NJU26207 ドルビーボリュームデコーダ 概 要 ■ 外 形 NJU26207は、ドルビーボリュームを搭載した24ビットデジタルシグナルプロセッサ です。 ドルビーボリュームにより、チャンネル間あるいは入力ソース間で生じる音量レベ ル差の問題を解消し、従来のAGC機能より高品質の音量調整ソリューションを得ら れます。さらに、再生ボリュームに応じて帯域補正を行い、低音量でも最適なミック スバランスを再現することが可能です。 NJU26207の機能により、デジタルTV、TVラック、サウンドバー、スピーカシステ ム等の各種オーディオ機器に最適です。 NJU26207V 特 徴 ◆ ソフトウェア ドルビーボリューム (512FFT Window / 20Band) Delay マスターボリューム / バランスコントロール サンプリング周波数:32kHz、44.1kHz、48kHz 対応 入力 2ch、出力 2ch ◆ ハードウェア 24bit 固定小数点デジタルシグナルプロセッサ 外部クロック周波数 : 12.288MHz, PLL を内蔵 デジタルオーディオインターフェース : 入力 4 ポート/出力 3 ポート デジタルオーディオフォーマット : I2S 24bit、 左詰め/右詰め対応、 BCK : 32fs/64fs マスター/スレーブ対応 ホストインターフェース ・I2C バスインターフェース (Standard-mode/100kbps, Fast-mode/400kbps) ・シリアルインターフェース (4 線式:クロック、スレーブセレクト、入力データ、出力データ) 電源電圧 : VDD = VDDPLL = 1.8V : VDDIO = 3.3V 入力専用端子許容電圧 : 5V トレラント パッケージ : SSOP44 ( 鉛フリー対応 ) *ハードウェア仕様の詳細については「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」を参照願います。 Ver.2008-12-03 -1- NJU26207 ブロック図 ブロック図 AD1/SDIN AD2/SSb DSP ARITHMETIC UNIT SCL/SCK SDA/SDOUT SERIAL HOST INTERFACE SERIAL AUDIO INTERFACE BCKO BCKO PROGRAM CONTROL LRO 2424-BIT x 2424-BIT MULTIPLIER ALU RESETb MCK CLK TIMING GENERATOR / PLL L/Rout SDO0 SDO0 (L+R)/2out (L+R)/2out SDO1 SDO1 Monitor L/R L/R SDO2 SDO2 in SDI0~3 SDI0~3 ADDRESS GENERATION UNIT BCKI CLKOUT LRI PROC DATA RAM 図1 General I/O INTERFACE FIRMWARE FIRMWARE ROM MUTEb SEL WDC NJU26207 NJU26207 ハードウエアブロック図 ハードウエアブロック図 機能ブロック 機能ブロック L/R(SDI0) Dolby Volume L/R(SDI1) L/R(SDI2) L/R(SDI3) Output Trimmer (Master&Balance) Delay L/R(SDO0) (L+R)/2(SDO1) Monitor L/R(SDO2) 図2 -2- NJU26207 機能ブロック 機能 ブロック図 ブロック図 (ファームウェア (ファームウェア) ファームウェア ) Ver.2008-12-03 NJU26207 端子配列 SDI3 1 44 VDD SDI2 2 43 VSS SDI1 3 42 VSSIO SDI0 4 41 VDDIO LRI 5 40 SDO0 VDDIO 6 39 SDO1 BCKI 7 38 SDO2 VSS 8 37 TEST VDD 9 36 LRO TEST 10 35 BCKO 34 MCK 33 VDDIO NJU26207 MUTEb 11 WDC 12 PROC 13 32 SDA/SDOUT VSSIO 14 31 SCL/SCK VDDIO 15 30 AD2/SSb SEL 16 29 AD1/SDIN VDDPLL 17 28 TEST VSSPLL 18 27 TEST VSS 19 26 TEST VDD 20 25 RESETb CLKOUT 21 24 VDDIO CLK 22 23 VSSIO SSOP44 図3 Ver.2008-12-03 端子配列 -3- NJU26207 端子説明 表 1 端子説明 * Pin No. 端子名 I/O 機 能 1 SDI3 I オーディオデータ入力 3(L/R) 2 SDI2 I オーディオデータ入力 2 (L/R) 3 SDI1 I オーディオデータ入力 1 (L/R) 4 SDI0 I オーディオデータ入力 0 (L/R) 5 LRI I LR クロック入力 6 VDDIO I/O 電源 +3.3V 7 BCKI I ビットクロック入力 8 VSS 内部ロジック電源 GND 9 VDD 内部ロジック電源 +1.8V 10 TEST * I テスト端子 ( 通常使用時 : VSSIO に接続 ) 11 MUTEb * I リセット後のマスターボリューム状態 ‘1’:0dB ‘0’:ミュート 12 WDC * OD ウォッチドッグクロック出力端子(オープンドレイン出力) 13 PROC * I リセット後の信号処理 ‘1’:通常処理する ‘0’:処理しないでコマンド待ち 14 VSSIO I/O 電源 GND 15 VDDIO I/O 電源 +3.3V 16 SEL I ホストインターフェース選択 ‘1’:シリアル(4 線式)/ ‘0’: I2C バス 17 VDDPLL PLL アナログ部電源 +1.8V 18 VSSPLL PLL アナログ部電源 GND 19 VSS 内部ロジック電源 GND 20 VDD 内部ロジック電源 +1.8V 21 CLKOUT O 水晶発振用クロック出力端子 22 CLK I 水晶発振用クロック入力端子 ( 12.288MHz ) 23 VSSIO I/O 電源 GND 24 VDDIO I/O 電源 +3.3V 25 RESETb I リセット(RESETb= ‘0’でリセット) 26 TEST I テスト端子 ( 通常使用時 : VDDIO に接続 ) 27 TEST I テスト端子 ( 通常使用時 : VSSIO に接続 ) 28 TEST I テスト端子 ( 通常使用時 : VSSIO に接続 ) 2 29 AD1/SDIN I I C アドレス選択(I2C)/シリアルデータ入力(シリアル(4 線式)) 30 AD2/SSb I I2C アドレス選択(I2C)/スレーブセレクト(シリアル(4 線式)) 31 SCL/SCK I シリアルクロック(I2C)/シリアルクロック(シリアル(4 線式)) 32 SDA/SDOUT I/O シリアルデータ入出力(I2C)/シリアルデータ出力(シリアル(4 線式)) 33 VDDIO I/O 電源 +3.3V 34 MCK O A/D,D/A クロック出力(CLK 端子のバッファ出力) 35 BCKO O ビットクロック出力 36 LRO O LR クロック出力 37 TEST O テスト端子 (必ず OPEN にして下さい) 38 SDO2 O オーディオデータ出力 2 (Monitor L/R) 39 SDO1 O オーディオデータ出力 1 ((L+R)/2) 40 SDO0 O オーディオデータ出力 0 (L/R) 41 VDDIO I/O 電源 +3.3V 42 VSSIO I/O 電源 GND 43 VSS 内部ロジック電源 GND 44 VDD 内部ロジック電源 +1.8V I :入力, O :出力, OD :オープンドレイン出力, I/O :双方向 端子名に * が付いている端子は、必ず抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO または VSSIO に接続してください。 -4- Ver.2008-12-03 NJU26207 デジタルオーディオインターフェース デジタルオーディオフォーマットは、I2S、MSB ファースト左詰め、及び MSB ファースト右詰めをサポートしています。 NJU26207 は、4 ポートのオーディオデータ入力端子(SDI0~3)と、3 ポートのオーディオデータ出力端子(SDO0~2)を備 えています。入出力信号の割り当ては表 2,表 3 及び図 1、図 2 の機能ブロック図を参照してください。 表 2 オーディオデータ入力 オーディオデータ 入力 Pin No. 端子名 機 能 4 3 2 1 SDI0 SDI1 SDI2 SDI3 オーディオデータ入力 ( L / R ) (SDI0~SDI3 ピンセレクト) 表 3 オーディオデータ出力 オーディオデータ 出力 Pin No. 端子名 機 能 40 SDO0 オーディオデータ出力 0 39 SDO1 オーディオデータ出力 1 38 SDO2 オーディオデータ出力 2 ( L/R ) ( (L+R)/2 ) ( Monitor L/R ) ホストインターフェース NJU26207 の制御インターフェースは、I2C バスインターフェース、あるいは、シリアルインターフェース(4 線式) です。 I2C バスインターフェースで制御する場合、リセット解除時、SEL 端子を”L”に設定し、シリアルインターフェース(4 線 式)で制御する場合、リセット解除時、SEL 端子を”H”に設定します。(表 4) ホストインターフェース端子機能は、表 5 の通りです。 データ転送は共に 8 ビット(1 バイト)単位です。 ホストインターフェースは常にスレーブで、ホストコントローラからク ロック(SCL/SCK)に同期してデータが転送されます。 表 4 ホストインターフェース ホストインターフェース設定 設定 Pin No. 端子名 設定 L (※) 16 SEL H (※) ホストインターフェース I C バスインターフェース シリアルインターフェース(4 線式) ※ リセット解除時に設定します。 2 表 5 ホストインターフェース ホストインターフェース端子機能 端子機能 I2C バスインターフェース 端子名 Pin No. 2 選択時 (I C /Serial) 2 29 AD1/SDIN I C アドレス選択 Bit1 30 AD2/SSb I2C アドレス選択 Bit2 31 SCL/SCK シリアルクロック シリアルデータ入出力 32 SDA/SDOUT (オープンドレイン出力) シリアルインターフェース (4 線式)選択時 シリアルデータ入力 スレーブセレクト シリアルクロック シリアルデータ出力 (CMOS 出力) 注意: 注意: SDA/SDOUT 端子は、I2C バスインターフェース選択時:オープンドレイン出力になります。プルアップ抵抗を接 続してください。シリアルインターフェース(4 線式)選択時:CMOS 出力になります。プルアップ抵抗を接続する必 要ありません。 また、SDA/SDOUT 端子は、5V トレラントではないため、電圧レベルに注意してください。(最大で VDDIO まで) SCL/SCK 端子は、5V トレラントです。 I2C バスインターフェース時は SCL/SDA 端子のプルアップ電圧を SDA 側 に統一してください。 Ver.2008-12-03 -5- NJU26207 I2C バスインターフェース I2C バスインターフェースでは、データを SDA 端子に、クロックを SCL 端子に転送します。SDA 端子はオープンドレイ ン構造で、外部にプルアップ抵抗が必要です。 AD1,AD2 端子(Pin No.29, 30)は、7 ビットからなるスレーブアドレスの 下位 2 ビットの設定に用います。 アドレスは、表 6 に示す固定値と AD1/AD2 端子により、4 種類設定できます。 表 6 I2C バスインターフェーススレーブアドレス設定 バスインターフェーススレーブアドレス 設定 bit7 0 0 0 0 固定値 bit5 1 1 1 1 bit6 0 0 0 0 AD2 端子 bit4 1 1 1 1 bit3 1 1 1 1 AD1 端子 bit2 0 0 1 1 bit1 0 1 0 1 R/W bit0 R/W データ形式 Start Bit R/W bit Slave Address (7bit ) ACK ※ AD1 端子、AD2 端子において“0”=”L”、”1”=”H” ※ R/W において“0”=”W”、”1”=”R” I2C バスインターフェースのタイミング等、詳細につきましては、「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」を参 照してください。 シリアルインターフェース(4 シリアルインターフェース(4 線式) 線式) シリアルインターフェース(4 線式)回路は、スレーブセレクト端子(SSb 端子)が”L”レベルで動作状態となります。 SDIN 端子に入力されるデータは、SCK 端子の立ち上がりに同期して DSP に読み込まれます。 SDOUT 端子からのデータは、SSb 端子の立ち下がりに同期して bit7 が出力され、次に SCK 端子の立ち下りに同期し て bit6, bit5, bit4, bit3, bit2, bit1, bit0 が出力されます。入出力共に MSB ファーストで通信されます。(図 4) 通信は 8bit 単位です。8bit に満たなかった場合や 8bit を超えた場合は、正しく動作しません。SDOUT 端子は、常時 CMOS 出力のため、プルアップ抵抗は必要有りません。また、SSb='H'時に SDOUT 端子に現れる値は不定となります。 SSb SCK SDIN bit7 bit6 bit5 bit1 MSB SDOUT 不定 bit7 bit0 LSB bit6 bit5 bit1 bit0 不定 図 4 シリアルインターフェース(4 シリアルインターフェース 線式)タイミング 線式 タイミング シリアルインターフェース(4 線式)のタイミング等、詳細につきましては、「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様 書」を参照してください。 -6- Ver.2008-12-03 NJU26207 端子設定 NJU26207 はリセット解除後の動作を PROC、MUTEb 端子により設定することができます。(表 7) PROC、MUTEb 端子は、抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して V DDIO または VSSIO に接続してください。 表 7 機能設定ピン 機能設定ピン Pin No. 端子名 13 PROC 11 MUTEb 設定 H (※) L (※) H (※) L (※) 機能 リセット解除後、デフォルト設定に従って信号処理を行います。 リセット解除後、信号処理を行いません。信号処理の開始には、専 用のスタートコマンドを送信する必要があります。 リセット解除後、マスターボリュームを 0dB に設定します。 リセット解除後、マスターボリュームをミュートに設定します。 ※ リセット解除時に設定します。 ウォッチドッグクロック出力端子 ウォッチドッグクロック出力端子 NJU26207 は、ウォッチドッグクロック出力端子(WDC)を持っています。音声信号処理の過程で、一定の間隔で WDC 端子をトグルすることにより、外部にファームウェアが動作していることを通知します。この出力と外部ウォッチドッグ監 視 IC やマイコン等の端子でモニタすることで、異常状態を検出することができます。 WDC 端子からの出力トグル周期は、約 100ms に設定されています。 WDC 端子は、オープンドレイン出力となっているため、表 8 のように設定してください。 表 8 WDC ピン設定 ピン設定 Pin No. 端子名 12 WDC 設定 WDC 使用する場合 抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して V DDIO に接続してください。 WDC 使用しない場合 抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して V SSIO に接続してください。 (端子をフローティング状態にしないでください) 注意: 注意: ・WDC 端子出力は、音声処理の過程に挿入されており、周期は正確ではありません。 ・スレーブモードにおいて、BCKI/LRI の入力が無い場合には出力できません。 ・サンプリングレートを正しく設定することが必要です。 Ver.2008-12-03 -7- NJU26207 NJU26207 NJU26207 コマンド一覧 コマンド一覧 表 9 NJU26207 コマンド表 コマンド表 No. 機 能 1 Set Task Command 2 System State Command 3 Sample rate Select Command 4 Smooth Control Config Command 5 Master Volume Control Command 6 Master Volume Balance Control Command 7 Input Reference Level Command 8 Output Reference Level Command 9 Calibration Level Command 10 Digital Volume Level Command 11 Analog Volume Level Command 12 Reset Flag Command 13 Input Select / Delay Command 14 Up data Command 15 Firmware Version Number Request Command 16 DSP Reset Command 17 Start Command 18 Nop Command 注意 : コマンドの詳細については別途、ご請求下さい。 また、コマンド開示するにはライセンサー(Dolby 社)の許可が必要となります。 ステータス返答 ステータス返答 NJU26207 はホストコントローラへの応答として 4 種類の応答を返します。 表 10 Status Status Status Status -8- NJU26203 からホストコントローラ からホストコントローラへの ホストコントローラへのステータス へのステータス応答 ステータス応答 ステータス返答バイト : Command Accepted : Command Error : Command Process : Not Ready 返答の値 0x80 0x81 0x82 0x83 備考 コマンド受信 OK コマンド受信エラー コマンド処理中 起動時初期化中 Ver.2008-12-03 NJU26207 ライセンスについて ライセンスについて ドルビーラボラトリーズライセンシングコーポレーションからの実施権に基づき製造されています。 ドルビー、Dolby、Dolby Volume およびダブルD 記号はドルビーラボラトリーズライセンシングコーポレーション の商標です。 NJU26207の使用にあたっては,ドルビーラボラトリーズ発行のライセンシーインフォメーションを御参照くださ い。 <注意事項> <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには このデータブックの掲載内容の正確さ 万全を期しておりますが、掲載内容について には 何らかの法的な保証を行うものではありませ 万全を期しておりますが、掲載内容につ ん。とくに応用回路については、製品の代表 いて 的な応用例を説明するためのものです。また、 何らかの法的な保証を行うものではあり 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 ませ うものではなく、第三者の権利を侵害しない ん。とくに応用回路については、製品の ことを保証するものでもありません。 代表 Ver.2008-12-03 -9-