NJM2641 データシート

NJM2641
2相半波モータプリドライバ
■ 概要
■ 外形
NJM2641は2相半波DCブラシレスモータ用プリ
ドライバICです。
ロック保護/自動復帰回路を内蔵し、モータロック時の安
全性を高めています。自動復帰動作時の通電ON/OFF比
は巻線温度の低減を考慮した1:10の設定となっていま
す。
NJM2641M
パッケージは汎用の DMP8、小型のTVSP8を採用し
ており、12V系ファンモータアプリケーションの小型化に
最適です。48V プリドライバのNJM2640とピンコン
パチです。
NJM2641RB1
■ 特徴
● 動作電源電圧
VCC=4∼14V
● 絶対最大定格電圧 15V
● ロック保護/自動復帰機能付
● ロックアラーム出力端子付
● 外形
DMP8/TVSP8
■ ブロック図
-1-
NJM2641
■ 端子配列
1
8
2
7
3
6
4
5
■ 絶対最大定格
項
定 格 値
(Ta=25℃)
記号 (単位)
15
-0.3 ∼ Vcc
70
15
2
10
300(DMP8)/400(TVSP8)
-40∼ 85
-40∼150
-55∼150
Vcc (V)
VIH(V)
IOUT(mA)
VLA(V)
VIHL(V)
ILA(mA)
PD (mW)
Topr (℃)
Tj (℃)
Tstg (℃)
目
電
源
電
圧
ホ ー ル 入 力 電 圧 範 囲
出
力
電
流
ロックアラーム出力電圧
ホ ー ル 入 力 差 動 電 圧
ロックアラーム出力電流
許
容
損
失
動 作 周 囲 温 度
動作時ジャンクシ ョン温度
保
存
温
度
■ 推奨動作範囲
項
目
規格値
電
源
電
圧
4 ∼14
ホール入力コモンモード電圧 1.5 ∼ Vcc-2
ジャンクション温度
-20∼125
-2-
ピン配列
1:Vcc
2:H1
3:LA
4:H2
5:GND
6:Ct
7:Out1
8:Out2
記号 (単位)
Vcc (V)
VICM (V)
Tj (℃)
(Ta=25℃)
備考
備考
単体
NJM2641
■ 電気的特性
項 目
(Ta=25℃, VCC=12V)
記号
条
件
最小
標準
最大
単位
Vcc=12V
−
3.0
4.0
mA
Vcc=5V
−
2.8
3.75
mA
消費電流
Icc
ホール入力ヒステリシス幅
VHYS
−
8
20
32
mV
ホールアンプ入力バイアス電流
IB
−
−
1.0
−
μA
出力電圧
Vout
IOUT=20mA
−
Vcc-1.5
−
V
OFF 時電流
Ileak
Vcc=14V
−
1
10
μA
ロックアラーム出力電圧
VLA
ロックアラーム ON,ILA=5mA
−
−
0.5
V
ロックアラームリーク電流
ILAleak
VLA=14V
−
1
5
μA
Ct 充電電流
Ic
VCT=1.5V
−
4.0
5.5
μA
Ct 放電電流
Idc
VCT=1.5V
−
0.4
0.6
μA
充電/放電電流比
Ic/Idc
−
−
10
−
Ct H レベル検出電圧
Vch
−
2.5
2.8
3.1
V
反転電圧
Vcl
−
0.6
0.7
0.8
V
自動復帰 ON 時間
Ton
Ct=0.47μF
−
0.25
−
s
自動復帰 OFF 時間
Toff
Ct=0.47μF
−
2.5
−
s
-3-
NJM2641
■特性例
VCC-ICC
4.0
3.5
ICC[mA]
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0
2
4
6
8
10
12
14
16
VCC[V]
ILA VS. VLA
1000
VCC=5V
VLA[mV]
800
VCC=12V
600
400
200
0
0
2
4
6
8
10
12
14
16
ILA[mA]
Vsat[V]
IOUT VS. Vsat
2.00
1.80
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
VCC=5V
VCC=12V
0
20
40
60
IOUT[mA]
-4-
80
100
120
NJM2641
■ NJM2641 アプリケーションノート
NJM2641 は、2 相半波駆動のブラシレスモータプリドライバ IC です。通信・情報機器関連の 12V ファンモータに最適です。
[応用回路例]
V+
D1
Ra
C1
GND
Motor
R3
Ca
ZD1
R1
VCC
Hall
element
TR1
R4
OUT1
H1
ZD2
R5
H2
ZD1
R2
Ct
TR2
OUT2
ZD2
NJM2641
C2
D2
R4
R5
GND
LA
Lock alarm out
[設計資料]
V+=12V,ホール素子:HW101A(AKD),FAN モータ電流:300mA,TR1,TR2:2SD2457(Panasonic)を例に説明します。
1. C1,D1
C1 は、ノイズ除去用のコンデンサです。実機の使用環境等に合わせて選択してください。
D1 は、電源配線の逆接続保護のダイオードです。
2. モータロック保護/自動復帰回路(C2
C2 の設計)
モータロック保護/自動復帰回路は、なんらかの異常でモータが回転停止しことを検出し、モータ電流を自動的に off し、
出力端子 LA を off とします。その後ロックが解除されるとモータ回転に自動復帰します。
C2 のコンデンサ定数により、ロック検出時間(Ton)とロック保護時間(Toff)を設定します。設定します。ロック検出時間、モ
ータの起動時間(機械時定数)を考慮して決める必要があります。
ON 時間 TON は、
TON = Ct
Vch − Vcl
[sec]
Ic
で与えられます。
たとえば、Ct=0.47uF の時は、
TON = 0.47 × 10 − 6 ×
2 . 8 − 0 .7
= 0.25[sec ]
4.0 × 10 − 6
となります。
OFF 時間 TOFF は、
TOFF = Ct
Vch − Vcl
[sec]
Idc
で与えられます。
-5-
NJM2641
Ct=0.47uF の時は、
TOFF = 0.47 × 10 − 6 ×
2 .8 − 0 . 7
= 2.47[sec ]
0.4 × 10 − 6
となります。
ロック保護タイムチャートを以下に示します。
LA 出力は、モータ回転時“L”、ロック検出時“off”のオープンコレクタ出力です。
※ 使用上の注意
LA 出力端子(ロックアラーム端子)は、電源投
入時から数百 ms の期間、High 出力となる場合
があります。
3. 位置検出回路ホール素子(R1,R2
R1,R2 の設計)
位置検出回路はヒステリシス(20mVtyp)を有する差動アンプとなっています。アンプ部の入力バイアス電圧は信号の振
幅も含めてホール入力コモンモード電圧(1.5~VCC-2V)内で使用する必要があります。ホール素子無励磁のバイアス電
圧は電源電圧 VCC の半分つまり VCC/2 とすることを推奨します。
従ってホールバイアス抵抗 R1,R2 は等しく設定することになります。
HW101A のカタログより、バイアス電流は5mA、バイアス電圧を VCC の中点とすると、
Vcc
12
=
= 2 .4 k Ω
Ihbias 5 × 10 − 3
R1 = R 2 = 1.2kΩ
R1 + R 2 =
となります。
ホール素子の出力電圧は、ホール素子のバイアス電流、ホール素子の磁束密度に関係しますが、入力レベルとしては、
100mVp-p 以上を推奨します。
4. POWER 段ベース回路(R4,R5
R4,R5 の設計)
出力電流 300mA 時の TR1 のベース電流は、カタログ記載の HFE から IB=3.75mA。VCC=12V、NJM2641 の VCE=1.5V、
TR1 の VBE=0.7 とすると R4 は、
となります。
VCC − VBE − VCE
IB
12 − 0.7 − 1.5
R4 =
= 2.61 × 103 = 2.6kΩ
−3
3.75 × 10
R4 =
-6-
NJM2641
TR1 のベースプルダウン抵抗 R5 は、TR1 のターンオフ時間と密接な関係があり、ターンオフ時の巻線電流の peak 電流
値に影響します。巻線電流の peak 低減は、FAN 回転動作時のエコーノイズの低減につながります。
一般には 1kΩ~10kΩ程度ですが、実機で確認することを推奨します。
TR1 のターンオフ時間が速ければ、Peak
電流は小さくなる。
巻線電流
5. POWER 出力段スパイクキラー(ZD1
ZD1、又は
ZD2 の設計)
ZD1
TR1(TR2)が ON から OFF したとき、コイルによるキックバック電圧を制限するために ZD を付加します。この場合、ZD に
よるコイルエネルギの処理の方法としては次の2通りがあります。
① ZD1 による方法(TR1 のコレクタ~ベース間挿入)
コイルのエネルギー消費は、TR1(TR2)で行われます。ZD が動作しているとき、TR1 のコレクタ電圧は Vbe+ZD とな
りますので ZD の耐圧は TR1 の耐圧よりも低くなるようなツェナー電圧の素子を選択する必要があります。
② ZD2 による方法(TR1 のコレクタ~エミッタ間挿入)
コイルのエネルギー消費は、ZD2 で行われます。ZD の耐圧は、TR1 を保護するために TR1 の耐圧よりも低くなるよ
うなツェナー電圧の素子を選択する必要があります。
一般には①の方法に比較して、コイルエネルギー量が大きいときに使用されます。
ZD の電力選択に注意する必要があります。
6. VCC 入力(Ra
Ra、Ca
Ra Ca の設計)
VCC の電圧が、IC の動作電圧を超える場合に挿入してください。
例)VCC=15V で使用する場合
IC の消費電流は、最大で 4mA(VCC=12V)より、
Ra =
15 − 12
= 0.75 kΩ
4 × 10 − 3
となります。
Ca は VCC が変動による回路発振現象が現れる際に IC の VCC、GND 近傍に取り付けてください。
コンデンサ容量としては 0.01μF~0.1μF のセラミック C を推奨します。
本 IC は、一般環境においては充分な ESD サージ耐量を持っていますが、VCC に Ra,Ca を付加することにより、異常な
外来サージの想定される環境においてもサージ耐量アップが図れます。
7. 活線挿抜保護(D2
D2 の設計)
電源を入れた状態で電源コネクタ等の抜き差しが想定される環境では、電源の接続状態によっては
TR1(TR2)が破損するなどの予期せぬ事故が発生する場合があります。
このような場合には、巻線~GND 間に D を取り付けることをお勧めします。
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MEMO
<注意事項>
このデータブックの掲載内容の正確さには
万全を期しておりますが、掲載内容について
何らかの法的な保証を行うものではありませ
ん。とくに応用回路については、製品の代表
的な応用例を説明するためのものです。また、
工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴
うものではなく、第三者の権利を侵害しない
ことを保証するものでもありません。
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