FUJITSU SEMICONDUCTOR DATA SHEET DS411-00003-1v1-J ASSP ISO/IEC 18000-6 Type-C 準拠 FRAM 搭載 UHF 帯 RFID LSI TM MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ 概要 本書は , 国際規格 EPCglobal Class 1 Generation 2 -Ver.1.2.0- ( 以下 , EPC 規格と記す ) に基づき , パッシブ型 RFID タグ LSI (FRAM 4 KB 搭載品 ) に関する LSI 仕様を記載します。 本書では , EPC 規格における質問器 (Interrogator) を , 通例に従って R/W( リーダ・ライタ ) と表記しています。タグ (Tag) に関してはそのままタグと表記しています。 ■ 特長 ・ EPCglobal Class 1 Generation 2 (C1G2) Ver.1.2 .0 準拠 - 世界中の UHF 帯に対応 ( キャリア周波数 :860 MHz ~ 960 MHz) - 高速データ送受信対応 R/W →タグ:26.7 kbps ~ 128 kbps ( データ 0 とデータ 1 の数が等しい場合 ) タグ→ R/W:40 kbps ~ 640 kbps - DSB-ASK, SSB-ASK, PR-ASK 変調 (EPCglobal C1G2 に準拠 ) - アンチコリジョン機能対応 - 周波数ホッピング対応 - BlockPermalock 対応 : ユーザ・メモリは 1Block ( = 16 ビット ) 単位で書き込みロック可 - ReadLock( カスタムコマンド ): ユーザ・メモリは 1Area ( = 256 ビット ) 単位で読み出しロック可 ・ シリアル・インタフェース (SPI) を搭載 - シリアル・インタフェースを通して , ユーザ・メモリを読み書き可能 - 非接触インタフェースとのアクセス制御 : 非接触インターフェース優先 - シリアル・インタフェース使用時の電源 : 2.3 V ~ 3.6 V ( 外部回路からの電源供給が必要 ) - 低消費電力 動作電流= 70 μA@2MHz (Typ), スタンバイ電流= 10 μA (Typ) - パワーダウンモード搭載 パワーダウン電流= 10 nA (Typ) -TSSOP16 ピンパッケージ (FPT-16P-M08) ・ 高速読出し / 高速書込みが可能な不揮発性メモリ (FRAM): 4 K バイト ( = 4,096 バイト ) を搭載 - ユーザ・メモリのサイズ:3,424 バイト - システム領域 (EPC 規格の Reserved, EPC, TID を含む ) のサイズ : 672 バイト - 書込み / 読出し耐性:1010 回 - データ保持特性:10 年 ( + 55 °C) Copyright 2012-2015 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED 2015.8 MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ ブロックダイヤグラム アナログ RF インタフェース デジタルコントロール SPI インタフェース FRAM アンテナ 整流器 VDD クロック発生器 電源電圧制御 クロック R/W データ出力 I/O データ入力 変調器 復調器 I/O アンチ コリジョン VDD コマンド クロック 4 K バイト データ入力 データ出力 コマンド FRAM アクセス コンバータ FRAM アクセス R/W データ入力 データ出力 データ入力 データ出力 ■ 端子配列図 2 SCK 1 16 SI SO 2 15 NC VDD 3 14 PWRM NC 4 13 NC VSS 5 12 PWRP NC 6 11 NC SPI 7 10 XCS XWP 8 9 BUSY 端子番号 端子名 インタフェース 機能説明 12 PWRP 非接触通信 アンテナ端子 14 PWRM 非接触通信 アンテナ端子 9 BUSY シリアル 非接触インタフェースの状態信号端子 7 SPI シリアル SPI モードの切替端子 10 XCS シリアル チップセレクト端子 8 XWP シリアル ライトプロテクト端子 1 SCK シリアル シリアルクロック端子 16 SI シリアル シリアルデータ入力端子 2 SO シリアル シリアルデータ入力端子 3 VDD シリアル シリアル通信用電源電圧端子 5 VSS シリアル グランド端子 4, 6, 11, 13, 15 NC ⎯ ノーコネクション端子 ( 常に開放) DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ 非接触通信インタフェース 非接触インタフェースは , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 ( 主に 6.3.1 項 ) に準拠しています。 ■ シリアル・ インタフェース 本 LSI は , SPI (Serial Peripheral Interface) 規格のシリアル・インタフェースを搭載しており , 外部回路からの電源供給によ り , FRAM 内のユーザ・メモリにデータの書込みや読出しができます。 1. シリアル・インタフェース端子 下表に , シリアル・インタフェース端子と , その機能を示します。 ・シリアル・インタフェース端子の機能説明 端子番号 端子名 機能説明 9 BUSY 非接触インタフェースの状態信号端子 非接触通信中に VDD 端子を ON にすると BUSY は “H” を出力します。 BUSY が , “H” のとき , チップは非接触通信を行っているため , 同時にシリアル通信を行っ た場合 , シリアル通信は無視されます。BUSY が “L” の場合にのみ , シリアル通信モードへ の移行が可能です。 7 SPI SPI モード切替端子 チップをシリアル通信モードへ切り替えるための入力端子です。SPI を “H” にすることで , チップはシリアル通信モードに移行します。1 MΩ (Typ) プルダウン抵抗付き。 10 XCS チップセレクト端子 チップを選択状態にするための入力端子です。XCS が “H” のとき , チップは内部が書込み 状態でない限り非選択 ( スタンバイ ) 状態となり , SO は High-Z になります。このとき , アンテナ端子以外の端子の入力は無視されます。XCS が “L” のとき , チップは選択 ( アク ティブ ) 状態です。オペコード入力前に XCS を立ち下げる必要があります。 8 XWP ライトプロテクト端子 WXP が “L” のときは , FRAM メモリへの書込みが実行されません。 1 SCK シリアルクロック端子 シリアルデータの入出力のためのクロック入力端子です。SI は SCK の立上りエッジに同期 して取り込まれ , SO は SCK の立下りエッジに同期して出力されます。 16 SI シリアルデータ入力端子 シリアルデータの入力端子です。オペコード , アドレス , 書込みデータを入力します。 2 SO シリアルデータ出力端子 シリアルデータの出力端子です。FRAM メモリセルアレイの読出しデータが出力されます。 スタンバイ時は High-Z です。 3 VDD シリアル通信用電源電圧端子:電圧 2.3 V ~ 3.6 V 5 VSS グランド端子 DS411-00003-1v1-J 3 MB97R803A/B,MB97R804A/B 2. シリアル・インタフェースの接続方法 本 LSI のシリアル・インタフェースは SPI のスレーブとして動作します。下図に示すように , 本 LSI は SPI ポートを備え たマイクロコントローラと接続できます。 外部に接続される SPI コントローラは , BUSY 信号をモニタし , BUSY 信号が “H” の時は , 本 LSI への電源を OFF, その 他信号を “L” としてください。 VDD SPI XCS XWP SCK SI SPI XCS XWP SCK MOSI SO BUSY VSS MISO BUSY VSS MB97R804B コントローラ ( 外部 SPI アクセス回路 ) 3. SPI モード 本 LSI は , SPI モード 0 (CPOL = 0, CPHA = 0) と SPI モード 3 (CPOL = 1, CPHA = 1) に対応します。 XCS SCK SI 7 6 5 4 3 2 1 MSB 0 LSB SPI モード 0 XCS SCK SI 7 6 5 4 MSB 3 2 1 0 LSB SPI モード 3 4 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B 4. 非接触通信とシリアル通信の調停機能について 非接触通信とシリアル通信が同時に行われた場合には , 非接触通信が有効です。本 LSI では , 非接触通信中であることを 示す BUSY 信号を用意しています。また , 本 LSI は電源切換え機能を搭載しているため , 非接触通信中に VDD を ON にし ても影響されません。 コントローラは , シリアル通信モードへ移行する前に ,BUSY 信号を確認する必要があります。BUSY 信号が , “H” の場合 , 本 LSI は非接触通信を行っているため , 同時にシリアル通信を行った場合 , シリアル通信は無視されます。 下図のように BUSY 端子は , 非接触通信中に VDD 端子を ON にすると “H” を出力します。 BUSY 信号が “L” の場合にのみ , シリアル通信モードへの移行が可能となり , VDD 電源端子 , SPI 端子を用いて , シリア ル通信モードへ移行します。 ・非接触通信とシリアル通信の調停機能 有効ポート RF SPI SPI RF SPI High-Z L 固定 High-Z チップ内 整流電源 VDD BUSY SPI XCS XWP/SI/SCK L 固定 SO DS411-00003-1v1-J High-Z High-Z High-Z 5 MB97R803A/B,MB97R804A/B 5. シリアル通信モードにおける電源シーケンス シリアル通信モードにおける電源シーケンスを下図に示します。 VDD を立ち上げ後 , BUSY が “L” で有ることを確認してから , SPI と XCS を同時に立ち上げてください。XCS 立上げ後 , 1ms 以上待ってから XCS を立下げ , シリアル通信を開始してください。電源シーケンスのタイミング規格を下表「・シリ アル通信時のタイミング規格」に示します。シリアル通信のタイミング規格の詳細は「■ コマンド 3. シリアル通信のコマ ンド」を参照してください。 ・シリアル通信時の電源シーケンス 非接触通信 シリアル通信 チップ内 整流電源 BUSY tSU tPH VDD SPI L 固定 tPU XCS SCK/SI/SO tPD L 固定 L 固定 ( 詳細は「■ コマンド 3. シリアル通信の コマンド」参照 ) ・シリアル通信時のタイミング規格 記号 規格値 ( 最小値 ) 単位 SPI 立上げ開始時間 tSU 0 μs 電源ホールド時間 tPH 0 μs 電源 ON 時の XCS レベル保持時間 tPU 1000 μs 電源 OFF 時の XCS レベル保持時間 tPD 0.06 μs 項目 6 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B 6. 電源投入・切断時の XCS レベル保持時間について シリアル通信モードへの移行の際の , 電源投入・切断シーケンスを下図に , また電源投入・切断時の XCS レベル保持時間 を下表に示します。 ・シリアル通信電源投入・切断シーケンス tpd tpi tpu trs VDD VDD 2.3 V 2.3 V VIH (Min) VIH (Min) 1.0 V 1.0 V VIL (Max) VIL (Max) VSS VSS XCS > VDD - 0.2 V * XCS XCS : Don't care XCS > VDD - 0.2 V * XCS *:XCS (Max) < VDD + 0.5 V (注意事項)・ 中間レベルからの電源 ON は誤動作の原因となるため , 電源 ON 時は VDD を 0 V から立ち上げてく ださい。 ・ 規定されたリードサイクル , ライトサイクル , 電源投入・切断シーケンスを守らない動作が実行され た場合 , 記憶データの保障はしていません。 ・シリアル通信電源投入・切断時の XCS レベル保持時間 項目 記号 規格値 最小 最大 単位 電源 OFF 時の XCS レベル保持時間 tpd 0.06 ⎯ μs 電源 ON 時の XCS レベル保持時間 tpu 1000 ⎯ μs 電源 OFF 時間 tpi 10 ⎯ ms 電源立上げ時間 trs 0.05 200 ms DS411-00003-1v1-J 7 MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ メモリ 1. メモリアドレス指定方法 (1) 非接触通信時のアドレス指定方法 非接触通信においては , メモリの論理アドレスを拡張可能なビットベクタ (EBV; Extensible bit vectors) により , 指定しま す。EBV フォーマットについては , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 (Annex A) に準拠しています。 (2) シリアル通信時のアドレス指定方法 シリアル通信においては , メモリの論理アドレスをそのまま指定します。 2. メモリマップ (1) メモリ領域 本 LSI の不揮発性メモリ (FRAM) は , 以下の 5 つの領域に分けられています。 ・5 つのメモリ領域 名称 User メモリサイズ 1712w × 16b = 27,392bit BANK 論理アドレス範囲 11 アクセス可能コマンド 非接触通信 シリアル通信 000H ~ 06AFH R/W/S/BLW/BLE R/W TID 16w × 16b = 256bit 10 000H ~ 00FH R/S R EPC 35w × 16b = 560bit 01 000H ~ 022H R/W/S/BLW/BLE R 4w × 16b = 64bit 00 000H ~ 003H R/W ⎯ 14w × 16b = 224bit ⎯ ⎯ L/BPL * Reserved System *:ロック情報と SPI エラー情報のみ , 読出しができます。 (注意事項)コマンド種類凡例: R:READ, W:WRITE, S:SELECT, L:Lock, BPL:BlockPermalock, BLW:BlockWrite, BLE:BlockErase User, TID,EPC, Reserved の各領域は , EPC 規格 (6.3.2.1 項 ) で規定されたデータを格納します。このうち User 領域が 「ユー , ザ • メモリ」と前述していた領域です。以下でも , 便宜上 , ユーザ • メモリと記します。これらの 4 つの各領域は , EPC 規格 では “Memory Bank”, あるいは単に “Bank” とよばれます。各領域 (Bank) 内では , 0 から始まる論理アドレスが使用されま す。論理アドレスには EBV-8 形式を用います。 System 領域は , ユーザ・メモリのロック情報やパスワードなどが格納されています。 次ページにメモリマップを示します (System 領域は非公開です )。ユーザ • メモリは , 16word×16 ビット ( = 256 ビット ) のデータを格納管理する単位 ( 以下 , Area と記します ) と , Area を複数個集めて格納管理する単位 ( 以下 , AreaGroup と記 します ) から成っています。ユーザ • メモリは , 全部で 7 個の AreaGroup, 107 個の Area から構成されています。最初の 6 個 の AreaGroup は 16 個の Area を含んでおり , 最後の 1 個の AreaGroup は 11 個の Area を含んでいます。 なお “Bank”, “Area”, “AreaGroup” の概念は , 非接触通信に限定されるものであるため , シリアル通信において考慮する 必要はありません。 8 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B ・メモリマップ Logical Address (RF communication) Bank (bit) (word) Logical Address (SPI) 00000H - 000FFH 0000H - 000FH 0000H - 000FH 00100H - 001FFH 0010H - 001FH 0010H - 001FH 00200H - 00EFFH 0020H - 00EFH 0020H - 00EFH 00F00H - 00FFFH 00F0H - 00FFH 01000H - 01FFFH bank USER EPC TID Reserved 11 1 10 00 Data Description Size Total (word) (word) Area00 16 Area01 16 Area02 - 14 208 00F0H - 00FFH Area15 16 0100H - 01FFH 0100H - 01FFH AreaGroup01 Area00 - 15 256 02000H - 02FFFH 0200H - 02FFH 0200H - 02FFH AreaGroup02 Area00 - 15 256 03000H - 03FFFH 0300H - 03FFH 0300H - 03FFH AreaGroup03 Area00 - 15 256 04000H - 04FFFH 0400H - 04FFH 0400H - 04FFH AreaGroup04 Area00 - 15 256 05000H - 05FFFH 0500H - 05FFH 0500H - 05FFH AreaGroup05 Area00 - 15 256 06000H - 06AFFH 0600H - 06AFH 0600H - 06AFH AreaGroup06 Area00 - 10 176 00000H - 0000FH 0000H - 0000H 06C0H - 06C0H StoredCRC16 (PC, EPC) 1 00010H - 0001FH 0001H - 0001H 06C1H - 06C1H StoredPC (Protocol Control) 1 00020H - 0020FH 0002H - 0020H 06C2H - 06E0H EPC 31 00210H - 0021FH 0021H - 0021H 06E1H - 06E1H XPC_W1 1 00220H - 0022FH 0022H - 0022H 06E2H - 06E2H XPC_W2 1 00000H - 000FFH 0000H - 000FH 06F0H - 06FFH TID 16 00000H - 0000FH 0000H - 0000H 076CH - 076CH KILL - Password[31:16] 1 00010H - 0001FH 0001H - 0001H 076DH - 076DH KILL - Password[15:0] 1 00020H - 0002FH 0002H - 0002H 076EH - 076EH ACCESS - Password[31:16] 1 00030H - 0003FH 0003H - 0003H 076FH - 076FH ACCESS - Password[15:0] 1 06E5H - 06E5H {LOCK[9:0], 5'h0, BPLI} 1 0778H - 0778H AreaGroup00 Area00 - 15 1 0779H - 0779H AreaGroup01 Area00 - 15 1 077AH - 077AH AreaGroup02 Area00 - 15 1 077BH - 077BH AreaGroup03 Area00 - 15 1 077CH - 077CH AreaGroup04 Area00 - 15 1 077DH - 077DH AreaGroup05 Area00 - 15 1 077EH - 077EH AreaGroup06 Area00 - 10 1 0780H - 0780H Area00 1 Area01 1 Area02 - 14 13 078FH - 078FH Area15 1 0790H - 079FH AreaGroup01 Area00- 15 16 07A0H - 07AFH AreaGroup02 Area00 - 15 16 07B0H - 07BFH AreaGroup03 Area00 - 15 16 07C0H - 07CFH AreaGroup04 Area00 - 15 16 07D0H - 07DFH AreaGroup05 Area00 - 15 16 07E0H - 07EAH AreaGroup06 Area00 - 10 11 Lock Read Lock ⎯ ⎯ 0781H - 0781H 0782H - 078EH BPL DS411-00003-1v1-J ⎯⎯ AreaGroup00 AreaGroup00 Total (bit) 1,712 27,392 35 560 16 256 4 64 1 16 7 112 107 1,712 9 MB97R803A/B,MB97R804A/B (2) TID 本 LSI は EPC 規格に準拠した 96 ビットの TID があります。 TID は以下の 4 項目から構成されています。 ・ “E2H” と固定される EPC 規格を表す 8 ビットデータ (bit89 ~ bit96) ・ “010H” と固定される IC 製造者コードを表す 12 ビットデータ (bit77 ~ bit88) ・ 富士通セミコンダクターが付与する 60 ビットのユニークなシリアルナンバ (bit17 ~ bit76) ・ RFU16 ビット (bit1 ~ bit16) 本 LSI における富士通セミコンダクターが付与するユニークな 60 ビットのシリアルナンバのうち , bit69 ~ bit76 の 8 ビットは本 LSI を表すコード “03H” として使用します。また , bit17 ~ bit68 の 52 ビットはチップ情報として使用します。 ・TID の構成 MSB 96 LSB 89 88 EPC 規格 コード “E2H” 77 76 IC 製造者 コード “010H” 69 68 “06H” 17 16 1 チップ情報 富士通セミコンダクターが付与する ユニークなシリアルナンバ RFU* *:Reserved for Future Use ・TID に関する注意事項 TID は , 富士通セミコンダクターにおける出荷試験時に FRAM 内に書込みます。ただし , IR リフロー前に FRAM 内に書 込まれているデータが , IR リフロー後に保持される保証はありません。運用上問題となる場合には , IR リフロー後にお客 様において TID の書込みを行ってください。 10 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ フラグと乱数発生器 インベントリフラグ , 選択フラグ , 乱数発生器については , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 ( 主に , 6.3.2.2 項 , 6.3.2.3 項 , 6.3.2.5 項 ) に準拠しています。 ■ タグの状態とスロットカウンタ タグの状態とスロットカウンタについては , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 ( 主に , 6.3.2.4 項 ) に準拠しています。 ■ アンチコリジョン・アルゴリズム アンチコリジョン・アルゴリズムについては , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 ( 主に 6.3.2.6 項 , 6.3.2.7 項 , 6.3.2.8 項 , 6.3.2.9 項 ) に準拠しています。 ■ コマンド 1. 非接触通信のコマンド 本 LSI は , 下表に示すように , EPC 規格の必須 (Mandatory) コマンドのすべてと , 任意 (Optional) コマンドのすべて , お よび弊社独自のカスタム (Custom) コマン ドおよび製造者専用 (Proprietary) コマンドをサポートしています。必須 (Mandatory) コマンドと , 任意 (Optional) コマンドの仕様については , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 ( 主に 6.3.2.11 項 ) に準拠し ています。 ただし , 任意 (Optional) コマンドの BlockWrite コマンド , BlockErase コマンド , BlockPermalock コマンドについては , EPC 規格と一部異なる点がありますので , 以下の「(1) BlockWrite (Optional コマンド ; 一部対応 )」 「(2) , BlockErase (Optional コマ ンド ; 一部対応 )」を参照してください。また , Custom コマンドの ChgAreaGroupPwd コマンドと ReadLock コマンドについ ては , 以下の「(4) ChgAreaGroupPwd (Custom コマンド )」,「(5) Read Lock (Custom コマンド )」を参照してください。 Proprietary コマンドの Initialize コマンドについては ,「(6) Initialize (Proprietary コマンド )」を参照してください。 ・非接触モードのコマンド 分類 Mandatory Optional Custom Proprietary コマンド名 コマンドコード QueryRep 00 ACK 01 Query 1000 QueryAdjust 1001 Slect 1010 NAK 11000000 Req_RN 11000001 Read 11000010 Write 11000011 Kill 11000100 Lock 11000101 Access 11000110 BlockWrite 11000111 BlockErase 11001000 BlockPermalock 11001001 ChgAreaGroupPwd 1110000000000100 ReadLock 1110000000000111 Initialize 1110000100001111 DS411-00003-1v1-J 11 MB97R803A/B,MB97R804A/B EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 との相違点について ・ CRC-16 について R/W がタグの PC または EPC 全体 , あるいはその一部の書込みを行うと , ACK コマンドを受信して , トランケートされ ない応答 (PC, EPC, CRC-16) を返信するまで , タグの EPC メモリ 00H から 0FH に記憶されている CRC-16 は有効になりま せん。ACK に対する返信完了後に , 返信中に計算した正しい CRC-16 の値が EPC メモリ (00H ~ 0FH) にも書き込まれます。 CRC-16が有効になる前に, ACKコマンドに対するトランケートされた応答が要求された場合は, 有効になっていないEPC メモリ中の CRC-16 の値がそのまま返信されます。 ・ T4 時間 (R/W が送信するコマンド間の時間 ) について RTcal の長さによって , T4 時間の最小値が , EPC 規格と異なります。 RTcal の長さ 44us ≦ RTcal T4 時間の最小値 2.0RTcal (EPC 規格通り ) 22us ≦ RTcal < 44us 4.0RTcal RTcal < 22us 6.0RTcal 12 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B (1) BlockWrite (Optional コマンド ; 一部対応 ) BlockWrite コマンドのフォーマットを下表に示します。本チップは , BlockWrite コマンドの仕様を制限してサポートしま す。以下に , EPC 規格との違いを記します。 ・ MemBank :EPC と User バンクのみサポートします。Reserved と TID バンクを指定した場合 , タグは領域エラーの エラーコードを返信します。 17(11H) 以上を指定すると , タグは領域 ・ WordCount :指定可能な値は 16 (10H) 以下でかつ , 0 以外のみサポートします。 エラーのエラーコードを返信します。 書込み対象となるメモリ領域の一部でも BlockPermaLock による ロックがかかっていた場合 , タグはロック済みエラー として , エラーコードを返信します。 ・BlockWrite コマンド Command MemBank WordPtr WordCount Data RN CRC-16 ビット数 16 2 EBV 8 WordCount ×16 16 16 内容 1100 0111 01:EPC 11:User Starting Address Pointer Number of word to write Data to be written Handle (2) BlockErase (Optional コマンド ; 一部対応 ) BlockErase コマンドのフォーマットを下表に示します。本チップは , BlockErase コマンドの仕様を制限してサポートしま す。以下に , EPC 規格との違いを記します。 ・ MemBank ・ WordCount :EPC と User バンクのみサポートします。Reserved と TID バンクを指定した場合 , タグは領域エラーの エラーコードを返信します。 17(11H) 以上を指定すると , タグは領域 :指定可能な値は 16 (10H) 以下でかつ , 0 以外のみサポートします。 エラーのエラーコードを返信します。 消去対象となるメモリ領域の一部でも BlockPermaLock によるロックがかかっていた場合 , タグはロック済みエラーと して , エラーコードを返信します。 ・BlockErase コマンド ビット数 内容 Command MemBank WordPtr WordCount RN CRC-16 16 2 EBV 8 16 16 1100 1000 01:EPC 11:User Starting Address Pointer Number of word to erase Handle DS411-00003-1v1-J 13 MB97R803A/B,MB97R804A/B (3) BlockPermaLock (Optional コマンド ; 一部対応 ) 本チップでは , Block の単位を 16 ビットと定義します。つまり , 1 Word = 1 Block です。 BlockPermaLock コマンドのフォーマットを下表に示します。本チップは , BlockPermaLock コマンドの仕様を制限してサ ポートします。以下に , EPC 規格との違いを記します。 ・ MemBank :User バンクのみサポートします。Reserved, EPC と TID バンクを指定した場合 , タグは領域エラーの エラーコードを返信します。 ・ BlockRange :17 (11H) 以上を指定すると , タグは領域エラーのエラーコードを返信します。 ・BlockPermaLock コマンド Command RFU Read / Lock ビット数 内容 14 16 1100 1001 8 00H 1 0:Read 1:PermaLock MemBank BlockPtr Block Range Mask RN CRC-16 2 EBV 8 Variable 16 16 11:User Mask starting address, specified in units of 16 blocks Mask range, specified in units of 16 blocks 0:Retain current permalock setting Handle 1:Assert permalock DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B (4) ChgAreaGroupPwd (Custom コマンド ) ChgAreaGroupPwd コマンドのフォーマットを下表「・ChgAreaGroupPwd コマンド」に示します。ChgAreaGroupPwd により , R/W は各 AreaGroup のパスワードを変更できます。AreaGroup パスワードを書き換える場合 , R/W は現在設定されている パスワードと新規に設定するパスワードを送信します。工場出荷時の初期パスワードは 0 です。 セキュア状態・オープン状態にあるタグのみが , ChgAreaGroupPwd コマンドを実行できます。 ChgAreaGroupPwd には , 以下のフィールドが用意されています。 ・ AreaGroupPtr は , 対象となる AreaGroup の番号を指定します。AreaGroup は 0 ~ 3 までが存在するので , 2 ビットの値で 指定を行います。MSB の 3 ビットには 0 をパディング ( 補完 ) してください。 ・ Data は , 新規に設定するパスワードです。 ・ Passwd は , 現在設定されているパスワードです。 ChgAreaGroupPwd コマンドには , タグの Handle および CRC-16 も含まれています。 CRC-16 の計算は , 最初のコマンド コードビットから最後の Handle ビットに対して行われます。 オープンまたはセキュア状態にあるタグは , 有効な CRC-16 と無効な Handle を持つ ChgAreaGroupPwd を受信した場合 , その ChgAreaGroupPwd を無視し , 現在の状態にとどまります。Passwd フィールドに設定されたパスワードがメモリに格納 された値と異なる場合 , パスワードの書き換えは行われず , 無応答となり , タグは調停状態へ戻ります。 ChgAreaGroupPwd には , フレーム同期を付加して実行してください。 R/W は , ChgAreaGroupPwd を発行すると , Treply と 20 ms を比較し , 短い方の間 , 連続波を伝送します。Treply とは , R/W による ChgAreaGroupPwd コマンドからタグの返信による応答までの時間を指します。R/W は , タグによる AreaGroup パスワード変更オペレーションが実行されたかどうかによって , ChgAreaGroupPwd による結果をモニタできます。 ・ ChgAreaGroupPwd 完了 :ChgAreaGroupPwd を完了すると , タグは下表の「・完了した ChgAreaGroupPwd コマンドへの タグ応答」に示す応答を返信します。この応答には , ヘッダ (1 ビットの 0), タグの Handle, ヘッダおよび Handle に対して計算された CRC-16 が含まれています。R/W がこの応答を 20 ms 以内に見つけると , ChgAreaGroupPwd が完了します。 ・ タグによるエラー発見 : 連続波周期において , タグが , 下表の「・完了したChgAreaGroupPwd コマンドへのタグ応答」に 示す応答ではなく , エラーコードを返信します ( エラーコードの定義と応答形式については 「■ コマンド 4. シリアル通信時のエラー処理」を参照してください )。 ・ ChgAreaGroupPwd 失敗 : R/W が 20 ms 以内に応答を見つけないと , ChgAreaGroupPwd は実行されません。R/W は , ( タグ の Handle を含む ) Req_RN コマンドを発行し , タグがまだ R/W のフィールド内にあることを 確認した上で , ChgAreaGroupPwd コマンドを再発行できます。 有効な ChgAreaGroupPwd コマンドを受信すると , タグは命令を受けた Data で AreaGroup パスワードを書き換え , その 直後から新パスワードが有効です。完了した ChgAreaGroupPwd へのタグの応答には , 拡張プリアンブルが用いられます ( すなわち , そのラウンドを開始した Query の TRext 値に関係なく , TRext = 1 としてタグが応答します )。 ・ChgAreaGroupPwd コマンド Command AreaGroupPtr Data Password RN CRC-16 ビット数 16 5 32 32 16 16 内容 1110 0000 0000 0100 AreaGroupPtr NewPasswd CurrentPasswd Handle ・完了した ChgAreaGroupPwd コマンドへのタグ応答 Header RN CRC-16 ビット数 1 16 16 内容 0 Handle DS411-00003-1v1-J 15 MB97R803A/B,MB97R804A/B (5) ReadLock (Custom コマンド ) 本 LSI は Area 単位での ReadLock 機能を有しています。 ReadLock コマンドのフォーマットを下表の「・ReadLock コマンド」に示します。ReadLock コマンドは Area (256 ビット ) 単位で ReadLock フラグ ( 読み出しロック ) 設定を行います。 セキュア状態またはオープン状態にあるタグのみが , ReadLock コマンドを実行できます。 ReadLock には , 以下のフィールドが用意されています。 ・ AreaGroupPtr は , 変更対象となる AreaGroup の番号を指定します。AreaGroup は 0 ~ 6 までが存在するので , 3 ビットの 値で指定を行います。MSB の 2 ビットには 0 をパディング ( 補完 ) してください。 - Payload は , 32 ビットの値であり , タグはビット値を以下のように規定します。 MASK0-15 0:該当する Action フィールドを無視し , 現在の設定のままとします。 1:該当する Action フィールドの値を現在の ReadLock 設定値に上書きします。 Action0-15 Area00 から Area15 の ReadLock 値 (1: 読出しロック , 0: 未ロック ) をそれぞれ設定します。 ・ Password は , ReadLock フラグを変更しようとしているデータの含まれる AreaGroup のパスワードを指定します。有効な 値のパスワードであれば , ReadLock を行うことができます。 ReadLock により , メモリの ReadLock 状態の変更を行おうとする際 , パスワードが異なる場合 , ReadLock 状態の変更は できません。 AreaGroup6 には , Area11 ~ Area15 が存在しないので , この Area に対する設定は無視されます。 ReadLock コマンドには , タグの Handle および CRC-16 も含まれています。CRC-16 の計算は , 最初のコマンドコードビッ トから最後の Handle ビットに対して行われます。 オープンまたはセキュア状態にあるタグは , 有効な CRC-16 と無効な Handle を持つ ReadLock を受信した場合 , その ReadLock を無視し , 現在の状態にとどまります。 ReadLock には , フレーム同期を付加して実行してください。 R/W は , ReadLock を発行すると , Treply と 20 ms を比較し , 短い方の間 , 連続波を伝送します。Treply とは , R/W による ReadLock コマンドからタグの返信による応答までの時間を指します。 R/W は , タグによるメモリロックオペレーションが 実行されたかどうかによって , ReadLock による結果をモニタできます。 ・ ReadLock 完了 :ReadLock を完了すると , タグは下表の「完了した ReadLock コマンドへのタグ応答」に示す 応答を返信します。この応答には , ヘッダ (1 ビットの 0), タグの Handle, ヘッダおよび Handle に 対して計算された CRC-16 が含まれています。R/W がこの応答を 20 ms 以内に見つけると , ReadLock が完了します。 ・ タグによるエラー発見 :連続波周期において , タグが , 下表の「完了した ReadLock コマンドへのタグ応答」に示す応答 ではなく , エラーコードを返信します ( エラーコードの定義と応答形式については「■ コマン ド 4. シリアル通信時のエラー処理」を参照してください )。 ・ ReadLock 失敗 :R/W が 20 ms 以内に応答を見つけないと , ReadLock は実行されません。R/W は , ( タグの Handle を含む )Req_RN コマンドを発行し , タグがまだ R/W のフィールド内にあることを確認した上 で , ReadLock コマンドを再発行できます。 有効な ReadLock コマンドを受信すると , タグは命令を受けたロックビットをメモリへ書込みます。完了した ReadLock へのタグの応答には , 拡張プリアンブルが用いられます (すなわち , そのラウンドを開始したQuery のTRext 値に関係なく, TRext = 1 としてタグが応答します )。 ・ReadLock コマンド Command AreaGroupPtr Payload Password RN CRC-16 ビット数 16 5 32 32 16 16 内容 1110 0000 0000 0111 AreaGroupPtr Mask/Action 32 bit password Handle ( 下表を参照 ) ・ReadLock コマンド Payload Payload MASK 0 16 1 2 3 4 5 6 7 8 Action 9 10 11 12 13 14 15 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B ・完了した ReadLock コマンドへのタグ応答 Header RN CRC-16 ビット数 1 16 16 内容 0 Handle (6) Initialize (custom コマンド ) Initialize コマンドのフォーマットを下表に示します。 Initialize コマンドは , タグ組立て後 (IR リフロー後 ), TID 領域と System 領域の一部を除く FRAM の領域を初期化します。初期化は , Lock 情報およびデータ領域にデータ 0 を書き込み , 最 後に Initialize を再実行できないためのシステムロックを行います。 システムロックされると , System 領域内にある SYSLOCK が NORMAL 状態になります。 R/W は , Initialize にフレーム同期をプリベンドします。タグ応答は , 事前に発行された Query コマンドにより , T → R 応 答リンク周波数を決定します。 Initialize コマンドは , キル状態以外のすべての状態から処理可能とするため , インベントリシーケンスによる個体識別 (RN によるハンドシェーク ) ができません。そのため R/W の通信可能エリアに複数個のタグが存在する場合の Initialize コ マンドの発行は不可とします。 Initialize コマンドを受信したタグは , System 領域を読み出し , SYSLOCK が , NORMAL, KILL でない場合 , TID 領域と System 領域の一部を除く FRAM 領域 ( ブロックロック含む ) をデータ 0 に書き換え , 最後に Initialize を再実行できないた めのシステムロックを行います。 1. R/W が Query を発行。DR 値と M 値により応答の T → R 応答リンク周波数を決定します。 2. R/W が Initialize を発行します。 3. タグは CRC-16 を監視し , 無効な CRC-16 を受信した場合 , Initialize を無視します。 4. System 領域を読み出し , SYSLOCK が NORMAL, KILL の場合 , Initialize を無視します。 5. TID 領域と System 領域の一部を除く FRAM 領域の初期化 (all 0 を書き込み ) を行います。 6. SYSLOCK に NORMAL 値を書き込みます。 7. Initialize 動作を完了し , タグが下表に示す応答を返します。 Data は , 00H を指定してください。 ・ Initialize コマンド Command Data CRC-16 ビット数 16 8 16 内容 1110 0001 0000 1111 00H ・ 完了した Initialize コマンドへのタグ応答 Header CRC-16 ビット数 1 16 内容 0 2. 非接触通信のエラーコード タグのエラーコードについては , EPCglobal C1G2 Ver.1.2.0 (Annex I) に準拠しています。 DS411-00003-1v1-J 17 MB97R803A/B,MB97R804A/B 3. シリアル通信のコマンド 本 LSI のシリアル・インタフェースは , オペコードで指定される 2 種のコマンドを受け付けます。オペコードは下表に示 す 8 ビットからなるコードです。これ以外の無効なコードが入力された場合は無視されます。オペコード入力中に XCS を 立上げるとコマンドは実行されません。 ・本 LSI のシリアル・インタフェースのオペコード コード名 機能 オペコード READ ユーザメモリ領域から 16 ビット単位で読み出す。 0000 0011 WRITE ユーザメモリ領域に 16 ビット単位で書き込む。 0000 0010 (1) READ READ コマンドは , FRAM メモリのデータを 16 ビット単位 , つまり Word 単位で読出します。アドレスの指定は , 「■ メモリ 2. メモリマップ ・メモリマップ」の WORD 表記のアドレスと同じです。下図に READ コマンドのシーケンスを 示します。 まず , SI に READ のオペコードと 16 ビットのアドレスを SCK の立上りエッジに同期して入力します。アドレスの上位 5 ビットは無効です。SO は SCK の立下りエッジに同期して出力されます。この読み出し中 , SI の値は無効です。ただし , XCS 立上げ前に引続き SCK に 16 サイクルずつクロックを送り続けることで , アドレスを自動インクリメントして読出し を続けることが可能です。最上位アドレスに達するとロールオーバーして 0 番地に戻り , 読出しサイクルは際限なく続け られます。XCS を立ち上げると READ コマンドは終了します。 読出し可能な領域は , User 領域 , そして TID,EPC, ロックステータスの領域です。指定した Area が読出しロック状態の場 合 , 読出しできないため , データの代わりに , 16 ビットの “0” が出力されます ( 詳細は「■ コマンド 4. シリアル通信時の エラー処理」を参照してください )。 また , チップが Kill 状態の場合は , データの出力はありません。 ・READ コマンドのシーケンス XCS 0 1 2 3 0 0 0 0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 SCK オペコード SI 0 0 1 SO 16 ビットアドレス 1 X X X X X 10 9 . . . MSB High-Z 4 3 2 1 0 LSB MSB Invalid LSB Data Out 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 Invalid (2) WRITE WRITE コマンドは FRAM メモリに 16 ビット単位 , つまり Word 単位でデータを書き込みます。アドレスの指定は , 「■ メモリ 2. メモリマップ・メモリマップ」の WORD 表記のアドレスと同じです。下図に WRITE コマンドのシーケンスを 示します。 SI に WRITE のオペコードと 16 ビットのアドレスおよび 16 ビットの書込みデータを SCK の立上りエッジに同期して 入力します。アドレスの上位 5 ビットは無効です。XCS 立上げ前に引続き書込みデータを 16 ビットずつ送り続けることで , アドレスを自動インクリメントして書込みを続けることが可能です。最上位アドレスに達するとロールオーバーして0番 地に戻り , 書込みサイクルは際限なく続けられます。XCS を立ち上げると , WRITE コマンドは終了します。 書込み可能な領域は , User 領域のみですが , 指定した Area がロック状態の場合 , 書き込みできず , SPI エラーインフォ メーションレジスタにエラー情報を書き込みます ( 詳細は「 ■ コマンド 4. シリアル通信時のエラー処理」を参照してくだ さい )。また , チップが Kill 状態の場合も , 書込みは不可能ですが , この場合 , チップからの出力はありません。 ・WRITE コマンドのシーケンス XCS 0 1 2 0 0 0 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 1 0 X X X X X 10 9 . . . MSB High-Z 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 SCK 16 ビットアドレス オペコード SI SO 18 0 0 0 4 Data In 3 2 1 0 15 14 13 12 11 10 9 LSB MSB 8 7 6 5 4 3 2 1 0 LSB DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B 4. シリアル通信時のエラー処理 シリアル通信時 , リード , およびライトサイクルが正常に行えなかった場合 , エラー情報は SPI エラーインフォメーショ ンレジスタに格納されます。リード時にエラーが発生した場合 , 対象領域のデータの代わりに , 16 ビットの “0” が出力さ れます。 ・SPI エラーインフォメーションレジスタ シリアル通信時のエラー情報は , 下表に示すフォーマットで , SPI エラーインフォメーションレジスタ (SPI_ERR_Info: ( ■ メモリ 2. メモリマップ・メモリマップ」を参照してください )。この情報は , READ コ address = 8000H) に格納されます 「 マンドにより確認することが可能です。エラー発生後 , 次のコマンドのアドレスの先頭ビットが “0” の場合にエラーイン フォメーションレジスタはクリアされます。 エラー発生後 , 次のコマンドのアドレスの先頭ビットが “0” の場合にエラーインフォメーションレジスタはクリアされ ます。 ・SPI エラーインフォメーションレジスタのフォーマット ビット 機能 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2 1 0 ERROR* *: ERROR b1000 :低電圧検出 b0100 :Write NG b0010 :Read NG b0001 :RF 発生による NG b0000 :正常終了 DS411-00003-1v1-J 19 MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ 電気的特性 1. 絶対最大定格 項目 記号 定格値 単位 条件 / 備考 最小 標準 最大 Vmax ⎯ ⎯ 3.0 V 電源電圧 VDD - 0.5 ⎯ + 4.0 V 入力電圧 VIN - 0.5 ⎯ VDD + 0.5 V 出力電圧 VOUT - 0.5 ⎯ VDD + 0.5 V VESD -2 ⎯ +2 kV Human Body Model VESD - 100 ⎯ + 100 V Machine Model Tstg - 40 ⎯ + 85 °C FRAM データの リテンション保証を除く 最大入力電圧 静電耐圧 保存温度 PWRP-PWRM 間 <注意事項> 絶対最大定格を超えるストレス ( 電圧 , 電流 , 温度など ) の印加は , 半導体デバイスを破壊する可能性があ ります。したがって , 定格を一項目でも超えることのないようご注意ください。 2. 推奨動作条件 項目 単位 標準 最大 Tj - 20 ⎯ + 85 °C Trtn1 - 20 ⎯ + 55 °C Fclk 860 ⎯ 960 (A-B)/A 80 90 100 % F_fwd 26.7 ⎯ 128 kbps 受信波形立上り時間 Tr 1 ⎯ 500 μs 受信波形安定時間 Ts ⎯ ⎯ 1500 μs 受信波形立下り時間 Tf 1 ⎯ 500 μs 電源電圧 VDD 2.3 3.3 3.6 V “H” レベル入力電圧 VIH VDD - 0.2 ⎯ VDD + 0.3 V “L” レベル入力電圧 VIL - 0.3 ⎯ + 0.4 V リテンション保証温度 アンテナ入力周波数 受信変調度 シリアル通信 規格値 最小 動作時接合温度 非接触通信 記号 受信時通信速度 条件 / 備考 リテンション保証期間: 10 年 MHz 電波法に基づく PIE 符:マーク率= 1/2 の場合 <注意事項> 推奨動作条件は , 半導体デバイスの正常な動作を確保するための条件です。電気的特性の規格値は , すべて この条件の範囲内で保証されます。 常に推奨動作条件下で使用してください。この条件を超えて使用すると , 信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。 データシートに記載されていない項目 , 使用条件 , 論理の組合せでの使用は , 保証していません。 記載されて いる以外の条件での使用をお考えの場合は , 必ず事前に営業部門までご相談ください。 20 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B 3. 非接触通信特性 項目 記号 規格値 最小 標準 最大 リード時最小動作電力 PR_MIN ⎯ -6 ⎯ dBm ライト時最小動作電力 PW_MIN ⎯ -6 ⎯ dBm 最大動作電力 18 PMAX 条件 / 備考 単位 TSSOP16 PKG で測定 Tari = 25 μs, RTcal = 3Tari, TRcal = 2.6RTcal, DR = 8, FM0, BLF = 41kbps, DSB-ASK, 変調度= 90% * dBm 等価入力容量 CP ⎯ 0.47 ⎯ pF 入力電力=- 6dBm, 並列モデル 953 MHz 等価入力抵抗 RP ⎯ 2 ⎯ KΩ 入力電力=- 6dBm, 並列モデル 953 MHz 等価入力容量 CP ⎯ 0.69 ⎯ pF 入力電力=- 6dBm, 並列モデル 953 MHz 等価入力抵抗 RP ⎯ 1.7 ⎯ KΩ 入力電力=- 6dBm, 並列モデル 953 MHz F_rtrn 40 640 kbps 返信時通信速度の誤差 Ftolerance ±5 ±22 % 返信中の通信速度変動 Fvariation - 21 + 14 % MB97R803A ( ウェーハ ) MB97R804B (TSSOP) 返信時通信速度 EPC 規格と異なります。 *:本特性は , 本 LSI 単独での値であり , 本 LSI にマイクロコンピュータなど , ほかの回路を接続した場合の値は規定し ません。 4. シリアル通信 直流特性 項目 記号 規格値 最小 標準 最大 単位 条件 入力リーク電流 ILI ⎯ ⎯ ±5 μA VIN = 0 V ~ VDD 出力リーク電流 ILO ⎯ ⎯ ±5 μA VOUT = 0 V ~ VDD, 出力端子 Hi-Z 時 動作時 ICC ⎯ 70 200 μA SCK = 2 MHz, Vdd = 3.0 V パワーダウン時 1 IPD1 ⎯ 0.01 5 μA SPI = 0 V またはオープン XCS, XWP, SCK, SI = 0V または VDD RF 受信なし パワーダウン時 2 IPD2 ⎯ 3 5 μA SPI = 0 V またはオープン XCS, XWP, SCK, SI = 0 V または VDD RF 受信中 スタンバイ時 ISB ⎯ 10 50 μA SPI = V--DD XCS, XWP, SCK, SI = 0 V または VDD “H” レベル出力電圧 VOH VDD×0.8 ⎯ VDD V IOH =- 1mA “L” レベル出力電圧 VOL 0 ⎯ 0.4 V IOL = 2 mA SPI 端子のプルダウン抵抗 RIN 0.8 1 1.2 MΩ VIN = VDD 電源電流 DS411-00003-1v1-J 21 MB97R803A/B,MB97R804A/B 5. シリアル通信 交流特性 項目 規格値 記号 最小 最大 単位 SCK クロック周波数 fCK ⎯ 2 MHz クロックハイ時間 tCH 200 ⎯ ns クロックロー時間 tCL 30 ⎯ ns チップセレクトセットアップ時間 tCSU 10 ⎯ ns チップセレクトホールド時間 tCSH 10 ⎯ ns 出力ディセーブル時間 tOD ⎯ 20 ns 出力データ確定時間 tODV ⎯ 35 ns 出力ホールド時間 tOH 0 ⎯ ns 非選択時間 tD 200 ⎯ ns データ立上り時間 tR ⎯ 50 ns データ立下り時間 tF ⎯ 50 ns データセットアップ時間 tSU 10 ⎯ ns データホールド時間 tH 10 ⎯ ns ・シリアルデータタイミング tD tR tF XCS tCSH tCSU tCH SCK tSU SI tCL tH Valid in tODV SO High-Z tOH tOD High-Z : don’t care 22 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ オーダ型格 オーダ型格 MB97R803A-DIAP15 MB97R804BPFT-G-JNEFE1 MB97R804BPFT-G-JNERE1 インタフェース 出荷形態 ウェーハ厚 RF ウェーハ (ダイシング済 ) 150 μm±25.4 μm RF + SPI TSSOP16 (Tape & Reel) ⎯ 備考 EF タイプ * ER タイプ * *:IC の方向 EF ࠲ࠗࡊ 㧔࡞㧕 ER ࠲ࠗࡊ Index mark 㧔ᒁ㧕 Index mark 㧔ᒁ㧕 㧔࡞㧕 DS411-00003-1v1-J 㧔ᒁ㧕 23 MB97R803A/B,MB97R804A/B ■ パッケージ・ 外形寸法図 ࡊࠬ࠴࠶ࠢTSSOP, 16ࡇࡦ ࠼ࡇ࠶࠴ 0.65 mm ࡄ࠶ࠤࠫ ࡄ࠶ࠤࠫ㐳ߐ 4.40 mm 4.96 mm ࠼ᒻ⁁ ࠟ࡞࠙ࠖࡦࠣ ኽᱛᣇᴺ ࡊࠬ࠴࠶ࠢࡕ࡞࠼ ขઃߌ㜞ߐ 1.20 mmMax ㊀ߐ 0.06 g (FPT-16P-M08) ࡊࠬ࠴࠶ࠢTSSOP, 16ࡇࡦ 㧔FPT-16P-M08㧕 ᵈ1㧕┵ሶ߅ࠃ߮┵ሶෘߐߪࡔ࠶ࠠෘࠍޕ ᵈ2㧕┵ሶߪ࠲ࠗࡃಾᢿᱷࠅࠍ߹ߕޕ ᵈ3㧕*ኸᴺߪࠫࡦᱷࠅࠍ߹ߕޕ *4.96±0.10(.195±.004) 16 0.145±0.045 (.0057±.0018) 9 *4.40±0.10 6.40±0.20 (.173±.004) (.252±.008) INDEX Details of "A" part +0.10 1.10 –0.15 (Mounting height) +0.04 .043 –0.06 LEAD No. 1 8 0.65(.026) "A" 0.24±0.08 (.009±.003) 0.13(.005) M 0~8° 0.60±0.15 (.024±.006) 0.10±0.05 (.004±.002) (Stand off) 0.10(.004) C 24 2007-2010 FUJITSU SEMICONDUCTOR LIMITED F16021S-c-1-5 න㧦mm㧔inches㧕 ᵈᗧ㧦ᒐౝߩ୯ߪෳ⠨୯ߢߔޕ DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B MEMO DS411-00003-1v1-J 25 MB97R803A/B,MB97R804A/B MEMO 26 DS411-00003-1v1-J MB97R803A/B,MB97R804A/B MEMO DS411-00003-1v1-J 27 MB97R803A/B,MB97R804A/B 富士通セミコンダクター株式会社 〒 222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜 2-100-45 新横浜中央ビル http://jp.fujitsu.com/fsl/ 電子デバイス製品に関するお問い合わせ先 0120-198-610 受付時間 : 平日 9 時~ 17 時 ( 土・日・祝日 , 年末年始を除きます ) 携帯電話・PHS からもお問い合わせができます。 ※ 電話番号はお間違えのないよう , お確かめのうえおかけください。 本資料の記載内容は , 予告なしに変更することがありますので , 製品のご購入やご使用などのご用命の際は , 当社営業窓口にご確認ください。 本資料に記載された動作概要や応用回路例などの情報は , 半導体デバイスの標準的な動作や使い方を示したもので , 実際に使用する機器での動作を 保証するものではありません。したがって , お客様の機器の設計においてこれらを使用する場合は , お客様の責任において行ってください。これらの 使用に起因する損害などについては , 当社はその責任を負いません。 本資料は , 本資料に記載された製品および動作概要・回路図を含む技術情報について , 当社もしくは第三者の特許権 , 著作権等の知的財産権やその 他の権利の使用権または実施権を許諾するものではありません。また , これらの使用について , 第三者の知的財産権やその他の権利の実施ができるこ との保証を行うものではありません。したがって , これらの使用に起因する第三者の知的財産権やその他の権利の侵害などについて , 当社はその責任 を負いません。 本資料に記載された製品は , 通常の産業用 , 一般事務用 , パーソナル用 , 家庭用などの一般的用途に使用されることを意図して設計・製造されてい ます。極めて高度な安全性が要求され , 仮に当該安全性が確保されない場合 , 直接生命・身体に対する重大な危険性を伴う用途(原子力施設における 核反応制御 , 航空機自動飛行制御 , 航空交通管制 , 大量輸送システムにおける運行制御 , 生命維持のための医療機器 , 兵器システムにおけるミサイル発 射制御など), または極めて高い信頼性が要求される用途(海底中継器 , 宇宙衛星など)に使用されるよう設計・製造されたものではありません。し たがって , これらの用途へのご使用をお考えのお客様は , 必ず事前に当社営業窓口までご相談ください。ご相談なく使用されたことにより発生した損 害などについては , 当社は責任を負いません。 半導体デバイスには , ある確率で故障や誤動作が発生します。本資料に記載の製品を含め当社半導体デバイスをご使用いただく場合は , 当社半導体 デバイスに故障や誤動作が発生した場合も , 結果的に人身事故 , 火災事故 , 社会的な損害などを生じさせないよう , お客様の責任において , 装置の冗長 設計 , 延焼対策設計 , 過電流防止対策設計 , 誤動作防止設計などの安全設計をお願いします。 本資料に記載された製品および技術情報を輸出または非居住者に提供する場合は , 外国為替及び外国貿易法および米国輸出管理関連法規などの規制 をご確認の上 , 必要な手続きをおとりください。 本資料に記載されている社名および製品名などの固有名詞は , 各社の商標または登録商標です。 編集 システムメモリ事業部