NJU26220 ドルビーバーチャルスピーカー/ドルビーヘッドフォン プロセッサ 概 要 ■ 外 形 NJU26220は、ドルビー® バーチャルスピーカーやドルビー® ヘッドフォンをデ コードするデジタルシグナルプロセッサです。Dolby® Pro Logic® IIデコーダを 内蔵し、多チャンネルにデコードされた信号をドルビー®バーチャルスピーカー やドルビー® ヘッドフォン技術により、2つのスピーカーやヘッドフォンで5.1サラ ウンドを実現します。さらに、外部デコーダからのマルチチャンネル入力に対応 しています。 NJU26220のアプリケーションは、デジタルTV、ミニコンポ、PC、各種AV機器に 最適です。 NJU26220FR3 特 徴 ◆ ソフトウェア Dolby® Virtual Speaker Dolby® Headphone Dolby® Pro Logic® II (最大 5.1ch 出力) マルチチャンネル入力 (最大 5.1ch 入力) モニター出力 リップシンク機能 (デジタルオーディオディレイ) ◆ ハードウェア 24bit 固定小数点デジタルシグナルプロセッサ 外部クロック周波数 : 12.288MHz, PLL を内蔵 デジタルオーディオインターフェース : 入力 4 ポート/出力 4 ポート デジタルオーディオフォーマット : I2S 24bit、 左詰め/右詰め対応、 BCK : 32fs/64fs マスター/スレーブ対応 ・マスター時、 MCK:256fs @fs=48kHz / 384fs @fs=32kHz ホストインターフェース ・I2C バスインターフェース (Fast-mode/ 400kbps) ・シリアルインターフェース (4 線式:クロック、スレーブセレクト、入力データ、出力データ) 電源電圧 : VDD = VDDPLL = 1.8V : VDDIO = 3.3V 入力専用端子許容電圧 : 5V トレラント パッケージ : LQFP48-R3 (鉛フリー対応) *ハードウェア仕様の詳細については「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」を参照願います。 Ver.2010-05-17 -1- NJU26220 NJU26220 ブロック図 AD1/SDIN NJU26220 AD2/SSb SERIAL AUDIO INTERFACE 24bit Fixed-point DSP Core SCL/SCK BCKO SERIAL HOST INTERFACE SDA/SDOUT PROGRAM CONTROL LRO Monitor 24-BIT x 24-BIT MULTIPLIER SDI* ALU RESETb MCK TIMING GENERATOR / PLL CLK CLKOUT SDO0 L/R SDO1 C/SW SDO2 BCKI ADDRESS GENERATION UNIT SL/SR SDO3 LRI PROC DATA RAM FIRMWARE ROM MUTEb General I/O INTERFACE SEL WDC 図1 NJU26220 ブロック図 機能ブロック NJU26220 Features Overview SL/SR C/SW L/R SL/SR L/R LFE Generator L/R L/R SW1 SW3 SW2 C/SW C/SW SL/SR SDO1 C/SW SDO2 SL/SR SDO3 Monitor out trimmer SDI3 SL/SR SDI2 SL/SR C/SW Input Trimmer C/SW L/R L/R SDI1 SW1 Dolby VirtualSpeaker Dolby Headphone PLII Delay (C, SL/SR) SDI0 C/SW L/R Output Trimmer (Master & L/R/C/SL/SR/SW) ProLogic II Output Delay (C, SL/SR or L/R) DVS/DH Stereo bypass mode, Bypass mode Moniitor Moniitor SDO0 SL/SR Downmix SW1 : PLII ON/OFF SW2 : DVS/DH ON/OFF SW3 : DVS/DH output mode select 図2 -2- WatchDog Output Noise Generator WDC NJU26220 機能ブロック図 Ver.2010-05-17 NJU26220 VDD 29 AD1/SDIN VSS 30 25 VSSIO 31 AD2/SSb VDDIO 32 26 MCK 33 SCL/SCK BCKO 34 27 LRO 35 28 SDA/SDOUT SDO3 36 端子配列 SDO2 37 24 TEST SDO1 38 23 TEST SDO0 39 22 TEST VDDIO 40 21 RESETb VSSIO 41 20 VDDIO VSS 42 19 VSSIO VDD 43 18 CLK SDI3 44 17 CLKOUT SDI2 45 16 VDD SDI1 46 15 VSS SDI0 47 14 VSSPLL LRI 48 13 VDDPLL 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 VDDIO BCKI VSSIO VSS VDD TEST MUTEb WDC PROC VSSIO VDDIO SEL NJU26220 図3 Ver.2010-05-17 端子配列 -3- NJU26220 端子説明 表1 端子説明 Pin No. 1, 11, 20, 32, 40 2 3, 10, 19, 31, 41 4, 15, 30, 42 5, 16, 29, 43 6 7 8 9 12 13 14 17 18 21 22 23, 24 25 26 27 端子名 VDDIO BCKI VSSIO VSS VDD TEST MUTEb * WDC * PROC * SEL VDDPLL VSSPLL CLKOUT CLK RESETb TEST TEST AD1/SDIN AD2/SSb SCL/SCK I/O − I − − − I I OD I I − − O I I I I I I I 28 SDA/SDOUT I/O 33 34 35 36 37 38 39 44 45 46 47 48 MCK BCKO LRO SDO3 SDO2 SDO1 SDO0 SDI3 SDI2 SDI1 SDI0 LRI O O O O O O O I I I I I 機 能 I/O 電源 +3.3V ビットクロック入力 I/O 電源 GND 内部電源 GND 内部電源 +1.8V テスト端子 (必ず 3.3kΩの抵抗を介して VSSIO に接続してください) リセット後のマスタボリューム状態 ( 1 : 0dB、 0 : ミュート) ウォッチドッグタイマ用クロック出力端子 (オープンドレイン出力) リセット後の信号処理 ( 1 : 通常処理する、 0 : 処理しないでコマンド待ち) ホストインターフェース選択 ( 1 : シリアル(4 線式)、 0 : I2C バス) PLL 電源 +1.8V PLL 電源 GND 水晶発振用クロック出力端子 水晶発振用クロック入力端子 (12.288MHz) リセット (RESETb= 0 でリセット) テスト端子 (必ず VDDIO に接続してください) テスト端子 (必ず VSSIO に接続してください) I2C アドレス選択 1 / シリアル(4 線式)データ入力 I2C アドレス選択 2 / シリアル(4 線式)スレーブセレクト シリアルクロック / シリアル(4 線式)クロック I2C データ入出力 / シリアルデータ出力(シリアル 4 線式) ・I2C バス時、オープンドレイン出力のため、プルアップ抵抗を接続してください。 ・シリアル 4 線式時、CMOS 出力のため、プルアップ抵抗を接続する必要ありません。 マスタークロック出力 (CLK 端子のバッファ出力) ビットクロック出力 LR クロック出力 オーディオデータ出力 3 (SL/SR) オーディオデータ出力 2 (C/SW) オーディオデータ出力 1 (L/R) オーディオデータ出力 1 (Monitor) オーディオデータ入力 3 オーディオデータ入力 2 オーディオデータ入力 1 オーディオデータ入力 0 LR クロック入力 I :入力 O :出力 OD :オープンドレイン出力 I/O :双方向 端子名に * が付いている端子は、必ず抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO または VSSIO に接続してください。 -4- Ver.2010-05-17 NJU26220 デジタルオーディオインターフェース デジタルオーディオフォーマットは、I2S、MSB ファースト左詰め、及び MSB ファースト右詰めをサポートしています。 NJU26220 は、4 ポートのオーディオデータ入力端子(SDI0∼3)と、4 ポートのオーディオデータ出力端子(SDO0∼3) を備えています。入出力信号の割り当ては表 2,表 3 及び図 2,図 3,図 4 機能ブロック図を参照してください。 表 2 オーディオデータ入力端子 Pin No. 端子名 47 SDI0 Stereo L/R 46 SDI1 45 SDI2 C/SW 44 SDI3 SL/SR 表 3 オーディオデータ出力端子 Pin No. 端子名 39 SDO0 Monitor 出力 L/R 38 SDO1 C/SW 37 SDO2 SL/SR 36 SDO3 機能 (端子選択可能) 機能 Note: L/R ・・・・・ フロント C/SW・・・・・ センター/サブウーファー SL/SR・・・・ サラウンド Ver.2010-05-17 -5- NJU26220 ホストインターフェース NJU26220 の制御インターフェースは、I2C バスインターフェース、あるいは、シリアルインターフェース(4 線式) です。 I2C バスインターフェースで制御する場合、リセット解除時、SEL 端子を L に設定し、シリアルインターフェース(4 線 式)で制御する場合、リセット解除時、SEL 端子を H に設定します。(表 4) ホストインターフェース端子機能は、表 5 の通りです。 データ転送は共に 8 ビット(1 バイト)単位です。 ホストインターフェースは常にスレーブで、ホストコントローラからク ロック(SCL/SCK)に同期してデータが転送されます。 表 4 ホストインターフェース設定 Pin No. 端子名 設定 12 SEL L (※) H (※) ホストインターフェース I C バスインターフェース シリアルインターフェース(4 線式) ※ リセット解除時に設定します。 表 5 ホストインターフェース端子機能 Pin No. 端子名 シリアルインターフェース I2C バスインターフェース 2 (I C /Serial) 選択時 (4 線式)選択時 25 AD1/SDIN I2C アドレス選択 Bit1 シリアルデータ入力 26 AD2/SSb I2C アドレス選択 Bit2 スレーブセレクト 27 SCL/SCK シリアルクロック シリアルクロック 28 SDA/SDOUT シリアルデータ入出力 シリアルデータ出力 (オープンドレイン出力) (CMOS 出力) 注意: SDA/SDOUT 端子は、 I2C バスインターフェース選択時:オープンドレイン出力となります。適切なプルアップ抵抗を接続してください。 シリアルインターフェース(4 線式)選択時:CMOS 出力となります。プルアップ抵抗は必要有りません。 また、SDA/SDOUT 端子は、5V トレラントではないため、電圧レベルに注意してください。(最大で VDDIO まで) SCL/SCK 端子は、5V トレラントです。 I2C バスインターフェース時は SCL/SDA 端子のプルアップ電圧を SDA 側に統一してください。 -6- 2 Ver.2010-05-17 NJU26220 I2C バスインターフェース I2C バスインターフェースでは、データを SDA 端子に、クロックを SCL 端子に転送します。 SDA 端子はオープンドレ イン構造で、外部にプルアップ抵抗が必要です。 AD1,AD2 端子(Pin No.25,26)は、7 ビットからなるスレーブアドレ スの下位 2 ビットの設定に用います。 アドレスは、表 6 に示す固定値と AD1/AD2 端子により、4 種類設定できます。 I2C バスインターフェーススレーブアドレス設定 表6 bit7 0 0 0 0 固定値 bit5 1 1 1 1 bit6 0 0 0 0 AD2 端子 bit4 1 1 1 1 bit3 1 1 1 1 AD1 端子 bit2 0 0 1 1 bit1 0 1 0 1 R/W bit0 R/W データ形式 Start bit R/W bit Slave Address (7bit ) ACK ※ AD1 端子、AD2 端子において 0 = L 、 1 = H I2C バスインターフェースのタイミング等、詳細については、「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」を参照し てください。 注意:I2C バスは Standard-Mode (100kbps) および Fast-Mode (400kbps) をサポートします。 また、S(「START」条件) を送った後、Sr(反復「START」条件)を受け付けず、P:「STOP」条件待ちになります。そのため、必ず P:「STOP」条件を送っ てください。 シリアルインターフェース(4 線式) シリアルインターフェース(4 線式)回路は、スレーブセレクト端子(SSb 端子)が L レベルで動作状態となります。 SDIN 端子に入力されるデータは、SCK 端子の立ち上がりに同期して DSP に読み込まれます。 SDOUT 端子からのデータは、SSb 端子の立ち下がりに同期して bit7 が出力され、次に SCK 端子の立ち下りに同期し て bit6, bit5, bit4, bit3, bit2, bit1, bit0 が出力されます。入出力共に MSB ファーストで通信されます。(図 6) 通信は 8bit 単位です。8bit に満たなかった場合や 8bit を超えた場合は、正しく動作しません。SDOUT 端子は、常時 CMOS 出力のため、プルアップ抵抗は必要有りません。また、SSb='H'時に SDOUT 端子に現れる値は不定となります。 SSb SCK SDIN bit7 bit6 bit5 bit1 MSB SDOUT 不定 bit7 bit0 LSB bit6 bit5 bit1 bit0 不定 図 6 シリアルインターフェース(4 線式)タイミング シリアルインターフェース(4 線式)のタイミング等、詳細については、「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」 を参照してください。 Ver.2010-05-17 -7- NJU26220 端子設定 NJU26220 はリセット解除後の動作を PROC、MUTEb 端子により設定することができます。(表 7) PROC、MUTEb 端子は、抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO または VSSIO に接続してください。 表 7 機能設定ピン Pin No. 端子名 9 PROC 7 MUTEb 設定 H (※) L (※) H (※) L (※) 機能 リセット解除後、デフォルト設定に従って信号処理を行います。 リセット解除後、信号処理を行いません。信号処理の開始には、専 用のスタートコマンドを送信する必要があります。 リセット解除後、マスターボリュームを 0dB に設定します。 リセット解除後、マスターボリュームをミュートに設定します。 ※ リセット解除時に設定します。 ウォッチドッグクロック出力端子 NJU26220 は、Watch Dog クロック出力端子(WDC)を持っています。音声信号処理の過程で、一定の間隔で WDC 端子をトグルすることにより、外部にファームウェアが動作していることを通知します。この出力と外部 Watch Dog 監 視 IC やマイコン等の端子でモニタすることで、異常状態を検出することができます。WDC 端子からの出力トグル周 期は、約 10ms∼640ms の範囲で設定可能です。初期設定は、約 200ms に設定されています。 WDC 端子は、オープンドレイン出力となっているため、表 8 のように設定してください。 表 8 WDC ピン設定 Pin No. 端子名 8 WDC 設定 WDC 使用する場合 抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO に接続してください。 WDC 使用しない場合 抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VSSIO に接続してください。 (端子をフローティング状態にしないでください) 注意: ・WDC 端子出力は、音声処理の過程に挿入されており、周期は正確ではありません。 ・スレーブモードにおいて、BCKI/LRI の入力が無い場合には出力できません。 ・サンプリングレートを正しく設定することが必要です。 -8- Ver.2010-05-17 NJU26220 NJU26220 コマンド一覧 表 9 NJU26220 コマンド表 No. 機 能 1 SET_TASK_CMD 2 PRO2MODE_CMD 3 PRO2CDCFG_CMD 4 PRO2FLAGS_CMD 5 DVS_DH_CMD 6 SAMPLERATE_CMD 7 PNG_MODE_CMD 8 DELAY_CMD 9 GAIN_CMD 10 SYSTEM_STATE_CMD 11 WATCHDOG_CMD 12 SMOOTH_CMD 13 OUTPUT_SEL_CMD 14 LFE_CONFIG_CMD 15 REINIT_CMD 16 SOFTWARE_RESET_CMD 17 START_CMD 18 NOP_CMD コマンドの詳細については別途、ご請求下さい。 また、コマンド開示するにはドルビーラボラトリーズの許可が必要となります。 ライセンスについて ドルビーラボラトリーズからの実施権に基づき製造されています。 Dolby、ドルビー、Pro Logic及びダブルD記号(2)はドルビーラボラトリーズの商標です。 NJU26220の使用にあたっては,ドルビーラボラトリーズ発行のライセンシーインフォメーションを御参照ください。 Ver.2010-05-17 -9- NJU26220 パッケージ寸法 ( LQFP48-R3、 鉛フリー ) MOLD MATERIAL : EPOXY RESIN 単位:mm 端子処理:SnBi <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには 万全を期しておりますが、掲載内容について 何らかの法的な保証を行うものではありませ ん。とくに応用回路については、製品の代表 的な応用例を説明するためのものです。また、 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 うものではなく、第三者の権利を侵害しない ことを保証するものでもありません。 - 10 - Ver.2010-05-17