技術資料 No.F1VR0158 TECHNICAL DATA SHEET 磁気シールドシート ファインメット®/FINEMET® 1.はじめに 電子機器の普及拡大に伴い、漏洩磁界による機器の誤動作、人体への影響などの電磁環境問題 が深刻化しつつあり、これらの対策部材、製品の要求が近年ますます増大しています。 当社は、優れた軟磁性を有するナノメートルスケールの超微結晶組織からなるナノ結晶軟磁性 合金「ファインメット®」の薄帯をPETフィルムでサンドイッチした磁気シールドシートを開 発しました。 本シートは携帯電話、パーソナルコンピュータ、CRT や磁気カードの保護、シールドルームな ど各種用途に好適です。 2.特 長 (1)従来材料に比べて優れた磁気シールド性能を示します。 (2)折り曲げや切断による磁気特性の劣化が小さく、安定したシールド性能が得られます。 (3)薄型、軽量で柔軟性があるため取り扱いが容易です。 (4)各種形状への打抜き、ハーフカット等の加工あるいは粘着テープ加工などが可能です。 (5)導電性金属箔と併用頂きますと、シールド性能を更に高めることができます。 3.構 造 PETフィルム(25μm) 接着剤 (25μm) ファインメット FT-3M 薄帯(18μm) 接着剤 (25μm) PETフィルム (25μm) 粘着テープ (オプション) 図 3-1 断面構造模式図の例 4.寸 法 表 4-1 品名コード 品 名 標準寸法 標準寸法 F1AH0607 MS-F F1AH0535 SD-460×610-T0 MS-FR 460mm×610mm 厚さ 470mm×100m 0.12mm 1 470-100M-T0 5.特 性 5.1 ファインメットのシールド性能 80 15枚 70 10枚 シールド効果 (dB) 60 5枚 50 3枚 40 2枚 30 20 重ね枚数:1枚 周波数50Hz 10 FT-3M MS−F 00 10 0.1 図 5-1 50 0.5 100 1 印加磁界 (G) 印加磁界 (μT) 500 5 1000 10 周波数 50Hz における磁気シールド効果の印加磁界による変化 (ASTM 法、外径 50mm-長さ 150mm の円筒形状試料にて測定) 5.2 従来材料とのシールド性能比較 表 5-1 従来材料との特性比較 材 質 当社材料 MS−F シート 項 比較材料 MS−A 目 Co 系アモルファス 方向性 フレークシート 珪素鋼板 厚さ(mm) 0.12 0.1 0.3 0.35 単位面積重量(kg/m2) 0.2 0.2 0.5 2.7 厚さ(mm) 0.02 0.02 0.02 0.35 磁 磁束密度(T) 1.23 0.60 0.5 1.83 性 最大透磁率(50Hz) 100,000 25,000 20,000(DC) 60,000(DC) 体 密度(103kg/m3) 7.3 7.8 7.7 7.65 抵抗率(μΩm) 1.2 1.2 1.5 0.48 磁束密度:印加磁界 800A/m における値 2 16 14 周波数50Hz MS−Fシート ファインメットシート 方向性珪素鋼板 シールド効果 (dB) 12 10 8 6 Co系アモルファスシート MS−Aシート Co系アモルファス フレークシート 4 2 00 5 0.5 図 5-2 10 1 50 5 印加磁界 (mG) 印加磁界 (μT) 100 10 20 周波数 50Hz における磁気シールド効果の印加磁界による変化 (ASTM 法、300mm 角ボックスにて測定) 16 14 印加磁界10mG 印加磁界 1μT MS−Fシート ファインメットシート シールド効果 (dB) 12 方向性珪素鋼板 10 8 6 4 2 0 40 Co系アモルファスシート MS−Aシート Co系アモルファス フレークシート 100 200 400 周波数 (Hz) 図 5-3 印加磁界 1μT における磁気シールド効果の周波数による変化 (ASTM 法、300mm 角ボックスにて測定) 3 500 50 磁界波 MS-F シート t ファインメットシート (35μm Cu 箔併用) シールド効果 (dB) 40 シート CoMS-A 系アモルファスシート t 30 (35μm Cu 箔併用) 20 Co系アモルファスフレークシート (35μm t Cu 箔併用 ) 10 0 0.1mmtCu 5 10 50 100 200 周波数 (kHz) 図 5-4 周波数 9∼150kHz における磁界波のシールド効果 (アドバンテストプローブ法、幅 200mm×長さ 200mm の板状試料にて測定) 本データシートに記載の数値は測定値の一例であり、保証値ではありません。 4