NJW4820 1 回路 ローサイドスイッチ 概要 NJW4820 は、0.5A の電流を供給できる 1 回路のローサイドスイッ チです。高耐圧 N ch MOS FET にアクティブクランプ、過電流検出回 路およびサーマルシャットダウンを内蔵しています。 3V 系のマイコンや DSP のロジック信号でも直接制御できるため、 3V マイコン等の使用時にレベルシフタが不要です。 モータ、ソレノイド、ランプなどの幅広いパワー・ドライブ用途に最 適です。 特長 ドレイン・ソース間電圧 ドレイン電流 3V/5V 系ロジック電圧対応 低 ON 抵抗 低消費電流 ■ 外形 NJW4820F 43V 0.5A 0.27Ω typ. (VIN=5V) 0.30Ω typ. (VIN=3.3V) 80µA typ. (VIN=5V) 65µA typ. (VIN=3.3V) アクティブクランプ回路 過電流検出回路 (電流制限自己復帰タイプ) サーマルシャットダウン 外形 SOT23-5 端子配列 5 4 1 2 3 1. 2. 3. 4. 5. N.C. SOURCE IN N.C. DRAIN ブロック図 DRAIN Active Clamp IN Thermal Shut Down Over Current Protection SOURCE Ver.2014-01-08 -1- NJW4820 絶対最大定格 項 目 ドレイン・ソース間電圧 入力電圧 消費電力 アクティブクランプ耐量 (単発) アクティブクランプ電流 接合部温度範囲 動作温度範囲 保存温度範囲 (Ta=25°C) 記 号 定 格 +43 −0.3 to +6 480 (*1) 640 (*2) VDS VIN PD EAS 10 単 位 備 考 V V DRAIN–SOURCE端子 IN–SOURCE端子 mW – mJ – IAP Tj Topr Tstg 1 A – – −40 to +150 °C – −40 to +85 °C – −50 to +150 °C (*1): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(2層 FR-4)でEIA/JEDEC 準拠による (*2): 基板実装時 76.2×114.3×1.6mm(4 層 FR-4)で EIA/JEDEC 準拠による (4 層基板内箔:74.2×74.2mm) 推奨動作条件 項 目 ドレイン・ソース間電圧 ドレイン電流 入力電圧 -2- (Ta=25°C) 記 号 最小 標準 最大 単 位 備 考 VDS ID VIN – 0 0 – – – 40 0.5 5.5 V A V DRAIN–SOURCE 端子 DRAIN–SOURCE 端子 IN–SOURCE端子 Ver.2014-01-08 NJW4820 電気的特性 項 (特記事項なき場合、VDS=13V, Ta=25°C) 目 ドレイン・ソース間 クランプ電圧 入力しきい値電圧 保護回路動作入力電圧範囲 ドレイン遮断電流 入力電流 1 (定常動作時) 入力電流 2 (定常動作時) 入力電流 3 (過電流リミット動作時) 入力電流4 (過電流リミット動作時) ドレイン・ソース間ON抵抗1 ドレイン・ソース間ON抵抗2 負荷短絡耐量 過電流リミット1 過電流リミット2 記 号 VDSS_CL 件 VIN=0V, ID=1mA 標準 最大 単位 43 – – V 0.9 – – 80 65 1.15 5.5 1 110 90 V V µA µA µA VIN=0V, VDS=40V VIN=5V VIN=3.3V 0.65 2.64 – – – IIN3 VIN=5V, VDD=13V – 160 200 µA IIN4 VIN=3.3V, VDD=13V – 105 130 µA RDS_ON1 RDS_ON2 VDS(SC) ILIMIT1 ILIMIT2 VIN=5V, ID=0.5A VIN=3.3V, ID=0.5A VIN=5V VIN=5V, VDD=13V VIN=3.3V, VDD=13V VIN=0 to 5V, VDD=13V, ID=0.5A VIN=0 to 3.3V, VDD=13V, ID=0.5A VIN=5 to 0V, VDD=13V, ID=0.5A VIN=3.3 to 0V, VDD=13V, ID=0.5A – – 28 1 0.75 0.27 0.3 – 1.6 1.3 0.6 0.65 – 2.3 2 Ω Ω V A A – 5 – µs – 8.5 – µs – 42 – µs – 35 – µs – 0.95 1.25 V tON1 ONスイッチング時間2 tON2 OFFスイッチング時間1 tOFF1 OFFスイッチング時間2 tOFF2 SOURCE端子–DRAIN端子間 電位差 VPDSD VDS=13V, ID=10mA 最小 Vth VIN_opr IDSS IIN1 IIN2 ONスイッチング時間1 Ver.2014-01-08 条 VIN=0V, IDR=1A -3- NJW4820 タイミングチャート ON, OFF スイッチング時間 (VIN=0 to 5V, VDS=13V, ID=0.5A) 90% VIN 10% 90% DRAIN 10% tON tOFF High Input signal Low ON Over Current Protection OFF ON Thermal Protection OFF Drain-source voltage VDD VDSS_CL 0V Inductive load ILIMIT Drain current 0A Normal -4- Current limit Thermal shutdown Active clamp Ver.2014-01-08 NJW4820 アプリケーション回路例 VDD RL Logic Voltage ex. 5V, 3V NJW4820 DRAIN Micro Controller IN Drive Signal SOURCE Ver.2014-01-08 -5- NJW4820 特性例 ドレイン・ソース間クランプ電圧 対 周囲温度 入力しきい値電圧 対 周囲温度 2 55 50 45 入力しきい値電圧 [V] ドレイン・ソース間クランプ電圧 [V] 60 40 35 30 25 20 15 1.5 1 0.5 10 5 0 0 -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 -50 150 入力電流 対 周囲温度 (定常動作時) 400 300 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 入力電流(過電流リミット動作時) 対 周囲温度 VIN=5.0V 350 -25 VIN=5.0V VIN=3.3V 250 VIN=3.3V 入力電流 [µA] 入力電流 [µA] 300 250 200 150 200 150 100 100 50 50 0 0 -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 -50 0.7 0.35 0.6 0.3 0.25 0.2 0.15 0.1 0.05 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 VIN=5.0V VIN=3.3V 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 0 2 4 入力電圧 [V] -6- 0 ドレイン・ソース間ON抵抗 対 周囲温度 0.4 ドレイン・ソース間ON抵抗 [Ω] ドレイン・ソース間ON抵抗 [Ω] ドレイン・ソース間ON抵抗 対 入力電圧 -25 6 -50 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 Ver.2014-01-08 NJW4820 特性例 過電流リミット 対 入力電圧 (Ta=25ºC) 2.00 過電流リミット 対 周囲温度 3.0 VIN=5.0V VIN=3.3V 1.50 過電流リミット [A] 過電流リミット [A] 2.5 1.00 0.50 2.0 1.5 1.0 0.5 0.00 0.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 入力電圧 [V] 5.0 ドレイン電流 対 ドレイン・ソース間電圧 2 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 ONスイッチング時間 対 周囲温度 60 VIN=5.0V VIN=3.3V VIN=5.0V VIN=3.3V 1.8 ONスイッチング時間 [µs] 1.6 ドレイン電流: ID [A] -50 6.0 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 50 40 30 20 10 0.2 0 0 0 10 20 30 ドレイン・ソース間電圧: VDS [V] -50 40 OFFスイッチング時間 対 周囲温度 60 VIN=5.0V VIN=3.3V 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 検出温度 解除温度 160 検出 / 解除温度 [ºC] OFFスイッチング時間 [µs] 0 TSD検出・解除温度 対 入力電圧 170 50 40 30 20 150 140 130 10 0 120 -50 Ver.2014-01-08 -25 -25 0 25 50 75 周囲温度 [ºC] 100 125 150 2 3 4 入力電圧 [V] 5 6 -7- Application Tips NJW4820 技 術 資 料 ハイサイド/ローサイドスイッチ製品のアクティブクランプ耐量について アクティブクランプ耐量とは ハイサイド/ローサイドスイッチの負荷にモーターやソレノイドなどの誘導性負荷(L 負荷)を使用するアプリケーショ ンでは、IC が ON 状態から OFF 状態に遷移する際に、L 負荷に蓄えられたエネルギーによる逆起電力によって IC にダ メージを与える可能性があります。 このダメージを緩和するために用いられるのがアクティブクランプ回路と呼ばれるものです。アクティブクランプ回 路を用いることによって、 L 負荷から IC を保護する事ができるエネルギーをアクティブクランプ耐量(EAS)と呼びます。 ハイサイド/ローサイドスイッチの負荷に誘導性負荷を使用する際は、このアクティブクランプ耐量を超えないように 設計する必要があります。 外部の保護素子を用いない場合の IC の動作(図 1) アクティブクランプ 電流 IAP tA ID アクティブクランプ期間 VDS アクティブクランプ 電流 IAP ID VDD 0V 時間 ドレイン ・ソース間クランプ電圧 V DSS_CL ドレイン ・ソース間クランプ電圧 V DSS_CL VDS VDD 0V VIN 時間 5V VIN 0V tA 5V アクティブクランプ期間 0V tON tON 図 1.アクティブクランプ動作波形 (左:ローサイドスイッチ 右:ハイサイドスイッチ) VIN が ON するとドレイン電流(ID)が徐々に増加します。このとき VIN がオフになると、電流を流し続けようとする L 負荷の性質により、ドレイン・ソース間電圧(VDS)は急激に増加し、アクティブクランプ回路によって VDSS_CL でクラ ンプされます。また同時に、出力トランジスタのゲート電圧を調整してドレインに電流を流し、そのエネルギーを出力 トランジスタで消費します。 このエネルギーESW は下式で表すことができます。 tA E SW = ∫ VDS (t ) ⋅ I D (t )dt = 0 VDSS _ CL 1 2 LI AP ⋅ 2 VDSS _ CL − VDD この ESW は IC 内で熱として消費されますが、VIN=0V の時はサーマルシャットダウンが機能していないため、最悪の 場合 IC が破壊に至ります。そのため、誘導性負荷を駆動する際は、上式の ESW が EAS を超えないように設計してくだ さい。 -8- Ver.2014-01-08 Application Tips NJW4820 技 術 資 料 アプリケーションヒント L 負荷の逆起エネルギーから IC を保護する一番簡単な方法は、負荷に対して外部フライホイール(回生)ダイオードを 追加することです(図 2)。 回生ダイオード ID VDD VDD VIN DRAIN SOURCE VDD OUT VIN V DS V DS ID GND 回生ダイオード 図 2.誘導性負荷駆動回路図 (左:ローサイドスイッチ 右:ハイサイドスイッチ) <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 Ver.2014-01-08 -9-