグを Select ( 選択通信 ) 状態にします。
“26H”
Reset to Ready
Optional
タグを Ready ( 通信可能 ) 状態にします。
“27H”
Write AFI
Optional
FRAM に AFI (Application Family Identifier) のデータを書き込みます。
“28H”
Lock AFI
Optional
AFI (Application Family Identifier) のデータをロック ( 書込み不可 ) 状態
にします。
“29H”
Write DSFID
Optional
DSFID (Data Storage Format Identifier) のデータを FRAM に書き込みま
す。
“2AH”
Lock DSFID
Optional
DSFID (Data Storage Format Identifier) のデータをロック ( 書込み不可 )
状態にします。
“2BH”
Get System Information
Optional
チップの UID, DSFID, AFI, 1 ブロックに格納できるバイト数 , ユーザ
領域のブロック数 , IC の情報を読み出します。
“2CH”
Get Multiple Block
Security Status
Optional
システム領域に格納されたブロックセキュリティステータスの情報
を読み出します。
“A0H”
EAS
Custom
EAS ビットが “1” に設定されている場合のみレスポンス ( レスポンス
コードを 6 回繰返し ) を返します。
“A1H”
Write EAS
Custom
EAS のデータを書き込みます。1 ビット構成になっていて , データが
“0” のときは盗難防止解除 , 物品管理解除となり , データが “1” のとき
は物品管理状態に設定されます。
“A6H”
Kill
Custom
タグを無効状態にします。
“B1H”
Fast Inventory
Custom
高速応答する Inventory コマンドです。
“C3H”
Fast Read Multiple
Blocks
Custom
高速応答する Read Multiple Blocks コマンドです。
“C4H”
Fast Write Multiple
Blocks
Custom
高速応答する Write Multiple Blocks コマンドです。
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コマンド
タイプ
詳細
19
MB89R119B
■ コマンド概要
1. Mandatory コマンドの概要
1-1. Inventory コマンド
Inventory コマンドは , アンチコリジョンシーケンスを実行するコマンドです。
本コマンドでエラーを検出した場合は , エラー応答を返しません。
Inventory_flag(bit 3) を “1” に設定してください。
AFI_flag(bit 5) を “1” に設定した場合 , Inventory コマンドの Optional AFI 値と応答器で設定された AFI 値が以下の場合の
みレスポンスを返します。
・Optional AFI 値と応答器の AFI 値が一致した場合
・Optional AFI 値の上位 4 ビットが “0H” かつ下位 4 ビットと応答器の AFI 値の下位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値の下位 4 ビットが “0H” かつ上位 4 ビットと応答器の AFI 値の上位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値が “00H” の場合
例えば , 応答器の AFI 値が “69H” の場合には , Optional AFI 値が “69H”, “60H”, “09H”, “00H” に設定された場合のみレスポ
ンスを返します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Inventory)
Optional
AFI
マスク長
マスク値
CRC
8 ビット
8 ビット (“01H”)
8 ビット
8 ビット
0 ~ 64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
SOF
フラグ
DSFID
UID
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
1-2. Stay Quiet コマンド
Stay Quiet コマンドを受信した応答器は , Quiet 状態に移行します。レスポンスはエラーも含めて送信を行いません。
Quiet 状態では , Inventory_flag (bit 3) が “1” に設定されたリクエストの実行は行わず , Address_flag (bit 6) が “1” に設定さ
れたコマンドのみを実行します。
応答器が Quiet 状態から抜け出すのは , 以下のいずれかの場合のみです。
・Power-off の状態
・Select コマンドを受信した場合。Select 状態に移行します。
・Reset to Ready コマンドを受信した場合。Ready 状態に移行します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Stay Quiet)
UID( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“02H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
無応答
20
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
2. Optional コマンドの概要
2-1. Read Single Block コマンド
Read Single Block コマンドを受信した応答器は,要求された 1 ブロックのデータを読み出します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には,応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は,該当するブロックのデータのみを送信します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
UID
コマンド
(Read Single Block) (Addressed モードの場合 ) ブロック番号
フラグ
SOF
8 ビット
8 ビット (“20H”)
64 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
32 ビット
16 ビット
SOF
EOF
2-2. Write Single Block コマンド
Write Single Block コマンドを受信した応答器は , リクエストに含まれる 1 ブロックデータを書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には ,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に
行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
UID
コマンド
ブロック
(Write Single Block) (Addressed モードの場合 )
番号
8 ビット
8 ビット (“21H”)
64 ビット
8 ビット
データ
CRC
EOF
32 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00002-2v1-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
21
MB89R119B
2-3. Lock Block コマンド
Lock Block コマンドを受信した応答器は , 要求された 1 ブロックのデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には ,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に
行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
Lock Block コマンド受信後 , ロックされたブロックは , “Write Single (Multiple) Block(s)” コマンドでデータの変更ができ
なくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Lock Block)
8 ビット
8 ビット (“22H”)
SOF
UID
(Addressed モードの場合 ) ブロック番号
64 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2)Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
2-4. Read Multiple Blocks コマンド
Read Multiple Blocks コマンドを受信した応答器は , 要求された複数の連続したブロックのデータを読み出します。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 64 ブロックです。
Option_flag (bit7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。ブロック数を “06H” と
表記すると , 7 ブロック 読み出すリクエストになります。また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック 読み出す
リクエスト (Read Single Block コマンドと同じリクエスト ) になります。ブロック数は最大 “3FH” まで表記可能です。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Read Multiple Blocks)
UID (Addressed
モードの場合 )
8 ビット
8 ビット (“23H”)
64 ビット
先頭の
ブロック数
ブロック番号
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
ブロックセキュリティステータス
( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
必要に応じて繰返し
22
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
2-5. Write Multiple Blocks コマンド
Write Multiple Blocks コマンドを受信した応答器は , リクエストに含まれる複数の連続したブロック・データの書込みを
行います。一度のリクエストで書込み可能なブロック数は最大 2 ブロックです。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。また , Read Multiple Blocks コマンド
と同様 , リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。ブロック数を
“01H” と表記すると , 2 ブロック書き込むリクエストになります。また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック書
き込むリクエスト (Write Single Block コマンドと同じリクエスト ) になります。
リクエストで指定したブロックのうち少なくとも 1 つがロックされていた場合は , 書込みを行わずエラー応答を送信し
ます。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には
, 応答器は EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行われないときはタイム
アウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
UID
コマンド
(Addressed
フラグ (Write Multiple
Blocks)
モードの場合 )
8 ビット 8 ビット (“24H”)
64 ビット
先頭の
ブロック
番号
ブロック数
8 ビット
8 ビット
データ
CRC
EOF
32 または 64 ビット 16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-6. Select コマンド
Select コマンドを受信した応答器のうち,リクエストに含まれた UID と一致した応答器は Select 状態に移行して,レスポ
ンスを送信します。
一方,
UID と一致しない応答器は,レスポンスを送信せずに Ready 状態に戻ります。Select コマンドは Addressed モードで
のみ使用できます。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Select)
UID ( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“25H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00002-2v1-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
23
MB89R119B
2-7. Reset to Ready コマンド
Reset to Ready コマンドを受信した応答器は , Ready 状態に戻ります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Reset to Ready)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“26H”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-8. Write AFI コマンド
Write AFI コマンドを受信した応答器は , AFI のデータを FRAM に書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には
, 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に
行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Write AFI)
UID
(Addressed モードの場合 )
AFI
CRC
8 ビット
8 ビット (“27H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
24
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
2-9. Lock AFI コマンド
Lock AFI コマンドを受信した応答器は , AFI のデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には
, 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に
行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
Lock AFI コマンド受信後は , “Write AFI” コマンドで AFI のデータの変更ができなくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
フラグ
コマンド
(Lock AFI)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“28H”)
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
SOF
EOF
2-10. Write DSFID コマンド
Write DSFID コマンドを受信した応答器は , DSFID のデータを FRAM に書き込みます。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた場合に
は , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内
に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Write DSFID)
UID
(Addressed モードの場合 )
DSFID
CRC
8 ビット
8 ビット (“29H”)
64 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00002-2v1-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
25
MB89R119B
2-11. Lock DSFID コマンド
Lock DSFID コマンドを受信した応答器は , DSFID のデータを永久的にロック ( 書込み不可 ) します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。
Option_flag (bit 7) が “1” にセットされた場合に
は , 応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内
に行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
Lock DSFID コマンド受信後は , “Write DSFID” コマンドで DSFID のデータの変更ができなくなります。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Lock DSFID)
UID
(Addressed モードの場合 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“2AH”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
26
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
2-12. Get System Information コマンド
Get System Information コマンドを受信した応答器は , UID, AFI, DSFID などのチップ情報を読み出します。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
UID
コマンド
(Get System Information) (Addressed モードの場合 )
フラグ
SOF
8 ビット
8 ビット (“2BH”)
64 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
SOF
(2) Error_flag がセットされない場合
Information
SOF
UID
フラグ
フラグ
8 ビット
(“00H”)
8 ビット
64 ビット
EOF
DSFID
AFI
メモリサイズ
IC
リファレンス
CRC
8 ビット
8 ビット
16 ビット
8 ビット
16 ビット
EOF
以下に Information フラグの定義と Get System Information コマンドのレスポンスに含まれるメモリサイズ情報 ( 応答器
メモリサイズ情報 ) を示します。ただし , 応答器メモリサイズ情報のブロックサイズおよびユーザ領域のブロック数は実
際の数より 1 小さい数で示されます。
・ Information フラグの定義
フラグ名称
bit
1
DSFID
2
3
AFI
メモリサイズ
状態
説明
0
DSFID はサポートされていません / 存在しません。
1
DSFID はサポートされています / 存在します。
0
AFI はサポートされていません / 存在しません。
1
AFI はサポートされています / 存在します。
0
メモリサイズの情報がサポートされていません / 存在しません。
1
メモリサイズの情報がサポートされています / 存在します。
0
IC リファレンスの情報がサポートされていません / 存在しません。
1
IC リファレンスの情報がサポートされています / 存在します。
4
IC リファレンス
5
RFU *
-
6
RFU *
-
7
RFU *
-
8
RFU *
-
常に “0” に設定されています。
* : Reserved for future use
(注意事項)MB89R119B では , “0FH” に設定 (Information フラグの bit 1 から bit 4 は “1” に設定 , bit 5 から bit 8 は “0” に
設定 ) されます。
・ 応答器メモリサイズ情報
MSB
LSB
16
14 13
RFU *
9 8
ブロックサイズ (1 ブロック単位のバイト数 )
1
ユーザ領域のブロック数
* : Reserved for future use
(注意事項)MB89R119B では , ブロックサイズが 4 バイト , ユーザ領域のブロック数が 58 ブロック構成なので , メモリサ
イズ情報は 16 進数で “0339H” となります。
DS411-00002-2v1-J
27
MB89R119B
2-13. Get Multiple Block Security Status コマンド
Get Multiple Block Security Status コマンドを受信した応答器は,システム領域に格納されたブロックセキュリティステー
タスを読み出します。
一度のリクエストで読出し可能なブロック数は , 最大 58 ブロックです。ブロック数には , ブロック数から 1 を引いた値
を指定してください。
先頭のブロック番号は , 8 の倍数値で指定してください。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド
(Get Multiple Block
Security Status)
8 ビット
8 ビット (“2CH”)
UID
先頭の
(Addressed
ブロック数
ブロック番号
モードの場合 )
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
28
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス
CRC
8 ビット (“00H”)
8 ビット
( 必要に応じて繰返し )
16 ビット
EOF
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
3. Custom コマンド
Custom コマンドには IC 製造者コードが必要です。MB89R119B の IC 製造者コードは “08H” です。
3-1. EAS コマンド
EAS コマンドを受信した応答器は , EAS ビットが “1” の場合 , 指定されたフラグ (“00H”) の後にレスポンスコード “5AH”
を 6 回応答し , EAS ビットが “0” の場合には , 無応答となります。このコマンドは , Ready 状態のみ実行が可能です。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (EAS)
IC 製造者コード ( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“A0H”)
8 ビット (“08H”)
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
フラグ
レスポンスコード
CRC
8 ビット (“00H”)
48 ビット (“5AH” を 6 回繰返す )
16 ビット
SOF
EOF
3-2. Write EAS コマンド
Write EAS コマンドを受信した応答器は , EAS ビットを FRAM に書き込みます。
書込み時にベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。
盗難防止解除あるいは物品監視解除時に “00H” を , 物品監視時には “01H” を EAS データとして設定してください。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32/fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合は ,
応答器はリーダライタからの単一 EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に
行われないときはタイムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります )。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF フラグ
UID
IC 製造者コード
(Addressed モードの場合 )
( 必須 )
コマンド
(Write EAS)
8 ビット 8 ビット (“A1H”)
8 ビット (“08H”)
64 ビット
データ
CRC
8 ビット
(“00H” また
は “01H”)
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H”)
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
DS411-00002-2v1-J
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
29
MB89R119B
3-3. Kill コマンド
Kill コマンドを受信した応答器は , リーダライタからのすべてのコマンドに対して一切の処理を行わない , 無応答状態
(Dead 状態 ) になります。仮に応答器を磁界外に出した (Power-Off 状態 ) 後に再び磁界内に入れた (Power-On 状態 ) として
も , Ready 状態には復帰しません。すべてのコマンドに対して一切の行いません。また応答も返しません。
・リクエスト
〔リーダライタ→応答器〕
SOF
フラグ
コマンド (Kill)
IC 製造者コード ( 必須 )
UID ( 必須 )
CRC
8 ビット
8 ビット (“A6H”)
8 ビット (“08H”)
64 ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
〔応答器→リーダライタ〕
SOF
フラグ
CRC
8 ビット (“00H”)
16 ビット
EOF
(注意事項)Kill コマンド受信後は , すべてのコマンドを実行できなくなりますので , Kill コマンドの使用には十分注意し
てください。
3-4. Fast Inventory コマンド
Fast Inventory コマンドは , Inventory コマンドと同様にアンチコリジョンシーケンスを実行するコマンドです。このレス
ポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。本コマンドでエラーを検出した場合
は , エラー応答を返しません。
Inventory_flag(bit 3) を “1” に設定してください。
AFI_flag(bit 5) を “1” に設定した場合 , Inventory コマンドの Optional AFI 値と応答器で設定された AFI 値が以下の場合に
のみレスポンスを返します。
・Optional AFI 値と応答器の AFI 値が一致した場合
・Optional AFI 値の上位 4 ビットが “0H” かつ下位 4 ビットと応答器の AFI 値の下位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値の下位 4 ビットが “0H” かつ上位 4 ビットと応答器の AFI 値の上位 4 ビットが一致した場合
・Optional AFI 値が “00H” の場合
例えば , 応答器の AFI 値が “69H” の場合には , Optional AFI 値が “69H”, “60H”, “09H”, “00H” に設定された場合のみ , レス
ポンスを返します。
・リクエスト
[ リーダライタ→応答器 ]
SOF
フラグ
コマンド
(Fast Inventory)
IC 製造者
コード
( 必須 )
Optional
AFI
マスク長
8 ビット
8 ビット (“B1H”)
8 ビット
(“08H”)
8 ビット
8 ビット
マスク値
CRC
EOF
0 ~ 64 ビット 16 ビット
・レスポンス
[ 応答器→リーダライタ ]
SOF
30
フラグ
DSFID
UID
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
EOF
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
3-5. Fast Read Multiple Blocks コマンド
Fast Read Multiple Blocks コマンドは , Read Multiple Blocks コマンドと同様に要求された複数の連続したブロックのデー
タを読み出すコマンドです。一度のリクエストで読出し可能なブロック数は最大 64 ブロックです。
このレスポンスは ,
ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合には , 応答器はブロックセキュリティステータスを追加します。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合は , 該当するブロックのデータのみを送信します。
リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。ブロック数を “06H” と
表記すると , 7 ブロック読み出すリクエストになります。
ブロック数は最大 “3FH” まで表示可能です。
また , ブロック数を “00H” と表記すると , 1 ブロック読み出すリクエスト (Read Single Block コマンドと同じリクエスト
) になります。
・リクエスト
[ リーダライタ→応答器 ]
フラグ
コマンド
(Fast Read
Multiple Blocks)
8 ビット
8 ビット (“C3H”)
SOF
UID
IC 製造者
先頭の
(Addressed
ブロック数
コード
ブロック番号
( 必須 ) モードの場合 )
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
CRC
EOF
16 ビット
・レスポンス
[ 応答器→リーダライタ ]
(1) Error_flag がセットされた場合
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
SOF
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
フラグ
ブロックセキュリティ
ステータス ( オプション )
データ
CRC
8 ビット (“00H” )
8 ビット
64 ビット
16 ビット
SOF
EOF
必要に応じて繰返し
DS411-00002-2v1-J
31
MB89R119B
3-6. Fast Write Multiple Blocks コマンド
Fast Write Multiple Blocks コマンドは , Write Multiple Blocks コマンドと同様にリクエストに含まれる複数の連続したブ
ロックデータの書込みを行うコマンドです。一度のリクエストで書込み可能なブロック数は最大2ブロックです。このレ
スポンスは ISO/IEC 15693 で規定される通常のレスポンスの半分の時間で返します。
書込み時にはベリファイ動作を行い , データ不一致の場合はエラー応答を返します。また , Read Multiple Blocks コマンド
と同様 , リクエストに含まれるブロック数は , 応答器が送信するブロック数から 1 を引いた値になります。
ブロック数を “01H” と表記すると , 2 ブロック書き込むリクエストになります。また , ブロック数を “00H” と表記すると ,
1 ブロック書き込むリクエストになります。
リクエストで指定したブロックのうち少なくとも 1 つがロックされていた場合は , 書込みを行わずエラー応答を送信し
ます。
Option_flag (bit 7) が “0” の場合には , 応答器は書込み動作の完了後 , “t1nom (320.9 μs) + 4096/fc (302.1 μs) の倍数 ” に対して
±32 / fc (2.4 μs) の精度で , 遅くとも 20 ms 以内にレスポンスを送信します。Option_flag (bit 7) が “1” に設定された場合に
は , 応答器は EOF の受信を待ってレスポンスを返します ( ただし , 単一 EOF 送信が 38 ms 以内に行われないときはタイ
ムアウトとなり , コマンドの受信が可能になります ) 。
・コマンド
[ リーダライタ→応答器 ]
SOF
フラグ
8 ビット
コマンド IC 製造者
UID
先頭の
(Fast Write
(Addressed ブロック ブロック
コード
Multiple
数
番号
( 必須 ) モードの場合 )
Blocks)
8 ビット
(“C4H”)
8 ビット
(“08H”)
64 ビット
8 ビット
8 ビット
データ
CRC
32 または 64
ビット
16 ビット
EOF
・レスポンス
[ 応答器→リーダライタ ]
(1) Error_flag がセットされた場合
SOF
フラグ
エラーコード
CRC
8 ビット (“01H” )
8 ビット
16 ビット
EOF
(2) Error_flag がセットされない場合
SOF
フラグ
CRC
8 ビット (“00H” )
16 ビット
EOF
4. コマンド実行時間
4-1. Write Multiple Blocks コマンド実行時間
Write Multiple Blocks コマンドを実行して , FRAM ユーザ領域の全域 (232 バイト ) に書き込みをするのに必要な最小時間
(Addressed モードで処理 ) は , ベリファイを含めて 249 ms と計算されます。
4-2. Read Multiple Blocks コマンド実行時間
Read Multiple Blocks コマンドを実行して FRAM ユーザ領域の全域 (232 バイト ) の読出しをするのに必要な最小時間
(Addressed モードで処理 ) は , 76 ms と計算されます。また , Fast Read Multiple Blocks コマンドの場合は , 41 ms と計算さ
れます。
32
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
■ 状態遷移図
・状態の定義
MB89R119B の各状態は,以下のように定義されます。
・ Power-off 状態 :リーダライタからの電圧が不足して,応答器が動作しない状態
・ Ready 状態
:Select_flag がセットされていない場合に,すべてのコマンドを実行できる状態
・ Quiet 状態
:Inventory_flag がセットされず,Address_flag がセットされたコマンドを実行できる状態
・ Select 状態
:Select_flag がセットされたコマンドを実行できる状態
状態間の遷移は,下図に示すパワー状態およびコマンドによって行われます。
・状態遷移図
動作磁界の外へ
Power-off 状態
動作磁界の外へ
動作磁界の外へ
動作磁界の中へ
Select_flag がセットされて
いないすべてのコマンド
Ready 状態
Reset to Ready コマンド
Select_flag がセットされた
Reset to Ready コマンド又は
UID が異なる Select コマンド
Select コマンド (UID)
Stay Quiet コマンド (UID)
Select コマンド (UID)
Select 状態
Quiet 状態
Stay Quiet (UID) コマンド
Address_flag がセットされ , かつ ,
Inventory_flag がセットされていな
い他のコマンド
DS411-00002-2v1-J
Select_flag がセットされた
他のコマンド
33
MB89R119B
■ 絶対最大定格
項目
定格値
記号
最小
最大
単位
最大アンテナ入力電流
Imax
⎯
90
mAp-p
入力電流
IRF
⎯
30
mArms
静電耐圧
|VESD|
⎯
2
kV
保存温度
Tstg
+ 125
°C
- 55
備考
アンテナ接続時
人体モデル
<注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ
ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。
■ 推奨動作条件
項目
記号
規格値
単位
備考
最小
標準
最大
VRF
⎯
7.5
10.2
Vp-p
アンテナ接続時
ASK 変調度(10% 変調時)
m
10
⎯
30
%
アンテナ接続時
ASK 変調度(100% 変調時)
m
95
⎯
100
%
アンテナ接続時
t1
6.0
⎯
9.44
μs
アンテナ接続時
t2
3.0
⎯
t1
μs
アンテナ接続時
t3
0
⎯
4.5
μs
アンテナ接続時
t1
6.0
⎯
9.44
μs
アンテナ接続時
t2
2.1
⎯
t1
μs
アンテナ接続時
t3
1.0
⎯
4.5
μs
アンテナ接続時
t4
0
⎯
0.8
μs
アンテナ接続時
入力周波数
Fin
13.553
13.560
13.567
MHz
アンテナ接続時
動作温度
Ta
- 20
⎯
+ 85
°C
最小アンテナ入力電圧
ASK パルス幅(10% 変調時)
ASK パルス幅
(100% 変調時)
<注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を確保するための条件です。電気的特性の規格値は , すべて
この条件の範囲内で保証されます。
常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると ,
信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。
データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。
記載されて
いる以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。
(注意事項)応答器の通信特性は , 接続するアンテナやリーダライタの特性 , 使用環境により左右されるため , ご使用にな
る条件にて , タグの通信特性を含め動作に問題ないことをご確認ください。
本推奨値は , 入力容量 24pF 品における以下のアンテナ条件において動作確認したもので , リーダライタから
の動作送信波の推奨条件を規定しています。
外形寸法
:75 mm×46 mm
巻き数
:6
アンテナ幅
:1 mm
アンテナ間ビッチ :0.4 mm
34
DS411-00002-2v1-J
MB89R119B
■ 電気的特性
項目
記号
負荷変調抵抗
入力容量*
*
RIsw
24pF 品
96pF 品
Cant
規格値
最小
標準
最大
⎯
1.1
⎯
22.8
24.0
25.2
86.4
96.0
105.6
単位
備考
kΩ
pF
アンテナ間電圧= 2 Vrms
入力容量は何れかの仕様の選択となり , 型格によって区別されます。
容量値はウェーハのプロセスモニタによる管理とします。
DS411-00002-2v1-J
35
MB89R119B
■ 使用上の注意事項
・電波インタフェースに関するその他の注意事項
- 応答器の通信特性は,接続するアンテナやリーダライタの特性により左右されます。従って,お客様のアプリケー
ションで要求される通信距離や設置環境にあわせて,最適化してください。
- 複数の応答器とアクセスを行う場合には,応答器どうし,または応答器とリーダライタの干渉により,通信距離や通
信時間が低下する可能性があります。したがって,複数の応答器を使用するシステムを設計する場合には,十分な考
慮をお願いします。
・FRAM の特性
項目
書込み / 読出し耐性 *1
データ保持特性 *2
規格値
最小
最大
1012
⎯
10
⎯
⎯
単位
回 / バイト
年
パラメータ
動作周囲温度 TA =+ 85 °C
動作周囲温度 TA =+ 85 °C
動作周囲温度 TA =+ 70 °C*3
* 1:FRAM は破壊読出しを行なっているため , 書込みおよび読出し回数の合計が書込み / 読出し耐性の最小値です。
* 2:データ保持特性の最小年数は , 出荷直後に初めて読み書きしたデータの保持時間です。
* 3:この保持時間は , 信頼性評価結果からの換算値です。
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・ISO/IEC 15693 規格との差異
ISO/IEC15693 で規定される機能と MB89R119B の機能との比較を下表に示します。
MB89R119B は,次の機能をサポートしていませんのでご注意ください。
・データコーディングでの 1 out of 256 モード
・2- サブキャリア
なお,Read Multiple Blocks コマンドは,最大 64 ブロック ,Write Multiple Blocks コマンドは,最大 2 ブロックまでの対応と
なります。
・ISO/IEC 15693 と MB89R119B との機能比較
項目
変調方式
データコーディング
サブキャリア
Mandatory コマンド
Optional コマンド
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ISO/IEC15693 規定
MB89R119B
ASK 10%
対応
ASK 100%
対応
1 out of 256
未対応
1 out of 4
対応
1- サブキャリア
対応
2- サブキャリア
未対応
Inventory コマンド
対応
Stay Quiet コマンド
対応
Read Single Block コマンド
対応
Write Single Block コマンド
対応
Lock Block コマンド
対応
Read Multiple Blocks コマンド
最大 64 ブロックまで対応
Write Multiple Blocks コマンド
最大 2 ブロックまで対応
Select コマンド
対応
Reset to Ready コマンド
対応
Write AFI コマンド
対応
Lock AFI コマンド
対応
Write DSFID コマンド
対応
Lock DSFID コマンド
対応
Get System Information コマンド
対応
Get Multiple Block Security Status コマンド
対応
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MB89R119B
■ ウェーハ形状品の推奨実装条件
FRAM データ保持特性を維持するため , チップを実装する際には , 以下に示すような条件で実装されることを推奨しま
す。
- 実装温度+ 175 °C 以下 , 高温印加時間 120 分以下 あるいは
- 実装温度+ 200 °C 以下 , 高温印加時間 60 秒以下
+200
温度 [ °C]
温度 [ °C]
+175
+25
+25
120
時間 [min]
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60
時間 [s]
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■ オーダ型格
型格
MB89R119B1-DIAP15-JN
MB89R119B1-DIAP15-JNP1
MB89R119B2-DIAP15-JN
MB89R119B2-DIAP15-JNP1
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入力容量
出荷形態
24pF
ウェーハ ( ダイシングフレーム )
金メッキバンプ付き
ウェーハ厚 :150 μm±25.4 μm
96pF
不良チップ表示
ウェーハマップ
インクマーク
ウェーハマップ
インクマーク
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MB89R119B
■ 本版での主な変更内容
変更箇所は , 本文中のページ左側の|によって示しています。
ページ
場所
変更箇所
1
■ 特長
データ保持特性を変更 :
10 年 (+85 °C) → 10 年 (+85 °C), 30 年 (+70 °C)
3
・AFI の種類
分類の誤記を訂正
■ 機能説明
以下に変更
パワー印加後 3ms 以内に
→ パワー印加後 1ms 以内に
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマン
ドを選択 [Inventory_flag=”1”])
Nb_slots_flag の説明を変更
0 : 16 スロット
1 : 1 スロット
6
10
(3) データフレーム
・bit 5 ~ bit 8 の設定 (Inventory コマンド Select_flag の説明を訂正
以外を選択 [Inventory_flag=”0”])
0 : Address_flag の内容によって実行します。
1 : Select モード (Select 状態の応答器のみレスポンスを返します。)
Address_flag は,“0” に設定します。
20
■ コマンド概要
21
2-2. Write Single Bolcks
22
2-3. Lock Block コマンド
23
2-5. Write Multiple Blocks コマンド
24
2-8. Write AFI コマンド
25
2-9. Lock AFI コマンド
2-10. Write DSFID コマンド
26
2-11. Lock DSFID コマンド
29
3-2. Write EAS コマンド
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■状態遷移図
「Select コマンド」を追加
1-2. Stay Quiet コマンド
■ 絶対最大定格
以下に変更
単一 EOF 送信が 20ms
→ 単一 EOF 送信が 38ms
図中の状態遷移の説明を訂正
「静電耐圧」を絶対値表示に変更 :
VESD:( 最小 )±2, ( 最大 ) “⎯” → |VESD|:( 最小 ) “⎯”, ( 最大 )2
「保存温度」の最低温度を変更 :
- 40 °C → - 55 °C
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■ 推奨動作条件
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■ 使用上の注意事項
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■ オーダ型格
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最小アンテナ入力電圧の規格値を変更 :
( 標準 ) 6.2, ( 最大 ) 6.5 → ( 標準 ) 7.5, ( 最大 ) 10.2
「・FRAM の信頼性」を「・FRAM の特性」に変更
表を変更
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MB89R119B
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〒 222-0033
神奈川県横浜市港北区新横浜 2-100-45 新横浜中央ビル
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核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵器システムにおけるミサイル発
射制御など), または極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星など)に使用されるよう設計・製造されたものではありません。し
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設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。
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編集 システムメモリ事業部