NJM2640 データシート

NJM2640
48V 2相半波モータプリドライバ
■ 概要
■ 外形
NJM2640 は、48V ファンモータ向けに開発した 2 相半
波 DC ブラシレスモータプリドライバ IC です。
ロック保護/自動復帰回路を内蔵し、モータロック時
の安全性を高めています。
パッケージは、小型の EMP8を採用しており 48V ファ
ンモータアプリケーションの小型化に最適です。
NJM2640E
■ 特徴
● 動作電源電圧
VCC=4∼55V
● 絶対最大定格電圧 60V
● ロック保護/自動復帰機能付
● ロックアラーム出力端子付
● 外形
EMP8
■ ブロック図
-1-
NJM2640
■ 端子配列
1
8
2
7
3
6
4
5
■ 絶対最大定格
項
目
電
源
電
圧
ホール入力電圧レンジ
出
力
電
流
ロックアラーム出力電圧
ホール入力差動電圧
ロックアラーム出力電流
許
容
損
失
動 作 周 囲 温 度
動作時ジャンクション温度
保 存 温 度 範 囲
-2-
記号
定 格 値
Vcc
VIH
IOUT
VOLA
VIHD
IOLA
PD
Topr
Toj
Tstg
60
-0.3 ∼ Vcc
30
60
2
20
375
-40∼85
-40∼150
-55 ∼ +150
ピン配列
1:Vcc
2:H1
3:LA
4:H2
5:GND
6:Ct
7:OUT1
8:OUT2
(Ta=25℃)
単位
V
V
mA
V
V
mA
mW
℃
℃
℃
NJM2640
■ 電気的特性
項 目
(Ta=25℃, VCC=48V)
記号
条
件
最小
標準
最大
単位
−
4.0
48.0
55.0
V
Vcc=24V
−
3.0
4.0
mA
Vcc=48V
−
3.8
4.8
mA
動作電源電圧範囲
Vcc
消費電流
Icc
ホール入力ヒステリシス幅
VHYS
−
8
20
32
mV
ホールアンプ入力バイアス電
流
IB
−
−
0.5
1.0
μA
ホール入力コモンモード電圧
VICM
−
1.5
−
Vcc-2
V
出力電圧
VOUT
IOUT=10mA
−
Vcc-1.5
−
V
出力リーク電流
ILEAK
Vcc=60V
−
−
5
μA
ロックアラーム出力電圧
VLA
ロックアラーム ON,ILA=5mA
−
−
0.5
V
ロックアラームリーク電流
ILA-LEAK
VLA=60V
−
−
10
μA
Ct 充電電流
ICHG
VCt=1.5V
−
3.8
−
μA
Ct 放電電流
IDCHG
VCt=1.5V
−
0.75
−
μA
充電/放電電流比
ICHG/IDCHG
4.0
5.5
8.0
Ct H レベル検出電圧
VCtH
2.2
2.5
2.8
V
Ct L レベル検出電圧
VCtL
0.6
0.7
0.8
V
自動復帰 ON 時間
TON
Ct=0.47μF
−
0.25
−
s
自動復帰 OFF 時間
TOFF
Ct=0.47μF
−
1.25
−
s
-3-
NJM2640
■ 特性例
Icc[mA]
Vcc vs Icc
4 .5
4 .0
3 .5
3 .0
2 .5
2 .0
1 .5
1 .0
0 .5
0 .0
0
10
20
30
40
50
60
Vcc[V]
Vlock[mV]
Lock A larm Output Voltage
vs Lock A larm Output Current
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
VMM=48V
VMM=24V
0
5
10
15
Ila[mA]
Vsat[V]
sat
Output Current vs Output Tr.
Tr Vsat
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
VMM=5V
VMM=12V
VMM=24V
VMM=48V
0
10
20
Output Current [mA]
-4-
30
40
NJM2640
■ NJM2640 アプリケーションノート
NJM2640 は、2 相半波駆動のブラシレスモータプリドライバ IC です。高耐圧 60V プロセスを採用しており、高電圧
電源(48V など)対応が必要な通信機器関連のファンモータに最適です。
[応用回路例]
V+
D1
Ra
C1
GND
Motor
R3
Ca
ZD1
R1
TR1
R4
VCC
Hall
element
OUT1
H1
ZD2
R5
H2
ZD1
R2
Ct
TR2
OUT2
ZD2
D2
R4
NJM2640
C2
R5
GND
LA
Lock alarm out
[設計資料]
V+=48V,ホール素子:HW101A(AKE),FAN モータ電流:300mA,TR1,TR2:2SD0968A(NEC)を例に説明します。
1. C1,D1
C1 は、ノイズ除去用のコンデンサです。実機の使用環境等に合わせて選択してください。
D1 は、電源配線の逆接続保護のダイオードです。
2. モータロック保護/自動復帰回路(C2 の設計)
モータロック保護/自動復帰回路は、なんらかの異常でモータが回転停止したのを検出し、モータ電流を自動的に
off し、出力端子 LA を off とします。その後ロックが解除されるとモータ回転に自動復帰します。
C2 のコンデンサ定数により、ロック検出時間(Ton)とロック保護時間(Toff)を設定します。設定します。ロック検
出時間、モータの起動時間(機械時定数)を考慮して決める必要があります。
ON 時間 TON は、
TON = Ct
Vch − Vcl
[sec]
Ic
で与えられます。
たとえば、Ct=0.47uF の時は、
TON = 0.47 × 10 − 6 ×
2 . 5 − 0 .7
= 0.22[sec ]
3.8 × 10 − 6
となります。
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NJM2640
OFF 時間 TOFF は、
TOFF = Ct
Vch − Vcl
[sec]
Idc
で与えられます。
Ct=0.47uF の時は、
TOFF = 0.47 × 10 − 6 ×
2.5 − 0.7
= 1.13[sec ]
0.75 × 10 − 6
となります。
ロック保護タイムチャートを以下に示します。
ホ ー ル 入力
モ ー タ 出力
t OFF
ton
Ct 端子 電 圧
High
LA出力
モ ー タ ロ ッ ク 復帰期間
モ ー タ ロ ッ ク
通常動作に復帰
LA 出力は、モータ回転時“L”
、ロック検出時“off”のオープンコレクタ出力です。
※ 使用上の注意
LA 出力端子(ロックアラーム端子)は、
電源投入時から数百 ms の期間、
High 出力となる場合があります。
電源
LA出 力
数百ms
3. 位置検出回路ホール素子(R1,R2 の設計)
位置検出回路はヒステリシス(24mVtyp)を有する差動アンプとなっています。アンプ部の入力バイアス電圧は信
号の振幅も含めてホール入力コモンモード電圧(1.5∼VCC-2V)内で使用する必要があります。ホール素子無励磁の
バイアス電圧は電源電圧 VCC の半分つまり VCC/2 とすることを推奨します。
従ってホールバイアス抵抗 R1,R2 は等しく設定することになります。
HW101A のカタログより、バイアス電流は5mA、バイアス電圧を VCC の中点とすると、
Vcc
48
=
= 9.6 kΩ
Ihbias 5 × 10 − 3
R1 = R 2 = 4.8kΩ
R1 + R 2 =
となります。
ホール素子の出力電圧は、ホール素子のバイアス電流、ホール素子の磁束密度に関係しますが、入力レベルとし
ては、100mVp-p 以上を推奨します。
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NJM2640
4. POWER 段ベース回路(R4,R5 の設計)
出力電流 300mA の時の TR1 のベース電流は、カタログ記載の HFE から IB=6mA。VCC=48V、NJM2640 の
VCE=1.5V、TR1 の VBE=0.7 とすると R4 は、
となります。
VCC − VBE − VCE
IB
48 − 0.7 − 1.5
R4 =
= 7.63 × 103 = 7.6kΩ
−3
6 × 10
R4 =
TR1 のベースプルダウン抵抗 R5 は、TR1 のターンオフ時間と密接な関係があり、ターンオフ時の巻線電流の
peak 電流値に影響します。巻線電流の peak 低減は、FAN 回転動作時のエコーノイズの低減につながります。
一般には 1kΩ∼10kΩ程度ですが、実機で確認することを推奨します。
TR1 のターンオフ時間が速ければ、Peak
電流は小さくなる。
巻線電流
5. POWER 出力段スパイクキラー(ZD1、又は ZD2 の設計)
TR1(TR2)が ON から OFF したとき、コイルによるキックバック電圧を制限するために ZD を付加します。この
場合、ZD によるコイルエネルギの処理の方法としては次の2通りがあります。
① ZD1 による方法(TR1 のコレクタ∼ベース間挿入)
コイルのエネルギー消費は、TR1(TR2)で行われます。ZD が動作しているとき、TR1 のコレクタ電圧は Vbe
+ZD となりますので ZD の耐圧は TR1 の耐圧よりも低くなるようなツェナー電圧の素子を選択する必要があ
ります。
② ZD2 による方法(TR1 のコレクタ∼エミッタ間挿入)
コイルのエネルギー消費は、ZD2 で行われます。ZD の耐圧は、TR1 を保護するために TR1 の耐圧よりも低
くなるようなツェナー電圧の素子を選択する必要があります。
一般には①の方法に比較して、コイルエネルギー量が大きいときに使用されます。
ZD の電力選択に注意する必要があります。
6. VCC 入力(Ra、Ca の設計)
VCC の電圧が、IC の動作電圧を超える場合に挿入してください。
例)VCC=60V で使用する場合
IC の消費電流は、標準で 4mA(VCC=48V)より、
Ra =
60 − 48
= 3kΩ
4 × 10 − 3
となります。
Ca は VCC が変動による回路発振現象が現れる際に IC の VCC、GND 近傍に取り付けてください。
コンデンサ容量としては 0.01μF∼0.1μF のセラミック C を推奨します。
本 IC は、
一般環境においては充分な ESD サージ耐量を持っていますが、
VCC に Ra,Ca を付加することにより、
異常な外来サージの想定される環境においてもサージ耐量アップが図れます。
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NJM2640
7. 活線挿抜保護(D2 の設計)
電源を入れた状態で電源コネクタ等の抜き差しが想定される環境では、電源の接続状態によっては
TR1(TR2)が破損するなどの予期せぬ事故が発生する場合があります。
このような場合には、巻線∼GND 間に D を取り付けることをお勧めします。
<注意事項>
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ん。とくに応用回路については、製品の代表
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