NJU26209 DAEP デコーダ 概 要 ■ 外 形 NJU26209は、DAEP (Dolby Automotive Entertainment Program)を搭載した 24ビットデジタルシグナルプロセッサです。 DAEPにより、車内でセンターイメージがセンターにない問題を解消し、車内全座 席で前方定位を可能にします。 この機能により、カーオーディオ、AVNなどの各種オーディオ機器に最適です。 特 徴 NJU26209V ◆ ソフトウェア DAEP (Dolby Automotive Entertainment Program) Pro Logic II Automotive (Advanced Surround Fader, Center Image Control) Bass Management Time Alignment Master Volume Input Trim Channel Trim ◆ ハードウェア 24bit 固定小数点デジタルシグナルプロセッサ 外部クロック周波数 : 12.288MHz, PLL を内蔵 デジタルオーディオインターフェース : 入力 4 ポート/出力 4 ポート デジタルオーディオフォーマット : I2S 24bit、 左詰め/右詰め対応、 BCK : 32fs/64fs マスター/スレーブ対応 ホストインターフェース ・I2C バスインターフェース (Standard-mode/100kbps, Fast-mode/400kbps) ・シリアルインターフェース (4 線式:クロック、スレーブセレクト、入力データ、出力データ) 電源電圧 : VDD = VDDPLL = 1.8V : VDDIO = 3.3V 入力専用端子許容電圧 : 5V トレラント パッケージ : SSOP44 ( 鉛フリー対応 ) *ハードウェア仕様の詳細については「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」を参照願います。 Ver.2008-12-04 -1- NJU26209 ブロック図 ブロック図 AD1/SDIN AD2/SSb DSP ARITHMETIC UNIT SCL/SCK SDA/SDOUT SERIAL HOST INTERFACE BCKO BCKO PROGRAM CONTROL LRO 2424-BIT x 2424-BIT MULTIPLIER ALU RESETb MCK CLK SERIAL AUDIO INTERFACE TIMING GENERATOR / PLL L/Rout SDO SDO1 C/SWout C/SWout SDO2 SDO2 LM/RMout SDO3 SDO3 LB/RB /RBout SDO0 SDO0 Input Input SDI0~3 SDI0~3 ADDRESS ADDRESS GENERATION UNIT BCKI CLKOUT LRI PROC DATA RAM 図1 -2- FIRMWARE ROM General I/O INTERFACE MUTEb SEL WDC NJU26209 NJU26209 ハードウエアブロック図 ハードウエアブロック図 Ver.2008-12-04 NJU26209 機能ブロック 機能ブロック DAEP L L SDI0 R L/R Pro Logic II 3ch C L CPLII L L L R R C C R R R C C C LM LM RM RM Time Alignment SDI1 Pro Logic II 5ch C/SW Input Trimmer SDI3 LS/RS LS LS LS LS RS RS RS RS Bass Management Ver.2008-12-04 Time Alignment Time Alignment Time Alignment LFE 図2 SDO2 SW Advanced Fader / Mixer SDI2 SDO1 Time Alignment Phantom Center LM LM RM Master Volume & Channel Trim LS RM RS RS LS SDO3 SDO0 SW NJU26209 機能ブロック 機能 ブロック図 ブロック図 (ファームウェア (ファームウェア) ファームウェア ) -3- NJU26209 端子配列 SDI3 1 44 VDD SDI2 2 43 VSS SDI1 3 42 VSSIO SDI0 4 41 VDDIO LRI 5 40 SDO0 VDDIO 6 39 SDO1 BCKI 7 38 SDO2 VSS 8 37 SDO3 VDD 9 36 LRO TEST 10 35 BCKO 34 MCK 33 VDDIO NJU26209 MUTEb 11 WDC 12 PROC 13 32 SDA/SDOUT VSSIO 14 31 SCL/SCK VDDIO 15 30 AD2/SSb SEL 16 29 AD1/SDIN VDDPLL 17 28 TEST VSSPLL 18 27 TEST VSS 19 26 TEST VDD 20 25 RESETb CLKOUT 21 24 VDDIO CLK 22 23 VSSIO SSOP44 図3 -4- 端子配列 Ver.2008-12-04 NJU26209 端子説明 表 1 端子説明 Pin No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 * 端子名 SDI3 SDI2 SDI1 SDI0 LRI VDDIO BCKI VSS VDD TEST * MUTEb * WDC * PROC * VSSIO VDDIO SEL VDDPLL VSSPLL VSS VDD CLKOUT CLK VSSIO VDDIO RESETb TEST TEST TEST AD1/SDIN AD2/SSb SCL/SCK SDA/SDOUT VDDIO MCK BCKO LRO SDO3 SDO2 SDO1 SDO0 VDDIO VSSIO VSS VDD I/O I I I I I I I I OD I I O I I I I I I I I I/O O O O O O O O - 機 能 (LS/RS) (C/SW) (L/R) (L/R) オーディオデータ入力 3 オーディオデータ入力 2 オーディオデータ入力 1 オーディオデータ入力 0 LR クロック入力 I/O 電源 +3.3V ビットクロック入力 内部ロジック電源 GND 内部ロジック電源 +1.8V テスト端子 ( 通常使用時 : VSSIO に接続 ) リセット後のマスターボリューム状態 ‘1’:0dB ‘0’:ミュート ウォッチドッグクロック出力端子(オープンドレイン出力) リセット後の信号処理 ‘1’:通常処理する ‘0’:処理しないでコマンド待ち I/O 電源 GND I/O 電源 +3.3V ホストインターフェース選択 ‘1’:シリアル(4 線式)/ ‘0’: I2C バス PLL アナログ部電源 +1.8V PLL アナログ部電源 GND 内部ロジック電源 GND 内部ロジック電源 +1.8V 水晶発振用クロック出力端子 水晶発振用クロック入力端子 ( 12.288MHz ) I/O 電源 GND I/O 電源 +3.3V リセット(RESETb= ‘0’でリセット) テスト端子 ( 通常使用時 : VDDIO に接続 ) テスト端子 ( 通常使用時 : VSSIO に接続 ) テスト端子 ( 通常使用時 : VSSIO に接続 ) I2C アドレス選択(I2C)/シリアルデータ入力(シリアル(4 線式)) I2C アドレス選択(I2C)/スレーブセレクト(シリアル(4 線式)) シリアルクロック(I2C)/シリアルクロック(シリアル(4 線式)) シリアルデータ入出力(I2C)/シリアルデータ出力(シリアル(4 線式)) I/O 電源 +3.3V A/D, D/A クロック出力(CLK 端子のバッファ出力) ビットクロック出力 LR クロック出力 オーディオデータ出力 3 (LM/RM) オーディオデータ出力 2 (C/SW) オーディオデータ出力 1 (L/R) オーディオデータ出力 0 (LS/RS) I/O 電源 +3.3V I/O 電源 GND 内部ロジック電源 GND 内部ロジック電源 +1.8V I :入力, O :出力, OD :オープンドレイン出力, I/O :双方向 端子名に * が付いている端子は、必ず抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO または VSSIO に接続してください。 Ver.2008-12-04 -5- NJU26209 デジタルオーディオインターフェース デジタルオーディオフォーマットは、I2S、MSB ファースト左詰め、及び MSB ファースト右詰めをサポートしています。 NJU26209 は、4 ポートのオーディオデータ入力端子(SDI0~3)と、4 ポートのオーディオデータ出力端子(SDO0~3)を備 えています。入出力信号の割り当ては表 2、表 3 及び図 2、図 3、図 4、図 5 の機能ブロック図を参照してください。 表 2 オーディオデータ入 オーディオデータ 入力 Pin No. 端子名 4 3 2 1 SDI0 SDI1 SDI2 SDI3 機 能 ステレオ入力時 マルチチャネル入力時 オーディオデータ入力 ( L / R ) (SDI0/SDI1 ピンセレクト) オーディオデータ入力 ( L / R ) (SDI0/SDI1 ピンセレクト) 未使用 オーディオデータ入力 2 ( C / SW ) 未使用 オーディオデータ入力 3 ( LS / RS ) 表 3 オーディオデータ出力 オーディオデータ 出力 Pin No. 端子名 機 能 40 SDO0 オーディオデータ出力 0 39 SDO1 オーディオデータ出力 1 38 SDO2 オーディオデータ出力 2 37 SDO3 オーディオデータ出力 3 ( ( ( ( LS/RS ) L/R ) C/SW ) LM/RM ) ホストインターフェース NJU26209 の制御インターフェースは、I2C バスインターフェース、あるいは、シリアルインターフェース(4 線式) です。 I2C バスインターフェースで制御する場合、リセット解除時、SEL 端子を”L”に設定し、シリアルインターフェース(4 線 式)で制御する場合、リセット解除時、SEL 端子を”H”に設定します。(表 4) ホストインターフェース端子機能は、表 5 の通りです。 データ転送は共に 8 ビット(1 バイト)単位です。 ホストインターフェースは常にスレーブで、ホストコントローラからク ロック(SCL/SCK)に同期してデータが転送されます。 表 4 ホストインターフェース ホストインターフェース設定 設定 Pin No. 端子名 設定 L (※) 16 SEL H (※) ホストインターフェース I2C バスインターフェース シリアルインターフェース(4 線式) ※ リセット解除時に設定します。 表 5 ホストインターフェース ホストインターフェース端子機能 端子機能 端子名 I2C バスインターフェース Pin No. 2 選択時 (I C /Serial) 2 29 AD1/SDIN I C アドレス選択 Bit1 30 AD2/SSb I2C アドレス選択 Bit2 31 SCL/SCK シリアルクロック シリアルデータ入出力 32 SDA/SDOUT (オープンドレイン出力) シリアルインターフェース (4 線式)選択時 シリアルデータ入力 スレーブセレクト シリアルクロック シリアルデータ出力 (CMOS 出力) 注意: 注意 : SDA/SDOUT 端子は、I2C バスインターフェース選択時:オープンドレイン出力になります。プルアップ抵抗を接 続してください。シリアルインターフェース(4 線式)選択時:CMOS 出力になります。プルアップ抵抗を接続する必 要ありません。 また、SDA/SDOUT 端子は、5V トレラントではないため、電圧レベルに注意してください。(最大で VDDIO まで) SCL/SCK 端子は、5V トレラントです。 I2C バスインターフェース時は SCL/SDA 端子のプルアップ電圧を SDA 側 -6- Ver.2008-12-04 NJU26209 に統一してください。 I2C バスインターフェース バスインターフェース I2C バスインターフェースでは、データを SDA 端子に、クロックを SCL 端子に転送します。SDA 端子はオープンドレイ ン構造で、外部にプルアップ抵抗が必要です。 AD1, AD2 端子(Pin No.29, 30)は、7 ビットからなるスレーブアドレスの 下位 2 ビットの設定に用います。 アドレスは、表 6 に示す固定値と AD1/AD2 端子により、4 種類設定できます。 表 6 I2C バスインターフェーススレーブアドレス設定 バスインターフェーススレーブアドレス設定 bit7 0 0 0 0 固定値 bit5 1 1 1 1 bit6 0 0 0 0 AD2 端子 bit4 1 1 1 1 bit3 1 1 1 1 AD1 端子 bit2 0 0 1 1 bit1 0 1 0 1 R/W bit0 R/W データ形式 Start Bit R/W bit Slave Address (7bit ) ACK ※ AD1 端子、AD2 端子において“0”=”L”、”1”=”H” ※ R/W において“0”=”W”、”1”=”R” I2C バスインターフェースのタイミング等、詳細につきましては、「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様書」を参 照してください。 シリアルインターフェース(4 シリアルインターフェース(4 線式) 線式) シリアルインターフェース(4 線式)回路は、スレーブセレクト端子(SSb 端子)が”L”レベルで動作状態となります。 SDIN 端子に入力されるデータは、SCK 端子の立ち上がりに同期して DSP に読み込まれます。 SDOUT 端子からのデータは、SSb 端子の立ち下がりに同期して bit7 が出力され、次に SCK 端子の立ち下りに同期し て bit6, bit5, bit4, bit3, bit2, bit1, bit0 が出力されます。入出力共に MSB ファーストで通信されます。(図 4) 通信は 8bit 単位です。8bit に満たなかった場合や 8bit を超えた場合は、正しく動作しません。SDOUT 端子は、常時 CMOS 出力のため、プルアップ抵抗は必要有りません。また、SSb='H'時に SDOUT 端子に現れる値は不定となります。 SSb SCK SDIN bit7 bit6 bit5 bit1 MSB SDOUT 不定 bit7 bit0 LSB bit6 bit5 bit1 bit0 不定 図 4 シリアルインターフェース(4 シリアルインターフェース 線式)タイミング 線式 タイミング シリアルインターフェース(4 線式)のタイミング等、詳細につきましては、「NJU26200 シリーズハードウェア共通仕様 書」を参照してください。 Ver.2008-12-04 -7- NJU26209 端子設定 NJU26209 はリセット解除後の動作を PROC、MUTEb 端子により設定することができます。(表 7) PROC、MUTEb 端子は、抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO または VSSIO に接続してください。 表 7 機能設定ピン 機能設定ピン Pin No. 端子名 13 PROC 11 MUTEb 設定 H (※) L (※) H (※) L (※) 機能 リセット解除後、デフォルト設定に従って信号処理を行います。 リセット解除後、信号処理を行いません。信号処理の開始には、専 用のスタートコマンドを送信する必要があります。 リセット解除後、マスターボリュームを 0dB に設定します。 リセット解除後、マスターボリュームをミュートに設定します。 ※ リセット解除時に設定します。 ウォッチドッグクロック出力端子 ウォッチドッグクロック出力端子 NJU26209 は、ウォッチドッグクロック出力端子(WDC)を持っています。音声信号処理の過程で、一定の間隔で WDC 端子をトグルすることにより、外部にファームウェアが動作していることを通知します。この出力と外部ウォッチドッグ監 視 IC やマイコン等の端子でモニタすることで、異常状態を検出することができます。 WDC 端子からの出力トグル周期は、約 100ms です。 WDC 端子は、オープンドレイン出力となっているため、表 8 のように設定してください。 表 8 WDC ピン設定 ピン設定 Pin No. 端子名 12 WDC 設定 WDC 使用する場合 抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VDDIO に接続してください。 WDC 使用しない場合 抵抗(推奨 3.3kΩ)を介して VSSIO に接続してください。 (端子をフローティング状態にしないでください) 注意: 注意: ・WDC 端子出力は、音声処理の過程に挿入されており、周期は正確ではありません。 ・スレーブモードにおいて、BCKI/LRI の入力が無い場合には出力できません。 ・サンプリングレートを正しく設定することが必要です。 -8- Ver.2008-12-04 NJU26209 NJU26209 NJU26209 コマンド一覧 コマンド一覧 表 9 NJU26209 コマンド表 コマンド表 No. 機 能 1 Set Task Command 2 System State Command 3 Sample rate Select Command 4 Smooth Control Config Command 5 Master Volume Control Command 6 Channel Trim Control Command 7 Input Trim Control Command 8 DAEP Balance Control Command 9 DAEP Phantom Center Config Command 10 Pro Logic II Shelf Filter Config Command 11 Bass Management Config Command 12 Bass Management LFE Trim Command 13 Bass Management Center Trim Command 14 Bass Management L/R Trim Command 15 Bass Management LS/RS Trim Command 16 Front Delay Control Command 17 Middle Delay Control Command 18 Surround Delay Control Command 19 Center Delay Control Command 20 Subwoofer Delay Control Command 21 PNG Mode Command 22 Firmware Version Number Request Command 23 DSP Reset Command 24 Start Command 25 Nop Command 注意 : コマンドの詳細については別途、ご請求下さい。 また、コマンド開示するにはライセンサー(Dolby 社)の許可が必要となります。 ステータス返答 ステータス返答 NJU26209 はホストコントローラへの応答として 4 種類の応答を返します。 表 10 NJU26209 からホストコントローラ からホストコントローラへの ホストコントローラへのステータス へのステータス応答 ステータス応答 ステータス返答バイト Status : Command Accepted Status : Command Error Status : Command Process Status : Not Ready Ver.2008-12-04 返答の値 0x80 0x81 0x82 0x83 備考 コマンド受信 OK コマンド受信エラー コマンド処理中 起動時初期化中 -9- NJU26209 ライセンスについて ライセンスについて ドルビーラボラトリーズライセンシングコーポレーションからの実施権に基づき製造されています。 ドルビー、Dolby、Pro Logic II、DAEPおよびダブルD 記号(2)はドルビーラボラトリーズライセンシングコーポ レーションの商標です。 NJU26209の使用にあたっては,ドルビーラボラトリーズ発行のライセンシーインフォメーションを御参照くださ い。 <注意事項> <注意事項> このデータブックの掲載内容の正確さには このデータブックの掲載内容の正確さ 万全を期しておりますが、掲載内容について には 何らかの法的な保証を行うものではありませ 万全を期しておりますが、掲載内容につ ん。とくに応用回路については、製品の代表 いて 的な応用例を説明するためのものです。また、 何らかの法的な保証を行うものではあり 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴 ませ うものではなく、第三者の権利を侵害しない ん。とくに応用回路については、製品の ことを保証するものでもありません。 代表 - 10 - Ver.2008-12-04