SM9501A 電波時計用受信 IC ■概要 SM9501A は、外付けアンテナで受信した 長波標準電波を増幅、検波し、二値化した時刻 信号を出力する電 波時計用受信 IC です。日本のように搬送波周波数の異なる送信局が 2 局あるような地域での同調周波数切り 替えを容易に実現するため、同調切り替え回路を内蔵した BiCMOS IC です。 ■特長 ■端子配列 • 動作電源電圧範囲:2.4 ∼ 3.6V (Top View) • 動作消費電流:55µA (typ)/3V 時 • 待機制御機能:0.1µA (max)/3V 時 • 高感度:0.5µVrms 入力 VDDA 1 16 VDD • 広い受信周波数帯域:35kHz ∼ 80kHz IN1 PON • アンテナ同調コンデンサ切り替え用アナログス IN3 OUT イッチ付き • AGC ゲイン固定機能有り IN2 VSS FCN • 外付け水晶フィルタ使用可能 • BiCMOS プロセス • パッケージ:16 ピン VSOP、チップフォーム HLDN XO CP VSSA CB XI 8 9 LF ■オーダーインフォメーション Chip form (Unit:mm) + 0. 0.15 − 1 0.05 0.5 ± 0.2 CF9501A ■外形寸法図 4.4 ± 0.2 16-pin VSOP 6.4 ± 0.2 SM9501AV 0.275TYP 5.1 ± 0.2 1.15 ± 0.1 Package 0.65 0.10 + 0.1 0.22 − 0.05 0 to 10 ° 0.10 ± 0.05 Device 0.12 M SEIKO NPC CORPORATION —1 SM9501A ■パッド配置図 (CF9501A) (Unit:µm) VDDA VDD 1 16 (1430,2360) IN1 2 15 PON IN3 3 14 OUT IN2 4 FCN 5 XO 6 TN 7 VSSA 13 VSS 12 HLDN 11 CP 10 CB 9 LF DA9501 NPC 8 XI (0,0) チップサイズ:1.43× 2.36mm チップ厚:300µm ± 30µm PAD 開口部:100µm (TN のみ : 80 µm) チップ裏面:V SS レベル ■パッド名・パッド座標 (CF9501A) パッド座標 (Unit: µm m) パッド番号 パッド名 1 VDDA 386 2117 2 IN1 177 2035 3 IN3 177 1766 4 IN2 177 1486 5 FCN 177 1217 6 XO 177 937 7 VSSA 177 586 8 XI 177 288 9 LF 1237 286 10 CB 1237 555 11 CP 1237 809 12 HLDN 1237 1078 13 VSS 1237 1302 14 OUT 1237 1755 15 PON 1237 2035 16 VDD 1031 2117 − TN 1257 1506 1 X Y 1. テスト用です。 SEIKO NPC CORPORATION —2 SM9501A ■ブロック図 PON OUT Bias Decoder VSS HLDN CP CB VDD VDDA Peak/Bottom Hold Det. AGC Control IN1 AGC Amp Post Amp Rectifier LPF IN3 IN2 XO VSSA XI FCN LF ■端子説明 端子番号 端子名 I/O 1 A/D2 機能説明 1 VDDA − A + 側電源入力端子 (AGC Amp 用 ) 2 IN1 I A アンテナ入力 1 ( 固定入力側 ) 3 IN3 I A アンテナ入力 3 ( アナログスイッチ経由 ) 4 IN2 I A アンテナ入力 2 ( アナログスイッチ側 ) 5 FCN Ipu D アナログスイッチ制御入力 ( ローアクティブ ) 6 XO O A 水晶フィルタ用出力 7 VSSA − A − 側電源入力端子 (AGC Amp 用 ) 8 XI I A 水晶フィルタ用入力 9 LF O A 整流器 LPF 用コンデンサ接続端子 10 CB O A ボトムホールド検波用コンデンサ接続端子 11 CP O A ピークホールド検波用コンデンサ接続端子 12 HLDN Ipu D AGC ゲイン固定制御 ( ローアクティブ ) 13 VSS − A − 側電源入力端子 ( サブストレート電位 ) 14 OUT O D 時刻コード出力 ( ローアクティブ ) 15 PON Ipu D 待機状態制御入力 ( ローアクティブ ) 16 VDD − A + 側電源入力端子 − TN Ipu D AGC Amp ゲイン制御切り替え ( ローアクティブ、テスト用 ) 1. I:入力、O:出力、Ipu:プルアップ抵抗付き入力、 −:電源を示します。 2. A:アナログ信号、D:ディジタル信号を示します。 SEIKO NPC CORPORATION —3 SM9501A ■絶対最大定格 V SS = 0V 項目 記号 条件 定格 単位 電源電圧範囲 VDD −0.3 ~ +7.0 V 入力電圧範囲 V IN −0.3~ V DD +0.3 V 消費電力 PD 16ピン VSOP 150 mW 保存温度範囲 T stg 16ピン VSOP −55~ +125 °C チップフォーム −65~ +150 °C 注 ) 絶対最大定格は、一瞬たりとも超えてはならない値です。万一超えた場合は、IC の破壊、特性劣化、信頼 性低下の懸念があります。 ■推奨動作条件 V SS = 0V 項目 記号 条件 規格 単位 電源電圧範囲 VDD 2.4 ~ 3.6 V 動作温度範囲 Topr −20 ~ +70 °C SEIKO NPC CORPORATION —4 SM9501A ■電気的特性 特記なき場合 V DD = 2.4~ 3.6V, VSS = 0V, Ta = −20~ +70°C 項目 記号 電源電圧 V DD 最大動作消費電流1 IDDM 条件 MIN 規格 単位 TY P MA X 3.0 3.6 V 65 100 µA 2.4 V DD = 3.0V, Ta = 25 °C, 信号無入力時 , PON:VSS , OUT:無負荷 V DD = 3.0V, Ta = 25°C, 動作消費電流 1 IDDT 待機時消費電流 IST 最小入力電圧範囲 Vfmin 最大入力電圧範囲 Vfmax fIN 入力周波数 RA アナログスイッチ抵抗 起動時間 ( 電源投入 ) tON 起動時間 2 (PON セット ) tPON 2 VIL 入力電圧 VIH IIL 入力電流 IIH IOL 出力電流 (L ow 出力時 ) IOH 出力電流 (High 出力時 ) tHLD ゲイン固定時間 立ち下がり出力遅延時間3 tDN 立ち上がり出力遅延時間 3 tUP Low 出力パルス幅4 (200ms) 4 Low 出力パルス幅 (500ms) 4 Low 出力パルス幅 (800ms) ノイズ除去比5 T 200 T 500 T 800 入力振幅:0.1mVrms( 差動入力 ), パルス幅:500ms, PON:VSS , OUT:無負荷 55 V DD = V DDA = 3.6V, PON, FCN, HLDN:OPEN, OUT :無負荷 IN1−IN2 間差動入力 , fIN = 40kHz, 60kHz, Ta = 25°C 0.5 IN1−IN2 間差動入力 , f IN = 40kHz, 60kHz 80 IN1−IN2 間差動入力 35 0.1 µA 1.0 µVrms mVrms V IN2 = 0V, VIN3 = 50mV PON, FCN, HLDN 端子 µA 80 kHz 15 Ω 8 sec 8 sec 0.5 V −1.5 µA 1 µA VDD −0.5 V IL = 0V, PON, FCN, HLDN 端子 V −0.5 V IH = V DD , PON, FCN, HLDN 端子 OUT 端子 , V OL = V SS + 0.5V OUT 端子 , V OH = VDD − 0.5V ± 3dB以内の変化 fIN = 40kHz, 60kHz, Ta = 25 °C, V IN = 1µVrms ~ 80mVrms, NPC 標準水晶を使用 , NPC 標準治具による 10 µA −10 µA 1 sec 160 ms 200 ms 100 200 300 ms 400 500 650 ms 700 800 900 ms 9 dB S/N 1. 標準回路にて測定。 2. 安定した電波入力状態で、電源投入あるいは PON 動作より、規格内の二値化出力が得られるまでの時間。 3. 入力信号の振幅比 10:1、パルス幅 500msにおいて電波の振幅変化から OUT の出力が変化するまでの時間。この特 性はアンテナおよび水晶フィルタの特性に大きく依存します。参考値として、弊社測定で水晶フィルタに使用した水 晶振動子の等価回路定数を下図に示します。 L1 C1 R1 f [kHz] L1 [kH] C1 [fF] R1 [kΩ] C0 [pF] 40 6.70280 2.36228 11.4492 1.42773 60 5.17396 1.36007 13.4826 1.04927 C0 4. 使用した水晶フィルタを用いた場合の値であり、水晶の特性に依存するため参考値とします。 5. ノイズはホワイトノイ ズとし、その測定帯域幅は、標準回路に用いて いる水晶フィルタ相当で、その時間平均の実 効 値としたもの。使用する水晶に依存するため、参考値とします。 SEIKO NPC CORPORATION —5 SM9501A ■標準回路 VDD 0.1µF + − VDDA VDD IN1 PON IN3 OUT 50Ω IN2 FCN *1 100kΩ 5.1kΩ 12pF 12pF 40kHz 60kHz VSS HLDN XO CP VSSA CB XI LF 0.22µF 1µF 1µF *1.この値は NPC 標準水晶を用いた場合であり、参考値とします。 水晶を変更した場合、この値は異なります。 ■応用回路例 ANT. VDD 0.1µF VDDA VDD IN1 PON IN3 OUT IN2 VSS CONTROLLER FCN *1 100kΩ 5.1kΩ 12pF 12pF 40kHz 60kHz HLDN XO CP VSSA CB XI LF 0.22µF 1µF 1µF *1.この値は NPC 標準水晶を用いた場合であり、参考値とします。 水晶を変更した場合、この値は異なります。 SEIKO NPC CORPORATION —6 SM9501A ■機能説明 ●アンテナ入力、同調コンデンサ切り替え機能 C1 C2 IN1 L1 IN3 AGC Amp IN2 FCN アンテナ入力端子として、IN1 端子 , IN2 端子 , IN3 端子を持ち、FCN 端子が OPEN ( または "High") の時、 内蔵アナログスイッチは OFF し、IN1−IN2 端子間がアンテナ入力となり (60kHz用 )、FCN 端子が "Low" の 時アナログスイッチが ON し、IN3 端子と IN2 端子がつながり、C2 が C1と並列に同調回路に加わり、より 低い共振周波数 (40kHz)になります。 FC N 端子 アナログスイッチ アンテナ入力 同調コンデンサ 受信周波数 OPEN または "High" OFF IN1−IN2 間 C1 60kHz "Low" ON IN1−IN2, IN3 間 C1, C2 並列 40kHz 同調コンデンサ切り替え機能を使わない場合は FCN 端子を OPEN とし、IN3 端子を IN2 端子と外部で短 絡してください。 ● AGC アンプ、ゲイン固定機能 アンテナからの入力電圧は AGC アンプで増幅されます。この時のゲインは、CP 端子の電圧でモニターで きるとともに、外部よりこの電圧を変化させると強制的にゲインを変えることができます。また、この電圧 を安定化させるために外付けにコンデンサ (Cp) を付けますが、この容量値によってゲイン変化の追従時間 が変わります。HLDN 端子が OPEN ( または "High") の間は、増幅後の検波信号によってゲインを常に自動 調整する状態となり、HLDN 端子が "Low" の時はその直前のゲインが容量 Cp によって保持されます。 HL D N 端子 ゲイン追従 OPEN または "High" 自動追従 "Low" ゲイン固定 HLDN CP Peak Hold Detector AGC Amp CB Bottom Hold Detector Cb Cp SEIKO NPC CORPORATION —7 SM9501A ●水晶フィルタ回路 推奨品(水晶フィルタ) 株式会社大真空社製:DT-261 共振周波数:40.000kHz/60.000kHz 負荷容量:12.5pF±25ppm XI XO Rx40 Cx40 40kHz Rx60 Cx60 60kHz 外付けの水晶をフィルタとして用います。複数の周波数 (40kHzと 60kHz)を通すには、その分の水晶を並 列に付けます。透過する中心周波数あるいは帯域幅は、使用する水晶振動子の特性により決まり、中心周波 数が目標とする周波数に対して低い場合、その調整用として C ×40, C×60に容量を付ける必要があります。複 数の水晶振動子で Q が異なる場合は、R×40, R×60を追加し、Q を調整する必要があります。IC 内部で、XO 端子と位相が反転している信号が内蔵コンデンサを介して XI 端子につながっており、これによって、水晶 振動子の並列容量で通過する高周波成分が相殺されます。 ●検波回路 増幅された信号を全波整流し、ローパスフィルタを通し検波します。この検波出力をピークホールド (CP 端子 )、ボトムホールド (CB 端子 ) し、デコードの基準電位を作るとともに、ピークホールド電位を基に、 AGC 制御を行ないます。 Peak hold Amplifier Rectifier LPF Peak/ Bottom Hold Bottom hold VSS potential VSS potential VSS potential ●デコード回路 検波出力およびそのピークホールド、ボトムホール ドの中間電位を基に、OUT 端子より時刻コード信号 を出力します。なお、出力は "Low" アクティブになっており、入力振幅が大きい時に "Low" を出力します。 Rectifier LPF LPF waveform VDD potential Decoder VSS potential OUT output Peak hold Peak/ Bottom Hold VSS potential Mid-level potential Bottom hold VSS potential SEIKO NPC CORPORATION —8 SM9501A ●待機機能 PON 端子を OPEN ( または "High") にすると待機状態になり消費電流が抑えられ、"Low" にすると受信動 作を開始します。 PON 端子 状態 OUT 端子 OPEN ( または "High") 待機状態 "High" 出力 "Low" 動作状態 時刻コード出力 SEIKO NPC CORPORATION —9 SM9501A ※この資料に記載されている商品のご使用に際しては、 次の点にご注意くださいますようお願い申し上げます。 1.この資 料に記載されている商品は、 パ ーソナル機器・工作機器・計測機器などの一般的な信頼性 を必要とする電子機器および電 気 機器に使用され ることを目的と して設計・製造されたもの であり、 航 空宇宙機器・原子力制御機 器・医療機 器・輸送機器・防災 機器・防犯機器などの、極めて高い信頼性・安全性を必要とする機器に使用されることを想 定したものではありません。また、 そ の故障 または誤作動が直接人命に関わる商品に使用されるこ とを想定したものではありません。本資料の商品をこのような機 器に使用するご希望がありましたら、必ず事前に当社営業部までお問い合わせください。 なお、事前のご相談無しに本資料の商 品をそのような機器に使用され、そのことによって発生した損害等については、当社では 一切の責任を負いかねますのでご了承ください。 2.この資 料に記載されている内容は、 商 品の特性や信頼性等の改善のため予告なしに変更され ることがありますので予めご了承 ください。 3.この資 料に記載されている内容については、その商品の使用に際して第三者の知的財産権そ の他の権利を侵害していないこと を 保証するものでは なく、 また、その実施権 の許諾が行われ るものでもあり ません。 し たがって、 そ の使用に起因す る第三者の 権利に対する侵害について当社は責任を負いかねますのでご了承ください。 4.この資料に記載されている回路等の定数は一例を示すものであり、量産に際しての設計を保証するものではありません。 5.この資 料に記載されている商品の全部または一部が、外国為替および外国貿易法その他の関 係法令に定める物資に該当する場 合は、それらの法令に基づく輸出の承認、 許可が必要になりますので、お客様にてその申請手続きをお願いいたします。 セ イ コ ー N P C 株 式 会 社 本社・東京営業所 〒 1040032 東京都中央区八丁堀 199 TEL 0355416501 FAX 0355416510 那須塩原事業所 〒 3292811 栃木県那須塩原市下田野 5311 TEL 0287353111( 代 ) FAX 0287353120 関 西 営 業 所 〒 5500004 大阪市西区靭本町 232 TEL 0664446631( 代 ) FAX 0664446680 http://www.npc.co.jp/ Email: [email protected] NC0304B 2010.09 SEIKO NPC CORPORATION —10