STK672-210-E - ON Semiconductor

注文コード No. N 7 4 6 4 A
データシート No.N7464 をさしかえてください。
STK672-210-E
厚膜混成集積回路
ユニポーラ定電流チョッパ方式
2 相ステッピングモータドライバ
出力電流 1.4A
http://onsemi.jp
STK672-210-E は、STK6712 シリーズを小型化・入力論理フリーを行った 2 相ステッピングモータ
ドライバ用ハイブリッド IC(H-IC)である。
用途
プリンター、複写機、X-Y プロッター等のステッピングモータドライバ。
特長
・同相入力保護回路内蔵。
・入力信号論理は Active H,L の対となるモータ配線を入れ替えることで対応できる。
・電流検出抵抗を内蔵しているので PCB 基板上での部品実装面積を少なくできる。
・モータ動作範囲が広い(10~45V)。
絶対最大定格/Tc=25℃
項目
記号
条件
最大電源電圧 1
VCC1 max
無信号時
52
V
最大電源電圧 2
VCC2 max
無信号時
-0.3~7.0
V
入力電圧
VIN max
ロジック入力部
-0.3~7.0
V
出力電流
IOH max
0.5s,1 パルス,VCC1 印可時
2.2
A
電力損失
Pd max
無限大放熱板,
6.5
W
MOSFET 1 石当たり
定格値
unit
動作時基板温度
Tc max
105
℃
接合部温度
Tj max
150
℃
保存周囲温度
Tstg
-40~+125
℃
最大定格を超えるストレスは、デバイスにダメージを与える危険性があります。最大定格は、ストレス印加に対してのみであり、推奨動作条件を超えての機能
的動作に関して意図するものではありません。推奨動作条件を超えてのストレス印加は、デバイスの信頼性に影響を与える危険性があります。
Semiconductor Components Industries, LLC, 2013
September, 2013
52808HKIM E 付加/N1506 社変/D2603HKIM◎井上 5-6165 No.7464-1/11
STK672-210-E
動作許容範囲/Ta=25℃
項目
記号
条件
定格値
unit
電源電圧 1
VCC1
有信号時
10~45
V
電源電圧 2
VCC2
有信号時
5.0±5%
V
入力電圧
VIH
0~VCC2
V
相ドライバ耐圧
VDSS
ID=1mA(Tc=25℃)
100
V
出力電流 1
IOH1
6-9 ピン≧100Hz,
1.4
A
1.6
A
Tc=105℃,Duty50%
出力電流 2
IOH2
6-9 ピン≧100Hz,
Tc=90℃,Duty50%
電気的特性/Tc=25℃,VCC1=24V,VCC2=5V
項目
記号
コントロール電源電流
ICCO
Ioave
出力平均電流
条件
min
typ
入力全て VCC2 入力
R/L=3.5Ω/3.8mH
各相当たり
0.405
max
unit
3.3
10
mA
0.450
0.505
A
FET ダイオード順方向電圧
Vdf
If=1.0A
1.1
1.8
V
出力飽和電圧
Vsat
RL=24Ω
0.8
1.2
V
Vref 入力電圧
VrH
12 ピン
3.5
V
Vref 入力バイアス電流
IIB
12 ピン=1V
500
nA
VIH
H-IC 6,7,8,9 ピン
VIL
H-IC 6,7,8,9 ピン
IIH
H-IC 6,7,8,9 ピン VIN=VCC2
310
μA
IIL
H-IC 6,7,8,9 ピン VIN=0V
2.5
μA
0
50
[コントロール入力端子]
入力電圧
入力電流
3.5
V
0.7
V
備考:電源は、定電圧電源を使用すること。
外形図
unit:mm (typ)
4168
32.5
1
2.0
11 2=22
12
0.5
4.0
1.0
26.0
8.5
0.4
2.9
No.7464-2/11
STK672-210-E
内部ブロック図
5
4
φAB
φA
8
9
Vref
12
φBB
φB
6
7
Toff
時間
設定
VCC2
10
3
2
Toff
時間
設定
SP
11
PG
1
SUB
応用回路例
VCC2=5V
10
φA
9
2
φAB
8
3
φB
7
4
φBB
6
5
VCC1=24V~
ステッピング
モータ
STK672-210-E
Ro1
Co2=10μF
Co1=220μF
+
12
+
11
1
Ro2
P.GND
S.GND
・Co1 のグランドは H-IC の 1 ピン近傍に接続すること。
・6~9 ピンの入力仕様は、HC タイプ CMOS を推奨する。
・TTL IC での入力の場合は、プルアップ抵抗をつけること(2kΩ推奨)。
・励磁入力仕様。
出力対応 pin
ITF02289
励磁入力信号対応 pin
Active : H
Active : L
2pin
φB
φBB
3pin
φBB
φB
4pin
φA
φAB
5pin
φAB
φA
No.7464-3/11
STK672-210-E
相信号:アクティブ
2 相励磁
L 入力
1-2 相励磁
クロック
クロック
⑥ピン
相信号 BB
⑥ピン
相信号 BB
⑦ピン
相信号 B
⑦ピン
相信号 B
⑧ピン
相信号 AB
⑧ピン
相信号 AB
⑨ピン
相信号 A
⑨ピン
相信号 A
②ピン
MOSFET ゲート信号
②ピン
MOSFET ゲート信号
③ピン
MOSFET ゲート信号
③ピン
MOSFET ゲート信号
④ピン
MOSFET ゲート信号
④ピン
MOSFET ゲート信号
⑤ピン
MOSFET ゲート信号
⑤ピン
MOSFET ゲート信号
相信号:アクティブ
2 相励磁
H 入力
1-2 相励磁
クロック
クロック
⑥ピン
相信号 BB
⑥ピン
相信号 BB
⑦ピン
相信号 B
⑦ピン
相信号 B
⑧ピン
相信号 AB
⑧ピン
相信号 AB
⑨ピン
相信号 A
⑨ピン
相信号 A
②ピン
MOSFET ゲート信号
②ピン
MOSFET ゲート信号
③ピン
MOSFET ゲート信号
③ピン
MOSFET ゲート信号
④ピン
MOSFET ゲート信号
④ピン
MOSFET ゲート信号
⑤ピン
MOSFET ゲート信号
⑤ピン
MOSFET ゲート信号
No.7464-4/11
STK672-210-E
モータ電流のピーク値 IOH 設定
IOH≒Vref÷Rs
Vref:H-IC の 12 ピン入力電圧
Rs:H-IC 内蔵の電流検出抵抗(0.195Ω±2%)
IOH
0
ドライバ IC へ流入するモータ電流モデル図(2,3,4,5 ピン)
Vref=(Ro2÷(Ro1+Ro2))×VCC2
VCC2=5V
電流切換え方法
Ro1 は入力バイアス電流 IIB の仕様を考慮して 100kΩ以内とすること。
モータ電流をホールドモータ停止時等で一時的に切換える回路は下記を参照すること。
この時、基準電圧切換え TR の飽和電圧の影響を出来るだけ少なくする為に左下図の回路構成を推奨
する。
5V
5V
Ro1
Vref
Ro1
Ro3
Vref
Ro2
Ro3
切換え回路-1
Ro2
切換え回路-2
入力端子形式
入力ピン
回路形式
6,7,8,9 ピン
X相
(XB 相)
MOSFET のゲート信号
XB 相の PWM 信号
5V
10kΩ
XB 相へ
5V
10kΩ
12 ピン
5V と GND の切換えスイッチ
は、3 ページの内部ブロック図
の toff 時間設定の動作内容を
示す。GND 時に入力抵抗が
20kΩのプルダウンとなる。
VCC2
CR 入力
Vref
一方のコンパレータへ
GND
No.7464-5/11
STK672-210-E
放熱設計
H-IC の放熱板サイズは、出力電流 IOH(A)、モータの電気的特性、励磁モード、励磁入力基本周波数に
よって変わる。
放熱板の熱抵抗のθc-a は次式より求められる。
θc − a =
Tc max − Ta
(℃/W)
Pd
Tc max:H-IC 基板温度(℃)
Ta:セット内周囲温度(℃)
Pd:H-IC 内部平均電力損失(W)
例えば、放熱板 2mm のアルミ板の場合、必要な面積は右下図より求められる。なお、周囲温度は、セッ
ト内部の空気の対流状態で大きく変わる。したがって、実装状態で H-IC の裏面(アルミ板側)でいかな
る条件下でも Tc=105℃を超えないことを十分考慮して放熱板サイズを決定すること。
<H-IC の内部平均電力損失 Pd>
STK672-210-E の内部平均電力損失の中で電力損失が大きい素子は、電流制御用素子、回生電流用ダ
イオード、電流検出抵抗、プリドライバ回路が上げられる。
励磁モード別損失計算式は以下の通りとなる。
2 相励磁モード
Pd2EX=(Vsat+Vdf)×0.5×CLOCK×IOH×t2+0.5×CLOCK×IOH×(Vsat×t1+Vdf×t3)
1-2 相励磁モード
Pd1-2EX=(Vsat+Vdf)0.25×CLOCK×IOH×t2+0.25×CLOCK×IOH×(Vsat×t1+Vdf×t3)
モータホールド時
PdHOLDEX=(Vsat+Vdf)×IOH
Vsat:Ron 電圧降下+シャント抵抗の合成電圧
Vdf:FET のボデーダイオード+シャント抵抗の合成電圧
CLOCK:入力クロック(4 ページのタイミング図のクロックを示す)
IOH
0A
t1
図-1
t2
t3
モータ COM 電流波形モデル
No.7464-6/11
STK672-210-E
t1:巻線電流が設定電流(IOH)に達する迄の時間
t2:定電流制御(PWM)領域の時間
t3:相信号が切れて逆起電流が回生消費される迄の時間
t1=(-L/(R+0.77))In(1-((R+0.77)/VCC1)×IOH)
t3=(-L/R)In((VCC1+0.77)/(IOH×R+VCC1+0.77))
VCC1:モータ電源電圧(V)
L:モータインダクタンス(H)
R:モータ巻線抵抗(Ω)
IOH:モータ設定出力電流波高値(A)
各励磁モードの相信号 ON 時間 T(=t1+t2+t3)と定電流制御時間 t2
2 相励磁モード:t2=(2/Clock)-(t1+t3)
1-2 相励磁モード:t2=(3/Clock)-t1
Vsat 及び Vdf の値は設定電流値 IOH 時の Vsat vs IOH、Vdf vs IOH グラフより代入すること。
そして、求めた H-IC 平均電力損失からΔTc vs Pd グラフと比較して放熱板が必要か判断する。
尚、ノーフィンで使用する場合 H-IC の空気対流等の影響で H-IC 基板温度 Tc が変化するので必ず
セットでの温度上昇確認を行うこと。
No.7464-7/11
STK672-210-E
STK672-210-E のアバランシェエネルギー許容値
【アバランシェ状態での許容範囲】
STK672-2**シリーズのハイブリッド IC を使用して、2 相ステッピングモータを定電流チョッピン
グ駆動させたとき、STK672-2**シリーズの出力電流 ID、電圧 VDS は、下記図-1 波形となる。
VDSS: アバランシェ動作時の電圧
VDS
IOH: モータ電流のピーク
IAVL: アバランシェ動作時の電流
ID
tAVL: アバランシェ動作の時間
ITF02557
図-1 2 相ステッピングモータを定電流チョッピング駆動させたときの
STK672-2**シリーズの出力電流 ID,電圧 VDS 波形 1
No.7464-8/11
STK672-210-E
STK672-2**シリーズに内蔵された MOSFET が、定電流チョッピングのため OFF 動作をするとき、
ID が上記の波形のように立下がる。このとき、出力電圧 VDS は、モータのコイルに発生する電
磁誘導で急激に立上がる。
急激に立上がった電圧は、MOSFET の VDSS で電圧制限がかかる。この VDSS による電圧制限状態
は、MOSFET のアバランシェとなる。アバランシェでは、ID が流れその時の単発エネルギーEAVL1
は、式(1)で表現される。
EAVL1=VDSS×IAVL×0.5×tAVL ─────────── (1)式
VDSS:単位 V,IAVL:単位 A,tAVL:単位 秒
(1)式の係数の 0.5 は、IAVL の三角波を方形波に変換するための定数である。
STK672-2**シリーズの動作は、定電流チョッピング動作であるため、上図の波形の繰り返しとな
る。
そこで、定電流チョッピング動作における許容アバランシェエネルギーEAVL の表現は、(1)式に
チョッピング周波数を乗算したアバランシェ状態の平均電力損失 PAVL の(2)式とする。
PAVL=VDSS×IAVL×0.5×tAVL×fc ───────── (2)式
fc:単位 Hz(fc は、PWM 周波数 50kHz に設定する。)
VDSS,IAVL,tAVL は、実際に STK672-2**シリーズを動作させ、その動作をオシロスコープで観測
したときの値を代入すること。
例 STK672-210-E のドライバで VDSS=110V,IAVL=1A,tAVL=0.2μs ならば、
PAVL=110×1×0.5×0.2×10-6×50×103=0.55W
となる。VDSS=110V は、オシロスコープによる実測値である。
アバランシェエネルギーの許容値となる PAVL の許容損失範囲は、図-3 のグラフに表す。
アバランシェエネルギーを検討するさい、モータを実際に動作させ、その動作波形 ID,VDSS,tAVL
を観測し、(2)式の計算結果がアバランシェ動作時の許容範囲であることを確認すること。
No.7464-9/11
STK672-210-E
【アバランシェ状態でない ID,VDSS の動作波形】
図-1 では、アバランシェ状態の波形を示すが、実際の動作ではアバランシェにならないときもある。
アバランシェの発生要因は、
・モータの相コイルの結合(A 相と AB 相、B 相と BB 相との電磁結合)の悪さ
・P.C.BOARD の回路パターンやモータから出るハーネスのリードインダクタンスの増加
・24V から 36V による電源電圧の増加等で図-1 の VDSS,tAVL,IAVL が増加する。
上記の要因が少ないと図-1 の波形は、図-2 のようにアバランシェのない波形になる。
図-2 動作では、アバランシェは発生せず、図-3 PAVL の許容損失範囲を考慮する必要はない。
VDS
IOH: モータ電流のピーク
ID
ITF02558
図-2 2 相ステッピングモータを定電流チョッピング駆動させたときの
STK672-2**シリーズの出力電流 ID,電圧 VDS 波形 2
STK672-210-E アバランシェ動作時の許容損失範囲 PAVL-IOH
アバランシェ時の平均電力損失,PAVL - W
図-3
PAVL - IOH
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
モータ相電流,IOH - A
1.2
1.4
1.6
ITF02618
注意
上記動作条件は、2 相ステッピングモータを定電流チョッピング駆動した時の損失である。
IOH=0A で 2W 以上印加可能ということで、駆動用の MOSFET のボディダイオードをツェナーダイオー
ドとして使用は避けること。
[発煙の注意事項]
出力端子 2,3,4,5 ピンのいずれかがオープンすれば、モータに蓄えられたインダクタンスエネル
ギーがドライバへの電気的ストレスとなり、内部 MOSFET がショート状態で破壊することがある。
この結果、STK672-210-E は過電流により発煙に至る可能性がある。
No.7464-10/11
STK672-210-E
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PS No.7464-11/11