NJW4832 データシート

NJW4832
1 回路 小型ハイサイドスイッチ
概 要
NJW4832 は、0.2A の電流を供給できる 1 回路のハイサイドスイッ
チです。Pch MOS FET にアクティブクランプ、過電流、サーマルシャ
ットダウンの保護回路機能を内蔵しています。FLT 論理は、アクティブ
ハイ(A-ver)及びロー(B-ver)の 2 種類を用意しています。3V 系のマイコ
ンや DSP のロジック信号でも直接制御できるため、3V マイコン等の
使用時にレベルシフタが不要です。
保護回路も充実しており、光電・圧力・流量センサ等の出力部の
集積化に最適です。Nch 出力の NJW4822 とコンプリメンタリです。
特 長
ドレイン・ソース間電圧
ドレイン電流
 3V/5V 系ロジック電圧対応
低 ON 抵抗
低消費電流
アクティブクランプ回路
過電流検出回路
サーマルシャットダウン
外形
■
外形
NJW4832KH1
45V
0.2A
0.75 (typ.)
110A (typ.)
ESON6-H1
 端子配列
6
1
5
2
(Top View)
4
3
1
1. VDD
2. NC
3. OUT
4. IN
5. GND
6. FLT
2
3
Exposed PAD on backside
connect to GND.
6
5
4
(Bottom View)
 ブロック図
VDD
FLT
Over
Current
Protection
FLT
DELAY
VDD
Level Shift
IN
Thermal
Shut Down
GND
Ver.2015-06-22
Active
Clamp
OUT
-1-
NJW4832
 絶対最大定格
項
(Ta=25C)
目
記 号
VDS
VDD
VIN
VFLT
ドレイン・ソース間電圧
電源電圧
入力電圧
FLT端子電圧
消費電力
PD
アクティブクランプ耐量(単発)
アクティブクランプ電流
接合部温度範囲
動作温度範囲
保存温度範囲
EAS
IAP
Tj
Topr
Tstg
定格値
単位
V
V
V
V
45
45
0.3 to 6
0.3 to 6
445 (*1)
1135 (*2)
100
0.2
40 to 150
40 to 125
50 to 150
備考
VDD-OUT端子
VDD-GND端子
IN-GND端子
FLT-GND端子
mW
mJ
A
C
C
C
(*1): 基板実装時 101.5mm×114.5 mm×1.6mm(EIA/JEDEC 規格サイズ 2 層 FR-4)且つ Exposed Pad 使用
(*2): 基板実装時 101.5mm×114.5 mm×1.6mm(EIA/JEDEC 規格サイズ 4 層 FR-4)且つ Exposed Pad 使用
(4 層基板内箔:99.5x99.5mm 、JEDEC 規格 JESD51-5 にづき、基板にサーマルビアホールを適用)
 推奨動作条件
項
(Ta=25C)
目
ドレイン・ソース間電圧
電源電圧
出力電流
入力電圧
FLT 端子電圧
 製品バージョン
製品名
NJW4832KH1-A
NJW4832KH1-B
-2-
記 号
最小
標準
最大
単位
備考
VDS
VDD
IO
VIN
VFLT
0
4.6
0
0
0
–
–
–
–
–
40
40
0.2
5.5
5.5
V
V
A
V
V
VDD-OUT 端子
VDD-GND 端子
VDD-OUT 端子
IN–GND端子
FLT–GND端子
FLT 論理
アクティブハイ
アクティブロー
Ver.2015-06-22
NJW4832
 電気的特性
項
(特記事項なき場合、VDD=13V, Ta=25C)
目
ドレイン・ソース間
クランプ電圧
High level 入力電圧
Low level 入力電圧
保護回路動作入力電圧範囲
OUT端子OFF時リーク電流
消費電流 1
消費電流 2
入力電流
ドレイン・ソース間ON抵抗
過電流リミット
ONスイッチング時間
OFFスイッチング時間
OUT端子–VDD端子間電位差
FLT端子Lowレベル出力電圧
FLT端子OFF時リーク電流
FLT遅延時間
Ver.2015-06-22
記 号
VDSS_CL
VIH
VIL
VIN_opr
IOLEAKOUT
IDD1
IDD2
IIN
RDS_ON
ILIMIT
tON
tOFF
VPDOV
VLFLT
IOLEAKFLT
tDFLT
条
件
VIN=0V, IO=1mA,VDD= 40V
IO=10mA
IO=100A
VIN=0V, VDD=40V
VIN=0V, VDD=40V
VIN=5V
VIN=5V
VIN=5V, IO=0.2A
VIN=5V, VDS=5V
VIN=0 to 5V, IO=0.2A
VIN=5 to 0V, IO=0.2A
VIN=0V, IORH=0.2A
IFLT=500A
VFLT=5.5V
VIN=0 to 5V
最小
標準
最大
単位
VDD-45
–
–
V
2.64
–
2.64
–
–
–
–
–
0.2
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
110
150
0.75
0.4
10
10
0.85
0.25
–
5
–
0.9
5.5
1
1
150
190
1.2
0.8
–
–
1.2
0.5
1
–
V
V
V
A
A
A
A

A
s
s
V
V
A
ms
-3-
NJW4832
 端子動作表
【A バージョン:アクティブハイ】
入力信号
動作状態
L
通常
H
L
過電流 ILIMIT
H
L
Tj150C
H
FLT 端子
出力状態
H
L
OFF
ON
H
H
OFF
ILIMIT
H
H
OFF
OFF
【B バージョン:アクティブロー】
入力信号
動作状態
FLT 端子
出力状態
L
H
通常
H
H
OFF
ON
L
H
過電流 ILIMIT
H
L
OFF
ILIMIT
L
H
Tj150C
H
L
OFF
OFF
-4-
Ver.2015-06-22
NJW4832
 タイミングチャート
ON, OFF スイッチング時間 (VIN=0 to 5V, VDD=13V, IO=0.2A)
90%
IN
10%
90%
OUT
10%
tON
tOFF
FLT 遅延時間 (VIN=0 to 5V、VDD= VDS=13V、FLT=Pull-up、OUT-GND 短絡)
【A バージョン:アクティブハイ】
IN
50%
90%
FLT
tDFLT
【B バージョン:アクティブロー】
IN
50%
FLT
10%
tDFLT
Ver.2015-06-22
-5-
NJW4832
【A バージョン:アクティブハイ】
High
Input signal
Low
ON
Over Current
Protection
OFF
ON
Thermal Protection
OFF
Output voltage
VDD
VDSS_CL
0V
Inductive
load
ILIMIT
Drain current
0A
tDFLT
High
Fault signal
Low
Normal
-6-
Current limit
Thermal
shutdown
Active clamp
Ver.2015-06-22
NJW4832
【B バージョン:アクティブロー】
High
Input signal
Low
ON
Over Current
Protection
OFF
ON
Thermal Protection
OFF
Output voltage
VDD
VDSS_CL
0V
Inductive
load
ILIMIT
Drain current
0A
tDFLT
High
Fault signal
Low
Normal
Ver.2015-06-22
Current limit
Thermal
shutdown
Active clamp
-7-
NJW4832
 アプリケーション回路例
VDD
NJW4832
MCU
OUT
FLT
IN
GND
Load
FLT 端子を他の電源等に接続する場合はプルアップ抵抗を挿入してください。
-8-
Ver.2015-06-22
NJW4832
 特性例
消費電流2 対 周囲温度
ドレイン-ソース間クランプ電圧 対 周囲温度
200
180
70
160
60
消費電流2 [μA]
ドレイン-ソース間クランプ電圧 [V]
80
50
40
30
140
120
100
80
60
20
40
10
20
0
0
-50
-25
0
25
50 75
周囲温度 [ºC]
-50
100 125 150
-25
0
100 125 150
入力電流 対 周囲温度
消費電流2 対 入力電圧
200
200
180
180
160
160
140
140
入力電流 [μA]
消費電流2 [μA]
25
50
75
周囲温度 [ºC]
120
100
80
120
100
80
60
60
40
40
20
20
0
0
0
1
2
3
4
入力電圧 [V]
5
6
5
6
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
入力電流 対 入力電圧
200
180
160
入力電流 [μA]
140
120
100
80
60
40
20
0
0
Ver.2015-06-22
1
2
3
4
入力電圧 [V]
-9-
NJW4832
 特性例
ドレイン-ソース間ON抵抗 対 電源電圧
2
1.8
1.8
ドレイン-ソース間ON抵抗 [Ω]
ドレイン-ソース間ON抵抗 [Ω]
ドレイン-ソース間ON抵抗 対 出力電流
2
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
0
0
50
100
150
200
出力電流 [mA]
250
300
0
5
10
15
20
25
電源電圧 [V]
30
35
40
ドレイン-ソース間ON抵抗 対 周囲温度
2
ドレイン-ソース間ON抵抗 [Ω]
1.8
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
-50
-25
0
25
50 75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
出力電流 対 ドレイン‐ソース間電圧
出力電流 対 ドレイン‐ソース間電圧(拡大)
1
1
-40℃
0.9
-40℃
0.9
25℃
125℃
0.8
0.7
出力電流 [A]
出力電流 [A]
125℃
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.6
0.5
0.4
0.3
0.3
0.2
0.2
0.1
0.1
0
0
0
5
10
15
20
25
30
ドレイン‐ソース間 電圧 [V]
- 10 -
25℃
35
40
0
1
2
3
4
5
ドレイン‐ソース間電圧 [V]
Ver.2015-06-22
NJW4832
 特性例
OFFスイッチング時間 対 周囲温度
20
18
18
OFFスイッチング時間 [μs]
ONスイッチング時間 [μs]
ONスイッチング時間 対 周囲温度
20
16
14
12
10
8
6
4
2
16
14
12
10
8
6
4
2
0
0
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
-50
-25
10
0.7
9
100 125 150
8
0.6
0.5
0.4
0.3
7
6
5
4
3
0.2
2
0.1
1
0
0
-50
-25
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
-50
-25
TSD検出/解除温度 対 入力電圧
0
25
50
75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
過電流リミット 対 周囲温度
200
1
180
0.9
160
0.8
過電流リミット [A]
TSD検出/解除温度 [ºC]
25
50
75
周囲温度 [ºC]
FLT遅延時間 対 周囲温度
0.8
FLT遅延時間 [ms]
FLT端子Lowレベル出力電圧 [V]
FLT端子Lowレベル出力電圧 対 周囲温度
0
140
120
100
80
60
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
検出
40
0.2
解除
20
0.1
0
0
2
Ver.2015-06-22
2.5
3
3.5
4
4.5
入力電圧 [V]
5
5.5
6
-50
-25
0
25
50 75
周囲温度 [ºC]
100 125 150
- 11 -
Application Tips
NJW4832
技 術 資 料
 ハイサイド/ローサイドスイッチ製品のアクティブクランプ耐量について
 アクティブクランプ耐量とは
ハイサイド/ローサイドスイッチの負荷にモーターやソレノイドなどの誘導性負荷(L 負荷)を使用するアプリケーショ
ンでは、IC が ON 状態から OFF 状態に遷移する際に、L 負荷に蓄えられたエネルギーによる逆起電力によって IC にダ
メージを与える可能性があります。
このダメージを緩和するために用いられるのがアクティブクランプ回路と呼ばれるものです。アクティブクランプ回
路を用いることによって、
L 負荷から IC を保護する事ができるエネルギーをアクティブクランプ耐量(EAS)と呼びます。
ハイサイド/ローサイドスイッチの負荷に誘導性負荷を使用する際は、このアクティブクランプ耐量を超えないように
設計する必要があります。
 外部の保護素子を用いない場合の IC の動作(図 1)
アクティブクランプ
電流 IAP
tA
ID
アクティブクランプ期間
VDS
アクティブクランプ
電流 IAP
ID
VDD
0V
時間
ドレイン ・ソース間クランプ電圧
V DSS_CL
ドレイン ・ソース間クランプ電圧
V DSS_CL
VDS
VDD
0V
VIN
時間
5V
VIN
0V
tA
5V
アクティブクランプ期間
0V
tON
tON
図 1.アクティブクランプ動作波形 (左:ローサイドスイッチ 右:ハイサイドスイッチ)
VIN が ON するとドレイン電流(ID)が徐々に増加します。このとき VIN がオフになると、電流を流し続けようとする L
負荷の性質により、ドレイン・ソース間電圧(VDS)は急激に増加し、アクティブクランプ回路によって VDSS_CL でクラ
ンプされます。また同時に、出力トランジスタのゲート電圧を調整してドレインに電流を流し、そのエネルギーを出力
トランジスタで消費します。
このエネルギーESW は下式で表すことができます。
tA
E SW   VDS (t )  I D (t ) dt =
0
VDSS _ CL
1
2
LI AP 
2
VDSS _ CL  VDD
この ESW は IC 内で熱として消費されますが、VIN=0V の時はサーマルシャットダウンが機能していないため、最悪の
場合 IC が破壊に至ります。そのため、誘導性負荷を駆動する際は、上式の ESW が EAS を超えないように設計してくだ
さい。
- 12 -
Ver.2015-06-22
Application
Tips
NJW4832
技 術 資 料
 アプリケーションヒント
L 負荷の逆起エネルギーから IC を保護する一番簡単な方法は、負荷に対して外部フライホイール(回生)ダイオードを
追加することです(図 2)。
回生ダイオード
ID
VDD
V DS
VDD
VIN
DRAIN
SOURC E
VDD
OUT
VIN
V DS
ID
GND
回生ダイオード
図 2.誘導性負荷駆動回路図 (左:ローサイドスイッチ 右:ハイサイドスイッチ)
<注意事項>
このデータブックの掲載内容の正確さには
万全を期しておりますが、掲載内容について
何らかの法的な保証を行うものではありませ
ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。また、
工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴
うものではなく、第三者の権利を侵害しない
ことを保証するものでもありません。
Ver.2015-06-22
- 13 -
NJW4832
 パッケージ外形図
ESON6-H1
GD-N00602A-0
単位 : mm
- 14 -
Ver.2015-06-22