NJM2360 データシート

NJM2360
DC/DC コンバータ制御用 IC
■ 概 要
NJM2360 は,DC/DC 変換用スイッチング電源 IC です。大容量の
出力スイッチを内蔵しており,1.5A のスイッチング動作が可能です。
外付け素子は少なく,ステップアップ,ステップダウン,インバー
タ等のアプリケーションが容易に実現できます。また,外部抵抗を
付けることにより出力電流制限も可能です。
■ 特 徴
●高出力スイッチ電流
●電源電圧範囲
●過電流検出回路内蔵
●電源電圧
●出力電圧
●発振周波数
●外形
■ 外 形
NJM2360D
NJM2360M
1.5A (MAX)
2.5V*∼40V
V+
2.5V*∼40V
VOR
1.25V∼40V
fOSC
100Hz∼100kHz
DIP8,DMP8
*Ta=25℃時、低温の条件においては 3.0V からの動作電圧になります。
■ 端 子 配 列
NJM2360D
NJM2360M
■ ブロック図
2
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NJM2360
■ 絶対最大定格 (Ta = 25ºC)
項
目
記 号
定
+
格
単 位
V
40
V
コ ン パ レ ー タ 入 力 電 圧
VIR
-0.3 ∼ 40
V
消
PD
電
源
電
費
圧
電
力
(D タイプ) 700
(M タイプ) 600
(注 1)
mW
ス イ ッ チ ン グ 電 流
ISW
1.5
A
動
作
温
度
Topr
-40 ∼ + 85
ºC
保
存
温
度
Tstg
-40 ∼ +125
ºC
(注 1) DMP(M タイプ)消費電力は基板実装時とします。
■ 電気的特性
直流特性(V+ = 5V, Ta = 25ºC)
項
目
記 号
条
件
最 小
標 準
最 大
単 位
-
2.4
3.5
mA
+
消
費
電
流
ICC
5V≦V ≦40V, CT = 0.001µF
+
SI = V , INVIN > Vth, ES = GND
充
電
電
流
Ichg
5V≦V+≦40V
20
35
50
µA
Idischg
+
150
200
250
µA
放
発
電
振
充
電
出
放
流
電
力
電
制
電
流
圧
電
限
検
範
流
出
電
5V≦V ≦40V
囲
VOSC
比
Idischg/Ichg
SI = V+
-
0.5
-
VP-P
-
6
-
-
圧
VIPK(sense)
Ichg = Idischg
250
300
350
mV
1
VCE(sat) 1
ダーリントン接続(CS = CD), ISW = 1.0A
-
1.0
1.3
V
ISW = 1.0A, IC(driver) = 50mA
(Forced β≒20)
VCE(sat) 2
-
0.5
0.7
V
35
120
-
-
-
10
-
nA
1.18
1.25
1.32
V
-
40
400
nA
出力スイッチ (注 2)
飽
和
飽
電
和
圧
電
2
圧
得
hFE
ISW = 1.0A, VCE = 5.0V
オ フ 時 コ レ ク タ 電 流
IC(off)
VCE = 40V
直
流
電
流
利
コンパレータ
ス レ ッ シ ホ ー ル ド 電 圧
Vth
入
IIB
力
バ
イ
ア
ス
電
流
VIN = 0V
(注 2)出力スイッチテストは消費電力を最小にするためパルス条件で行う。
■消費電力−周囲温度特性例
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■ 特 性 例
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■ 特 性 例
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■ 応用回路例
1 Step-Up Converter
*D1 は EK14(SBD)を使用
2 Step-Down Converter
*DI は EK14 (SBD) を使用
(注)D1 はなるべく VF の低い電力用
ダイオードを御使用下さい。
又,安全動作領域を十分確認の上
御使用下さい。
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3 Step-Up Converter (High Current)
4 Step-Down Converter (High Current)
5 Invert Converter
*D1 は EK14(SBD)を使用
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■ 応用回路特性例
1 Step-Up Converter
2 Step-Down Converter
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NJM2360
■ 動 作 原 理
NJM2360 は,
内蔵する大電流スイッチにより,
1.5A のスイッチ電流が供給可能な DC/DC コンバータ制御用 IC です。
内部回路は基準電圧源,発振器,コンパレータ,制御用論理回路,スイッチング・トランジスタにより構成されてい
ます。
基準電圧は温度補償されたバンドギャップ回路にて設定しています。発振器は 3 番端子に接続されるコンデンサの値
により,発振周波数を設定します。
スイッチング動作は 5 番端子に接続されたコンパレータ反転入力と発振器の内部論理回路によりスイッチングトラン
ジスタを ON し,
発振器出力に同期したリセットパルスによりスイッチングトランジスタを OFF することで行います。
■ 設計公式表
項
目
ton
toff
(ton+toff)max
CT
IPK(switch)
ステップ・ダウン
ステップ・アップ
インバーター
VOUT + VF
VIN(max) − VSAT − VOUT
VOUT + VF - VIN(min)
VIN(min) − VSAT
VIN(min) − VSAT
1
1
1
fmin
fmin
fmin
4×10-5・ton (max)
4×10-5・ton (max)
4×10-5・ton (max)
2・IOUT(max)
2・IOUT(max)・
ton + toff
toff
VOUT + VF
2・IOUT(max)・
ton + toff
toff
RSC
VIPK(sense)/IPK(sense)
VIPK(sense)/IPK(sense)
VIPK(sense)/IPK(sense)
L(min)
VIN(max) − VSAT − VOUT
・ton (max)
IPK(switch)
VIN(min) − VSAT
・ton (max)
IPK(switch)
VIN(min) − VSAT
・ton (max)
IPK(switch)
CO
IPK(switch) ⋅ (ton + toff)
8 ⋅ Vripple(p − p)
~
−
IOUT ⋅ ton
Vripple(p − p)
~
−
IOUT ⋅ ton
Vripple(p − p)
VSAT:アウトプット・スイッチ・飽和電圧
VF :整流用・ダイオード・動方向電圧
ton :出力・スイッチ・オン・時間
toff :出力・スイッチ・オフ・時間
■ 回 路 動 作
内部ブロック図(Fig. 1),タイミングチャート(Fig. 2)により,以下に動作を説明します。
発振器は定電流により CT 端子に接続されたコンデンサを充放電することで発振波形を作り出します。充放電電流が
それぞれ一定であるために,コンデンサの値により発振周波数が決まります。
AND ゲートの C 入力は発振器の充電中に High となり,D 入力はコンパレータ入力が Vth より低い時に High となりま
す。C,D 入力が High となる時フリップ・フロップがセットされて Q が High になり出力スイッチが ON します。また,
発振器が放電しはじめると C 入力は Low になりフリップ・フロップがリセットされて出力スイッチを OFF にします。
電流制限は V+−CS 間に接続した検出抵抗により電圧降下を SI 端子で検出し,約 300mV を超える電圧が検出された
時に電流制限回路が動作します。この時 CT 端子を通じてコンデンサに急速充電を行なうとともに充電時間及び出力ス
イッチの ON 時間を短くし,OFF 時間を長くします。
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<注意事項>
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ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。また、
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